(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記1つ又は複数の第1のプログラミングパルスの前記数が、プログラミングパルスの所定の目標数未満である場合に、前記メモリコントローラが、前記第2のプログラミングパルスの電圧を低減するように構成される、請求項1に記載のメモリ装置。
前記1つ又は複数の第1のプログラミングパルスの前記数が、プログラミングパルスの所定の目標数より多い場合に、前記メモリコントローラが、前記第2のプログラミングパルスの電圧を上昇させるように構成される、請求項1に記載のメモリ装置。
前記メモリコントローラが、前記セクタの各メモリセルにそれぞれの1つ又は複数の第1のパルスを印加するように構成され、且つ、それぞれのメモリセルを前記第1の状態に遷移させるために必要とされる前記1つ又は複数の第1のパルスの最小数を記憶するように構成され、前記メモリコントローラが、1つ又は複数の第1のパルスの前記最小数に基づいて、前記第2のプログラミングパルスの電圧を決定するように構成される、請求項1に記載のメモリ装置。
前記メモリコントローラが、前記セクタの各メモリセルにそれぞれの1つ又は複数の第1のパルスを印加するように構成され、且つ、それぞれのメモリセルを前記第1の状態に遷移させるために必要とされる前記1つ又は複数の第1のパルスの最大数を記憶するように構成され、前記メモリコントローラが、1つ又は複数の第1のパルスの前記最大数に基づいて、前記第2のプログラミングパルスの電圧を決定するように構成される、請求項1に記載のメモリ装置。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の様々な実施形態が、図面に関連して詳細に説明され、図面において、同様の参照数字は、幾つかの図を通して同様の部分及びアセンブリを表す。様々な実施形態への言及は、本発明の範囲を限定せず、本発明の範囲は、本明細書に添付された請求項の範囲によってのみ限定される。更に、本明細書で説明されるどんな例も、限定的であるようには意図されず、単に、特許請求される本発明の多くの可能な実施形態の幾つかを説明するだけである。
【0007】
本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、以下の用語は、文脈が別段の指示をしていない限り、少なくとも本明細書に明確に関連する意味をとる。以下で確認される意味は、必ずしも用語を限定せず、単に用語の実例的な例を提供するだけである。「a」、「an」及び「the」の意味は、複数の言及を含み、「in」の意味は、「in」及び「on」を含む。本明細書で用いられているように、句「一実施形態において」は、必ずしも同じ実施形態を指さないが、指しても良い。同様に、本明細書で用いられているように、句「幾つかの実施形態において」は、複数回用いられる場合に、必ずしも同じ実施形態を指さないが、指しても良い。本明細書で用いられているように、用語「又は」は、包括的「or」演算子であり、文脈が明確に別段の指示をしていない限り、用語「及び/又は」に等しい。用語「〜に部分的に基づいて」、「〜に少なくとも部分的に基づいて」、又は「〜に基づいて」は、排他的ではなく、文脈が明確に別段の指示をしていない限り、記載されていない追加の要素に基づくことを可能にする。用語「結合される」は、接続されるアイテム間の直接電気接続、又は1つ若しくは複数の受動若しくは能動中間装置を通した間接接続を少なくとも意味する。用語「信号」は、少なくとも1つの電流、電圧、電荷、温度、データ、又は他の信号を意味する。
【0008】
簡潔に言うと、本発明は、セクタを含むメモリセル領域を含むメモリ装置に関し、各セクタは、メモリセルを含む。メモリ装置は、メモリセルに対するプログラム動作及び消去動作を制御するように構成されるメモリコントローラを更に含む。メモリセルに対する消去動作中に、プリプログラミングが行われるが、プリプログラミングでは、消去されているセクタにおける各プログラムされていないメモリセルは、プログラムベリファイが終了するまで、プログラム電圧で少なくとも1つのプログラミングパルスを適用することによってプログラムされる。次に、プログラム電圧は、プログラムベリファイが終了するまでに印加されたプログラミングパルスの数に基づいて調整される。そのセクタにおける後続のプログラム動作中に、プログラミングパルスが、調整されたプログラム電圧で印加される。
【0009】
図1は、本発明の実施形態が用いられ得るメモリ環境を示す。図に示されている全てのコンポーネントが、本発明を実施するために必要とされ得るわけではなく、コンポーネントの配置及びタイプにおける変化は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱せずになされ得る。例えば、本発明の幾つかの実施形態はMirrorBit(商標)NORフラッシュメモリと関連して説明されているが、本明細書で説明される構成は、様々な他のタイプのフラッシュメモリなど、他のタイプの超小型電子メモリ又は装置を製造する際に使用されても良い。
【0010】
図示のように、メモリ100は、アレイメモリ110及びメモリコントローラ130を含む。メモリコントローラ130は、信号経路106を通じてアドレス指定データ及びプログラムデータを通信するように配置される。例えば、信号経路106は、8、16、又はそれを超えるデータI/O線を提供することができる。メモリコントローラ130もまた、信号経路103を通じてアレイメモリ110にアクセスするように構成される。例えば、メモリコントローラ130は、信号経路103を介して、アレイメモリ110の一部において、読み出し、書き込み、消去し、且つ他の動作を実行することができる。更に、単一の線として示されているが、信号経路103及び/又は信号経路106は、複数の信号線及び/又は母線にわたって分配されても良い。
【0011】
アレイメモリ110は、メモリコントローラ130を介してアクセスされ得るメモリセクタ120(セクタ1−iとして個々に識別される)を含む。メモリセクタ120は、例えば、個々に又は一括してアクセスされ得るメモリセルを有する256、512、1024、2048、又はより多くのセクタを含むことができる。他の例において、メモリセクタの数及び/又は配置は、異なることができる。一実施形態において、例えば、セクタ120は、より一般的にはメモリブロックと呼ぶことができ、且つ/又はビット線、ワード線及び/若しくはセクタ配列と異なる構成を有するように構成することができる。
【0012】
メモリコントローラ130は、デコーダコンポーネント132、電圧発生コンポーネント134、及びコントローラコンポーネント136を含む。一実施形態において、メモリコントローラ130は、アレイメモリ110と同じチップ上に位置しても良い。別の実施形態において、メモリコントローラ130は、異なるチップ上に位置しても良く、又はメモリコントローラ130の一部が、別のチップ上又はチップ外に位置しても良い。例えば、デコーダコンポーネント132、コントローラコンポーネント134、及び電圧発生コンポーネント136は、異なるチップ上に位置することができるが、しかし同じ回路基板上に一緒に位置することができる。他の例において、メモリコントローラ130の他のインプリメンテーションが可能である。例えば、メモリコントローラ130は、プログラム可能なマイクロコントローラを含むことができる。
【0013】
デコーダコンポーネント132は、アドレス指定信号経路106を介してメモリアドレスを受信するように、且つアレイメモリ110のアーキテクチャに従って個別セクタ、アレイ又はセルを選択するように配置される。
【0014】
デコーダコンポーネント132は、例えば、様々なアドレス指定方式のいずれかに基づいてセクタ、アレイ及び/又はセルを選択するためのマルチプレクサ回路、増幅回路、組み合わせ論理などを含む。例えば、メモリアドレスの一部(又はビットグループ)は、アレイメモリ110内のセクタを識別することができ、別の一部(又は別のビットグループ)は、特定のセクタ内のコアセルアレイを識別することができる。
【0015】
電圧発生コンポーネント134は、1つ又は複数の供給電圧(図示せず)を受信するように、且つ読み出し、書き込み、消去、プリプログラミング、ソフトプログラミング、及び/又は過少消去検証動作のために必要とされる様々な基準電圧を供給するように配置される。例えば、電圧発生コンポーネント134は、コントローラコンポーネント136によって制御できる1つ又は複数のカスコード回路、増幅回路、レギュレータ回路、及び/又はスイッチ回路を含むことができる。
【0016】
コントローラコンポーネント136は、メモリ100の読み出し、書き込み、消去、及び他の動作を調整するように配置される。一実施形態において、コントローラコンポーネント136は、上流のシステムコントローラ(図示せず)からデータを受信及び送信するように配置される。かかるシステムコントローラは、例えば、プロセッサと、信号経路106を通じて通信するための実行可能なプロセッサ命令をロードできるスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)と、を含むことができる。別の実施形態において、コントローラコンポーネント136は、メモリコントローラ130の他の部分と同様に、システムコントローラ又はシステムコントローラの一部に埋め込まれるか、さもなければ組み込まれても良い。メモリコントローラは、コード化されたプロセッサ実行可能コードを自身に有するプロセッサ可読媒体を含んでも良く、プロセッサ実行可能コードは、メモリコントローラ130における1つ又は複数のプロセッサによって実行された場合に、動作を可能にする。
【0017】
コントローラコンポーネント136の実施形態は、状態機械及び/又は比較回路を含むことができる。状態機械及び比較回路は、メモリ100の読み出し、書き込み、消去、又は他の動作を実行するための無数のアルゴリズムのいずれかを呼び出すための様々な回路のどれでも含むことができる。状態機械及び比較回路はまた、例えば、比較器、増幅回路、センス増幅器、組み合わせ論理などを含むことができる。
【0018】
幾つかの実施形態において、メモリ100は、フラッシュベースのNANDセル、NORセル、又は2つのハイブリッドなどのフラッシュベースのメモリセルを含むフラッシュベースのメモリである。メモリコントローラ130は、良好な読み出しマージンのビット配分が維持されるように、プログラム性能を経時的に変化させるように適応する適応的な方法で、消去及びプログラム動作を実行するように配置される。
【0019】
図2は、メモリの別個のセクションの部分上面図を示す。コアセクション201は、例えば、
図1のセクタ120の一部における実施形態であっても良く、アレイコアメモリセルを含んでも良い。周辺セクション202は、例えば、
図1のメモリコントローラ110又は
図1のメモリコントローラ110の一部における実施形態であっても良い。
【0020】
コアセクション201は、コアポリシリコン線241、導電領域242、及び基板205の一部を含む。コアポリシリコン線241の一部は、個別メモリセル(
図2には示されず)のゲートに結合され、且つワード線、ソース選択ゲート線、及び/又はドレーン選択ゲート線として構成することができる。導電領域242の一部は、例えば、ソース/ドレーン領域及び/又は導電線を形成するための、基板205のp型及び/又はn型ドープ領域を含むことができる。例えば、導電領域242は、ビット線及び/又は他の信号線の一部を形成することができる。また、幾つかの実施形態において、個別導電領域242は、個別コアポリシリコン線241の下に少なくとも部分的に延びる。
【0021】
一実施形態において、コアセクション201は、NOR配列で配置され、個別メモリセルは、個別導電領域242を介して個々にアクセスすることができる。別の実施形態において、コアセクション201は、NAND配列で配置され、個別メモリセルは、個別導電領域242を通して、個々にではなく一括してアクセスすることができる。他の実施形態において、ハイブリッドアーキテクチャを用いることができる。例えば、コアセクション201は、NANDベースの部分及びNORベースの別の部分を有するように構成することができる。また、
図2には示されていないが、コアセクション201は、誘電体層、導電層、又は他の層などの様々な相互接続層及び/又はパッシベーション層のいずれかを含んでも良い。例えば、導電領域242は、誘電体スペーサ層の下に配置することができる。
【0022】
周辺セクション202は、周辺ポリシリコン線251、導電領域252、及び相互接続部253を含む。周辺ポリシリコン線251の一部は、個別周辺機器(
図2には示されず)に結合される。
【0023】
導電領域252の一部は、例えば、ソース、ドレーン又は他のタイプのウェルなどの導電性特徴を形成するための、基板205のp型及び/又はn型ドープ領域を含むことができる。相互接続部253は、周辺セクション202における部分を電気的に連結する、且つ/又はコアセクション201を周辺セクション202と電気的に結合する導電線を含むことができる。例えば、相互接続部253は、金属線及びビアの組み合わせを含むことができる。また、
図2には示されていないが、周辺セクション202はまた、様々な他の相互接続部及び/又はパッシベーション層のいずれを含んでも良い。
【0024】
図3は、メモリ装置300の実施形態のブロック図を示す。メモリ装置300は、メモリコントローラ330及びメモリセル310を含む。
【0025】
メモリセル310は、例えば、セクタを含むメモリセル領域を含んでも良く、各セクタは、メモリセルを含む。メモリコントローラ330は、メモリセル310に対するプログラム動作及び消去動作を制御するように構成される。メモリコントローラ330が、メモリセル310に対して消去動作を実行する場合に、消去動作は、実際の消去に先立って行われるプログラミング段階を含む。消去動作中に行われるこのプログラミング段階は、「プリプログラミング」と呼ばれても良い。
【0026】
プリプログラミング中に、プログラムベリファイが終了するまで、少なくとも1つのプログラミングパルスが、消去されているセクタにおける各メモリセルに対して、プログラム電圧で印加される。(プログラムベリファイが終了するまでに)印加されたプログラミングパルスの数は、記憶される。次に、プログラム電圧は、プログラムベリファイが終了するまでに印加されるプログラミングパルスの数に基づいて調整される。消去動作の後に続くプログラミング動作中に、プログラミングパルスは、プログラムされる各ビットに印加され、最近調整されたプログラム電圧が用いられる。
【0027】
図4は、メモリ装置400の実施形態のブロック図を示し、メモリ装置400は、
図3のメモリ装置300の実施形態として用いられても良い。メモリ装置400は、メモリアレイ402と、メモリアレイ402内に位置する個別メモリセル403と、を含む。メモリセル403は、メモリアレイ402においてN+1行及びM+1列に配置される。一実施形態において、メモリアレイ402の各行は、ビット線BL0〜BLNの2つによってアクセスされる。メモリアレイ402の各列は、ワード線WL0〜WLMの1つによってアクセスされる。従って、メモリセル403のそれぞれは、セルの対応するビット線及び対応するワード線を活性化することによってアクセスすることができる。一実施形態において、メモリアレイ402の各列は、データワードを定義する。N+1が、例えば8の値を有する場合に、メモリアレイ402の各列におけるセルは、1バイトのデータを定義する。
【0028】
メモリセル403は、異なる実施形態において異なる方法でビットを記憶するフラッシュメモリセルであっても良い。様々な実施形態において、単一セルが、1つ又は複数のビットを記憶しても良い。例えば、幾つかのメモリセルが、単一セル装置であり、幾つかのメモリセルが、デュアルセル装置であり、以下においてより詳細に説明されるように、幾つかの実施形態において、閾値電圧の1を超える別個のレベルが、セル当たり1を超えるビットを表すために用いられても良い。幾つかの実施形態において、フラッシュメモリは、フローティングゲートトランジスタから作製されたメモリセルアレイに情報を記憶する。例えばNORゲートフラッシュにおいて、トランジスタは、トランジスタが1つではなく2つのゲート、即ちフローティングゲート及び制御ゲートを有するという点を除いて、標準的な金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)に似ている。他の金属酸化物半導体トランジスタにおけるように、上部には制御ゲート(「CG」)があるが、しかしその下には、酸化物層によって一面に絶縁されたフローティングゲート(「FG」)がある。FGは、CGとMOSFETチャネルとの間に置かれる。FGが、絶縁層によって電気的に絶縁されるので、そこに置かれたどんな電子も、そこに閉じ込められ、通常状態下では、長年にわたって放電しない。FGが電荷を保持する場合に、それは、電界をCGから遮り(部分的にキャンセルし)、これは、セルの閾値電圧(「V
T」)を変える。MOSFETの閾値電圧は、通常、ゲート電圧として定義され、逆転層が、トランジスタの絶縁層(酸化物)と基板(本体)との間の界面に形成される。読み出し中に、電圧がCGに印加され、MOSFETチャネルは、セルのV
Tに依存して導通するか又は絶縁性のままであり、セルのV
Tが、今度は、FG上の電荷によって制御される。装置用の電圧閾値の決定を可能にする、MOSFETチャネルを通る電流フローが感知され、閾値電圧が、今度は、装置内に記憶される2進データに関する情報を提供する。
【0029】
単一セル装置において、トランジスタの各制御ゲートは、記憶された情報を表す単一電荷量を記憶する。そのデフォルト又は「プログラムされていない」状態において、それは、2進法の「1」値と論理的に等しい。何故なら、電流が、制御ゲートへの適正電圧の印加の下でチャネルを通って流れるからである。
【0030】
デュアルセル装置において、各制御ゲートは、記憶された情報を表す2つの電荷量を記憶する。即ち、2つの物理的に別個の電荷量が、フローティングゲートの両側に記憶される。フローティングゲートの一側におけるデータの読み出し又は書き込みは、フローティングゲートの反対側に記憶されるデータとは無関係に行われる。この技術において、FGは、2つのミラーリングされたか又は相補的な部分に分割され、そのそれぞれは、独立情報を記憶するように構築される。各デュアルセルは、従来のセルのように、ソース及びドレーンと共にゲートを有する。しかしながら、デュアルセルにおいて、ソース及びドレーンへの接続は、2ビットの記憶を可能にするために動作において逆にされても良い。メモリセルのそれぞれは、多層で構成される。電荷トラップ誘電体層が、半導体基板上に形成される。電荷トラップ誘電体層は、一般に、3つの別個の層、即ち、第1の絶縁層、電荷トラップ層、及び第2の絶縁層から構成することができる。ワード線が、ビット線とほぼ垂直に電荷トラップ誘電体層上に形成される。1ビットが、一配置において接続されるソース及びドレーンにより記憶され、且つ相補ビットが、別の配置において接続されるソース及びドレーンにより記憶されるように、プログラミング回路は、制御ゲートとして働くワード線に信号を適用すること及びビット線接続を変更することによって、セル当たりの2ビットを制御する。
【0031】
単一レベルセル(「SLC」)装置において、各セルは、単に1ビットの情報を記憶し、セルは、「プログラムされていない」(「1」値を有する)か又は「プログラムされている」(「0」値を有する)。また、自身のセルのフローティングゲートに印加すべき電荷の複数のレベル間で選択することによって、セル当たり1を超えるビットを記憶できるマルチレベルセル(「MLC」)装置が存在する。これらの装置において、FGにおける電荷のレベルをより正確に決定するために、(電流フローが単に存在するかしないかではなく)電流フローの量が感知される。
【0032】
例として、デュアルセル装置はまた、1つのトランジスタが16の異なる状態と一致するように、セルあたり4ビットを記憶するMLC装置であっても良い。これは、フラッシュ装置用に、より大きな容量、より小さなダイサイズ、及びより低いコストを可能にする。
【0033】
メモリ装置400は、温度感知装置461、コントローラ436、デコーダ481、デコーダ482、電圧レギュレータ483、電圧レギュレータ484、チャージポンプ485、及びチャージポンプ486を更に含む。
【0034】
チャージポンプ485は、ブーストビット線電圧を供給するように配置される。チャージポンプ486は、ブーストワード線電圧を供給するように配置される。電圧レギュレータ483は、チャージポンプ485からブースト電圧を受信するように、且つコントローラ436からの制御に基づいて、調整されたブーストビット線電圧を供給するように配置される。同様に、電圧レギュレータ484は、チャージポンプ486からブースト電圧を受信するように、且つコントローラ436からの制御に基づいて、調整されたブーストワード線電圧を供給するように配置される。
【0035】
デコーダ481及びデコーダ482は、それぞれコントローラ436からアドレスバス情報を受信でき、コマンドに関連する所望のメモリセル(例えばメモリ位置)のアクセス又は選択を容易にするために、且つコントローラ436によって制御されるタイミングに従ってビット線(デコーダ481)及びワード線(デコーダ482)に、必要とされる電圧を供給するために、かかる情報を利用することができる。
【0036】
デコーダ481はまた、幾つかの実施形態においてセクタデコーダを含んでも良い。かかるものとして、デコーダ409は、メモリ装置400内の特定の列又は列グループのアクセス又は選択を容易にするように配置されても良い。例えば、或る列グループは、セクタを定義しても良く、別の列グループは、別のセクタを定義しても良い。別の実施形態において、部分401は、特定のメモリアレイ404に対するアレイデコーダを含んでも良い。更に、アレイデコーダの実施形態は、別々にか又はセクタデコーダと共に働くように構成することができる。
【0037】
メモリコントローラ436はまた、メモリアレイ402に対する読み出し、書き込み、及び/又は消去のために、活性化及び非活性化個別ワード線WL0〜WLMを制御するように構成される。例えば、メモリコントローラ410は、列WL1〜WLMの1つを選択して、その列を活性化するために、セレクト信号をデコーダ482に供給することができる。更に、メモリコントローラ436は、書き込まれるか又は読み出される特定の行BL0〜BLN(又はセクタ)を選択するために、セレクト信号をデコーダ481に供給することができる。読み出し動作は、記憶されたビットの値を読み出すために用いられるが、しかしビットを変更しない。プログラム動作は、プログラムされていない値からプログラムされた値にビットを変更するビット変更動作である。消去動作は、プログラムされた値からプログラムされていない値にビットを変更するビット変更動作である。
【0038】
一実施形態において、特定のメモリセル403に対するプログラム動作は、以下のように実行される。コントローラ436は、電圧レギュレータ481によって供給されるブースト電圧をメモリセル用の適切なビット線に結合させるように、且つ電圧レギュレータ484によって供給されるブースト電圧をメモリセル用の適切なワード線に結合するように、配置される。これらの電圧は、特定の期間にわたってメモリセル403に供給される。幾つかの実施形態において、パルス幅は、100〜200ns程度である。パルスが完了した後の時点で、セルの閾値電圧が、プログラムされたビットになるための適正電圧に達したかどうかを決定するために、プログラムベリファイが実行される。そうならば、ビットのプログラミングは、完了する。そうでなければ、プログラムベリファイが成功するか又は動作時間が終了するまで、同様のパルス繰り返しが実行される。
【0039】
幾つかの実施形態において、ビットが、各メモリセルの左側及び右側の両方に記憶される。これらの実施形態の幾つかにおいて、プログラミング動作中に、各プログラミングパスに関し、プログラミングパスが、最初にメモリセルの左側に対して行われ、続いて右側に対して行われる。メモリコントローラ403が、プログラムされる各左側ビット用に、左側ビットのプログラミングの実行を制御しているときに、ブーストワード線電圧は、メモリセルの制御ゲートに印加され、ブーストビット線電圧は、メモリセルの左側に印加され、メモリセルの右側は接地される。幾つかの実施形態において、ブーストワード線電圧は、ブーストビット線電圧に先立って印加される。しかしながら、ワード線電圧の印加は、それ自体では、セルのプログラミングにほとんど効果がない。ワード線電圧がメモリセルに印加された後で、ビット線電圧が印加される。幾つかの実施形態において、ブーストワード線電圧は、約8又は9ボルトであり、ブーストビット線電圧は、約5ボルトである。ブーストワード線電圧及びブーストビット線電圧の両方が、メモリセルに印加されると、それは、プログラミングパルスの始まりである。
【0040】
それらの実施形態において、プログラムされる左側ビットがプログラミングパルスを受信した後で、プログラムされる右側ビットが、プログラミングパルスをほぼ同じ方法で受信し、相違は、プログラムされることになる各右側ビット用に、セルの右側がブーストビット線電圧を受信し、セルの左側が接地されるということである。
【0041】
それらの実施形態において、プログラミングパルスが、メモリ側部の両側に印加された後で、プログラムされるセルの全てがまだ、成功裡にプログラムされたわけではない場合には、プログラムベリファイが成功するか、又は動作時間が終了するまで、(再び、交互の左側及び右側パスを用いて)同様のパルス繰り返しが実行される。
【0042】
メモリ装置400の実施形態は、メモリ装置400の寿命にわたって厳格なVT分配を維持することによって、メモリ装置400の寿命にわたり良好な読み出しマージンを維持する。各メモリ装置400は、VCCウィンドウ、温度ウィンドウ、及びそれが作用しなければならない装置ウィンドウの寿命を有する。これらの要因の結果として読み出しマージンが小さくなりすぎる場合に、ビットが不正確に読み出される可能性がある。
【0043】
メモリ装置400の幾つかの実施形態において、メモリ装置400の寿命にわたるメモリ装置400のプログラム性能は、「バスタブ曲線」である。寿命初期(BOL)において、特定のプログラム性能があり、装置が古くなるにつれて、メモリセルは、プログラムすることが著しく簡単になる。次に、プログラム性能は、寿命末期(EOL)の近くで、ビットをプログラムできる速度が再び減速し始めるまで、比較的長い期間にわたってかなり一定のままである。メモリ装置400が、BOLにおいてプログラム性能のために調整され、そのプログラム性能に対して許容可能な読み出しマージンが達成された場合に、適応調整を適用せずにメモリ装置400が循環し古くなるにつれて、読み出しマージンは劣化することになろう。メモリ装置400の幾つかの実施形態は、メモリ装置400の寿命にわたってメモリ装置400のプログラム性能を追跡する適応調整を適用し、その結果、読み出しマージンは、維持される。
【0044】
メモリ装置400の幾つかの実施形態において、消去動作は、セクタごとに実行される。消去動作の初めに、バルクプログラミング動作が、セクタ上で実行され、バルクプログラミング動作が完成した後で、セクタにおける各ビットがプログラムされた状態であることを保証するために、セクタにおける各プログラムされていないビットをプログラムする。消去動作の一部として行われるこのバルクプログラミング段階は、「プリプログラミング」と呼ばれても良い。プリプログラミングの後で、コントローラ436は、消去されているセクタにおけるビットのそれぞれをプログラムされた状態からプログラムされていない状態に変化させるために、消去動作の実行を制御する。
【0045】
プリプログラミング中に、ビットの幾つかは、プログラムされていない状態からプログラムされた状態に変更され、パルスは、上記のように、プログラムベリファイが終了するまで印加される。そのセクタにおいて印加されたパルス数が記憶される。
【0046】
そのセクタ用の記憶されたパルス数は、そのセクタ用のさらに後のプログラミング動作において使用される。この記憶された数は、必要な場合に、プログラム電圧を調整するために後続のプログラミング動作を調整するように用いられる。「プログラム電圧」は、一般に、メモリセルに印加されるブーストワード線電圧であるが、しかしそれは、幾つかの実施形態においてビット線電圧であっても良い。プログラム電圧の変更は、プログラミング速度を変化させる。
【0047】
各メモリ装置400用に、印加されるプログラミングパルスの最適数が存在する。ビットが、単に1つ又は2つのプログラミングパルスなどの比較的少数のプログラミングパルス後にプログラムされる場合に、読み出しマージンは、減少する。最後のプリプログラミング段階中に必要とされる記憶されたパルス数は、後続のプログラム動作において使用されるプログラム電圧を調整するために用いられる。プログラムベリファイが終了するまでに、最適数より少数のパルスが必要とされる場合に、プログラミングが速く行われすぎ、従って、プログラム電圧は、低減される。プログラムベリファイが終了するまでに、最適数より多くのパルスが必要とされる場合に、プログラミングは、ゆっくりと行われすぎ、その結果、プログラム電圧は、上昇される。正確に最適数のパルスが用いられる場合に、プログラム電圧は、不変のままである。例えば、プログラム電圧は、BOLにおいて9.5Vであっても良く、装置の寿命にわたって徐々に約8.5Vまで減少しても良く、メモリ装置400のEOLの近くで再び上昇しても良い。各場合において、変化は、最後の消去動作のプリプログラミング段階中のプログラムベリファイ用に必要とされる記憶されたパルス数に基づいている。幾つかの実施形態において、第1の消去動作の前に用いられる初期値は、工場で調整される。
【0048】
幾つかの実施形態において、EOLの近くの時点で、プログラム電圧が、BOLにおけるその開始値の近くの値に戻る場合に、これは、EOLが近く、且つ装置がすぐに交換されるべきであるという、ユーザへの警告又は表示を合図するために用いられても良い。
【0049】
幾つかの実施形態において、メモリ装置400は、モノリシックであり、
図4に示されている装置の全ては、同じチップ上に一緒に位置する。他の実施形態において、
図4に示されているコンポーネントの幾つかは、異なるチップ上に位置しても良く、又は装置の一部は、異なるチップ上に位置しても良い。装置の幾つかは、異なるチップ上だが、しかし同じ回路基板上に一緒に位置しても良い。
【0050】
メモリ装置400の幾つかの実施形態において、消去動作は、セクタごとに実行され、一方でプログラミング及びプリプログラミング動作は、ビット単位の動作として実行される。上記のように、「プリプログラミング中に、ビットの幾つかは、プログラムされていない状態からプログラムされた状態に変更され、パルスは、上記のように、プログラムベリファイが終了するまで印加される。そのセクタにおいて印加されたパルス数が記憶される。そのセクタ用の記憶されたパルス数は、そのセクタ用のその後のプログラミング動作において使用される」。プリプログラミングが、ビット単位の動作なので、セクタ用に記憶されたパルス数は、異なる実施形態において異なる可能性がある。幾つかの実施形態において、最も速いビット及び最も遅いビットが、追跡される。幾つかの実施形態において、調整は、バスタブ曲線と一致し、その結果、バスタブ曲線を下る途中で、最も速いビットが速すぎる場合に、プログラム電圧は、次のプログラムに対して低減される。バスタブ曲線を上がる途中で、最も遅いビットが遅すぎる場合に、プログラム電圧は、上へと調整される。単にセクタ全体の最小及び最大パルス計数を追跡することによって、この調整が可能になる。従って、幾つかの実施形態において、「そのセクタに印加されるパルス数が記憶される」ということは、(セクタにおける全てのビットに対する)最小及び最大パルス計数が記憶されることを意味する。これは、他の実施形態において他の方法で行われても良い。
【0051】
現代の半導体装置は、半導体材料の基板表面上に製造された集積回路として典型的に作製される。処理は、ウエハを成長させることによって始まり、それは、チョクラルスキー法を用いて典型的に行われる。様々な装置が、堆積、除去プロセス(エッチングなど)、パターニング及びドーピングを含む一連のステップを用いてウエハ上に形成される。かかるステップの少数のステップ又は数百ものステップが、様々な設計において用いられても良い。パターニングステップは、フォトリソグラフィ又は他のリソグラフィ方法によって実行されても良い。例えば、ウエハは、フォトレジストでコーティングされても良く、フォトレジストは、フォトマスキングを通して光を露光する装置で露光され、フォトマスクによってブロックされていないウエハ部分を光にさらす。フォトレジストが、光に露光されなかったエリアにのみ残るように、露光された領域が除去される。これは、フォトマスク上のパターンに従って層をエッチングできるようにする。装置がウエハ上に形成された後で、適切に装置を相互接続すること及びワイヤへの装着のためにチップエッジに金属線を導くことを含む様々なバックエンド処理及びパッケージングが実行される。
【0052】
設計者は、製作者によって提供される設計規則セットに従って装置設計を作成し、設計に基づいた一連の設計ファイルを作成する。様々な設計ツールが、設計の作成、設計のシミュレーション、及びレイアウト規則の逸脱に対する設計のチェックの際に、設計者によって使用されても良い。完成した場合に、設計ファイルは、製作者に提供され、設計ファイルは、装置を製作する際に使用されるフォトマスクを生成するために用いられる。設計ファイルは、ネットワークを介することを含む様々な方法で通信されても良い。
【0053】
図4のメモリ装置400の実施形態は、例えばプロセッサ及び他のコンポーネント又はかかるコンポーネントのシステムを含む様々なコンポーネント及び/又はシステムのいずれかに組み込むことができる。
図5は、システム590の一実施形態を示すが、システム590は、メモリ520を組み込んでも良く、メモリ520は、
図4のメモリ装置400の実施形態である。メモリ520は、プロセッサ592、入力装置593、及び/又は出力装置594のいずれか1つに直接又は間接的に接続することができる。一実施形態において、メモリ520は、それがシステム590から取り外し可能なように、構成されても良い。別の実施形態において、メモリ520は、システム590のコンポーネント又はコンポーネントの一部に永続的に接続されても良い。
【0054】
多くの実施形態において、システム590のメモリ520、プロセッサ592、入力装置593、及び/又は出力装置594は、より大きなシステムの一部として機能するように組み合わせて構成される。例えば、システム590は、携帯電話、ハンドヘルド装置、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ、及び/又はサーバ装置に組み込まれても良い。追加又は代替として、システム590は、感知、撮像、コンピューティング、又は他の機能に関連する機能など、様々な処理、コントローラ、及び/又はデータ記憶機能のいずれも実行することができる。従って、システム590は、かかる機能を使用し得る種々様々な装置(例えば、デジタルカメラ、MP3プレーヤ、GPSユニットなど)のいずれにも組み込むことができる。
【0055】
上記の仕様、例、及びデータは、本発明の構成の製造及び使用の説明を提供する。本発明の多くの実施形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに作成され得るので、本発明はまた、添付された特許請求の範囲に存在する。