(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937645
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】連続鋳造用ノズルの予熱装置
(51)【国際特許分類】
B22D 11/10 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
B22D11/10 320A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-149428(P2014-149428)
(22)【出願日】2014年7月23日
(65)【公開番号】特開2016-22516(P2016-22516A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000244176
【氏名又は名称】明智セラミックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】山内 智玲
(72)【発明者】
【氏名】原 宣正
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 幸春
【審査官】
伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−148285(JP,A)
【文献】
特開昭61−262455(JP,A)
【文献】
特開昭62−224473(JP,A)
【文献】
実開昭55−122960(JP,U)
【文献】
特開2010−167495(JP,A)
【文献】
特開平02−133158(JP,A)
【文献】
特開平10−211571(JP,A)
【文献】
実開平02−104151(JP,U)
【文献】
特開昭61−060247(JP,A)
【文献】
特開2005−169452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/10,41/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉部を有し開閉可能に構成された耐火材製筒状部を備えた連続鋳造用ノズルの予熱装置であって、前記扉部の耐火材の端面には凹凸条部が設けられ、前記扉部の耐火材の端面に当接する部位の当接面には、前記凹凸条部に噛合する凸凹条部が設けられていることを特徴とする連続鋳造用ノズルの予熱装置。
【請求項2】
前記扉部は両開き扉であり、該両開き扉同士の当接面のうち一方側当接面には前記凹凸条部が設けられ、前記両開き扉同士の当接面のうち他方側当接面には前記凹凸条部に噛合する前記凸凹条部が設けられている請求項1に記載の連続鋳造用ノズルの予熱装置。
【請求項3】
前記耐火材製筒状部は前記扉部と固定側本体部を有し、前記扉部の耐火材の端面には凹凸条部が設けられ、前記扉部の耐火材の端面に当接する前記固定側本体部の当接面には、前記凹凸条部に噛合する凸凹条部が設けられている請求項1または2に記載の連続鋳造用ノズルの予熱装置。
【請求項4】
前記予熱装置は耐火材製底部を有し、該耐火材製底部は前記耐火材製筒状部を載置する底部構成部と、該底部構成部の上部に設けられ前記耐火材製筒状部の内面に沿って上方に突出した突出部を有している請求項1ないし3のいずれかに記載の連続鋳造用ノズルの予熱装置。
【請求項5】
前記耐火材製筒状部の上部開口部は内部に設けられた連続鋳造用ノズル収容部に比して細く形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の連続鋳造用ノズルの予熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続鋳造用ノズルを使用前に予熱する連続鋳造用ノズルの予熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
連続鋳造では、およそ1500〜1550℃の溶鋼を連続鋳造用ノズルを介して注湯している。その際、連続鋳造用ノズルには過酷な熱負荷がかかり亀裂や折損等が発生するおそれがあるため、予め連続鋳造用ノズルを加熱して破損を防止している。また、この連続鋳造用ノズルの予熱によって、連続鋳造用ノズル内を通過する溶鋼の温度低下による鋳造品の品質低下を防止している。
【0003】
ここで、従来の予熱方法としては、連続鋳造用ノズルの上部の注湯口または下部の吐出口から、燃料ガスと酸素を供給可能なバーナーを用いて1000〜1200℃に加熱する方法が知られている(特許文献1または特許文献2)。
【0004】
その際、使用される予熱装置は円筒体であり、外周部は金属製の缶体にて構成され、内周部は耐火材から構成されている。そして、連続鋳造用ノズルを予熱装置内に挿入する装置やスペースがない場合には、予熱装置に扉部を設け蝶番にて開閉可能とし、扉部を介して連続鋳造用ノズルを予熱装置内に出し入れするように構成されている。
【0005】
しかし、扉部の耐火材の端面とそれに当接する部位の当接面がフラットな面同士であると、扉部の端面と当接面との隙間からバーナーフレーム(火炎)が外部に漏れやすく、扉部の隙間付近の耐火材や金属製缶体を激しく損傷させていた。また、バーナーフレームが外部に漏れることにより、連続鋳造用ノズルへの有効かつ均一な熱供給が行われず、熱ロスや連続鋳造用ノズルの破損を発生させることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−148285号公報
【特許文献2】特開昭61−262455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、扉部の端面と当接面との隙間からバーナーフレームが外部に漏れることを防止することができ、扉部の隙間付近の耐火材や金属製缶体の損傷を防止すると共に、連続鋳造用ノズルへの有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズルの破損を防止することができる連続鋳造用ノズルの予熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するものは、扉部を有し開閉可能に構成された耐火材製筒状部を備えた連続鋳造用ノズルの予熱装置であって、前記扉部の耐火材の端面には凹凸条部が設けられ、前記扉部の耐火材の端面に当接する部位の当接面には、前記凹凸条部に噛合する凸凹条部が設けられていることを特徴とする連続鋳造用ノズルの予熱装置である。
【0009】
前記扉部は両開き扉であり、該両開き扉同士の当接面のうち一方側当接面には前記凹凸条部が設けられ、前記両開き扉同士の当接面のうち他方側当接面には前記凹凸条部に噛合する前記凸凹条部が設けられていることが好ましい。前記耐火材製筒状部は前記扉部と固定側本体部を有し、前記扉部の耐火材の端面には凹凸条部が設けられ、前記扉部の耐火材の端面に当接する前記固定側本体部の当接面には、前記凹凸条部に噛合する凸凹条部が設けられていることが好ましい。前記予熱装置は耐火材製底部を有し、該耐火材製底部は前記耐火材製筒状部を載置する底部構成部と、該底部構成部の上部に設けられ前記耐火材製筒状部の内面に沿って上方に突出した突出部を有していることが好ましい。前記耐火材製筒状部の上部開口部は内部に設けられた連続鋳造用ノズル収容部に比して細く形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の連続鋳造用ノズルの予熱装置によれば、扉部の端面と当接面との隙間からバーナーフレームが外部に漏れることを防止することができ、扉部の隙間付近の耐火材や金属製缶体の損傷を防止すると共に、連続鋳造用ノズルへの有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズルの破損を防止することができる。
請求項2に記載の連続鋳造用ノズルの予熱装置によれば、両開き扉同士の当接面の隙間からバーナーフレームが外部に漏れることを防止することができ、扉部の隙間付近の耐火材や金属製缶体の損傷を防止すると共に、連続鋳造用ノズルへの有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズルの破損を防止することができる。
請求項3に記載の連続鋳造用ノズルの予熱装置によれば、扉部の耐火材の端面と固定側本体部の当接面との隙間からバーナーフレームが外部に漏れることを防止することができ、扉部の隙間付近の耐火材や金属製缶体の損傷を防止すると共に、連続鋳造用ノズルへの有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズルの破損を防止することができる。
請求項4に記載の連続鋳造用ノズルの予熱装置によれば、耐火材製底部の耐火材製筒状部載置面と耐火材製筒状部の底面との隙間からバーナーフレームが外部に漏れることを防止することができ、扉部の隙間付近の耐火材や金属製缶体の損傷を防止すると共に、連続鋳造用ノズルへの有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズルの破損を防止することができる。
請求項5に記載の連続鋳造用ノズルの予熱装置によれば、耐火材製筒状部の上部開口部からバーナーフレームが外部に漏れることをより防止することができ、連続鋳造用ノズルへの有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズルの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の連続鋳造用ノズルの予熱装置の一実施例の平面概略図である。
【
図2】
図1に示した連続鋳造用ノズルの予熱装置において両開き扉を開いた状態を示した平面概略図である。
【
図3】
図1に示した連続鋳造用ノズルの予熱装置の右側面概略図である。
【
図4】
図1に示した連続鋳造用ノズルの予熱装置における予熱方法を説明するための縦断面概略図である。
【
図7】
図1に示した連続鋳造用ノズルの予熱装置における特徴部分の斜視概略図である。
【
図8】連続鋳造用ノズルの予熱時間と予熱温度の関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明では、扉部2の耐火材の端面4,5に凹凸条部6,7がそれぞれ設けられ、扉部の耐火材の端面4,5に当接する部位の当接面8,9には凹凸条部6,7に噛合する凸凹条部10,11がそれぞれ設けられていることで、バーナーフレームが外部へ漏れ出す経路に障害(段差)が構成されることに加え経路が長くなるため、扉部の耐火材の端面4,5とそれに当接する部位の当接面8,9との隙間からバーナーフレームが外部に漏れることを防止することができ、扉部の隙間付近の耐火材や金属製缶体の損傷を防止すると共に、連続鋳造用ノズルへの有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズルの破損を防止することができる連続鋳造用ノズルの予熱装置1を実現した。
【実施例1】
【0013】
本発明の連続鋳造用ノズルの予熱装置を
図1から
図7に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の連続鋳造用ノズルの予熱装置1は、扉部2を有し開閉可能に構成された耐火材製筒状部3を備えた連続鋳造用ノズルの予熱装置であって、扉部2の耐火材の端面4,5には、耐火材製筒状部3の軸方向に沿って凹凸条部6,7がそれぞれ設けられ、扉部の耐火材の端面4,5に当接する部位の当接面8,9には、凹凸条部6,7に噛合する凸凹条部10,11がそれぞれ設けられている。以下、各構成について順次詳述する。
【0014】
この実施例の連続鋳造用ノズルの予熱装置1は、
図4に示すように、連続鋳造用ノズル40に溶鋼を注湯する前に予熱する装置であって、耐火材製筒状部3の上部開口部12から連続鋳造用ノズル40を挿入し連続鋳造用ノズル40の注湯口41の上部に予熱バーナー13を設置した後、連続鋳造用ノズル40の注湯口41より燃焼高温ガスを供給して連続鋳造用ノズル40の内管部42を加熱すると共に、内管部42を通過した燃焼高温ガスを連続鋳造用ノズル40の下方に設けられた吐出口43より連続鋳造用ノズル収容部14に排出させた後、耐火材製筒状部3内の連続鋳造用ノズル収容部14に設けられた連通口14aと排気管15を介して耐火材製筒状部3の外側へ排出させて予熱する装置である。
図1または
図3に示すように、予熱バーナー13へは隣設された燃焼ユニット13Aから燃焼ガスが供給され、連続鋳造用ノズル40のスポーリングを防止する上で、連続鋳造用ノズルは一般的に1000℃程度まで加熱される。
【0015】
この実施例の扉部2は、
図2中、蝶番2a,2bを介して左右の扉が中央から両側へ開く両開き扉2A,2Bで構成されており、これらの開閉によって予熱対象である連続鋳造用ノズル40を耐火材製筒状部3内の連続鋳造用ノズル収容部14に収容可能に構成されている。ただし、本発明の連続鋳造用ノズルの予熱装置における扉部は両開き扉に限定されるものではなく、例えば片開き扉などであるものも本発明の範疇に包含される。また、耐火材製筒状部3の外周部は、
図1または
図4に示すように、金属製缶体16により被覆されており、耐火材製筒状部3の扉部を被覆する金属製缶体16には開閉時に把持する把持部17が設けられている。
【0016】
そして、
図5または
図7に示すように、両開き扉2A,2B同士の当接面4,8のうち一方側当接面4には、耐火材製筒状部3の長手方向(この実施例では耐火材製筒状部3の軸方向、あるいは耐火材製筒状部3の上下方向)に沿って凹凸条部6が設けられ、両開き扉2A,2B同士の当接面4,8のうち他方側当接面8には、耐火材製筒状部3の長手方向(この実施例では耐火材製筒状部3の軸方向、あるいは耐火材製筒状部3の上下方向)に沿って凹凸条部6に噛合する凸凹条部10が設けられている。このように、連続鋳造用ノズルの予熱装置1には、両開き扉2A,2B同士の当接面4,8に、凹凸条部6とそれに噛合する凸凹条部10がそれぞれ設けられることで、バーナーフレームが外部へ漏れ出す経路に障害(段差、または段差による突き当り)が構成されることに加え経路が長くなるため、両開き扉2A,2B同士の当接面4,8の隙間からバーナーフレームが外部に漏れることを防止することができ、扉部2の隙間付近の耐火材や金属製缶体16の損傷を防止すると共に、連続鋳造用ノズル40への有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズル40の破損を防止することができる。
【0017】
なお、この実施例の両開き扉2A,2B同士の当接面4,8にそれぞれ設けられた凹凸条部6または凸凹条部10は、
図5に示すように、両開き扉2A,2Bの肉厚の中央付近に段差が形成されるように構成されている。この段差の高低差は10〜30mmが好適であるが、この実施例の段差の高低差は20mmに形成されている。また、本願において、凹凸条部とは筋状凹部と筋状凸部の組み合わせをいい、凸凹条部とは、凹凸条部に当接する筋状凸部と筋状凹部の組み合わせをいう。
【0018】
耐火材製筒状部3は、
図5または
図7に示すように、両開き扉2A,2Bと固定側本体部18を有し、両開き扉2A,2Bの耐火材の端面5には、耐火材製筒状部3の長手方向(この実施例では耐火材製筒状部3の軸方向、あるいは耐火材製筒状部3の上下方向)に沿って凹凸条部7がそれぞれ設けられ、両開き扉2A,2Bの耐火材の端面5に当接する固定側本体部18の当接面9には、耐火材製筒状部3の長手方向(この実施例では耐火材製筒状部3の軸方向、あるいは耐火材製筒状部3の上下方向)に沿って凹凸条部7に噛合する凸凹条部11がそれぞれ設けられている。このように、連続鋳造用ノズルの予熱装置1には、両開き扉2A,2Bの耐火材の端面5とそれらとそれぞれ当接する固定側本体部18の当接面9に、凹凸条部7とそれらに噛合する凸凹条部11がそれぞれ設けられていることで、バーナーフレームが外部へ漏れ出す経路に障害(段差、または段差による突き当り)が構成されることに加え経路が長くなるため、両開き扉2A,2Bの耐火材の端面5と固定側本体部18の当接面9との隙間からバーナーフレームが外部に漏れることを防止することができ、扉部2の隙間付近の耐火材や金属製缶体16の損傷を防止すると共に、連続鋳造用ノズルへ40の有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズル40の破損を防止することができる。
【0019】
なお、この実施例の両開き扉2A,2Bの耐火材の端面5とそれに当接する固定側本体部18の当接面9にそれぞれ設けられた凹凸条部7または凸凹条部11は、
図5に示すように、両開き扉2A,2Bまたは固定側本体部18の肉厚の中央付近に段差が形成されるように構成されている。この段差の高低差は10〜30mmが好適であるが、この実施例の段差の高低差は20mmに形成されている。
【0020】
また、予熱装置1は耐火材製底部19を有し、この耐火材製底部19は、
図4または
図7に示すように、耐火材製筒状部3を載置する底部構成部20と、底部構成部20の上部に設けられ耐火材製筒状部3の内面に沿って上方に突出した突出部21とを有し、底部構成部20と突出部21とが一体成形されて構成されている。そして、この突出部により、突出部21が設けられない場合には、底部構成部20の耐火材製筒状部載置面22と耐火材製筒状部3の底面3aとの隙間からバーナーフレームが外部に漏れやすくなるところ、バーナーフレームが外部へ漏れ出す経路に障害(突き当り面)が構成されることに加え経路が長くなるため、底部構成部20の耐火材製筒状部載置面22と耐火材製筒状部3の底面3aとの隙間からバーナーフレームが外部に漏れることを防止することができ、扉部2の隙間付近の耐火材や金属製缶体16の損傷を防止すると共に、連続鋳造用ノズル40への有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズル40の破損を防止することができる。なお、突出部の高さとしては20〜150mmが好適であるが、この実施例の突出部の高さは100mmに形成されている。
【0021】
さらに、予熱装置1の上部開口部12は、
図4または
図5に示すように、内部に設けられた連続鋳造用ノズル収容部14に比して細く形成されている。これにより、予熱装置1の上部開口部12が絞られているため、バーナーフレームが外部に漏れることをより防止することができ、連続鋳造用ノズル40への有効かつ均一な熱供給を行うことができ、熱ロスや連続鋳造用ノズル40の破損を防止することができる。なお、上部開口部の内径は、連続鋳造用ノズル収容部の内径より、20〜100mm程度小さく形成されていることが好ましく、この実施例の上部開口部12の内径は、連続鋳造用ノズル収容部14の内径より45mm小さく形成されている。
【0022】
図8は連続鋳造用ノズルの予熱時間と予熱温度の関係を示した図であり、従来の連続鋳造用ノズルの予熱装置における温度上昇(破線)と本発明の連続鋳造用ノズルの予熱装置1における温度上昇(実線)とを対比したところ、従来の連続鋳造用ノズルの予熱装置は、連続鋳造用ノズルを1000℃に予熱するために60分以上要したのに対して、連続鋳造用ノズルの予熱装置1は、連続鋳造用ノズルを50分で1000℃に予熱することができた。これにより、本発明の連続鋳造用ノズルの予熱装置1では、従来の連続鋳造用ノズルの予熱装置に比して、連続鋳造用ノズルへのより有効な熱供給を行なわれ熱ロスもより少ないことが確認された。
【0023】
また、1年間、連続鋳造用ノズルの予熱使用を、従来の連続鋳造用ノズルの予熱装置と本発明の連続鋳造用ノズルの予熱装置1に対して同様に行ったところ、従来の連続鋳造用ノズルの予熱装置は、半年に一度、金属製缶体や扉部の補修が必要であったのに対して、本発明の連続鋳造用ノズルの予熱装置1は、扉部の隙間付近の耐火材や金属製缶体に損傷がみられず補修が不要であった。
【符号の説明】
【0024】
1 連続鋳造用ノズルの予熱装置
2 扉部
2A 両開き扉
2B 両開き扉
2a 蝶番
2b 蝶番
3 耐火材製筒状部
3a 耐火材製筒状部の底面
4 扉部の耐火材の端面・・・・・両開き扉2Aの一方側当接面
5 扉部の耐火材の端面・・・・・両開き扉2A,2Bの当接面
6 凹凸条部
7 凸凹条部
8 扉部の耐火材の端面に当接する部位の当接面・・・・・両開き扉2Bの他方側当接面
9 扉部の耐火材の端面に当接する部位の当接面・・・・・固定側本体部18の当接面
10 凹凸条部
11 凸凹条部
12 上部開口部
13 予熱バーナー
13A 燃焼ユニット
14 連続鋳造用ノズル収容部
14a 連通口
15 排気管
16 金属製缶体
17 把持部
18 固定側本体部
19 耐火材製底部
20 底部構成部
21 突出部
22 耐火材製筒状部載置面