特許第5937585号(P5937585)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5937585排ガス再循環システムにおける粒子堆積のための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937585
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】排ガス再循環システムにおける粒子堆積のための装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/35 20160101AFI20160609BHJP
【FI】
   F02M25/07 580D
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-517184(P2013-517184)
(86)(22)【出願日】2011年6月22日
(65)【公表番号】特表2013-529754(P2013-529754A)
(43)【公表日】2013年7月22日
(86)【国際出願番号】EP2011060399
(87)【国際公開番号】WO2012000852
(87)【国際公開日】20120105
【審査請求日】2014年3月18日
(31)【優先権主張番号】102010050393.2
(32)【優先日】2010年11月3日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102010025284.0
(32)【優先日】2010年6月28日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500038927
【氏名又は名称】エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンステクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範
(72)【発明者】
【氏名】クルゼ カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ナーゲル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】クルト フェルディ
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−227324(JP,A)
【文献】 特開昭61−160511(JP,A)
【文献】 特開平09−112258(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3143492(JP,U)
【文献】 特開2009−275570(JP,A)
【文献】 米国特許第7346938(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/00−26/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガス再循環ラインに設けられて、内燃機関(16)の排ガスから粒子を分離するための装置(1)であって:
多数の開口(4)を有するベース(3)およびシリンダ部分(14)を有するポット(2)、
前記ポット(2)の前記ベース(3)上にのみ実質的に配置される少なくとも1つの不織布層(5)、および、
カバー(6)、を少なくとも備え、
前記少なくとも1つの不織布層(5)は、前記ベース(3)と前記カバー(6)との間に配置され、
前記ベース(3)は、少なくとも1つの中心の第1領域(24)、および前記第1領域(24)を囲む第2領域(25)を有し、前記第1領域(24)および前記第2領域(25)は、異なって構成される開口を有し、前記第1領域(24)における開口は、中心開口(4)を囲む第1領域(24)の境界線に関して同心的に配置される湾曲スロット(26)の形に構成され、一方、前記第2領域(25)における開口は、第1領域(24)の境界線から前記ベース(3)の縁部(30)まで伸開線の仕方で湾曲して延びて、縁部(30)に向かって幅広になる形に構成される、装置(1)。
【請求項2】
前記カバー(6)は、外側で前記ポット(2)に巻かれる、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
少なくとも前記ベース(3)または前記カバー(6)は、湾曲した形である、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの不織布層(5)は、触媒的に被覆される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの不織布層(5)は、ファブリック(7)の形である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(1)を備える排ガス再循環システムを有する自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス再循環ラインを通って実行される粒子を遮断するかまたは捕獲するための装置に関する。排ガス再循環ラインは、内燃機関の燃焼室において発生する排ガスを必要に応じて内燃機関へ戻し供給するのに役立つ。排ガス再循環のこの種のシステムは、特にターボチャージャと関連して多くの場合にすでに記載された。排ガスの成分の触媒転換のためにそこにある高温を利用するために、触媒コンバータ基板本体および/またはフィルタが、特にセラミックの形もまた、内燃機関の直接下流で排気システム内にすでに設けらることは、同様に公知である。
【背景技術】
【0002】
排ガス再循環ラインに被保護ターボチャージャを有する装置は、特許文献1から明らかになる。前記文書において、排ガス再循環ラインの平均断面積よりも大きいスクリーン層が排ガス再循環ラインの領域に設けられることは、提案される。拡大したスクリーン領域の結果、排ガスは、かなり低い圧力損失を伴ってスクリーン層を通って流れることができる。すると、有効な保護方法は、実現される。それは、それにもかかわらず、ターボチャージャに接近する排ガスフローの挙動をわずかにそこなうだけである。
【0003】
この種のスクリーンまたはフィルタの排ガス再循環ラインへの統合において、ある条件下では、高い圧力負荷がそこで発生可能であることは、考慮に入れられなければならない。そしてそれは、例えば、スクリーンのまたはフィルタの変形の結果としてでもよい。排ガスの通過フロー条件は、その結果、望まれない仕方で変化することができる。
【0004】
さらに、この種のフィルタまたはスクリーンが、適切な場合に改造装置としても、排ガス再循環システム(EGRシステム)のための既存の排気ラインに特に容易に統合され得ることは、考慮に入れられなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2007/110170 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これを出発点として、先行技術に関して強調される課題を少なくとも部分的に解決することは、本発明の目的である。特に、それは、生産しやすくて、(特に排ガス再循環システムにおいて)負荷に永久に耐えて、そして排ガスの粒子の分離および汚染物質の転換を効果的に行える装置を特定しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的は、請求項1の特徴による装置によって達成される。装置のさらに有利な改良は、従属請求項において特定される。請求項において個々に挙げられる特徴がいかなる所望の技術的に好都合な仕方でも互いに組み合わされることができて、本発明の別の実施形態を強調することができる点に留意する必要がある。
【0008】
内燃機関の排ガスからの粒子の分離のための本発明による装置は:
−多数の開口を有するベースを有するポット、
−ポットのベース上に配置される少なくとも1つの不織布層、および、
−カバー、を少なくとも備え、
少なくとも1つの不織布層は、ベースとカバーとの間に配置される。
【0009】
ポットは、(少なくとも50mmの、または少なくとも90mmさえの、そして特に非常に好ましくは200mm以下の直径を好ましくは有する)断面に広がるベースを有する管状のシリンダ部分の仕方で特に形成される。ポットがベースを有する1つの部品において形成されることは、好ましい。ここで、シリンダ部分は、少なくとも50mmの長さを越えて好ましくは延びる。ベースとは反対の端部側で、ポットは、加えて、ポットが例えば排ガス再循環ラインの当接位置に配置されておよび/または前記排ガス再循環ラインにそこで接続されることができるカラーを形成されてもよい。カラーはまた、排ガスを案内する他のライン/装置に対する排ガス再循環ラインの接続位置に組み込まれるために特に役立つ。
【0010】
ベースは、多数の開口を有する。開口は、円型のおよび/または(卵形の、また適切な場合に湾曲した)長い開口の仕方で好ましくは形成される。これらは、少なくとも5mmの、好ましくは少なくとも10mmさえの最小直径を有することが好ましい。開口が互いに関して同心円の形で配置されることは、基本的に可能である。少なくともいくつかの開口が多角形の、スロット等の仕方で形成されることは、同様に可能である。ベースの領域の主要な割合が開口を形成されることは好ましい。そうすると、ベースの領域の例えば50%を超えて、特に60%を超えて開口は形成される。ここで、適切に安定したウェブは、開口の間にまだ残らなければならない。そうすると、開口は、ベースの領域の85%以下を、特に70%以下さえを、割合として占めなければならない。
【0011】
ポットが1mm未満の、例えばまた0.8mm未満の、または特に0.6mm未満の材料厚みを有する(少なくともベースの領域において)ことも、好ましい。
【0012】
少なくとも1つの不織布層は、2mm未満の、特に1mm未満の材料厚みを有することが好ましい。不織布層は、ベースを領域的に担うように、好ましくは形成される。不織布層は、特に、フィルタまたはスクリーンの仕方で形成される。適切な場合には、複数の不織布層が結合される。不織布層は、好ましくはワイヤフィラメントの整列された配置を形成する。そうすると、排ガスのための細孔サイズまたは背圧は、不織布層の断面全体に実質的に一定である。不織布層は、したがって、一緒に結合(溶接)されて、焼結されておよび/またははんだ付けされるワイヤフィラメントから(もっぱら)好ましくは作られる。
【0013】
さらに、不織布層に同様に広がるカバーは、設けられる。カバーは、ベースの材料厚みに実質的に対応する材料厚みを有する。すなわち、1mm未満の、例えばまた0.8mm未満の、または特に0.6mm未満の材料厚みを特に有する。さらに、カバーは、同様に多数の穴を有する。そしてそれは、ベースの開口のパターンに不可避的に対応する必要はない。この点については、特にベースに関して上で述べたように、カバーの領域は、穴によって主に形成されることも好ましい。
【0014】
装置の特に非常に好ましい実施形態において、ベースの開口およびカバーの穴は、互いに整列するように、すなわち特に形および位置(合致する位置決め)に関して配置される。したがって、この場合には、特に、ベースおよびカバーの開口/穴およびウェブは、排ガスの流れ方向に(流れの陰影に)連続して配置される。
【0015】
ここで、ベースおよびカバーがいずれの場合も外側で地域の支持エレメントを形成するように、不織布層は、ベースとカバーとの間に配置される。適切な場合、少なくとも1つの不織布層は、ベースとカバーとの間に締め付けられる(だけ)でもよい。しかしながら、少なくとも1つの不織布層がまた、少なくともベース(またはシリンダ部分)またはカバーに(特に密着する仕方で)接続することも、可能である。不織布層は、したがって、高温かつ動荷重の下でさえ装置上に安全に配置される。
【0016】
前記装置において、浄化される排ガスは、好ましくは、最初にポットのカバーを通り、次いで少なくとも1つの不織布層を通り、そして最後にベースを通って(逆の通過フローもまた可能である)流れる。
【0017】
装置の1つの改良において、カバーはまた、外側でポットに巻かれて設けられる。換言すれば、これはまた、カバーが例えば、ポットのシリンダ部分と外側で相互作用する巻きつけ部分(特に、囲む)の形を有することを意味する。そこで、特に、非積極的ロックまたは、例えば溶接またはハンダ付けによる積極的ロック接続さえ形成される。巻きつけ部分は、シリンダ部分の例えば少なくとも5mm以上延びてよい。ベース/シリンダ部分の遷移領域においておよび/またはカバー/巻きつけ部分の遷移領域において、半径が設けられることは、ここでは好ましい。適切な場合、ポットのシリンダ部分は、カバーによって巻かれる領域においてテーパーの形(減った断面積または受け部を有する)でもよい。そうすると、シリンダ部分に関して半径方向外側に突出するカバーの長さはない。
【0018】
本発明の1つの改良において、少なくともベースまたはカバーは、湾曲した形に設けられてもよい。ここで、湾曲は、流れ方向に延びるように好ましくは整列される。ベースの湾曲がカバーの湾曲に不可避的に対応する必要のない点も基本的に注意されなければならない。ベースのおよび/またはカバーの湾曲した形によって、ポットまたはカバーは、より小さい材料厚みで形成されることができる。同時に、排ガスの(例えば、装置の使用のコースを通じて起きてよい)背圧の結果として、望まれないベンディングが起こる。湾曲が少なくとも2mmの、特に少なくとも4mmの、そして特に非常に好ましくは多くても10mmの距離以上、流れ方向に延びることは、好ましい。
【0019】
この種の湾曲した設計については、ベンディング、応力および緊張(strain)がかなり減少することは、可能である。変化する耐荷重性挙動のせいで、非常に少ない量のベンディングだけが、現在ここで発生する。ポット(例えば1.5mm材料厚み;材料1.4509)およびカバー(例えば0.8mm材料厚み;材料1.4509)コンポーネントの応力は、降伏点(600℃でほぼ140N/mm)の下に残る。ポットの場合、内側に向けた5mmの湾曲を有する実施形態は、最も低い値を有する。高い圧力負荷の結果として、カバー/ベースの穴/開口を通じた不織布層の追加的なベンディング(例えば0.3mm材料厚み;材料1.4767)が起こる。そこで発生する応力は、不織布層自体の決定された降伏点よりも著しく低い。
【0020】
少なくとも1つの不織布層が触媒的に被覆されることもまた、好ましい。ここで、特に、酸化活性を有するコーティングが使用される。酸化コーティングは、炭化水素化合物および/または窒素化合物/酸化窒素合成物の酸化のために、形成されてよい。全ての不織布層が同じ触媒コーティングで形成されることは、ここで好ましい。
【0021】
さらに、不織布層がファブリックで形成されることも、好ましい。ここで、特に、4層テラ・ファブリックが使用される。テラ・ファブリックは、5シェド・アトラス・バインディング(5−shed Atlas binding)によって特徴づけられる。この特定のバインディング・タイプは、目の荒いメッシュ(すなわち、高い通過フロー率および同時に高い機械的安定性)を有するファブリックを産生する。適切な多層ファブリックはまた、適切な場合、例えば溶接によって互いに密着して接続されてもよい。ファブリックのおよび/またはワイヤフィラメントの互いに関連する方向が異なることが、ここで提供されてもよい。
【0022】
少なくとも1つの不織布層と、ベースおよびカバーとの間に広域密着接続が形成されないこともまた、特に非常に好ましい。
【0023】
装置は、特に、ベースが少なくとも1つの中心の第1領域、および第1領域を囲む第2領域を有し、第1領域および第2領域は、異なって構成された開口を有するような形であることが好ましい。第1領域がベースの中心からベースの直径の少なくとも20%以上、少なくとも30%以上、または少なくとも50%以上さえ延びることは、ここでは特に非常に好ましい。ここで、第1領域は、ベース自体と同じ形状であるように(すなわち、ベースが円形の場合は、例えば円形に)好ましくは形成される。しかしながら、この場合、第1領域は、直径の50%よりも著しく大きくない(すなわち、特に直径の60%を上回らない)ように好ましくは設計されなければならない。第2領域は、次いで、第1領域とベースの縁部との間でベースの残りの領域を一般に含む。第2領域の形状は、したがって、第1領域のおよび/またはベースの縁部の形状(すなわち、上記の例の円環の仕方で形成される)にもマッチする。第1領域において、中心(円形)開口を囲む第1領域の境界線に関して同心的に配置される特に湾曲スロットの形に、開口が(主に、またはもっぱらにさえ)設けられる場合、それは好ましい。ここで、スロットのサイズおよび/または数は、内側から外向きに異なってよい。対照的に、第2領域において、同一または均一の形状の穴部の逃げ(hole recess)だけが設けられる。そしてそれは、第1領域の境界線からベースの縁部まで延びる。穴部の逃げは、特に伸開線の仕方でさらに湾曲して、縁部に向かって幅広になる。そうすると、それら間の隣接するウェブは、ほぼ均一の厚みを有する。穴部の逃げの長さが第1領域の(特に最大の)スロットの長さの少なくとも2倍、適切な場合には数倍でさえあることは、さらに好ましい。複数の穴部の逃げが、第1領域の境界線と縁部との間の距離にわたるために、連続的に前後に設けられることは、基本的に可能である。しかし、これがいずれの場合も1つの単一の穴部の逃げによって達成されることは、好ましい。開口によって割合的に取られる領域が第1領域と第2領域とでできるだけ等しいことは、さらに好ましい。そうすると、所定の流れ操作(増加した背圧)が領域のうちの1つにおいて達成されない限り、多くても15%の偏差は支持されなければならない。ここで提案したような開口の配置は、特に、変動する熱負荷の下での特にベースの応力に関してベースの非常に良好な特徴を導く。
【0024】
本発明による装置は、特に、自動車両の排ガス再循環システムにおいて用いられる。装置は、例えば排ガス再循環ラインに配置される。それは、排ガス処理装置(例えば触媒コンバータ(SCR触媒コンバータ、酸化触媒コンバータ等)および/またはフィルタ)にすでに供給されて装置を通って実行される排ガスのために、さらに好ましい。上流の排ガス処理装置がセラミック材料から成ることは、さらに好ましい。この点で、装置はまた、上流の排ガス処理装置の分離されるいかなる成分も捕獲して、したがって、前記成分が内燃機関および/またはターボチャージャに入るのを防止するのに役立つ。
【0025】
この使用状況において、以下の周囲条件は、特に考慮に入れられなければならない:最高ほぼ800℃の最高温度;動負荷;ほぼ600℃で排ガス再循環システムの最高600mbarの圧力損失。
【0026】
本発明は、図を参照して以下でさらに詳細に説明される。図は、特に好適な実施形態を示す。そしてそれに、本発明はしかしながら制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明による装置の実施形態を示す斜視図である。
図2図2は、本発明による装置の実施形態を示す断面図である。
図3図3は、本発明による装置の実施形態の詳細を示す断面図である。
図4図4は、移動内燃機関の排気システムに統合された本発明による装置を示す。
図5図5は、本発明による装置のさらなる実施形態のベースの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、排ガス再循環ラインを通って実行される粒子を遮断するかまたは捕獲するための装置1の第1の例示的実施形態を示す。ここで、排ガスは、示された流れ方向8においてまず、多数の穴10を有するカバー6に流れ、そして穴10を通過する。排ガスおよびそこに含まれる粒子は、したがって、不織布層5に流れる。不織布層5との接触の結果、粒子は、止められて、適切な場合、排ガスのガス状/液状成分もまた変換される。
【0029】
カバー6は、ポット2の端部面上に、特にポット2に広がる蓋の仕方で配置される。この目的のために、ポット2は、カバーとの接触領域に受け部を備える。適切な場合、受け部の内側では、(ここで例示されない)ベースは、別のコンポーネントとして、同様に除去されてよい。フランジの仕方で囲むカラー9は、反対側の端部に形成される。
【0030】
図2は、ポット2を有する装置1の実施形態を断面で示す。ポット2は、(底部に示される)第1の面の近くに、シリンダ部分14によって隣接される囲むカラー9を再度有する。前記シリンダ部分は、多数の開口4を有するベース3によって(統合される仕方で)隣接される。シリンダ部分14の内部は、好ましくは付属物がなくて、排気ラインにおけるポット2の支台/整列のために役立つ。終端は、次いで、多数の穴10を有するカバー6によって形成される。カバー6は、外側でシリンダ部分14に結合(溶接)される(同様に囲む)巻きつけ部分13を伴って形成される。前記巻きつけ部分13が外側に向けて半径方向に突出しないために、接触領域においてシリンダ部分14にテーパーが設けられる。(ここで例示されない)少なくとも1つの不織布層は、ベース3とカバー6との間に配置されて、安全に保持される。
【0031】
しかしながら、シリンダ部分が(半径方向内向きに)形成された支持縁部を有して形成されてもよいと基本的に指摘される。そうすると、次いで、別のベースおよび少なくとも1つの不織布層は、カバーによってシリンダ部分に共同で固定され/締め付けられる。装置の前記構成部分の接続の他の可能性は、同様に考慮を与えられてよい。
【0032】
図3は、カバー6、不織布層5およびベース3を有する部分を通る断面の詳細を示す。ここで、図は、シリンダ部分の内部からベース3の方向にある。ここで、不織布層5は、触媒的に活性なコーティング11を有して設けられる。不織布層5は、(異なる厚みの)メタリックワイヤ・フィラメントから成るファブリック7の4枚の層を伴って形成される。ここで、不織布層は、ポット2のベース3上に実質的にあり、そして実質的にベース3(のみ)に広がる。前記詳細から、カバー6の穴10およびベース3の開口4が互いに関して一致して配列されるということを知ることもできる。そうすると、(例えば、多くても1.5mmのウェブ幅を有する)残りのウェブ19は、いずれの場合も流れの陰に配置される。
【0033】
前記実施形態において、ベース3およびカバー6も両方とも、1mm未満の材料厚さ12を有する。非常に安定な配置が同様に理解されるために、ベースおよびカバー(そして、したがってまた両者間に配置される不織布層5)は、湾曲を有する。湾曲は、流れ方向に関して中央に、特に2〜5mmの距離23によって、好ましくは形成される。
【0034】
図4は、排気システム17を有する内燃機関16を示す。排気システム17は、内燃機関16の下流に、排ガス再循環ライン15がそれから下流に分岐する排ガス処理装置18を有する。装置1は、前記分岐の領域に統合されない。吸気ライン20を介して内燃機関16に再循環される全ての排ガスは、したがって、装置1の中を流れる。排ガス再循環ライン15または装置1が排気ライン22のターボチャージャ21の上流にまたは下流に配置されることは、ここで基本的に可能である。
【0035】
図5は、本発明による装置のさらなる実施形態のポット2のベース3の平面図を示す。この場合、ベース3は、中心の第1領域24および第1領域24を囲む第2領域25を有する。第1領域24は、ベース3の中心28からベースの直径29のほぼ50%以上延びる。ここで、第1領域24は、円形ベース3と同じ形状であり、特に円形である。第2領域25は、第1領域24とベース3の縁部30との間でベース3の残りの領域を含む。第2領域25の形状は、したがって、第1領域24の、そしてベース3の縁部30の形状にもマッチする。第1領域24および第2領域25は、異なって構成された開口を有する。第1領域において、中心(円形)開口4を囲む第1領域24の境界線に関して同心的に配置される湾曲スロット26の形に、開口は設けられる。対照的に、第2領域25において、実質的に同一または均一の形状の穴部の逃げ(hole recess)27が設けられる。そしてそれは、いずれの場合も第1領域24の境界線からベース3の縁部30まで延びる。穴部の逃げ27は、特に伸開線の仕方でさらに湾曲して、縁部3に向かって幅広になる。そうすると、ウェブ19は、実質的に均一の厚みを有する。ここで提案したような開口の配置は、特に、変動する熱負荷の下での特にベースの応力に関してベースの非常に良好な特徴を導く。
【符号の説明】
【0036】
1…装置
2…ポット
3…ベース
4…開口
5…不織布層
6…カバー
7…ファブリック
8…流れ方向
9…カラー
10…穴
11…コーティング(被覆)
12…材料厚み
13…巻きつけ部分
14…シリンダ部分
15…排ガス再循環ライン
16…内燃機関
17…排気システム
18…排ガス処理装置
19…ウェブ
20…吸気ライン
21…ターボチャージャ
22…排気ライン
23…距離
24…第1領域
25…第2領域
26…スロット
27…穴部の逃げ
28…中心
29…直径
30…縁部
図1
図2
図3
図4
図5