特許第5938117号(P5938117)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5938117
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】光コネクタ用清掃具
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/00 20060101AFI20160609BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20160609BHJP
   G02B 6/36 20060101ALN20160609BHJP
【FI】
   B08B1/00
   G02B6/26
   !G02B6/36
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-53110(P2015-53110)
(22)【出願日】2015年3月17日
【審査請求日】2015年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102739
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】村上 雅之
(72)【発明者】
【氏名】濱野 毅信
(72)【発明者】
【氏名】鴨打 輝正
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/141405(WO,A1)
【文献】 特開2008−302043(JP,A)
【文献】 特開平05−245089(JP,A)
【文献】 特開平11−009540(JP,A)
【文献】 特開2005−173053(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0098045(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00
G02B 6/26
G02B 6/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光コネクタの被清掃部と対向する清掃ヘッドと、
前記被清掃部に接触した状態で前記清掃ヘッドに対して移動する清掃布とを備え、
前記清掃布は、前記清掃ヘッドに対して移動するときの移動方向を長手方向とする複数の縦糸を有する織物によって帯状に形成され、
前記縦糸は、第1の化学繊維と第2の化学繊維とを含み、
前記第1の化学繊維と前記第2の化学繊維とのうち一方の化学繊維が張った状態であり、他方の化学繊維が弛んでいる状態であり、
前記清掃布に作用する張力は、前記張った状態の化学繊維によって受けられていることを特徴とする光コネクタ用清掃具。
【請求項2】
請求項1記載の光コネクタ用清掃具において、
前記織物は、
前記第1の化学繊維と前記第2の化学繊維とを含む複数の第1の糸状素材からなる前記複数の縦糸と、
複数の前記縦糸に織り込まれた第2の糸状素材からなる横糸とを含むことを特徴とする光コネクタ用清掃具。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の光コネクタ用清掃具において、
前記織物は、綾織りのものであることを特徴とする光コネクタ用清掃具。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の光コネクタ用清掃具において、
前記織物は、サテン織りのものであることを特徴とする光コネクタ用清掃具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つの光コネクタ用清掃具において、
前記第1の化学繊維および第2の化学繊維は化学処理による収縮率が異なり、化学処理による収縮率が大きい一方の化学繊維が張った状態となり、他方の化学繊維が弛んでいることを特徴とする光コネクタ用清掃具。
【請求項6】
請求項5記載の光コネクタ用清掃具において、
前記第2の糸状素材は、前記化学処理による収縮率が大きい一方の化学繊維より化学処理による収縮が少ない化学繊維によって形成されていることを特徴とする光コネクタ用清掃具。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちいずれか一つに記載の光コネクタ用清掃具において、
さらに、前記清掃ヘッドを前記被清掃部に対して接離する方向に移動自在に支持する筐体と、
前記筐体に設けられ、前記清掃ヘッドが前記筐体に対して前記被清掃部とは反対側に移動することにより前記清掃布を引いて前記清掃ヘッドに対して移動させる駆動機構と、
前記筐体が着脱自在に嵌合する第1の穴が一端部に形成され、かつ他端部に光コネクタの接続部が嵌合する第2の穴が形成された筒状のキャップとを備え、
前記第2の穴は、前記清掃ヘッドとともに前記筐体に対して移動する前記光コネクタの接続部のガイドを構成していることを特徴とする光コネクタ用清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタの複数のレンズ面を清掃布で清掃する光コネクタ用清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多チャンネルのレンズ付きフェルールが開発され、導入されようとしている(特許文献1)。この種のレンズ付きフェルールは、伝送装置の光ポートと、伝送装置間を接続する光ケーブルのプラグとに用いられる。光ポートは、伝送装置に設けられたレセプタクルによって構成されており、いわゆるメス形式のものである。プラグは、光ケーブルの先端部に設けられており、いわゆるオス形式のものである。レンズ付きフェルールは、プラスチック製の複数のレンズを一体成形したものが主流であり、上述したレセプタクルの内部やプラグの内部に収容されている。光コネクタの複数のレンズは、同一平面上に並ぶ状態で備えており、損失を可及的少なく抑えるために、清掃された状態で使用される。
【0003】
光コネクタの清掃は、例えば特許文献2に記載されているような光コネクタ用清掃具によって行うことができる。この特許文献2に開示されている清掃具は、光コネクタの被清掃部に清掃布を接触させた状態で清掃布を被清掃部に対して移動させる構造のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第20120093462号公報
【特許文献2】国際公開WO2014/141405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されている従来の光コネクタ用清掃具では、レンズ付きフェルールの凹凸のあるレンズ部を正しく清掃することはできなかった。また、この清掃具の清掃布をレンズに無理に押し付けると、プラスチックによって形成されたレンズが傷つき易いという問題もあった。
【0006】
レンズ付きフェルールのレンズを清掃布で清掃する清掃具は、光ポートのレセプタクルと光ケーブルのプラグのいずれであっても接続できる構造であることが要請されている。さらに、この種の清掃具において、MXCと呼称されている多チャンネルレンズ付きフェルールのレンズを清掃する場合には、レンズ部とハウジング部との隙間が小さいなかで清掃布がレンズに正しく密着するように、コネクタを保持する機能も必要になる。
【0007】
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、レンズ付きフェルールの被清掃部を正しくかつ傷つけることなく清掃可能な光コネクタ用清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係る光コネクタ用清掃具は、光コネクタの被清掃部と対向する清掃ヘッドと、前記被清掃部に接触した状態で前記清掃ヘッドに対して移動する清掃布とを備え、前記清掃布は、前記清掃ヘッドに対して移動するときの移動方向を長手方向とする複数の縦糸を有する織物によって帯状に形成され、前記縦糸は、第1の化学繊維と第2の化学繊維とを含み、前記第1の化学繊維と前記第2の化学繊維とのうち一方の化学繊維が張った状態であり、他方の化学繊維が弛んでいる状態のものであり、前記清掃布に作用する張力は、前記張った状態の化学繊維によって受けられているものである。
【0009】
本発明は、前記光コネクタ用清掃具において、前記織物は、前記第1の化学繊維と前記第2の化学繊維とを含む複数の第1の糸状素材からなる前記複数の縦糸と、複数の前記縦糸に織り込まれた第2の糸状素材からなる横糸とを含んでいてもよい。
【0010】
本発明は、前記光コネクタ用清掃具において、前記織物は、綾織りのものであってもよい。
【0011】
本発明は、前記光コネクタ用清掃具において、前記織物は、サテン織りのものであってもよい。
【0012】
本発明は、光コネクタ用清掃具において、前記第1の化学繊維および第2の化学繊維は化学処理による収縮率が異なり、化学処理による収縮率が大きい一方の化学繊維が張った状態となり、他方の化学繊維が弛んでいてもよい。
【0013】
本発明は、前記光コネクタ用清掃具において、前記第2の糸状素材は、前記化学処理による収縮率が大きい一方の化学繊維より化学処理による収縮が少ない化学繊維によって形成されていてもよい。
【0014】
本発明は、前記光コネクタ用清掃具において、さらに、前記清掃ヘッドを前記被清掃部に対して接離する方向に移動自在に支持する筐体と、前記筐体に設けられ、前記清掃ヘッドが前記筐体に対して前記被清掃部とは反対側に移動することにより前記清掃布を引いて前記清掃ヘッドに対して移動させる駆動機構と、前記筐体が着脱自在に嵌合する第1の穴が一端部に形成され、かつ他端部に光コネクタの接続部が嵌合する第2の穴が形成された筒状のキャップとを備え、前記第2の穴は、前記清掃ヘッドとともに前記筐体に対して移動する前記光コネクタの接続部のガイドを構成していてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、清掃布がコネクタの被清掃部に押し付けられることによって、清掃布の縦糸の弛み部分が被清掃部の凸部どうしの間となる凹部に挿入される。このため、この弛み部分と、清掃布の他の部分とによって、被清掃部の凹凸部分の全域を清掃することが可能になる。また、この清掃布は、縦糸に弛み部分を有するため、この清掃布の表面は柔らかく膨らんだ状態になる。このため、清掃布が被清掃部を傷つけることはない。
したがって、この光コネクタ用清掃具は、被清掃部がレンズ付きフェルールの複数のレンズであったとしても、それぞれのレンズを傷つけることなく、各レンズについて全域を清掃布で拭って清掃することができる。
また、筒状のキャップを備えた発明によれば、キャップの穴は清掃ヘッドと光コネクタの接続部をガイドする。光コネクタの押し付けとともに清掃ヘッドと光コネクタ接続部が移動し、レンズ付きフェルールの被清掃部を垂直度よく押し付けるので、より確実に清掃可能な光コネクタ用清掃具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る光コネクタ用清掃具のキャップを取付けた状態を示す斜視図である。
図2】光コネクタ用清掃具のキャップを取外した状態を示す斜視図である。
図3】筐体内の構成を示す側面図である。
図4】レセプタクル内のレンズ付きフェルールを清掃する手順を説明するための斜視図で、図4(A)は、レセプタクルを清掃ヘッドに対向させた状態を示し、図4(B)は、レセプタクルを清掃ヘッドに嵌合させた状態を示し、図4(C)は清掃ヘッドが筐体内に押し込まれた状態を示す。
図5】光プラグ内の光コネクタを清掃する手順を説明するための斜視図で、図5(A)は、光プラグをキャップに対向させた状態を示し、図5(B)は、光プラグをキャップに嵌合させた状態を示し、図5(C)は、キャップの図示を省略して光プラグが清掃ヘッドに接触している状態を示し、図5(D)は、清掃ヘッドが筐体内に押し込まれた状態を示し、図5(E)は、キャップの図示を省略して清掃ヘッドが筐体内に押し込まれた状態を示す。
図6】レセプタクルとレンズ付きフェルールとを示す斜視図である。
図7】光プラグとレンズ付きフェルールとを示す斜視図である。
図8】レンズ付きフェルールの斜視図である。
図9】清掃ヘッドの先端部の断面図である。
図10】清掃ヘッドの先端部の断面図である。
図11】清掃布となる織物の構成を示す模式図である。
図12】縦糸と横糸の構成を示す模式図である。
図13】化学処理前の第1の糸状素材の断面形状を示す顕微鏡写真である。
図14】化学処理後の第1の糸状素材の断面形状を示す顕微鏡写真である。
図15】清掃布の表面形状を示す顕微鏡写真である。
図16】清掃布とレンズの接触部分を拡大して示す断面図である。
図17】清掃ヘッドと光プラグとが嵌合したキャップの断面図である。
図18】清掃布となる織物の構成を示す模式図である。
図19】清掃布となる織物の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る光コネクタ用清掃具の一実施の形態を図1図19によって詳細に説明する。
図1に示す光コネクタ用清掃具1は、作業者(図示せず)が手で把持する筐体2に後述する各部品を支持させて構成されている。この光コネクタ用清掃具1は、本願の出願人が先に提案した特許文献2に示す光コネクタ用清掃具とは、後述する清掃布3(図9参照)と、押圧部材16(図9参照)と、キャップ8(図1参照)とが異なるだけで、その他の構成は同等のものである。このため、光コネクタ用清掃具1の後述する清掃ヘッド4(図3参照)や駆動機構5などについては、概略の構成のみについて説明する。
【0018】
光コネクタ用清掃具1の筐体2は、作業者が把持する把持部6と、この把持部6から突出するノーズ部7を備えている。以下においては、ノーズ部7が把持部6から突出する方向を前方あるいは前側とし、これとは反対方向を後方あるいは後側として説明する。
図1に示す筐体2のノーズ部7には、キャップ8が取付けられている。このキャップ8は、後述する光プラグ9(図5参照)を接続するためのものである。このキャップ8は、詳細は後述するが、角筒状に形成されており、ノーズ部7に着脱自在に取付けられている。このキャップ8の前端部には、開口部分を開閉するためのカバー8aが回動自在に設けられている。
【0019】
キャップ8をノーズ部7から取り外した状態においては、図2に示すように、清掃ヘッド4の前部が露出する。
清掃ヘッド4は、後述する2つの機能部によって構成されており、図3に示すように、ノーズ部7内の全域に挿入され、ノーズ部7に前後方向へ移動自在に支持されている。2つの機能部とは、ノーズ部7から突出する清掃部4aと、この清掃部4aと後述する駆動機構5とを連結するための連結部4bである。
【0020】
清掃ヘッド4の清掃部4aは、前端部を構成する第1の角筒11と、この第1の角筒11の後部に設けられた第2の角筒12とによって形成されている。第2の角筒12は、第1の角筒11より開口部分の幅および高さが大きくなる形状に形成されている。
第1の角筒11には、図4および図5に示すように、光ポート(図示せず)用のレセプタクル13や、光ケーブル(図示せず)用の光プラグ9が接続される。
【0021】
レセプタクル13は、図6に示すように、凹陥部13aを有している。この凹陥部13aは、光プラグ9が嵌合可能な形状に形成されている。清掃ヘッド4の第1の角筒11(図4参照)は、この凹陥部13aに嵌合する形状に形成されている。第1の角筒11の開口部分の縦横比は、1対1ではない。このため、第1の角筒11を凹陥部13aに嵌合させるときに縦横が異なる状態で嵌合することはない。
凹陥部13aの底には、本発明でいう「光コネクタ」を構成する後述するレンズ付きフェルール14が設けられている。
【0022】
光プラグ9は、図7に示すように、角筒状の接続部9aを有している。キャップ8の前端部は、この接続部9aが嵌合する形状に形成されている。接続部9aの内部にはレンズ付きフェルール14が設けられている。
【0023】
レンズ付きフェルール14は、図8に示すように、多数のレンズ15を有している。これらのレンズ15は、レンズ付きフェルール14の一端部であって、この一端部に形成された凹部14aの底に突出する状態で設けられている。また、これらのレンズ15は、いわゆる凸レンズで、接続方向から見て、互いに直交する縦方向と横方向とに所定の間隔をおいて並んでいる。図8においては、レンズ15の並ぶ縦方向をY方向として矢印で示し、横方向をX方向として矢印で示している。この実施の形態においては、これらのレンズ15が本発明でいう「光コネクタの被清掃部」に相当する。
【0024】
第1および第2の角筒11,12内には、図9および図10に示すように、後述する帯状の清掃布3の一部と、清掃布3を前方に押すための押圧部材16とが収容されている。清掃布3は、押圧部材16を挟む状態で第1および第2の角筒11,12に沿って前後方向に延びる状態で収容されており、押圧部材16の前端に沿って折り返されている。清掃布3における押圧部材16の前端に沿う前端3aがレンズ15を清掃する。押圧部材16は、プラスチックによって形成されており、連結部4bの前端部材17に所定の距離だけ前後方向へ移動可能に支持されている。また、押圧部材16は、第1の圧縮コイルばね18のばね力で前方に向けて付勢されている。このため、清掃布3の前端3aにレンズ15が押し付けられることにより、押圧部材16および清掃布3が第1の圧縮コイルばね18のばね力に抗して後退し、清掃布3が第1の圧縮コイルばね18のばね力によってレンズ15に押し付けられる。
【0025】
清掃ヘッド4の連結部4bは、図3に示すように、ノーズ部7内で前後方向に延びる形状に形成されており、第2の圧縮コイルばね19によって前方に向けて付勢されている。第2の圧縮コイルばね19は、中心部分に連結部4bが通された状態で、連結部4bの中間部分に設けられた受圧片4cと、筐体2の受圧片2aとの間に圧縮されて挿入されている。このため、清掃ヘッド4は、第2の圧縮コイルばね19のばね力に抗して筐体2に対して後方に移動することができる。
【0026】
この連結部4bと筐体2のノーズ部7との間には、清掃布3が通されている。
清掃布3の先端側は、筐体2の把持部6内に設けられた巻取用リール21に巻き付けられている。清掃布3の後端側は、把持部6内に設けられた供給用リール22に巻き付けられている。巻取用リール21および供給用リール22は、それぞれ筐体2に回転自在に支持されている。
【0027】
巻取用リール21は、後述する駆動機構5によって駆動されることにより、図3において時計方向に回転し、清掃布3を巻取る。清掃布3は、巻取用リール21に巻取られることにより引かれ、供給用リール22から引き出される。この清掃布3は、供給用リール22から筐体2の把持部6内およびノーズ部7内と、第1および第2の角筒11,12内とを通って移動する。このとき、レンズ付きフェルール14が清掃ヘッド4に押し付けられている場合、清掃布3は、レンズ15に接触した状態でレンズ15および清掃ヘッド4に対して移動する。
【0028】
駆動機構5は、清掃ヘッド4の連結部4bに接続されたラック23と、このラック23に噛み合う状態で巻取用リール21に設けられた歯車24とを備えている。すなわち、清掃ヘッド4が筐体2に対して第2の圧縮コイルばね19のばね力に抗して後退する(レンズ付きフェルール14とは反対側に移動する)ことにより、ラック23が歯車24と巻取用リール21とを図3において時計方向に回し、清掃布3が巻取用リール21に巻取られる。すなわち、駆動機構5は、清掃布3を引いて供給用リール22から引き出し、清掃ヘッド4に対して移動させる。
【0029】
清掃布3は、図11に示すように、織物25によって帯状に形成されている。この実施の形態による織物25は、綾織り(ツイール)のものである。この織物25は、清掃布3が清掃ヘッド4に対して移動するときの移動方向を長手方向とする多数の縦糸26と、これらの縦糸26に織り込まれた横糸27とによって構成されている。綾織りは、縦糸26と横糸27の交錯点が一定の間隔で配置された、浮きが大きい織り方である。綾織りは、朱子織(サテン)の次に柔らかく、生地を厚く形成することが可能である。
【0030】
織物25を構成する1本の縦糸26は、図12に示す第1の糸状素材28を所定の本数だけ束ねて形成されている。図12に示す第1の糸状素材28は、清掃布3の長手方向に延びる第1の化学繊維31および第2の化学繊維32とによって構成されている。第1の化学繊維31と第2の化学繊維32は、図12に示すように、形状が異なっている。第1の化学繊維31は、張った状態にあり、直線状に延びている。これに対して、第2の化学繊維32は、弛んだ状態であり、第1の化学繊維31に沿って蛇行して延びている。
【0031】
このような形状の第1の化学繊維31と第2の化学繊維32は、例えば、薬液を用いる化学処理によって実現可能である。化学処理によって上述した形状を実現するためには、薬液に浸されたときの収縮率が異なる材料によって第1の化学繊維31と第2の化学繊維32とを形成することが考えられる。すなわち、第1の化学繊維31を収縮率が相対的に大きい材料で形成し、第2の化学繊維32を収縮率が相対的に小さい材料によって形成する。
【0032】
例えば、第1の化学繊維31をナイロンによって形成し、第2の化学繊維32をナイロンより収縮率が小さいPET(ポリエチレンテレフタレート)によって形成する。そして、これらの第1および第2の化学繊維を、ナイロンが収縮する薬液に浸漬させる。この実施の形態で用いた薬液は、ナイロンの収縮率が約20%のものである。この薬液に浸された第1の化学繊維31の化学処理による収縮率は、薬液に浸された第2の化学繊維32の収縮率より大きくなる。すなわち、第1の化学繊維31と第2の化学繊維32とのうち、化学処理による収縮率が大きい第1の化学繊維31が張った状態となり、他方の第2の化学繊維32が弛んでいる状態となり、図12に示すような形状が得られる。この実施の形態においては、第1の化学繊維31が本発明でいう「収縮率が大きい一方の化学繊維」に相当する。この実施の形態による第1の糸状素材28は、体積比にして6割の第1の化学繊維31と、4割の第2の化学繊維32とによって形成されている。
【0033】
化学処理を施す第1の糸状素材28としては、例えば、図13および図14に示すように形成されたものを用いることができる。図13は、化学処理前の第1の糸状素材28の顕微鏡写真である。図14は、化学処理後の第1の糸状素材28の顕微鏡写真である。これらの図からも判るように、化学処理で第1の化学繊維31と第2の化学繊維32とがばらけ、かつ第1の化学繊維31がより収縮する。
【0034】
図13および図14に示す第1の糸状素材28は、第1の化学繊維31を芯として形成されている。第1の化学繊維31は、断面形状において放射状に延びる複数の板状片31aを有している。これらの板状片31aは、放射状の中心部で互いに接続されている。複数の板状片31aどうしの間には、断面三角形状の第2の化学繊維32が配置されている。すなわち、第2の化学繊維32は、第1の化学繊維31を囲むように配置されている。
【0035】
織物25の横糸27は、上述した薬液に浸した状態で第1の化学繊維31(収縮率が大きい一方の化学繊維)より収縮が少ない化学繊維からなる第2の糸状素材33(図12参照)を有し、複数の第2の糸状素材33を束ねて形成されている。横糸27は、図12に示すように、清掃布3の幅方向の両端部で折り返されている。すなわち、清掃布3の幅方向の両端部は、横糸27の折り返し部27aによって縦糸26が把持された構造になっている。この実施の形態による第2の糸状素材33を構成する化学繊維は、PETによって形成されている。
【0036】
この横糸27が複数の縦糸26に織り込まれて形成された織物25は、上述した薬液に浸すことによって、縦糸26を構成する多数の第1の糸状素材28が初期の形状とは異なる形状になる。すなわち、収縮率が大きい第1の化学繊維31が化学処理により収縮することにより、第2の化学繊維32が弛む。このとき、横糸27の収縮率は第1の化学繊維31の収縮率より少ない。
第1の化学繊維31を囲む複数の第2の化学繊維32のうち、横糸27(第2の糸状素材33)に接する第2の化学繊維32は、横糸27によって弛みが規制される。このため、第2の化学繊維32の長手方向において、横糸27によって規制されることがない部位に弛み部32aがそれぞれ形成される。すなわち、この弛み部32aは、第1の糸状素材28から突出する。
このように弛み部32aが形成されることにより、図14および図15に示すように、清掃布3の表面に多数の凹凸部が形成され、清掃布3が柔らかく膨らんでいる状態になる。
【0037】
次に、このように構成された光コネクタ用清掃具1を使用してレセプタクル13内のレンズ付きフェルール14や光プラグ9内のレンズ付きフェルール14を清掃する手順を説明する。
レセプタクル13内のレンズ付きフェルール14を清掃するためには、先ず、図4(A)に示すように、レセプタクル13の凹陥部13aを清掃ヘッド4に対向させ、次いで、図4(B)に示すように、凹陥部13a内に清掃ヘッド4の第1の角筒11を嵌合させる。凹陥部13aと第1の角筒11の開口は、それぞれ縦横比が1対1ではないから、縦と横とが異なる状態で第1の角筒11にレセプタクル13が取付けられることはない。すなわち、清掃布3の幅方向が複数のレンズ15の幅方向(X方向)と平行になる。
【0038】
第1の角筒11にレセプタクル13を嵌合させた後、このレセプタクル13を先端面が第2の角筒12の前端面に当接するまで後方に進める。
レセプタクル13の先端面が第2の角筒12の前端面に当接することにより、図16に示すように、清掃布3がレンズ付きフェルール14の多数のレンズ15に接触し、第1の圧縮コイルばね18のばね力によって多数のレンズ15に押し付けられる。このとき、清掃布3作用する張力は、第1の化学繊維31によって受けられており、第2の化学繊維32には伝達され難い。このため、第2の化学繊維32の弛み部32aが張力によって伸長することはなく、初期の状態、すなわち清掃布3が柔らかく膨らんでいる状態に維持される。
【0039】
このような清掃布3がレンズ型コネクタのレンズ15に押付けられることによって、複数のレンズ15(凸部)どうしの間となる凹部に清掃布3が入り、清掃布3が複数のレンズ15からなる凹凸に倣って全てのレンズ15の全域に接触する。
その後、光コネクタ用清掃具1をレセプタクル13に向けて押し、図4(C)に示すように、第2の圧縮コイルばね19のばね力に抗して清掃ヘッド4を筐体2内に押し込む。このように清掃ヘッド4が筐体2に対して移動することにより、清掃布3が巻取用リール21に巻取られてレンズ15に対して移動し、全てのレンズ15の表面全域を拭いて清掃する。
したがって、この光コネクタ用清掃具1は、被清掃部がレセプタクル13内に設けられているレンズ付きフェルール14の複数のレンズ15であったとしても、それぞれのレンズ15について全域を清掃布3で拭って清掃することができる。
【0040】
光プラグ9の内部のレンズ付きフェルール14を清掃する場合は、図5(A)に示すように、ノーズ部7にキャップ8を取付ける。なお、図5(A)〜(E)は、キャップ8のカバー8aを省略した状態で描いてある。このキャップ8は、角筒状に形成されている。キャップ8の一端部であって後端部には、図17に示すように、ノーズ部7が着脱自在に嵌合する第1の穴41が形成されている。キャップ8の他端部であって前端部には、光プラグ9の接続部9aが着脱自在に嵌合する第2の穴42が形成されている。
【0041】
このキャップ8の第1の穴41にノーズ部7を嵌合させてキャップ8をノーズ部7に取付けた後、図5(B)に示すように、光プラグ9をキャップ8の第2の穴42に嵌合させる。第1の穴41の開口と、第2の穴42の開口の縦横比は、1対1ではない。このため、キャップ8をノーズ部7に取付けるときや、キャップ8に光プラグ9を取付けるときに縦と横とが異なる状態で取付られることはない。すなわち、清掃布3の幅方向が複数のレンズ15の幅方向(X方向)と平行になる。このとき、図5(C)に示すように、光プラグ9内のレンズ付きフェルール14に第1の角筒11が当たるまで光プラグ9を進める。
図5(C)は、キャップ8を省略した状態で描いてある。このようにレンズ付きフェルール14が第1の角筒11に当たることによって、清掃布3が第1の圧縮コイルばね18のばね力で複数のレンズ15に押し付けられる。
【0042】
そして、この状態で光コネクタ用清掃具1を光プラグ9に向けて押し、図5(D),(E)に示すように、第2の圧縮コイルばね19のばね力に抗して清掃ヘッド4を筐体2内に押し込む。図5(E)は、キャップ8を省略して描いてある。このとき、光プラグ9は、キャップ8の第2の穴42に嵌合した状態で進む。すなわち、第2の穴42は、清掃ヘッド4とともに筐体2に対して移動する光プラグ9(レンズ付きフェルール14)のガイド43(図17参照)を構成している。
このように清掃ヘッド4が筐体2に対して移動することにより、清掃布3が巻取用リール21に巻取られてレンズ15に対して移動し、全てのレンズ15の表面全域を拭いて清掃する。
【0043】
したがって、この実施の形態によれば、清掃布3がコネクタの被清掃部に押し付けられることによって、清掃布3の縦糸26の弛み部32aが被清掃部の凸部どうしの間となる凹部に挿入される。このため、この弛み部32aと、清掃布3の他の部分とによって、被清掃部の凹凸部分の全域を清掃することが可能になる。また、この清掃布3は、縦糸26に弛み部32aを有するため、この清掃布3の表面は柔らかく膨らんだ状態になる。このため、清掃布3が被清掃部を傷つけることはない。この光コネクタ用清掃具1は、被清掃部がレンズ付きフェルール14の複数のレンズ15であったとしても、それぞれのレンズ15を傷つけることなく、各レンズ15について全域を清掃布3で拭って清掃することができる。
【0044】
さらに、レセプタクル13内のレンズ付きフェルール14の清掃の際には、角筒11部分が完全にレセプタクル13に内包され、この2つの角筒11とレセプタクル13の嵌合する長さが大きく、かつ、2つの部材のクリアランスが小さくしてあるので、レンズ付きフェルール14に対して清掃部が垂直度よく押し付けられ、清掃がより確実に行われる。具体的には角筒11の寸法とレセプタクルの嵌合する長さは約20mm、2つの部材のクリアランスは1mm以下である。
【0045】
また、光プラグ9内のレンズ付きフェルール14の清掃の際には、完全に光プラグ9の接続部9aがキャップ8の第2の穴42に内包され、この2つの光プラグ9の接続部9aとキャップ8の第2の穴42の嵌合する長さが大きく、かつ、2つの部材のクリアランスが小さくしてあるので、レンズ付きフェルール14に対して清掃部が垂直度よく押し付けられ、清掃がより確実に行われる。具体的には光プラグ9の接続部9aとキャップ8の第2の穴42の嵌合する長さは約20mm、2つの部材のクリアランスは1mm以下である。
【0046】
なお、化学処理による弛みで膨らみを調整したところ、清掃布3の厚みが0.4mm〜0.6mmの範囲で良好な清掃結果が得られ、その中でも0.5mm程度の厚みで最良の清掃結果となった。
【0047】
この実施の形態による清掃布3を構成する織物25は、第1の化学繊維31と第2の化学繊維32とを含む複数の第1の糸状素材28からなる複数の縦糸26と、複数の縦糸26に織り込まれた第2の糸状素材33からなる横糸27とを含んでいる。
このため、この実施の形態によれば、横糸27により布強度を確保することができ、清掃時に清掃布3が伸び過ぎることを抑制することができる。したがって、清掃時に清掃布3の厚みを確保できるから、清掃をより一層確実に行うことが可能な光コネクタ用清掃具を提供することができる。
【0048】
また、この実施の形態による清掃布3は、幅方向の両端部が横糸27の折り返し部27aによって構成されているから、両端部が例えばヒートカットや超音波カットなどの手法によって形成された清掃布と較べると、異物が発生することがない。このため、清掃後に被清掃部に異物が残存することなく被清掃部を正しく清掃できる光コネクタ用清掃具を提供することができる。
【0049】
この実施の形態による第2の糸状素材33は、化学処理による収縮率が少ない化学繊維によって形成されている。
このため、この実施の形態による清掃布3は、化学処理後に清掃布3の幅があまり変化しないため、設計通りの幅を有するものとなる。したがって、清掃布3の幅方向と平行な方向に並ぶ複数のレンズ15からなる被清掃部を清掃する場合であっても、全てのレンズ15を確実に清掃することが可能になる。
【0050】
この実施の形態による清掃布3を構成する織物25は、綾織りのものである。このため、横糸27による規制がなく第2の化学繊維32が弛むことが可能な部位が広くかつ多くなるから、弛み部32aが充分に突出するようになる。この結果、被清掃部に凹凸がある場合であっても拭き残しが生じ難い光コネクタ用清掃具を提供することができる。
【0051】
この実施の形態による光コネクタ用清掃具1は、光プラグ9を保持するためのキャップ8が着脱自在に取付けられるものである。このキャップ8の第2の穴42は、清掃ヘッド4とともに筐体2に対して移動する光プラグ9(レンズ付きフェルール14)のガイド43を構成している。
このため、筐体2に取付けられたキャップ8の第2の穴42に光プラグ9を挿入することによって、レンズ付きフェルール14を清掃ヘッド4に対して位置決めすることができる。清掃は、第2の穴42からなるガイド43に沿って光プラグ9をキャップ8に対して移動させ、位置決め状態にあるレンズ付きフェルール14を第2の穴42の奥に向けて進めることによって、実施することができる。
【0052】
したがって、この実施の形態によれば、レンズ付きフェルール14を精密に保持できるから、清掃性の高い光コネクタ用清掃具を提供できる。
また、清掃ヘッド4は、レセプタクル13(メス形の光コネクタ)が嵌合する形状に形成することができる。このため、この光コネクタ用清掃具1は、光プラグ9(オス形の光コネクタ)とレセプタクル13(メス形の光コネクタ)とを清掃可能なものである。
【0053】
上述した実施の形態による清掃布3は、綾織りの織物25によって構成されている。しかし、本発明は、このような限定にとらわれることはない。清掃布3は、例えば図18に示すように、サテン織りの織物51を用いて構成することができ、図19に示すように、平織の織物52を用いて構成することができる。図18および図19において、図1図17によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0054】
サテン織りは、縦糸26と横糸27の交わる組織点をなるべく少なくしたうえで、その組織点を連続しないように分散させ、布面に縦糸26か横糸27のどちらかだけを緻密に浮かせて並ばせた繻子織りの一つである。サテン織りの清掃布3は、綾織よりもさらに交錯点が少なくなるから、綾織と同等かそれ以上に柔らかく膨らんだ形状を実現し易いものである。すなわち、サテン織りの清掃布3を使用した光コネクタ用清掃具1は、縦糸26の弛み部32aが綾織りの場合と同等に形成されるから、被清掃部に凹凸がある場合であっても拭き残しが生じ難いものとなる。
【0055】
平織は、縦糸26と横糸27が一本ごとに交錯する状態で織られている。平織の清掃布3は、糸どうしの交錯点が上記3種類の織り方の中で最も多くなるから、化学処理によって第1の化学繊維31を縮ませることにより弛み部32aが相対的に小さく形成されるものである。このため、この平織の清掃布3を有する光コネクタ用清掃具1は、凹凸がそれほど大きくない被清掃部の清掃に用いることができる。
【0056】
上述した実施の形態においては、第1の化学繊維31と第2の化学繊維32の構成比を6:4とする例を示した。しかし、本発明において、第1の化学繊維31と第2の化学繊維32の構成比は、適宜変更することが可能である。例えば、第1の化学繊維31を体積比で4割とし、第2の化学繊維32を6割とすることも可能である。
【0057】
上述した実施の形態においては、第2の化学繊維32を弛ませるにあたって化学処理によって行う例を示した。しかし、第2の化学繊維32が弛んでいる状態とするためには、化学処理に限定されることはなく、その方法を適宜変更することが可能である。上述した実施の形態によれば、薬液を使用した化学処理で第2の化学繊維32を弛ませているから、清掃布3の全域に略均等に弛み部32aを形成でき、清掃性がより一層高い光コネクタ用清掃具を提供することができる。
【符号の説明】
【0058】
1…光コネクタ用清掃具、2…筐体、3…清掃布、4…清掃ヘッド、5…駆動機構、14…レンズ付きフェルール、8…キャップ、9…光プラグ、9a…接続部、15…レンズ(被清掃部)、25,51,52…織物、26…縦糸、27…横糸、28…第1の糸状素材、31…第1の化学繊維、32…第2の化学繊維、32a…弛み部、33…第2の糸状素材、41…第1の穴、42…第2の穴、43…ガイド。
【要約】
【課題】レンズ型光コネクタを清掃可能な光コネクタ用清掃具を提供する。
【解決手段】光コネクタ14のレンズ15(被清掃部)と対向する清掃ヘッド4と、レンズ15に接触した状態で清掃ヘッド4に対して移動する清掃布3とを備える。清掃布3は、清掃ヘッド4に対して移動するときの移動方向を長手方向とする複数の縦糸28を有する織物25によって帯状に形成されている。縦糸28は、第1の化学繊維31と第2の化学繊維32とを含む。第1の化学繊維31と第2の化学繊維32とのうち一方の化学繊維が張った状態であり、他方の化学繊維が弛んでいる状態である。
【選択図】 図12
図1
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図5
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図8
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図10
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図15