(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5938154
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】電気的刺激によって標的臓器の動脈の血流を減少させるシステム
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
A61N1/36
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-513236(P2016-513236)
(86)(22)【出願日】2013年5月15日
(86)【国際出願番号】EP2013060060
(87)【国際公開番号】WO2014183790
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2016年1月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513109153
【氏名又は名称】コチ・ウニヴェルシテシ
【氏名又は名称原語表記】KOC UNIVERSITESI
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ユスフ・オズギュル・チャクマク
【審査官】
石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特許第5026286(JP,B2)
【文献】
特許第4049770(JP,B2)
【文献】
特表2002−527203(JP,A)
【文献】
特表2005−537853(JP,A)
【文献】
特表2009−538173(JP,A)
【文献】
特表2013−517049(JP,A)
【文献】
特許第5657841(JP,B2)
【文献】
特許第5768041(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出血又は医療的に必要な場合に標的器官の血流を減少させるためのシステムであって、前記システムは、
患者の皮膚に配置される電極(11)を含む統合された電気刺激装置と、
少なくとも一つの第1入力手段と少なくとも一つの第2入力手段とを含むサブシステムと、
を備え、
前記第1入力手段は、血圧測定及びパルス検出器ユニットを含み、前記第2入力手段は、ユーザが負傷又は出血エリア情報を前記システムに入力することを可能にする装置であると共に、
前記サブシステムは、前記サブシステムに組み込まれたアルゴリズムに従って、検出した血圧、パルス、及び、入力された負傷又は出血エリアに基づいて、配置される電極の場所を判断し、
前記サブシステムは、さらに、前記電極(11)が配置される場所を少なくとも皮膚マップを通じて表示する、システム。
【請求項2】
血圧及びパルスデータに基づいて、標的臓器内の血液減少レベルの能力を選択する手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
統合された視覚的及び音響的警報システムを含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
さらに、皮膚のしゃく熱感を克服するために15ミリアンペアを超える電流の高電流遮断のための手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
さらに、前記電極周囲の皮膚を冷却するための熱電冷却器を含むことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2入力手段は、案内手段に埋め込まれている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記案内手段は、表示部(10)であることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記表示部は、タッチスクリーンディスプレイである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記電気刺激装置と、前記表示部(10)と、前記血圧測定及びパルス検出ユニットと、は、それぞれ個別に使用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記電気刺激装置は、60〜90Hzの刺激周波数で、0.1〜300μsのパルス持続時間でバイポーラ電気信号を印加する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記電気刺激装置は、80Hzの刺激周波数で、0.1〜300μsのパルス持続時間でバイポーラ電気信号を印加する、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の電気刺激マップの表示データを出力し、電気刺激を血流減少に適用するシステムの統合電極の皮膚の配置を案内する、医療用コンピュータ支援内出血重症度診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内臓器の出血を減少させる従来技術の現在の適用は、外部適用フォーム、衣服または外科的移植を必要とするデバイスである。さらに、それらは、特定の臓器ではなく、さらに、外科的適用で欠陥の中又は周囲に配置されたデバイス、若しくは、機械的圧迫、化学反応又は局所的筋収縮方法を用いるデバイスでもない。
【0003】
このような適用の例は、US2003/114900A1、US2007/055337A1、WO2010/118178A2、US7226615B2、及び、US20120107439、さらにEP1703881A2及びEP0957773B1に開示されている。
【0004】
US2003/114900A1のシステムは、刺激領域の一定の局在化(foot)のための手段を含み、それは特定の個々の内臓器、及び、個々の臓器の動脈内の血流を減少させるような特定の効果を標的としていない。さらにUS2003/114900A1における従来のシステムそれ自体は、特定の臓器の動脈の血流を減少させるための特定のマップを提供できず、システム自体は、個々の臓器の血流の減少のキャリブレーションおよび最適化については欠如している。また、システムは、容易に実施することは厄介である。
【0005】
US2007/055337A1のシステムは、筋肉の収縮を標的とすることによって血流を改善するための手段を含む。また、このシステムは、人間のための高電圧を使用しており、損傷した領域に適用された場合にのみ有効である。
【0006】
WO2010/118178A2のシステムは、子宮収縮の助けを借りて、子宮の血流を調節するのための手段を備える。上記USPに記載されたシステムは、子宮のみを調節するための手段を含む。
【0007】
US7226615B2は、外出血及び注射の必要のための泡立て手段を開示している。
【0008】
その場で血止めの泡のインプラントの形成と題された米国特許出願番号20120107439では、出血が減少させる手段を含むが、それは血管内注射を必要とする。
【0009】
EP1703881A2は、外出血のための創傷被覆材のための手段のみを備える。
【0010】
EP0957773B1では、血管内に向かう経皮的カテーテルで血管内の閉塞のための手段を備える。上記のEPに記載されたシステムは、装置の血管内への外科的移植を必要とする。
【0011】
腹腔内バルーン装置と題されたPCT特許出願WO2009/103298は、腹腔内配置を必要とし、血管の機械的圧縮によって子宮出血を克服することを唯一の目標としている。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、出血又は医療的に必要な場合に標的器官の血流を減少させるためのシステムに関し、システムは、患者の皮膚に配置される電極を含む統合された電気刺激装置と、少なくとも1つの第1入力手段及び少なくとも1つの第2入力手段を含むサブシステムと、を備える。第1入力手段は、血圧測定及びパルス検出ユニットを含み、第2入力手段は、を備える、ユーザがシステムに負傷または出血エリア情報を入力することを可能にする装置である。上記サブシステムは、サブシステムに組み込まれたアルゴリズムに従って、検出した血圧、パルス、及び、入力された負傷又は出血エリアに基づいて、配置される電極の場所を判断し、サブシステムは、さらに、上記電極が配置される場所を少なくとも皮膚マップを通じて表示する。
【0013】
発明の目的
本発明の目的は、手術、血管内適用または医療専門家を必要とせず、医療専門家の助け及び又は外科適用まで恒常性の延長時間を提供するために、臓器ベースのターゲットシステム(an organ based targeting system)の助けによって内部出血を克服することである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】刺激印加と電極配置のフローチャートである。
【
図3】肝臓、胃、腎臓、脾臓、および近位大腸に20%の血流の減少を達成するための2つの電極配置の皮膚マップの左右対称の配置を示す図である。
【
図4】遠位大腸、精巣(性腺)、前立腺および膀胱に20%の血流の減少を達成するための2つの電極配置の皮膚マップの他の左右対称の配置を示す図である。
【
図5】遠位大腸、精巣(性腺)、前立腺および膀胱に40%の血流の減少を達成するための4つの電極配置の皮膚マップの左右対称の配置を示す図である。
【
図6】すべての腹部臓器の40%の血流の減少を達成するための4つの電極配置の皮膚マップの他の左右対称の配置を示す。
【
図7】肝臓、胃、脾臓、近位大腸に40%の血流の減少を達成するための4つの電極配置の皮膚マップの別の左右対称の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面中の要素にはそれぞれ符号を付している。
【0016】
本発明は、内部出血または手術などの医療的に必要な場合に、標的臓器への血流を減少させるために統合された特定の電気刺激装置を備えるシステムに関連する。システムは、さらに、少なくとも1つの第1入力手段及び少なくとも1つの第2入力手段を含むサブシステムを備える。第1入力手段は、血圧測定及びパルス検出ユニットを含み、第2入力手段は、ユーザがシステムに負傷または出血エリア情報を入力することを可能にする装置である。上記サブシステムは、サブシステムに組み込まれたアルゴリズムに従って、検出した血圧、パルス、及び、入力された負傷又は出血エリアに基づいて、配置される電極の場所を判断し、サブシステムは、さらに、電極が配置される場所を少なくとも皮膚マップを通じて表示する。
【0017】
本発明は、また、電気刺激(
図2)を用いて標的臓器の動脈の血流を減少させるためのシステムに関する。本発明のシステムは、以下のステップを含む。
・表示部(10)に示されるように、標的器官および血流減少の所望のレベルに応じた経皮/経皮電極(11)の配置、
・60〜90ヘルツ(0.1−300秒(マイクロ秒)のパルス持続時間−バイポーラ)で、ちょうど個人の痛みの閾値以下に増加された強度の電気刺激、
・標的臓器又は器官の動脈で5分内の血流が減少。
【0018】
本発明は、所望の臓器の血流を減少させるために、特定の電気刺激(経皮的(percutaneous and/or transcutaneous))の組合せおよび皮膚分節(神経によって供給される皮膚領域、皮節"dermatome")ゾーンを使用するハンドヘルドシステムに関連している。さらに、システムはユーザが3〜5分の様々な皮膚分節の上への電極の組み合わせの特定の配置によって、所望の臓器の動脈の血流減少のレベルを20%から44%の間で較正できるようにする。
【0019】
また、本発明のシステムは、皮膚のしゃく熱感を克服するために15ミリアンペアを超える電流の高電流遮断のための手段を含み、好ましくは、電極の周りの皮膚を冷却し、しゃく熱感を回避するために、熱電冷却器を含む。このような機能は、例えば、皮膚内のしゃく熱感を生じさせずに高電流で刺激する場合に有用であろう。15ミリアンペアを超える電流を使用する場合には、高電流遮断器をオフにする必要がある。熱電冷却器は、また、15ミリアンペア以下の電流レベルで使用することができる。
【0020】
システムは、さらに、複数の個々の内部出血をユーザが管理するための統合された視覚的および音響的警報システムを含む。これは、例えば、複数の個人が負傷し、同じ医師がそれらのすべてを気遣う必要がある場合に重要であろう。さらに、システムは、医師や救急員に通知する無線通信機器(14)等の通信手段を含んでもよい。通信手段によって、血圧及び心拍データを含む属性データを誤り検出および誤り訂正ができると共に、ノイズに脆弱でない通信を確立できる符号化された形式で送信する。このような符号化技術は、当該分野で公知である。
【0021】
本発明のアルゴリズムは、単に、測定された心拍数と血圧を監視する手段、すなわち、血圧測定及びパルス検出部(13)による、指、腕、及び手首とは別に、または指、腕、及び手首と組み合わせた監視と、特定のソフトウエアによる、表示部(10)上の電極配置マップとして反映されたデータの解釈と、を含む(
図1)。
【0022】
本発明では、サブシステムを含む、コンピュータ支援診断システムであって、前記サブシステムは、
内部臓器の出血を有する個体の血圧および脈拍データについての第1入力手段と、
複数のコンピュータ支援診断アルゴリズム及び電極配置用の皮膚マップを格納する記憶手段と、
血圧及び拍データに基づいて標的器官の血液減少レベルの能力、電極配置の皮膚マップに適した最適なコンピュータ支援診断アルゴリズム、及び、統合された視覚的及び音響的警報システムを選択する手段と、
分析し、データ表示する手段、すなわち、ディスプレイを備えたマイクロプロセッサベースのシステムと、
内部器官の出血の重症度に関連して使用される電極配置及び電極の数を案内する手段であって、好ましくは表示部(10)と、
を備える、システムを提供する。
【0023】
コンピュータ支援診断システムは、さらに、
統合された特定の電気刺激装置と電極(11)とを含む刺激手段と、
すべてのユニットへの電力接続および信号接続を提供する接続ネットワークと、
を含む。
【0024】
電気刺激装置は、また、電極(11)、表示部(10)、及び、血圧測定及びパルス検出部(13)と連動して単独で使用することができる。
【0025】
システムは、さらに、第2入力手段を含んでもよい。第2入力手段は、好ましくは、案内手段に埋め込まれており、案内手段は、好ましくは表示部(10)である。上記表示部は、キーボード、タッチスクリーンディスプレイであってもよく、それによって救急処置を提供する人あるいは負傷者自身のいずれかであってもよいユーザーが、システムに負傷エリア又は出血エリア情報を入力することが可能になる。この情報とは、負傷エリアまたは出血エリアの箇所である。
【0026】
案内手段としてタッチスクリーンディスプレイを使用した場合に、第2入力手段は、案内手段に埋め込むことができ、それによってディスプレイ部は、ユーザに電極(11)を配置する場所を案内するだけでなく、入力を受け付ける。この場合、ユーザは、ディスプレイ上に現れる身体の図面または写真上の負傷エリアまたは出血エリアの位置を特定することができる。
【0027】
電極配置の皮膚マップには、負傷エリア又は出血エリアの位置に応じて、及び、属性付きデータに応じて、統合された特定の電気刺激装置の電極を配置する場所の情報が含まれている。
【0028】
血流の減少と器官特定の皮膚マップとの提案する発明の根底にある機構:
脊髄の多数受容可能なニューロンの分節受容野は、皮膚の上に配置され、興奮性野と抑制性野で構成されている。受容野は、非常に多くの場合、内蔵の構成要素と単一のニューロン上に発生した特異な情報の収斂とを含む(D.Le Bars/Brain Research Reviews 40(2002)29−44)。周囲の神経系の交感神経の神経線維は、高周波電気刺激することにより達成される内臓器の血流量減少効果の主な標的である。刺激周波数は、60〜90Hzの間であって、好ましくは、80Hzである。パルス持続時間は、0.1〜300μs(マイクロ秒)の間とすることができる。
【0029】
適切な神経と刺激周波数との組み合わせが使用されている場合、経皮的神経刺激又は電気針(EA)は、標的臓器の血流を増加または減少させるのに非常に選択的な作用を示す(Cakmak YO,Akpinar IN,Ekinci G,Bekiroglu N「ヒトにおける腹部の電気針への精巣動脈のポイント(場所)特定応答及び周波数特定応答」Fertil Steril 2008;90;1732−8、Ho M,Huang LC,Chang YY、Chen HY,Chang WC、Yang TC,etal「電気針によって不妊女性における子宮動脈の血流インピーダンスを低減する」Taiwan J Obstet Gynecol 2009;48;148−51、Stener−Victorin E、Kobayashi R、Watanabe O、Lundeberg T、Kurosawa M「ステロイド誘発性多嚢胞性卵巣を有する麻酔されたラットにおける卵巣の血流の様々な周波数及び強度の電気針刺激の効果」Reprod Biol Endocrinol 2004;26;2−16)。本発明者は、以前に報告している(Cakmak YO,Akpinar IN,Ekinci G,Bekiroglu N「ヒトにおける腹部の電気針への精巣動脈のポイント(場所)特定応答及び周波数特定応答」Fertil Steril 2008;90;1732−8)。この論文では、血流に加えて、動脈の直径と面積変化をこの論文で初めて明らかにすることによって、ラットの血流を増加させることが証明された有効な周波数を使用して、刺激周波数及び皮膚分節(デルマトーム"dermatome")の特定の組み合わせを用いて、EA(電気針)によってヒトの精巣動脈に増加させることができることを示した。同研究では、また、密接に隣接する皮膚分節(T10−T12)が血流の手段で同じ器官に影響を与える同じ能力を持っていないことを明らかにした。
【0030】
卵巣の血流減少の電気刺激パラメータは、ラットにおいて示されている(Stener−Victorin E、Kobayashi R、Watanabe O、Lundeberg T、Kurosawa M「ステロイド誘発性多嚢胞性卵巣を有する麻酔されたラットにおける卵巣の血流の様々な周波数及び強度の電気針刺激の効果」Reprod Biol Endocrinol 2004;26;2−16)。ヒトでは本発明者が初めて線維腫原点を伴う極端な出血を減少させた子宮動脈のようなヒトの内臓器の動脈についての電気刺激の最適な血流減少パラメータ及び皮膚分節の組み合わせを示した。ラットでは、高周波のEAによってのみ卵巣の血流を減少させることができることが実証されている。一方、高周波EA刺激に対する卵巣の血流応答は、ラットの卵巣の交感神経繊維の切断後に研究されたため、そのような機能を補助する神経解剖上の経路は、セグメントの神経支配に加えて重要な効果とみなされる。(Stener−Victorin E、Kobayashi R、Watanabe O、Lundeberg T、Kurosawa M「ステロイド誘発性多嚢胞性卵巣を有する麻酔されたラットにおける卵巣の血流の様々な周波数及び強度の電気針刺激の効果」Reprod Biol Endocrinol 2004;26;2−16)。
【0031】
ヒトの皮膚における単一の交感神経C線維の神経支配領域は、様々な皮膚ゾーンに様々な蓄積を有する(J Neurophysiol.1998、Apr;79(4);1653−60、「ヒトの皮膚における単一の交感神経C線維の神経支配領域」Schmelz M、Schmidt R,Bickel A、Torebjork HE,Handwerker HO,Neurophysiol Clin、2003 Dec;33(6):315−24「レーザー刺激への三叉神経の応答」Romaniello A、lantetti GD,Truini A、Cruccu G)。
【0032】
結論として、特定の内臓器の血流を減少させるためには、その特定の器官(または同じ動脈起源から供給された臓器)のための皮膚分節(デルマトーム)と周波数との刺激ゾーンの最適な組み合わせを必要とする。腓骨の骨印象の先頭の前方のL5皮膚分節(デルマトーム)(a)総腓骨神経領域にわたる2つの電極(11)の左右対称の配置の結果として、5分内の肝臓、胃、腎臓、脾臓、および近位大腸への血流が20%減少する(
図3)。くるぶし中間の5〜6cm上のL4−S2の皮膚分節(デルマトーム)(b)伏在静脈の神経領域にわたる2つの電極(11)の左右対称の配置の結果として、5分内の遠位大腸、睾丸(生殖腺)、前立腺及び膀胱への血流が20%減少する(
図4)。特定の臓器について40%の血流の減少を達成するためには、4つの電極(11)の配置が必要とされる。くるぶし中間の5〜6cm上のL4−S2の皮膚分節(デルマトーム)(b)伏在静脈の神経領域、及び、T12皮膚分節(c)にわたる4つの電極(11)の左右対称の配置の結果として、5分内の遠位大腸、睾丸(生殖腺)、前立腺及び膀胱への血流が40%減少する(
図5)。くるぶし中間の5〜6cm上のL4−S2の皮膚分節(デルマトーム)(b)伏在静脈の神経領域、及び、腓骨の骨印象の先頭の前方のL5皮膚分節(デルマトーム)(a)総腓骨神経領域(又は、T10及びT12)にわたる4つの電極(11)の左右対称の配置の結果として、全ての腹部の臓器への血流が40%減少する(
図6)。腓骨の骨印象の先頭の前方のL5皮膚分節(デルマトーム)(a)総腓骨神経領域、及び、T10皮膚分節(d)にわたる4つの電極(11)の左右対称の配置によって、肝臓、胃、脾臓および近位大腸への血流が減少する(
図7)。
【0033】
図3−
図7と併せて詳細な説明から本発明をより完全に理解することができる。
【符号の説明】
【0034】
10 ディスプレイユニット
11 電極
12 負傷又は出血エリア
13 血圧測定及びパルス検出器ユニット
14 無線通信機器
a L5 皮膚分節
b L4−S2 皮膚分節
c T12 皮膚分節
d T10 皮膚分節
【要約】
本発明は、統合された電気刺激装置と、サブシステムとを含む、出血又は医療的に必要な場合に標的臓器の血流を減少させるシステムを開示している。