(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一方の支持リブと前記他方の支持リブには、前記幅方向における外側に突出する突起が設けられており、前記第1の支持部と前記第2の支持部には、前記突起を係止させる係止部が、前記一方の支持リブと前記他方の支持リブ側に突出して設けられており、
前記突起と前記係止部は、前記軸方向から見て互いに重なる突出長さに形成されていることを特徴とする請求項3に記載の回転コネクタ装置。
前記第1の固定部材における前記コネクタの保持部が設けられる部位では、前記コネクタ本体部と前記支持リブが、前記回転部材とは反対側の面に接して設けられていることを特徴とする請求項4に記載の回転コネクタ装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、回転コネクタ装置200の分解斜視図である。
図2は、回転コネクタ装置200をステアリングホイールとは反対側から見た平面図であり、スイッチ取付部19に取り付けられるレバースイッチ90を、仮想線で示した図である。
図3は、
図2におけるB−B断面図である。
なお、以下においては、
図1における上側を上方、下側を下方として説明する。
【0019】
図1に示すように、回転コネクタ装置200は、ボディ1と、ボトムカバー2と、ムービングブロック3と、ターミナルブロック4と、接続コード5とを有する。
【0020】
まず、ボディ1について説明する。
ボディ1は、非導電性の樹脂で形成されており、車体側の不図示のブラケットに固定して取り付けられている。
ボディ1の中央部には、ステアリングホイール(図示せず)に固定されたステアリングシャフト(図示せず)を挿通させる開口15が、ボディ1を軸線Xの軸方向に貫通して設けられており、軸方向から見て、この開口15を挟んだ両側には、スイッチ取付部18、19が設けられている。
【0021】
図2に示すように、ボディ1のスイッチ取付部19には、軸線Xの径方向から、レバースイッチ90が取り付けられるようになっており、開口15を挟んで反対側に位置するスイッチ取付部18にも、軸線Xの径方向から、レバースイッチ(図示せず)が取り付けられるようになっている。
ここで、実施の形態におけるレバースイッチ90には、車両の前照灯のスイッチ、ターンシグナルスイッチ、ワイパースイッチなどが設けられている。
【0022】
図1に示すように、ボディ1におけるボトムカバー2側の上面には、軸方向から見てリング状の凹部13が形成されている。この凹部13の内周面には、ボトムカバー2と係合するための係合片(図示せず)が、周方向に沿って所定間隔で複数設けられており、ボトムカバー2が図中上側からこの凹部13に取り付けられた際に、係合片の各々が、ボトムカバー2の外壁20の外周面に設けられた係合爪25にスナップ係合して、ボトムカバー2がボディ1に固定されるようになっている。
【0023】
凹部13の内径側に位置する開口15内には、ステアリングホイール(図示せず)に連結されたロータ10が、軸線X方向に貫通して設けられており、このロータ10は、開口15内で軸線X周りに回転可能に設けられている。
ロータ10は、筒形状を成しており、このロータ10には、係合片11と、径方向外側に膨出した突出部17とが、軸線X周りの周方向で間隔を空けて複数設けられている。
実施の形態では、ロータ10は、後記するムービングブロック3に連結されて、ロータ10とムービングブロック3が軸線X周りに一体に回転するようになっており、ロータ10は、突出部17と係合片11を、それぞれムービングブロック3の切欠部37と係合爪38に係合させて、ムービングブロック3に連結されるようになっている。
【0024】
ロータ10の下部には、ステアリンシャフト(図示せず)に装着されるロータハウジング7が連結されており、ロータ10と一体に回転するロータハウジング7は、ボディ1の下部で回転可能に支持されている。
【0025】
図1に示すように、ボディ1における凹部13の外径側には、ボトムカバー2のコネクタ部22を支持するコネクタ支持部12が設けられており、開口15を挟んでこのコネクタ支持部12と反対側の位置には、ボディ1を車体側の係合部(図示せず)に係合させて、ボディ1を車体側に固定するためのボディ係合部14が設けられている。
【0026】
図3に示すように、ロータハウジング7の上側には、軸方向から見てリング状の収容空間Sが形成されており、この収容空間Sでは、ボディ1が外周壁と底壁を構成し、ロータ10が内周壁を構成し、ボトムカバー2が、収容空間Sのボトムカバー2側(
図3において上側)の開口を塞ぐ蓋を構成している。
収容空間S内には、車体側とステアリングホイール側間の電気信号等の通電を行うためのフラットケーブル81が、スペーサ8に巻き回された状態で収容されており、フラットケーブル81の一端は、ボトムカバー2のコネクタ部22の端子に接続され、他端は、ロータハウジング7のコネクタ部71(
図1参照)に接続されている。
【0027】
次に、ボトムカバー2について説明する。
図1に示すように、ボトムカバー2は、ボディ1の凹部13に収納された状態でボディ1に取り付けられるようになっており、非導電性の樹脂で形成されている。
ボトムカバー2は、軸方向から見てリング状の円盤部21の中央部に、ロータ10を挿通させるための貫通穴21aを有している。円盤部21における内径側には、貫通穴21aを囲むリング状の内周リブ26が設けられており、外径側には、円盤部21の外周縁を全周に亘って囲む外壁20が設けられている。
これら内周リブ26と外壁20は、ターミナルブロック4側の上方に延出して形成されており、外壁20のほうが、内周リブ26よりも上方まで延びている。
【0028】
外壁20には、径方向から見て矩形形状の係合片27が、ターミナルブロック4側の上方に向けて突設して形成されている。係合片27は、軸線X周りの周方向で、間隔を空けて複数設けられており、係合片27の各々には、後記するターミナルブロック4の係合爪47をスナップ係合させるための開口27aが、厚み方向に貫通して設けられている。
【0029】
外壁20では、貫通穴21aを挟んでコネクタ部22と対向する部位に、コード係合部24が設けられている。コード係合部24は、ターミナルブロック4側の上方に向けて突出して形成されており、軸線X周りの周方向で間隔を空けて3つ設けられている。
これらコード係合部24の間には、前記した係合片27が位置しており、コード係合部24は、係合片27の間に位置する中央爪28aと、係合片27の両側に位置する連携爪28b、28cと、を備えている。中央爪28aと連携爪28b、28cの軸線X方向の高さは、それぞれほぼ同一に形成されており、回転コネクタ装置200が組み立てられた際に、ターミナルブロック4の内周リブ46とほぼ同じ軸線X方向の高さとなるように設定されている。
【0030】
また、中央爪28aは、連携爪28b、28cよりも幅広に形成されている。中央爪28aと連携爪28b、28cでは、ターミナルブロック104側の上端に、径方向外側に突出して先端突起29a、29b、29cが設けられており、これら先端突起29a、29b、29cの下側に、後記する接続コード5のコード部53が係止されるようになっている(
図2参照)。
【0031】
次に、ターミナルブロック4について説明する。
図4は、ターミナルブロック4を説明する図であり、(A)は、ターミナルブロック4をステアリングホイールとは反対側から見た斜視図であり、(B)は、ターミナルブロック4に設けられたコネクタ支持部41の部分を拡大して示す平面図であり、(C)は、(B)におけるA−A断面図である。
図5は、ターミナルブロック4をボトムカバー2側から見た平面図である。
【0032】
図4に示すように、ターミナルブロック4は、軸方向から見てリング状の円盤部48の中央部に、ロータ10を挿通させるための貫通穴48aを有している。円盤部48の内径側には、貫通穴48aを囲むリング状の内周リブ46が設けられている。
円盤部48には、前記したボディ1のスイッチ取付部18、19(
図1参照)と整合する位置に、円盤部48よりも薄肉のフランジ部40、40が設けられている。
図1に示すように、実施の形態では、フランジ部40、40は、円盤部48におけるスイッチ取付部18、19と整合する部分を、ボトムカバー2側の下方に凹ませて形成されており、フランジ部40、40の軸線X方向の厚みh1は、円盤部48の軸線X方向の厚みhよりも小さくなっている。(h>h1)。
【0033】
このフランジ部40、40の上面40b(
図4の(C)参照:ボトムカバー2とは反対側の面)には、後記する接続コード5のコネクタ51、52を支持するためのコネクタ支持部41、41が上方に突出して形成されている。なお、このコネクタ支持部41の構成については、後に詳細に説明する。
【0034】
図1に示すように、円盤部48における、一方のフランジ部40に隣接する位置には、径方向外側に突出して、コネクタ取付部44が設けられている。
このコネクタ取付部44には、厚み方向に貫通してネジ穴44aが形成されており、ターミナルブロック4は、ネジ穴44aに挿通させたネジ(図示せず)により、ボディ1に対して固定されるようになっている。
また、ターミナルブロック4の円盤部48の外周縁では、径方向外側に突出する係合爪47が、周方向に間隔を空けて複数設けられている。この係合爪47は、ターミナルブロック4とボトムカバー2とが組付けられた際に、ボトムカバー2の外壁20に形成された係合片27の開口27aとスナップ係合して、ターミナルブロック4がボトムカバー2に固定されるようになっている。
【0035】
ターミナルブロック4は、非導電性の樹脂で形成されており、円盤部48の内部には、軸方向から見てリング状の固定電極61、62が、インサート成形により設けられている。
図5に示すように、これら固定電極61、62は、円盤部48のボトムカバー2側の下面に露出して設けられており、固定電極62よりも小径の固定電極61は、固定電極62の内径側に位置している。
固定電極61、62は、ターミナルブロック4内に埋め込まれた配線(図示せず)を介して、コネクタ部45の端子に接続されており、このコネクタ部45に車体側のコネクタが接続されると、車体側から固定電極61、62に電力が供給されるようになっている。
【0036】
図1に示すように、ムービングブロック3は、軸方向から見てリング状の円盤部31の中央部に、ロータ10を挿通させるための貫通穴30aを有している。円盤部31の内径側には、貫通穴30aを囲むリング状の内周リブ36が形成されており、円盤部31の外周縁には、全周に亘って外周リブ30が形成されている。
内周リブ36と外周リブ30は、それぞれターミナルブロック4側の上方に延出して形成されており、内周リブ36のほうが、外周リブ30よりも上方に延びている。
【0037】
内周リブ36では、貫通穴30aを挟んで対向する位置に、切欠部37が設けられており、この切欠部37には、ロータ10とムービングブロック3とを連結した際に、ロータ10の突出部17が軸方向から嵌合して、ロータ10とムービングブロック3とが軸線X周りの周方向で相対回転不能に連結されるようになっている。
また、内周リブ36の貫通穴30a側の面には、径方向内側に突出して係合爪38が設けられている。この係合爪38は、軸線X周りの周方向で間隔を空けて複数設けられており、ロータ10とムービングブロック3とを連結した際に、係合爪38が、ロータ10側の係合片11の開口にスナップ係合して、ムービングブロック3のロータ10からの脱落が阻止されるようになっている。
【0038】
図6は、ムービングブロック3に埋め込まれる可動電極66、67を、ターミナルブロック4側から見た平面図である。
非導電性の樹脂で形成されたムービングブロック3の円盤部31(
図1参照)の内部には、軸方向から見て略リング状の可動電極66、67が、インサート成形により埋め込まれている。
可動電極66は、可動電極67よりも小径で形成されており、円盤部31では、内径側に可動電極66が、外径側に可動電極67が、それぞれ位置している。
ここで、これら可動電極66、67は、インサート成形により円盤部31に埋め込まれる前の段階では、複数の幅狭部69で繋がれて1枚のリング状の円盤に形成されており、インサート成形される際に、幅狭部69が切断されることで、内径側の可動電極66と外径側の可動電極67との2つに分割されて、2系統の可動電極が、円盤部31内に設けられるようになっている。
【0039】
可動電極66、67では、先端に接点66a、67aが形成された腕部66b、67bが、周方向に沿って設けられている。
実施の形態では、これら腕部66b、67bは、軸線X周りの周方向に間隔を空けて複数設けられており、これら腕部66b、67bの先端(接点66a、67a)側がターミナルブロック4側の上方に位置するように、その基端66c、67c側が折り曲げられている。
【0040】
そのため、ムービングブロック3がボトムカバー2とターミナルブロック4の間に配置された際に、可動電極66、67の接点66a、67aが、軸線Xの軸方向からターミナルブロック4の固定電極61、62に接触し、腕部66b、67bの付勢力により、可動電極66、67の接点66a、67aと固定電極61、62との接触状態が保持されるようになっている。
【0041】
ここで、ロータ10と一体にムービングブロック3が軸線X周りに回転すると、可動電極66、67の接点66a、67aもまた軸線X周りに回転することになる。
前記したターミナルブロック4の固定電極61、62は、ムービングブロック3が軸線X周りに回転するときの接点66a、67aが描く軌跡に沿って円形を成しているので、ステアリングホイールの操作に連動して、ムービングブロック3がターミナルブロック4に対して相対回転する際に、可動電極66、67と固定電極61、62との接触状態が維持されるようになっている。
【0042】
よって、可動電極66、67が図示しない配線を介してステアリングヒータに接続されている場合には、車体側から固定電極61、62に供給された電力が、可動電極66、67を介して途切れることなくステアリングヒータ側に給電されるようになっている。
【0043】
次に、ターミナルブロック4に設けられたコネクタ支持部41、41について説明する。なお、ターミナルブロック4においてコネクタ支持部41、41は、貫通穴48aを挟んで左右対称となる位置に設けられている。
そのため、以下の説明においては、
図4の(A)において右側に位置するコネクタ支持部41について説明をし、左側に位置するコネクタ支持部41については、その説明を省略する。
【0044】
図4に示すように、コネクタ支持部41は、内径側支持部411と、外径側支持部412とを備えており、これら内径側支持部411と外径側支持部412は、ターミナルブロック4のフランジ部40から、このフランジ部40に対して直交する方向(
図4の(C)において上側)に延出して形成されている。
【0045】
内径側支持部411は、フランジ部40の周方向における中央寄りの位置に設けられており、外径側支持部412は、フランジ部40の周方向における一方側に近接して設けられている。
軸方向から見て、内径側支持部411と外径側支持部412は、同一直線Ln上に位置しており、外径側支持部412は、その一部が、フランジ部40の外周縁40aから径方向外側に突出して設けられている(
図5参照)。
内径側支持部411と外径側支持部412は、側縁部411a、412aと、この側縁部411a、412aの両側から、側縁部411a、412aの直交方向に延びる支持部411b、412bと、を備えており、軸方向から見てコ字形状に形成されている。
【0046】
内径側支持部411の側縁部411aにおける支持部411b、411bの間には、支持部411bと同方向に突出して爪411cが設けられており、外径側支持部412の側縁部412aにおける支持部412b、412bの間にも、支持部412bと同方向に突出して爪412cが設けられている。
【0047】
実施の形態では、これら爪411c、412cは、内径側支持部411と外径側支持部412にコネクタ51を取り付けるときのガイド、および抜け止めとして機能するようになっている。
そのため、爪411c、412cの上面は、爪411c、412cをガイドとして機能させるために、爪411c、412cの高さhが側縁部411a、412aから離れるにつれて低くなる向きに傾斜している。また、爪411c、412cの下面は、爪411c、412cを抜け止めとして機能させるために、フランジ部40に対して平行となっている。
【0048】
図7は、
図2におけるA−A断面図であって、コネクタ支持部41周りの構成を説明する図である。
図7に示すように、ターミナルブロック4の下面には、円盤部48に埋め込まれた固定電極61、62が露出しており、爪411c(
図4参照)を形成するための金型を、下側から抜くことが困難となっている。そのため、内径側支持部411の外径側の支持部411bには、横方向に金型を抜くための型抜き穴411dが形成されている(
図4の(B)参照)。
また、外径側支持部412は、爪412cが設けられた側縁部412a側が、フランジ部40の外周縁40aよりも径方向外側に突出しているので、爪412cを形成するための金型を、下側から抜くことができるようになっている。そのため、外径側支持部412では、支持部412bと支持部412bの間の下部には、下方向に金型を抜くための型抜き穴412dが形成されている(
図4の(C)、
図5参照)。
【0049】
次に、接続コード5とその取り付け状態について説明する。
図8は、接続コード5の斜視図である。
【0050】
図8に示すように、接続コード5は、レバースイッチ90側のコネクタ端子91(
図2参照)が接続されるコネクタ51、52と、これらを互いに接続するコード部53と、から構成される。
図8および
図4の(C)に示すように、コネクタ51、52は、直方体形状のコネクタ本体部55、56と、コネクタ本体部55、56を支持する薄板状の被支持部57、58とから構成されており、被支持部57、58においてコネクタ本体部55、56は、当該被支持部57、58の直交方向に突出して設けられている。
【0051】
コネクタ本体部55、56内には、レバースイッチ90側のコネクタ端子91(
図2参照)が挿入される端子穴55a、56aが設けられており、端子穴55a、56aは、コネクタ本体部55、56の幅方向で、間隔を空けて複数設けられている。
被支持部57、58は、正面視において矩形形状を有しており、コネクタ本体部55、56は、被支持部57、58の高さ方向における下側の側縁57a、58aに沿って設けられている。
被支持部57、58の幅W1は、コネクタ本体部55、56の幅W2よりも大きくなっており、被支持部57、58におけるコネクタ本体部55、56から側方に突出する部分は、前記したコネクタ支持部41の内径側支持部411と外径側支持部412で支持される被支持部571、581となっている。
被支持部57、58における幅方向の両側には、幅方向に突出して係合突起571a、581aが設けられており、係合突起571a、581aは、コネクタ51、52のコネクタ支持部41からの脱落を防止するための抜け止めとして機能するようになっている。
【0052】
以下、コネクタ51、52のコネクタ支持部41への取り付けを、コネクタ51の場合を例に挙げて説明する。
図4に示すように、コネクタ51は、幅方向における両側の被支持部571、571を、内径側支持部411と外径側支持部412の支持部411b、411bの間に挿入して、コネクタ支持部41に取り付けられるようになっている。
【0053】
コネクタ51をフランジ部40側の下方に押し込むと、コネクタ51は、被支持部571の係合突起571aを弾性変形させながら、フランジ部40に当接する位置まで移動する。そうすると、コネクタ51の係合突起571aと、コネクタ支持部41の爪411c、412cとが、コネクタ51の幅方向で重なる位置に配置されるので、コネクタ51は、コネクタ支持部41からの脱落が阻止された状態で、コネクタ支持部41に保持されることになる。
【0054】
ここで、コネクタ51の被支持部571と、内径側支持部411および外径側支持部412との間に僅かな隙間が設けられているので、コネクタ支持部41においてコネクタ51は、若干の遊びを持って支持されることになる。よって、コネクタ51にレバースイッチ90を接続する際に、コネクタ51とレバースイッチ90との間に僅かな位置ずれが生じていてもコネクタ51とレバースイッチ90とを確実に接続できるようになっている。
また、被支持部571が、コネクタ本体部55の幅方向に突出して設けられており、この被支持部571のコネクタ支持部41における支持幅W(
図4の(C)参照)が確保されているので、コネクタ51は、十分な支持強度を持って、コネクタ支持部41に支持されるようになっている。
【0055】
ここで、実施の形態にかかる回転コネクタ装置200の各部材(ボトムカバー2、ターミナルブロック4、ムービングブロック3)と、従来例にかかる回転コネクタ装置201の各部材(ボトムカバー102、ターミナルブロック104、ムービングブロック103)との相違点を説明する。
【0056】
回転コネクタ装置200の各部材(ボトムカバー2、ターミナルブロック4、ムービングブロック3)では、ステアリングシャフトの大径化に対応するために、各円盤部21、48、31の貫通孔21a、48a、30aの内径が、従来の回転コネクタ装置201における対応する円盤部121、148、131の貫通孔125、149、135の内径よりも大きくなっている。
【0057】
さらに、回転コネクタ装置200のボトムカバー2では、従来の回転コネクタ装置201のボトムカバー102で外側周壁120の内側に設けられていた内側周壁122に相当するものが削除されているので、ムービングブロック3の外径が、ボトムカバー2の外壁20よりも僅かに小さい外径まで広げられている。
そのため、ムービングブロック3の円盤部31の径方向の幅W3(
図1参照)は、従来の回転コネクタ装置201におけるムービングブロック103の円盤部131の径方向の幅と同になっており、円盤部31に可動電極を埋め込むのに必要な径方向の幅が確保されている。
【0058】
そして、ボトムカバー2の外壁20は、従来の回転コネクタ装置201のボトムカバー102における外側周壁120と同じ外径であるので、ムービングブロック3の円盤部31の外径を、ボトムカバー2の外壁20よりも僅かに小さい外径まで広げても、ボトムカバー2とターミナルブロック4における円盤部21、48の外径は、従来の回転コネクタ装置201における対応する円盤部121、148の外径と同じになっている。
【0059】
このように、実施の形態にかかる回転コネクタ装置200では、従来の回転コネクタ装置201のボトムカバー102に設けられていた内側周壁122に相当するものを削除したので、ムービングブロック3の外径が、外壁20よりも僅かに小さい外径まで拡大可能とされている。
そのため、回転コネクタ装置200の各部材(ボトムカバー2、ターミナルブロック4、ムービングブロック3)の各円盤部21、48、31の貫通孔21a、48a、30aの内径を拡大しても、ボトムカバー2とターミナルブロック4における円盤部21、48の外径を大径化させることなく、ムービングブロック3において、可動電極を埋め込むための径方向の幅W3を確保できるようになっている。
【0060】
実施形態は以上のように構成され、ステアリングシャフト(図示せず)と一体に回転するムービングブロック3と、車体側に固定されたボディ1で支持された固定部材(ターミナルブロック4、ボトムカバー2)とが、同一の軸線X上で互いに相対回転可能に設けられており、
ムービングブロック3とターミナルブロック4とが、ターミナルブロック4に設けた固定電極61、62(導電リング)と、ムービングブロック3に設けられて固定電極61、62を摺動する接点66a、67aを有する可動電極66、67(摺動接触子)とからなるスリップリング機構を介して電気的に接続され、
ボディ1における固定部材(ターミナルブロック4、ボトムカバー2)の径方向外側に、レバースイッチ90のスイッチ取付部18、19が設けられた回転コネクタ装置200において、
レバースイッチ90に接続されるコネクタ51、52の保持部であるコネクタ支持部41を、軸線Xの軸方向でターミナルブロック4におけるムービングブロック3とは反対側に設けた構成とした。
【0061】
このように構成すると、ムービングブロック3の径方向外側にコネクタ支持部41が位置していないので、ムービングブロック3の外径をターミナルブロック4の外径まで広げることができる。よって、スリップリング機構に必要な径方向の幅(可動電極66、67を配置するのに必要な幅)をムービングブロック3において確保しつつ、ステアリングシャフトの大径化に対応できる。
また、レバースイッチ90のスイッチ取付部18、19は、軸方向から見て、ターミナルブロック4の径方向外側に設けられており、ムービングブロック3の外径をターミナルブロック4の外径まで広げてもレバースイッチ90のレイアウトに影響が及ぶことがない。
よって、スリップリング機構を備える回転コネクタ装置において、レバースイッチ90のレイアウトに影響を与えずに、ステアリングシャフトの大径化に対応させることができる。
【0062】
固定部材は、ボトムカバー2と、このボトムカバー2に軸線Xの軸方向から組み付けられるターミナルブロック4とから構成されていると共に、ボトムカバー2のリング状の円盤部21と、ターミナルブロック4のリング状の円盤部48とが軸線Xの軸方向で間隔をあけて配置されており、
ムービングブロック3は、軸線Xの軸方向におけるこれら円盤部21、48の間に位置しており、
ボトムカバー2は、ムービングブロック3の外周を所定間隔で囲むと共に、ターミナルブロック4の円盤部48の外周に接触する外壁20を有しており、
ターミナルブロック4におけるコネクタ支持部41が設けられる部位であるフランジ部40の軸方向の厚みh1を、他の部位の厚みhよりも薄くした構成とした。
【0063】
従来の回転コネクタ装置では、ボトムカバー102の外側周壁120と内側周壁122との上部にコネクタ支持部123、124が設けられていたが(
図9参照)、実施の形態にかかる回転コネクタ装置200では、ボトムカバー2の外壁20の上部に取り付けられるターミナルブロック4に、コネクタ支持部41が設けられている。
そのため、軸線X方向におけるコネクタ支持部41の位置が、従来の回転コネクタ装置201の場合に比べて上側にズレてしまうことになるが、コネクタ支持部41が設けられるフランジ部40の厚みを薄くすることで、コネクタ支持部41の軸方向の位置ズレが抑えられるようになっている。
そのため、従来の回転コネクタ装置201におけるコネクタ取付部の位置や、このコネクタ取付部に取り付けられるレバースイッチ側のコネクタの位置を、軸線Xの軸方向で大きく変更することなく、レバースイッチを、実施の形態にかかる回転コネクタ装置200にそのまま取り付けることができる
【0064】
特に、実施の形態にかかる回転コネクタ装置200では、コネクタ支持部41を、ターミナルブロック4におけるボトムカバー2とは反対側の面に設けた構成とすることで、従来の回転コネクタ装置201においてコネクタ支持部123、124を支持するために設けていた内側周壁122を削除できるようにした。
そのため、ムービングブロック3の外径を、回転コネクタ装置200の外壁20(従来の回転コネクタ装置201における外側周壁120に相当)よりも僅かに小さい外径まで広げて、円板部21の径方向の幅を確保できるようになっている。
この場合、ステアリングシャフトの大径化に合わせてムービングブロック3の貫通穴21aを大径化しても、ボトムカバー2(外壁40)を大径化する必要がないので、ボトムカバー2の径方向外側に位置するスイッチ取付部18、19の位置を、ステアリングシャフトの大径化に際して、変更する必要がない。
また、ボトムカバー2の外壁を大径化する必要がないので、ボトムカバー2に組み付けられるターミナルブロック4(円盤部48)の外径も、ステアリングシャフトの大径化に際して変更する(大径化する)必要がない。
よって、回転コネクタ装置200が組み付けられるステアリング装置(図示せず)側に、大きな設計変更が必要になるなどの影響が及ぶことが好適に防止されることになる。
【0065】
レバースイッチに接続される接続コード5のコネクタ51、52は、コネクタ支持部41に取り付けられた状態で、軸線Xの直交方向に突出するコネクタ本体部55、56と、このコネクタ本体部55、56の幅方向における両側から、幅方向に突出する板状の被支持部571、571、581、581とを備えており、
コネクタ支持部41は、コネクタ本体部55、56の幅方向における一方の被支持部571、581を、幅方向の全長に亘って支持する内径側支持部411と、他方の被支持部571、581を、幅方向の全長に亘って支持する外径側支持部412と、を備える構成とした。
【0066】
このように構成すると、コネクタ51、52の両側に設けられた被支持部571、582における所定の支持幅W(
図4の(C)参照)の範囲が、内径側支持部411と外径側支持部412で支持されるので、コネクタ51、52の支持強度を確保することができる。
【0067】
特に、内径側支持部411と外径側支持部412が、軸方向から見た断面が略コ字形状となっており、板状の被支持部571、581の厚み方向の両面が、支持部411b、412bに挟み込まれた状態で支持されるようにしたので、コネクタ51、52が十分な支持強度で支持されと共に、コネクタ51、52の被支持部571、581のコネクタ支持部41への取付を容易に行えることになる。
【0068】
コネクタ51、52の被支持部571、581には、幅方向における外側に突出する係合突起571a、581aが設けられており、内径側支持部411と外径側支持部412の側縁部411a、412aには、係合突起571a、581aに係止させる爪411c、412cが、被支持部571、581側に突出して設けられており、
係合突起571a、581aと、爪411c、412cは、軸線Xの軸方向から見て互いに重なる突出長さに形成されている構成とした。
【0069】
このように構成すると、コネクタ51、52の被支持部571、581の内径側支持部411と外径側支持部412からの脱落が、係合突起571a、581aと爪411c、412cにより阻止されるので、コネクタ51、52を、それぞれ対応するコネクタ支持部41、41で確実に支持させることができる。
【0070】
ターミナルブロック4におけるフランジ部40、40では、コネクタ51、52のコネクタ本体部55、56と、被支持部57、58が、フランジ部40、40の上面40b、40b(
図4の(C)参照)に接して設けられており、このフランジ部40、40の上面40b、40bは、軸線Xに直交する平坦面となっている構成とした。
【0071】
従来の回転コネクタ装置では、ボトムカバー102の外側周壁120と内側周壁122との上部に設けたコネクタ支持部123、124に、コネクタ151、152を支持させる構成となっていたので、コネクタ本体部55から下側(ボトムカバー側)に突出して被支持部154(
図9参照)が設けられており、この被支持部154によりコネクタ151、152の支持強度を確保していた。
実施の形態の回転コネクタ装置では、ボトムカバー2の外壁20の上部に取り付けられるターミナルブロック4に、コネクタ支持部41が設けられており、コネクタ支持部41の軸方向の位置ズレを抑える必要があるので、従来回転コネクタ装置の場合の被支持部154を設けることが困難であった。
そのため、上記のように構成することで、コネクタ支持部41で支持されるコネクタ51、52の支持強度を確保しつつ、コネクタ51、52の軸線Xの軸方向の位置ズレを抑えることができるので、従来の回転コネクタ装置201におけるコネクタの取付部106a、106bの位置や、この取付部106a、106bに取り付けられるレバースイッチ側のコネクタの位置を、軸線Xの軸方向で大きく変更することなく、レバースイッチを、実施の形態にかかる回転コネクタ装置200にそのまま取り付けることができる。
【0072】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれる。
例えば、本実施形態で可動電極が固定電極に接する接点は、
図8に示すような内周側と外周側において3か所ずつとは限らない。例えば、内周側に4か所、外周側に5か所設けることもできる。
また、本実施形態では、被支持部57、58と平行な方向に爪41c、41d、43c、43dを出していたが、爪41c、41d、43c、43dを被支持部57、58を横切る方向に出してもよい。
【0073】
さらに、上記した実施の形態では、ターミナルブロック4側に導電リング(固定電極61、62)を設け、ムービングブロック3側に導電リングを摺動する摺動接触子(可動電極66、67)を設けた構成のスリップリング機構の場合を例に挙げて説明をした。
実施の形態にかかる回転コネクタ装置において、ターミナルブロック4側に摺動接触子を設けると共に、ムービングブロック3側に導電リングを設けて、ステアリングホイールの操作に連動して、導電リングが可動電極として回転する構成のスリップリング機構としても良い。