特許第5937932号(P5937932)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937932
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】スクリーン印刷機
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/42 20060101AFI20160609BHJP
   B41F 15/12 20060101ALI20160609BHJP
   B41F 15/08 20060101ALI20160609BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   B41F15/42
   B41F15/12 A
   B41F15/08 303E
   H05K3/34 505D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-202663(P2012-202663)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-58047(P2014-58047A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 桂資
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−187836(JP,A)
【文献】 特開2000−351197(JP,A)
【文献】 特開2010−219179(JP,A)
【文献】 特開2000−280444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/42
B41F 15/08
B41F 15/12
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スクリーンマスクと、
第1スクリーンマスクを第1マスク保持位置と第1マスク退避位置の間で移動可能な第1マスク保持装置と、
第2スクリーンマスクと、
第2スクリーンマスクを第2マスク保持位置と第2マスク退避位置の間で移動可能な第2マスク保持装置と、
回路基板を第1基板保持位置または第2基板保持位置で保持する基板保持装置と、
第1スキージと、
第2スキージと、
第1スキージおよび第2スキージを保持しており、使用するスキージを第1スキージと第2スキージの間で切換可能なスキージホルダと、
スキージホルダを移動可能なスキージ移動装置を備えており、
第1スキージを使用して第1マスク保持位置の第1スクリーンマスクを介して第1基板保持位置の回路基板に対してスクリーン印刷を行い、第2スキージを使用して第2マスク保持位置の第2スクリーンマスクを介して第2基板保持位置の回路基板に対してスクリーン印刷を行うスクリーン印刷機。
【請求項2】
スキージホルダが、
第1スキージと第2スキージを保持する第1ホルダと、
第1ホルダを第1回転軸周りに回転可能に保持する第2ホルダと、
第1ホルダを第2ホルダに対して第1回転軸周りに旋回させる第1アクチュエータと、
第2ホルダを第2回転軸周りに回転可能に保持しており、スキージ移動装置に保持される第3ホルダと、
第2ホルダを第3ホルダに対して第2回転軸周りに揺動させる第2アクチュエータを備えており、
第1回転軸が、第1スキージおよび第2スキージの長手方向に対して直交するように配置されており、
第2回転軸が、スクリーン印刷の際に第1スキージまたは第2スキージがスキージングする方向と第1回転軸の両者に対して直交するように配置されている請求項1のスクリーン印刷機。
【請求項3】
第1マスク退避位置の第1スクリーンマスクおよび/または第2マスク退避位置の第2スクリーンマスクを洗浄可能なマスククリーナをさらに備える請求項1のスクリーン印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、回路基板にクリームはんだをスクリーン印刷するスクリーン印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、回路基板上に微細なピッチでのスクリーン印刷と通常のピッチでのスクリーン印刷を別個の印刷段階で行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−60763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
微細なピッチでのスクリーン印刷と、通常のピッチでのスクリーン印刷では、使用するスクリーンマスクは異なるものとなる。また、微細なピッチでのスクリーン印刷と、通常のピッチでのスクリーン印刷では、通常は異なる粒径のクリームはんだを使用するため、使用するスキージについても異なるものとなる。
【0005】
従来技術では、微細なピッチでのスクリーン印刷と通常のピッチでのスクリーン印刷は、別個のスクリーン印刷機を用いて行っている。一台のスクリーン印刷機で微細なピッチでのスクリーン印刷と通常のピッチでのスクリーン印刷の双方を行おうとすると、まず微細なピッチでのスクリーン印刷に適したスクリーンマスクとスキージを作業者がセットし、その後に微細なピッチでのスクリーン印刷を実行し、その後にスクリーンマスクとスキージを通常のピッチでのスクリーン印刷に適したものに作業者が取替え、その後に通常のピッチでのスクリーン印刷を実行する必要があった。作業者がスクリーンマスクやスキージを取り替えることなく、一台のスクリーン印刷機で、複数種類のスクリーン印刷を行うことが可能な技術が期待されている。
【0006】
本明細書では、上記の課題を解決する技術を提供する。本明細書では、作業者がスクリーンマスクやスキージを取り替えることなく、一台のスクリーン印刷機で、複数種類のスクリーン印刷を行うことが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書が開示するスクリーン印刷機は、第1スクリーンマスクと、第1スクリーンマスクを第1マスク保持位置と第1マスク退避位置の間で移動可能な第1マスク保持装置と、第2スクリーンマスクと、第2スクリーンマスクを第2マスク保持位置と第2マスク退避位置の間で移動可能な第2マスク保持装置と、回路基板を第1基板保持位置または第2基板保持位置で保持する基板保持装置と、第1スキージと、第2スキージと、第1スキージおよび第2スキージを保持しており、使用するスキージを第1スキージと第2スキージの間で切換可能なスキージホルダと、スキージホルダを移動可能なスキージ移動装置を備えている。そのスクリーン印刷機は、第1スキージを使用して第1マスク保持位置の第1スクリーンマスクを介して第1基板保持位置の回路基板に対してスクリーン印刷を行い、第2スキージを使用して第2マスク保持位置の第2スクリーンマスクを介して第2基板保持位置の回路基板に対してスクリーン印刷を行う。
【0008】
上記のスクリーン印刷機では、回路基板に対して、第1スキージと第1スクリーンマスクを用いたスクリーン印刷と、第2スキージと第2スクリーンマスクを用いたスクリーン印刷の双方を行うことができる。作業者がスクリーンマスクやスキージを取り替えることなく、一台のスクリーン印刷機で、複数種類のスクリーン印刷を行うことができる。
【0009】
上記のスクリーン印刷機は、スキージホルダが、第1スキージと第2スキージを保持する第1ホルダと、第1ホルダを第1回転軸周りに回転可能に保持する第2ホルダと、第1ホルダを第2ホルダに対して第1回転軸周りに旋回させる第1アクチュエータと、第2ホルダを第2回転軸周りに回転可能に保持しており、スキージ移動装置に保持される第3ホルダと、第2ホルダを第3ホルダに対して第2回転軸周りに揺動させる第2アクチュエータを備えており、第1回転軸が、第1スキージおよび第2スキージの長手方向に対して直交するように配置されており、第2回転軸が、スクリーン印刷の際に第1スキージまたは第2スキージがスキージングする方向と第1回転軸の両者に対して直交するように配置されているように構成することができる。
【0010】
上記のスクリーン印刷機によれば、第2ホルダに対して第1ホルダを旋回させることで、使用するスキージを第1スキージと第2スキージとの間で切換えることができる。さらに、上記のスクリーン印刷機によれば、第2ホルダに対する第1ホルダの旋回と、第3ホルダに対する第2ホルダの揺動を組み合わせることで、第1スキージまたは第2スキージがスキージングする方向を反転させることができる。
【0011】
上記のスクリーン印刷機は、第1マスク退避位置の第1スクリーンマスクおよび/または第2マスク退避位置の第2スクリーンマスクを洗浄可能なマスククリーナをさらに備えるように構成することができる。
【0012】
上記のスクリーン印刷機によれば、第1スクリーンマスクまたは第2スクリーンマスクが使用されていない間に、マスククリーナを用いた洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】スクリーン印刷機10の構成を模式的に示す側面図である。
図2】微細なピッチでのスクリーン印刷を行う際の様子を示す側面図である。
図3】通常のピッチでのスクリーン印刷を行う際の様子を示す側面図である。
図4】第1スキージ36と第2スキージ38を切り替える様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例)
図面を参照しながら実施例のスクリーン印刷機10について説明する。図1に示すように、スクリーン印刷機10は、主に、基板搬送装置12と、基板保持装置14と、マスク保持装置16と、スキージ装置18を備えている。本実施例のスクリーン印刷機10は、回路基板wに対して、クリームはんだをスクリーン印刷する。本実施例のスクリーン印刷機10では、微細なピッチでのスクリーン印刷と、通常のピッチでのスクリーン印刷の双方を行うことができる。
【0015】
基板搬送装置12は、搬入コンベア(図示せず)と、メインコンベア20と、搬出コンベア(図示せず)を備えている。搬入コンベアは、スクリーン印刷機10の上流側の生産装置から回路基板wを受入れ、メインコンベア20へ送る。メインコンベア20は、搬入コンベアから受け取った回路基板wを基板保持装置14に受け渡す。また、メインコンベア20は、スクリーン印刷がなされた回路基板wを基板保持装置14から受け取り、搬出コンベアへ送る。搬出コンベアは、メインコンベア20から受け取った回路基板wを、スクリーン印刷機10の下流側の生産装置へ送り出す。
【0016】
基板保持装置14は、メインコンベア20から受け取った回路基板wを、スクリーン印刷のための基板保持位置で保持する。基板保持装置14は、回路基板wを側方から挟持するクランプ22と、回路基板wの下面側と当接するバックアップピン24と、バックアップピン24を支持する支持板26と、クランプ22および支持板26を昇降させる昇降機構(図示せず)を備える。
【0017】
マスク保持装置16は、第1マスク保持装置28と、第2マスク保持装置30と、マスククリーナ56を備えている。第1マスク保持装置28は、微細なピッチでのスクリーン印刷に使用される第1スクリーンマスク32を保持する。第1マスク保持装置28は、第1スクリーンマスク32を前後方向(図1の左右方向)にスライドさせることで、前方の第1マスク保持位置で第1スクリーンマスク32を保持することもできるし、後方の第1マスク退避位置で第1スクリーンマスク32を保持することもできる。第2マスク保持装置30は、通常のピッチでのスクリーン印刷に使用される第2スクリーンマスク34を保持する。第2マスク保持装置30は、第2スクリーンマスク34を前後方向にスライドさせることで、前方の第2マスク保持位置で第2スクリーンマスク34を保持することもできるし、後方の第2マスク保持位置で第2スクリーンマスク34を保持することもできる。本実施例のスクリーン印刷機10では、第1マスク保持装置28と第2マスク保持装置30は、それぞれ異なる高さに配置されているため、第1スクリーンマスク32と第2スクリーンマスク34が移動中に干渉してしまうことはない。微細なピッチでのスクリーン印刷を行う際には、第1スクリーンマスク32を第1マスク保持位置で保持し、第2スクリーンマスク34を第2マスク退避位置へ退避させる。通常のピッチでのスクリーン印刷を行う際には、第2スクリーンマスク34を第2マスク保持位置で保持し、第1スクリーンマスク32を第1マスク退避位置へ退避させる。マスククリーナ56は、第1マスク退避位置の第1スクリーンマスク32や、第2マスク退避位置の第2スクリーンマスク34を洗浄することができる。
【0018】
本実施例のスクリーン印刷機10では、第1スクリーンマスク32が保持される第1マスク保持位置と、第2スクリーンマスク34が保持される第2マスク保持位置は、その高さが異なっている。このため、基板保持装置14が回路基板wを保持する基板保持位置も、使用するスクリーンマスクに応じて異なったものとなる。微細なピッチでのスクリーン印刷の際に、第1スクリーンマスク32が第1マスク保持位置に保持される場合には、基板保持装置14は回路基板wを第1基板保持位置で保持する。第1基板保持位置は、第1マスク保持位置で保持された第1スクリーンマスク32を介したスクリーン印刷に適した基板保持位置である。通常のピッチでのスクリーン印刷の際に、第2スクリーンマスク34が第2マスク保持位置に保持される場合には、基板保持装置14は回路基板wを第2基板保持位置で保持する。第2基板保持位置は、第2マスク保持位置で保持された第2スクリーンマスク34を介したスクリーン印刷に適した基板保持位置である。
【0019】
スキージ装置18は、第1スキージ36と、第2スキージ38と、スキージホルダ40と、スキージ移動装置58と、はんだ供給装置(図示せず)を備えている。第1スキージ36は、第1スクリーンマスク32との組み合わせで使用される。本実施例では、第1スキージ36は、微細なピッチでのスクリーン印刷の際に使用される。第2スキージ38は、第2スクリーンマスク34との組み合わせで使用される。本実施例では、第2スキージ38は、通常のピッチでのスクリーン印刷の際に使用される。
【0020】
スキージホルダ40は、第1ホルダ42と、第2ホルダ44と、第3ホルダ46を備えている。第1ホルダ42は、第1スキージ36と第2スキージ38を保持する。図1に示す例では、第1スキージ36は第1ホルダ42に対して、後方(図1の右方向)へ傾斜するような角度で取り付けられており、第2スキージ38は第1ホルダ42に対して、前方(図1の左方向)へ傾斜するような角度で取り付けられている。第2ホルダ44は第1ホルダ42を第1回転軸C1周りに回転可能に保持している。第1回転軸C1は、第1スキージ36および第2スキージ38の長手方向に対して直交するように配置されている。第2ホルダ44は第1アクチュエータ48を内蔵しており、第1アクチュエータ48の駆動によって第1ホルダ42を第2ホルダ44に対して第1回転軸C1周りに旋回させる。第3ホルダ46は第2ホルダ44を第2回転軸C2(図1の紙面垂直方向の軸)周りに回転可能に保持している。第2回転軸C2は、スクリーン印刷の際に第1スキージ36または第2スキージ38がスキージングする方向、すなわちスクリーン印刷機10の前後方向(図1の左右方向)と第1回転軸C1の両者に対して直交するように配置されている。第3ホルダ46は第2アクチュエータ50を内蔵しており、第2アクチュエータ50の駆動によって第2ホルダ44を第3ホルダ46に対して第2回転軸C2周りに揺動させる。
【0021】
スキージ移動装置58は、上下移動装置52と前後移動装置54を備えている。上下移動装置52は、スキージホルダ40を上下方向に移動させる。前後移動装置54は、スキージホルダ40を前後方向(図1の左右方向)に移動させる。
【0022】
本実施例のスクリーン印刷機10の動作について説明する。上流側の生産装置から回路基板wが搬入されると、まず微細なピッチでのスクリーン印刷を行う。この場合、図2に示すように、第1マスク保持装置28によって第1スクリーンマスク32が第1マスク保持位置まで移動して保持され、第2マスク保持装置30によって第2スクリーンマスク34が第2マスク退避位置まで移動して保持される。そして、基板保持装置14がメインコンベア20から回路基板wを受け取り、回路基板wを第1基板保持位置まで移動して保持する。そして、上下移動装置52がスキージホルダ40を下降させて、第1スキージ36を第1スクリーンマスク32に押し当てる。この状態から、はんだ供給装置によってクリームはんだを第1スクリーンマスク32の上面に供給して、前後移動装置54がスキージホルダ40を前方に(図2の左側に)移動させる。これによって、第1スキージ36を用いた後方から前方へのスキージングが行われ、クリームはんだが第1スクリーンマスク32を介して回路基板wにスクリーン印刷される。
【0023】
図4の(a)に示すように、第1スキージ36を用いた後方から前方へのスキージングが完了すると、上下移動装置52によってスキージホルダ40を上昇させた後、第1スキージ36の向きを入れ換える。この際に、スキージホルダ40は、第2ホルダ44に対して第1ホルダ42を第1回転軸C1周りに180°旋回させて、さらに第3ホルダ46に対して第2ホルダ44を第2回転軸C2周りに揺動させる。そして、上下移動装置52によってスキージホルダ40を下降させて、第1スキージ36を第1スクリーンマスク32に再び押し当てる。そして、図4の(b)に示すように、第1スキージ36を用いて前方から後方へのスキージングを行う。このように構成することで、回路基板wの後方から前方へのスキージングと、前方から後方へのスキージングを、第1スキージ36の同一の面を使用して行うことができる。第1スキージ36を用いた前方から後方へのスキージングが完了すると、上下移動装置52によってスキージホルダ40を上昇させる。
【0024】
上記のような第1スキージ36と第1スクリーンマスク32を用いた微細なピッチでのスクリーン印刷を行っている間に、マスククリーナ56は使用していない第2スクリーンマスク34の洗浄を行う。
【0025】
上記のように微細なピッチでのスクリーン印刷が完了すると、次に通常のピッチでのスクリーン印刷を行う。この場合、図3に示すように、基板保持装置14が回路基板wを第2基板保持位置まで移動して保持する。また、第1マスク保持装置28によって第1スクリーンマスク32が第1マスク退避位置まで移動して保持され、第2マスク保持装置30によって第2スクリーンマスク34が第2マスク保持位置に移動して保持される。そして、スキージホルダ40は、第3ホルダ46に対して第2ホルダ44を第2回転軸C2周りに揺動させる。これによって、使用するスキージが第1スキージ36から第2スキージ38に切り替えられる。そして、上下移動装置52によってスキージホルダ40を下降させて、第2スキージ38を第2スクリーンマスク34に押し当てる。この状態から、はんだ供給装置によってクリームはんだを第2スクリーンマスク34の上面に供給して、前後移動装置54がスキージホルダ40を前方に(図3の左側に)移動させる。これによって、第2スキージ38を用いた後方から前方へのスキージングが行われ、クリームはんだが第2スクリーンマスク34を介して回路基板wにスクリーン印刷される。
【0026】
図4の(c)に示すように、第2スキージ38を用いた後方から前方へのスキージングが完了すると、上下移動装置52によってスキージホルダ40を上昇させた後、第2スキージ38の向きを入れ換える。この際に、スキージホルダ40は、第2ホルダ44に対して第1ホルダ42を第1回転軸C1周りに180°旋回させて、さらに第3ホルダ46に対して第2ホルダ44を第2回転軸C2周りに揺動させる。そして、上下移動装置52によってスキージホルダ40を下降させて、第2スキージ38を第2スクリーンマスク34に再び押し当てる。そして、図4の(d)に示すように、第2スキージ38を用いて前方から後方へのスキージングを行う。このように構成することで、回路基板wの後方から前方へのスキージングと、前方から後方へのスキージングを、第2スキージ38の同一の面を使用して行うことができる。第2スキージ38を用いた前方から後方へのスキージングが完了すると、上下移動装置52によってスキージホルダ40を上昇させる。
【0027】
上記のような第2スキージ38と第2スクリーンマスク34を用いた通常のピッチでのスクリーン印刷を行っている間に、マスククリーナ56は使用していない第1スクリーンマスク34の洗浄を行う。
【0028】
上記のように通常のピッチでのスクリーン印刷が完了すると、基板保持装置14は回路基板wをメインコンベア20へ受け渡す。スクリーン印刷がなされた回路基板wは、メインコンベア20から搬出コンベアを介して下流側の生産装置へ搬出される。
【0029】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0030】
例えば、上記では、第1スクリーンマスクと第2スクリーンマスクが異なる高さで配置されている構成を説明したが、移動時に互いに干渉することを回避可能であれば、同じ高さで配置されていてもよい。このような構成とすると、第1マスク保持位置と第2マスク保持位置を同じ高さとすることができ、基板保持装置が回路基板を保持すべき基板保持位置を同じ高さにすることができる。基板保持装置の機械構成をより簡素化することができる。
【0031】
また、上記では、2種類のスキージと2種類のスクリーンマスクを用いて、微細なピッチでのスクリーン印刷と通常のピッチでのスクリーン印刷を行う構成について説明したが、3種類以上のスキージと3種類以上のスクリーンマスクを用いて、3段階以上のピッチでのスクリーン印刷を行う構成とすることもできる。また、異なるピッチのスクリーン印刷を行う代わりに、例えばキャビティ基板における高さの異なる面のそれぞれにスクリーン印刷を行う構成としてもよい。
【0032】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0033】
10 スクリーン印刷機
12 基板搬送装置
14 基板保持装置
16 マスク保持装置
18 スキージ装置
20 メインコンベア
22 クランプ
24 バックアップピン
26 支持板
28 第1マスク保持装置
30 第2マスク保持装置
32 第1スクリーンマスク
34 第2スクリーンマスク
36 第1スキージ
38 第2スキージ
40 スキージホルダ
42 第1ホルダ
44 第2ホルダ
46 第3ホルダ
48 第1アクチュエータ
50 第2アクチュエータ
52 上下移動装置
54 前後移動装置
56 マスククリーナ
58 スキージ移動装置
図1
図2
図3
図4