特許第5938173号(P5938173)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5938173関節接合クリップアプライヤーカートリッジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938173
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】関節接合クリップアプライヤーカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   A61B17/12 310
【請求項の数】13
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2011-160126(P2011-160126)
(22)【出願日】2011年7月21日
(65)【公開番号】特開2012-30069(P2012-30069A)
(43)【公開日】2012年2月16日
【審査請求日】2014年5月15日
(31)【優先権主張番号】61/368,463
(32)【優先日】2010年7月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/151,372
(32)【優先日】2011年6月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ケネス ホイットフィールド
(72)【発明者】
【氏名】サバ エル. レシー
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−55165(JP,A)
【文献】 特表2006−501954(JP,A)
【文献】 特開平7−213528(JP,A)
【文献】 米国特許第5474566(US,A)
【文献】 特開平9−215693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ハンドルアセンブリに動作可能に接続されるエンドエフェクタであって、該外科手術ハンドルアセンブリは、軸方向に往復運動可能な駆動アセンブリを含み、該駆動アセンブリは、該エンドエフェクタに動作可能に接続される可撓性駆動ケーブルを有し、該エンドエフェクタは、
近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する遠位ハウジング部分と、
該遠位ハウジング部分の該近位端から近位に延びるナックル部分であって、該ナックル部分は、第1のギアの取り付けられた部分と第2のギアの取り付けられた部分に二またに分かれ、該遠位ハウジング部分は、該ナックル部分に回転可能に取り付けられることにより、該遠位ハウジング部分が該ナックル部分に対して該長手方向軸の周りに回転することを可能にする、ナックル部分と、
該遠位ハウジング部分上に支持されるジョーアセンブリであって、該ジョーアセンブリは、第1のジョーおよび第2のジョーを含み、該第1のジョーおよび該第2のジョーは、該遠位ハウジング部分から遠位に延び、かつ、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である、ジョーアセンブリと、
部分的に積み重ねられる態様で該遠位ハウジング部分内に装填される複数の外科手術クリップと、
該遠位ハウジング部分内に配置され、かつ、該ジョーアセンブリおよび該複数の外科手術クリップに動作可能に関連付けられたジョー閉鎖機構であって、該ジョー閉鎖機構は、該長手方向軸に沿ってスライド可能であるフィードバーおよびカムプレートを含む、ジョー閉鎖機構と
を備え、
該可撓性駆動ケーブルの遠位端は、該遠位ハウジング部分の該長手方向軸が、該外科手術ハンドルの長手方向軸に対して軸方向に整列しているか、または、該外科手術ハンドルの長手方向軸に対してある角度で置かれているかのいずれかの場合、動作力を該ジョー閉鎖機構に伝えるように該ジョー閉鎖機構に結合され、
該ジョー閉鎖機構がクリップを該ジョーアセンブリの中に供給し、該可撓性駆動ケーブルの1回の完全なストロークで供給クリップを形成し、該可撓性駆動ケーブルの1回の完全なストロークは、該可撓性駆動ケーブルへの遠位の動きとその遠位への動きに続く該可撓性駆動ケーブルの近位への動きとを有し、該可撓性駆動ケーブルの遠位への動きの少なくとも一部分は、最遠位のクリップを該ジョーアセンブリの中に供給するために、該可撓性駆動ケーブルを該フィードバーに係合させることにより遠位に移動させ、該可撓性駆動ケーブルの近位への動きの少なくとも第1の部分は、該第1のジョーと該第2のジョーとを接近させることにより該供給クリップを形成するために、該カムプレートを近位に移動させ、該ジョーアセンブリに係合させることにより、該ジョーアセンブリを該接近した位置に移動させ、該可撓性駆動ケーブルの近位への動きの少なくとも第2の部分は、該カムプレートを遠位に移動させ、該ジョーアセンブリに係合させることにより、該ジョーアセンブリを該間隔を空けた位置に移動させる、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記ナックル部分に旋回可能に接続される近位ハウジングと、該近位ハウジングにおいて支持されるギアトレーンとをさらに備え、該ギアトレーンの最遠位ギアは、該ナックル部分の前記第1のギアが取り付けられた部分と前記第2のギアが取り付けられた部分とに動作可能に係合される、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記近位ハウジングにおいてスライド可能に支持されるラックをさらに備え、該ラックは、少なくとも1つの軸方向のギア歯の列を規定し、該軸方向のギア歯の列は、前記ギアトレーンの最近位ギアと係合される、請求項2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記近位ハウジングに対する前記ラックの軸方向の移動は、結果として、前記近位ハウジング部分に対する前記遠位ハウジング部分の関節接合をもたらす、請求項3に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記ナックル部分は、旋回軸を規定する旋回構造を含む、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記ナックル部分は、複数の歯を含む、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記複数の外科手術クリップは、前記遠位ハウジング部分の前記長手方向軸に対して非共線的位置に積み重ねられる、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーは、前記遠位ハウジング部分の前記長手方向軸に対してある角度に置かれる、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記複数の外科手術クリップの各々は、バックスパンから延びる一対の脚を有し、該複数の外科手術クリップの該脚は、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーに実質的に平行の配向で配置される、請求項8に記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
前記積み重ねは、前記遠位ハウジング部分の前記長手方向軸に平行に延びる、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
外科手術ハンドルアセンブリに動作可能に接続されるエンドエフェクタであって、該外科手術ハンドルアセンブリは、軸方向に往復運動可能な駆動アセンブリを含み、該駆動アセンブリは、該エンドエフェクタに動作可能に接続される可撓性駆動ケーブルを有し、該エンドエフェクタは、
近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する遠位ハウジング部分と、
近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する近位ハウジング部分と、
該遠位ハウジング部分の該近位端と該近位ハウジング部分の該遠位端とを相互に接続するナックル部分であって、該ナックル部分は、該ナックル部分に対する該遠位ハウジング部分の回転および該近位ハウジング部分に対する該遠位ハウジング部分の関節接合を可能にする、ナックル部分と、
該遠位ハウジング部分の該遠位端に支持されるジョーアセンブリであって、該ジョーアセンブリは、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である第1のジョーと第2のジョーとを含むジョーアセンブリと、
該遠位ハウジング部分内に装填される複数のファスナであって、該複数のファスナの各々は、バックスパンから延びる一対の脚を有し、該複数のファスナの各々は、該一対の脚に実質的に平行である方向に延びるファスナ軸を規定し、該複数のファスナの各々は、該ファスナ軸が該遠位ハウジング部分の該長手方向軸に対してある角度で配置されるように該遠位ハウジング部分内に配置され、該複数のファスナは、積み重ねで配置される、複数のファスナと、
該遠位ハウジング部分内に配置されるジョー閉鎖機構であって、該ジョー閉鎖機構は、該遠位ハウジング部分の該長手方向軸に沿ってスライド可能であるフィードバーおよびカムプレートを含む、ジョー閉鎖機構と
を備え、
該可撓性駆動ケーブルの遠位端は、該ジョー閉鎖機構に結合され、
該可撓性駆動ケーブルの1回の完全なストロークは、該可撓性駆動ケーブルの遠位への動きとその遠位への動きに続く該可撓性駆動ケーブルの近位への動きとを有し、該可撓性駆動ケーブルの遠位への動きの少なくとも一部分は、最遠位のファスナを該ジョーアセンブリの中に供給するために、該可撓性駆動ケーブルを該フィードバーに係合させることにより遠位に移動させ、該可撓性駆動ケーブルの近位への動きの少なくとも第1の部分は、該第1のジョーと該第2のジョーとを接近させることにより該供給クリップを形成するために、該カムプレートを近位に移動させ、該ジョーアセンブリに係合させることにより、該ジョーアセンブリを該接近した位置に移動させ、該可撓性駆動ケーブルの近位への動きの少なくとも第2の部分は、該カムプレートを遠位に移動させ、該ジョーアセンブリに係合させることにより、該ジョーアセンブリを該間隔を空けた位置に移動させる、エンドエフェクタ。
【請求項12】
前記カムプレートは、該カムプレートに形成されるカミングアパーチャを含み、該カミングアパーチャは、実質的に「V」形状の輪郭を有し、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの各々は、該第1のジョーおよび該第2のジョーから該カムプレートの該カミングアパーチャの中に延びるポストを含み、
該第1のジョーおよび該第2のジョーに対する該カムプレートの近位の動きは、該第1のジョーのナブおよび該第2のジョーのナブに対抗して該カミングアパーチャの縁を係合し、該第1のジョーと該第2のジョーとを接近させる、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
前記カムプレートは、前記カミングアパーチャの中に遠位に延びる突起を含み、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーに対する該カムプレートの遠位の動きは、該第1のジョーのナブと該第2のジョーのナブとの間の該カミングアパーチャの該突起を係合し、該第1のジョーと該第2のジョーとを引き離す、請求項12に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2010年7月28日に出願された米国仮出願第61/368,349号の利益および優先権を主張し、この仮出願の内容全体が本明細書に参照によって援用される。
【0002】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、外科手術クリップアプライヤーに関し、より詳細には、新しい関節接合内視鏡外科手術ファスナアプライヤーカートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の背景)
内視鏡ステープラおよびクリップアプライヤーは、当該分野において公知であり、複数の独特で有用な外科手術処置に用いられる。腹腔鏡外科手術処置の場合、腹部の内部へのアクセスは、皮膚における小さな入口切開部を通して挿入される細い管またはカニューレを通って達成される。体の他の場所で行われる最小侵襲性処置は、しばしば概して内視鏡処置と呼ばれる。典型的には、管またはカニューレは、アクセスポートを提供する入口切開部を通って患者の体内に延ばされる。ポートは、外科医がトロカールを用いてそして切開部から遠くに隔たった場所において外科手術を行うために複数の異なる外科手術器具を、ポートを通して挿入することを可能にする。
【0004】
大部分のこれらの処置中、外科医は、しばしば1つ以上の脈管を通る血液また別の流体の流れを止めなければならない。外科医は、しばしば、処置中、血管または別の導管を通る体液の流れを妨げるために血管または別の導管に外科手術クリップを適用する。体腔に挿入中に単一のクリップを適用する内視鏡クリップアプライヤーは、当該分野において公知である。そのような単一のクリップアプライヤーは、典型的には生体適合材料から製作され、通常脈管上で圧縮される。圧縮されたクリップは、一旦脈管に適用されると、脈管を通る流体の流れを止める。
【0005】
体腔内への1回の挿入中に内視鏡処置または腹腔鏡処置において複数のクリップを適用することが可能である内視鏡クリップアプライヤーは、同一出願人に譲渡されたGreenらへの特許文献1および特許文献2に記載され、それらの特許文献の両方は、その全体が参照によって援用される。別の複数内視鏡クリップアプライヤーは、同一出願人に譲渡されたPrattらへの特許文献3に開示され、その特許文献の内容もまた、その全体が参照によって本明細書により本明細書に援用される。これらのデバイスは、必ずというわけではないが典型的には、1回の外科手術中に用いられる。米国特許出願第08/515,341号(現在では、Pierらへの特許文献4)は、再滅菌可能外科手術クリップアプライヤーを開示し、これらの特許文献の開示は、参照によって本明細書により本明細書に援用される。クリップアプライヤーは、体腔の中への1回の挿入中に、複数のクリップを前進させ、複数のクリップを形成する。この再滅菌可能クリップアプライヤーは、体腔の中への1回の挿入中に、交換可能クリップマガジンを受け取り、交換可能クリップマガジンと協働し、複数のクリップを前進させ、複数のクリップを形成するように構成される。1つの重要な設計目標は、外科手術クリップが負荷処置によるクリップのいかなる圧縮もなくジョー間に負荷をかけられるべきであることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,084,057号明細書
【特許文献2】米国特許第5,100,420号明細書
【特許文献3】米国特許第5,607,436号明細書
【特許文献4】米国特許第5,695,502号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
内視鏡処置または腹腔鏡処置は、しばしば切開部から離れて行なわれる。その結果として、クリップの適用は、デバイスの近位端におけるユーザにとって、視野の減少および触覚フィードバックの減少によって難しくされ得る。従って、関節接合が可能である器具を提供することによって器具の操作を改善することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
本開示は、外科手術クリップアプライヤーに関する。
【0009】
本開示の局面に従って、外科手術クリップを体組織に適用する外科手術装置が提供され、この外科手術装置は、ハウジングと、駆動アセンブリと、シャフトアセンブリと、トリガーとを含む。シャフトアセンブリは、ハウジングから遠位に延びる。駆動アセンブリは、ハウジング内に少なくとも部分的に位置を決められる。
【0010】
シャフトアセンブリは、第1の管状部材と、第1の管状部材から遠位に位置を定められる第2の管状部材とを有する。第1の管状部材は長手方向軸を規定する。第1の管状部材および第2の管状部材は、共通の旋回軸を介して旋回可能に接続される。旋回軸は長手方向軸と直角を成す。駆動アセンブリは可撓性ケーブルを含み得、可撓性ケーブルはハウジングの内部から第2の管状部材に並進力および回転力の両方を伝達する。
【0011】
関節接合機構は、第1の管状部材と第2の管状部材とを動作可能に接続する。関節接合機構は、ギアラックと、少なくとも1つのギアと、ギアセグメントとを含む。ギアラックは、ギアラック上に長手方向に配置される複数の歯を有し、第1の管状部材内に位置を定められる。少なくとも1つのギアは、第1の管状部材内のギアラックに動作可能に接続される。ギアセグメントは、第2の管状部材から近位に延び、少なくとも1つのギアに動作可能に接続される。ギアセグメントは、第2の管状部材に対して固定される。関節接合機構は、長手方向軸から最大90°の角度で旋回軸の周りで第2の管状部材を旋回させる。関節接合機構は、第2の管状部材を旋回させるように回転可能であるコントロールノブを含み得る。
【0012】
第2の管状部材は、ジョーアセンブリと、クリップカートリッジ内に配置される複数のファスナを含むクリップカートリッジとを含み得る。
【0013】
外科手術クリップ適用装置は、回転機構を含み得る。回転機構は、ジョーアセンブリに動作可能に接続され、ジョーアセンブリに回転力を提供する。回転機構は、ダイヤルとバンドとを含み得る。バンドは、駆動アセンブリの近位部分の周囲に位置を定められる。ダイヤルは、内部通路と内部表面とを規定する。バンドは、ダイヤルの内部表面から回転力を受け、駆動アセンブリに回転力を伝える、ある外形の付けられた外部表面を規定する。ダイヤルは、バンドにスライド可能に連結される。
【0014】
第2の管状部材は、2つの実質的に平行のギアセグメントを含み得る。
【0015】
別の実施形態において、外科手術クリップを体組織に適用する外科手術装置が提供され、外科手術装置は、ハウジングと、駆動アセンブリと、シャフトアセンブリと、トリガーとを含む。シャフトセンブリは、ハウジングから遠位に延びる。
【0016】
シャフトアセンブリは、第1の管状部材と、第1の管状部材から遠位に位置を定められる第2の管状部材とを有する。第1の管状部材は第1の長手方向軸を規定し、第1の長手方向軸の周りに第1の管状部材が回転され得る。第1の管状部材および第2の管状部材は、共通の旋回軸を介して旋回可能に接続される。
【0017】
第2の管状部材は、第2の長手方向軸を規定する。第2の管状部材の遠位部分は、第2の長手方向軸の周りで回転可能である。第2の管状部材は、第2の管状部材の近位部分から近位に延びる、ギアの取り付けられたセグメントを含む。
【0018】
駆動アセンブリは、ハウジング内に少なくとも部分的に位置を決められ、第1の管状部材を通って第2の管状部材の中に部分的に延びる。駆動アセンブリは可撓性ケーブルを含み得、可撓性ケーブルはハウジングの内部から第2の管状部材に並進力および回転力の両方を伝達する。
【0019】
ラックは、長手方向軸の一部分に沿って延びる。ラックは、第1の管状部材内に位置を定められ、第1の長手方向軸に沿って往復運動する。ラックは、ギアの取り付けられたセグメントに動作可能に接続される。
【0020】
外科手術クリップ適用装置は、関節接合機構を含み得、関節接合機構は、第1の長手方向軸から最大90°の角度で旋回軸の周りで第2の管状部材を旋回させる旋回力を提供する。関節接合機構は、ラックを近位に引き込み、ラックを遠位に延ばすように回転可能であるコントロールノブを含む。
【0021】
外科手術クリップ適用装置は、回転機構をさらに含み得る。回転機構は、駆動アセンブリに動作可能に接続され、第2の管状部材の遠位部分に回転力を提供する。回転機構は、ダイヤルと、駆動アセンブリの近位部分の周囲に位置を定められるバンドとを含み得る。ダイヤルは、内部通路と内部表面とを規定する。バンドは、ダイヤルの内部表面から回転力を受け、駆動アセンブリの近位部分に回転力を伝えることが可能である、ある外形の付けられた外部表面を規定する。ダイヤルは、バンドにスライド可能に連結される。
【0022】
該第2の管状部材は、ジョーアセンブリと、該ジョーアセンブリ内に配置される複数のクリップを含むクリップカートリッジとを含み得る。回転機構は、ジョーアセンブリに接続され得、ジョーアセンブリに回転力を提供し得る。
【0023】
本開示の別の局面に従って、外科手術ハンドルアセンブリに動作可能に接続されるエンドエフェクタであって、外科手術ハンドルアセンブリはエンドエフェクタに動作可能に接続される可撓性駆動ケーブルを有する、軸方向に往復運動可能な駆動アセンブリを含む、エンドエフェクタが提供される。エンドエフェクタは、近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する遠位ハウジング部分と、遠位ハウジング部分の近位端から近位に延びるナックル部分であって、ナックル部分は第1のギアの取り付けられた部分と第2のギアの取り付けられた部分に二またに分かれ、遠位ハウジング部分は、ナックル部分に回転可能に取り付けられ、遠位ハウジング部分がナックル部分に対して長手方向軸の周りに回転することを可能にする、ナックル部分と、ベース部分から遠位に延びるジョーアセンブリであって、ジョーアセンブリは、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である第1のジョーと第2のジョーとを含む、ジョーアセンブリと、部分的に積み重ねられる態様でハウジング内に装填される複数の外科手術クリップと、ジョー閉鎖機構であって、遠位ハウジング部分内に配置され、ジョーアセンブリおよび複数の外科手術クリップに動作可能に関連付けられる、ジョー閉鎖機構とを含む。可撓性駆動ケーブルの遠位端は、遠位ハウジング部分の長手方向軸が、外科手術ハンドルの長手方向軸に対して軸方向に整列しているか、または外科手術ハンドル部分の長手方向軸に対してある角度で置かれているかのいずれかの場合、動作力をジョー閉鎖機構に伝えるようにジョー閉鎖機構に接続される。ジョー閉鎖機構は、クリップをジョーアセンブリの中に供給し、可撓性駆動ケーブルの1回の完全なストロークで供給クリップを形成する。
【0024】
エンドエフェクタは、ナックル部分に旋回可能に接続される近位ハウジングと、近位ハウジングにおいて支持されるギアトレーンとをさらに含み得る。ギアトレーンの最遠位ギアは、ナックル部分の第1のギアの取り付けられた部分と第2のギアの取り付けられた部分とに動作可能に係合され得る。
【0025】
エンドエフェクタは、近位ハウジングにおいてスライド可能に支持されるラックをさらに含み得、ラックは少なくとも1つの軸方向のギア歯の列を規定し、軸方向のギア歯の列はギアトレーンの最近位ギアと係合される。
【0026】
使用時、カバーに対するラックの軸方向の移動は、結果として、近位ハウジング部分に対する遠位ハウジング部分の関節接合をもたらす。
【0027】
本開示のさらなる局面に従って、外科手術クリップを体組織に適用するエンドエフェクタが提供される。エンドエフェクタは、近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する部分と、ベース部分の近位端から近位に延びるナックル部分であって、ナックル部分は第1のギアの取り付けられた部分と第2のギアの取り付けられた部分に二またに分かれ、ベース部分は、ナックル部分に回転可能に取り付けられ、ベース部分がナックル部分に対して長手方向軸の周りに回転することを可能にする、ナックル部分と、ベース部分から遠位に延びるジョーアセンブリであって、ジョーアセンブリは、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である第1のジョーと第2のジョーとを含む、ジョーアセンブリと、ベース部分内に位置を定められる複数のファスナであって、複数のファスナの各々は、バックスパンから延びる一対の脚を有し、複数のファスナの各々は、一対の脚に実質的に平行である方向に延びるファスナ軸を規定し、複数のファスナの各々は、ベース部分内に配置され、ファスナ軸と長手方向軸との間に角度を形成し、複数のファスナの各々は、別の複数のファスナに隣接して位置を定められ、積み重ねを形成する、複数のファスナとを含む。
【0028】
ナックルは、旋回軸を規定する旋回構造を含み得る。
【0029】
エンドエフェクタは、ジョーアセンブリに動作可能に接続されるジョー閉鎖機構をさらに含み得、ジョー閉鎖機構は、第1のジョーおよび第2のジョーに接近力(approximating force)を提供する。
【0030】
ナックル部分は、複数の歯を含み得る。
【0031】
複数のファスナは、第2の長手方向軸に対して非共線的位置に積み重ねられ得る。
【0032】
第1のジョーおよび第2のジョーは、長手方向軸に対してある角度に置かれ得る。
【0033】
複数のファスナのレッグは、第1のジョーおよび第2のジョーに実質的に平行の配向で配置され得る。
【0034】
ファスナは、U形またはV形を有し得る。ファスナの積み重ねは、長手方向軸に平行に延び得る。
【0035】
エンドエフェクタは、ベース部分がカバーに対して軸からずれて旋回可能であるようにナックル部分に接続される近位ハウジング部分をさらに含み得る。近位ハウジング部分は、近位ハウジングの遠位領域においてギアトレーンを支持し得、ギアトレーンの最遠位ギアは、ナックル部分の第1のギアの取り付けられた部分と第2のギアの取り付けられた部分とに動作可能に係合され得る。エンドエフェクタは、近位ハウジング部分の近位領域においてスライド可能に支持されるラックをさらに含み得、ラックは少なくとも1つの軸方向のギア歯の列を規定し、軸方向のギア歯の列はギアトレーンの最近位ギアと係合される。
【0036】
使用時、近位ハウジング部分に対するラックの軸方向の移動は、結果として、近位ハウジング部分に対するベース部分の関節接合をもたらし得る。
【0037】
本開示のさらに別の局面に従って、外科手術ハンドルアセンブリに動作可能に接続されるエンドエフェクタであって、外科手術ハンドルアセンブリはエンドエフェクタに動作可能に接続される可撓性駆動ケーブルを有する、軸方向に往復運動可能な駆動アセンブリを含む、エンドエフェクタが提供される。エンドエフェクタは、近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する遠位ハウジング部分と、近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する近位ハウジング部分と、遠位ハウジング部分の近位端と近位ハウジング部分の遠位端とを相互に接続するナックル部分であって、ナックル部分は、ナックル部分に対して遠位ハウジング部分の回転および近位ハウジング部分に対する遠位ハウジング部分の関節接合を可能にする、ナックル部分と、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である第1のジョーと第2のジョーとを含むジョーアセンブリと、遠位ハウジング部分内に装填される複数のファスナであって、複数のファスナの各々は、バックスパンから延びる一対の脚を有し、複数のファスナの各々は、一対の脚に実質的に平行である方向に延びるファスナ軸を規定し、複数のファスナの各々は、ファスナ軸が遠位ハウジング部分の長手方向軸に対してある角度で配置されるようにベース部分内に配置され、複数のファスナは積み重ねで配置される、複数のファスナとを含む。
【0038】
エンドエフェクタは、ジョーアセンブリに動作可能に接続されるジョー閉鎖機構をさらに含み得、ジョー閉鎖機構は、第1のジョーおよび第2のジョーに対して第1のジョーおよび第2のジョーが近位に動くとき第1のジョーおよび第2のジョーに対して接近力を提供する。
【0039】
ジョー閉鎖機構は、遠位ハウジング部分において軸方向にスライド可能に支持されるカムプレートを含み得、カムプレートは、カムプレートに形成されるカミングアパーチャを含み、カミングアパーチャは、実質的に「V」形状の輪郭を有し、第1のジョーおよび第2のジョーは、第1のジョーおよび第2のジョーからカムプレートのカミングアパーチャの中に延びるポストを含む。使用時、第1のジョーおよび第2のジョーに対するカムプレートの近位の動きは、第1のジョーおよび第2のジョーのナブに対抗してカミングアパーチャの縁を係合し、第1のジョーと第2のジョーとを接近させる。
【0040】
カムプレートは、カミングアパーチャの中に遠位に延びる突起を含み得、第1のジョーおよび第2のジョーに対するカムプレートの遠位の動きは、第1のジョーのナブと第2のジョーのナブとの間のカミングアパーチャの突起を係合し、第1のジョーと第2のジョーとを引き離す。
【0041】
可撓性駆動ケーブルは、遠位ハウジング部分と近位ハウジング部分との間にナックル部分を横切って延び得る。
【0042】
駆動ケーブルの近位端は駆動アセンブリに接続され得、駆動ケーブルの遠位端はベース部分においてスライド可能に支持されるブロック部材に接続され得、駆動ケーブルの遠位の移動は、結果として、ブロック部材の遠位の動きをもたらし、フィードバーを遠位に前進させ、ジョーアセンブリの中にファスナを装填する。
【0043】
エンドエフェクタは、ベース部分において軸方向にスライド可能に支持されるカムプレートをさらに含み得、ブロック部材は、カムプレートに提供される近位の軸方向に延びるスロットの中に延びるフィンガーを含み、カムプレートは、カムプレートに形成されるカミングアパーチャを含み、カミングアパーチャは、実質的に「V」形状の輪郭を有し、第1のジョーおよび第2のジョーの各々は、第1のジョーおよび第2のジョーからカムプレートのカミングアパーチャの中に延びるポストを含む。使用時、ブロック部材の遠位の動きは、結果として、カムプレートの遠位の動きをもたらし得、ブロック部材の近位の動きは、結果として、カムプレートの近位の動きをもたらす。さらに使用時、第1のジョーおよび第2のジョーに対するカムプレートの近位の動きは、第1のジョーのナブおよび第2のジョーのナブに対抗してカミングアパーチャの縁を係合し、第1のジョーと第2のジョーとを接近させる。
【0044】
カムプレートは、カミングアパーチャの中に遠位に延びる突起を含み得、第1のジョーおよび第2のジョーに対するカムプレートの遠位の動きは、第1のジョーのナブと第2のジョーのナブとの間のカミングアパーチャの突起を係合し、第1のジョーと第2のジョーとを引き離す。
【0045】
カムプレートは、遠位位置に付勢され得る。
【0046】
エンドエフェクタは、複数のファスナの近位に配置されるクリップフォロワをさらに含み得、クリップフォロワは、遠位方向に付勢され、複数のファスナを遠位に推進する。
【0047】
ナックル部分は、第1のギアの取り付けられた部分と第2のギアの取り付けられた部分に二またに分けられ得る。
【0048】
近位ハウジング部分は、近位ハウジング部分の遠位領域にギアトレーンを支持し得、ギアトレーンの最遠位ギアは、ナックル部分の第1のギアの取り付けられた部分と第2のギアの取り付けられた部分に動作可能に係合される。
【0049】
エンドエフェクタは、近位ハウジング部分の近位領域にスライド可能に支持されるラックをさらに含み得、ラックは、少なくとも1つのギア歯の軸方向の列を規定し、ギア歯の軸方向の列は、ギアトレーンの最近位ギアに係合される。
【0050】
使用時、近位ハウジング部分に対するラックの軸方向の移動は、結果として、近位ハウジング部分に対する遠位ハウジング部分の関節接合をもたらし、その結果、遠位ハウジング部分の長手方向軸は、近位ハウジング部分の長手方向軸に対してある角度に向けられる。
【0051】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術ハンドルアセンブリに動作可能に接続されるエンドエフェクタであって、該外科手術ハンドルアセンブリは該エンドエフェクタに動作可能に接続される可撓性駆動ケーブルを有する、軸方向に往復運動可能な駆動アセンブリを含む、該エンドエフェクタは、
近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する遠位ハウジング部分と、
該遠位ハウジング部分の該近位端から近位に延びるナックル部分であって、該ナックル部分は第1のギアの取り付けられた部分と第2のギアの取り付けられた部分に二またに分かれ、該遠位ハウジング部分は、該ナックル部分に回転可能に取り付けられ、該遠位ハウジング部分が該ナックル部分に対して該長手方向軸の周りに回転することを可能にする、ナックル部分と、
ベース部分から遠位に延びるジョーアセンブリであって、該ジョーアセンブリは、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である第1のジョーと第2のジョーとを含む、ジョーアセンブリと、
部分的に積み重ねられる態様で該ハウジング内に装填される複数の外科手術クリップと、
ジョー閉鎖機構であって、該遠位ハウジング部分内に配置され、該ジョーアセンブリおよび該複数の外科手術クリップに動作可能に関連付けられる、ジョー閉鎖機構と
を備え、
該可撓性駆動ケーブルの遠位端は、該遠位ハウジング部分の該長手方向軸が、該外科手術ハンドルの長手方向軸に対して軸方向に整列しているか、または該外科手術ハンドル部分の長手方向軸に対してある角度で置かれているかのいずれかの場合、動作力を該ジョー閉鎖機構に伝えるように該ジョー閉鎖機構に接続され、
該ジョー閉鎖機構がクリップを該ジョーアセンブリの中に供給し、該可撓性駆動ケーブルの1回の完全なストロークで該供給クリップを形成する、エンドエフェクタ。
(項目2)
上記ナックル部分に旋回可能に接続される近位ハウジングと、該近位ハウジングにおいて支持されるギアトレーンとをさらに備え、該ギアトレーンの最遠位ギアは、該ナックル部分の第1のギア部分と第2のギア部分とに動作可能に係合される、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目3)
上記近位ハウジングにおいてスライド可能に支持されるラックをさらに備え、該ラックは少なくとも1つの軸方向のギア歯の列を規定し、該軸方向のギア歯の列は上記ギアトレーンの最近位ギアと係合される、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目4)
カバーに対する上記ラックの軸方向の移動は、結果として、上記近位ハウジング部分に対する上記遠位ハウジング部分の関節接合をもたらす、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目5)
外科手術クリップを体組織に適用するエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、
近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する部分と、
該ベース部分の該近位端から近位に延びるナックル部分であって、該ナックル部分は第1のギアの取り付けられた部分と第2のギアの取り付けられた部分に二またに分かれ、該ベース部分は、該ナックル部分に回転可能に取り付けられ、該ベース部分は、該ナックル部分に回転可能に取り付けられ、該ベース部分が該ナックル部分に対して該長手方向軸の周りに回転することを可能にする、ナックル部分と、
該ベース部分から遠位に延びるジョーアセンブリであって、該ジョーアセンブリは、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である第1のジョーと第2のジョーとを含む、ジョーアセンブリと、
該ベース部分内に位置を定められる複数のファスナであって、該複数のファスナの各々はバックスパンから延びる一対の脚を有し、該複数のファスナの各々は該一対の脚に実質的に平行である方向に延びるファスナ軸を規定し、該複数のファスナの各々は該ベース部分内に配置され、該ファスナ軸と該長手方向軸との間に角度を形成し、複数のファスナの各々は、複数のファスナの別のファスナに隣接して位置を定められ、積み重ねを形成する、複数のファスナと
を備えている、エンドエフェクタ。
(項目6)
上記ナックルは、旋回軸を規定する旋回構造を含み得る、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目7)
上記ジョーアセンブリに動作可能に接続されるジョー閉鎖機構をさらに備え、該ジョー閉鎖機構は、上記第1のジョーおよび上記第2のジョーに接近力を提供する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目8)
上記ナックル部分は、複数の歯を含む、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目9)
上記複数のファスナは、上記第2の長手方向軸に対して非共線的位置に積み重ねられる、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目10)
上記第1のジョーおよび上記第2のジョーは、上記長手方向軸に対してある角度に置かれる、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目11)
上記複数のファスナの上記脚は、上記第1のジョーおよび上記第2のジョーに実質的に平行の配向で配置される、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目12)
上記積み重ねは、上記長手方向軸に平行に延びる、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目13)
ベース部分がカバーに対して軸外しで旋回可能であるようにナックル部分に接続される近位ハウジング部分をさらに備えている、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目14)
上記近位ハウジング部分は、該近位ハウジングの遠位領域においてギアトレーンを支持し、該ギアトレーンの最遠位ギアは、上記ナックル部分の上記第1のギアの取り付けられた部分と上記第2のギアの取り付けられた部分とに動作可能に係合される、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目15)
上記近位ハウジング部分の近位領域においてスライド可能に支持されるラックをさらに備え、該ラックは少なくとも1つの軸方向のギア歯の列を規定し、該軸方向のギア歯の列は上記ギアトレーンの最近位ギアと係合される、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目16)
上記近位ハウジング部分に対する上記ラックの軸方向の移動は、結果として、該近位ハウジング部分に対する上記ベース部分の関節接合をもたらす、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目17)
外科手術ハンドルアセンブリに動作可能に接続されるエンドエフェクタであって、該外科手術ハンドルアセンブリは該エンドエフェクタに動作可能に接続される可撓性駆動ケーブルを有する、軸方向に往復運動可能な駆動アセンブリを含む、該エンドエフェクタは、
近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する遠位ハウジング部分と、
近位端と、遠位端と、長手方向軸とを規定する近位ハウジング部分と、
該遠位ハウジング部分の該近位端と該近位ハウジング部分の該遠位端とを相互に接続するナックル部分であって、ナックル部分は、該ナックル部分に対する該遠位ハウジング部分の回転および該近位ハウジング部分に対する該遠位ハウジング部分の関節接合を可能にする、ナックル部分と、
該遠位ハウジング部分の該遠位端に支持されるジョーアセンブリであって、該ジョーアセンブリは、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である第1のジョーと第2のジョーとを含むジョーアセンブリと、
該遠位ハウジング部分内に装填される複数のファスナであって、該複数のファスナの各々はバックスパンから延びる一対の脚を有し、該複数のファスナの各々は該一対の脚に実質的に平行である方向に延びるファスナ軸を規定し、該複数のファスナの各々は、該ファスナ軸が該遠位ハウジング部分の該長手方向軸に対してある角度で配置されるようにベース部分内に配置され、該複数のファスナは積み重ねで配置される、複数のファスナと
を備えている、エンドエフェクタ。
(項目18)
上記ジョーアセンブリに動作可能に接続されるジョー閉鎖機構をさらに含み得、該ジョー閉鎖機構は、第1のジョーおよび第2のジョーに対して該第1のジョーおよび該第2のジョーが近位に動くとき該第1のジョーおよび該第2のジョーに対して接近力を提供する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目19)
上記ジョー閉鎖機構は、上記遠位ハウジング部分において軸方向にスライド可能に支持されるカムプレートを含み、該カムプレートはカムプレートに形成されるカミングアパーチャを含み、該カミングアパーチャは実質的に「V」形状の輪郭を有し、第1のジョーおよび第2のジョーの各々は該第1のジョーおよび該第2のジョーから該カムプレートの該カミングアパーチャの中に延びるポストを含み、
該第1のジョーおよび第2のジョーに対する該カムプレートの近位の動きは、該第1のジョーのナブおよび第2のジョーのナブに対抗して該カミングアパーチャの縁を係合し、該第1のジョーと該第2のジョーとを接近させる、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
(項目20)
上記カムプレートは、上記カミングアパーチャの中に遠位に延びる突起を含み、上記第1のジョーおよび第2のジョーに対する該カムプレートの遠位の動きは、該第1のジョーのナブと該第2のジョーのナブとの間の該カミングアパーチャの該突起を係合し、該第1のジョーと該第2のジョーとを引き離す、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクタ。
【0052】
(摘要)
エンドエフェクタが提供され、このエンドエフェクタは、ナックル部分によって互いに相互接続された遠位ハウジング部分と近位ハウジング部分とであって、ナックル部分は、このナックル部分に対する遠位ハウジング部分の回転と、近位ハウジング部分に対する遠位ハウジング部分の間接接合とを可能にする、遠位ハウジング部分と近位ハウジング部分と、遠位ハウジング部分の遠位端に支持されるジョーアセンブリであって、このジョーアセンブリは、間隔の空いた位置と近接した位置との間で移動可能な第1のジョーおよび第2のジョーを含む、ジョーアセンブリと、遠位ハウジング部分内に装填される複数のファスナであって、複数のファスナの各々は、ファスナの一対の脚に実質的に平行な方向に延びるファスナ軸を規定し、複数のファスナの各々は、ベース部分内に配列されることにより、ファスナ軸が遠位ハウジング部分の長手方向軸に対してある角度で配置される、複数のファスナとを含む。
【0053】
本クリップアプライヤーが以下の図面と関連して考慮されると以下の詳細の説明からより良く理解されるので、本クリップアプライヤーは、より十分に認識される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1は、本開示の一実施形態に従う外科手術クリップアプライヤーの正面斜視図である。
図2図2は、図1の指示された領域の詳細な正面斜視図であり、図1のクリップアプライヤーのクリップカートリッジを例示する。
図3図3は、図1および図2の外科手術クリップアプライヤーのクリップカートリッジの左側立面図である。
図4図4は、図1図3の外科手術クリップアプライヤーのクリップカートリッジの平面図である。
図5図5は、図1図4の外科手術クリップアプライヤーの斜視図であり、クリップカートリッジの関節接合を例示する。
図5A図5Aは、図5の5A−5Aを通って取られた、図1図5の外科手術アプライヤーの本体の断面側面図である。
図5B図5Bは、図5Aの5B−5Bを通って取られた、図1図5Aの外科手術アプライヤーの本体の断面図である。
図6図6は、図5の外科手術クリップアプライヤーのシャフトアセンブリの分解組立図である。
図7図7は、図6のシャフトアセンブリの関節接合プランジャーの拡大斜視図である。
図8図8は、図6のシャフトアセンブリの関節接合ねじの拡大分解組立図である。
図9図9は、図6のシャフトアセンブリの関節接合プランジャーの近位端の周りに配置された関節接合ねじの拡大図である。
図10図10は、駆動シャフトがシャフトアセンブリを通って延びている、図6のシャフトアセンブリのシャフトの遠位部分の拡大斜視図である。
図11図11は、図6のシャフトアセンブリのシャフトに連結されたラックの拡大斜視図である。
図12図12は、図6に詳細に示される外科手術クリップアプライヤーのシャフトアセンブリの第1の管状部分の遠位端の分解組立図である。
図12A図12Aは、図12に詳細に示される外科手術クリップアプライヤーのシャフトアセンブリの第1のギアの拡大斜視図である。
図12B図12Bは、図12に詳細に示される外科手術クリップアプライヤーのシャフトアセンブリの第2のギアの拡大斜視図である。
図12C図12Cは、図12に詳細に示される外科手術クリップアプライヤーのシャフトアセンブリの第3のギアの拡大斜視図である。
図13図13は、図6に詳細に示される外科手術クリップアプライヤーのシャフトアセンブリの第1の管状部分の遠位端の正面斜視図である。
図14図14は、右側端部カバーおよび外部管が除去された状態における、図6に詳細に示される外科手術クリップアプライヤーのシャフトアセンブリの第1の管状部分の遠位端の正面斜視図である。
図15図15は、右側端部カバー、外部管、第1のギア、第2のギア、および第3のギアが除去された状態における、図6に詳細に示される外科手術クリップアプライヤーのシャフトアセンブリの第1の管状部分の遠位端の正面斜視図である。
図16図16は、図6に詳細に示される外科手術クリップアプライヤーのシャフトアセンブリの第1の管状部分の遠位端の長手方向断面図であり、第2の管状部分の第1のギア、第2のギア、第3のギアと関節接合ナックルとの接続を示す。
図17図17は、図6に詳細に示される外科手術クリップアプライヤーのシャフトアセンブリの第1の管状部分の遠位端のさらなる長手方向断面図であり、関節接合位置における、第2の管状部分のラック、第1のギア、第2のギア、第3のギアと関節接合ナックルとの接続を示す。
図18図18は、図17の指示された領域の詳細な拡大長手方向断面図であり、関節接合位置における第1の管状部分および第2の管状部分の遠位端を例示する。
図19図19は、図1の19−19を通って取られた、図6のシャフトアセンブリの長手方向断面図である。
図20図20は、シャフトアセンブリの図19の指示された領域の詳細な拡大長手方向断面図である。
図21図21は、図20に例示されるシャフトアセンブリの近位部分の拡大断面図である。
図22図22は、図20に詳細に示されるシャフトアセンブリの図20の指示された領域の詳細な拡大断面図である。
図23図23は、シャフトアセンブリの図22の指示された領域の詳細な拡大断面図である。
図24図24は、シャフトアセンブリの図19の指示された領域の詳細な拡大断面図である。
図25図25は、図24に例示される第2の管状部分の近位部分の図24の指示された領域の詳細な拡大断面図である。
図26図26は、図25の指示された領域の詳細な拡大断面図であり、第2の管状部分のクリッププッシャの遠位端を例示する。
図27図27は、部品が分離されている状態における、図6に示される第2の管状部分のクリップカートリッジの斜視図である。
図27A図27Aは、図27の外科手術クリップアプライヤーのカートリッジに用いられるクリップの正面平面図である。
図28図28は、図27のクリップカートリッジのハウジングの斜視図である。
図29図29は、図27のクリップカートリッジのカミングプレートの斜視図である。
図30図30は、図27のクリップカートリッジのジョー構造の斜視図である。
図31図31は、図27のクリップカートリッジのブロック部材の斜視図である。
図32図32は、図27のクリップカートリッジのクリッププッシャの斜視図である。
図33図33は、図27のクリップカートリッジのクリップフォロアの斜視図である。
図34図34は、図27のクリップカートリッジのクリップキャリヤの斜視図である。
図35図35は、図27のクリップカートリッジのカバーの底面斜視図である。
図36図36は、クリップカートリッジのナックルに連結されたハウジングの斜視図である。
図37図37は、ジョー構造がハウジングから除去された状態における、図36のハウジングの斜視図である。
図38図38は、ジョー構造およびカミングプレートがハウジングから除去された状態における、図36のハウジングの斜視図である。
図39図39は、適切な位置にある遠位部材とクリッププッシャとを含む、図36のハウジングの斜視図である。
図40図40は、クリップキャリヤとその上のクリップフォロアとが追加された、図39のハウジングの斜視図である。
図41図41は、図40に示されるクリップキャリヤおよびクリッププッシャの拡大詳細図である。
図42図42は、クリップスタックがハウジングに追加された、図40のハウジングの斜視図である。
図43図43は、図40に示されるクリップスタックの拡大詳細図である。
図44図44は、クリップカートリッジの長手方向断面図であり、操作の第1段階中に負荷をかけられているクリップを例示する。
図45図45は、図44に示されるクリップカートリッジの拡大長手方向断面図であり、操作の第1段階中に負荷をかけられているクリップを例示する。
図46図46は、クリップカートリッジの長手方向断面図であり、操作の第1段階中のクリッププッシャの完全な前進を例示する。
図47図47は、図46に示されるクリップカートリッジの拡大長手方向断面図であり、操作の第2段階中のクリッププッシャの戻りを例示する。
図48図48は、クリップカートリッジの長手方向断面図であり、操作の第3段階中の負荷のかけられたクリップの形成を例示する。
図49図49は、操作の第1および第2の段階中のジョー構造およびカミングプレートの斜視図であり、ジョーを力で引き離すセパレータを例示する。
図50図50は、操作の第1および第2の段階中のジョー構造およびカミングプレートの平面図であり、ジョーを力で引き離すセパレータを例示する。
図51図51は、操作の第3段階中のジョー構造およびカミングプレートの平面図であり、脈管の周りに負荷のかけられたクリップの形成を例示する。
図52図52は、脈管の周りに形成され、脈管を閉じるクリップの斜視図である。
【0055】
本開示の他の特徴は、添付の図面と共に解されると以下の詳細な説明から明らかとなり、添付の図面は、例として本開示の原理を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(実施形態の詳細な説明)
本開示に従う外科手術クリップアプライヤーの実施形態は、ここで図面を参照して詳細に説明され、図面において似ている参照数字は、類似するかまたは同一の構造要素を識別する。図面に示されそして以下の説明を通して説明される場合、外科手術器具についての相対的な位置決めをいう場合に伝統的であるように、用語「近位」は、ユーザにより近い、装置の端部をいい、用語「遠位」はユーザからより遠い、装置の端部をいう。
【0057】
図1を参照すると、参照数字100は、本開示される外科手術クリップアプライヤーの一実施形態を示す。簡潔さの利益において、本開示は、外科手術クリップアプライヤー100の関節接合機構およびクリップ適用端部機構に焦点を合わせる。2005年10月7日に出願された米国特許第7,637,917号は、本開示される関節接合機構とクリップ適用端部機構とを組み込み得る外科手術クリップアプライヤーの構造および動作を詳細に説明し、その米国特許の内容全体が本明細書に参照によって援用される、
クリップアプライヤー100は、ハンドルアセンブリ200と、ハンドルアセンブリ200から遠位に延びる関節接合内視鏡部分またはシャフトアセンブリ300とを含む。ここで図5図5A図5B図8を参照すると、外科手術クリップアプライヤー100のハンドルアセンブリ200が示される。ハンドルアセンブリ200は、第1または右側半部分202aと、第2または左側半部分202bとを有するハウジング202を含む。ハンドルアセンブリ200は、右側半部分202aと左側半部分202bとの間に旋回可能に支持されるトリガー208を含む。ハンドルアセンブリ200のハウジング202は、適切なプラスチック材料から形成され得る。
【0058】
図1図15に見られるように、シャフトアセンブリ300は、第1の管状部材302と、第2の管状部材またはエンドエフェクタ500とを含む。第1の管状部材302は第1の長手方向「X1」軸を規定し、エンドエフェクタ500は第2の長手方向「X2」軸を規定する。エンドエフェクタ500は、第1の管状部材302から遠位に位置を定められる。第1の管状部材302およびエンドエフェクタ500は、共通の旋回「Z」軸を介して互いに旋回可能に接続される。共通の旋回「Z」軸は、第1の長手方向「X1」軸および第2の長手方向「X2」軸の両方に実質的に直角を成す。シャフトアセンブリ300およびその構成要素は、例えば、ステンレス鋼、チタン、プラスチックなどの適切な生体適合材料から形成され得る。
【0059】
図5に見られるように、第1の管状部材302は、回転機構304と、関節接合機構320とを有する。回転機構304は、第1の管状部材302がハウジング202に関して
第1の長手方向「X1」軸の周りに回転することを可能にする。回転機構304は、ハウジング202および外部管310に回転可能に連結される回転ノブ306を含む。回転ノブ306は、ハウジング半部分202aとハウジング半部分202bとの間に支持される。
【0060】
図5および図6に見られるように、外部管310は、回転ノブ306によって少なくとも部分的に支持され、近位端310aと遠位端310bとを有する。外部管310は、外部管310を通って長手方向に延びる内腔312と、外部管310の近位端310aの近くに形成される一対の開口部314とを規定する。図20および図21を参照すると、回転ノブ306は、外部管310の開口部314の中に延び、外部管310の開口部314とかみ合う(interface)一対のナブ307を有する。使用時、図1に見られるように、回転ノブ306の回転は、外部管310が第1の長手方向「X1」軸の周りに回転することを引き起こし、従って結果として全シャフトアセンブリ300の回転をもたらす。
【0061】
図5Aに見られるように、クリップアプライヤー100は、トリガー208に動作可能に接続される駆動アセンブリ220を含む。駆動アセンブリ220は、ハンドルアセンブリ200のハウジング202内に少なくとも部分的に位置を決められ、第1の管状部材302を通って、少なくとも部分的にエンドエフェクタ500の中に延びる。駆動アセンブリ220は、並進力および回転力の両方をエンドエフェクタ500の中に転送することが可能である。
【0062】
トリガー208は、リンク210に動作可能に接続される。リンク210は電気モータ212に接続され得、電気モータ212は駆動部材226に接続される。駆動部材226は、カップリング230を経由して駆動ロッド222の近位端222aに回転可能に取り付けられ、カップリング230は、駆動ロッド222が駆動部材226に関して回転することを可能にする。
【0063】
駆動ロッド222は、円柱形形状を有し得、第1の管状部材302に沿って少なくとも部分的に沿って延び得る。さらに図44を参照すると、駆動アセンブリ220は、駆動ロッド222の遠位端222bに取り付けられた可撓性駆動ケーブル224を含む。駆動ケーブル224は、駆動ロッド222から遠位に、エンドエフェクタ500の中に延びる。駆動ケーブル224が非円形である断面形状を有し得ることが想定される。
【0064】
図5図5Bに見られるように、クリップアプライヤー100は、位置決め機構530をさらに含む。位置決め機構530は、駆動アセンブリ220に動作可能に接続され、エンドエフェクタ500の遠位部分またはクリップカートリッジ550に回転力を提供する。図5Aに見られるようになって、位置決め機構530は、回転ノブ306と、駆動ロッド222の部分と、駆動ケーブル224の部分とを含む。
【0065】
駆動ロッド222は、回転ノブ306におけるアパーチャ242に相補的(complimentary)である外形の付けられた外部表面または成形バンド232を含む。アパーチャ242は、駆動ロッド222の成形バンド232よりわずかに大きいサイズで作られる。過大サイズのアパーチャ242は、アパーチャ242を通る駆動ロッド222の長手方向の動きを可能にする。駆動ロッド222は、第1の管状部材302内で自由に回転することが可能であり、第1の管状部材302は、回転ノブ306から回転力を受け、駆動アセンブリ220の近位部分に回転力を伝える。
【0066】
図5に見られるように、クリップアプライヤー100は、第1の管状部材302をエンドエフェクタ500に動作可能に接続する関節接合機構320を含む。関節接合機構320は、エンドエフェクタ500に旋回力を提供し、第1の長手方向「X1」軸に関して最大約90°の角度で旋回軸の周りにエンドエフェクタ500を旋回させる。
【0067】
図6および図12図18に見られるように、関節接合アセンブリ320は、回転ノブ306によって回転可能に支持され、回転ノブ306から遠位に突き出る関節接合ノブ322を含む(図5A)。図21を参照すると、関節接合ノブ322は、関節接合ねじ330の雄ねじ332(図8)を受け入れ、補足する(compliment)ようなサイズで作られる雌ねじ324を有する。図8に見られるように、関節接合ねじ330は、第1の半部分または右手半部分330aと、第2の部分または左手部分330bとを含む。部分330a、330bの各々は、内側の湾曲表面336から半径方向に内側に突き出るナブ334を有する。各ナブ334は、外部管310に規定されるスロット316(図6)を通って関節接合プランジャー340の半径方向の凹部342の中に延びる(図7)。
【0068】
関節接合アセンブリ320は、関節接合ねじ330のナブ334に近位に位置を定められる近位端340aと外部管310との間に延びる関節接合プランジャー340を含む。関節接合プランジャー340は、内腔346を規定し、内腔346を通る駆動ロッド222の通過を可能にするようなサイズで作られる。関節接合プランジャー340は、きのこ形ヘッド344を有する遠位端340bで終わる。きのこ形ヘッド344は、近位部分344aより大きい遠位部分344bを有する。
【0069】
図6図7および図9図11を参照すると、クリップアプライヤー100は、近位端350aを有する近位部分352と、遠位端350bを有する遠位部分354と、中央部分350cとを規定するシャフト350を含む。シャフト350は、半円筒形であり、駆動ロッド222がシャフト350を通過することを可能にし、外部管310内に長手方向に延びる。図4に示されるように、シャフト350の近位端350aおよび遠位端350bは、中央部分350cとは反対の横方向に湾曲している。シャフト350は、中央部分350cから遠位部分354を分離する遠位アパーチャと、中央部分350cから近位部分352を分離する近位アパーチャとを規定する。シャフト350の遠位アパーチャは、関節接合プランジャー340のヘッド344の遠位部分334bをシャフト350の遠位アパーチャに受け入れるようなサイズで作られかつ受け入れるように構成され、遠位部分は、関節接合プランジャー340のヘッド344の遠位部分344bの周りにゆるくセットされるようなサイズで作られかつ構成されるアーチ形(arc)を形成する。
【0070】
図11に見られるように、シャフト350の近位部分352は、シャフト350をラック360に取り外し可能で連結する。ラック360の近位端362aは、きのこ形テール362に形成される。きのこ形テール362の近位端362aは、きのこ形テール362の遠位端362bより大きい。シャフト350の近位アパーチャは、シャフト350の近位アパーチャにきのこ形テール362の近位端362bを受け入れるようなサイズで作られる。シャフト350の近位部分352は、ラック360のきのこ形テール362の遠位端362bの周りにゆるくセットされるようなサイズで作られるアーチ形を形成する。
【0071】
図11に見られるように、ラック360は、円筒形部363と、円筒形部363に直ぐに隣接して配置される近位端362bとを含む。図17に示されるように、円筒形部363は周囲に1つ以上の凹部364を有し得、1つ以上の凹部364は凹部364にOシール382を受け入れるようなサイズで作られ得る。Oシール382は、ラック360の円筒形部363と外部管310の内径との間の空間をふさぐように変形可能であり、第1の管状部材302の遠位部分を実質的に密閉する。
【0072】
図11に示されるように、ラック360は第1の長手方向「X1」軸に沿って中央通路365を規定し、中央通路365は中央通路365を通って駆動ケーブル226が通過することを可能にするようなサイズで作られる。ラック360の遠位部分366は、長方形の断面形状を有する。図12および図14を参照すると、遠位部分366は、らせん形スプリング380の長手方向中心を通って適合するようなサイズで作られる。スプリング380は、ラック360の円筒形部363よりわずかに小さいサイズである外径を有する。その結果、スプリングは、ラック360の円筒形部363を越えて近位に通過することが妨げられる。
【0073】
図11および図12に示されるように、ラック360の遠位部分366は、少なくとも2つの突起367と、一セットの長手方向に整列した直線の歯368とを含む。2つの突起367は、近位部分366から互いに反対の方向に外側に延び、エンドカバー390の内部表面392に規定されるスロット391の中に配置されるように整列させられかつそのように配置されるようなサイズで作られる。図12に見られるように、エンドカバー390は、右手側面カバー390aと、左手側面カバー390bとを有する。エンドカバー390の外部近位部分393は、エンドカバー390が外部管310の遠位端310bの中に押し込められることを可能にするようなサイズである外径を規定し、エンドカバー390と外部管310との間に締りばめを確立する。
【0074】
エンドカバー390の内部表面392は、ラック360の長方形の断面よりわずかに大きいサイズである長方形を有し、エンドカバー390の内部表面392においてラック360が少なくとも部分的に長手方向に動くことを可能にする。エンドカバー390の近位端394aは、スプリング380より小さいサイズで作られ、スプリング380に対して付勢表面を提供する。図14および図15に見られるように、スプリング380は、円筒形部分363の遠位表面363aとエンドカバー390の近位端394aとの間に置かれ、ラック360を近位に付勢する。
【0075】
図12および図16に見られるように、エンドカバー部390a、390bの内部表面392は、一連の3つの円形の凹部396a、396b、および396cを規定する。3つの円形の凹部396a、396b、および396cの各々は、その中心がエンドカバー部392a、392bの各々を通るアパーチャ397a、397b、および397cの中心と合わせられる。
【0076】
上記のように、ラック360は外部管310内に位置を定められ、エンドカバー390の中に延びる。ラック360は、第1の長手方向「X1」軸に沿って往復運動するように構成される。ラック360の近位位置および遠位位置は2つの突起367によって規定され、2つの突起はエンドカバー390のそれぞれのスロット391内に位置を定められる。ラック360の2つの突起367は、スロット391の近位端391aに対抗して働き、ラック360の最近位位置を規定する。ラック360の2つの突起367は、スロット391の遠位端391bに対抗して働き、ラック360の最遠位位置を規定する。
【0077】
ラック360は一対の向かい合う長手方向に配置された歯368を含み、歯368はそれぞれのギアセットおよび嵌合構造を係合するが、本明細書において簡潔さのために一セットのラック360の歯368ならびに1つのそれぞれのギアセットおよび嵌合構造のみが説明される。図12図18に示されるように、ラック360は、遠位部分366の向かい合う両側に一対の長手方向に配置された歯368を有する。長手方向に配置された歯368は、遠位部分366に配置された凹部369によって規定され、凹部366は遠位部分366を「I」ビームに形成し、この場合、長手方向に配置された歯368は、向かい合う方向に延びる「I」ビームのフランジの内側に沿って形成される。長手方向に配置された歯368は、エンドカバー390によって支持される第1のギア420と完全に接触している。
【0078】
図12Aに見られるように、第1のギア420は、中央アパーチャ421と、円形ベース422と、第1の円形のセットの歯423と、第2の円形のセットの歯424とを規定する。第1の円形のセットの歯423は、第2のセットの歯424より直径が小さく、第2のセットの歯424に積み重ねられる。円形ベース422は、第2のセットの歯424と実質的に類似した外径を形成する。図12に見られるように、第1のピン410は、第1のギア420のアパーチャ421より大きいヘッド部分410aと、中央アパーチャ421より直径がわずかに小さい本体部分410bと、第1のピン410がカバー390におけるアパーチャ397aの中に圧入されることを可能にするようなサイズで作られるテール部分410cとを有する。テール部分410cとカバー390との間の締りばめは、テール部分410cをアパーチャ397aに保持し、少なくとも部分的にエンドカバー390の第1の凹部396a内に第1のギア420を支える。ラック360の長手方向に配置された歯368および第1のギア420は接続され、その結果、第1のギア420に対するラック360の長手方向の動きは、第1のギア420の第1の方向への回転の動きをもたらす。
【0079】
第1のギア420は、ギアセットの第2のギア430に動作可能に接続される。図12Bに見られるように、第2のギア430は、中央アパーチャ431と、隆起ベース432と、円形のセットの歯433とを規定する。隆起ベース432は、断面形状が円形であり、円形のセットの歯423より実質的に小さい外径を有する。第2のピン411は、アパーチャ431より大きいヘッド部分411aと、中央アパーチャ431より直径がわずかに小さい本体部分411bと、第2のピン411がカバー390におけるアパーチャ397bの中に圧入されることを可能にするようなサイズで作られるテール部分411cとを有する。テール部分411cとカバー390との間の締りばめは、テール部分411cをアパーチャ397bに保持し、少なくとも部分的にエンドカバー390の第2の凹部396b内に第2のギア430を支える。第1のギア420の第2の円形のセットの歯424は、第2のギア430の円形のセットの歯433に相互接続され、その結果、第1の方向への第1のギア420の回転の動きは、第2の方向への第2のギア430の回転の動きをもたらす。
【0080】
第2のギア430は、ギアセットの第3のギア440に動作可能に接続される。図12cに見られるように、第3のギア440は、中央アパーチャ441と、円形ベース442と、円形のセットの歯443とを規定する。円形ベース442は、円形のセットの歯443と実質的に類似した外径を形成する。円形ベース442は、第2のギア430の隆起ベース432および第1のギア420の円形ベース422の両方と高さが実質的に等しい。第3のピン412は、アパーチャ441より大きいヘッド部分412aと、中央アパーチャ441より直径がわずかに小さい本体部分412bと、第3のピン412がカバー390におけるアパーチャ397cの中に圧入されることを可能にするようなサイズで作られるテール部分412cとを有する。テール部分412cとカバー390との間の締りばめは、テール部分412cをアパーチャ397cに保持し、少なくとも部分的にエンドカバー390の第2の凹部396c内に第3のギア440を支える。第2のギア430の円形のセットの歯433は、第3のギア440の円形のセットの歯444に相互接続され、その結果、第2の方向への第2のギア430の回転の動きは、第1の方向への第3のギア440の回転の動きをもたらす。
【0081】
エンドカバー部392a、392bの各々は、第3のギア440の遠位に位置を定められ、エンドカバー部392a、392bの遠位部分395bから内側に半径方向に延びるボス398を規定する。ボス398は、エンドエフェクタ500の円筒形遠位部分522を捕え、第1の管状部材302に固定する。
【0082】
図12に見られるように、エンドエフェクタ500の円筒形遠位部分522は、ナックル510を有する。ナックル510は、二またに分かれた近位部分514と、円筒形遠位部分522とを含む。二またに分かれた近位部分514は、第1の長手方向「X1」軸および第2の長手方向「X2」軸の両方に直交する旋回アパーチャ511を規定する。旋回アパーチャ511は、旋回「Z」軸を規定する。旋回アパーチャ511は、断面形状が円形であり、旋回アパーチャ511にボス398を受け入れるようなサイズで作られる。ボス398のサイズおよび整列は、エンドカバー部392a、392bがエンドカバー部392aと392bとの間にナックル510を挟むことを可能にする。円形旋回アパーチャ511の中に突き出る円形ボス398の結果、エンドエフェクタ510は、「Z」軸の周りに旋回するかまたは回転する(swing)ことが可能である。
【0083】
ナックル510の二またに分かれた近位部分514は、2つのギアセグメント516a、516bを含み、2つのギアセグメントは、ナックル510の二またに分かれた近位部分514と一体に形成され、ナックル510の近位端510aの周りに近位に延びる。各ギアセグメント516は、第3のギア440に動作可能に接続されるアーチ形のセットの歯517を規定する。
【0084】
ナックル510は、ナックル510の中央を通る内腔518と、円筒形遠位部分522の周りに円形のチャネル520とをさらに規定する。円形チャネル520は、ナックル510の遠位端510bから近位に位置を定められる。中央内腔518は、駆動ケーブル224が少なくとも部分的に中央内腔518を通過し、少なくとも部分的にエンドエフェクタ500のクリップカートリッジ550(図24および図27)の中に入ることを可能にするようなサイズで作られる。
【0085】
関節接合機構の動作は、ここで図6図21を参照して考察される。特に図20および図21を参照すると、回転ノブ306および外部管310に対する関節接合ノブ322(図5)の回転は、関節接合ノブ322の内部ねじ切り324が関節接合ねじ330の外部ねじ切り332に対抗して作用し合うようにすることによって、関節接合ねじ330の長手方向の動きを生成する。関節接合ねじ330は、ナブ334によって外部管310に対して回転可能に固定される。その結果、関節接合ノブ332が関節接合ねじ330の周りに回転させられると、関節接合ねじ330は長手方向のみに動き得る。従って、第1の方法への関節接合ノブ322の回転は遠位方向への関節接合ねじ330の動きを引き起こし、第2の方法への関節接合ノブ322の回転は近位方向への関節接合ねじ330の動きを引き起こす。
【0086】
関節接合ねじ330の軸方向の動きは、ナブ334が関節接合プランジャー340に対抗して作用し合うようにし、関節接合プランジャー340の長手方向の動きを同じ方向に引き起こす。関節接合プランジャー340の動きは、シャフト350の長手方向の動き、次に、ラック360の長手方向の動きを引き起こす。
【0087】
上記に考察されるように、第1のギア420はラック360の直線の歯368に動作可能に接続される。特に図17および図18を参照すると、ラック360が近位に動くように押しやられると、第1のギア420は第1の方向に回転させられ、第2のギア430は第2の方法に回転させられる。第2のギア430は、第3のギア440を第1のギア420と同じ方向に回転させる。第3のギア440は、ギアセグメント516に対抗して作用し合い、第2の管状部材302を旋回「Z」軸の周りに旋回させる。
【0088】
図1図6に見られるように、エンドエフェクタ500は、外科手術クリップアプライヤーの形式であり、クリップカートリッジ550を支持するように構成される。図27に見られるように、クリップカートリッジ550は、ハウジングまたはベース部分560と、カバー590とを有する。図28を参照すると、ハウジング560は、近位部分561aと、遠位部分561bとを含む。ハウジング560の近位部分561aは、形状が円筒形であり、ハウジング560の遠位部分561aを通る長手方向通路562を規定する。長手方向通路562は、第2の長手方向「X2」軸と同軸で位置を定められ、図22および図23に見られるように、ナックル510の円筒形遠位部分522を受け入れるようなサイズで作られる通路562のより大きい円筒形部分562aから、ナックル510の中央内腔518と同軸で位置を定められる、より狭いまたは小さい部分562bに移行する。
【0089】
ここで図22図23および図27図28を参照すると、ハウジング560の近位部分561aはまた、近位部分561aの近位端560aから遠位に位置を定められる一対の平行のピンホール563を規定する。一対のピンホール563は、中心からずれて整列しており、その結果、一対のピンホール563の各々は、長手方向通路562のより大きい円筒形部分562aを通ってその中に延びる、近位部分561aを通る1つの通路を作る。各ホール563は、各ホール563にピン586を受け入れるようなサイズで作られ、ピンホール563内おいてピン586の摩擦または締まりばめを引き起こす。一対のピンホール563の各々は、ナックル510の円形チャネル520と共にピン586を位置決めするように位置を定められる。その結果、クリップカートリッジ550はピン586によって長手方向にナックル510に抑止され、一方、クリップカートリッジ550がナックル510の周りに回転することを可能にする。
【0090】
図28に見られるように、ハウジング560の遠位部分561bは、近位部分561aの垂直の表面584から遠位に延びる半円筒形構造である。図28を参照すると、半円筒形遠位部分561bは、部分的に遠位部分561bに沿って延びる一対の水平壁565と、第1の凹表面567と、一対の水平壁565の間にハウジング560の遠位部分561bに沿って長手方向に延びる凹部566を規定する第2の凹表面568とを有する。一対の内側への突き出しロック569は、第1の凹表面567に沿って長手方向に延びる凹部566の中に延び、1つの突き出しロックは水平壁565の各々から内側に延びる。スプリングスロット570は、スプリングスロット570の遠位の位置における第2の凹表面568に沿って長手方向に規定される。水平凹部571は、スプリングスロット570の遠位の位置において第2の凹表面568に沿って半径方向に規定される。2つのストップ572は、遠位端560bに沿って第2の凹表面568から突き出、水平壁565とストップ572との間に一対の長手方向開口部574a、574bを規定する。ハウジング560の遠位部分561bは、カバー590と嵌合するような形状でありかつ嵌合するようなサイズで作られる。
【0091】
図27に示されるように、クリップカートリッジ550は、ハウジング560とカバー590との間に、複数のクリップもしくはファスナ580または一連のクリップもしくはファスナ580と、カムスプリング600と、カムプレート610と、ジョー構造620と、ブロック部材640と、フィードバー650と、クリップキャリヤ660と、クリップフォロワ670と、フォロワスプリング680とを含む。
【0092】
複数の外科手術クリップ580は、組織に適用するためにクリップカートリッジ550内に保持される。図27Aに示されるように、各クリップ580は、バックスパン(backspan)581から延びる一対の脚582a、582bを有し、一対の脚582a、582bに実質的に平行に延びるクリップ軸「W」を規定する。クリップ580は、互いに隣接して位置を定められ、斜めのスタックを形成する。図42および図43を参照すると、一連のファスナまたはクリップ580は、クリップカートリッジ550内に配置され、第2の長手方向「X2」軸に対して0°〜90°(0°および90°は含まない)の角度を形成する。一連のクリップ580は、第2の長手方向「X2」軸に対してある角度内かまたはある角度で積み重ねられ、第2の長手方向「X2」軸とずれた平行な態様で、第2の長手方向「X2」軸に沿って延びる。クリップ580の形状は、U形状、V形状、または他の形状であり得る。
【0093】
図48図51に見られるように、クリップカートリッジ550はカミングプレート610を含むジョークロージャ機構532を含み、カミングプレート610はブロック部材640を介して駆動アセンブリ220に接続され、ジョー構造620に接近する力を提供する。
【0094】
図27および図29を参照すると、カムプレート610は、近位部分610cと、カミング部分または遠位部分610dとを規定する。犬骨形アパーチャ611は近位部分610cに規定され、カミングアパーチャ614はカミング部分610dに規定される。カムプレート610は、カムプレート610の上部/下部に垂直に延びるフィンガー612と、カミングプレート610の側面縁に沿ってカミング部分610cから外側に延びる一対のストップ613とを有する。
【0095】
カミングパーチャ614は、実質的に「V」形状である。「V」形状のカミングアパーチャ614は、アパーチャの中心に延びる突起またはセパレータ615と、アパーチャの外部縁に沿う一対のカミング表面616とを規定する。図30および図40図51を参照すると、カミングアパーチャ614は、ジョー構造620から垂直に延びる一対のポスト621と嵌合する。各ポスト621は、カムプレート610とジョー構造620とを一緒にして固定するように働き、その2つの構成要素間の接触を維持するヘッド622を含む。
【0096】
図37を参照すると、カムプレート610は、ハウジング560の第2の凹表面568に沿って位置を定められる。カムプレート610のストップ613は、ハウジング560の長手方向開口部574a、574bを通って外側に半径方向に延び、開口部574a、574bの長さまでにカムプレート610の長手方向の動き制限をする。カムプレート610の近位部分610cは、ハウジング560の長手方向に延びる凹部566に合うようなサイズで作られる。カムプレート610がハウジング560に対して最遠位位置にある場合、カムプレート610の近位端610aと第2の凹表面567との間に間隙575が形成される。フィンガー612は、ハウジング560のスプリングスロット570(図28)内に位置を決められるようなサイズで作られる。使用時、カミングプレート610の長手方向の動きは、ジョー構造620のポスト621に対してカムアパーチャ614を動かす。
【0097】
図38を参照すると、カムスプリング600は、カムプレート610のフィンガー612がカムスプリング600の遠位に配置されるようにハウジング560のスプリングスロット570内に位置を定められる。
【0098】
図27および図30を参照すると、ジョー構造620は、ロッキングタブ623と、一対の脚625と、一対のジョー626とを含む。一対のロック凹部628は、ロッキングタブ623と一対の脚625との間に規定される。ロック凹部628は、一対の脚625の側面縁から内側に延び、一対のロッキングショルダー624を形成する。図36を参照すると、ロッキング凹部628は、内側に突き出るロック569のための空間を提供することによって、ハウジング560の第1の凹表面567に沿ってジョー構造620を固定するように働く。内側に突き出るロック569は、ハウジング560に対するジョー構造620の長手方向の動きを妨げるようにロッキングブロック623およびロッキングショルダー624に対して働く。
【0099】
一対の脚625の各々は、第2の長手方向「X2」軸に平行にそれぞれのロッキングショルダー624から近位に延びる。一対のジョー626は、脚625の遠位端に形成され、第1のジョー626aと第2のジョー626bとを含む。各ジョー626は、それぞれの脚635からある角度で延び、第2の長手方向「X2」軸に対して角度を形成する。各クリップ580のクリップ軸「W」は、第1のジョー526aおよび第2のジョー526bの各々の長手方向軸に実質的に平行である。各ジョー626は内側部に沿ってチャネル627を規定し、内側部は内側部にクリップ脚582a、582bの一部分を受け入れるようなサイズで作られる。クリップ脚582a、582bのうちの1つは第1のジョー626aのチャネル627に保持され、脚582a、582bのうちのもう一方は第2のジョー626bのチャネル627に保持される。
【0100】
ジョーアセンブリまたはジョー構造620は、カバー590およびハウジング560において支持され、カバー590とハウジング560との間から遠位に延びる。ジョー構造620は第1のジョー626aと第2のジョー626bとを含み、第1のジョー626aおよび第2のジョー626bは、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である。
【0101】
図27および図31を参照すると、カムプレート614の動きはブロック部材640によって提供される。図31を参照すると、ブロック部材640は、ブロック部材640の表面から延びる一対のレール644と、ブロック部材640の遠位端640bに近い位置においてレール644とは反対の表面から延びるフィンガー642とを含む。フィンガー642は、ジョー脚624と625との間にカミングプレート610の犬骨形のアパーチャ611の中に延びるようなサイズで作られる。
【0102】
図31および図44図45を参照すると、ブロック部材640の近位端640aは、駆動ケーブル224の遠位端224bに接続される。その結果、駆動ケーブル224の前進は第2の長手方向「X2」軸に沿ってブロック部材640を前進させ、駆動ケーブル224の引き込みは第2の長手方向「X2」軸に沿ってブロック部材640を引き込む。ブロック部材640の近位の動きまたは引き込みは、カミングプレート610の犬骨形のアパーチャ611の近位端611aにブロック部材640のフィンガー642を隣接させ、次に、カミングプレート610を近位に引く。図49および図50に見られるように、近位位置において、カムアパーチャ614は、先細の端部615aを有する、カミングプレート610のセパレータ615をジョー構造620のポスト621の間となるようにして、ポスト621を分離し、ジョー626を開く。
【0103】
一方、ブロック部材640の遠位の動きまたは前進は、カミングプレート610の犬骨形のアパーチャ611の近位端611bにフィンガー642を隣接させ、次に、カミングプレート610を遠位に押す。図51に見られるように、遠位位置において、カミングプレート610のカムアパーチャ614のカミング表面616は、ジョー構造620のポスト621に力を加え一緒にして、ジョー626を閉じる。フィンガー642の長手方向の長さは、犬骨形のアパーチャ611の長さより少なく、それによって、カミングプレート610を係合しカミングプレート610を動かす前に、ブロック部材640のフィンガー642が所定の距離を動くことを可能にする。
【0104】
図27および32を参照すると、個々のクリップ580をジョー626の中に前進させるために、フィードバー650がカバー590に対する長手方向の動きのために提供される。図32に見られるように、ジョー626の中にクリップ580の挿入を容易にするために、ジョー626の中へのクリップ580の挿入を容易にするために、フィードバー650にその遠位端650bにプッシャ652が備え付けられ、プッシャ652は、クリップ580の積み重ねからジョー626の中に個々のクリップを前進させるように構成される。
【0105】
プッシャ652は、クリップ580の最遠位クリップ「C1」(図42および図43)をジョー626の中に選択可能に係合し/動かす(すなわち、遠位に前進させる)ようなサイズおよび形状で作られる。フィードバーはフィードバーの各側面縁に沿って一対の凹部654a、654bを規定し、一対の凹部654a、654bは、ブロック部材640のレール644a、644bを受け入れるようなサイズおよび形状で作られ、フィードバー650とブロック部材640とを嵌合させる。図44図48を見ると、ブロック部材640の動きは、同じ方向への同じ大きさでのフィードバー650の動きを引き起こすことは理解される。
【0106】
図27および図39図41を参照すると、フィードバー650はクリップキャリヤ660の下にスライド可能に配置される。クリップキャリヤ660は、その上に複数の外科手術クリップ580を保持するような形状およびサイズで作られる。クリップキャリヤ660およびジョー構造620がハウジング560に対して長手方向に動かないことは注意されるべきである。
【0107】
図33を参照すると、クリップキャリヤ660は遠位の一対のスロット664を含み、遠位の一対のスロット664はそこにフィードバー650のプッシャ652を受け取るようなサイズおよび形状で作られる。クリップキャリヤ660は、「帽子」形状の横断面の輪郭で形成され、中央プラットフォーム667と、中央プラットフォーム667から下方に突き出る2つの垂直壁666と、垂直壁666の各々から外側に突き出る水平壁665とから成る。水平壁665の各々は外側縁に沿って上方に突き出る2つの長手方向に間隔をあけたリテイナ661を含む。リテイナ661の各々は、そこを通る開口部662を規定する。遠位660bの辺りの傾斜部668は、中央プラットフォーム667が水平壁665より短いということを可能にする。
【0108】
図40に示されるように、クリップキャリヤ660の近位端660aはハウジング560の垂直表面564に対抗して位置を決められ、水平壁665はハウジング560の水平壁565の上に置かれている。傾斜部668は、ジョー構造620の脚625の張り出し部629を部分的に越えてクリップキャリヤ660を延ばす。傾斜部668は、第2の長手方向「X2」軸に対して、実質的にジョー626と同じ角度を形成する。
【0109】
図27、34、および40を参照すると、クリップフォロワ670はクリップキャリヤ660の上部に置かれている。図34に示されるように、クリップフォロワ670は、クリップ580の積み重ねとの係合ためのアバットメント表面672を含み、クリップキャリヤ660との係合のための2つのアーム674a、674bを含む。クリップフォロワ670は、フォロワスプリング680の内部に合うようなサイズで作られる近位に延びるポスト676を含む。図42を参照すると、クリップフォロワ670は、クリップキャリヤ600上のクリップ580の積み重ねの後ろに位置を決められ、最遠位クリップが発射されると、外科手術クリップアプライヤー100を通りクリップ580積み重ねを前進させる。
【0110】
クリップフォロワ670は、フォロワスプリング680によって遠位に付勢され、クリップキャリヤ660に沿って遠位にクリップ580の積み重ねを推進する。カバー590は、クリップキャリヤ660の上に重なり、カバー590内にあるフォロワ670、フォロワスプリング680、およびクリップ580の積み重ねを保持し、フォロワ670、フォロワスプリング680、およびクリップ580の積み重ねの前進を導くように構成される。
【0111】
図27および図35に見られるように、クリップカートリッジ550のカバー590は、実質的に半円筒形の本体591と、ノーズ592とを有する。2対の固定突起593は、カバー590の半円筒形本体591の各側面に沿って半径方向に外側に延びる。各固定突起593は、クリップキャリヤ660のリテイナ661における開口部662の中に合い、クリップキャリヤ660のリテイナ661における開口部662を通って突き出るようなサイズおよび形状で作られる。カバー590は、カバー590に沿った長手方向通路595を規定する。
【0112】
図45を参照すると、クリップキャリヤ660は、図40図43においてクリップキャリヤ660の上に積み重ねる方法で示されるように、複数のクリップ580を保持するためカバー590の長手方向通路595の内部表面を有する細長いクリップチャネルを形成する。クリップチャネルに沿って通り抜けジョー626の中に入るクリップ580を導くために、ノーズ592に沿ってカバー590の遠位端590bに傾斜内部表面596が備えられ、ジョー626の中に外科手術クリップ580を導くことを助ける。カバー590の近位端590aは、ハウジング560の垂直表面に隣接するような形状である。
【0113】
図44図48を参照すると、クリップカートリッジ550の動作がここで考察される。最初に、ジョー626は脈管「V」の周りに配置される。図44に見られるように、トリガー208(図5Aを参照されたい)の作動は、方向矢印「a」によって表されるように、駆動アセンブリ220(図5Aを参照されたい)および駆動ロッド222の遠位の動きを引き起こす。駆動ロッド222の遠位の動きは駆動ケーブル224の遠位の前進を引き起こし、駆動ケーブル224の遠位の前進は、次に、方向矢印「b」によって表されるブロック部材640の前進を引き起こす。図45を参照すると、ブロック部材640の遠位の動きは、方向矢印「c」によって表されるフィードバー650の前進を引き起こす。ブロック部材640が、遠位に動くと、ブロック部材のフィンガー642が犬骨形の凹部611の幅減少部分に対抗して接し、フィードバー650を遠位に押しやる。フィードバー650が遠位に前進させられると、図46における方向矢印「d」によって例示されるように、フィードバー650のプッシャ652は最遠位クリップ「C1」を遠位にかつジョー部材626間に押しやる。図40および図50に見られるように、ブロック部材640のさらなる前進中、ブロック部材640のフィンガー642は、カムプレート610の犬骨形の凹部611に沿って進み、それによって、カムプレート610を最遠位位置に静止して維持する。
【0114】
図47および図48を参照すると、最遠位クリップ「C1」がジョー部材626に装填されている状態で、方向矢印「g」によって表されるように、トリガー208の解放の結果としての駆動ロッド222の引き込みは、方向矢印「e」によって例示されるように、ブロック部材640およびフィードバー650のプッシャ652の引き込みまたは近位の動きを引き起こす。フィードバー650が初期位置または開始位置に戻ると、プッシャ652は、クリップ580の積み重ねにおける次のクリップを横切って乗るプッシャ652の傾斜縁653によってクリップカートリッジ550の中央の方に押し下げられる。図48を参照すると、傾斜縁653はまた、プッシャ652がクリップキャリヤ660の下に位置を決められることを可能にし、一方、ブロック部材640は、方向矢印「h」によって表されるように、初期開始位置から近位に動き続ける。ブロック部材640が初期開始位置から近位に動くと、フィンガー642は、犬骨形の凹部611の幅減少部分に接し、犬骨形の凹部611の幅減少部分に対抗して働き、方向矢印「i」によって例示されるように、カムプレート610を近位に押し動かす。カムプレート610が近位に動くと、カムプレート610のフィンガー612は、方向矢印「j」によって表されるように、近位に動き、方向矢印「k」によって表されるように、カムスプリング600を圧縮する。
【0115】
図49図52を参照すると、血管の周りのクリップ「C1」の形成がここで考察される。前に考察されたように相互接続カムプレート610およびジョー構造626は、図49に示される。ジョー626が、ジョー626に装填されたクリップ「C1」を有し、血管の周りに配置されている状態で、カムプレート610は、近位に動くブロック部材640によって近位に押しやられ、ジョー626のカミング表面616(図27を参照されたい)がジョー構造626のポスト621に対抗して働くようにさせる。カミングアパーチャ614のカミング表面616がジョー構造626のポスト621の各々に隣接すると、図52に例示されるように、ポスト621は、一緒に押し込まれ血管の周りにクリップ「C1」を形成する。
【0116】
トリガー208が駆動ロッド222を引っ込めるために開き続けると、ブロック部材640のフィンガー642がカムプレート610の犬骨形の凹部611の幅減少部分を介して引かれるまで、ブロック部材640はさらに近位方向に引かれ、この時、カムスプリング600は、拡張することが可能であり、カムプレート610のフィンガー612に対して働き、カムプレート610を遠位に動かし、ジョー構造626を開く。
【0117】
この方法で、トリガー208の1回の完全なストロークは、結果として、クリップ「C1」のジョー626への供給、およびジョー626による装填されたクリップの形成をもたらす。そのような発射シーケンスは、エンドエフェクタ500の第2の長手方向軸「X2」が、シャフトアセンブリ300の第1の管状部材302の第1の長手方向軸「X1」に軸方向に整列しているか、またはシャフトアセンブリ300の第1の管状部材302の第1の長手方向軸「X1」に対してある角度で置かれているかのいずれかにおいて達成され得る。
【0118】
前述の説明が本開示の例示にすぎないことは理解されるべきである。様々な代案および修正が本開示から逸脱することなく当業者によって考案され得る。従って、本開示は、すべてのそのような代案、修正および変種を含むことが意図される。添付の図面を参照して説明される実施形態は、本開示の特定の実施例を明らかにするためにのみ提示される。上記および/または添付の特許請求の範囲に説明される要素、方法、および技術と実質的に異ならない他の要素、ステップ、および技術が、本開示の範囲内であることもまた意図される。
【符号の説明】
【0119】
100 外科手術クリップアプライヤー
200 ハンドルアセンブリ
202 ハウジング
300 シャフトアセンブリ
302 第1の管状部材
304 回転機構
306 回転ノブ
312 内腔
320 関節接合機構
420 第1のギア
500 エンドエフェクタ
640 ブロック部材
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
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図12B
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