特許第5937964号(P5937964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5937964胴体の縦通材を使用した航空機の無線通信のための方法と装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5937964
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】胴体の縦通材を使用した航空機の無線通信のための方法と装置
(51)【国際特許分類】
   B64C 1/06 20060101AFI20160609BHJP
   H01P 3/12 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   B64C1/06
   H01P3/12
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-514980(P2012-514980)
(86)(22)【出願日】2010年5月25日
(65)【公表番号】特表2012-529402(P2012-529402A)
(43)【公表日】2012年11月22日
(86)【国際出願番号】US2010036082
(87)【国際公開番号】WO2010144248
(87)【国際公開日】20101216
【審査請求日】2013年4月11日
【審判番号】不服2014-25498(P2014-25498/J1)
【審判請求日】2014年12月12日
(31)【優先権主張番号】12/484,151
(32)【優先日】2009年6月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ルイス, デニス エム.
(72)【発明者】
【氏名】グリーン, ウィリアム ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ボマー, ジェイソン ピー.
【合議体】
【審判長】 和田 雄二
【審判官】 氏原 康宏
【審判官】 島田 信一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/82644(WO,A1)
【文献】 特開2008−28549(JP,A)
【文献】 特開平10−13111(JP,A)
【文献】 特開2007−195176(JP,A)
【文献】 特表平6−506810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64B 1/00-7/00
B64C 1/00-39/12
B64D 1/00-47/08
B64F 1/00-5/00
B64G 1/00-9/00
F03H 1/00-5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のチャネルを有する複合材料部分と、第1のチャネル内部に位置する発泡材料であって、第2のチャネルを有する発泡材料と、第2のチャネル内部に位置して、任意の数の無線信号を搬送することができる導波管と
を含む縦通材、
を備え、
導波管の側面側の導電材料は、航空機の胴体の外板、または、航空機の翼の外板に接するように形成されている装置。
【請求項2】
縦通材と関連付けられて、導波管内を搬送される任意の数の無線信号を交換することができる複数のデバイス
を更に備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
縦通材は、更に、航空機のフレーム、及び航空機のリブのうちの一つに取り付け可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
各々が関連する導波管を有している任意の数の縦通材
を更に備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
導波管へのアクセス点
を更に備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
アクセス点が、伝送線路、プローブ、及びアンテナのうちの一つからなっている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
縦通材が航空機の内部に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
ビークル内で無線信号を送信するための方法であって、
ビークル内において、第1のデバイスから任意の数の縦通材内に位置する任意の数の導波管の中へと任意の数の無線信号を送信することと、
任意の数の縦通材内の任意の数の導波管内で任意の数の無線信号を搬送することと、
第2のデバイスにおいて任意の数の導波管から任意の数の無線信号を受け取ることと
を含み、
各縦通材が、
第1のチャネルを有する複合材料部分と、
第1のチャネル内部に位置する発泡材料であって、第2のチャネルを有し、第2のチャネル内部に導波管が位置している発泡材料と
を含み、
導波管の側面側の導電材料は、ビークルの外板に接するように形成されている、
方法。
【請求項9】
任意の数の縦通材内の任意の数の導波管がビークル内のネットワークの一部であり、且つネットワークが、任意の数の伝送線路、任意の数の光ケーブル、及び任意の数のエアインターフェースのうちの少なくとも一つを更に含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して航空機に関するものであり、特に航空機のネットワークデータ処理システムに関するものである。更に具体的には、本発明は、航空機のネットワークデータ処理システムに縦通材を使用する無線通信及びパワー系統のための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機は、動力を使用して情報を交換する多数のデバイスを含んでいる。これらのデバイスには、例えば、限定しないが、フライトコントロールコンピュータ、機内エンタテイメントシステム、ライン交換可能ユニット、環境制御システム、センサ、及びその他の適切な装置が含まれる。これらのデバイスの多くは、重大な影響力を持つものではなく、また少量の動力しか必要としない。これらのデバイスの例には、近接センサ、温度センサ、加速度計、及び/又はその他何らかの適切な種類のセンサが含まれる。これらのセンサ及び他の種類のセンサを航空機のヘルスモニタリングシステムに使用して、航空機のヘルスモニタリングを実行することができる。
【0003】
ヘルスモニタリングシステム内のセンサは、航空機が動作する間の種々の状態を監視することができる。例えば、センサは、種々のデバイスの温度、振動、力、及び/又はその他の関連条件を監視する。この情報は、ヘルスモニタリングシステムのライン交換可能ユニット、又はその他の種類のデータ処理システムに送られる。この情報を分析することにより、航空機のメンテナンスの必要性が認識される。その結果、このような種類のセンサにより、状態に基づくメンテナンス及び安全性の向上を含む恩恵が得られる。
【0004】
航空機にヘルスモニタリングシステムを実装するには、ヘルスモニタリングシステム内の異なるデバイス間で情報及び動力を交換するために使用される配線を付加することになる。ヘルスモニタリングシステムのためのこのような配線は、航空機の重量、コスト、及び/又はメンテナンスの負担を増加させる。このような要因により、性能低下及び/又は運転費の増大が生じうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述の問題の一又は複数、並びに他に生じうる問題を考慮した方法と装置を有することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
有利な一実施形態では、装置は、チャネルを有する縦通材と、チャネル内部に位置する導波管とを備えている。導波管は、任意の数の無線信号を搬送することができる。別の有利な実施形態では、航空機のネットワークデータ処理システムは、複数の複合縦通材と複数のデバイスとを備えている。複数のデバイス及び縦通材がネットワークデータ処理システムの一部であり、ネットワークデータ処理システムがビークル内に位置している。複数の複合縦通材は、航空機の外板に取り付けられて、任意の数の無線信号を搬送することができる。ネットワークデータ処理システムは、ヘルスモニタリングシステム、フライトコントロールシステム、機内エンタテイメントシステム、及び環境制御システムのうちから選択された少なくとも一つであってもよい。
【0007】
数の複合縦通材は、航空機の外板に取り付けられて、任意の数の無線信号を搬送することができる。任意の数の無線信号は、情報信号及び動力信号から選択された少なくとも一つである。複数の複合縦通材の各々は、第1のチャネル、第1のチャネル内部に位置する発泡材料、第2のチャネル、及び第2のチャネル内部に位置する導波管を備えている。導波管が、第2のチャネルの壁に取り付けられた金属材料を含んでもよい。複数のデバイスは、複数の複合縦通材に関連付けられており、複数の複合縦通材内で任意の数の無線信号を交換することができる。
【0008】
また別の有利な実施形態では、ビークル内で無線信号を送信する方法が提示される。任意の数の無線信号が、第1のデバイスから、ビークルの任意の数の縦通材の内部に位置する任意の数の導波管の中に送信される。任意の数の無線信号は、任意の数の縦通材中の任意の数の導波管内で搬送される。任意の数の無線信号は、任意の数の導波管から、第2のデバイスによって受け取られる。
【0009】
これらの特長、機能、及び利点は、本発明の種々の実施形態において単独で達成することができるか、或いは他の実施形態において組み合わせることができる。これらの実施形態の更なる詳細は、後述の説明と添付図面を参照して見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
新規の特長と考えられる有利な実施形態の特徴は、特許請求の範囲に規定されている。しかしながら、有利な実施形態と、好ましい使用モード、更なる目的、及びその利点は、添付図面と併せて本発明の有利な実施形態に関する後述の詳細な説明を参照することにより最もよく理解されるであろう。
【0011】
図1図1は、有利な一実施形態による航空機の製造及び整備方法を示している。
図2図2は、有利な一実施形態が実装される航空機を示している。
図3図3は、有利な一実施形態によるネットワーク環境を示している。
図4図4は、有利な一実施形態による航空機の胴体の一部を示している。
図5図5は、有利な一実施形態による、ネットワーク内で互いに接続された複合縦通材を示している。
図6図6は、有利な一実施形態による導波管を有するハット形状の縦通材の斜視断面図である。
図7図7は、有利な一実施形態による複合導縦通材の一部の斜視断面図である。
図8図8は、有利な一実施形態によるアクセスポイントを有する導波管の断面図である。
図9図9は、有利な一実施形態によるアクセスポイント位置を有する複合縦通材を示す。
図10図10は、有利な一実施形態によるデータ処理システムを示す。
図11図11は、有利な一実施形態によるビークル内で無線信号を送信する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を更に詳細に参照し、本発明の実施形態について、図1に示される航空機の製造及び整備方法100、及び図2に示される航空機200の観点から説明する。まず図1には、有利な一実施形態による航空機の製造及び整備方法が示されている。製造前の段階では、例示的な航空機の製造及び整備方法100は、図2の航空機200の仕様及び設計102と、材料調達104とを含みうる。
【0013】
製造段階では、図2の航空機200のコンポーネント及びサブアセンブリの製造106と、システムインテグレーション108とが行われる。その後、図2の航空機200は認可及び納品110を経て就航112される。顧客により就航される間に、図2の航空機200は定期的なメンテナンス及び整備114を受ける。これには、改造、再構成、改修な、及びその他のメンテナンス又は整備が含まれる。
【0014】
航空機の製造及び整備方法100の各プロセスは、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレーターによって実施又は実行されうる。このような実施例において、オペレーターは顧客でありうる。本明細書の目的のために、システムインテグレーターは、限定しないが、任意の数の航空機製造者、及び主要なシステム下請業者を含むことができ、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むことができ、オペレーターは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0015】
図2には、有利な実施形態を実装することができる航空機が示されている。この実施例では、航空機200は、図1の航空機製造及び整備方法100によって製造されたものであり、複数のシステム204及び内装206を有する機体202を含むことができる。システム204の例には、推進システム208、電気システム210、油圧システム212、環境システム214、及び航空機ネットワークデータ処理システム216のうちの一又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙産業の実施例を示したが、種々の有利な実施形態は、自動車産業のような他の産業にも適用可能である。
【0016】
本明細書に具現化された装置及び方法は、図1に示す航空機の製造及び整備方法100の一又は複数の任意の段階で採用することができる。例えば、図1に示すコンポーネント及びサブアセンブリの製造106において製造されるコンポーネント又はサブアセンブリは、航空機200が図1の就航112中に製造されるコンポーネント又はサブアセンブリと同様の方法で作製又は製造することができる。
【0017】
また、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組み合わせは、例えば、限定しないが、航空機200の組立てを実質的に効率化するか、又は航空機200のコストを削減することにより、図1のコンポーネント及びサブアセンブリの製造106及びシステムインテグレーション118などの製造段階において利用される。同様に、装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組み合わせのうちの一又は複数を、図1に示す航空機200の就航112中、又はメンテナンス及び整備114中に利用することができる。
【0018】
図示の実施例のように、一又は複数の有利な実施形態では、航空機ネットワークデータ処理システム216のような航空機ネットワークデータ処理システムは、図1のシステムインテグレーション108の間に実装することができる。航空機のネットワークデータ処理システム216を使用して、情報と動力とを分配することができる。
【0019】
この種のネットワークには、例えば、限定しないが、ヘルスモニタリングシステム、フライトコントロールシステム、機内エンタテイメントシステム、環境制御システム、及び/又は航空機200内で情報及び/又は動力を交換するその他の種類のシステムが含まれる。また別の有利な実施形態では、航空機ネットワークデータ処理システム216は、図1のメンテナンス及び整備114の間に実装することができる。メンテナンス及び整備114の間に、航空機ネットワークデータ処理システム216を含むように、航空機200に対するアップグレードを実行することができる。
【0020】
種々の有利な実施形態は、任意の数の異なる検討事項を認識し、考慮している。例えば、種々の有利な実施形態は、無線ネットワークを使用して航空機内部で情報及び動力を分配できることを認識し、考慮している。しかしながら、種々の有利な実施形態は、この種のシステムが任意の数の異なる問題を有しうることを認識している。例えば、客室又は胴体内部で送信器及び中継器を使用する無線ネットワークでは、干渉が生じうる。例えば、限定しないが、人、ガレーカート、及び/又はその他のアイテムが、航空機内部の無線信号の伝播を妨害することがある。
【0021】
種々の有利な実施形態は、このような信号が客室又は胴体のその他のオープンエリア内部で送信されるとき、情報及び動力の信号を送信するために、動力の増大が必要となりうることを認識し、考慮している。このような種類の信号は、他のデバイス及び/又は信号への干渉を引き起こす場合がある。
【0022】
このように、種々の有利な実施形態は、航空機の内部で信号を分配するための方法と装置を提供する。有利な一実施形態では、航空機の縦通材はチャネルを有している。チャネル内部には導波管が位置している。この導波管は任意の数の信号を搬送することができる。即ち、導波管は、任意の数の信号を搬送するように構成されている。任意の数の信号は、図示の実施例では、情報信号及び動力信号から選択された少なくとも一つである。
【0023】
本明細書において、アイテムを列挙して「〜のうちの少なくとも一つ」という言いまわしを使用する場合、列挙されたアイテムの一又は複数からなる異なる組み合わせが使用可能であること、及び列挙されているアイテムのいずれかが一つだけあればよいことを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも一つ」は、例えば、限定しないが、アイテムA、或いはアイテムAとアイテムBを含む。この例は、アイテムAとアイテムBとアイテムC、或いはアイテムBとアイテムCも含む。
【0024】
図3には、有利な一実施形態によるネットワーク環境が示されている。この実施例では、ネットワーク環境300はネットワークデータ処理システム302を含む。ネットワークデータ処理システム302は、ネットワーク環境300内の航空機306内部に位置する航空機ネットワークデータ処理システム304の形態をとることができる。
【0025】
ネットワークデータ処理システム302は、任意の数のデバイス310が関連付けられたネットワーク308を有する。任意の数のデバイス310は、ネットワーク308を使用して情報312及び動力314のうちの少なくとも一つを送信及び/又は受信することができるあらゆるデバイスとすることができる。任意の数のデバイス310に含まれる一のデバイスは、このデバイスがネットワーク308を使用して情報312及び動力314のうちの少なくとも一つを送信及び/又は受信できる場合、ネットワーク308に関連付けられる。
【0026】
情報312は、例えば、データ、コマンド、プログラム、及び/又はその他適切な情報といった情報を含んでいる。動力314は、任意の数のデバイス310に動力供給するために使用することができる。本明細書で使用する場合、アイテムに関して任意の数のという場合、一又は複数のアイテムを指す。例えば、任意の数のデバイス310は、一又は複数のデバイスである。このような実施例では、任意の数のデバイス310は、例えば、限定しないが、任意の数のライン交換可能ユニット316、任意の数のコンピュータ318、任意の数のセンサユニット320、任意の数のアクチュエータ322、及び/又はその他いずれかの適切な種類のデバイスとすることができる。
【0027】
ネットワーク308は、任意の数のデバイス310間のリンク324となる媒体である。リンク324は、情報312及び/又は動力314を搬送することができる。リンク324は、配線、無線通信リンク、光ファイバケーブル、伝送線路、エアインターフェース、及び/又はその他の適切な種類のコンポーネントにより実現が容易になる。情報312及び動力314は、リンク324内を信号326として送信又は搬送される。
【0028】
種々の実施例では、リンク324の少なくとも一部は、任意の数の縦通材328を使用して提供される。任意の数の縦通材328は航空機306の内部330に配置することができる。任意の数の縦通材328は任意の数の導波管332を有することができる。
【0029】
このような実施例では、任意の数の縦通材328は任意の数の複合縦通材333の形態をとることができる。このような実施例では、任意の数の導波管332及び任意の数の縦通材328は、任意の数の無線信号334の形態の信号326を搬送することができる。任意の数の無線信号334は、情報信号336及び動力信号338のうちの少なくとも一つを含みうる。
【0030】
このような実施例では、任意の数の縦通材328は、例えば、限定しないが、胴体340、外板342、リブ344、フレーム346、及び/又は航空機306内部のその他の適切な構造といった航空機306内部の構造に接続される。任意の数の縦通材328は非連続でもよい。即ち、任意の数の縦通材328は、複数の縦通材が存在する場合、ネットワーク308内部で互いに接続していなくともよい。
【0031】
結果として、任意の数の縦通材328は、互いに接続されてネットワーク308を形成することができる。更に、ネットワーク308内部において、任意の数の縦通材328に複数の縦通材が含まれている場合、これらの縦通材は互いに接続されていてよい。例えば、限定しないが、任意の数の縦通材のうちの縦通材348と縦通材350とは、伝送線路352を使用して互いに接続されていてよい。伝送線路352は、例えば、限定しないが、情報信号336及び/又は動力信号338を導通することができるあらゆる構造とすることができる。例えば、限定しないが、伝送線路352は、同軸ケーブル、光ケーブル、及び/又はその他何らかの適切な種類のケーブルとすることができる。
【0032】
幾つかの実施例では、任意の数のアンテナ354を任意の数の縦通材328に接続することにより、任意の数の無線信号334を、任意の数のデバイス310の一部358が位置するローカルエリア356内へと送信することができる。ローカルエリア356は、航空機306内部のいずれの位置でもよい。例えば、ローカルエリア356は、客室の上部、航空機306の客室内壁の外板パネル間、及び/又はその他何らかの適切な位置とすることができる。
【0033】
この実施例の複合縦通材360は、任意の数の複合縦通材333のうちの一の縦通材の実施例である。複合縦通材360はチャネル362を有することができる。チャネル362内部には発泡材料364を配置することができる。加えて、発泡材料364もチャネル366を有することができる。
【0034】
導波管368は、任意の数の導波管332のうちの一の導波管の一実施例であり、チャネル366内部に位置している。導波管368は、導電材料370、及び/又は誘電材料372から構成することができる。用途によっては、導波管368はチャネル366の壁374に取り付けてもよい。当然ながら、他の有利な実施形態では、導波管368はチャネル366内部に位置する構造376の形態をとることもできる。
【0035】
導波管が導電材料370の形態をとるとき、導電材料370は金属378とすることができる。特定の実施例として、金属378は壁374に適用されたコーティング、箔、シート、又はその他何らかの適切な形態の金属378とすることができる。このような実施例では、金属378は、例えば、限定しないが、銅箔とすることができる。金属378は、任意の数の異なる機構により壁374に取り付けることができる。例えば、限定しないが、金属378は、導電性塗料、電解金属蒸着、及び/又はその他の適切な機構を使用して適用することができる。
【0036】
図3に示すネットワーク環境300は、物理的限定又はアーキテクチャ的限定を意味するものではなく、種々の有利な実施形態を実施することができる。図示されたコンポーネントに加えて及び/又は替えて、他のコンポーネントを使用してもよい。幾つかの有利な実施形態では幾つかのコンポーネントが不要でありうる。また、ブロックは、幾つかの機能的コンポーネントを表わすために提示されている。これらのブロックのうちの一又は複数は、他の有利な実施形態において実施されるとき、異なるブロックに統合及び/又は分割される場合がある。
【0037】
例えば、幾つかの有利な実施形態では、ネットワーク308は、任意の縦通材328のみを含む。更に、任意の数の縦通材328のうちの幾つかの縦通材は、導波管を含まなくともよい。別の実施例として、幾つかの有利な実施形態では、ネットワーク308を通じて情報312だけが分配される。他の有利な実施形態では、任意の数の縦通材328のうちの一の縦通材が複数の導波管を含む。
【0038】
図示の実施例では、導波管368は、複合縦通材360のチャネル362内部に位置している。このような実施例では、導波管368は、発泡材料364内部のチャネル366内に位置しており、発泡材料364はチャネル362内部に位置している。他の有利な実施形態では、導波管368は、発泡材料364を有さない複合縦通材360内のチャネル362内部に位置している。例えば、導波管368は、導電材料370及び/又は誘電材料372を使用して、チャネル362内に形成することができる。
【0039】
図4には、有利な一実施形態による航空機の胴体の一部が示されている。この実施例では、胴体400は、図2の航空機200の胴体の一部の実施例である。
【0040】
胴体400は外板402を有し、外板402はリブ404などの構造によって支持される。縦通材406は、リブ404を相互接続し、矢印408の方向にリブ404を通過して延びている。このような実施例では、縦通材406の一又は複数は導波管を有し、無線信号を搬送することができる。
【0041】
例えば、縦通材410、412、及び414は、外板402に取り付けられて、無線信号416、418、及び420を搬送する。加えて、胴体400内部には、矢印424の方向に延びる縦通材422もあってよい。この実施例では、縦通材426は無線信号429を搬送する。このような種々の無線信号は、例えば、情報信号及び/又は動力信号である。
【0042】
更に、アクセス点428、430、432、434、及び436は、縦通材410、412、414、及び426へのアクセス点となって、これらの縦通材内部の導波管外へ無線信号416、418、420、及び429を送信することができる。アクセス点428は、縦通材410に一体化されているか、又は縦通材410上に位置している。アクセス点430は縦通材412上に位置しており、アクセス点436は縦通材414上に位置している。この実施例では、アクセス点432及び434は縦通材426上に位置している。このようなコンポーネントは胴体400内にネットワーク438を形成している。ネットワーク438は、図3のネットワーク308のようなネットワークの一実施例である。
【0043】
図5は、有利な一実施形態による、ネットワーク内で互いに接続された複合縦通材が示されている。この実施例では、ネットワーク500は、図3のネットワーク308の一実装態様の一実施例である。ネットワーク500は、複合縦通材502、504、及び508から構成されている。複合縦通材502、504、及び508は、図3に示す任意の数の縦通材328内部で互いに接続された複合縦通材の実施例である。
【0044】
このような複合縦通材は、伝送線路510及び512を使用して互いに接続されている。ネットワーク500内で接続されたこのような複合縦通材はバスを形成することができる。この実施例では、複合縦通材502は伝送線路510によって複合縦通材504に接続されている。複合縦通材504は伝送線路512によって複合縦通材508に接続されている。
【0045】
入力部514は、このような実施例において無線周波数発生器からの信号の入力部となる。無線信号は、複合縦通材502、504、及び508の導波管を通して出力部516に送信される。出力部516は伝送線路又は無線インターフェースによってセンサに接続される。
【0046】
図6は、有利な一実施形態による、導波管を有するハット形状の縦通材の斜視断面図である。複合縦通材600は、図3の複合縦通材360の一実装態様の一実施例である。
【0047】
この実施例では、複合縦通材600はハット形状を有する。複合縦通材600は、複合材料602と、発泡材料604と、導波管608用の導電材料606とからなっている。この実施例では、導波管608は、矩形の導波管である。当然ながら、導波管608には他の形状も選択可能である。例えば、導波管608は、矩形、楕円形、円形、又は他の何らかの適切な形状とすることができる。
【0048】
図7は、有利な一実施形態による複合縦通材の一部を示す斜視断面図である。この実施例では、複合縦通材700は、図3の複合縦通材360の別の実装態様の一実施例である。
【0049】
この実施例では、複合縦通材700は、複合材料702と、発泡材料704と、導波管708のための構造を形成する導電材料706とからなっている。この実施例では、導波管708の側面710側の導電材料706は、外板パネル712に接するように形成される。
【0050】
図6〜7に示される複合縦通材の実施例は、上述のように種々の形態の導電材料を利用することができる。例えば、限定しないが、銅箔が使用された場合、接着膜又はその他何らかの形態の接着剤を銅箔に適用することができる。硬化プロセスの間に、この接着膜を使用して銅箔を発泡材料に接着することができる。
【0051】
更に、このような実施例は、導波管が完全に発泡材料の内部に包含されなくてもよいことを示している。例えば、図7では、導波管の複数の部分が、縦通材の複合材料又は外板パネル712に接して位置している。また、これらの実施例には単一の導波管が図示されているが、他の有利な実施形態では、縦通材を通って延びる複数の導波管が使用されていてよい。
【0052】
図8は、有利な一実施形態による、一のアクセス点を有する導波管の断面図である。複合縦通材800を使用して、例えば図5の複合縦通材502、504、及び508のような複合縦通材を実装することができる。この実施例では、複合縦通材800は、複合材料802、発泡材料804、及び導波管808用の導電材料806を含んでいる。
【0053】
導電材料806は、発泡材料804の壁810と外板パネル812とに接して位置することができる。アクセス点814は、同軸ケーブル816を使用して形成される。同軸ケーブル816は、導波管808の空洞820内へ延びる中心導体818を有することができる。中心導体818は、空洞820内部の波を伝播させて同軸ケーブル816に伝えることができる。同軸ケーブル816は、コンポーネント821で終端させることができる。同軸ケーブル816と中心導体818とは、空洞820内においてプローブとして使用される伝送線路の一実施例である。コンポーネント821は、別のデバイス、アンテナ、縦通材、又は他の何らかの適切なコンポーネントとすることができる。他の有利な実施形態では、空洞820にアンテナを統合するか、及び/又は空洞820内にアンテナを配置することにより、アクセス点814を形成することができる。
【0054】
距離822は、中心導体818が空洞820内に延びる距離である。距離824は、壁826から中心導体818までの距離である。これらの距離は、この実施例では、同軸導波管インターフェースの電気性能を最適化して所望の周波数範囲及び選択された導波管サイズを達成するコンピュータプログラムを使用して決定される。
【0055】
図9は、有利な一実施形態による、アクセス点のための位置を有する複合材料を示している。この実施例では、複合縦通材900は、図3の複合縦通材360の一実装態様の一実施例である。
【0056】
複合縦通材900は、複合材料902、発泡材料904、及び導電材料906からなっている。導電材料906は、発泡材料904のチャネル908内に位置して複合縦通材900内部に導波管910を形成している。この実施例では、複合縦通材900の端部916から距離914だけ離れた位置に、メッキした穴912が配置されている。距離914は、同軸導波管インターフェースの電気性能を最適化して所望の周波数範囲及び選択された導波管サイズを達成するコンピュータプログラムを使用して決定することができる。図8のプローブはメッキした穴912に挿入される。
【0057】
図10は、有利な一実施形態によるデータ処理システムを示している。データ処理システム1000は、図3の任意の数のデバイス310に含まれうる一のデバイスの実施例である。特に、データ処理システム1000を使用して、例えば、限定しないが、図3に示す任意の数のライン交換可能ユニット316及び任意の数のコンピュータ318といったデバイスを実施することができる。
【0058】
データ処理システム1000は、任意の数のセンサユニット320及び/又は図3に示す任意の数のデバイス310のうちのその他のデバイスから情報を受け取ることができる。この実施例では、データ処理システム1000は通信ファブリック1002を含み、通信ファブリック1002は、プロセッサユニット1004、メモリ1006、固定記憶域1008、通信ユニット1010、入力/出力(I/O)ユニット1012、及びディスプレイ1014間に通信を提供する。
【0059】
プロセッサユニット1004は、メモリ1006にローディングできるソフトウェアのための命令を実行する。プロセッサユニット1004は、用途に応じて、一又は複数のプロセッサからなる組とするか、或いはマルチプロセッサコアとすることができる。更に、プロセッサユニット1004は、単一のチップ上にメインプロセッサと二次プロセッサが存在する一又は複数のヘテロジニアスプロセッサシステムを使用して実装することができる。別の実施例として、プロセッサユニット1004は、同種のプロセッサを複数含む対称なマルチプロセッサシステムとすることができる。
【0060】
メモリ1006及び固定記憶域1008は、記憶装置1016の実施例である。記憶装置は、情報を記憶することができるハードウェアのいずれかの部分であり、例えば、限定しないが、データ、機能的な形式のプログラムコード、及び/又は一時的な及び/又は永久的なその他の適切な情報といった情報を記憶することができる。
【0061】
このような実施例のメモリ1006は、例えば、ランダムアクセスメモリか、或いはその他の適切な揮発性又は非揮発性の記憶装置とすることができる。固定記憶域1008は、用途に応じて様々な形態をとることができる。例えば、固定記憶域1008は、一又は複数のコンポーネント又はデバイスを含むことができる。例えば、固定記憶域1008は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、再書き込み可能光ディスク、再書き込み可能磁気テープ、又はこれらの何らかの組み合わせとすることができる。
【0062】
このような実施例では、通信ユニット1010は他のデータ処理システム又は装置との通信を行う。このような実施例では、通信ユニット1010はネットワークインターフェースカードである。
【0063】
入力/出力ユニット1012は、データ処理システム1000に接続される他のデバイスとのデータの入出力を可能にする。例えば、入力/出力ユニット1012は、キーボード、マウス、及び/又はその他何らかの適切な入力デバイスによるユーザ入力のための接続を提供する。更に、入力/出力ユニット1012は、出力をプリンタへ送信することができる。ディスプレイ1014は、ユーザに対して情報を表示するための機構となる。
【0064】
オペレーションシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムのための命令は記憶装置1016に位置させることができ、記憶装置1016は通信ファブリック1002を介してプロセッサユニット1004と通信する。このような実施例では、命令は固定記憶域1008上に機能的な形式で存在する。これらの命令は、メモリ1006にローディングされてプロセッサユニット1004によって実行される。このプロセスは、コンピュータによって実施される命令を使用してプロセッサユニット1004によって実行される。このような命令は、メモリ1006のようなメモリ内に位置させることができる。
【0065】
このような命令は、プログラムコード、コンピュータで使用可能なプログラムコード、又はコンピュータで読み取り可能なプログラムコードと呼ばれ、プロセッサユニット1004に含まれる一のプロセッサによって読み取られ、実行される。種々の実施形態のプログラムコードは、メモリ1006、又は固定記憶域1008といった、コンピュータで読み取り可能な物理的な又は有形の様々な媒体上に具現化することができる。
【0066】
図10に示すデータ処理システム1000は、物理的限定又はアーキテクチャ的限定を意味するものではなく、種々のデバイスを実装することができる。他のセンサユニット及びデータ処理システムは、図示されたコンポーネントに加えて及び/又は替えて、他のコンポーネントを含むことができる。更に、幾つかの有利な実施形態は、コンポーネントの幾つかを含まなくてもよい。例えば、幾つかの有利な実施形態では、データ処理システム1000のディスプレイ1014は不要でありうる。
【0067】
図11は、有利な一実施形態による、ビークル内で無線信号を送信する方法のフロー図である。図11に示されるプロセスは、図3のネットワーク環境300といったネットワーク環境において実施可能である。具体的には、この図に示すプロセスは、ビークルにおける、図3に示すネットワークデータ処理システム300において実施することができる。このビークルは、図3の航空機306など、様々な形態をとることができる。
【0068】
このプロセスは、第1のデバイスから、ビークルの任意の数の縦通材内に位置する任意の数の導波管へ、任意の数の無線信号を送信する(工程1100)ことによって開始される。このような無線信号は、第1のデバイスにより、工程1100において、任意の数の導波管のうちの一の導波管内へと送信される。このような送信は、第1のデバイスを導波管に接続するケーブル又はその他のコネクタを介して行われる。
【0069】
別の構成では、第1のデバイスは、エアインターフェースを通して任意の数の無線信号を送信することができ、このような信号は、導波管に接続されたアンテナにおいて受信される。このようにして、第1のデバイスはこの導波管に関連付けられる。この実施例に示されるように、関連付けは、第1のデバイスから任意の数の導波管のうちの一つへ無線信号を送信することができる物理的接続又は無線接続とすることができる。このようにして、これらの無線信号は導波管内へと送信される。
【0070】
次いで、この方法は、任意の数の縦通材内の任意の数の導波管内において、任意の数の無線信号を搬送する(工程1102)。任意の数の無線信号は、任意の数の導波管から第2のデバイスで受け取られ(工程1104)、その後この方法は終了する。この実施例では、任意の数の実施例では、任意の数の信号が第2のデバイスに送信される。この第2のデバイスは、任意の数の導波管に関連付けられている。
【0071】
第2のデバイスは、任意の数の導波管のうちの一又は複数から無線信号を受け取ることができることによって、任意の数の導波管と関連付けられている。第1のデバイスの場合と同様に、第2のデバイスは、導波管の一又は複数に、アクセス点で接続される。他の有利な実施形態では、アクセス点はエアインターフェースへと無線信号を放射するアンテナを有することができ、放射された無線信号は第2のデバイスによって受信される。
【0072】
図示された種々の実施形態のフロー図及びブロック図は、種々の有利な実施形態における装置及び方法の幾つかの可能な実装態様の、アーキテクチャ、機能性、及び動作を説明している。これに関して、フロー図又はブロック図の各ブロックは、一の動作又はステップのモジュール、セグメント、機能、及び/又は一部を表わしている。幾つかの異なる実装態様では、ブロックに示された一又は複数の機能は、図示された順番で生じなくてもよい。例えば、場合によっては、連続して示された二つのブロックは、使用される機能性によっては、ほぼ同時に実行されてよく、或いはこれらのブロックは、時に逆の順番で実行されてもよい。
【0073】
このように、種々の有利な実施形態は、無線信号を送信するための方法と装置を提供する。有利な一実施形態では、装置はチャネルを有する縦通材を備える。導波管がチャネル内部に配置され、チャネル内において、導波管は任意の数の無線信号を搬送することができる。
【0074】
種々の有利な実施形態では、縦通材は、発泡材料のコアを有する複合縦通材の形態をとることができ、この発泡材料コア内のチャネル内部には導波管が配置される。これらの縦通材は、航空機の内部に位置することができる。縦通材は、航空機の外板パネルに沿って位置するか、又は航空機の胴体を横切って延びることができる。
【0075】
これらの縦通材に導波管を組み込むことにより、種々の有利な実施形態は、これらの導波管を通して種々のデバイスへ情報及び/又は動力を送信する能力を提供する。これらの縦通材を使用することにより、重量、複雑性、及び/又は費用の増大を低減することができる。これらの導波管は、航空機の製造段階で航空機に組み込むことができる。幾つかの有利な実施形態では、メンテナンスの間に、航空機のアップグレード又は改修として、このような種類の縦通材を航空機に付加することができる。
【0076】
更に、導波管を含む縦通材を使用することにより、無線信号の送信に必要な動力量も低減される。導波管は、現在利用可能な無線システムと比較して、低い消費電力で使用できるような設計にすることができる。また、種々の有利な実施形態の一又は複数により、人やカートといった障害物が存在しうる航空機の客室を通じて無線信号を送信する場合と比較して、動力信号の妨害及び/又は低減も回避される。
【0077】
上述の種々の有利な実施形態の記載は、例示及び説明のために提示されたのであり、完全であること、或いは実施形態を開示された形態に限定することを意図していない。当業者には、多数の修正例及び変形例が明らかであろう。
【0078】
種々の有利な実施形態は航空機に関して記載されているが、他の有利な実施形態を他の種類の構造に適用することも可能である。例えば、限定しないが、種々の有利な実施形態は、宇宙機、潜水艦、水上艦、及び/又はその他何らかの適切な種類のビークルといったビークルに適用可能である。種々の有利な実施形態は、場合によっては、ビークル以外にも、静止構造又は固定構造に適用することができる。
【0079】
更に、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態とは異なる利点を提供しうる。選択された一又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実用的な用途を最もよく説明するため、並びに他の当業者が、考慮される特定の用途に適した様々な修正例と共に種々の実施形態の開示内容を理解することができるように、選ばれ、記載されている。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
チャネルを有する縦通材と、
チャネル内部に位置して、任意の数の無線信号を搬送することができる導波管と
を備えている装置。
(態様2)
縦通材と関連付けられて、導波管内を搬送される任意の数の無線信号を交換することができる複数のデバイス
を更に備えている、態様1に記載の装置。
(態様3)
縦通材は、航空機の胴体の外板、航空機の翼の外板、航空機のフレーム、及び航空機のリブのうちの一つに取り付け可能である、態様1に記載の装置。
(態様4)
複数のデバイス及び縦通材がネットワークデータ処理システムの一部である、態様2に記載の装置。
(態様5)
ネットワークデータ処理システムがビークル内に位置している、態様4に記載の装置。
(態様6)
ネットワークデータ処理システムが、ヘルスモニタリングシステム、フライトコントロールシステム、機内エンタテイメントシステム、及び環境制御システムのうちから選択された少なくとも一つである、態様4に記載の装置。
(態様7)
各々が関連する導波管を有している任意の数の縦通材
を更に備えている、態様1に記載の装置。
(態様8)
導波管へのアクセス点
を更に備えている、態様1に記載の装置。
(態様9)
アクセス点が、伝送線路、プローブ、及びアンテナのうちの一つからなっている、態様8に記載の装置。
(態様10)
縦通材が、
第1のチャネルを有する複合材料部分と、
第1のチャネル内部に位置する発泡材料であって、第2のチャネルを有し、第2のチャネル内に導波管が位置している発泡材料と
を含んでいる、態様1に記載の装置。
(態様11)
導波管が、第2のチャネルの壁に取り付けられた金属材料を含んでいる、態様10に記載の装置。
(態様12)
縦通材が内部に取り付けられている航空機
を更に備えている、態様1に記載の装置。
(態様13)
縦通材が、
チャネルを有する複合縦通材と、
チャネル内に位置して導波管を形成している導電材料と
を含んでいる、態様1に記載の装置。
(態様14)
ビークル内で無線信号を送信するための方法であって、
ビークル内において、第1のデバイスから任意の数の縦通材内に位置する任意の数の導波管の中へと任意の数の無線信号を送信することと、
任意の数の縦通材内の任意の数の導波管内で任意の数の無線信号を搬送することと、
第2のデバイスにおいて任意の数の導波管から任意の数の無線信号を受け取ることと
を含む方法。
(態様15)
任意の数の縦通材内の任意の数の導波管がビークル内のネットワークの一部であり、且つネットワークが、任意の数の伝送線路、任意の数の光ケーブル、及び任意の数のエアインターフェースのうちの少なくとも一つを更に含む、態様14に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11