特許第5937923号(P5937923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937923
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】防災監視盤
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20160609BHJP
   G08B 5/36 20060101ALI20160609BHJP
   G08B 25/14 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   G08B17/00 L
   G08B5/36 A
   G08B17/00 G
   G08B25/14 B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-182142(P2012-182142)
(22)【出願日】2012年8月21日
(65)【公開番号】特開2014-41408(P2014-41408A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2014年10月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117776
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 義一
(72)【発明者】
【氏名】水上 晃
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−305979(JP,A)
【文献】 実開昭56−150986(JP,U)
【文献】 特開2007−310629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 1/00− 9/20
17/00
23/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形の開口部を有する扉が盤本体に開閉可能に取り付けられ、地区窓ユニットが上記開口部に上下方向に複数並んで上記扉に取り付けられている防災監視盤において、
上記地区窓ユニットは、複数の地区窓が表面に凹設され、上記開口部の幅方向長さより長い横長の矩形平板状の表面板、上記表面板の裏面の長さ方向両端側に形成された第1係止爪、それぞれ、上記表面板の裏面の上下方向の両端側に形成されて、該表面板の長さ方向に所定の間隔で複数配設された第2係止爪、および上記表面板の裏面の長さ方向両端側に形成された位置決め用突起又は位置決め用凹部を有する樹脂製の地区窓プレートと、上記表面板の裏面に実装された回路基板と、を備え、
上記位置決め用凹部又は上記位置決め用突起が、上下方向に配列される複数の上記地区窓ユニットのそれぞれの上記位置決め用突起又は上記位置決め用凹部に対応して、上記開口部の幅方向両側の内周面のそれぞれに形成され、
上記地区窓ユニットは、上記扉の表面側から、上記位置決め用突起と上記位置決め用凹部とを嵌合させて、上下方向の移動を規制され、かつ上記第1係止爪を上記開口部に嵌め込んでスナップフィット結合されて上記扉に取り付けられ、
上記第2係止爪のそれぞれに対応して形成された係止穴を有する補強部材が、上記扉の裏面側から上記係止穴に上記第2係止爪を嵌め込んでスナップフィット結合されて、上下方向に隣り合う上記地区窓プレート間に介装されていることを特徴とする防災監視盤。
【請求項2】
上記地区窓プレートは、上記表面板の裏面の外周端の内側に立設されて、外周端に沿って延在する周壁を備え、上記第1係止爪、上記第2係止爪および上記位置決め用突起又は上記位置決め用凹部が上記周壁に一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の防災監視盤。
【請求項3】
矩形の開口部を有する扉が盤本体に開閉可能に取り付けられ、地区窓ユニットが上記開口部に上下方向に複数並んで上記扉に取り付けられている防災監視盤において、
上記地区窓ユニットは、複数の地区窓が表面に凹設され、上記開口部の幅方向長さより長い横長の矩形平板状の表面板、上記表面板の裏面の長さ方向両端側に形成された第1係止爪、および上記表面板の裏面の長さ方向両端側に形成された位置決め用突起又は位置決め用凹部を有する樹脂製の地区窓プレートと、上記表面板の裏面に実装された回路基板と、を備え、
上記位置決め用凹部又は上記位置決め用突起が、上下方向に配列される複数の上記地区窓ユニットのそれぞれの上記位置決め用突起又は上記位置決め用凹部に対応して、上記開口部の幅方向両側の内周面のそれぞれに形成され、
上記第1係止爪の外周面は、上記表面板の裏面に向かって、該表面板の長さ方向の外方に漸次変位する平坦な第1傾斜面と、上記第1傾斜面の上記表面板側の端部から該表面板の裏面に向かって、該表面板の長さ方向の内方にステップ状に変位する第2傾斜面と、を備え、
上記地区窓ユニットは、上記扉の表面側から、上記位置決め用突起と上記位置決め用凹部とを嵌合させて、上下方向の移動を規制され、かつ上記第1係止爪を上記開口部に嵌め込んでスナップフィット結合されて上記扉に取り付けられていることを特徴とする防災監視盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、火災、ガス漏れ、防犯などに関する受信機からなる防災監視盤に関し、特に、建物内の地区分けされた各監視区域内に設けられた各種の監視設備からの信号に基づいて、各地区の状態、例えば火災、ガス漏れ、防犯などの発生を、対応する窓を用いて表示する地区窓構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の防災監視盤は、盤本体に対し開閉自在に装着された扉の開口部に、複数に分割された横長の表示パネルユニットを、一方の表示パネルユニットの支持片に形成されたノブを他方の表示パネルユニットの支持片に形成された切り欠きに嵌合させて隣り合う表示パネルユニットの位置決めと連結を行って、上下方向に並べ、ねじ止めされていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−124767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の防災監視盤では、上下方向に配列された表示パネルユニットがノブと切り欠きの嵌合により互いに連結されている。そこで、複数の表示パネルユニットの中の1つの表示パネルユニットを交換する場合には、最上位に位置する表示パネルユニットから順に交換対象の表示パネルユニットまでを取り外す必要があり、表示パネルユニットの交換作業性が低下するという課題があった。さらに、表示パネルユニットが扉にねじ止めされているので、現場で表示パネルユニットを取り付ける際には、トルクドライバーなどを用いて締結トルクを管理する必要があり、表示パネルユニットの交換作業性が低下するという課題があった。
【0005】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、地区窓ユニットのそれぞれを、扉に形成された開口部との間で上下方向の位置決めを行ってスナップフィット結合により開口部に取り付けるようにし、現場で地区窓ユニットを簡易に交換できる防災監視盤を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による防災監視盤は、矩形の開口部を有する扉が盤本体に開閉可能に取り付けられ、地区窓ユニットが上記開口部に上下方向に複数並んで上記扉に取り付けられている。上記地区窓ユニットは、複数の地区窓が表面に凹設され、上記開口部の幅方向長さより長い横長の矩形平板状の表面板、上記表面板の裏面の長さ方向両端側に形成された第1係止爪、それぞれ、上記表面板の裏面の上下方向の両端側に形成されて、該表面板の長さ方向に所定の間隔で複数配設された第2係止爪、および上記表面板の裏面の長さ方向両端側に形成された位置決め用突起又は位置決め用凹部を有する樹脂製の地区窓プレートと、上記表面板の裏面に実装された回路基板と、を備えている。上記位置決め用凹部又は上記位置決め用突起が、上下方向に配列される複数の上記地区窓ユニットのそれぞれの上記位置決め用突起又は上記位置決め用凹部に対応して、上記開口部の幅方向両側の内周面のそれぞれに形成され、上記地区窓ユニットは、上記扉の表面側から、上記位置決め用突起と上記位置決め用凹部とを嵌合させて、上下方向の移動を規制され、かつ上記第1係止爪を上記開口部に嵌め込んでスナップフィット結合されて上記扉に取り付けられ、上記第2係止爪のそれぞれに対応して形成された係止穴を有する補強部材が、上記扉の裏面側から上記係止穴に上記第2係止爪を嵌め込んでスナップフィット結合されて、上下方向に隣り合う上記地区窓プレート間に介装されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、地区窓ユニットは、扉の開口部にスナップフィット結合により取り付けられているので、現場での地区窓ユニットの着脱作業時に、トルクドライバーなどを用いて締結トルクを管理する必要がなく、地区窓ユニットの交換作業性が向上される。
地区窓ユニットは、位置決め用突起と位置決め用凹部との嵌合により、上下方向の移動を規制されて扉の開口部に取り付けられているので、交換対象の地区窓ユニットのスナップフィット結合を解除するだけで、交換対象の地区窓ユニットを取り外すことができる。さらに、位置決め用突起と位置決め用凹部とを嵌合させて、スナップフィット結合させるだけで、新しい地区窓ユニットを扉の開口部に取り付けることができる。したがって、他の地区窓ユニットを取り外すことなく、交換対象の地区窓ユニットを取り替えることができ、地区窓ユニットの交換作業性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係る防災監視盤を示す斜視図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る防災監視盤の扉を開けた状態を示す斜視図である。
図3】この発明の実施の形態1に係る防災監視盤の地区窓ユニットの取り付け状態を前面側から見た斜視図である。
図4】この発明の実施の形態1に係る防災監視盤の地区窓ユニットの取り付け状態を裏面側から見た斜視図である。
図5】この発明の実施の形態1に係る防災監視盤における扉の要部を示す斜視図である。
図6】この発明の実施の形態1に係る防災監視盤における地区窓プレートを前面側から見た斜視図である。
図7】この発明の実施の形態1に係る防災監視盤における地区窓プレートを示す要部斜視図である。
図8】この発明の実施の形態1に係る防災監視盤における地区窓プレートを裏面側から見た斜視図である。
図9】この発明の実施の形態1に係る防災監視盤における補強部材を前面側から見た斜視図である。
図10】この発明の実施の形態1に係る防災監視盤における地区窓ユニットの取り付け方法を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による防災監視盤の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る防災監視盤を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る防災監視盤の扉を開けた状態を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る防災監視盤の地区窓ユニットの取り付け状態を前面側から見た斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る防災監視盤の地区窓ユニットの取り付け状態を裏面側から見た斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る防災監視盤における扉の要部を示す斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る防災監視盤における地区窓プレートを前面側から見た斜視図、図7はこの発明の実施の形態1に係る防災監視盤における地区窓プレートを示す要部斜視図、図8はこの発明の実施の形態1に係る防災監視盤における地区窓プレートを裏面側から見た斜視図、図9はこの発明の実施の形態1に係る防災監視盤における補強部材を前面側から見た斜視図、図10はこの発明の実施の形態1に係る防災監視盤における地区窓ユニットの取り付け方法を説明する斜視図である。
【0011】
図1乃至図4において、防災監視盤1は、盤本体2と、盤本体2の前面に開閉可能に取り付けられた扉3と、を備えている。盤本体2には、防災監視盤1の監視制御を処理する電気回路部、外部からの信号線(回線)が接続される端子台などが実装された回路基板4が設けられている。扉3には、スピーカ5、各種の操作を行うための操作部6、操作部6を開閉するカバー7、監視区域とその監視区域における監視する設備情報を表示する地区窓ユニット10などが設けられ、回路基板4などと電気的な接続がなされている。地区窓ユニット10は、地区窓プレート11と、地区窓プレート11の裏面にねじ28の締着により取り付けられた回路基板29と、を備え、上下方向に3つ並んで扉3に取り付けられている。
【0012】
地区窓プレート11は、例えばABS樹脂で成形され、図6乃至図8に示されるように、横長の矩形平板状の表面板12と、表面板12の裏面の外周縁部から所定距離内側の入った位置に立設されて全周にわたって延設された矩形枠状の周壁13と、を備える。地区窓14が、表面板12の前面に4行5列に凹設され、地区灯表示窓15が、各地区窓14内一側に表面板12を貫通するように形成されている。ねじタップ付きノブ16が、表面板12の裏面に突設されている。位置決め用突起17が、矩形枠状の周壁13の短辺で構成される両側壁の外周面に、かつ短辺長さ方向の中央部に2条突設されている。
【0013】
第1係止爪18が、矩形枠状の周壁13の短辺で構成される両側壁に、位置決め用突起17の両側に位置するように形成されている。第1係止爪18は、周壁13の表面板12との境界部およびその両側をコ字状に切り欠いて形成されて、周壁13との連結部18aを支点として弾性変形可能に構成されている。また、第1係止爪18の外周面が、連結部18aから表面板12に向かって漸次周壁13から離反する平坦な第1傾斜面18bと、その後表面板12に向かってステップ状に周壁13に近づく第2傾斜面18cと、を備えている。
【0014】
第2係止爪19が、矩形枠状の周壁13の長辺で構成される両側壁に、長辺長さ方向に所定のピッチで複数形成されている。第2係止爪19は、周壁13の先端から延設されたビーム部19aと、ビーム部19aの延出端から外側に突設された爪部19bと、を備えて、ビーム部19aの根元部を支点として弾性変形可能に構成されている。
【0015】
補強部材21は、図9に示されるように、例えばABS樹脂でコ字状に成形され、表面板12の長辺に略等しい長さの長辺と表面板12の外周縁部と周壁13との間の距離の略2倍の長さの短辺からなる矩形平板状の基部22と、基部22の長さ方向両端から直角に同じ方向に延設された脚部23と、を備える。係止穴24が、基部22の短辺方向に2列となって長さ方向に所定のピッチで、第2係止爪19のそれぞれが係止可能に複数形成されている。さらに、補強突起25が、基部22の表面に格子状に突設され、基部22の剛性を高めている。
【0016】
位置決め用凹部26が、図5に示されるように、扉3に形成された開口部20の左右方向の両縁部に、上下方向に所定のピッチで3つずつ凹設されている。
支持板27は、図4に示されるように、例えば板金で、表面板12の長辺に略等しい長さを有するコ字状に成形され、一方の脚部27bを開口部20の下部縁部に沿わせて基部27aを扉3の裏面に溶接によって固着して取り付けられている。さらに、支持板27Aは、図4に示されるように、例えば板金で、表面板12の長辺に略等しい長さを有するL字状に成形され、一方の脚部27bを開口部20の上部縁部に沿わせて基部27aを扉3の裏面に溶接によって固着して取り付けられている。
【0017】
地区窓ユニット10は、回路基板29が位置合わせされて地区窓プレート11の裏面に配置され、ねじ28をねじタップ付きノブ16に締着して、地区窓プレート11に固着さされて構成される。そして、回路基板29に実装された発光ダイオード(図示せず)が地区灯表示窓15の下部に位置し、発光ダイオードの発光が地区灯表示窓15から目視可能となっている。
【0018】
つぎに、このように構成された地区窓ユニット10を扉3に取り付ける手順について説明する。
【0019】
まず、地区窓ユニット10は、図10に示されるように、周壁13の短辺で構成される両側壁の外周面に突設された位置決め用突起17が位置決め用凹部26に入るように、扉3の前面側から周壁13側を開口部20内に押し入れる。この地区窓ユニット10の挿入動作により、第1傾斜面18bが開口部20の縁部に当たり、第1係止爪18は連結部18aを支点として周壁13の内側に曲げられる。そして、開口部20の縁部との当接部が第1傾斜部18b上を摺動して第2傾斜面18cに移ると、第1係止爪18は連結部18aを支点として周壁13の外側に向かって復元する。表面板12の裏面が、開口部20の縁部、すなわち扉3の前面に当接すると、それ以上の挿入が阻止される。このとき、第1係止爪18の弾性変形の復元力が第2傾斜面18cを介して扉3を表面板12に押圧するように作用する。これにより、地区窓ユニット10が、扉3にスナップフィット結合され、第1係止爪18の弾性変形の復元力により扉3に弾性支持される。また、地区窓ユニット10は、位置決め用突起17の位置決め用凹部26への嵌着により、位置決めされ、かつ上下方向の移動を規制される。
【0020】
地区窓ユニット10は、このようにして、上下方向に3つ並んで扉3に装着される。なお、開口部20の最上位置および最下位置に装着された地区窓ユニット10は、開口部20への挿入過程で、第2係止爪19の爪部19bの頭部の傾斜面が支持板27,27Aの脚部27bの延出端に当たり、ビーム部19aの根元部を支点として周壁13の内側に曲げられる。そして、表面板12の裏面が、扉3の前面に当接する直前で、爪部19bの頭部と脚部27bの延出端との当接がなくなり、第2係止爪19はビーム部19aの根元部を支点として周壁13の外側に向かって復元する。そして、第2係止爪19の弾性変形の復元力が爪部19bを介して支持板27,27Aおよび扉3を表面板12に押圧するように作用する。これにより、開口部20の最上位置および最下位置に装着された地区窓ユニット10が、第1および第2係止爪18,19の弾性変形の復元力により扉3に弾性支持される。
【0021】
ついで、図4に示されるように、補強部材21を扉3の裏面側から上下方向に隣り合う地区窓ユニット10間に押し入れる。このとき、補強部材21は、係止穴24の裏面側縁部が第2係止爪19の爪部19bの頭部の傾斜面を摺動し、ついで係止穴24の内周壁面が爪部19bの頭部の外側端部を摺動して、表面板12側に移動する。これにより、第2係止爪19は、ビーム部19aの根元部を支点として周壁13の内側に曲げられる。そして、脚部23が扉3の裏面に当接する直前で、爪部19bの頭部と係止穴24の内周壁面との当接がなくなり、第2係止爪19はビーム部19aの根元部を支点として周壁13の外側に向かって復元する。この第2係止爪19の弾性変形の復元力が爪部19bおよび基部22を介して脚部23を扉3の裏面に押圧するように作用する。これにより、補強部材21が、地区窓プレート11にスナップフィット結合され、第2係止爪19の弾性変形の復元力により扉3に弾性支持される。
【0022】
このように構成された防災監視盤1は、例えば建物の管理室に設置される。そして、各地区窓ユニット10の各地区窓14に、監視区域とその監視区域における監視する設備情報が割り振られる。そこで、割り振られた監視区域名とその監視区域における監視する設備情報名を記したプレート(図示せず)が各地区窓14に装着される。そして、例えば、火災報知設備(例えば、火災感知器)が作動すると、作動した火災報知設備が設置されている監視区域が割り振られた地区窓14の地区灯表示窓15の下部に位置する発光ダイオードが点灯される。管理室の監視者は、点灯した地区灯表示窓15の地区窓14に装着されたプレートから、その監視区域に火災が発生したことを目視確認できる。
【0023】
また、回路基板29が不良となれば、扉3の裏面側から第1および第2係止爪18,19による係止を解除し、当該回路基板29が実装された地区窓ユニット10を取り外す。そして、上記の操作により、新しい地区窓ユニット10を扉3に取り付けることになる。
【0024】
この発明によれば、地区窓ユニット10が、スナップフィット結合により扉3に取り付けられているので、現場での地区窓ユニット10の着脱作業時に、トルクドライバーなどを用いて締結トルクを管理する必要がなく、地区窓ユニット10の交換作業性が向上される。
【0025】
地区窓ユニット10は、周壁13に形成された位置決め用突起17と開口部20の内壁面に形成された位置決め用凹部26との嵌合により、上下方向の移動を規制されて扉3の開口部20に取り付けられている。そこで、交換対象の地区窓ユニット10のスナップフィット結合を解除するだけで、交換対象の地区窓ユニット10を取り外すことができる。さらに、位置決め用突起17を開口部20の内壁面に形成された位置決め用凹部26に嵌合させて、スナップフィット結合させるだけで、新しい地区窓ユニット10を扉3の開口部20に取り付けることができる。したがって、他の地区窓ユニット10を取り外すことなく、交換対象の地区窓ユニット10を取り替えることができ、地区窓ユニット10の交換作業性が向上される。
【0026】
地区窓プレート11が樹脂製であるので、低コスト化が図られる。
周壁13が矩形平板状の表面板12の裏面に立設されて矩形枠状に形成されているので、樹脂製の地区窓プレート11の剛性が高められる。
補強部材21が、扉3の裏面側から、係止穴24に地区窓プレート11の周壁13の上下方向両壁部に一体に形成された第2係止爪19を嵌め入れてスナップフィット結合されて、隣り合う地区窓ユニット10間に介装されているので、地区窓プレート11の剛性が高められる。
【0027】
上下方向に配列されている地区窓プレート11が同一形状に構成されているので、低コスト化が図られる。
第1係止爪18が、周壁13の表面板12との境界部およびその両側をコ字状に切り欠いて形成されて、周壁13との連結部18aを支点として弾性変形可能に構成され、連結部18aから表面板12に向かって漸次周壁13から離反する平坦な第1傾斜面18bと、その後表面板12に向かってステップ状に周壁13に近づく第2傾斜面18cと、を備えている。そこで、扉3の板厚が変わっても、第1係止爪18を扉3の表面側から開口部20から嵌め入れることで、扉3の開口部20の縁部を表面板12と第2傾斜面18cとの間に加圧挟持できるので、地区窓プレート11を扉3の板厚の異なる防災監視盤1に採用できる。地区窓プレート11の汎用性が高まり、低コスト化が図られる。
【0028】
なお、上記実施の形態1では、地区窓ユニット10が上下方向に3つ並んで扉3に装着されているものとしているが、地区窓ユニット10の上下方向の配列数は3つに限定されず、2つでも、4つ以上でもよい。
【0029】
また、上記実施の形態1では、地区窓ユニット10が上下方向に3つ並んで扉3に装着されているものとしているが、監視区域およびその監視区域における監視する設備情報を割り付ける地区窓14の個数が2つの地区窓ユニット10で十分な場合には、最下位に位置する地区窓ユニット10に替えて地区窓のない表面板を用いた空きユニットを装着すればよい。
【0030】
また、上記実施の形態1では、位置決め用突起17が周壁13の短辺で構成される両側壁の外周面の短辺長さ方向の中央部に突設されているものとしているが、周壁13の短辺で構成される両側壁の外周面における位置決め用突起17の突設位置を短辺長さ方向の一側に変位させ、位置決め用凹部26の高さ位置を、位置決め用突起17にあわせて変えてもよい。この場合、地区窓ユニット10の誤組み付けがなくなり、地区窓ユニット10の取り付け作業性が高められる。
【0031】
また、上記実施の形態1では、補強部材21を樹脂で作製するものとしたが、金属板で作製されてもよい。
また、上記実施の形態1では、位置決め用突起17を地区窓プレート11の周壁13に形成し、位置決め用凹部26を扉3の開口部20の内周面に形成するものとしているが、位置決め用凹部26を地区窓プレート11の周壁13に形成し、位置決め用突起17を扉3の開口部20の内周面に形成してもよい。
また、上記実施の形態1では、第1係止爪18の第2傾斜面18cの外周面がステップ状に形成されているものとしているが、第2傾斜面の外周面は平坦面でもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 防災監視盤、2 盤本体、3 扉、10 地区窓ユニット、11 地区窓プレート、12 表面板、13 周壁、14 地区窓、17 位置決め用突起、18 第1係止爪、19 第2係止爪、20 開口部、21 補強部材、24 係止穴、26 位置決め凹部、29 回路基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10