【文献】
Huawei,Resource allocation for uplink ACK/NACK multiplexing,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #62 R1-104282,2010年 8月27日,p1-p5,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_62/Docs/R1-104282.zip
【文献】
Samsung,R-PDCCH search space design,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #62 R1-104624,2010年 8月27日,p1-p3,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_62/Docs/R1-104624.zip
【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,Physical layer parameters to be configured by RRC,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #71bis R2-105685,[online],2010年10月15日,p1-p15,[検索日 2015.04.03],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_71bis/Docs/R2-105685.zip
【文献】
NTT DOCOMO,Remaining Issue for Format 3 Resource Allocation,3GPP TSG RAN-WG1 Meeting #63 R1-106174,[online],2010年11月19日,p1-p4,[検索日 2015.04.03],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_63/Docs/R1-106174.zip
【文献】
LG Electronics,ACK/NACK on PUCCH for TDD,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #63 R1-106099,[online],2010年11月19日,p1-p14,[検索日 2015.04.03],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_63/Docs/R1-106099.zip
【文献】
Huawei, HiSilicon, LG Electronics, NTT DOCOMO, Panasonic, Samsung, Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Way forward on A/N PUCCH resource allocation,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #62bis R1-105777,2010年10月15日,p1-p3,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_62b/Docs/R1-105777.zip
【文献】
NTT DOCOMO,Remaining Issue on PUCCH Resource Allocation,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #62bis R1-105429,2010年10月15日,p1-p4,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_62b/Docs/R1-105429.zip
【文献】
Ericsson,Efficient support of relays through MBSFN subframes,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #55 R1-084357,[online],2008年11月 4日,p1-p3,[検索日 2015.12.24],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_55/Docs/R1-084357.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記RNに対する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、サブフレームにおける先頭N(N≦3)個のOFDMシンボル以外の残りのOFDMシンボルに位置する、請求項1に記載の方法。
前記ダウンリンクサブフレームセットで2以上のダウンリンク割当PDCCHが送信される場合、前記第1PUCCHフォーマットのために上位層によって設定されたPUCCHリソースのうち前記第1PUCCHフォーマットのための一つのPUCCHリソースが、1より大きいダウンリンク割当インデクス(DAI)を有するPDCCHの送信電力制御(TPC)フィールドを用いて決定される、請求項1に記載の方法。
前記第1PUCCHフォーマットのための前記決定された一つのPUCCHリソース上で、前記第1PUCCHフォーマットを用いて前記肯定応答/否定応答情報が送信される、請求項4に記載の方法。
前記第1PUCCHフォーマットはPUCCHフォーマット3であり、前記第2PUCCHフォーマットはPUCCHフォーマット1a/1bである、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別に明示しない限り、選択的なものと考慮しなければならない。各構成要素又は特徴が他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施してもよいし、一部の構成要素及び/又は特徴を結合させて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更してもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に代えてもよい。
【0023】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末との間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノードによって行われることもある。
【0024】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノードからなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる種々の動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われうるということは自明である。「基地局(BS)」は、固定局、ノードB、進化ノードB(eNB)、アクセスポイント(AP)などの用語に代えてもよい。中継器は、リレーノード(RN)、中継局(RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末」は、ユーザ装置(UE)、移動機(MS)、移動加入者局(MSS)、加入者局(SS)などの用語に代えてもよい。
【0025】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたものであり、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更可能である。
【0026】
場合によっては、本発明の概念があいまいになることを避けるために、公知の構造及び装置は省略し、又は各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示されることがある。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0027】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)システム、3GPP長期進化(LTE)システム及び高度LTE(LTE−A)システム、及び3GPP2システムのうち少なくとも一つの開示された標準文書でサポートされる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明しない段階又は部分を、上記の標準文書でサポートされる。なお、本文書で開示しているすべての用語は、上記の標準文書によって説明される。
【0028】
以下の技術は、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、はん用地上無線接続(UTRA)又はCDMA2000のような無線技術で実現することができる。TDMAは、世界移動体通信システム(GSM)(登録商標)/一般パケット無線サービス(GPRS)/GSM(登録商標)進化のための強化データ速度(EDGE)のような無線技術で実現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、進化UTRA(E−UTRA)などのような無線技術で実現することができる。UTRAは、はん用移動体通信システム(UMTS)の一部である。3GPP LTEシステムは、E−UTRAを用いる進化UMTS(E−UMTS)の一部であり、ダウンリンクでOFDMAを採用し、アップリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−Aは、3GPP LTEの進化形である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び進化したIEEE 802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及びLTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
【0029】
図1を参照して3GPP LTEフレームの構造について説明する。
【0030】
セルラOFDM無線パケット通信システムにおいて、アップリンク/ダウンリンクデータパケット送信はサブフレーム単位になされ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、周波数分割2重通信(FDD)に適用可能なタイプ1無線フレーム構造、及び時分割2重通信(TDD)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造をサポートする。
【0031】
図1(a)は、タイプ1無線フレームの構造を示す図である。1無線フレームは、10個のサブフレームで構成され、1サブフレームは時間領域で2個のスロットで構成される。1サブフレームが送信されるためにかかる時間を送信時間間隔(TTI)といい、例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msである。1スロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを有し、周波数領域で複数のリソースブロック(RB)を有する。3GPP LTEシステムでは、ダウンリンクでOFDMAを用いるため、OFDMシンボルが一つのシンボル区間を示す。OFDMシンボルをSC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともある。リソースブロックは、リソース割当単位であり、1スロットで複数個の連続した副搬送波を有することができる。
【0032】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、循環プレフィクス(CP)の構成によって異なることがある。CPには、拡張CP(extended CP)と正規CP(normal CP)とがある。例えば、OFDMシンボルが正規CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個でよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1 OFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、正規CPの場合に比べてより少ない。拡張CPの場合、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個でよい。端末が高速で移動するなどしてチャネル状態が不安定な場合、シンボル間干渉をより減らすために、拡張CPを用いることができる。
【0033】
図1(b)は、タイプ2無線フレームの構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、2個のハーフフレームで構成され、各ハーフフレームは、5個のサブフレーム、ダウンリンクパイロット時間スロット(DwPTS)、保護区間(GP)、アップリンクパイロット時間スロット(UpPTS)で構成され、1サブフレームは2個のスロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定、端末のアップリンク送信同期を合わせるために用いられる。保護区間は、アップリンクとダウンリンクとの間にダウンリンク信号の多重経路遅延によってアップリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプを問わず1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
【0034】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は、様々に変更可能である。
【0035】
図2は、1ダウンリンクスロットにおけるリソースグリッドを示す図である。1ダウンリンクスロットは、時間領域で7 OFDMシンボルを含み、1リソースブロック(RB)は、周波数領域で12副搬送波を含む例が示されているが、本発明がこれに制限される訳ではない。例えば、正規CPの場合には、1スロットが7 OFDMシンボルを含むが、拡張CPの場合には1スロットが6 OFDMシンボルを含む。リソースグリッド上のそれぞれの要素をリソース要素(RE)と呼ぶ。1リソースブロックは12×7リソース要素を含む。ダウンリンクスロットに含まれるリソースブロックの個数N
DLは、ダウンリンク送信帯域幅による。アップリンクスロットの構造はダウンリンクスロットの構造と同一でよい。
【0036】
図3は、ダウンリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内において、1番目のスロットの先頭の最大3 OFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当し、残りのOFDMシンボルは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられるダウンリンク制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(PCFICH)、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ハイブリッド自動再送要求(HARQ)指示子チャネル(PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの1番目のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、アップリンク送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHを通じて送信される制御情報をダウンリンク制御情報(DCI)という。DCIは、アップリンク又はダウンリンクスケジュール情報を含み、又は任意の端末グループに対するアップリンク送信電力制御命令を含む。PDCCHは、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当及び送信フォーマット、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当情報、呼出しチャネル(PCH)の呼出し情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCHで送信されるランダムアクセス応答のような上位層制御メッセージのリソース割当、任意の端末グループ中の個別端末への送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、IP電話(VoIP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域で送信され、端末は、複数のPDCCHを監視することができる。PDCCHは、1以上の連続する制御チャネル要素(CCE)の集合(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づく符号化速度でPDCCHを提供するために用いられる論理割当単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマット及び利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供される符号化速度間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIに基づいてPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査ビット(CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであるとき、端末のセルRNTI(C−RNTI)をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHが呼出しメッセージに対するものであるとき、呼出し指示子識別子(P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(特に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであるとき、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブル送信に対する応答であるランダムアクセス応答を表すために、ランダムアクセスRNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0037】
図4は、アップリンクサブフレームの構造を示す図である。アップリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別可能である。制御領域には、アップリンク制御情報を含む物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを含む物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末は、PUCCH及びPUSCHを同時に送信しない。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレームでリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して異なった副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数ホップするという。
【0038】
複数アンテナ(MIMO)システムのモデル
【0039】
図5は、複数アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
【0040】
図5(a)に示すように、送信アンテナの数をN
T個、受信アンテナの数をN
Rに増加させると、送信器又は受信器のいずれかだけで複数のアンテナを用いる場合とは違い、アンテナ数に比例して理論的なチャネル送信容量が増加する。そのため、送信レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル送信容量が増加することによって、送信レートは、理論的には、単一アンテナ使用時における最大送信レート(R
o)にレート増加率(R
i)を乗じた分だけ増加する。
【0042】
例えば、4個の送信アンテナ及び4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて、理論上、4倍の送信レートが得られる。
【0043】
複数アンテナシステムにおける通信方法を、数学モデルを用いてより具体的に説明する。このシステムにはN
T個の送信アンテナ及びN
R個の受信アンテナが存在すると仮定する。
【0044】
送信信号について説明すると、N
T個の送信アンテナがある場合、送信可能な最大情報はN
T個である。送信情報は次のように表現することができる。
【0046】
それぞれの送信情報S
1,S
2,・・・,S
NTは、送信電力が異なることがある。それぞれの送信電力をP
1,P
2,・・・,P
NTとすれば、送信電力の調整された送信情報は、次のように表現することができる。
【0048】
hat−Sは、送信電力の対角行列Pを用いて次のように表現してもよい。
【0050】
送信電力の調整された情報ベクトルhat−Sに重み行列Wが適用されて、実際に送信されるN
T個の送信信号x
1,x
2,・・・,x
NTが構成される場合を考慮してみる。重み行列Wは、送信情報を送信チャネル状況などに応じて各アンテナに適切に分配する役割を果たす。x
1,x
2,・・・,x
NTは、ベクトルXを用いて次のように表現することができる。
【0052】
ここで、W
ijは、i番目の送信アンテナとj番目の情報との間の重み値を意味する。Wは、プリコーディング行列とも呼ばれる。
【0053】
受信信号については、N
R個の受信アンテナがある場合、各アンテナの受信信号y
1,y
2,・・・,y
NRはベクトルによって次のように表現することができる。
【0055】
複数アンテナ無線通信システムでチャネルをモデル化する場合、チャネルは送受信アンテナインデクスによって区別可能にすることができる。送信アンテナjから受信アンテナiを経るチャネルをh
ijと表示するとする。h
ijにおいて、インデクスの順序は、受信アンテナインデクスが先で、送信アンテナのインデクスが後であることに留意されたい。
【0056】
一方、
図5(b)には、N
T個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示す。このチャネルをまとめてベクトル及び行列形態で表示することができる。
図6(b)で、全N
T個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、下記のように表すことができる。
【0058】
したがって、N
T個の送信アンテナからN
R個の受信アンテナに到着するすべてのチャネルは、次のように表現することができる。
【0060】
実際チャネルにはチャネル行列Hを経た後に、加法性白色ガウス雑音(AWGN)が加えられる。N
R個の受信アンテナのそれぞれに加えられる白色雑音n
1,n
2,・・・,n
NRは、次のように表現することができる。
【0062】
上述した数式モデルを用いて受信信号は次のように表現することができる。
【0064】
一方、チャネル状態を表すチャネル行列Hにおける行及び列の数は、送受信アンテナの数によって決定される。チャネル行列Hにおいて、行の数は受信アンテナの数N
Rと同じであり、列の数は送信アンテナの数N
Tと同じである。すなわち、チャネル行列Hは、N
R×N
Tとなる。
【0065】
行列のランク(rank)は、互いに独立した行又は列の個数のうちの最小個数と定義される。そのため、行列のランクは、行又は列の個数よりも大きくなることはない。チャネル行列Hのランク(rank(H))は、次のように制限される。
【0067】
ランクの他の定義は、行列を固有値分解(Eigen value decomposition)したときに、0以外の固有値の個数と定義できる。同様に、ランクの他の定義は、特異値分解(singular value decomposition)したときに、0以外の特異値の個数と定義できる。したがって、チャネル行列におけるランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なる情報を送ることができる最大数といえる。
【0069】
無線通信システムでパケットを送信するときに、送信されるパケットは無線チャネルを通じて送信されるため、送信過程で信号の歪が発生することがある。歪んだ信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号における歪を補正しなければならない。チャネル情報を見つけるために、送信側及び受信側の両方とも知っている信号を送信し、該信号がチャネルを通じて受信されるときの歪の度合を用いてチャネル情報を見つける方法を主に用いる。この信号をパイロット信号又は参照信号という。
【0070】
複数アンテナを用いてデータを送受信する場合には、正しい信号を受信するためには、各送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネル状況を知る必要がある。そのため、各送信アンテナ別に参照信号が存在しなければならない。
【0071】
ダウンリンク参照信号は、セル内のすべての端末が共有する共通参照信号(CRS)と特定端末のための専用参照信号(DRS)とがある。これらの参照信号によってチャネル推定及び復調のための情報を提供することができる。
【0072】
受信側(端末)は、CRSからチャネルの状態を推定し、チャネル品質指示子(CQI)、プリコーディング行列インデクス(PMI)及び/又はランク指示子(RI)のようなチャネル品質に関連した指示子を、送信側(基地局)にフィードバックすることができる。CRSは、セル特定(cell−specific)参照信号と呼ぶこともある。又は、CQI/PMI/RIのようなチャネル状態情報(CSI)のフィードバックに関連したRSを、CSI−RSと別途定義することもある。
【0073】
一方、DRSは、PDSCH上のデータの復調が必要な場合、対応するREを通じて送信することができる。端末は、上位層からDRSが存在するか否かが指示され、対応するPDSCHがマップされている場合にだけ、DRSが有効であるという指示を受けることができる。DRSを、端末特定(UE−specific)参照信号又は復調用参照信号(DMRS)と呼ぶこともある。
【0074】
図6は、既存の3GPP LTEシステム(例えば、リリース−8)で定義するCRS及びDRSがダウンリンクリソースブロック対上にマップされるパターンを示す図である。参照信号がマップされる単位としてのダウンリンクリソースブロック対は、時間上で1サブフレーム×周波数上で12副搬送波の単位と表現することができる。すなわち、1リソースブロック対は、時間上で、正規CPの場合(
図6(a))には14個のOFDMシンボル長、拡張CPの場合(
図6(b))には12個のOFDMシンボル長を有する。
【0075】
図6には、基地局が4個の送信アンテナをサポートするシステムにおいて参照信号のリソースブロック対での位置を示している。
図6で、「0」、「1」、「2」及び「3」で表示されたリソース要素(RE)は、それぞれ、アンテナポートインデクス0、1、2及び3に対するCRSの位置を示す。一方、
図6で、「D」で表示されたリソース要素は、DRSの位置を示す。
【0076】
次に、CRSについて具体的に説明する。
【0077】
CRSは、物理アンテナ端のチャネルを推定するために用いられ、セル内における全端末(UE)が共通に受信できる参照信号であり、全帯域にわたって分布する。CRSは、チャネル状態情報(CSI)取得及びデータ復調のために用いることができる。
【0078】
CRSは、送信側(基地局)のアンテナ構成によって様々な形態と定義される。3GPP LTE(例えば、リリース−8)システムは、様々なアンテナ構成をサポートし、ダウンリンク信号送信側(基地局)は、単一アンテナ、2送信アンテナ、4送信アンテナなどの3種類のアンテナ構成を有する。基地局が単一アンテナ送信をする場合には、単一アンテナポートのための参照信号が配置される。基地局が2アンテナ送信をする場合には、2個のアンテナポートのための参照信号が時分割多重化(TDM)及び/又は周波数分割多重化(FDM)方式で配置される。すなわち、2個のアンテナポートのための参照信号が、異なる時間リソース及び/又は異なる周波数リソースに配置され、互いに区別可能となる。また、基地局が4アンテナ送信をする場合には、4個のアンテナポートのための参照信号がTDM/FDM方式で配置される。CRSを用いてダウンリンク信号受信側(端末)で推定されたチャネル情報は、単一アンテナ送信、送信ダイバシチ、閉ループ空間多重化、開ループ空間多重化、複数ユーザMIMO(MU−MIMO)などの送信方式で送信されたデータの復調のために用いることができる。
【0079】
複数アンテナをサポートする場合、あるアンテナポートで参照信号を送信する時に、参照信号パターンに従って指定されたリソース要素(RE)位置に参照信号を送信し、他のアンテナポートのために指定されたリソース要素(RE)位置にはいかなる信号も送信しない。
【0080】
CRSがリソースブロック上にマップされる規則は、次の式12に従う。
【0082】
式12で、kは副搬送波インデクス、lはシンボルインデクス、pはアンテナポートインデクスを表す。N
DLsymbは、1ダウンリンクスロットのOFDMシンボルの個数であり、N
DLRBは、ダウンリンクに割り当てられたリソースブロックの個数であり、n
sは、スロットインデクスであり、N
cellIDは、セルIDを表す。modは、モジュロ演算を表す。周波数領域で参照信号の位置はV
shift値に依存する。さらにV
shift値はセルIDに依存するため、参照信号の位置は、セル別に異なる周波数シフト値を有する。
【0083】
具体的には、CRSを用いたチャネル推定性能を高めるために、セル別にCRSの周波数領域上の位置をシフトさせて異ならせることができる。例えば、参照信号が3副搬送波ごとに位置する場合、あるセルは3kの副搬送波上に、他のセルは3k+1の副搬送波上に配置されるようにすることができる。一つのアンテナポートの観点で、参照信号は、周波数領域において6RE間隔(すなわち、6副搬送波間隔)で配置され、他のアンテナポートのための参照信号が配置されるREとは周波数領域で3RE間隔を維持する。
【0084】
また、CRSに対して電力増強(power boosting)を適用することができる。電力増強とは、一つのOFDMシンボルのリソース要素(RE)のうち、参照信号のために割り当てられたRE以外のREの電力を借用して、参照信号をより高い電力で送信することを意味する。
【0085】
時間領域で参照信号の位置は各スロットのシンボルインデクス(l)0を始点として一定の間隔で配置される。時間間隔はCP長によって異なるように定義される。正規CPの場合、スロットのシンボルインデクス0及び4に位置し、拡張CPの場合には、スロットのシンボルインデクス0及び3に位置する。一つのOFDMシンボルには最大2個のアンテナポートの参照信号だけが定義される。したがって、4送信アンテナ送信時に、アンテナポート0及び1のための参照信号は、スロットのシンボルインデクス0及び4(拡張CPの場合はシンボルインデクス0及び3)に位置し、アンテナポート2及び3のための参照信号は、スロットのシンボルインデクス1に位置する。ただし、アンテナポート2及び3のための参照信号の周波数位置は、2番目のスロットでは互いに入れ替えられる。
【0086】
既存の3GPP LTE(例えば、リリース−8)システムよりも高いスペクトル効率性をサポートするために、拡張されたアンテナ構成を有するシステム(例えば、LTE−Aシステム)を設計することができる。拡張されたアンテナ構成は、例えば、8個の送信アンテナ構成でよい。このような拡張されたアンテナ構成を有するシステムでは、既存のアンテナ構成で動作する端末をサポート、すなわち、後方互換性をサポートする必要がある。そのため、既存のアンテナ構成による参照信号パターンをサポートし、追加のアンテナ構成に対する新しい参照信号パターンを設計する必要がある。ここで、既存のアンテナ構成を持つシステムに新しいアンテナポートのためのCRSを追加すると、参照信号オーバヘッドが急増し、データ送信速度が低下することにつながる。このような事項を考慮して、3GPP LTEの進化形であるLTE−Aシステムでは、新しいアンテナポートのためのチャネル状態情報(CSI)測定のための別の参照信号(CSI−RS)を導入することができる。
【0087】
次に、DRSについて具体的に説明する。
【0088】
DRS(又は、端末特定参照信号)は、データ復調のために用いられる参照信号であり、複数アンテナ送信をする時に特定端末に用いられるプリコーディング重み値を参照信号にもそのまま用いることによって、端末が参照信号を受信したときに、各送信アンテナから送信されるプリコーディング重み値及び送信チャネルが結合した等価チャネルを推定できるようにする。
【0089】
既存の3GPP LTEシステム(例えば、リリース−8)は、最大4送信アンテナ送信をサポートし、ランク1ビーム形成のためのDRSが定義されている。ランク1ビーム形成のためのDRSは、アンテナポートインデクス5に対する参照信号と表示されることもある。DRSがリソースブロック上にマップされる規則は、下記の式13及び14に従う。式13は、正規CPの場合であり、式14は、拡張CPの場合である。
【0092】
式13及び式14において、kは副搬送波インデクス、lはシンボルインデクス、pはアンテナポートインデクスである。N
RBSCは、周波数領域におけるリソースブロックサイズを表し、副搬送波の個数で表現される。n
PRBは、物理リソースブロック番号を表す。N
PDSCHRBは、対応するPDSCH送信のリソースブロックの帯域幅を表す。n
sは、スロットインデクスを表し、N
cellIDは、セルIDを表す。modは、モジュロ演算を表す。周波数領域で参照信号の位置はV
shift値に依存する。なお、V
shift値はセルIDに依存するため、参照信号の位置は、セル別に異なる周波数シフト値を有することとなる。
【0093】
一方、3GPP LTEの進化形てあるLTE−Aシステムでは、高い次数のMIMO、複数セル送信、進化したMU−MIMOなどが考慮されているが、効率的な参照信号の運用と進化した送信方式をサポートするために、DRSベースのデータ復調を考慮している。すなわち、既存の3GPP LTE(例えば、リリース−8)で定義するランク1ビーム形成のためのDRS(アンテナポートインデクス5)とは別に、追加されたアンテナを通じたデータ送信をサポートするために、2以上の階層に対するDRSを定義することができる。
【0095】
3GPP LTE−Aシステムの改善されたシステム性能の要求条件から、CoMP送受信技術(co−MIMO、協調MIMO又はネットワークMIMOなどと表現することもできる)が提案されている。CoMP技術は、セル端(cell−edge)に位置している端末の性能を増加させ、平均セクタ処理量(throughput)を増加させることができる。
【0096】
一般に、周波数再利用係数が1である複数セル環境において、セル間干渉(ICI)によって、セル端に位置している端末の性能及び平均セクタ処理量が減少することがある。このようなICIを低減させるために、既存のLTEシステムでは、端末特定電力制御を用いた部分周波数再利用(FFR)のような単純な受動的な方式を用いて、干渉によって制限を受けた環境でセル端に位置している端末に適切な処理量性能を持たせる方法が適用されてきた。しかし、セル当たりの周波数リソースの使用を減少させるよりは、ICIを低減させ、又はICIを端末の所望する信号として再利用することがより好ましいことがある。上記のような目的を達成するために、CoMP送信方式を適用することができる。
【0097】
ダウンリンクの場合に適用可能なCoMP方式は、合同処理(JP)方式と協調スケジュール/ビーム形成(CS/CB)方式とに大別することができる。
【0098】
JP方式は、CoMP協調単位のそれぞれのポイント(基地局)でデータを用いることができる。CoMP協調単位は、協調送信方式に用いられる基地局の集合を意味する。JP方式は、合同送信方式と動的セル選択方式とに分類することができる。
【0099】
合同送信方式は、PDSCHが一度に複数のポイント(CoMP協調単位の一部又は全部)から送信される方式のことをいう。すなわち、単一端末に送信されるデータを、複数の送信ポイントから同時に送信することが可能である。合同送信方式によれば、コヒーレントに又は非コヒーレントに受信信号の品質を向上させることができ、かつ、他の端末に対する干渉を能動的に消去することもできる。
【0100】
動的セル選択方式は、PDSCHが一度に(CoMP協調単位の)一つのポイントから送信される方式のことをいう。すなわち、特定時点で単一端末に送信されるデータは一つのポイントから送信され、その時点に、協調単位内における他のポイントは当該端末にデータを送信しない。ここで、当該端末にデータを送信するポイントは動的に選択することができる。
【0101】
一方、CS/CB方式によれば、CoMP協調単位が単一端末へのデータ送信のビーム形成を協調的に行うことができる。ここで、データはサービス提供セルだけから送信されるが、ユーザスケジュール/ビーム形成は、対応するCoMP協調単位のセルの協調によって決定することが可能である。
【0102】
一方、アップリンクの場合、多地点協調受信は、地理的に離れた複数個のポイントの協調によって送信された信号を受信することを意味する。アップリンクにおいて適用可能なCoMP方式は、合同受信(JR)と協調スケジュール/ビーム形成(CS/CB)とに分類することができる。
【0103】
JR方式は、PUSCHを通じて送信された信号が複数個の受信ポイントで受信されることを意味し、CS/CB方式は、PUSCHが一つのポイントでだけ受信されるが、ユーザスケジュール/ビーム形成は、CoMP協調単位のセルの協調によって決定されることを意味する。
【0105】
測定参照信号(SRS)は、主に、基地局がチャネル品質測定をしてアップリンク上で周波数選択的スケジュールのために用いられ、アップリンクデータ及び/又は制御情報送信とは関連しない。しかし、これに制限されるものではなく、SRSは、向上した電力制御の目的又は最近スケジュールされなかった端末の様々な起動機能をサポートする目的に用いられることもある。起動機能は、例えば、初期の変調及び符号化方式(MCS)、データ送信のための初期電力制御、タイミング整列及び周波数半選択的スケジュール(サブフレームの1番目のスロットでは周波数リソースが選択的に割り当てられ、2番目のスロットでは他の周波数に擬似ランダム的にホップするスケジュール)などを含むことができる。
【0106】
また、SRSは、無線チャネルがアップリンクとダウンリンクとの間で相互的(reciprocal)であるという仮定の下に、ダウンリンクチャネル品質測定のために用いられることもある。このような仮定は、アップリンクとダウンリンクとが同じ周波数帯域を共有し、時間領域で区別される時分割2重通信(TDD)システムにおいて特に有効である。
【0107】
セル内の任意の端末によってSRSが送信されるサブフレームは、セル特定同報信号通知によって指示される。4ビットのセル特定“SrsSubframeConfiguration”パラメータは、それぞれの無線フレーム内でSRS送信可能なサブフレームの15個の可能な構成を表す。このような構成によって、ネットワーク配置シナリオに応じてSRSオーバヘッドを調整できる柔軟性を提供することができる。このパラメータの残り一つ(16番目)の構成は、セル内のSRS送信を完全にオフにするものであり、例えば、主に、高速の端末をサービス提供するセルに好適である。
【0108】
図7に示すように、SRSは、常に、構成されたサブフレームの最後尾のSC−FDMAシンボル上で送信される。そのため、SRSと復調用参照信号(DMRS)とは、異なるSC−FDMAシンボル上に位置する。PUSCHデータ送信は、SRS送信のために指定されたSC−FDMAシンボル上で許容されず、よって、測定オーバヘッドが最も高い場合(すなわち、全サブフレームでSRS送信シンボルが存在する場合)にも、略7%を越えない。
【0109】
それぞれのSRSシンボルは、与えられた時間単位及び周波数帯域に対して基本シーケンス(ランダムシーケンス又はZC(Zadoff−Chu)ベースのシーケンス集合)によって生成され、セル内の全端末は、同じ基本シーケンスを用いる。このとき、同じ時間単位及び同じ周波数帯域において、セル内の複数個の端末からのSRS送信は、当該複数個の端末に割り当てられる基本シーケンスの異なる巡回シフトによって直交的に区別される。異なるセルのSRSシーケンスは、セルごとに異なる基本シーケンスを割り当てることによって区別できるが、異なる基本シーケンス間では直交性は保証されない。
【0111】
中継器は、例えば、高速データレートカバレッジの拡大、グループ移動性の向上、一時的ネットワーク配置、セル端における処理量の向上及び/又は新しい領域へのネットワークカバレッジの提供のために考慮することができる。
【0112】
中継器は、基地局と端末との間の送受信を転送(forwarding)する役割を有し、それぞれの搬送波周波数帯域に属性の異なる2種類のリンク(バックホールリンク及びアクセスリンク)が適用される。基地局は、ドナーセルを含むことができる。中継器は、ドナーセルを通じて無線アクセスネットワークと無線で接続する。
【0113】
基地局と中継器との間のバックホールリンクがダウンリンク周波数帯域又はダウンリンクサブフレームリソースを用いる場合を、バックホールダウンリンクと呼び、アップリンク周波数帯域又はアップリンクサブフレームリソースを用いる場合を、バックホールアップリンクと呼んでもよい。ここで、周波数帯域は、FDDモードで割り当てられるリソースであり、サブフレームは、TDDモードで割り当てられるリソースである。同様に、中継器と端末との間のアクセスリンクがダウンリンク周波数帯域又はダウンリンクサブフレームリソースを用いる場合を、アクセスダウンリンクと呼び、アップリンク周波数帯域又はアップリンクサブフレームリソースを用いる場合を、アクセスアップリンクと呼んでもよい。
【0114】
基地局にはアップリンク受信及びダウンリンク送信の機能が要求され、端末にはアップリンク送信及びダウンリンク受信の機能が要求される。一方、中継器には、基地局へのバックホールアップリンク送信、端末からのアクセスアップリンク受信、基地局からのバックホールダウンリンク受信、及び端末へのアクセスダウンリンク送信といったすべての機能が要求される。
【0115】
一方、中継器の帯域(又はスペクトル)の使用について、バックホールリンクがアクセスリンクと同じ周波数帯域で動作する場合を「帯域内(in−band)」といい、バックホールリンクとアクセスリンクとが異なる周波数帯域で動作する場合を「帯域外(out−band)」という。帯域内及び帯域外のいずれにおいても、既存のLTEシステム(例えば、リリース−8)に基づいて動作する端末(以下、旧型(legacy)端末という。)がドナーセルに接続できるようにしなければならない。
【0116】
端末で中継器を認識するか否かによって、中継器を、透過中継器と非透過中継器とに分類することができる。透過は、端末が中継器を介してネットワークと通信するか否かを認知できない場合を意味し、非透過は、端末が中継器を介してネットワークと通信するか否かを認知する場合を意味する。
【0117】
中継器の制御と関連して、ドナーセルの一部として構成される中継器、又は自らセルを制御する中継器とに区別することができる。
【0118】
ドナーセルの一部として構成される中継器は、中継器識別子(ID)を有することはできるが、中継器自身のセル識別情報(identity)を有しない。ドナーセルの属する基地局によって無線リソース管理(RRM)の少なくとも一部が制御されると、(RRMの残りの部分は中継器に位置しても)ドナーセルの一部として構成される中継器とする。好ましくは、このような中継器は旧型端末をサポートすることができる。このような中継器には、例えば、スマートリピータ、復号及び転送中継器、第2層(L2)中継器の様々な種類及びタイプ2中継器がある。
【0119】
セルを制御する中継器の場合、該中継器は一つ又は複数のセルを制御し、また、中継器によって制御されるセルのそれぞれに固有の物理層セル識別情報が提供され、同じRRMメカニズムを用いることができる。端末にとっては、中継器によって制御されるセルにアクセスすることと、一般基地局によって制御されるセルにアクセスすることとに、相違点がない。このような中継器によって制御されるセルは、旧型端末をサポートすることができることが好ましい。この種の中継器には、例えば、自己バックホール(Self−backhauling)中継器、第3層(L3)中継器、タイプ1中継器及びタイプ1a中継器がある。
【0120】
タイプ1中継器は、帯域内中継器であり、複数個のセルを制御し、これら複数個のセルのそれぞれは、端末にとっては、ドナーセルと区別される別個のセルとして見える。また、複数個のセルは、各自の物理セルID(LTEリリース−8で定義する。)を有し、中継器は自身の同期化チャネル、参照信号などを送信することができる。単一セル動作の場合、端末は中継器から直接スケジュール情報及びHARQフィードバックを受信し、かつ、中継器に自身の制御チャネル(スケジュール要求(SR)、CQI、ACK/NACKなど)を送信することができる。なお、旧型端末(LTEリリース−8システムに基づいて動作する端末)にとって、タイプ1中継器は旧型基地局(LTEリリース−8システムに基づいて動作する基地局)に見える。すなわち、後方互換性を有する。一方、LTE−Aシステムに基づいて動作する端末には、タイプ1中継器は旧型基地局とは異なる基地局に見え、性能向上を提供することができる。
【0121】
タイプ1a中継器は、帯域外で動作する以外は、前述のタイプ1中継器と同様の特徴を有する。タイプ1a中継器の動作は、L1(第1の層)動作に対する影響が最小化するように、又はないように構成することができる。
【0122】
タイプ2中継器は、帯域内中継器であり、別途の物理セルIDを有さず、よって、新しいセルを形成しない。タイプ2中継器は、旧型端末にトランスペアレントであり、旧型端末はタイプ2中継器の存在が認知できない。タイプ2中継器は、PDSCHを送信することができるが、少なくともCRS及びPDCCHは送信しない。
【0123】
一方、中継器が帯域内で動作するようにするために、時間周波数空間での一部リソースをバックホールリンクのために予備しておかなければならず、このリソースは、アクセスリンクのためには用いられないように設定することができる。これを、リソース分割という。
【0124】
中継器でのリソース分割における一般的な原理は、次のように説明することができる。バックホールダウンリンク及びアクセスダウンリンクを一つの搬送波周波数上で時分割多重化(TDM)方式で多重化することができる(すなわち、特定時間でバックホールダウンリンク又はアクセスダウンリンクのいずれかだけが活性化される)。同様に、バックホールアップリンク及びアクセスアップリンクを一つの搬送波周波数上で、TDM方式で多重化することができる(すなわち、特定時間でバックホールアップリンク又はアクセスアップリンクのいずれかだけが活性化される)。
【0125】
FDDでのバックホールリンク多重化は、バックホールダウンリンク送信はダウンリンク周波数帯域で行われ、バックホールアップリンク送信はアップリンク周波数帯域で行われるものと説明することができる。TDDでのバックホールリンク多重化は、バックホールダウンリンク送信は基地局と中継器とのダウンリンクサブフレームで行われ、バックホールアップリンク送信は基地局と中継器とのアップリンクサブフレームで行われるものと説明することができる。
【0126】
帯域内中継器の場合、例えば、所定の周波数帯域で基地局からのバックホールダウンリンク受信と端末へのアクセスダウンリンク送信とが同時になされると、中継器の送信端から送信される信号が中継器の受信端に受信されることがあり、そのため、中継器のRFフロントエンドで信号干渉又はRF妨害(jamming)が発生することがある。同様に、所定の周波数帯域で端末からのアクセスアップリンクの受信と基地局へのバックホールアップリンクの送信とが同時になされると、中継器のRFフロントエンドで信号干渉が発生することがある。そのため、中継器で一つの周波数帯域を通じた同時送受信を可能するためには、受信信号と送信信号との間に十分な分離(例えば、送信アンテナと受信アンテナとを地理的に十分に離間して(例えば、地上/地下に)設置する。)を提供しなければならない。
【0127】
このような信号干渉の問題を解決する一案として、中継器がドナーセルから信号を受信する間には端末に信号を送信しないように動作させることがある。すなわち、中継器から端末への送信にギャップ(gap)を置き、このギャップ中には端末(旧型端末も含む。)が中継器からのいかなる送信も期待しないように設定することができる。
図8では、第1のサブフレーム1010は一般サブフレームであって、中継器から端末にダウンリンク(すなわち、アクセスダウンリンク)制御信号及びデータが送信され、第2のサブフレーム1020は多対地送信同報単一周波数ネットワーク(MBSFN)サブフレームであって、ダウンリンクサブフレームの制御領域1021では中継器から端末に制御信号が送信されるが、ダウンリンクサブフレームの残り領域1022では中継器から端末に何らの送信も行われない。ここで、旧型端末は、全ダウンリンクサブフレームで物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の送信を期待するため(言い換えると、中継器は、自身の領域内の旧型端末が毎サブフレームでPDCCHを受信して測定機能を行うようにサポートする必要があるため)、旧型端末の正しい動作のためには、全ダウンリンクサブフレームでPDCCHを送信する必要がある。そのため、基地局から中継器へのダウンリンク(すなわち、バックホールダウンリンク)送信のために設定されたサブフレーム(第2のサブフレーム1020)上でも、サブフレームの先頭N(N=1、2又は3)個のOFDMシンボル区間で、中継器はバックホールダウンリンクを受信するのではなく、アクセスダウンリンク送信をする必要がある。これに対し、第2のサブフレームの制御領域1021でPDCCHが中継器から端末に送信されるため、中継器でサービス提供する旧型端末に対する後方互換性を提供することができる。第2のサブフレームの残り領域1022では、中継器から端末に何らの送信も行われない間に、中継器は基地局からの送信を受信することができる。したがって、このようなリソース分割方式を用いて、帯域内中継器でアクセスダウンリンク送信とバックホールダウンリンク受信とが同時に行われることを防ぐことができる。
【0128】
MBSFNサブフレームを用いる第2のサブフレーム1022について具体的に説明する。MBSFNサブフレームは原則としてマルチメディア同報対対地送信サービス(MBMS)のためのサブフレームであり、MBMSとは、複数のセルで同時に同一の信号を送信するサービスのことを意味する。第2のサブフレームの制御領域1021は、中継器非聴取(non−hearing)区間と呼ぶことができる。中継器非聴取区間とは、中継器がバックホールダウンリンク信号を受信しないでアクセスダウンリンク信号を送信する区間のことを意味する。この区間は、前述したように、1、2又は3 OFDM長に設定してもよい。中継器非聴取区間1021において、中継器は端末へのアクセスダウンリンク送信を行い、残り領域1022では基地局からバックホールダウンリンクを受信することができる。このとき、中継器は同一の周波数帯域で同時に送受信を行うことができず、中継器が送信モードから受信モードに切り替わるために時間がかかる。そのため、バックホールダウンリンク受信領域1022の先頭の一部区間では、中継器が送信/受信モード切替を行うように保護時間(GT)を設定する必要がある。同様に、中継器が基地局からのバックホールダウンリンクを受信し、端末へのアクセスダウンリンクを送信するように動作する場合にも、中継器の受信/送信モード切替のための保護時間(GT)を設定することができる。このような保護時間の長さとして時間領域の値を与えることができ、例えば、k(k≧1)個の時間サンプル(Ts)値を与えてもよいし、一つ以上のOFDMシンボル長に設定してもよい。又は、中継器バックホールダウンリンクサブフレームが連続して設定されている場合、又は所定のサブフレームタイミング整列関係によって、サブフレームの最後の部分の保護時間は規定又は設定しなくてもよい。このような保護時間は、後方互換性を維持するために、バックホールダウンリンクサブフレーム送信のために設定されている周波数領域でだけ規定することができる(アクセスダウンリンク区間で保護時間が設定される場合は旧型端末をサポートすることができない)。保護時間以外のバックホールダウンリンク受信区間1022で、中継器は基地局からPDCCH及びPDSCHを受信することができる。特に、中継器のためのPDCCHは、中継器専用物理チャネルという意味から、中継器PDCCH(R−PDCCH)と表現してもよい。
【0129】
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)
【0130】
PUCCHを介して送信されるアップリンク制御情報(UCI)は、スケジュール要求(SR)、HARQACK/NACK情報、及びダウンリンクチャネル測定情報を含んでもよい。
【0131】
HARQ ACK/NACK情報は、PDSCH上のダウンリンクデータパケットの復号に成功したか否かによって生成される。既存の無線通信システムにおいて、ダウンリンク単一符号語(codeword)送信に対してはACK/NACK情報として1ビットが送信され、ダウンリンク2符号語送信に対してはACK/NACK情報として2ビットが送信される。
【0132】
チャネル測定情報は、多入力多出力(MIMO)方式に関するフィードバック情報のことを指し、チャネル品質指示子(CQI)、プリコーディング行列インデクス(PMI)及びランク指示子(RI)を含んでもよい。これらチャネル測定情報をCQIと総称してもよい。CQIの送信のためにサブフレーム当たり20ビットを使用してもよい。
【0133】
PUCCHは、2相位相偏移変調(BPSK)又は4相位相偏移変調(QPSK)方式を用いて変調することができる。PUCCHを介して複数個の端末の制御情報が送信されることがあり、各端末の信号を区別するために符号分割多重化(CDM)を行うとき、長さ12の定振幅零自己相関(CAZAC)シーケンスを主に使用する。CAZACシーケンスは、時間領域及び周波数領域で一定の振幅を維持する特性を有するため、端末のピーク対平均電力比(PAPR)又は3次計量(Cubic Metric、CM)を下げてサービス範囲を増加させるために適している。また、PUCCHを介して送信される、ダウンリンクデータ送信に関するACK/NACK情報は、直交シーケンス又は直交カバー(OC)によってカバーされる。
【0134】
また、PUCCH上で送信される制御情報は、別個の巡回シフト(CS)値を有する巡回シフトされたシーケンスを用いて区別することができる。巡回シフトされたシーケンスは、基本シーケンスを特定CS量だけ巡回シフトさせて生成することができる。特定CS量は巡回シフトインデクスによって指示される。チャネルの遅延拡散によって使用可能な巡回シフトの数は異なることがある。種々のシーケンスを基本シーケンスとして用いてもよく、前述したCAZACシーケンスはその一例である。
【0135】
また、端末が一つのサブフレームで送信可能な制御情報の量は、制御情報の送信に利用可能なSC−FDMAシンボルの個数(すなわち、PUCCHのコヒーレント検出のための参照信号(RS)送信に用いられるSC−FDMAシンボルを除いたSC−FDMAシンボル)によって決定してもよい。
【0136】
3GPP LTEシステムにおいてPUCCHは、送信される制御情報、変調方式、制御情報の量などによって合計7種類の異なったフォーマットが定義され、それぞれのPUCCHフォーマットに従って送信されるアップリンク制御情報(UCI)の属性は、下記の表1のとおりである。
【0138】
PUCCHフォーマット1は、SRの単独送信に使われる。SR単独送信の場合には、変調されなかった波形が適用され、これについての詳細は後述する。
【0139】
PUCCHフォーマット1a又は1bは、HARQ ACK/NACKの送信に使われる。任意のサブフレームでHARQ ACK/NACKが単独に送信される場合には、PUCCHフォーマット1a又は1bを使用することができる。又は、PUCCHフォーマット1a又は1bを用いてHARQ ACK/NACK及びSRが同一サブフレームで送信してもよい。
【0140】
PUCCHフォーマット2はCQIの送信に使われ、PUCCHフォーマット2a又は2bはCQI及びHARQ ACK/NACKの送信に使われる。拡張CPでは、PUCCHフォーマット2をCQI及びHARQ ACK/NACKの送信に用いてもよい。
【0141】
図9は、アップリンク物理リソースブロックにおいてPUCCHフォーマットがPUCCH領域にマップされる形態を示す。
図9で、N
ULRBは、アップリンクでのリソースブロックの個数を表し、0,1,…,N
ULRB−1は、物理リソースブロックの番号を意味する。基本的に、PUCCHは、アップリンク周波数ブロックの両端にマップされる。
図9に示すように、m=0,1と表示されるPUCCH領域に、PUCCHフォーマット2/2a/2bがマップされおり、これは、PUCCHフォーマット2/2a/2bが、帯域端に位置しているリソースブロックにマップされると表現してもよい。また、m=2と表示されるPUCCH領域にPUCCHフォーマット2/2a/2b及びPUCCHフォーマット1/1a/1bが混合してマップされている。次に、m=3,4,5と表示されるPUCCH領域にPUCCHフォーマット1/1a/1bがマップされている。PUCCHフォーマット2/2a/2bによって使用可能なPUCCH RBの個数(N
(2)RB)は、同報信号通知によってセル内の端末に指示してもよい。
【0143】
UEは、アップリンク制御情報(UCI)の送信のためのPUCCHリソースを、上位層信号通知を用いた明示的方式又は暗黙的方式によって基地局(BS)から割り当てられる。
【0144】
ACK/NACKの場合、端末に対して上位層によって複数個のPUCCHリソース候補が設定されることがあり、これら候補のうちいずれのPUCCHリソースを使用するかは、暗黙の方式で決定してもよい。例えば、UEはBSからPDSCHを受信し、該PDSCHに関するスケジュール情報を運ぶPDCCHリソースによって暗黙に決定されたPUCCHリソースを用いて、当該データユニットに対するACK/NACKを送信してもよい。
【0145】
図10には、ACK/NACKのためのPUCCHリソースを決定する例を示す。
【0146】
LTEシステムにおいては、ACK/NACKのためのPUCCHリソースが各端末に予め割り当てられていないため、複数のPUCCHリソースを、セル内の複数の端末が毎時点ごとに分けて使用する。具体的には、端末がACK/NACKを送信するために使用するPUCCHリソースは、対応するダウンリンクデータを運ぶPDSCHに関するスケジュール情報を運ぶPDCCHに基づいて暗黙の方式で決定される。それぞれのDLサブフレームでPDCCHが送信される全体領域は、複数のCCEで構成され、UEに送信されるPDCCHは一つ以上のCCEで構成される。CCEは複数(例えば、9個)のリソース要素グループ(REG)を含む。1つのREGは、参照信号(RS)を除いた状態で隣り合う4つのREで構成される。UEは、自身が受信したPDCCHを構成するCCEのインデクスのうち、特定のCCEインデクス(例えば、最初又は最も低いCCEインデクス)の関数によって導出又は計算される暗黙のPUCCHリソースを用いてACK/NACKを送信する。
【0147】
図10を参照すると、それぞれのPUCCHリソースインデクスはACK/NACKのためのPUCCHリソースに対応する。
図10に示すように、4〜6番のCCEで構成されたPDCCHを用いて、PDSCHに関するスケジュール情報がUEに送信されると仮定する場合、UEは、上記PDCCHを構成する最低CCEである4番のCCEのインデクスから導出又は計算されたPUCCH、例えば、4番のPUCCHを用いてACK/NACKをBSに送信する。
図10は、DLに最大M’個のCCEが存在し、ULに最大M個のPUCCHが存在する場合を例示する。M’=Mの場合もあるが、M’値とM値とが異なるように設計され、CCEとPUCCHリソースのマップが重なるようにすることも可能である。
【0148】
例えば、PUCCHリソースインデクスは、次のように定めることができる。
【0150】
ここで、n
(1)PUCCHは、ACK/NACK送信のためのPUCCHリソースインデクスを表し、N
(1)PUCCHは、上位階層から伝達された信号通知値を表す。n
CCEは、PDCCH送信に使われたCCEインデクスのうち、最も小さい値を表す。
【0152】
PUCCHフォーマット1a及び1bについてまず説明する。
【0153】
PUCCHフォーマット1a/1bにおいてBPSK又はQPSK変調方式を用いて変調されたシンボルは、長さ12のCAZACシーケンスで乗算される。例えば、変調シンボルd(0)に長さNのCAZACシーケンスr(n)(n=0,1,2,…,N−1)が乗算された結果は、y(0),y(1),y(2),…,y(N−1)となる。y(0),…,y(N−1)シンボルをシンボルブロックと呼ぶことができる。変調シンボルにCAZACシーケンスを乗算した後に、直交シーケンスを用いたブロック単位拡散が適用される。
【0154】
一般のACK/NACK情報に対しては長さ4のアダマールシーケンスが用いられ、短縮されたACK/NACK情報及び参照信号に対しては長さ3の離散フーリエ変換(DFT)シーケンスが用いられる。拡張CPの場合における参照信号に対しては、長さ2のアダマールシーケンスが用いられる。
【0155】
図11は、正規CPの場合のACK/NACKチャネルの構造を示す図である。
図11では、CQIのないHARQ ACK/NACK送信のためのPUCCHチャネル構造を例示する。1つのスロットに含まれる7個のSC−FDMAシンボルのうち、中間部分の3個の連続したSC−FDMAシンボルには参照信号(RS)が載せられ、残り4個のSC−FDMAシンボルにはACK/NACK信号が載せられる。一方、拡張CPの場合には、中間の2個の連続したシンボルにRSが載せることができる。RSに用いられるシンボルの個数及び位置は、制御チャネルによって異なることがあり、これと関連したACK/NACK信号に用いられるシンボルの個数及び位置もそれに応じて変更してよい。
【0156】
1ビット及び2ビットの肯定応答/否定応答情報(スクランブルされていない状態)はそれぞれBPSK及びQPSK変調方式を用いて一つのHARQ ACK/NACK変調シンボルと表現してもよい。肯定応答(ACK)は「1」と符号化し、否定応答(NACK)は「0」と符号化してもよい。
【0157】
割り当てられる帯域内で制御信号を送信する際、多重化容量を高めるために2次元拡散が適用される。すなわち、多重化可能な端末の数又は制御チャネルの数を増加させるために、周波数領域拡散及び時間領域拡散を同時に適用する。ACK/NACK信号を周波数領域で拡散させるために、周波数領域シーケンスを基本シーケンスとして使用する。周波数領域シーケンスにはCAZACシーケンスの一つであるZadoff−Chu(ZC)シーケンスを使用することができる。例えば、基本シーケンスであるZCシーケンスに別個の巡回シフトを適用することによって、別個の端末又は別個の制御チャネルの多重化ができる。HARQ ACK/NACK送信のためのPUCCH RBのためのSC−FDMAシンボルでサポートされるCSリソースの個数は、セル特定の上位層信号通知パラメータ(Δ
PUCCHshift)によって設定され、Δ
PUCCHshift∈{1,2,3}はそれぞれ、12、6又は4シフトを表す。
【0158】
周波数領域拡散されたACK/NACK信号は、直交拡散符号を用いて時間領域で拡散される。直交拡散符号としてウォルシュ−アダマールシーケンス又はDFTシーケンスが用いることができる。例えば、ACK/NACK信号は、4シンボルに対して長さ4の直交シーケンス(w0、w1、w2、w3)を用いて拡散してもよい。また、RSも長さ3又は長さ2の直交シーケンスで拡散される。これを直交カバー(OC)という。
【0159】
前述したような周波数領域におけるCSリソース及び時間領域におけるOCリソースを用いて複数の端末を符号分割多重化方式で多重化することができる。すなわち、同じPUCCH RB上で複数の端末のACK/NACK情報及びRSを多重化することができる。
【0160】
このような時間領域拡散CDMにおいて、ACK/NACK情報に対してサポートされる拡散符号の個数は、RSシンボルの個数によって制限される。すなわち、RS送信SC−FDMAシンボルの個数は、ACK/NACK情報送信SC−FDMAシンボルの個数よりも少ないため、RSの多重化容量がACK/NACK情報の多重化容量に比べて少なくなる。例えば、正規CPの場合には、4個のシンボルでACK/NACK情報を送信することができるが、ACK/NACK情報のために4個ではなく3個の直交拡散符号が用いられる。これは、RS送信シンボルの個数が3個に制限され、RSのために3個の直交拡散符号だけが用いられるためである。
【0161】
ACK/NACK情報の拡散に用いられる直交シーケンスの一例は、表2及び表3の通りである。表2は、長さ4シンボルに対するシーケンスを表し、表3は、長さ3シンボルに対するシーケンスを表す。長さ4シンボルに対するシーケンスは、一般的なサブフレーム構成のPUCCHフォーマット1/1a/1bで用いられる。サブフレーム構成において2番目のスロットの最後のシンボルでSRSが送信される等の場合を考慮して、1番目のスロットでは長さ4シンボルに対するシーケンスが適用され、2番目のスロットでは長さ3シンボルに対するシーケンスの短縮PUCCHフォーマット1/1a/1bが適用されることがある。
【0164】
一方、ACK/NACKチャネルのRSの拡散に用いられる直交シーケンスの一例は、表4の通りである。
【0166】
正規CPのサブフレームにおいて、一つのスロットで3個のシンボルがRS送信のために用いられ、4個のシンボルがACK/NACK情報送信のために用いられる場合、例えば、周波数領域で6個の巡回シフト(CS)及び時間領域で3個の直交カバー(OC)リソースを使用できるときは、合計18個の別個の端末からのHARQ ACK/NACKを一つのPUCCH RB内で多重化することができる。拡張CPのサブフレームにおいて一つのスロットで2個のシンボルがRS送信のために用いられ、4個のシンボルがACK/NACK情報送信のために用いられる場合、例えば、周波数領域で6個の巡回シフト(CS)及び時間領域で2個の直交カバー(OC)リソースを使用できるときは、合計12個の別個の端末からのHARQ ACK/NACKを一つのPUCCH RB内で多重化することができる。
【0167】
次に、PUCCHフォーマット1について説明する。スケジュール要求(SR)は、端末がスケジュールを要求し、又は要求しない方式で送信される。SRチャネルは、PUCCHフォーマット1a/1bでのACK/NACKチャネル構造を再利用し、ACK/NACKチャネル設計に基づいてオンオフ変調(OOK)方式で構成される。SRチャネルでは参照信号が送信されない。そのため、正規CPの場合には長さ7のシーケンスが用いられ、拡張CPの場合には長さ6のシーケンスが用いられる。SR及びACK/NACKに対して別個の巡回シフト又は直交カバーを割り当ててもよい。すなわち、肯定SR送信のために、端末は、SR用に割り当てられたリソースを用いてHARQ ACK/NACKを送信する。否定SR送信のためには、端末は、ACK/NACK用に割り当てられたリソースを用いてHARQ ACK/NACKを送信する。
【0168】
次に、PUCCHフォーマット2/2a/2bについて説明する。PUCCHフォーマット2/2a/2bは、チャネル測定フィードバック(CQI、PMI、RI)を送信するための制御チャネルである。
【0169】
チャネル測定フィードバック(以下では、CQI情報と総称する。)の報告周期及び測定対象となる周波数単位(又は、周波数解像度)は、基地局が制御してもよい。時間領域において、周期的及び非周期的CQI報告をサポートしてもよい。PUCCHフォーマット2は周期的報告にだけ用い、非周期的報告のためにはPUSCHを用いてもよい。非周期的報告の場合、基地局は端末に、アップリンクデータ送信のためにスケジュールされたリソースに個別CQI報告を載せて送信することを指示してもよい。
【0170】
図12は、正規CPの場合にCQIチャネルの構造を示す図である。1つのスロットにおけるSC−FDMAシンボル0乃至6のうち、SC−FDMAシンボル1及び5(2番目及び6番目のシンボル)が復調参照信号(DM RS)送信に用いられ、残りのSC−FDMAシンボルでCQI情報が送信されている。一方、拡張CPの場合には、1つのSC−FDMAシンボル(SC−FDMAシンボル3)がDM RS送信に用いられる。
【0171】
PUCCHフォーマット2/2a/2bでは、CAZACシーケンスによる変調をサポートし、QPSK変調されたシンボルが長さ12のCAZACシーケンスで乗算される。シーケンスの巡回シフト(CS)は、シンボルごと及びスロットごとに変更される。DM RSに対して直交カバーが用いられる。
【0172】
1つのスロットに含まれる7個のSC−FDMAシンボルのうち、3個のSC−FDMAシンボル間隔で離れている2個のSC−FDMAシンボルには参照信号(DM RS)が載せられ、残り5個のSC−FDMAシンボルにはCQI情報が載せられる。1つのスロット内に2つのRSが用いられるのは、高速端末をサポートするためである。また、各端末は巡回シフト(CS)シーケンスを用いて区分される。CQI情報シンボルはSC−FDMAシンボル全体に変調されて送信され、SC−FDMAシンボルは1つのシーケンスで構成されている。すなわち、端末は各シーケンスでCQIを変調して送信する。
【0173】
一つのTTIに送信可能なシンボル数は10個であり、CQI情報の変調はQPSKまで拡張されている。SC−FDMAシンボルに対してQPSKマップを用いる場合、2ビットのCQI値が載せられるため、1スロットに10ビットのCQI値を載せることができる。そのため、1サブフレームに最大20ビットのCQI値を載せることができる。CQI情報を周波数領域で拡散させるために周波数領域拡散符号を使用する。
【0174】
周波数領域拡散符号としては、長さ12のCAZACシーケンス(例えば、ZCシーケンス)を使用してもよい。各制御チャネルは、別個の巡回シフト値を有するCAZACシーケンスを適用して区別してもよい。周波数領域拡散されたCQI情報にIFFTが行われる。
【0175】
12個の同等な間隔を持つ巡回シフトによって12個の別個の端末を同じPUCCH RB上で直交多重化することが可能である。正規CP場合、SC−FDMAシンボル1及び5上の(拡張CP場合、SC−FDMAシンボル3上の)DM RSシーケンスは、周波数領域上のCQI信号シーケンスと類似しているが、CQI情報のような変調は適用されない。端末は、PUCCHリソースインデクス(n
(2)PUCCH)で指示されるPUCCHリソース上で周期的に異なったCQI、PMI及びRIタイプを報告するように上位層信号通知によって半静的に設定してもよい。ここで、PUCCHリソースインデクス(n
(2)PUCCH)は、PUCCHフォーマット2/2a/2b送信に用いられるPUCCH領域及び用いられる巡回シフト(CS)値を指示する情報である。
【0176】
次に、強化PUCCH(e−PUCCH)フォーマットについて説明する。e−PUCCHは、LTE−AシステムのPUCCHフォーマット3に対応可能である。PUCCHフォーマット3を用いたACK/NACK送信にはブロック拡散方式を適用してもよい。
【0177】
ブロック拡散方式は、既存のPUCCHフォーマット1系列又は2系列とは違い、制御信号送信をSC−FDMA方式を用いて変調する方式である。
図13に示すように、シンボルシーケンスを直交カバー符号(OCC)を用いて時間領域上で拡散して送信してもよい。OCCを用いることによって同じRB上に複数個の端末の制御信号を多重化することができる。前述したPUCCHフォーマット2では、1つのシンボルシーケンスが時間領域にわたって送信され、CAZACシーケンスのCSを用いて複数個の端末の制御信号が多重化されるのに対し、ブロック拡散ベースのPUCCHフォーマット(例えば、PUCCHフォーマット3)では、1つのシンボルシーケンスが周波数領域にわたって送信され、OCCを用いた時間領域拡散を用いて複数個の端末の制御信号が多重化される。
【0178】
図13(a)では、1スロットの間に1つのシンボルシーケンスに長さ=4(又は拡散係数(SF)=4)のOCCを用いて4個のSC−FDMAシンボル(すなわち、データ部分)を生成して送信する例を示している。この場合、1スロットにおいて3個のRSシンボル(すなわち、RS部分)が用いられている。
【0179】
又は、
図13(b)では、1スロットの間に1つのシンボルシーケンスに長さ=5(又はSF=5)のOCCを用いて5個のSC−FDMAシンボル(すなわち、データ部分)を生成して送信する例を示している。この場合、1スロットの間に2個のRSシンボルが用いられている。
【0180】
図13の例において、RSシンボルは、特定巡回シフト値の適用されたCAZACシーケンスから生成され、かつ複数個のRSシンボルにわたって所定のOCCが適用された(又は乗算された)形態で送信されてよい。また、
図13の例で、それぞれのOFDMシンボル(又はSC−FDMAシンボル)別に12個の変調シンボルが用いられ、それぞれの変調シンボルはQPSKによって生成されると仮定すれば、1つのスロットで送信可能な最大ビット数は12×2=24ビットとなる。そのため、2つのスロットで送信可能なビット数は合計48ビットとなる。このようにブロック拡散方式のPUCCHチャネル構造を使用すると、既存のPUCCHフォーマット1系列及び2系列に比べてより拡張された大きさの制御情報の送信が可能になる。
【0182】
図14は、搬送波集約を説明するための図である。搬送波集約を説明するに先立って、LTE−Aにおいて無線リソースを管理するために導入されたセルの概念についてまず説明する。セルは、ダウンリンクリソースとアップリンクリソースとの組み合わせと理解することができる。ここで、アップリンクリソースは必須要素ではなく、よって、セルは、ダウンリンクリソース単独、又はダウンリンクリソースとアップリンクリソースとの組み合わせで構成される。ただし、これは現在LTE−Aリリース10における定義であり、反対の場合、すなわち、セルがアップリンクリソース単独で形成される場合もある。ダウンリンクリソースはダウンリンク構成搬送波(DL CC)と呼ばれ、アップリンクリソースはアップリンク構成搬送波(UL CC)と呼ばれる。DL CC及びUL CCは、搬送波周波数で表現してもよく、搬送波周波数は当該セルでの中心周波数を意味する。
【0183】
セルは、1次周波数で動作する1次セル(PCell)と、2次周波数で動作する2次セル(SCell)とに分類してもよい。PCell及びSCellはサービス提供セルと総称してもよい。PCellは、端末が初期接続確立過程を行い、接続再確立過程又はハンドオーバ過程で指示されたセルであってよい。すなわち、PCellは、後述する搬送波集約環境で制御関連中心となるセルと理解することができる。端末は、自身のPCellでPUCCHの割当を受けて送信することができる。SCellは、無線リソース制御(RRC)接続確立された以降に構成可能であり、追加の無線リソースを提供するために用いることができる。搬送波集約環境において、PCell以外の残りサービス提供セルはSCellと見なしてもよい。RRC_CONNECTED状態にあるが、搬送波集約が設定されていないか、又は搬送波集約をサポートしない端末については、PCellだけで構成されたサービス提供セルが一つだけ存在する。一方、RRC_CONNECTED状態にあり、かつ搬送波集約が設定された端末については、一つ以上のサービス提供セルが存在し、サービス提供セル全体にはPCell及びすべてのSCellが含まれる。搬送波集約をサポートする端末のために、ネットワークは、初期セキュリティ活性化過程が開始された後、接続確立過程で初期に構成されるPCellに加えて、一つ以上のSCellを構成することができる。
【0184】
以下、
図14を参照して搬送波集約について説明する。搬送波集約は、高送信速度に対する要求に符合するよう、より広い帯域を使用可能にするために導入された技術である。搬送波集約は、搬送波周波数の異なる2個以上の構成搬送波(CC)の集合(aggregation)と定義することができる。
図14を参照すると、
図14(a)は、既存LTEシステムで一つのCCを使用する場合のサブフレームを示し、
図14(b)は、搬送波集約が用いられる場合のサブフレームを示す。
図14(b)には、20MHzのCC 3個が用いられて合計60MHzの帯域幅をサポートする例を示している。ここで、各CCは連続していてもよいし、非連続でもよい。
【0185】
端末はダウンリンクデータを複数個のDL CCを通じて同時に受信して監視することもできる。各DL CCとUL CC間の結合(linkage)はシステム情報によって指示してもよい。DL CC/UL CCリンクはシステムに固定されていてもよいし、半静的に構成してもよい。また、システム全体帯域がN個のCCで構成されていても、特定端末が監視/受信可能な周波数帯域はM(<N)個のCCに限定されることもある。搬送波集約に関する様々なパラメータは、セル特定(cell−specific)、端末グループ特定(UE group−specific)又は端末特定(UE−specific)方式で設定することができる。
【0186】
図15は、搬送波相互スケジュールを説明するための図である。搬送波相互スケジュールとは、例えば、複数のサービス提供セルのいずれか一つのDL CCの制御領域に、他のDL CCのダウンリンクスケジュール割当情報をすべて含むこと、又は、複数のサービス提供セルのいずれか一つのDL CCの制御領域に、そのDL CCとリンクされている複数のUL CCに関するアップリンクスケジュール承認情報をすべて含むこと、を意味する。
【0187】
まず、搬送波指示子フィールド(CIF)について説明する。
【0188】
CIFは、上述したように、PDCCHを介して送信されるDCIフォーマットに含まれることもあり、含まれないこともあるが、含まれた場合は、搬送波相互(cross−carrier)スケジュールが適用されたことを表す。搬送波相互スケジュールが適用されていない場合、ダウンリンクスケジュール割当情報は、現在ダウンリンクスケジュール割当情報が送信されるDL CC上でだけ有効である。また、アップリンクスケジュール承認は、ダウンリンクスケジュール割当情報が送信されるDL CCとリンクされた一つのUL CCに対してだけ有効である。
【0189】
搬送波相互スケジュールが適用された場合、CIFは、いずれか一つのDL CCでPDCCHを介して送信されるダウンリンクスケジュール割当情報に関連したCCを指示する。例えば、
図15を参照すると、DL CC A上の制御領域内のPDCCHを介してDL CC B及びDL CC Cに関するダウンリンク割当情報、すなわちPDSCHリソースに関する情報が送信される。端末は、DL CC Aを監視してCIFからPDSCHのリソース領域及び対応するCCが分かる。
【0190】
PDCCHにCIFが含まれたか又は含まれていないかは半静的に設定され、上位層信号通知によって端末特定に活性化してもよい。
【0191】
CIFが無効化(disabled)された場合、特定DL CC上のPDCCHは該DL CC上のPDSCHリソースを割り当て、特定DL CCにリンクされたUL CC上のPUSCHリソースを割り当てることができる。この場合、既存のPDCCH構造と同じ符号化方式、CCEベースのリソースマップ、DCIフォーマットなどを適用してもよい。
【0192】
一方、CIFが有効化(enabled)された場合、特定DL CC上のPDCCHは、複数個の束ねられたCCのうち、CIFが指示する一つのDL/UL CC上でのPDSCH/PUSCHリソースを割り当てることができる。この場合、既存のPDCCH DCIフォーマットにCIFを更に定義してもよく、固定された3ビット長のフィールドと定義してもよいし、CIF位置がDCIフォーマットサイズによらずに固定してもよい。この場合にも、既存のPDCCH構造と同じ符号化方式、CCEベースのリソースマップ、DCIフォーマットなどを適用してもよい。
【0193】
CIFが存在する場合にも、基地局は、PDCCHを監視するDL CCセットを割り当ててもよい。これによって、端末におけるブラインド復号の負担を減らすことができる。PDCCH監視CCセットは、束ねられた全体DL CCの一部分であり、端末はPDCCHの検出/復号を対応するCCセットでだけ行うことができる。すなわち、端末に対してPDSCH/PUSCHをスケジュールするために、基地局はPDCCHをPDCCH監視CCセット上でだけ送信してもよい。PDCCH監視DL CCセットは、端末特定、端末グループ特定、又はセル特定に設定してもよい。例えば、
図15の例示のように、3個のDL CCが束ねられる場合、DL CC AをPDCCH監視DL CCにすることができる。CIFが無効化される場合、それぞれのDL CC上のPDCCHは、DL CC AでのPDSCHだけをスケジュールすることができる。一方、CIFが有効化されると、DL CC A上のPDCCHは、DL CC Aはもとより、他のDL CCでのPDSCHもスケジュールすることができる。DL CC AがPDCCH監視CCに設定される場合には、DL CC B及びDL CC CにはPDSCHが送信されない。
【0194】
前述したような搬送波集約が適用されるシステムにおいて、端末は複数個のダウンリンク搬送波を通じて複数個のPDSCHを受信することがあり、このとき、端末はそれぞれのデータに対するACK/NACKを一つのサブフレームにおいて一つのUL CC上で送信すべき場合も発生する。一つのサブフレームで複数個のACK/NACKをPUCCHフォーマット1a/1bを用いて送信するとき、高い送信電力が要求され、アップリンク送信のPAPRが増加することになり、送信電力増幅器の非効率的な使用によって端末の基地局からの送信可能距離が減少することがある。一つのPUCCHを介して複数個のACK/NACKを送信するには、ACK/NACK結合(bundling)又はACK/NACK多重化を適用してもよい。
【0195】
また、搬送波集約の適用による複数のダウンリンクデータ及び/又はTDDシステムにおいて複数個のDLサブフレームで送信された複数のダウンリンクデータに関するACK/NACK情報が一つのサブフレームでPUCCHを介して送信されるべき場合も発生する。このような場合、送信されるべきACK/NACKビットが、ACK/NACK結合又は多重化によってサポート可能な個数よりも多いときは、上記の方法ではACK/NACK情報を正しく送信することができない。
【0196】
次に、ACK/NACK多重化方法について説明する。
【0197】
ACK/NACK多重化の場合、複数個のデータユニットに対するACK/NACK応答の内容は、実際ACK/NACK送信で用いられるACK/NACKユニットとQPSK変調されたシンボルのいずれか一つとの組合せによって識別してもよい。例えば、一つのACK/NACKユニットが2ビットサイズの情報を運ぶと仮定し、最大2個のデータユニットを受信することを仮定する。ここで、受信されたそれぞれのデータユニットに対するHARQ肯定応答/否定応答は一つのACK/NACKビットによって表現されるとする。この場合、データを送信した送信端は、ACK/NACK結果を、表5のように識別することができる。
【0199】
表5において、HARQ−ACK(i)(i=0、1)は、データユニットiに対するACK/NACK結果を表す。前述したように、最大2個のデータユニット(データユニット0及びデータユニット1)が受信されることを仮定したため、表5では、データユニット0に対するACK/NACK結果はHARQ−ACK(0)で表示し、データユニット1に対するACK/NACK結果はHARQ−ACK(1)で表示する。表5において、不連続送信(DTX)は、HARQ−ACK(i)に対応するデータユニットが送信されないこと、又は、受信端がHARQ−ACK(i)に対応するデータユニットの存在を検出できなかったことを表す。また、n
(1)PUCCH,Xは、実際ACK/NACK送信に用いられるACK/NACKユニットを表す。最大2個のACK/NACKユニットが存在する場合、n
(1)PUCCH,0及びn
(1)PUCCH,1で表現することができる。また、b(0),b(1)は、選択されたACK/NACKユニットによって送信される2個のビットを表す。ACK/NACKユニットを通じて送信される変調シンボルは、b(0),b(1)ビットによって決定される。
【0200】
例えば、受信端が2個のデータユニットを成功裏に受信及び復号した場合(すなわち、上記表5のACK、ACKの場合)は、受信端はACK/NACKユニットn
(1)PUCCH,1を用いて2個のビット(1,1)を送信する。又は、受信端が2個のデータユニットを受信したが、第1データユニット(すなわち、HARQ−ACK(0)に対応するデータユニット0)の復号(又は検出)に失敗し、第2データユニット(すなわち、HARQ−ACK(1)に対応するデータユニット1)の復号には成功した場合(すなわち、上記表5のNACK/DTX、ACKの場合)は、受信端はACK/NACKユニットn
(1)PUCCH,1を用いて2個のビット(0,0)を送信する。
【0201】
このように、ACK/NACKユニットの選択及び送信されるACK/NACKユニットの実際ビット内容の組み合わせ(すなわち、表5において、n
(1)PUCCH,0又はn
(1)PUCCH,1のいずれかを選択することと、b(0),b(1)との組み合わせ)を実際ACK/NACKの内容と結合(link)又は対応付けすることによって、一つのACK/NACKユニットを用いて複数個のデータユニットに関するACK/NACK情報を送信することができる。前述したACK/NACK多重化の原理をそのまま拡張して、2よりも多い個数のデータユニットに対するACK/NACK多重化も容易に具現することができる。
【0202】
このようなACK/NACK多重化方式において、基本的に、すべてのデータユニットに対して少なくとも一つのACKが存在する場合には、NACKとDTXとを区別しなくてもよい(すなわち、表5においてNACK/DTXで表現されるように、NACKとDTXとを結合してもよい)。なぜなら、NACKとDTXとを区別して表現しようとする場合に発生可能なあらゆるACK/NACK状態(すなわち、ACK/NACK仮説)を、ACK/NACKユニットとQPSK変調されたシンボルとの組み合わせだけで表現するには足りないからである。一方、いずれのデータユニットに対してもACKが存在しない場合(すなわち、すべてのデータユニットに対してNACK又はDTXだけが存在する場合)には、HARQ−ACK(i)のうち一つだけが確実にNACK(すなわち、DTXと区別されるNACK)であることを表す一つの確実なNACKの場合が定義してもよい。このような場合、一つの確実なNACKに該当するデータユニットに対応するACK/NACKユニットを、複数個のACK/NACKの信号を送信するために留保してもよい。
【0204】
DL/UL半永続的スケジュール(SPS)は、無線リソース制御(RRC)層信号通知によって、一応いずれのサブフレームで(サブフレーム周期及びオフセットで)SPS送信/受信をすべきかをUEに指定しておき、実際SPSの活性化及び解放はPDCCHを用いて行う。すなわち、UEは、RRC層信号通知によってSPSが割り当てられても、直ちにSPS TX/RXを行うのではなく、活性化(又は再活性化)を知らせるPDCCHを受信(すなわち、SPS C−RNTIが検出されたPDCCHを受信)すると、それに基づいてSPS動作を行う。すなわち、SPS活性化PDCCHを受信すると、そのPDCCHで指定したRB割当による周波数リソースを割り当て、MCS情報に基づく変調及び符号化速度を適用して、RRC層信号通知によって割り当てられたサブフレーム周期及びオフセットでTX/RXを始めることができる。一方、SPS解除を知らせるPDCCHを受信すると、端末はTX/RXを中断する。このように中断されたSPS TX/RXは、活性化(又は再活性化)を知らせるPDCCHを受信すると、そのPDCCHで指定したRB割当、MCSなどに対して、RRC層信号通知で割り当てられたサブフレーム周期及びオフセットで再び再開してもよい。
【0205】
現在3GPP LTEで定義されたPDCCHフォーマットには、アップリンク用にDCIフォーマット0、ダウンリンク用にDCIフォーマット1、1A、1B、1C、1D、2、2A、3、3Aなどの種々のフォーマットが定義されており、それぞれの用途に応じて、ホップフラグ、RB割当て、MCS、冗長度バージョン(RV)、新規データ指示子(NDI)、送信電力制御(TPC)、巡回シフトDM RS、ULインデクス、CQI要求、DL割当てインデクス、HARQ処理番号、送信PMI(TPMI)、PMI確認、などの制御情報が選択的に組み合わされて送信される。
【0206】
より具体的には、PDCCHがSPSスケジュール活性化/解除の用途に用いられることは、PDCCHで送信されるDCIのCRCがSPS C−RNTIでマスクされ、このとき、NDI=0に設定されるということから検証可能である。ここで、SPS活性化の場合には、表6のようにビットフィールドの組み合わせを0に設定して仮想CRCとして用いる。
【0208】
仮想CRCは、CRCによってもチェックできない誤り発生時に、対応するビットフィールド値が約束された値であるか否かを確認することによって、更なる誤り検出能力を持たせることである。他のUEに割り当てられたDCIに誤りが発生したが、特定UEが当該誤りを検出できず、自身のSPS活性化として誤認識する場合、対応するリソースを使用し続けるため、1回の誤りが持続的な問題を発生させる。そこで、仮想CRCの使用によって、SPSの誤検出を防ぐようにしている。
【0209】
SPS解除の場合、表7のようにビットフィールドの値を設定して仮想CRCとして用いる。
【0212】
既存の3GPP LTEシステム(例えば、リリース−8)システムのアップリンク送信では、端末機の電力増幅器の効率的な活用のために、電力増幅器の性能に影響を及ぼすPAPR特性又はCM特性が良い単一搬送波送信を維持するようになっている。すなわち、既存LTEシステムのPUSCH送信では、送信しようとするデータをDFTプリコーディングして単一搬送波特性を維持し、PUCCH送信では、単一搬送波特性を有するシーケンスに情報を載せて送信することによって単一搬送波特性を維持することができる。しかし、DFTプリコーディングをしたデータを周波数軸に非連続的に割り当て、又はPUSCH及びPUCCHを同時に送信することになる場合には、このような単一搬送波特性が損なわれる。
【0213】
そこで、
図16のように、PUCCH送信と同じサブフレームにPUSCH送信がある場合は、単一搬送波特性を維持するために、PUCCHで送信するUCIを、PUSCHを介してデータと併せて送信、すなわちピギーバックするようになっている。
【0214】
上述したように、既存のLTE端末は、PUCCHとPUSCHとを同時に送信することができず、PUSCHが送信されるサブフレームではUCI(CQI/PMI、HARQ−ACK、RIなど)をPUSCH領域に多重化する方法を用いる。一例として、PUSCHを送信するように割り当てられたサブフレームでCQI及び/又はPMIを送信しなければならない場合、UL−SCHデータとCQI/PMIとをDFT拡散前に多重化して制御情報とデータとを併せて送信することができる。この場合、UL−SCHデータはCQI/PMIリソースを考慮して速度整合を行う。また、HARQ ACK、RIなどの制御情報は、UL−SCHデータをパンクチャしてPUSCH領域に多重化してもよい。
【0215】
図17は、アップリンクで送信するためのデータと制御情報との多重化過程を説明するための図である。
【0216】
図17に示すように、制御情報と共に多重化されるデータ情報は、アップリンクで送信すべき伝送ブロック(Transport Block、以下、“TB”)(a
0,a
1,…,a
A-1)にTB用CRCを付加した後、TBサイズによって複数の符号ブロック(以下、“CB”)に分けられ、これら複数のCBにはCB用CRCが付加される。この結果値にチャネル符号化が行われる。なお、チャネル符号化されたデータは速度整合(Rate Matching)を経た後、CB同士の結合が行われ、これら結合されたCBは、後で制御信号と多重化される。
【0217】
一方、CQI/PMI(o
0,o
1,…,o
o-1)は、データとは別にチャネル符号化が行われる。チャネル符号化されたCQI/PMIはデータと多重化される。CQI/PMI情報と多重化されたデータは、チャネルインタリーバに入力される。
【0218】
また、ランク情報([o
0RI]又は[o
0RI o
1RI])もデータとは別にチャネル符号化が行われる。チャネル符号化されたランク情報は、パンクチャなどの処理によって、インタリーブされた信号の一部に挿入される。
【0219】
ACK/NACK情報([o
0ACK]又は[o
0ACK o
1ACK]…)は、データ、CQI/PMI及びランク情報と別にチャネル符号化が行われる。チャネル符号化されたACK/NACK情報は、パンクチャなどの処理によって、インタリーブされた信号の一部に挿入される。
【0221】
前述したように、TDDシステムでは、複数個のダウンリンクサブフレームで送信された複数個のPDSCHに対するACK/NACKを、一つのアップリンクサブフレームで送信すべき場合が発生する。また、搬送波集約システムでは、複数個のDL CC上で送信された複数個のPDSCHに対するACK/NACKを、一つのアップリンクサブフレームで送信すべき場合が発生する。さらに、TDDシステムにおいて搬送波集約が適用される場合には、複数個のDLサブフレーム及び複数個のDL CC上の数多くのPDSCHに対するACK/NACKを、一つのアップリンクサブフレームで送信すべき場合が発生する。
【0222】
一般に、ULサブフレームnで送信するACK/NACKは、DLサブフレームn−k1でN1個のDL CC上で送信されたPDSCHに対する復号結果と、DLサブフレームn−k2でN2個のDL CC上で送信されたPDSCHに対する復号結果と、…、DLサブフレームn−kmでNm個のDL CC上で送信されたPDSCHに対する復号結果とを表す。ここで、それぞれのDLサブフレームでPDSCH送信が存在するDL CCの個数を表すN1,N2,…,Nmは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0223】
例えば、
図18の例示では、サブフレームnにおいてUL CC#0上でPUCCHを介して送信されるACK/NACK情報は、DLサブフレームn−k1において1個のDL CC(DL CC#1)上で送信されたPDSCHと、DLサブフレームn−k2において4個のDL CC(DL CC#0、#2、#3、#4)上で送信されたPDSCHと、DLサブフレームn−k3において3個のDL CC(DL CC#1、#2、#4)上で送信されたPDSCHと、DLサブフレームn−k4において3個のDL CC(DL CC#0、#2、#3)上で送信されたPDSCHと、に対する復号結果を表すことができる。
【0224】
このように、複数個のDLサブフレーム及び/又は複数個のDL CC上の複数のPDSCHに対するACK/NACKを一つのアップリンクサブフレームでPUCCHを介して送信するには、新しい形態のPUCCHフォーマットを用いることができる。例えば、複数個のPDSCH(ダウンリンクMIMO送信の場合には1つのPDSCHに最大2個の伝送ブロック(又は符号語)に対する)のそれぞれに対する復号結果をビットストリームで表現し、これを適切なチャネル符号化後に、
図13に示したようなPUCCHフォーマット3を用いて送信してもよい。
【0225】
PUCCHフォーマット3を用いるとき、端末がいずれのPUCCHリソースを使用するかを知らせる方式を決定する必要がある。例えば、基地局は、端末がPUCCHリソースとして使用可能なPUCCHリソース候補を、上位層信号を通じて当該端末に知らせることができる。そして、PDCCHの特定フィールドを用いて、それらのPUCCHリソース候補のうち、実際にACK/NACK送信に用いられるPUCCHリソースを指示する方式を用いることができる。
【0226】
図19は、PUCCHフォーマット3に対するPUCCHリソースを指示する方法を説明するための図である。
図19の例示では、
図18と同様に、複数個のDLサブフレーム及び複数個のDL CC上のPDSCH送信に対するACK/NACKが、サブフレームnの1つのUL CCのPUCCHを介して送信される状況を仮定する。
【0227】
例えば、ダウンリンク割当のためのDCIフォーマットに存在する2ビットサイズの送信電力制御(TPC)フィールドを、PUCCHリソース指示に用いてもよい。具体的には、最初のダウンリンク割当に該当するPDCCHでは、TPCフィールドを元来の送信電力制御値として解釈し、それ以降のダウンリンク割当に該当するPDCCHでは、TPCフィールドを、別の用途、すなわち、ACK/NACK送信に使用するPUCCHリソースを指示するフィールド(すなわち、ACK/NACKリソース指示子(ARI)フィールド)として解釈してもよい。
【0228】
最初のダウンリンク割当に該当するPDCCHは、PDCCHに含まれたダウンリンク割当インデクス(DAI)フィールドの値から決定することができる。PDCCH中のDAIフィールドは、TDDシステムに対して定義されるものであり、DL割当(又はPDSCHスケジュール)に対して与えられるインデクスである。例えば、DAI=1のPDCCHがダウンリンク割当のための最初のPDCCHであると決定する。これによれば、
図19の例示では、DAI=1のDLサブフレームn−k4でDL CC#0上のPDCCHがダウンリンク割当のための最初のPDCCHであるため、該PDCCHのTPCフィールドは元来の用途(すなわち、送信電力制御)のまま解釈される。
図19の例示で、残りPDCCHのDAIは1よりも大きい(DAI>1)ため、それらPDCCHのTPCフィールドはARIとして解釈する。
【0229】
これによって、端末に対してPUCCHフォーマット3が用いられる場合、複数個のサブフレーム及び/又は複数個のCC上で送信される複数個のPDSCHに対するACK/NACKを送信するPUCCHリソースを、PDCCHのARI(すなわち、DAI>1のPDCCHのTPCフィールド)から決定することができる。例えば、PUCCHフォーマット3で設定された端末に対して4個のPUCCHリソース候補(n
(3)PUCCH,0、n
(3)PUCCH,1、n
(3)PUCCH,2、n
(3)PUCCH,3)が上位層信号によって設定されている場合、2ビットサイズのARIフィールドの値が01のとき、4個のPUCCHリソース候補のうち、2番目のPUCCHリソース(n
(3)PUCCH,1)をACK/NACK送信に用いることができる。
【0230】
このように端末にPUCCHフォーマット3が用いられるように設定された場合、端末が1つのダウンリンク割当PDCCHだけを受信する場合もある。ここで、端末が1つのダウンリンク割当PDCCHだけを受信するということは、一つ以上のダウンリンクサブフレーム(
図19の例示で、ダウンリンクサブフレームn−k1,…,n−k4)及び一つ以上の搬送波(
図19の例示でDL CC#0,…,DL CC#4)上のダウンリンク送信に対するACK/NACKが、1つのアップリンクサブフレーム(
図19の例示でサブフレームn)で送信される関係が設定されている場合、これら一つ以上のダウンリンクサブフレーム及び一つ以上の搬送波の全体において1つのダウンリンク割当PDCCHだけが存在する状況を意味する。以降、説明の明瞭性のために、このような状況を、「1つのPDCCH(又は1つのPDSCH)だけを受信する」と表現する。
【0231】
実施例1
前述したように、端末にPUCCHフォーマット3が用いられるように設定された場合、1つのダウンリンク割当PDCCHだけを受信するとき、端末はPUCCHリソースを決定できなくなることがある。例えば、
図19の例示において、端末がDAI=1のPDCCH一つだけを受信し、他のPDCCHは受信できなかった場合、ARIを受信できなかった場合となるため、端末は、ACK/NACK送信のためにいずれのPUCCHリソースを使用するか決定できなくなる問題が生じることがある。
【0232】
このような問題を解決するために、端末が1つのダウンリンク割当PDCCHだけを受信する場合、1つのPDSCHに対するACK/NACKを送信するようになるため、多くのACK/NACKビット数をサポートするPUCCHフォーマット3を使用しなくてもACK/NACK送信が可能となる。そのため、端末が1つのダウンリンク割当PDCCHだけを受信する場合(すなわち、端末がARIを受信できず、PUCCHフォーマット3のためのACK/NACKリソースを決定できない場合)には、既存のPUCCHフォーマット1a/1bを使用するように定めることができる。上記のように、端末にPUCCHフォーマット3が用いられるように設定されたが、端末がPUCCHフォーマット1a/1bを用いる場合には、PUCCHフォーマット1a/1bのためのリソースは、
図10で上述した通り、PDCCHのCCEインデクスから暗黙に決定することができる。
【0233】
一方、
図10のようなPDCCH CCEインデクスのPUCCHリソースインデクスへのマップは、ダウンリンクサブフレームの制御領域(
図3参照)で送信される既存のPDCCHに適用されるだけで、ダウンリンクサブフレームのデータ領域(
図3参照)で送信されるPDCCHには適用されない。ダウンリンクサブフレームのデータ領域で送信されるPDCCHとしては、前述したように、中継器へのR−PDCCH(
図8の1022領域で基地局から中継器に送信される)又は進化PDCCH(e−PDCCH)などが挙げられる。e−PDCCHは、制御情報の増加又は端末個数の増加が予想される無線通信システムにおいて適用してもよいものであり、ダウンリンクサブフレームのデータ領域で送信されることによって、複数の端末に関する制御情報の送信をサポートするための制御チャネルである。したがって、R−PDCCH及び/又はe−PDCCHなどのように、CCEインデクスとマップされるPUCCHリソースが存在しない場合には、PUCCHリソースが決定されず、ACK/NACKを送信することができない。
【0234】
これを解決するために、ARIが送信されなかった場合に使用するデフォルトPUCCHリソースを、上位層信号(例えば、RRC層信号通知)を通じて半静的に端末(又は中継器)に設定することができる。例えば、PUCCHフォーマット3が用いられるように設定された端末(又は中継器)に1つのダウンリンク割当PDCCH(すなわち、1つのPDSCH)だけが送信された場合、端末(又は中継器)は、上位層信号を通じて設定されている上記デフォルトPUCCHリソースを用いてACK/NACKを送信することができる。
【0235】
ここで、デフォルトPUCCHリソースは、基地局が端末(又は中継器)に事前に上位層信号を通じて知らせたPUCCHフォーマット3リソース候補のうち特定の一つに設定することができる。例えば、PUCCHフォーマット3が用いられるように設定された端末(又は中継器)に対して、4個のPUCCHリソース候補(n
(3)PUCCH,0、n
(3)PUCCH,1、n
(3)PUCCH,2、n
(3)PUCCH,3)が上位層信号によって設定されており、これら候補のうち特定の一つ(例えば、最初のPUCCHリソースn
(3)PUCCH,0)を、デフォルトPUCCHリソースに設定してもよい。この場合、端末(又は中継器)が一つのダウンリンク割当PDCCH(すなわち、1つのPDSCH)だけを受信すると、端末はn
(3)PUCCH,0上でPUCCHフォーマット3を用いて当該1つのPDSCHに対するACK/NACKを送信することができる。
【0236】
又は、デフォルトPUCCHリソースは、基地局が端末(又は中継器)に別途に上位層信号(例えば、RRC層信号通知)を通じて半静的に設定したPUCCHフォーマット1a/1bリソースであってもよい。例えば、PUCCHフォーマット3が用いられるように設定された端末(又は中継器)に別途PUCCH1a/1bリソース(n
(1)PUCCH)を上位層によって設定してもよい。この場合、端末(又は中継器)が1つのダウンリンク割当PDCCH(すなわち、1つのPDSCH)だけを受信するとき、端末はn
(1)PUCCH上でPUCCHフォーマット1a/1bを用いて当該1つのPDSCHに対するACK/NACKを送信することができる。ここで、n
(1)PUCCHの値は上位層設定によって決定してもよい。端末(又は中継器)がARIを受信できなかった場合、1つのダウンリンク割当だけが存在する場合に該当するため、1又は2ビットサイズをサポートするPUCCHフォーマット1a/1bを用いても十分に、1つのPDSCHに対する復号に成功したか否かを表すことができる。
【0237】
図20は、本発明の例示によるダウンリンク受信エンティティの動作を説明するためのフローチャートである。
図20の説明では、ダウンリンク受信エンティティの代表として端末を挙げて説明するが、これに制限されず、同様の説明を中継器の動作に適用してもよい。
【0238】
段階S2010において、上位層によって、端末にPUCCHフォーマット3が用いられるように設定されることがある。
【0239】
段階S2020において、PUCCHフォーマット3のためのリソース候補セット(n
(3)PUCCH,0、n
(3)PUCCH,1、n
(3)PUCCH,2、n
(3)PUCCH,3)が上位層によって端末に設定されてよい。これとは別に、端末に1つのPUCCHリソース(n
(x)PUCCH)を設定してもよい。ここで、n
(x)PUCCHは、上位層設定によって決定されるPUCCHフォーマット1リソース(n
(1)PUCCH)であってもよく、端末に設定されたPUCCHフォーマット3リソース候補のうち特定の一つ(例えば、n
(3)PUCCH,0)であってもよい。
【0240】
段階S2030において、端末はダウンリンクサブフレームセット上で1つのPDSCHだけが受信されるか判定する。ここで、ダウンリンクサブフレームセットは、1つのアップリンクサブフレームと、データ送信とACK/NACK送信との関係を含む1つ又は2つ以上のサブフレームとで構成される。
図19の例示では、サブフレームn−k1,…,n−k4上でのダウンリンク送信に対するACK/NACKがサブフレームnで送信される場合、
図20でいうダウンリンクサブフレームセットは、例えば、サブフレームn−k1,…,n−k4に相当する。段階S2030の判定結果がYESであれば、段階S2040に進み、判定結果がNOであれば、段階S2050に進む。
【0241】
段階S2040において、端末は、段階S2020においてPUCCHフォーマット3リソースとは別に設定されたPUCCHリソース(n
(x)PUCCH)を用いてACK/NACKを送信することができる。例えば、段階S2020において上位層によって設定されたPUCCHリソース(n
(x)PUCCH)がn
(1)PUCCHであるとき、端末は、段階S2040においてPUCCHフォーマット1a/1bを用いてn
(1)PUCCH上でACK/NACKを送信することができる。又は、段階S2020において上位層によって設定されたPUCCHリソース(n
(x)PUCCH)がn
(3)PUCCH,0であるとき、端末は、段階S2040においてPUCCHフォーマット3を用いてn
(3)PUCCH,0上でACK/NACKを送信することができる。
【0242】
一方、段階S2050において、端末は、DAI>1のPDCCH上のTPCフィールド(すなわち、ARIフィールド)の値に基づいて、PUCCHフォーマット3のためのリソース候補セット(n
(3)PUCCH,0、n
(3)PUCCH,1、n
(3)PUCCH,2、n
(3)PUCCH,3)からいずれか一つを決定することができる。段階S2060において、端末は、段階S2050において決定されたPUCCHフォーマット3リソース上でACK/NACKを送信することができる。
【0243】
上記のようにPUCCHフォーマット3が用いられるように設定されたダウンリンク受信エンティティ(端末又は中継器)が、所定のサブフレームセット上で1つのPDSCHだけを受信する場合に使用するPUCCHリソース(上位層によって設定された特定PUCCHフォーマット3リソース、又は上位層によって設定されたPUCCHフォーマット1リソース)は、当該ダウンリンク受信エンティティにR−PDCCH及び/又はe−PDCCHなどを通じてPDSCHがスケジュールされる場合に有利に適用される。
【0245】
PUCCHフォーマット3が用いられるように設定された場合、R−PDCCH及び/又はe−PDCCHを介してPDSCHがスケジュールされる端末(又は中継器)に対してPUCCHリソースを指定する方法として、PUCCHフォーマット3リソースを端末(又は中継器)別に半静的に割り当ててもよい。すなわち、1つのPUCCHフォーマット3リソースを1つの端末(又は中継器)に上位層信号(例えば、RRC層信号通知)を通じて半静的に設定する。例えば、前述したように、1つの端末(又は中継器)に4個のPUCCHリソース候補を割り当て、ARIを用いていずれのPUCCHリソースを使用することができるかを知らせる代わりに、1つの端末(又は中継器)が使用する1つのPUCCHフォーマット3リソースを上位層によって直接設定してもよい。
【0246】
1つの端末(又は中継器)は、自身に割り当てられたPUCCHリソースを常に使用可能であるため、別のデフォルトPUCCHリソースを設定又は使用する必要はない。そのため、端末(又は中継器)は、UL ACK/NACKをいつ送信する場合であっても、PUCCHリソースの浪費を減らすことができる。また、一つのPUCCHフォーマット3リソースを半静的に端末(又は中継器)に割り当てる場合、基地局及び端末(又は中継器)が使用するPUCCHフォーマット3リソースは常に一定に定められるため、上述したARIも導入する必要がない。これによって、上述のARI(すなわち、DAI>1のPDCCHのTPCフィールド)を別の用途に用いることができる。
【0247】
ARIフィールドを別の用途に使用する例示として、ARIフィールドを送信電力制御命令に用いる例が挙げられる。
図21に、ARIを送信電力制御命令に用いる例示を示す。
図21に例示するように、2番目以降のダウンリンク割当(すなわち、DAI>1のPDCCH)においても、端末(又は中継器)のTPCフィールドをARIと解釈せず、最初のダウンリンク割当(すなわち、DAI=1のPDCCH)と同様に、元来の用途である送信電力制御命令の用途のまま解釈してもよい。
【0248】
例えば、複数のダウンリンク割当が1つの端末(又は中継器)に送信される場合、該複数のダウンリンク割当の送信電力命令はそれぞれ、別々の電力制御値を指示するものであってよい。この場合、端末(又は中継器)は、好ましくは、受信されたすべての送信電力値の累積和を最終送信電力値として適用することができる。
【0249】
又は、同一の送信電力命令が複数のPDCCH上で反復して現れるように動作してもよい。この場合、端末(又は中継器)は、好ましくは、受信されたすべての送信電力値が同一の場合に限って(累積無しで)当該電力制御値を最終電力制御値として適用することができる。このとき、受信された複数の電力制御値のいずれかでも同一でない場合は、電力制御命令を適用せずにPUCCHフォーマット3送信を行い、又は、対応する複数の電力制御値が含まれたダウンリンク割当PDCCHを破棄(discard)してもよい。
【0250】
例えば、固定された位置に存在する中継器については、時間によるチャネルの変化が大きくないため、同一の電力制御命令を反復する方式が有利に適用できる。例えば、中継器が複数個のダウンリンク割当のいずれか1つを逃した場合にも、他のダウンリンク割当を通じて指示された送信電力制御命令を適用することができる。
【0251】
一方、ARIフィールドの別の用途に用いる例示として、ARIフィールドを仮想CRCの用途に用いることも可能である。例えば、2番目以降のダウンリンク割当(すなわち、DAI>1のPDCCH)のTPCフィールドは、元来のTPC用途にも、ARI用途にも使用せず、事前に定められた一定の値を有するようにしてもよい。こうすると、端末(又は中継器)の立場では、2番目以降のPDCCHのTPCフィールド(すなわち、ARIフィールド)が予め定められた固定された値を有することを知っている状態でPDCCH復号を行うため、実際に受信されたPDCCHのARIフィールドが予め定められた固定された値であるか否か確認することによって、該当PDCCHが正しいものであるかをより正確に検証することができる。
【0252】
又は、ARIフィールドを別の用途に用いる例示として、ARIフィールドを留保された(reserved)フィールドとしておき、このフィールドに別の意味を付与しないことも可能である。例えば、2番目以降のダウンリンク割当(すなわち、DAI>1のPDCCH)のTPCフィールドは、元来のTPC用途にも、ARI用途にも使用せず、何ら意味も持たないものに設定してもよい。このように2番目以降のPDCCHのTPCフィールドは何ら意味も持たないことを、基地局及び端末(又は中継器)が予め共有することによって、端末(又は中継器)がARIを別の用途(例えば、送信電力制御などの用途)と解釈することを防ぎ、基地局の意図しなかった動作を端末(又は中継器)がすることを防止することができる。
【0253】
ARIフィールドが何ら意味も持たないようにする一方法として、基地局は、ARIの適用対象となる複数のPUCCHフォーマット3リソースを割り当てる際、PUCCHフォーマット3リソースがいずれも同一のインデクスを有するように割り当てることによって、ARIの実質的な意味をなくすことも可能である。
【0254】
以上本発明の様々な実施例で説明した事項は、独立して適用してもよく、又は、2以上の実施例が同時に適用してもよい。重複する内容については明確性のために説明を省略する。
【0255】
また、本発明の様々な実施例の説明において、ダウンリンク送信エンティティはとして主に基地局を、アップリンク送信エンティティとしては主に端末を取り上げて説明したが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。すなわち、中継器が端末へのダウンリンク送信エンティティとなり、若しくは端末からのアップリンク受信エンティティとなる場合、又は、中継器が基地局へのアップリンク送信エンティティとなり、若しくは基地局からのダウンリンク受信エンティティとなる場合にも、本発明の様々な実施例で説明した本発明の原理を同様に適用することができる。
【0256】
図22は、本発明に係るダウンリンク送信装置及びダウンリンク受信装置の好適な構成を示す図である。
図22の説明において、ダウンリンク送信装置はアップリンク受信装置に相当し、ダウンリンク受信装置はアップリンク送信装置に相当する。
【0257】
図22を参照すると、本発明に係るダウンリンク送信装置2210は、受信モジュール2211、送信モジュール2212、プロセッサ2213、メモリ2214、及び複数のアンテナ2215を備えている。複数個のアンテナ2215は、MIMO送受信をサポートするダウンリンク送信装置を意味する。受信モジュール2211は、ダウンリンク受信装置2220からのアップリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール2212は、ダウンリンク受信装置2220へのダウンリンク上の各種信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ2213は、ダウンリンク送信装置2210の動作全般を制御することができる。
【0258】
本発明の一実施例に係るダウンリンク送信装置2210は、アップリンク肯定応答/否定応答を受信するように構成してもよい。ダウンリンク送信装置2210のプロセッサ2213は、送信モジュール2212を介してダウンリンクサブフレームセット(一つ以上のダウンリンクサブフレームを含む)でのダウンリンク送信を行い、受信モジュール2211を介して一つのアップリンクサブフレームで当該ダウンリンクサブフレームセットでのダウンリンク送信に関する肯定応答/否定応答情報を受信するように構成してもよい。
【0259】
ここで、ダウンリンク受信装置2220に対して第1PUCCHフォーマット(例えば、PUCCHフォーマット3)が用いられるように設定された場合、ダウンリンク送信装置2210は、ダウンリンク受信エンティティ2220が基本的には第1PUCCHフォーマットを用いて肯定応答/否定応答情報を送信するように動作することを知っている。しかし、上記ダウンリンクサブフレームセットでダウンリンク送信装置2210が1つのPDSCHだけを送信する場合は、ダウンリンク受信装置2220の立場ではARI(DAI>1のPDCCHのTPC)を受信できなくなるため、第1PUCCHフォーマットリソース候補のうちいずれの第1PUCCHフォーマットリソースを使用することができるか決定することができない。さらに、ダウンリンク送信装置2210がダウンリンクサブフレームにおける先頭N(N≦3)個のOFDMシンボル以外の残りOFDMシンボル(例えば、
図3のデータ領域)上で送信されるPDCCH(例えば、R−PDCCH及び/又はe−PDCCH)が、ダウンリンク受信装置2220に関するダウンリンク制御情報(DCI)を提供する場合、ダウンリンク受信装置2220の立場では、PDCCHのCCEインデクスとPUCCHリソースインデクスとのマップ関係を用いてPUCCHリソースを決定することもできない。したがって、本発明に係るダウンリンク送信装置2210は、上記ダウンリンクサブフレームセット内で一つのPDSCHを送信するとき、第2PUCCHフォーマット(例えば、PUCCHフォーマット1a/1b)を用いて、当該ダウンリンクサブフレームセットでのダウンリンク送信に対する肯定応答/否定応答を受信することができる。ここで、第2PUCCHフォーマットのためのPUCCHリソースは上位層によって設定してもよい。
【0260】
このほか、ダウンリンク送信装置2210のプロセッサ2213は、ダウンリンク送信装置2210が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を果たし、メモリ2214は、該演算処理された情報などを所定時間記憶することができる。該メモリ2214は、バッファ(図示せず)などの構成要素に代えてもよい。
【0261】
図22を参照すると、本発明に係るダウンリンク受信装置2220は、受信モジュール2221、送信モジュール2222、プロセッサ2223、メモリ2224、及び複数個のアンテナ2225を備えている。複数個のアンテナ2225は、MIMO送受信をサポートするダウンリンク受信装置を意味する。受信モジュール2221は、ダウンリンク送信装置2210からのダウンリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール2222は、ダウンリンク送信装置2210へのアップリンク上の各種信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ2223はダウンリンク受信装置2220の動作全般を制御することができる。
【0262】
本発明の一実施例に係るダウンリンク受信装置2220は、アップリンク肯定応答/否定応答を送信するように構成してもよい。ダウンリンク受信装置2220のプロセッサ2223は、受信モジュール2221を介してダウンリンクサブフレームセット(1つ以上のダウンリンクサブフレームを含む)でのダウンリンク送信を受信し、送信モジュール2222を介して一つのアップリンクサブフレームで当該ダウンリンクサブフレームセットでのダウンリンク送信に関する肯定応答/否定応答情報を送信するように構成してもよい。
【0263】
ここで、ダウンリンク受信装置2220に対して第1PUCCHフォーマット(例えば、PUCCHフォーマット3)が用いられるように設定された場合、ダウンリンク受信装置2220は基本的には第1PUCCHフォーマットを用いて上記肯定応答/否定応答情報を送信するように動作することができる。しかし、ダウンリンク受信装置2220が上記ダウンリンクサブフレームセットで1つのPDSCHだけを受信する場合には、ARI(DAI>1のPDCCHのTPC)を受信できず、第1PUCCHフォーマットリソース候補のうちいずれの第1PUCCHフォーマットリソースを使用することができるか決定できなくなる。さらに、ダウンリンク受信装置2220がダウンリンクサブフレームにおける先頭N(N≦3)個のOFDMシンボル以外の残りOFDMシンボル(例えば、
図3のデータ領域)上で送信されるPDCCH(例えば、R−PDCCH及び/又はe−PDCCH)を受信し、これに基づいて動作する場合には、PDCCHのCCEインデクスとPUCCHリソースインデクスとのマップ関係を用いてPUCCHリソースを決定することもできなくなる。したがって、本発明に係るダウンリンク受信装置2220は、上記ダウンリンクサブフレームセット内で一つのPDSCHが送信されるとき、第2PUCCHフォーマット(例えば、PUCCHフォーマット1a/1b)を用いて、当該ダウンリンクサブフレームセットでのダウンリンク送信に対する肯定応答/否定応答を送信することができる。ここで、第2PUCCHフォーマットのためのPUCCHリソースは上位層によって設定してもよい。
【0264】
このほか、ダウンリンク受信装置2220のプロセッサ2223は、ダウンリンク受信装置2220が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能も果たし、メモリ2224は、該演算処理された情報などを所定時間記憶することができる。該メモリ2224はバッファ(図示せず)などの構成要素に代えてもよい。
【0265】
このようなダウンリンク送信装置2210及びダウンリンク受信装置2220の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用され、又は2以上の実施例が同時に適用されるようにしてもよく、重複する内容については明確性のために説明を省略する。
【0266】
また、
図22のダウンリンク送信装置2210についての説明は、基地局に適用してもよいし、ダウンリンク送信エンティティ又はアップリンク受信エンティティとしての中継器装置に適用してもよい。また、
図22のダウンリンク受信装置2210についての説明は、端末に適用してもよいし、アップリンク送信エンティティ又はダウンリンク受信エンティティとしての中継器装置に適用してもよい。
【0267】
以上の本発明の実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せなどによって具現することができる。
【0268】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上の特定用途集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0269】
ファームウェア又はソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明された機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態とすることができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶されて、プロセッサによって駆動されるようにすることができる。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを授受することができる。
【0270】
以上開示された本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者には、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更できるということが理解されるであろう。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
【0271】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱することなく、他の特定の形態に具体化できる。そのため、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって定めなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成し、又は出願後の補正によって新しい請求項として含めることができる。