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特許5937610コージエライトフィルタ物品を調整する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937610
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】コージエライトフィルタ物品を調整する方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/195 20060101AFI20160609BHJP
   C04B 38/00 20060101ALI20160609BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   C04B35/16 A
   C04B38/00 304Z
   B01J35/04 301M
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-541965(P2013-541965)
(86)(22)【出願日】2010年11月29日
(65)【公表番号】特表2013-544225(P2013-544225A)
(43)【公表日】2013年12月12日
(86)【国際出願番号】US2010058176
(87)【国際公開番号】WO2012074504
(87)【国際公開日】20120607
【審査請求日】2013年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】カスティローン,ロバート ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】マギー,セシリア エス
(72)【発明者】
【氏名】スペットセリス,マーク エー
【審査官】 小川 武
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−501467(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/110974(WO,A1)
【文献】 特開2008−119664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/195,38/00−38/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コージエライトフィルタ物品を調製する方法であって、
第一組の流体力学的性質および熱機械的性質を有する第1の焼成物品を提供するための、昇温速度、均熱温度、および均熱時間を含む第1の焼成パラメータによる、押出未焼成体バッチ組成物の第1の焼成工程、および
第二組の流体力学的性質および熱機械的性質を有する第2の焼成物品を提供するための、均熱温度を含む第2の焼成パラメータによる、前記第1の焼成物品の第2の焼成工程を含み、
前記第1の焼成パラメータが前記第1の焼成物品の流体力学的性質を制御し、前記第2の焼成パラメータが前記第2の焼成物品の熱機械的性質および前記第1の焼成工程で得られた10マイクロメートルより微細な細孔のパーセント(PFT10μm)を制御するものであり、
前記第一組および前記第二組の流体力学的性質が、中央細孔径(MPS)、全圧入容積(TIV)、前記10マイクロメートルより微細な細孔のパーセントたはこれらの組合せから選択され、前記第一組および前記第二組の熱機械的性質が、熱膨張係数(CTE)、破壊係数(MOR)、弾性率(Emod)またはこれらの組合せから選択され、
前記第1の焼成パラメータが所望の細孔構造を得、前記第2の焼成パラメータが前記熱機械的性質を達成し、かつ前記第1の焼成工程で得られた前記10マイクロメートルより微細な細孔のパーセントを減少させる、
方法。
【請求項2】
前記第1の焼成物品の少なくとも一端でチャンネルの一部を塞ぐ工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第一組の熱機械的性質が前記第二組の熱機械的性質と同一であり、前記第二組の熱機械的性質が、前記第一組の熱機械的性質と比べて、ばらつきが減少している、請求項1または2記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広く、コージエライトフィルタ特性を制御する製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
触媒担体、または基体、およびフィルタを含む、機関排気物質低減物品を製造するための様々な方法が公知である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、コージエライトフィルタを作製し、熱機械的性質および細孔構造などのコージエライトフィルタの特性を制御する製造プロセスを提供する。このフィルタ物品は、例えば、エンジン排気システムに使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】第1と第2の焼成履歴に基づく第1の焼成特性と第2の焼成特性との間の差を示すグラフ
図2】第1と第2の焼成履歴に基づく第1の焼成特性と第2の焼成特性との間の差を示すグラフ
図3】第1と第2の焼成履歴に基づく第1の焼成特性と第2の焼成特性との間の差を示すグラフ
図4】第1と第2の焼成履歴に基づく第1の焼成特性と第2の焼成特性との間の差を示すグラフ
図5】第1と第2の焼成履歴に基づく第1の焼成特性と第2の焼成特性との間の差を示すグラフ
図6】第1と第2の焼成履歴に基づく第1の焼成特性と第2の焼成特性との間の差を示すグラフ
図7A】第1と第2の焼成後に測定した特性に関する第1の焼成パラメータの関数としての物理的性質の主効果をプロットしたグラフ
図7B】第1と第2の焼成後に測定した特性に関する第1の焼成パラメータの関数としての物理的性質の主効果をプロットしたグラフ
図7C】第1と第2の焼成後に測定した特性に関する第1の焼成パラメータの関数としての物理的性質の主効果をプロットしたグラフ
図7D】第1と第2の焼成後に測定した特性に関する第1の焼成パラメータの関数としての物理的性質の主効果をプロットしたグラフ
図7E】第1と第2の焼成後に測定した特性に関する第1の焼成パラメータの関数としての物理的性質の主効果をプロットしたグラフ
図8】第2の焼成均熱温度の関数としての2回焼成物品の物理的性質を示すグラフ
図9】第2の焼成均熱温度の関数としての2回焼成物品の物理的性質を示すグラフ
図10】第2の焼成均熱温度の関数としての2回焼成物品の物理的性質を示すグラフ
図11】第2の焼成均熱温度の関数としての2回焼成物品の物理的性質を示すグラフ
図12】第2の焼成均熱温度の関数としての2回焼成物品の物理的性質を示すグラフ
図13】第2の焼成均熱温度の関数としての2回焼成物品の物理的性質を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の様々な実施の形態を、もしあれば図面を参照して、詳細に説明する。様々な実施の形態の参照により本発明の範囲は制限されず、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみにより制限される。その上、本明細書に述べられたどの実施例も、制限ではなく、単に、請求項に定義された発明の多くの可能性のある実施の形態のいくつかを述べているに過ぎない。
【0006】
実施の形態において、開示された物品、およびその物品の製造方法と使用方法が、例えば、以下に論じるようなものを含む、1つ以上の有利な特徴または態様を提供する。請求項のいずれに列挙された特徴または態様も、概して、本発明の全ての様相に適用できる。どの請求項に列挙された1つまたは多数の特徴または態様も、どの他の請求項に列挙された他の特徴または態様と組み合わせても、または順序を変えても差し支えない。
【0007】
定義
「気孔率」などの用語は、概して、細孔の存在に寄与し得るハニカム材料中の全空隙であって、ハニカムの巨視的チャンネルまたは通路の存在に寄与するハニカム材料中の空隙を除く全空隙、または粉砕された固体材料の全容積に対する細孔容積の比を称し、気孔率パーセント(%P)として表してもよい。セラミック物体の気孔率と細孔構造の特徴付けおよび類似の特徴が、同一出願人による米国特許第6864198号明細書に述べられている。d10、d50およびd90などのパラメータは、細孔径分布に関する。数量d50は、細孔容積に基づく中央細孔径(MPS)であり、マイクロメートルで測定される;それゆえ、d50は、水銀ポロシメトリーにより測定された、セラミックの開気孔率の50%が水銀により侵入された細孔直径である。数量d90は、細孔容積の90%が、その直径がd90の値より小さい細孔からなる細孔直径である;それゆえ、d90は、セラミックの開気孔率の10体積%が水銀により侵入された細孔直径と等しい。数量d10は、細孔容積の10%が、その直径がd10の値より小さい細孔からなる細孔直径である;それゆえ、d10は、セラミックの開気孔率の90体積%が水銀により侵入された細孔直径と等しい。d10とd90の値も、マイクロメートルの単位である。数量(d50−d10/d50)は、中央細孔径d50よりも微細な細孔径の分布の幅を表す。
【0008】
「微細な細孔の分布パーセント」などの用語は、規定の細孔直径または寸法よりも微細な細孔の、パーセントで表される部分量である。それゆえ、例えば、10マイクロメートルより微細な細孔は、全圧入容積から、10マイクロメートル以上の全ての細孔を充填することが意図された圧力での水銀圧入容積を引き、次いで、その差を全圧入容積で割ることによって計算できる。
【0009】
「上乗せ添加剤」、「上乗せ添加」などの用語は、概して、100質量%のベースの無機配合物の過剰の、またはそれに加えた、バッチ組成物または類似の配合物への追加の成分または材料の添加を称する。合計で100質量%となるベースの配合物は、例えば、単一の無機材料または無機材料の組合せであり得、上乗せ添加剤は、他の上乗せ添加剤の有無にかかわらず、細孔形成剤の混合物であって差し支えなく、ベースの配合物の100質量%に加えて、例えば、約50から約300質量%でバッチに存在し得るまたは加えられる。
【0010】
「パラメータ」などの用語は、結果を決定し得る変量を称し、例えば、均熱温度などのパラメータを変えると、結果として焼成されたセラミック物品の性質が変わり得る。
【0011】
「プロトコル」などの用語は、開示された焼成工程の1つ以上を行うための詳細な計画または手法を称する。
【0012】
「含む」などの用語は、以下に限られないが包含すること、すなわち、包括的であるが排他的ではないことを意味する。
【0013】
例えば、本開示の実施の形態を説明する上で利用される、組成中の成分の量、濃度、容積、プロセス温度、プロセス時間、収率、流量、圧力などの値、およびその範囲を修飾する「約」は、例えば、組成物、濃縮物、または使用する配合物を製造するのに使用される典型的な測定手法および取扱手法により;これらの手法における不注意による誤りにより;方法を実施するために使用される出発材料または成分の製造、供給源、または純度における差により;および類似の検討事項により生じ得る数量のばらつきを称する。「約」という用語は、特定の初期濃度または混合物を有する組成物または配合物の熟成により異なる量、および特定の初期濃度または混合物を有する組成物または配合物の混合または処理により異なる量を包含する。付随の特許請求の範囲は、これらの「約」のついた量の同等物を含む。
【0014】
実施の形態における「から実質的になる」は、例えば、細孔構造などの所定の物理的性質を有するフィルタ物品、フィルタ物品とその前駆体、そのフィルタ物品を含む装置を製造する方法を称し、請求項に列挙された成分または工程に加え、特定の反応体、特定の添加剤または成分、特定の作用物質、特定の表面改質剤または条件、または類似の構造、材料、もしくは選択されたプロセス変量などの、本開示の組成物、物品、装置、または製造方法と使用方法の基本的性質と新規の性質に実質的に影響を与えない他の成分または工程を含み得る。本開示の成分または工程の基本的性質に実質的に影響するかもしれない、または本開示に望ましくない特徴を与えるかもしれない項目の例としては、著しく異なる気孔率を有する物品、ここに定義された指定された、中間値または中間範囲を含む、値を超えた焼成仕様を有する製造方法が挙げられる。
【0015】
ここに用いた単数形は、別記しない限り、少なくとも1つ、または1つ以上を意味する。
【0016】
当業者に周知の省略形を使用してもよい(例えば、時間には「h」または「hr」、グラムには「g」または「gr」、ミリリットルには「mL」、室温には「rt」、ナノメートルには「nm」、などの省略形)。
【0017】
構成要素、成分、添加剤、および類似の態様について開示された特定の値と好ましい値、およびその範囲は、説明のためだけであり;それらは、他の定義された値または定義された範囲内の他の値を排除しない。本開示の組成物、装置、および方法は、ここに記載された任意の値、またはその値、特定の値、より特定の値、および好ましい値の任意の組合せを含み得る。
【0018】
実施の形態において、本開示は、第1と第2の焼成工程を含む、コージエライトフィルタ物品を調製するプロセスまたは方法であって、第1の焼成パラメータおよび第2の焼成パラメータが、中央細孔径(MPS)、全圧入容積(TIV)、10マイクロメートルより微細な細孔のパーセント(PFT10μm)、熱膨張係数(CTE)、破壊係数(MOR)、および弾性率(Emod)などのフィルタ特性の目的とする組合せを達成するように選択される、プロセスまたは方法を提供する。
【0019】
実施の形態において、本開示は、コージエライトフィルタ物品を調製するプロセスまたは方法であって、
第一組の流体力学的性質および熱機械的性質を有する第1の焼成物品を提供するための、昇温速度、均熱温度、および均熱時間を含む第1の焼成パラメータによる、押出未焼成体バッチ組成物の第1の焼成、および
第二組の流体力学的性質および熱機械的性質を有する第2の焼成物品を提供するための、均熱温度を含む第2の焼成パラメータによる、第1の焼成物品の第2の焼成、
を含むプロセスまたは方法を提供する。
【0020】
実施の形態において、第1の焼成パラメータは、例えば、1160℃から1350℃まで、36℃/時から92℃/時であり得る昇温速度、例えば、9時間から21時間であり得る均熱時間、例えば、1403℃から1434℃であり得る均熱温度を含む。上述したパラメータは、中間値および中間範囲を含む、約17から約21マイクロメートルのMPS、および10マイクロメートル未満の、約4から約18パーセントの微細孔を含む流体力学的フィルタ特性、および約2.5から約9のCTE、約260から約440のMOR、および約0.4から約0.7のEmodを含む熱機械的性質を提供するように選択することができる。
【0021】
実施の形態において、中間値および中間範囲を含む、約18.5から約20.5マイクロメートルのMPS、および10マイクロメートル未満の、約4から約8パーセントの微細孔を含む流体力学的フィルタ特性、および約2.5から約5のCTE、約260から約3235のMOR、および約0.45から約0.55のEmodを含む熱機械的性質を提供するために、第1の昇温速度は、例えば、1160℃から1350℃まで、50℃/時から68℃/時であり得、均熱時間は、例えば、11時間から13時間であり得、均熱温度は、例えば、1418℃から1431℃であり得、第2の焼成均熱は、例えば、1410℃から1425℃の温度を有し得る。
【0022】
実施の形態において、本開示は、コージエライトフィルタ物品を調製するプロセスまたは方法であって、押出未焼成体バッチ組成物を選択し、昇温速度、均熱温度、均熱時間、またはそれらの組合せを含むパラメータを使用して第1の焼成を行って、MPS、TIV、およびPFT10μm、並びに公称細孔構造を含む所望の流体力学的性質を達成する工程、および、次いで、ピーク均熱温度を使用して第2の焼成を行って、CTE、MOR、およびEmodを含む所望の熱機械的性質を達成し、さらに、細孔構造を画成し、すなわち、第1の焼成から生じた微細な気孔率の量を減少させる工程を含む、プロセスまたは方法を提供する。実施の形態において、本開示は、例えば、中央細孔径(MPS)、10マイクロメートルより微細な細孔のパーセント(PFT10μm)、および全圧入容積(TIV)から選択される目的の流体力学的フィルタ特性を達成するために第1の焼成昇温速度、均熱時間、およびピーク均熱温度が選択されるプロセスを提供する。例えば、第1の焼成における、約65℃/時の速い加熱昇温速度、および約1410℃から約1430℃の高いピーク均熱温度により、第2の焼成後に、約20マイクロメートルの高いMPS、および例えば、全気孔率または10マイクロメートル未満の微細な細孔が約5%から15%未満と低いパーセンテージが生じる。第2の焼成ピーク均熱温度は、所望の細孔構造を提供するように選択することができる。例えば、約1400℃の低い均熱温度と比べて、約1410℃から約1430℃、例えば、約1425℃の高いピーク均熱温度により、10マイクロメートルより微細な細孔のパーセントが、例えば、約0%から約5%さらに減少し得る。第2の細孔特性は、中間値および中間範囲を含む、約12から約25マイクロメートル、約15から約22マイクロメートル、および約17から約21マイクロメートルの中央細孔径を含み得る。特に有用な微細な気孔率は、全気孔率の約3%から約10%の、10マイクロメートルより微細な細孔を含む。
【0023】
実施の形態において、第2の焼成均熱温度は、特定の用途について、CTE、MOR、およびEmodから選択される熱機械的フィルタ特性を改善するように選択することができる。例えば、約3.5×10-7/℃の低いCTEおよび例えば、約0.5×106psi(約3.4×109Pa)の低いEmodを達成するために、例えば、約1400℃の低い均熱温度を選択できる。
【0024】
実施の形態において、本開示は、コージエライトフィルタ物品を調製するプロセスであって、
第1の細孔構造を有する第1の焼成物品を提供するための、昇温速度、均熱温度、および均熱時間を含む第1の焼成パラメータによる、押出未焼成体バッチ組成物の第1の焼成、および
第2の細孔構造を有する第2の焼成物品を提供するための、均熱温度を含む第2の焼成パラメータによる、第1の焼成物品の第2の焼成、
を含むプロセスを提供する。
【0025】
第1と第2の焼成パラメータは、例えば、中央細孔径(MPS)、10マイクロメートルより微細な細孔のパーセント(PFT10μm)、および全圧入容積(TIV)から選択される目的の流体力学的フィルタ特性を達成するため、またここに定義された、熱膨張係数(CTE)、破壊係数(MOR)、および弾性率(Emod)などの所望の熱機械的性質を達成するため、さらに細孔構造を転換させるため、すなわち、第1の焼成から生じた微細な気孔率の量を減少させるために選択することができる。第2の細孔構造は、第1の細孔構造と比べて、減少した微細な気孔率を有し得る。
【0026】
実施の形態において、第1の焼成の昇温速度、均熱時間、および均熱温度は、所望の流体力学的フィルタ特性、例えば、大きいMPSおよび少ない微細孔を提供するように選択できる。1つの例示の実施例において、速い加熱昇温(例えば、約65℃/時)および高い均熱温度(例えば、約1425℃)が、大きいMPS(例えば、約20マイクロメートル)および10マイクロメートルより微細な細孔の低いパーセンテージ(例えば、全細孔容積の約5%以下)を提供する。
【0027】
実施の形態において、第2の焼成は、例えば、熱膨張係数(CTE)、破壊係数(MOR)、弾性率(Emod)、またはそれらの組合せを含む、目的の熱機械的性質を提供できる。第2の焼成均熱温度は、例えば、約1425℃であり得、減少したパーセンテージの微細孔を有する細孔構造を提供するように選択できる。例えば、低い均熱温度(約1400℃)よりも、高い均熱温度(例えば、約1425℃)が、約3パーセントの減少などの、10マイクロメートルより微細な細孔のパーセントをさらに減少し得る。
【0028】
実施の形態において、本開示は、コージエライトフィルタ物品を調製するプロセスであって、
押出未焼成体バッチ組成物を選択し、選択された第1のパラメータで第1の焼成を行って、第1の細孔特性を有する第1の焼成物品を提供する工程、
熱機械的性質を有し、第2の細孔構造を有する第2の焼成物品を提供するための、選択された第2のパラメータでの、得られた第1の焼成物品の第2の焼成、
を含むプロセスを提供する。
【0029】
第1のパラメータは、例えば、少なくとも1つの昇温速度、均熱時間、均熱温度、またはそれらの組合せであり得、第1の細孔構造は、例えば、約17から約20マイクロメートルの中央細孔径であり得る。
【0030】
第2のパラメータは、例えば、均熱温度であり得、第2の焼成物品は、例えば、熱膨張係数(CTE)、破壊係数(MOR)、弾性率(Emod)、またはそれらの組合せから選択される熱機械的性質を有し得、第2の細孔特性は、例えば、5%以下の、10マイクロメートルより微細な細孔の減少した微細気孔率を有する、約17から約20マイクロメートルの中央細孔径であり得る。
【0031】
実施の形態において、第1の焼成は、物品の細孔特性を主に制御できる。反対に、第2の焼成は、例えば、物品の熱機械的性質を制御でき、熱機械的性質の変動性を減少でき、物品の微細気孔率の細孔構造特性を、例えば、第2の焼成前の気孔率と比べて、全気孔率の約5から約15%減少させることができる。
【0032】
実施の形態において、本開示は、コージエライトフィルタ物品を調製するための単一焼成プロセスにおいて、例えば、
第1の焼成物品を提供するための、昇温速度、均熱温度、および均熱時間を含む第1の焼成パラメータによる押出未焼成体バッチ組成物の一回焼成であって、得られた焼成物品の熱機械的性質が、上述した二回焼成プロセスの性質に似ており、二回焼成プロセスの上述した第1の焼成と比べて、中間値および中間範囲を含む、昇温速度が、約1160℃から約1350℃まで、0℃/時から20℃/時と減少しており、均熱温度が0℃から5℃増加しており、均熱温度が0時間から8時間増加している、一回焼成、
を含むプロセスを提供する。
【0033】
実施の形態において、本開示は、例えば、第1の焼成物品を提供するための、昇温速度、均熱温度、および均熱時間を含む第1の焼成パラメータによる押出未焼成体バッチ組成物の焼成であって、得られた焼成物品の流体力学的性質が、上述した二回焼成プロセスの性質と似ており、上述した二回焼成プロセスの第1の焼成と比べて、中間値および中間範囲を含む、1160℃から1350℃の昇温速度が0℃/時から20℃/時増加しており、均熱温度が0℃から10℃増加しており、均熱温度が0時間から8時間減少している、焼成を含む、プロセスを提供する。
【0034】
実施の形態において、本開示は、セラミックハニカム物品を製造する方法であって、
例えば、酸化マグネシウム源、アルミナ形成源、シリカ形成源、またはそれらの組合せ;40マイクロメートル超の中央粒径を有する細孔形成剤;液体ビヒクル;および結合剤から選択された無機バッチ成分を含有する可塑化コージエライト前駆体バッチ組成物を提供する工程、
この可塑化コージエライト前駆体バッチ組成物からハニカム未焼成体を成形する工程、
ハニカム未焼成体を、コージエライトを含有するセラミックハニカム物品に転化させるのに効果的なハニカム未焼成体の第1の焼成を実施する工程、および
約42%超かつ約56%未満の全気孔率、および全気孔率の約5%未満が10マイクロメートル未満の細孔直径を有する細孔径分布を生じるのに効果的なハニカム未焼成体の第2の焼成を実施する工程、
を含む方法を提供する。
【0035】
コージエライトフィルタは、一工程焼成プロセス、または二工程焼成プロセスのいずれを使用して焼成しても差し支えない。ある二工程プロセスにおいて、第1の焼成工程は、マトリクスを焼成して、コージエライトの転化を行い、次いで、交互のセルを塞いで、フロースルー型フィルタを作製することができる。第2の焼成工程において、フィルタを再び焼成して、栓をセルラマトリクスに焼結する。第1と第2の焼成の各々で、最高温度は類似している。第2の焼成工程は、フィルタの物理的性質にはほとんど影響しないと以前は考えられていた、すなわち、物理的性質は、第1の焼成により大体が決まると考えられていた。しかしながら、開示された方法は、流体力学的性質、すなわち、中央細孔径(MPS)、10マイクロメートルより微細な細孔のパーセント(PFT10μm)、および全圧入容積(TIV)について、第2の焼成工程は、所定の第2の焼成条件についてそれらの性質にほとんどまたは全く影響ないことを示している。しかしながら、熱機械的性質、すなわち、熱膨張係数(CTE)、破壊係数(MOR)、および弾性率(Emod)について、第2の焼成工程は、重要な性質の決定工程であり得る。第2の焼成工程において最高温度を制御しないと、性質の変動性が過剰になり得る。開示された二工程焼成プロセスにより、同じ第1の焼成工程のみとは異なる性質の組合せが生じるので、一工程焼成プロセスに移るには、類似の性質の組合せを達成するために、焼成プロトコルを変える必要があるであろう。選択された熱機械的性質を達成できる焼成パラメータを定義することを可能にする実験焼成結果に基づいて、モデルを作成した。
【0036】
実施の形態において、本開示は、コージエライトフィルタを調製する二工程焼成プロセス(第1と第2の焼成)を提供する。従来の見識は、流体力学的性質および熱機械的性質の両方が、第1の焼成工程におけるパラメータにより主に決定され、類似の均熱温度には、流体力学的性質と熱機械的性質にはほとんど影響ないことを示唆していた。コージエライトフィルタを製造する実験中に、ある性質について、従来の見識が正しくないことが発見された。このことは、第1の焼成パラメータは、原則として、流体力学的性質を制御するために使用できるのに対し、第2の焼成パラメータは、熱機械的性質を制御するために使用でき、二工程焼成プロセスから優れたフィルタ特性が得られることを示唆した。熱機械的性質が第2の焼成の均熱温度により主に決定されることが発見された。この発見の1つの用途は、よく制御された第2の焼成条件による多孔質の微細孔の減少などの、大きい範囲の第1の焼成の熱機械的性質を制御できることである。開示された二工程焼成プロセスにより調製されたコージエライトフィルタについて、所望の細孔構造を得るために、第1の焼成パラメータ(例えば、昇温速度、均熱時間、均熱温度)を使用することができ、次いで、例えば、熱機械的性質を達成し、10マイクロメートル未満の細孔のパーセントをさらに減少させるために、第2の焼成パラメータを使用することができる。開示された二工程焼成プロセスの使用により、所定の組成物について、単一焼成プロセスで得るのが難しいかもしれない性質の組合せを有するフィルタ物品を得ることができる。そのようなフィルタ物品の性質の組合せの例は、例えば、粗い細孔径および低いCTE、あるいは、同じ組成物について、微細な細孔径および低いCTEを含む。
【0037】
あるいは、一回焼成プロセスが同じ初期組成物について選択された場合、二工程焼成プロセスにおいて得られたのと異なる性質を得るために、単に同じ第1の焼成プロトコルを使用することができる。一回焼成プロセスについて、実験焼成結果から生成されたモデルを使用して、二工程焼成の性質の組合せを密接に近似できる性質を提供する一回焼成スケジュールを決定し、選択することができる。
【0038】
第1の焼成のみにより性質を制御しようとする場合、例えば、1160℃から1350℃の加熱速度は、10マイクロメートルより微細な細孔の低いパーセンテージを達成するために速いべきであるが、この同じ加熱速度により、より遅い加熱速度と比べて、CTEが増加するであろう。この同じ組のバッチ成分について、より短い均熱時間も、10マイクロメートルより微細な細孔の低いパーセンテージを達成するのに役立つが、これにより、より長い均熱時間に生じるであろうよりも、CTEが高くなってしまう。
【0039】
また、第1の焼成を調整して、第1の焼成に使用される特定の炉の構造の能力に合致させることができ、次いで、第2の焼成を使用して、選択された性質、例えば、熱機械的性質および細孔径分布の微細側を達成することができる。例えば、炉の位置の関数として良好な細孔径均一性を得るために、第1の焼成において、性質形成領域(例えば、均熱による約1,150℃)でゆっくりと焼成することが必要であろう。これにより、ある組成物について、所望の熱膨張係数(CTE)よりも高くなり得る。次いで、第2の焼成条件を選択して、CTEを減少させることができる。また、第1の焼成炉の構造が、CTEが炉の位置の関数として望ましくないレベルまで変動する程度まで熱的に不均一である場合、第2の焼成条件を均一な最高保持温度にすることにより、CTEの変動性を所望のレベルまで減少させることができる。実施の形態において、開示された二工程プロセスを使用することにより、図示され、ここに示される優れたフィルタ特性を提供することができる。
【0040】
実施の形態において、本開示は、細孔構造を決定するために第1の焼成パラメータが選択され、熱機械的性質を決定し、細孔構造をさらに調質するために第2の焼成パラメータが選択される、二工程焼成プロセスを提供する。加熱速度と冷却速度、均熱温度、および均熱時間の効果が論じられてきた(同一出願人の米国特許第7485170号および欧州特許第1270531号の各明細書参照)。しかしながら、従来の議論では、優れた性質を決定的に得るための第1と第2の焼成パラメータの組合せ使用、例えば、性質の変動性を緩和するまたは減少させために第2の焼成を使用すること、または性質の決定因子としての第2の焼成の使用について述べられていない。
【0041】
開示されたプロセスをさらに2つの実験で実証した。第1の実験において、表1に列挙されたバッチ組成からなる押出未焼成体コージエライト部品を統計的マトリクス実験(中心点、星形点、および関心のある様々な他のプロトコルによる26-2−表2参照)で最初に焼成して、もしあれば、第1の焼成パラメータの影響を研究し、次いで、標準的な1,403℃の均熱温度を使用して、コージエライト部品を二回目に焼成した。
【表1】
【0042】
第2の実験において、第1の焼成パラメータを一定に保持し、第2の焼成の均熱温度を変えた(表2参照)。
【0043】
これらの実験から気付いた一般的な傾向が、以下に論じられており、図1から13に示されている。
【0044】
第1の焼成の加熱昇温速度および第1の焼成の均熱温度を増加させると、MPSが増加し、微細孔の気孔率が減少した。これらの傾向は、第2の焼成後も残っていた。第2の焼成の均熱温度を増加させることによって、細孔径が、小さいがそれでも有意に増加した。
【0045】
第2の焼成の均熱温度が増加するのに連れて、全圧入容積(TIV)が著しく減少した。これは、炉の位置、すなわち、炉内の小片または品物の位置の関数として、TIVのばらつきを小さく維持するために、第2の焼成条件において良好な熱均一性を使用できることを意味する。
【0046】
第1の焼成の加熱昇温速度を増加させると、または第1の焼成の均熱温度および均熱時間を減少させると、第1の焼成後に測定した、CTE、MOR、およびEmodを増加させることが観察された。これらの傾向は、第2の焼成後に維持されなかった。様々な第1の焼成により生じた変動性のほぼ全てがなくなった。第2の焼成の均熱温度を増加させると、観察されたCTE、MOR、およびEmodが著しく増加した(図11から13参照)。
【0047】
第1の実験からの重回帰分析も、相互作用と二次効果の存在を示した。しかしながら、実験の1/4実施要因計画のために、二次効果は混同された。
【0048】
一工程焼成プロセスまたは性質への第2の焼成の影響が大部分は無視されるプロセスに勝る開示された方法の利点は、所望の性質の組合せを容易に達成できることである。例えば、開示されたプロセスにより、細孔構造および熱機械的性質を、互いから実質的に独立して、予め決定することができる。例えば、大きい、例えば、約20マイクロメートルより大きい中央細孔径(MPS)が望ましい場合、第2の焼成でCTEに影響がほとんどまたは全くなく、速い、例えば、約75℃/時より速い加熱昇温速度、および高い、例えば、約1,425℃より高い均熱温度を第1の焼成に使用できる。さらに、小さい、例えば、約4×10-7/℃未満のCTEが望ましい場合、MPSへの影響が比較的少なく、低温、例えば、1,400℃の第2の焼成を使用できる。
【0049】
表2には、第1の実験における各実施に関する、マイクロメートルで表された平均中央細孔径(MPS)、10マイクロメートル未満の細孔のパーセント(PFT10μm)、cc/gで表された全圧入容積(TIV)、10-7/℃で表された熱膨張係数(CTE)、psiで表された破壊係数(MOR)、およびpsi×10-6で表された弾性率(Emod)が列挙されている。様々な第1の焼成パラメータ(熱電対により測定された実際のパラメータについて2列から6列を参照)を使用して、部品を焼成した。第2の焼成パラメータは一定に保持した(1,403℃のピーク均熱温度)。性質を、第1の焼成後と、再び第2の焼成後に測定した。データが、図1から6にグラフで表されている。表2における用語「1/4実施要因」、「中心」、「低星形(Low Star)」、「高星形(High Star)」などの統計用語は、統計分析の当業者に公知であり、例えば、“Introduction to Mathematical Statistics and Its Applications,” Larsen and Marx, 3rd Ed, ISBN 0-13-922303-7を参照のこと。
【表2-1】
【表2-2】
【0050】
表3には、2つの第2の焼成の均熱温度に関する、マイクロメートルで表された平均中央細孔径(MPS)、10マイクロメートル未満の細孔のパーセント(PFT10μm)、cc/gで表された全圧入容積(TIV)、10-7/℃で表された熱膨張係数(CTE)、psiで表された破壊係数(MOR)、およびpsi×10-6で表された弾性率(Emod)が列挙されている。第1の焼成パラメータは一定に保持した。このデータが、図8から13にグラフで表されている。
【表3】
【実施例】
【0051】
以下の実施例は、上述した開示を使用する様式をより完全に説明し、本開示の様々な態様を実施するために考えられる最良の様式をさらに述べる働きをする。これらの実施例は本開示の範囲を制限するものではなく、むしろ、説明目的のために提示されていることが理解されよう。実施例はさらに、本開示の多孔質フィルタ物品をどのように調製するかをさらに説明する。
【0052】
未焼成体の調製
未焼成体は、両方ともコーニング社に譲渡され、本開示にしたがって一部変更された、「Batch Composition for Cordierite Ceramics」と題する米国特許第5332703号明細書、および「Method of Making Fired Bodies」と題する米国特許第6221308号明細書にしたがって調製できる。
【0053】
実施例1
第1の焼成パラメータの研究
様々な第1の焼成パラメータの組合せによって、多種多様の細孔構造を作製した(図1から3参照)。第2の焼成条件により気孔率の測定基準が変わったが、第1と第2の焼成の両方の後に、同じ一般的な傾向が見られた。逆に、熱機械的性質(CTE、MOR、およびEmod)は、第1の焼成から第2の焼成へと著しく変化した(図4から6参照)。第1の焼成パラメータの様々な組合せにより生じた熱機械的性質のばらつきが、第2の焼成により著しく減少した。
【0054】
図1から6は、第1と第2の焼成パラメータの間の差を示している。具体的に言うと、図1から6は、それぞれ、様々な第1の焼成プロトコル(手順が表2に列挙されている)に関する、マイクロメートルで表された平均中央細孔径(MPS)、10マイクロメートル未満の細孔のパーセント(PFT10μm)、cc/gで表された全圧入容積(TIV)、10-7/℃で表された熱膨張係数(CTE)、psiで表された破壊係数(MOR)、およびpsi×10-6で表された弾性率(Emod)を示している。各点は異なる第1の焼成ロットを表しており、そこでは、性質形成領域における昇温速度、ピーク均熱温度、およびピーク均熱時間が変えられた。次いで、様々な第1の焼成プロトコルからの品物を標準的な第2の焼成サイクル(1,403℃のピーク均熱温度)に施した。第2の焼成パラメータ(ピーク均熱温度)は一定に維持した。性質を、第1の焼成後と、再び第2の焼成後に測定した。
【0055】
第1の焼成パラメータの関数としての性質の主効果のプロットも、第2の焼成が、第1の焼成による熱機械的性質の差の影響を著しく緩和することを示した(図7)。これらのプロットは、第1の焼成パラメータの性質への影響も示す。
【0056】
図7は、第1の焼成パラメータの関数としての、マイクロメートルで表された平均中央細孔径(MPS)、10マイクロメートル未満の細孔のパーセント(PFT10μm)、cc/gで表された全圧入容積(TIV)、10-7/℃で表された熱膨張係数(CTE)、psiで表された破壊係数(MOR)、およびpsi×10-6で表された弾性率(Emod)を示している。各点は異なる第1の焼成ロットを表しており、そこでは、性質形成領域における昇温速度、ピーク均熱温度、およびピーク均熱時間が変えられた。第2の焼成パラメータ(1,403℃のピーク均熱温度)を一定に維持した。性質を、第1の焼成後と、再び第2の焼成後に測定した。データは、図1から6に使用したのと同じデータセットから選択した。統計的に生成した「星形」点および「中心」点のみが、表2について先に論じられたように示されている。
【0057】
実施例2
第1の焼成の温度が一定−第2の焼成パラメータ(すなわち、ピーク均熱温度)は変更
第1の焼成の温度を一定に保持し、第2の焼成パラメータ(すなわち、ピーク均熱温度)を変えた場合、第2の焼成パラメータを変えることによって、選択された性質を変える能力が示された。第2の焼成の均熱温度を上昇させると、MPS、CTE、MOR、およびEmodが増加し、TIVおよび微細気孔率が減少した(図8から13)。
【0058】
図8から13は、それぞれ、第2の焼成の均熱温度の関数として、マイクロメートルで表された平均中央細孔径(MPS)、10マイクロメートル未満の細孔のパーセント(PFT10μm)、cc/gで表された全圧入容積(TIV)、10-7/℃で表された熱膨張係数(CTE)、psiで表された破壊係数(MOR)、およびpsi×10-6で表された弾性率(Emod)を示している。
【0059】
本開示を、様々な特有の実施の形態および技法を参照して説明してきた。しかしながら、様々な変更および改変が、本開示の範囲内にありながら可能であることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10
図11
図12
図13