【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
過去に発売された古い家電および現在発売されている新しい家電に関する情報を、その基準消費電力量と対応づけて記憶した記憶手段と、
ユーザが保有する保有家電を特定するための保有家電情報を、通信ネットワークを介して入手する保有家電情報入手手段と、
前記保有家電情報入手手段により入手された保有家電情報を前記記憶手段に照合して、該保有家電をその基準消費電力量と共に特定する保有家電特定手段と、
ユーザが希望する保有家電についての買換条件を、通信ネットワークを介して入手する買換条件入手手段と、
前記買換条件入手手段により入手された買換条件を、前記記憶手段に照合して、買換候補家電を決定する買換候補家電決定手段と、
前記保有家電に関する実際の電力消費状況を、通信ネットワークを介して入手する電力消費状況入手手段と、
前記電力消費状況入手手段により入手された電力消費状況と前記保有家電の基準消費電力量とに基づいて、前記買換候補家電がユーザにより実際に使用されたときに消費すると推定される推定消費電力量を決定する推定消費電力量決定手段と、
前記保有家電の実際の電力消費状況と前記推定消費
電力量決定手段により決定された買換候補家電の推定消費電力量とに基づいて、該買換候補家電に買換えたときの省エネ効果を決定する省エネ効果決定手段と、
前記買換候補家電に関する情報を、前記省エネ効果
決定手段により決定された省エネ効果と共に、通信ネットワークを介してユーザに向けて送信する買換候補家電情報送信手段と、
を備
え、
前記電力消費状況入手手段により入手される電力消費状況として、前記保有家電の実際の使用時間および実際の消費電力量が含まれ、
前記推定消費電力量決定手段が、
前記保有家電の基準消費電力量と実際の使用時間と実際の消費電力量とから、該保有家電における基準消費電力量についての補正係数を決定する補正係数決定手段と、
前記補正係数決定手段により決定された補正係数と前記保有家電の実際の使用時間とに基づいて、前記買換候補家電における基準消費電力量を補正して、この補正した基準消費電力量を前記推定消費電力量として得る補正手段と、
を備えている、
ようにしてある。
【0010】
上記解決手法によれば、ユーザの希望する買換条件に合致した買換候補家電に関する情報を提供するのみならず、保有家電と買換候補家電との間での省エネ効果をユーザに提供して、買換候補家電を購入する動機付けを促進させる上で好ましいものとなる。特に、省エネ効果は、保有家電の実際の使用状況と同様に買換候補家電を使用したときを想定して提供されるので、ユーザの使用状況の相違に応じた適切な省エネ効果を提供することができる。勿論、現時点ではユーザが買換を希望していなくても、省エネ効果の高い家電の存在をユーザに容易に知得させて、ユーザに省エネを積極的に促す上でも好ましいものとなる。
以上に加えて、保有家電についての実際の消費電力量と実際の使用時間とを用いて、買換候補家電を保有家電と同様に使用したときの省エネ効果を精度のよいものとして提供することができる。さらに、買換候補家電を保有家電と同様に使用した場合において、買換候補家電の実際の消費電力量を精度よく決定(推定)するための具体的な手法が提供される。
【0011】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第2の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項2に記載のように、
過去に発売された古い家電および現在発売されている新しい家電に関する情報を、その基準消費電力量と対応づけて記憶した記憶手段と、
ユーザが保有する保有家電を特定するための保有家電情報を、通信ネットワークを介して入手する保有家電情報入手手段と、
前記保有家電情報入手手段により入手された保有家電情報を前記記憶手段に照合して、該保有家電をその基準消費電力量と共に特定する保有家電特定手段と、
前記保有家電特定手段によって特定された保有家電の情報を前記記憶手段に照合して、お勧めの買換候補家電を特定する買換候補家電特定手段と、
前記保有家電に関する実際の電力消費状況を、通信ネットワークを介して入手する電力消費状況入手手段と、
前記電力消費状況入手手段により入手された電力消費状況と前記保有家電の基準消費電力量とに基づいて、前記買換候補家電がユーザにより実際に使用されたときに消費すると推定される推定消費電力量を決定する推定消費電力量決定手段と、
前記保有家電の実際の電力消費状況と前記推定消費
電力量決定手段により決定された買換候補家電の推定消費電力量とに基づいて、該買換候補家電に買換えたときの省エネ効果を決定する省エネ効果決定手段と、
前記買換候補家電に関する情報を、前記省エネ効果
決定手段により決定された省エネ効果と共に、通信ネットワークを介してユーザに向けて送信する買換候補家電情報送信手段と、
を備
え、
前記電力消費状況入手手段により入手される電力消費状況として、前記保有家電の実際の使用時間および実際の消費電力量が含まれ、
前記推定消費電力量決定手段が、
前記保有家電の基準消費電力量と実際の使用時間と実際の消費電力量とから、該保有家電における基準消費電力量についての補正係数を決定する補正係数決定手段と、
前記補正係数決定手段により決定された補正係数と前記保有家電の実際の使用時間とに基づいて、前記買換候補家電における基準消費電力量を補正して、この補正した基準消費電力量を前記推定消費電力量として得る補正手段と、
を備えている、
ようにしてある。
【0012】
上記解決手法によれば、お勧めの買換候補家電に関する情報を提供するのみならず、保有家電と買換候補家電との間での省エネ効果をユーザに提供して、買換候補家電を購入する動機付けを促進させる上で好ましいものとなる。特に、省エネ効果は、保有家電の実際の使用状況と同様に買換候補家電を使用したときを想定して提供されるので、ユーザの使用状況の相違に応じた適切な省エネ効果を提供することができる。以上に加えて、買換候補家電はお勧め品とされるので、つまりユーザの知らない新機能等を有したり、ユーザの想定を超える省エネ効果が期待できるような家電を買換候補家電として提供することもできる。
以上に加えて、保有家電についての実際の消費電力量と実際の使用時間とを用いて、買換候補家電を保有家電と同様に使用したときの省エネ効果を精度のよいものとして提供することができる。さらに、買換候補家電を保有家電と同様に使用した場合において、買換候補家電の実際の消費電力量を精度よく決定(推定)するための具体的な手法が提供される。
【0013】
上記第2の解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項3に記載のとおりである。すなわち、
ユーザが希望する保有家電についての買換条件を、通信ネットワークを介して入手する買換条件入手手段をさらに備え、
前記買換候補家電
特定手段は、前記買換条件入手手段により前記買換条件が入手されたときは、該買換条件を前記記憶手段に照合して、買換候補家電を前記お勧め買換候補家電の代替として決定す
る、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、お勧めの買換候補家電をユーザが気に入らないときは、お勧めの買換候補家電に代わる新たな買換候補家電を、その省エネ効果と共にユーザに提供することができる。
【0014】
前記第1の解決手法、第2の解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項4以下に記載のとおりである。すなわち、
前記記憶手段が、少なくも前記保有家電の型番を記憶しており、
前記保有家電情報として、前記保有家電の型番を含んでいる、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、型番という簡単な情報を利用することにより、数多くある家電の中から精度よくかつ簡単に保有家電をその基準消費電力量と共に特定することができる。
【0015】
前記記憶手段が、少なくも前記保有家電における型番と機能とメーカ名と製造年と画像との少なくとも1つあるいは任意の複数について記憶しており、
前記保有家電情報として、前記保有家電における型番と機能とメーカ名と製造年と画像との少なくとも1つあるいは任意の複数の組み合わせを含んでいる、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、請求項2に対応した効果を得つつ、型番が不明なときでも保有家電をその基準消費電力量と共に特定することができる。
【0016】
【0017】
前記電力消費状況が、前記保有家電が接続されているHEMSまたはスマートメータを通して入手される、ようにしてある(請求項
6対応)。この場合、電力監視システムとしてのHEMSやスマートメータを有効に利用して、保有家電の実際の消費電力量や使用時間等を容易に入手して、提供する省エネ効果の精度向上等の上で好ましいものとなる。
【0018】
【0019】
前記省エネ効果決定手段により決定される省エネ効果が、前記保有家電における年間の消費電力量と前記買換候補家電における年間の消費電力量とに基づいて決定される、ようにしてある(請求項
7対応)。この場合、提供される省エネ効果が、ユーザの保有家電使用状況を適切に反映した精度のよいものとすることができる。
【0020】
前記省エネ効果決定手段が、少なくとも前記保有家電における年間の消費電力量に対応した年間の電気料金と、前記買換候補家電における年間の消費電力量に対応した年間の電気料金との差額を決定し、
買換候補家電情報送信手段が、少なくとも前記保有家電と前記買換候補家電との間における年間の電気料金の差額を送信する、
ようにしてある(請求項
8対応)。この場合、ユーザは、年間での省エネ効果を金額として把握することができる。
【0021】
前記省エネ効果決定手段が、少なくとも前記保有家電における年間の消費電力量と前記買換候補家電における年間の消費電力量との差となる消費電力量差を決定し、
買換候補家電情報送信手段が、少なくとも前記保有家電と前記買換候補家電との間における年間の消費電力量差を送信する、
ようにしてある(請求項
9対応)。この場合、ユーザは、年間での省エネ効果を消費電力量の低減量として把握することができる。
【0022】
前記省エネ効果決定手段により決定される省エネ効果として、前記保有家電における年間の消費電力量と前記買換候補家電における年間の消費電力量との差となる年間の消費電力量の低減量とこれに対応した年間の電気料金の低減額とを決定し、
買換候補家電情報送信手段が、前記保有家電と前記買換候補家電との間における年間の消費電力量の低減量と年間の電気料金の低減額を送信する、
ようにしてある(請求項
10対応)。この場合、ユーザは、年間での省エネ効果を金額および消費電力量の低減量として把握することができる。
【0023】
前記買換候補家電情報送信手段が、前記保有家電の年間の消費電力量と前記買換候補家電の年間の消費電力量とを合わせて送信する、ようにしてある(請求項
11対応)。この場合、ユーザは、保有家電と買換候補家電との両方について実際の年間消費電力量を把握して、省エネ効果をより実感することができる。
【0024】
前記買換候補家電決定手段は、複数の買換候補家電が存在するときは、該複数の買換候補家電を通信ネットワークを介してユーザに提供して、該複数の買換候補家電の中からユーザが希望した1つの買換候補家電を通信ネットワークを介して入手する、ようにしてある(請求項
12対応)。この場合、ユーザの希望する買換候補家電を精度よく決定する上
で好ましいものとなる。
【0025】
前記電力消費状況入手手段は、前記保有家電に関する個別の電力消費状況が入手できないときは、ユーザ側の総電力使用状況に関する情報を通信ネットワークを介して入手して、該入手した総電力使用状況から該保有家電に関する個別の電力消費状況を推定する、ようにしてある(請求項
13対応)。この場合、保有家電についての実際の消費電力量と実際の使用時間とを入手できる機会を増大させる上で好ましいものとなる。
【0026】
前記電力消費状況入手手段は、前記保有家電に関する個別の電力消費状況が入手できないときは、電力消費状況の問い合わせ情報を通信ネットワークを介してユーザに提供して、該問い合わせ情報に基づいてユーザから提供される電力消費状況を通信ネットワークを介して入手して、該入手したユーザからの提供情報に基づいて電力消費状況を推定する、ようにしてある(請求項
14対応)。この場合、保有家電についての実際の消費電力量と実際の使用時間とを、ある程度誤差があるにしても確実に入手できるようにする上で好ましいものとなる。