特許第5937836号(P5937836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937836
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20160609BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160609BHJP
【FI】
   F21S8/10 385
   F21S8/10 352
   F21S8/10 371
   F21S8/10 380
   F21Y101:02
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-24473(P2012-24473)
(22)【出願日】2012年2月7日
(65)【公開番号】特開2013-161728(P2013-161728A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2015年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】夏目 和典
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−081009(JP,A)
【文献】 特開2010−146818(JP,A)
【文献】 特開2011−216279(JP,A)
【文献】 特開2006−269190(JP,A)
【文献】 特開2007−042613(JP,A)
【文献】 特開2001−297613(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0284365(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102010019372(DE,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第1491815(EP,A2)
【文献】 国際公開第2010/124158(WO,A1)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯具前後方向と交差する第1方向に延びるように配置された導光体と、この導光体に対して該導光体における上記第1方向の端面から光を入射させるように配置された光源と、上記導光体の後方側において上記第1方向に延びるように配置されたリフレクタと、を備えてなる車両用灯具において、
上記導光体が、該導光体の後面部に形成された複数の反射素子で、該導光体に入射した上記光源からの光を内面反射させて、該導光体の前面部から灯具前方へ出射させるように構成されており、
上記リフレクタが、上記複数の反射素子の後方側に位置する第1反射部と、この第1反射部に対して上記第1方向と交差する第2方向に隣接する第2反射部とを備えており、
上記第1反射部が、上記複数の反射素子から後方側へ漏れ出した光の少なくとも一部を上記第2反射部へ向けて反射させるように構成されるとともに、上記第2反射部が、上記第1反射部からの反射光を上記導光体に再入射させることなく灯具前方へ向けて反射させるように構成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
上記第1反射部が、上記第1方向に延びる三角柱の側面を基準面とする反射面を有している、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】
上記第1反射部の反射面が、上記第2方向に複数個配置されている、ことを特徴とする請求項2記載の車両用灯具。
【請求項4】
上記第2反射部が、上記第1反射部の両側に配置されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用灯具。
【請求項5】
上記リフレクタは、上記第1方向を法線とする平面に沿った断面形状が上記導光体を囲むようにして略半円弧状に形成されている、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、導光体とリフレクタとを備えた車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用灯具の構成として、灯具前後方向と交差する第1方向に延びるように配置された導光体と、この導光体に対してその第1方向の端面から光を入射させるように配置された光源と、この導光体の後方側において第1方向に延びるように配置されたリフレクタとを備えたものが知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような車両用灯具において、円形断面を有する導光体が、灯具前後方向と交差する第1方向に略リング状に延びるように配置された構成が記載されている。そして、この車両用灯具においては、導光体の後面部に形成された複数の反射素子から後方側へ漏れ出した光を、その後方側に配置されたリフレクタによって灯具前方へ向けて反射させ、この反射光を導光体に再入射させてその前面部から灯具前方へ向けて出射させる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−235153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記「特許文献1」に記載された車両用灯具においては、導光体の後面部に形成された複数の反射素子で内面反射した光だけでなく、これら複数の反射素子から後方側へ漏れ出した光についても、灯具照射光として有効に利用することが可能である。
【0006】
しかしながら、この車両用灯具において、導光体から後方側へ漏れ出した後、リフレクタで反射して導光体に再入射した光については、その前面部からの出射方向を精度良く制御することが困難である、という問題がある。
【0007】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、導光体とリフレクタとを備えた車両用灯具において、導光体の後面部に形成された複数の反射素子から後方側へ漏れ出した光に対する制御を精度良く行うことができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、導光体の後方側に配置されるリフレクタの構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0009】
すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、
灯具前後方向と交差する第1方向に延びるように配置された導光体と、この導光体に対して該導光体における上記第1方向の端面から光を入射させるように配置された光源と、上記導光体の後方側において上記第1方向に延びるように配置されたリフレクタと、を備えてなる車両用灯具において、
上記導光体が、該導光体の後面部に形成された複数の反射素子で、該導光体に入射した上記光源からの光を内面反射させて、該導光体の前面部から灯具前方へ出射させるように構成されており、
上記リフレクタが、上記複数の反射素子の後方側に位置する第1反射部と、この第1反射部に対して上記第1方向と交差する第2方向に隣接する第2反射部とを備えており、
上記第1反射部が、上記複数の反射素子から後方側へ漏れ出した光の少なくとも一部を上記第2反射部へ向けて反射させるように構成されるとともに、上記第2反射部が、上記第1反射部からの反射光を上記導光体に再入射させることなく灯具前方へ向けて反射させるように構成されている、ことを特徴とするものである。
【0010】
上記「第1方向」は、灯具前後方向と交差する方向であれば、その具体的な方向は特に限定されるものではない。
【0011】
上記「導光体」は、第1方向に延びるように配置されていれば、その断面形状や、その後面部に形成された複数の反射素子の具体的な構成については特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用灯具は、灯具前後方向と交差する第1方向に延びるように配置された導光体に対して、その第1方向の端面から光を入射させるように光源が配置されるとともに、その第1方向に延びるリフレクタが導光体の後方側に配置された構成となっているが、その際、導光体は、該導光体に入射した光源からの光をその後面部に形成された複数の反射素子で内面反射させて、その前面部から灯具前方へ出射させるように構成されているので、灯具正面視において導光体が発光して見えるようにすることができる。
【0013】
その上で、本願発明に係る車両用灯具においては、そのリフレクタが、複数の反射素子の後方側に位置する第1反射部と、この第1反射部に対して第1方向と交差する第2方向に隣接する第2反射部とを備えており、そして、その第1反射部は複数の反射素子から後方側へ漏れ出した光を第2反射部へ向けて反射させるように構成されるとともに、その第2反射部は第1反射部からの反射光を灯具前方へ向けて反射させるように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0014】
すなわち、導光体から後方側へ漏れ出した光を、その後方側に配置されたリフレクタの第1反射部でその第2反射部へ向けて反射させた後、この第2反射部で灯具前方へ向けて反射させることにより、導光体から後方側へ漏れ出した光についても灯具照射光として有効に利用することができる。しかも、このように導光体から後方側へ漏れ出した光を第1および第2反射部で順次反射させることにより、この光を導光体に再入射させることなく灯具前方へ向けて照射することができるので、その照射光制御を精度良く行うことができる。
【0015】
このように本願発明によれば、導光体とリフレクタとを備えた車両用灯具において、導光体の後面部に形成された複数の反射素子から後方側へ漏れ出した光に対する制御を精度良く行うことができる。
【0016】
しかも本願発明においては、導光体から後方側へ漏れ出した光により、灯具正面視において、リフレクタの第2反射部という導光体以外の部分も略均一に発光して見えるようにすることが可能となる。そしてこれにより灯具の見映えを向上させることができる。
【0017】
上記構成において、リフレクタの第1反射部が、第1方向に延びる三角柱の側面を基準面とする反射面を有している構成とすれば、第2反射部へ向けての光反射を効率良く行うことができる。
【0018】
この場合において、第1反射部の反射面が第2方向に複数個配置された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0019】
すなわち、導光体の後面部に形成された複数の反射素子の構成によっては、灯具正面視において、この複数の反射素子を透してリフレクタの第1反射部が明瞭に見えてしまうこととなる。そこで、この第1反射部の反射面が第2方向に複数個配置された構成とすれば、この第1反射部を横縞模様になった状態で見えるようにして、その意匠性を高めることができる。そしてこれにより灯具の見映えを向上させることができる。
【0020】
上記構成において、第2反射部が、第1反射部の両側に配置された構成とすれば、導光体から後方側へ漏れ出した光に対する制御を精度良く行うことが一層容易となり、また、発光面の拡大により灯具の見映えをさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を、図2のI−I線の断面位置で示す平断面図
図2図1のII−II線断面図
図3】上記車両用灯具のリフレクタを単品で示す斜視図
図4】上記実施形態の第1変形例に係る車両用灯具の要部を示す、図2と略同様の図
図5】上記実施形態の第2変形例に係る車両用灯具の要部を示す、図3と略同様の図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具10を、図2のI−I線の断面位置で示す平断面図である。また、図2は、図1のII−II線断面図である。
【0024】
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車両の右後端部に設けられるテールランプであって、ランプボディ12とこのランプボディ12の前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、車幅方向に曲線状に延びるように配置された導光体20と、この導光体20に対して、その車幅方向外側の右端面20aから光を入射させるように配置された光源30と、導光体20の後方側において車幅方向に曲線状に延びるように配置されたリフレクタ40とが組み込まれた構成となっている。
【0025】
なお、本実施形態の説明において、「前方」や「後方」等の前後方向の向きは、車両用灯具10としての向きであって、車両としての向きとは逆になっている。
【0026】
導光体20は、その左端面20bからその右端面20aへ向けて後方側に回り込むように形成された曲線Cに沿って延びる導光柱として形成されている。
【0027】
この導光体20は円形の断面形状を有しており、その後面部20cにおける左右両端部以外の部分には、複数の反射素子20sが後方側へ突出するようにして形成されている。その際、これら各反射素子20sは、車幅方向外側に段差を有する楔形の断面形状で上下方向に延びる反射プリズムとして、車幅方向に連続して鋸歯状に形成されている。
【0028】
一方、光源30は、赤色の発光ダイオードであって、導光体20の右端面20aの近傍において、その発光面を右端面20aへ向けるようにして配置されている。
【0029】
この光源30は、光源支持部材32に固定支持されている。そして、この光源支持部材32は、ランプボディ12に固定支持されている。
【0030】
導光体20は、その左右両端部において導光体支持部材22、24にそれぞれ固定支持されている。その際、導光体20の右端部を支持する導光体支持部材22は、光源支持部材32に固定支持されており、また、その左端部を支持する導光体支持部材24は、ランプボディ12に固定支持されている。
【0031】
そして、本実施形態に係る車両用灯具10においては、その光源30からの出射光を、導光体20の右端面20aから入射させた後、その後面部20cに形成された複数の反射素子20sで全反射により内面反射させて、その前面部20dから前方へ向けて出射させるように構成されている。
【0032】
その際、導光体20の前面部20dから前方へ向けて出射せずに、この前面部20dで全反射により内面反射した光は、さらに後面部20cへ向かうこととなる。その際、この後面部20cの各レンズ素子20sに対して、臨界角を超える入射角度で到達した光は、このレンズ素子20sで再度全反射により内面反射して左端面20bへ向かうが、臨界角未満の入射角度で到達した光は、このレンズ素子20sから導光体20の後方側へ漏れ出してしまうこととなる。
【0033】
リフレクタ40は、このようにして導光体20から後方側へ漏れ出した光を灯具前方へ向けて反射させるように構成されている。
【0034】
図3は、このリフレクタ40を単品で示す斜視図である。
【0035】
同図にも示すように、このリフレクタ40は、導光体20をその後方側から略半円弧状に囲む断面形状で、曲線Cに沿って車幅方向外側へ向けて後方側に回り込むように形成されている。
【0036】
その際、このリフレクタ40は、導光体20の後面部20cに形成された複数の反射素子20sの後方側に位置する第1反射部40Aと、この第1反射部40Aの上下両側に隣接する1対の第2反射部40Bとを備えた構成となっている。
【0037】
図2に示すように、第1反射部40Aは、導光体20の後面部20cに形成された複数の反射素子20sから後方側へ漏れ出した光を、上下1対の第2反射部40Bの各々へ向けて反射させるように構成されている。また、各第2反射部40Bは、第1反射部40Aからの反射光を、導光体20の上下両側の空間を通るようにして灯具前方へ向けて反射させるように構成されている。
【0038】
第1反射部40Aは、曲線Cに沿って延びる三角柱の上下1対の側面を基準面として形成された上下1対の反射面40Aaを有している。そして、この第1反射部40Aは、その各反射面40Aaにおいて、複数の反射素子20sから後方側へ漏れ出した光を各第2反射部40Bの反射面40Baへ向けて反射させるように構成されている。その際、第1反射部40Aの反射面40Aaは略凹シリンドリカル面状に形成されており、これにより複数の反射素子20sから後方側へ漏れ出した光を鉛直面内において、斜め上前方および斜め下前方へ向けてそれぞれ一旦収束した後に拡散する光として反射させるようになっている。
【0039】
一方、各第2反射部40Bは、その反射面40Baにおいて、各第1反射部40Aからの反射光を、灯具前方へ向けて上下方向にやや収束する光として反射させるようになっている。
【0040】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0041】
本実施形態に係る車両用灯具10は、車幅方向(すなわち灯具前後方向と交差する第1方向)に延びるように配置された導光体20に対して、その車幅方向外側の右端面(すなわち第1方向の端面)20aから光を入射させるように光源30が配置されるとともに、車幅方向に延びるリフレクタ40が導光体20の後方側に配置された構成となっているが、その際、導光体20は、該導光体20に入射した光源30からの光をその後面部20cに形成された複数の反射素子20sで内面反射させて、その前面部20dから灯具前方へ出射させるように構成されているので、灯具正面視において導光体20が発光して見えるようにすることができる。
【0042】
その上で、本実施形態に係る車両用灯具においては、そのリフレクタ40が、複数の反射素子20sの後方側に位置する第1反射部40Aと、この第1反射部40Aの上下両側(すなわち第1方向と交差する第2方向)に隣接する第2反射部40Bとを備えており、そして、その第1反射部40Aは複数の反射素子20sから後方側へ漏れ出した光を第2反射部40Bへ向けて反射させるように構成されるとともに、その第2反射部40Bは第1反射部40Aからの反射光を灯具前方へ向けて反射させるように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0043】
すなわち、導光体20から後方側へ漏れ出した光を、その後方側に配置されたリフレクタ40の第1反射部40Aでその第2反射部40Bへ向けて反射させた後、この第2反射部40Bで灯具前方へ向けて反射させることにより、導光体20から後方側へ漏れ出した光についても灯具照射光として有効に利用することができる。しかも、このように導光体20から後方側へ漏れ出した光を第1および第2反射部40A、40Bで順次反射させることにより、この光を導光体20に再入射させることなく灯具前方へ向けて照射することができるので、その照射光制御を精度良く行うことができる。
【0044】
このように本実施形態によれば、導光体20とリフレクタ40とを備えた車両用灯具において、導光体20の後面部20cに形成された複数の反射素子20sから後方側へ漏れ出した光に対する制御を精度良く行うことができる。
【0045】
しかも本実施形態においては、導光体20から後方側へ漏れ出した光により、灯具正面視において、リフレクタ40の第2反射部40Bという導光体20以外の部分も略均一に発光して見えるようにすることが可能となる。そしてこれにより灯具の見映えを向上させることができる。
【0046】
また本実施形態においては、リフレクタ40の第1反射部40Aが、第1方向に延びる三角柱の側面を基準面とする反射面40Aaを有しているので、第2反射部40Bの反射面40Baへ向けての光反射を効率良く行うことができる。
【0047】
さらに本実施形態においては、第2反射部40Bが、第1反射部40Aの上下両側に配置されているので、導光体20から後方側へ漏れ出した光に対する制御を精度良く行うことが一層容易となり、また、発光面の拡大により灯具の見映えをさらに向上させることができる。
【0048】
上記実施形態においては、車両用灯具10が、車両の右後端部に設けられるテールランプである場合について説明したが、車両の左後端部に設けられるテールランプである場合、あるいは車両の前端部に設けられる灯具である場合等においても、上記実施形態と同様の構成を採用することにより上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0050】
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
【0051】
図4は、本変形例に係る車両用灯具の要部を示す、図2と略同様の図である。
【0052】
同図に示すように、本変形例においては、リフレクタ140の構成が上記実施形態のリフレクタ40の場合と異なっている。
【0053】
すなわち、本変形例のリフレクタ140は、その第1反射部140Aの反射面140Aaが第2方向に複数個配置された構成となっている。
【0054】
その際、これら複数の反射面140Aaは、第1反射部140Aにおける上下方向の中央部からその上下両側へ向けて後方側へ徐々に後退するようにして階段状に形成されている。そして、これら各反射面140Aaは、導光体20の後面部20cに形成された複数の反射素子20sから後方側へ漏れ出した光を、鉛直面内において、斜め上前方および斜め下前方へ向けてそれぞれやや拡散する光として反射させるようになっている。
【0055】
また、本変形例のリフレクタ140においても、その上下1対の第2反射部140Bにより、第1反射部140Aからの反射光を、導光体20の上下両側の空間を通るようにして灯具前方へ向けて反射させるように構成されている。その際、これら各第2反射部140Bの反射面140Baは、第1反射部140Aからの反射光を、灯具前方へ向けて上下方向にやや収束する光として反射させるようになっている。
【0056】
本変形例の構成を採用することにより、次のような作用効果を得ることができる。
【0057】
すなわち、導光体20の後面部20cに形成された複数の反射素子20sは、車幅方向外側に段差を有する楔形の断面形状で上下方向に延びる反射プリズムとして、車幅方向に連続して鋸歯状に形成されているので、これら複数の反射素子20sを透してリフレクタ140の第1反射部140Aが明瞭に見えてしまうが、この第1反射部140Aは、複数の反射面140Aが上下方向に配置された構成となっているので、横縞模様になった状態で見えることとなる。したがって、この第1反射部140Aの意匠性を高めることができ、これにより灯具の見映えを向上させることができる。
【0058】
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
【0059】
図5は、本変形例に係る車両用灯具の要部を示す、図3と略同様の図である。
【0060】
同図に示すように、本変形例においては、リフレクタ240の構成が上記実施形態のリフレクタ40の場合と異なっている。
【0061】
すなわち、本変形例のリフレクタ240は、上記実施形態のリフレクタ40と同様、略半円弧状の断面形状で曲線Cに沿って車幅方向外側へ向けて後方側に回り込むように形成されているが、その第1反射部240Aが車幅方向に関して断続的に3箇所に形成されている点で、上記実施形態の場合と異なっている。
【0062】
なお、第1反射部240Aの各反射面240Aaの構成および各第2反射部240Bの反射面240Baの構成については、上記実施形態のリフレクタ40の場合と同様である。
【0063】
本変形例の構成を採用することにより、灯具正面視において、リフレクタ240の第2反射部240Bが車幅方向の3箇所において、それぞれ略均一に発光して見えるようにすることができる。そしてこれにより、上記実施形態の場合とは異なった意匠で灯具の見映えを向上させることができる。
【0064】
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0065】
10 車両用灯具
12 ランプボディ
14 透光カバー
20 導光体
20a 右端面
20b 左端面
20c 後面部
20d 前面部
20s 反射素子
22、24 導光体支持部材
30 光源
32 光源支持部材
40、140、240 リフレクタ
40A、140A、240A 第1反射部
40Aa、40Ba、140Aa、140Ba、240Aa、240Ba 反射面
40B、140B、240B 第2反射部
C 曲線
図1
図2
図3
図4
図5