(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、優れた保持性を有する新規の粉末化粧品を提供する。持ちが良いとは、組成物が、従来の粉末製品に比べ、ヒトの外皮からこの外皮と接触する物質へと移り難いことを意味する。本発明の目的上、「外皮」という用語は、顔の皮膚、胴体の皮膚、唇、瞼、まつげ、および頭髪を含むが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明に係る粉末組成物は、熱可塑性エラストマーを含有する。本発明の最も広い態様において、熱可塑性エラストマーは、ヒトの外皮への局所適用が安全であればいかなるポリマーであってもよい。一般に、熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントを有するポリマーである。熱可塑性エラストマーは、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、およびマルチブロックコポリマー等のブロックコポリマーであってもよい。本発明に有用な熱可塑性エラストマーは、典型的にはA−Bジブロックコポリマー、A−B−Aトリブロックコポリマー、(A−B)nマルチブロックコポリマー、および(A−B)nxコポリマー(ここで、xはn官能基結合を表す)であり、Aはハードドメイン(高Tg)を、Bはソフトドメイン(低Tg)を表す。
【0016】
代表的なコポリマーとして、ハードセグメントがポリスチレン単位を含み、ソフトセグメントがポリオレフィンであるコポリマーがある。例として、スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、またはスチレン−エチレンブチレン−スチレンがある。スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)は、本発明に係る熱可塑性エラストマーとして好ましい。従来、このポリマーは、大半の化粧用溶媒に溶解せず、それ故処方が非常に困難であったため、化粧品においてほんの限られた使用しかできないとされてきた。
【0017】
組成物は、約0.01〜約10重量%のSIBSポリマーを含有するが、約0.1〜約5重量%のSIBSを含有するのがより典型的である。SIBSポリマーの量は、組成物に対し、好ましくは約0.5〜約1.5重量%、より好ましくは約1重量%である。
【0018】
また、本発明に係る組成物は、不揮発性油も含有する。不揮発性とは、室温、大気圧において、油が容易には気化しないことを意味する。この不揮発性油は、炭化水素、エステル油、特に脂肪酸エステル、またはシリコーンであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0019】
エステル油としては、脂肪酸エステルをはじめとする任意の非極性または低極性エステルが挙げられる。化粧品処方において、皮膚軟化剤として通常使用されるエステルについて特に言及する。このようなエステルは、典型的にはR
4(COOH)
1−2形の酸がR
5(OH)
1−3形のアルコールによりエステル化されたものである。ここで、R
4およびR
5はそれぞれ独立して、直鎖、分岐、または環状炭化水素基であり、任意に不飽和結合を有していてもよく、1〜30個の炭素原子、好ましくは2〜30個の炭素原子、より好ましくは3〜30個の炭素原子を含む。R
4およびはR
5の少なくとも一方が、好ましくは少なくとも10個の炭素原子、より好ましくは少なくとも15個の炭素原子を含むことにより、エステルは少なくとも一つの脂肪鎖を含む。上記定義のエステルとして、モノ酸とモノアルコールとのエステル、モノ酸とジオールおよびトリオールとのエステル、ジ酸とモノアルコールとのエステル、およびトリ酸とモノアルコールとのエステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
好適な脂肪酸エステルとして、酢酸ブチル、イソステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ブチルオクチル、パルミチン酸セチル、オクタン酸セチル、ラウリン酸セチル、乳酸セチル、イソノナン酸セチル、ステアリン酸セチル、フマル酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、リンゴ酸ジ−C
12−13アルキル、ダイマージリノール酸ジセテアリル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ダイマー酸ジイソプロピル、トリリノール酸トリイソステアリル、ステアロイルステアリン酸オクトデシル、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ヘキサデシル、ラウリン酸ヘキシデシル、オクタン酸ヘキシルデシル、オレイン酸ヘキシルデシル、パルミチン酸ヘキシルデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソステアリル、ネオペンタン酸イソヘキシル、ステアリン酸イソヘキサデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸n−プロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸n−プロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキサコサニル、乳酸ラウリル、パルミチン酸オクタコサニル、モノラウリン酸プロピレングリコール、パルミチン酸トリアコンタニル、パルミチン酸ドトリアコンタニル、パルミチン酸テトラトリアコンタニル、ステアリン酸ヘキサコサニル、ステアリン酸オクタコサニル、ステアリン酸トリアコンタニル、ステアリン酸ドトリアコンタニル、乳酸ステアリル、オクタン酸ステアリル、ヘプタン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸テトラトリアコンタニル、トリアラキジン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリイソステアリル、クエン酸トリ−C
12−13アルキル、トリカプリリン、クエン酸トリカプリリル、ベヘン酸トリデシル、クエン酸トリオクチルドデシル、ヤシ脂肪酸トリデシル、イソノナン酸トリデシル、モノリシノール酸グリセリル、パルミチン酸2−オクチルデシル、ミリスチン酸または乳酸2−オクチルドデシル、コハク酸ジ(2−エチルヘキシル)、および酢酸トコフェリル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
また、サリチル酸エステルおよび安息香酸エステルも、本発明の実施において有用なエステルと考えられる。好適なサリチル酸エステルおよび安息香酸エステルとして、サリチル酸または安息香酸と、R
6OH形アルコール(ここで、R
6は、直鎖、分岐、または環状炭化水素基であり、任意に不飽和結合を有してもよく、1〜30個の炭素原子、好ましくは6〜22個の炭素原子、より好ましくは12〜16個の炭素原子を含む)とのエステルが挙げられる。好適なサリチル酸エステルとしては、例えばサリチル酸オクチルおよびサリチル酸ヘキシルドデシルが挙げられ、安息香酸エステルとしては、安息香酸C
12−15アルキル、安息香酸イソステアリル、安息香酸ヘキシルデシル、安息香酸ベンジル等が挙げられる。
【0022】
また、油は、揮発性または不揮発性シリコーン油であってもよい。好適なシリコーン油として、直鎖または環状シリコーンがあり、例えばポリアルキルまたはポリアリールシロキサンであって、1〜10個の炭素原子を含むアルキル基またはアルコキシ基を任意に有してもよいものが挙げられる。代表的なシリコーン油としては、例えばカプリリルメチコン、シクロメチコン、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ジフェニルジメチコン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メチコン、メチル−フェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、パーフルオロノニルジメチコン、ポリジメチルシロキサン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。一つの実施形態において、シリコーン油は、基本的にシクロメチコンを含まない。これは、シクロメチコンが意図的に添加されることはないことを意味する。
【0023】
シリコーン油は、25℃で測定して、典型的には約5〜約3,000センチストーク(cSt)、好ましくは50〜1,000cStの粘性を有するが、必ずしもその必要はない。
【0024】
一つの実施形態において、メチルフェニルポリシロキサン(INCI名ジフェニルジメチコン、信越化学工業よりF−5W,KF−54,およびKF−56をはじめとする様々な商品名で市販されている)のように、シリコーン油はフェニル基を有する。ジフェニルジメチコンは、良好な生体適合性を有し、製品に膜形成特性を付与する。さらに、フェニル基を有することで、シリコーン油の屈折率が増大し、所望に応じて製品に高光沢を与える。別の好適なフェニル官能化シリコーン油として、フェニルトリメチコン(INCI名)があり、ダウコーニング社より「DC556」の商品名で販売されている。
【0025】
本発明の一つの実施形態において、シリコーン油は、過フッ素化シリコーン(すなわち、フルオロシリコーン)といったフッ素化シリコーンを含んでもよい。フルオロシリコーンは、有利に疎水性かつ疎油性であるため、製品に所望の触感美観性を付与する。また、フルオロシリコーンは、保持性を付与する。好ましいフルオロシリコーンは、INCI名がパーフルオロノニルジメチコンである、フッ素化有機官能性シリコーン液である。パーフルオロノニルジメチコンは、フェニックスケミカル社からペコシル(登録商標)の商品名で市販されている。
【0026】
組成物は、炭化水素油を含有してもよい。炭化水素油の例は、5〜80個の炭素原子、好ましくは8〜40個の炭素原子、より好ましくは10〜16個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖パラフィン系炭化水素であり、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい炭化水素油は、C
8−9イソパラフィン、C
9−11イソパラフィン、C
12イソパラフィン、およびC
20−40イソパラフィン等をはじめとする高度に分岐した脂肪族炭化水素である。INCI名がイソヘキサデカン、イソエイコサン、およびイソドデカンである、イソパラフィンについて特に言及する。
【0027】
また、炭化水素油として好適なものに、典型的には20個より多い炭素原子を含むポリアルファオレフィン、例えばC
24−28オレフィン、C
30−45オレフィン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリブテン、鉱油、ペンタヒドロスクアレン、スクアレン、スクアラン等がある。また、炭化水素油は、高級脂肪族アルコール、例えばオレイルアルコール、オクチルドデカノール等も含む。
【0028】
他の好適な油としては、ヒマシ油、C
10−18トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/トリグリセリド、ココナッツ油、コーン油、綿実油、アマニ油、ミンク油、オリーブ油、パーム油、イリッペ脂、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ種子油、クルミ油、アボカド油、椿油、マカダミアナッツ油、カメ油、ミンク油、大豆油、ブドウ種子油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、ホホバ油、ピーナッツ油、オリーブ油、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
前記エステル油、シリコーン油、および炭化水素油のいずれかは、本発明の実施において有用であると考えられる。従って、一つの実施形態において、組成物は、上記のエステル油、シリコーン油、および炭化水素油から選択される少なくとも1つの油を含有する。別の実施形態において、組成物は、上記のエステル油、シリコーン油、および炭化水素油から選択される2つ以上の油を含有する。本明細書に記載されるエステル油は、皮膚軟化剤として機能するため、組成物は少なくとも1つのエステル油を含有し、炭化水素油、シリコーン油、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの油を追加で任意に含有することが好ましい。一つの実施形態において、組成物は、少なくとも1つのエステルおよび少なくとも1つのシリコーン油を含有する。別の実施形態において、組成物は、シリコーン液とともにパルミチン酸イソプロピルを含有する。
【0030】
油の合計含有量は、組成物の約0.1〜約45重量%であるが、典型的には組成物の約0.5〜約25重量%であり、より典型的には約1〜約20重量%である。より好ましい実施形態において、油の合計含有量は、組成物の約5〜約15重量%である。
【0031】
本発明に従って想定される膜形成ポリマー(または「膜形成剤」)は、平滑性、展着性、耐水性、耐移り性、または当業者が所望する他の化粧品または医薬品特性を改善する。膜形成ポリマーという用語は、ポリマー単独で、または少なくとも一つの膜形成助剤の存在下で、連続膜を形成することが可能なポリマーを指すと理解される。ここで、連続膜は、表面に付着して粒状物質の結合剤として機能する。疎水性で、SIBSを含めた熱可塑性エラストマーと相溶性を示すものが好ましい。
【0032】
膜形成ポリマーは、好ましくはポリプロピレングリコール(PPG)骨格を有し、組成物の総量の約0.1〜約1重量%含まれる。一つの実施形態において、膜形成ポリマーは、ポリプロピレングリコールジオールとジイソシアネートとの反応で形成されるポリウレタンポリマーである。ポリプロピレングリコールジオールは、下記の構造を有してもよい。
【化2】
ここで、「n」は1〜100の整数である。典型的には、「n」は2〜50の整数であり、より典型的には、「n」は5〜20の整数である。
【0033】
ジイソシアネートは、O=C=N−R
d−N=C=O(ここで、R
dは、一つまたは複数のヘテロ原子で所望により置換されていてもよい、1〜20個の炭素原子を含む二価の炭化水素基であり、具体的には、R
dは、所望により置換されていてもよい、分岐、直鎖、または環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキル−アリール基、またはアリール−アルキル基から選択され、
【化3】
の構造の基、
【化4】
の構造の基、
【化5】
の構造の基、
【化6】
の構造の基、および
【化7】
の構造の基、ならびにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない)の構造を有する。
【0034】
好適なジイソシアネートとして、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート(2,2’−MDI、2,4’−MDI、および4,4’−MDIを含む)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキシルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい実施形態において、ジイソシアネートはメチレンジシクロヘキシルジイソシアネートであり、これはメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)としても知られている。
【0035】
好ましい膜形成剤は、ポリプロピレングリコールとメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)との反応で形成されるポリウレタンであり、CTFA名は(PEG−12/SMDI)コポリマー(INCI)である。
【0036】
ポリプロピレングリコール骨格を有する膜形成ポリマーの好ましい濃度は、典型的には組成物の総重量に対して0.01〜20重量%である。より典型的には、ポリプロピレングリコール骨格を有する膜形成ポリマーの量は、組成物全体の約0.05〜約10重量%、好ましくは約0.1〜約5重量%、より好ましくは約0.1〜約1重量%である。
【0037】
組成物は、任意に一つまたは複数の追加の膜形成ポリマーを約0.001〜約10重量%の量で含有してもよい。ポリマー膜形成剤として、セルロース類、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコーン、シリコーンアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、フルオロポリマー、ポリエーテル、ポリアセテート、ポリカーボネート、ポリイミド、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、および前記ポリマーのいずれかのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0038】
組成物は、任意にワックス成分を含有してもよい。ワックス成分は、単独のワックスであっても、複数のワックスの組み合わせを含有するものであってもよい。化粧品と相溶性のあるいかなるワックスも好適であると考えられ、天然、ミネラル、および/または合成ワックスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。天然ワックスは、蜜ろう、鯨ろう、ラノリン、およびシェラックワックスをはじめとする動物起源のもの、カルナウバ、カンデリラ、ベイベリー、サトウキビワックス等をはじめとする植物起源のものであるが、これらに限定されるものではない。また、天然ワックスは、ポリコサノールを含有してもよい。有用と考えられるミネラルワックスとして、オゾケライト、セレシン、モンタン、パラフィン、微結晶、石油、およびペトロラタムワックスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。合成ワックスとして、例えばエチレンホモポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、およびエチレン−ヘキセンコポリマー等のFischer Tropsh(FT)ワックスおよびポリオレフィンワックスが挙げられる。代表的なエチレンホモポリマーワックスは、ポリワックス(登録商標)ポリエチレン(ベーカー・ヒューズ社)の商品名で市販されている。市販のエチレン−α−オレフィンコポリマーワックスとしては、ペトロライト(登録商標)コポリマー(ベーカー・ヒューズ社)の商品名で販売されているものが挙げられる。また、合成ワックスとして、例えばPEG−18、PEG−20、PEG−32、PEG−75、PEG−90、PEG−100、およびPEG−180等のポリエチレングリコール(カルボワックス(登録商標)(ダウケミカル社)の商品名で販売されている)も挙げられる。他の好適なワックスとして、シリコーンワックス、微結晶ワックス、ポリエチレンワックス、または高分子量の炭化水素アルキルを有するポリジメチルシロキサン、例えばINCI名がC
30−45アルキルメチコン(および)C
30−45オレフィンを有するワックスが挙げられる。一つの実施形態において、組成物はワックスを含有しない、または本質的にワックスを含有しない。このことは、ワックス成分の合計含有量が、組成物の0.1%未満であることを意味する。
【0039】
本発明の組成物は、粉末であるため、約30〜約98重量%の粉末状物質を含有する。粉末状物質は、化粧品またはパーソナルケア用製品において有用な任意の粉末状物質である。粉末は、いかなる形や大きさの粒子であってもよく、例えば球状、不規則形状、および小板状粒子が挙げられる。粉末の平均粒径は、典型的には0.01ミクロンより大きく、300ミクロンより小さいが、より典型的には約0.1〜約150ミクロンの範囲であり、好ましくは約1〜約75ミクロンである。
【0040】
化粧粉末は、典型的には充填剤、顔料、およびパールを含有する。好適な充填剤としては、シリカ、表面処理シリカ、アルミナ、表面処理アルミナ、タルクおよび表面処理タルク、ステアリン酸亜鉛、マイカおよび表面処理マイカ、カオリン、オルガゾール(商標)等のナイロン粉末、ポリエチレン粉末、テフロン(商標)、デンプン、窒化ホウ素、ラウロイルリシン、エクスパンセル(商標)(ノーベル・インダストリー社)等のコポリマー微小球、ポリトラップ(商標)(ダウコーニング社)等の架橋ポリメタクリル酸コポリマー、およびシリコーン樹脂マイクロビーズ(東芝から市販されているトスパール(商標))等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
好ましい充填剤はマイカであり、セリサイト型であるのが好ましい。セリサイトの量は、組成物の約5〜約98重量%であってもよいが、より典型的には約10〜約85重量%であり、好ましくは組成物の約20〜約75重量%、より好ましくは組成物の約30〜約65重量%である。好ましい実施では、組成物は、セリサイトとともに、タルク、ナイロン粉末、ラウロイルリシン、およびカオリンからなる群から選択される一つまたは複数の充填剤を含有する。一つの実施形態において、組成物は、セリサイト、タルク(好ましくはキトサン処理タルク)、ナイロン粉末、ラウロイルリシン、およびカオリンを含有する。
【0042】
追加の粉末充填剤としては、無機粉末、例えばゴム、チョーク、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、フラー土、アタパルジャイト、ベントナイト、白雲母、金雲母、合成マイカ、鱗雲母、ヘクトライト、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムマグネシウム、珪藻土、デンプン、アルキルおよび/またはトリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学的に修飾された珪酸マグネシウムアルミニウム、有機的に修飾されたモンモリロナイトクレイ、含水珪酸アルミニウム、珪酸、ヒュームドアルミニウムデンプンオクテニルスクシネートバリウムシリケート、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸ストロンチウム、金属タングステン酸塩、マグネシウム、シリカアルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼き石膏)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミック粉末、金属セッケン(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、およびステアリン酸アルミニウム)、コロイド状二酸化ケイ素;有機粉末、シクロデキストリン、メチルポリメタクリレート粉末、スチレンおよびアクリル酸のコポリマー粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ(四フッ化エチレン)粉末、およびカルボキシビニルポリマー;ヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース粉末;およびモノステアリン酸エチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の有用な粉末は当業者に知られており、米国特許第5,688,831号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている粉末も包含する。
【0043】
本発明の組成物は、典型的には一つまたは複数の顔料を含有する。好適な顔料は、当技術分野においてよく知られており、C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook、第1版、1988年(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている顔料も包含する。顔料の例として、金属酸化物および金属水酸化物、例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化鉄(α−Fe
2O
3、β−Fe
2O
3、Fe
3O
4、FeO)、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、低次チタン酸化物、酸化ジルコニウム、酸化クロム、水酸化クロム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化セリウム、酸化ニッケル、および酸化亜鉛、ならびに複合酸化物および複合水酸化物、例えばチタン酸鉄、チタン酸コバルトおよびアルミン酸コバルトが挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(すなわち、含硫黄ケイ酸ナトリウムアルミニウム)、プルシアンブルー、マンガンバイオレット等が挙げられる。
【0044】
好適なパーリング(真珠光沢の)顔料としては、オキシ塩化ビスマス、グアニン、および米国特許第5,340,569号(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているような、二酸化チタン、低次チタン酸化物またはオキシ窒化チタンをチタン成分として含有するチタン複合材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましいパールとして雲母チタンが挙げられ、この雲母チタンは、マイカにさらに酸化鉄を含有させることで、白色または有色となっていてもよい。また、組成物は、光輝剤を含有してもよい。
【0045】
充填剤、顔料、およびパールは、皮膚に対する親和性、疎水性、親水性等をはじめとする粒子の一つまたは複数の特性を調整するために、表面を修飾してもよい。表面処理により粒子上に塗膜を形成し、それは粒子との共有結合によるものであってもよい。代表的な塗膜としては、アルカン、シロキサン、フルオロアルカン、アミノ酸およびペプチド、ならびに炭水化物ポリマーが挙げられる。疎水性を有するように修飾された粒子、および疎水性を有するように修飾された粒子の調製方法は、例えば、Schutteらによる米国特許第3,393,155号、Wagnerらによる米国特許第2,705,206号、Wagnerらによる米国特許第5,500,216号、Kellerらによる米国特許第6,683,126号、Mullerらによる米国特許第7,083,828号、Russellらによる米国特許出願公開第2006/0110541号、およびDietzらによる米国特許出願公開第2006/0110542号(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。好ましい塗膜はメチコンである。本発明に係る別の好ましい疎水性塗膜は、反応性OH基を有する酸化物をトリメトキシカプリリルシランで処理することにより調製される。
【0046】
一つの実施形態において、組成物は、ラウロイルリシンで処理されたマイカ、キトサンで処理されたタルク、メチコンで処理された二酸化チタン、ジメチコンで処理された酸化亜鉛、および/またはトリメトキシカプリリルシランで処理された二酸化チタンを含有する。また、組成物は、典型的には表面処理酸化鉄も含有する。
【0047】
いくつかの実施形態において、粉末は、二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛をはじめとする、製品にSPFを付与する物質を含有する。二酸化チタンは、実質的にまたは完全に、アナターゼまたはルチルであってもよい。二酸化チタンの量は、例えば組成物の約1〜約20重量%であってもよいが、より典型的には約2〜約15重量%である。酸化亜鉛の量は、例えば組成物の約1〜約20重量%であってもよいが、より典型的には約2〜約15重量%である。
【0048】
組成物は、さらにステアリン酸亜鉛のような乾燥粉末結合剤を含有する。ステアリン酸亜鉛が含まれる場合、ステアリン酸亜鉛の量は、典型的には組成物の約0.01〜約2重量%であり、より典型的には組成物の約0.05〜約1.25重量%である。
【0049】
組成物は、フェイスファンデーション、コンシーラー、頬紅、固形の粉末、粉状粉末、モザイク粉末、ツーインワン粉末、多色粉末、押出粉末、押出粉末ビーズ、ベイクド粉末、ベイクド粉末ビーズ、単色または多色クリームビーズ、ワックスビーズ、押出フェイス粉末、アイシャドウ、粉末頬紅、乾湿粉末ファンデーション、ボディータルク粉末、芳香タルク粉末、または他の粉末化粧品もしくはパーソナルケア用製品の形態をとってもよい。
【0050】
他の実施形態において、本発明の組成物は、型流しで成形する化粧品および化粧スティックから選択される。例えば、本発明の組成物が存在し得る形態として、アイシャドウ、アイシャドウ下地、頬紅、口紅、芳香放出システム、脱臭スティック、皮膚保護薬スティック、日焼け防止スティック、医薬クリームもしくは他の薬剤適用システム、粘着剤、または防虫剤が挙げられる。別の実施形態において、組成物は化粧粉末の下地である。例えば、組成物は下地として皮膚に塗布されてもよく、その後に化粧粉末が下地に塗布される。また、本発明の組成物は、長時間皮膚の水分を維持/保持することで持続的な湿潤をもたらすことが可能な、持ちが良い固形粉末タイプの無色クリーム/化粧水の形態をとってもよい。
【0051】
また、組成物は、様々な着色剤、例えばレーキ、顔料、真珠光沢剤、およびこれらの組み合わせを含有する固形粉末組成物の形態をとってもよい。特に有用なのは、組成物が安息香酸C
12−15アルキルを含有する固形粉末組成物である。この物質は、倉庫で貯蔵する状況下で場所によっては直面するかもしれない高温(例えば、95〜125oF)において、固形粉末を完全な状態で維持するのに有利に役立つことが判明している。
【0052】
さらに、組成物は、想定される分野において通常使用されるあらゆる添加剤、例えば染料、酸化防止剤、香料、エッセンシャルオイル、安定剤、保湿剤、ビタミン、日焼け防止剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、増粘剤、粘土、ゴム、可塑剤、ゲル化剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、溶剤、界面活性剤、展着剤、分散剤、防腐剤、消泡剤、湿潤剤、紫外線遮断剤、化粧品または医薬品の有効成分、保湿剤、ビタミンおよびその誘導体、ならびに植物成分等を追加で含有してもよい。
【0053】
別の実施形態において、本発明は、皮膚または顔等の角質表面に本発明の持ちが良い粉末組成物を適用する方法に関する。粉末組成物は、持ちが良く、移り難いのが理想的である。様々な実施形態において、組成物は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、3時間、6時間、またはそれ以上の間、塗布したばかりの外観を維持する。組成物は、SIBSおよび/またはポリプロピレングリコール骨格を有するポリマー膜形成剤を含有しないこと以外は同一の組成物に比べ、皮膚での持続性に優れ、それ故持ちが良い。
【実施例】
【0054】
以下の実施例により、本発明の特定の態様を非限定的に説明する。
【0055】
以下の実施例により、本発明の具体的な態様を説明して本発明を例示し、当業者に本方法を説明する。実施例は、本発明を限定するものと解釈されてはならない。実施例は、本発明を理解し実施するのに有用な具体的方法およびその様々な態様を提供するに過ぎない。
【0056】
実施例1
持ちが良い固形粉末着色化粧品を表1に示す。
【表1】
【0057】
パートAを着色剤とともに粉末混合装置にて混合する。均一な粉末相が得られたら、続いて混合物全体をジェット・ミルに通し、着色剤を完全にかつ均一に分散させる。得られた均一な乾燥粉末を粉末混合装置に戻し、均一に溶融した高温油相パートBを、ジェット・ミルで処理した粉末に吹き付ける。続いて、混合した相全体を微粉砕機に通し、最終バルクを成型皿に圧入する。
【0058】
他に明記がない限り、割合(百分率)は全て、組成物の総重量に基づいた重量である。
【0059】
本明細書に引用された特許出願および刊行物を含む全ての引用文献は、各々個々の刊行物または特許または特許出願が、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれるよう具体的かつ個々に示されたのと同程度に、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。当業者には明らかなように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の多数の修正形態および変更形態を実施することができる。本明細書に記載の具体的な実施形態は、単に例示目的で提供されたものであり、本発明は、添付の特許請求の範囲の用語、およびかかる特許請求の範囲の権利が与えられる等価物の全範囲によってのみ限定されるべきである。
(付記)
(付記1)
(a)約75〜約95重量%の、一つまたは複数の化粧粉末と;
(b)約0.01〜約5重量%の、スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)ブロックコポリマーを含有する熱可塑性エラストマーと;
(c)約1〜約20重量%の不揮発性油と;
(d)約0.01〜約5重量%の、ポリプロピレングリコール(PPG)骨格を有する膜形成ポリマーとを含有し、
粉末形態であり、
前記SIBSブロックコポリマー、不揮発性油、およびポリプロピレングリコール(PPG)骨格を有する膜形成ポリマーを含まないこと以外は同一の組成物に比べ、ヒトの皮膚上により長く保持される、
持ちが良い化粧用粉末組成物。
(付記2)
前記SIBSブロックコポリマーの量が、組成物の総量の約0.1〜約1.5重量%である、
付記1に記載の組成物。
(付記3)
前記ポリプロピレングリコール(PPG)骨格を有する膜形成ポリマーの量が、組成物の総量の約0.1〜約1重量%である、
付記1に記載の組成物。
(付記4)
前記ポリプロピレングリコール(PPG)骨格を有する膜形成ポリマーが、ポリプロピレングリコールジオールとジイソシアネートとの反応で形成されるポリウレタンポリマーである、
付記1に記載の組成物。
(付記5)
前記ポリプロピレングリコールジオールが、下記の構造:
【化8】
(ここで、「n」は1〜100の整数である)を有する、
付記4に記載の組成物。
(付記6)
「n」が5〜20の整数である、
付記5に記載の組成物。
(付記7)
前記ジイソシアネートが、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)である、
付記5に記載の組成物。
(付記8)
前記膜形成ポリマーが、PEG−12/SMDIコポリマーである、
付記7に記載の組成物。
(付記9)
前記不揮発性油が、エステル油を含有する、
付記1に記載の組成物。
(付記10)
前記不揮発性油が、シリコーン油を含有する、
付記1に記載の組成物。
(付記11)
前記持ちが良い化粧用粉末組成物が、固形粉末の形態である、
付記1に記載の組成物。
(付記12)
前記不揮発性油が、安息香酸C12−15アルキルを含有する、
付記11に記載の組成物。
(付記13)
前記不揮発性油が、シリコーン油と安息香酸C12−15アルキルとの混合物を含有する、
付記11に記載の組成物。
(付記14)
(a)約75〜約95重量%の、セリサイトを含有する一つまたは複数の化粧粉末、ならびにタルク、ナイロン粉末、ラウロイルリシン、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つの他の化粧粉末と;
(b)約0.1〜約1.5重量%の、スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)ブロックコポリマーを含有する熱可塑性エラストマーと;
(c)約1〜約20重量%の不揮発性油と;
(d)約0.01〜約5重量%の、PEG−12/SMDIコポリマーを含有する膜形成ポリマーとを含有し、
粉末形態であり、
前記SIBSブロックコポリマー、不揮発性油、およびPEG−12/SMDIコポリマーを含まないこと以外は同一の組成物に比べ、ヒトの皮膚上により長く保持される、
持ちが良い化粧用粉末組成物。
(付記15)
前記持ちが良い化粧用粉末組成物が、固形粉末の形態である、
付記14に記載の組成物。
(付記16)
前記不揮発性油が、安息香酸C12−15アルキルを含有する、
付記15に記載の組成物。
(付記17)
前記不揮発性油が、シリコーン油と安息香酸C12−15アルキルとの混合物を含有する、
付記15に記載の組成物。
(付記18)
(a)約75〜約95重量%の、一つまたは複数の化粧粉末と;
(b)約0.01〜約5重量%の、スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)ブロックコポリマーを含有する熱可塑性エラストマーと;
(c)約1〜約20重量%の不揮発性油と;
(d)約0.01〜約5重量%の、ポリプロピレングリコール(PPG)骨格を有する膜形成ポリマーとを含有し、
粉末形態であり、
前記SIBSブロックコポリマー、不揮発性油、およびポリプロピレングリコール(PPG)骨格を有する膜形成ポリマーを含まないこと以外は同一の組成物に比べ、ヒトの皮膚上により長く保持される組成物を、
皮膚に塗布することを含む、
持ちが良く、耐移り性の粉末化粧品を皮膚に適用する方法。
(付記19)
前記SIBSブロックコポリマーの量が、組成物の総量の約0.1〜約1.5重量%である、
付記18に記載の方法。
(付記20)
前記ポリプロピレングリコール(PPG)骨格を有する膜形成ポリマーの量が、組成物の総量の約0.1〜約1重量%である、
付記18に記載の方法。
(付記21)
前記ポリプロピレングリコール(PPG)骨格を有する膜形成ポリマーが、ポリプロピレングリコールジオールとジイソシアネートとの反応で形成されるポリウレタンポリマーである、
付記18に記載の方法。
(付記22)
前記ポリプロピレングリコールジオールが、下記の構造:
【化9】
(ここで、「n」は1〜100の整数である)を有する、
付記21に記載の方法。
(付記23)
「n」が5〜20の整数である、
付記22に記載の方法。
(付記24)
前記ジイソシアネートが、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)である、
付記21に記載の方法。
(付記25)
前記膜形成ポリマーが、PEG−12/SMDIコポリマーである、
付記24に記載の方法。
(付記26)
前記不揮発性油が、エステル油を含有する、
付記18に記載の方法。
(付記27)
前記不揮発性油が、シリコーン油を含有する、
付記18に記載の方法。
(付記28)
前記持ちが良い化粧用粉末組成物が、固形粉末の形態である、
付記18に記載の方法。
(付記29)
前記不揮発性油が、安息香酸C12−15アルキルを含有する、
付記28に記載の方法。
(付記30)
前記不揮発性油が、安息香酸C12−15アルキルを含有する、
付記29に記載の組成物。
(付記31)
前記不揮発性油が、シリコーン油と安息香酸C12−15アルキルとの混合物を含有する、
付記29に記載の組成物。
(付記32)
高温条件において、前記固形粉末化粧品が完全な状態を維持する、
付記30に記載の方法。