特許第5938187号(P5938187)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5938187可変排出油圧ポンプを制御するための流量加算システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938187
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】可変排出油圧ポンプを制御するための流量加算システム
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/00 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   F15B11/00 Q
【請求項の数】20
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-219678(P2011-219678)
(22)【出願日】2011年10月4日
(65)【公開番号】特開2012-82956(P2012-82956A)
(43)【公開日】2012年4月26日
【審査請求日】2014年9月19日
(31)【優先権主張番号】12/901058
(32)【優先日】2010年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598096131
【氏名又は名称】フスコ インターナショナル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HUSCO INTERNATIONAL, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100108017
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ エル ファフ
(72)【発明者】
【氏名】エリック ピー ハムキンズ
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−061603(JP,A)
【文献】 特開平11−030205(JP,A)
【文献】 特開平11−218102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の油圧アクチュエータを動作させるために、可変排出ポンプからの流体が供給導管に供給され、前記複数の油圧アクチュエータからの流体が戻し導管に流入される、油圧アクチュエータの制御バルブ組立体であって、
前記制御バルブ組立体には、前記可変排出ポンプの制御入力ポートと流体的に連通する流量を加算する接点と、それぞれが前記複数の油圧アクチュエータの1つに関連された複数のバルブユニットと、が設けられ、
前記複数のバルブユニットには、前記流量を加算する接点と前記関連する油圧アクチュエータとの間に接続されてその間の流量を可変させる計量オリフィスと、可変流量供給オリフィスと、が設けられ、かつ、
前記複数のバルブユニットの前記可変流量供給オリフィスが、前記可変排出ポンプと前記流量を加算する接点との間に並列接続されている
ことを特徴とする制御バルブ組立体。
【請求項2】
前記複数のバルブユニットそれぞれにおいて、前記計量オリフィスが拡径するにつれて前記可変流量供給オリフィスも拡径され、そして、前記計量オリフィスが縮径するにつれて前記可変流量供給オリフィスも縮径されることを特徴とする請求項1に記載の制御バルブ組立体。
【請求項3】
前記複数のバルブユニットには、前記流量を加算する接点と前記戻り導管との間に接続された可変バイパスオリフィスが、それぞれ設けられていて、前記計量オリフィスが拡径するにつれて前記可変バイパスオリフィスが縮径され、そして、前記計量オリフィスが縮径するにつれて前記可変バイパスオリフィスが拡径されることを特徴とする請求項2に記載の制御バルブ組立体。
【請求項4】
前記複数のバルブユニットには、前記流量を加算する接点と前記戻り導管との間に接続された可変バイパスオリフィスが、それぞれ、さらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の制御バルブ組立体。
【請求項5】
前記流量を加算する接点と戻り導管との間に直列接続された、前記複数のバルブユニットにおける前記可変バイパスオリフィスが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の制御バルブ組立体。
【請求項6】
前記バルブユニットそれぞれにおいて、前記可変流量供給オリフィス、前記計量オリフィスおよび前記可変バイパスオリフィスが、1つの制御バルブに統合されていることを特徴とする請求項4に記載の制御バルブ組立体。
【請求項7】
前記制御バルブがスプールバルブとされていることを特徴とする請求項6に記載の制御バルブ組立体。
【請求項8】
前記制御バルブには、第1のワークポートが設けられ、そして、前記ワークポートが閉じられる第1の位置と、前記第1のワークポートが前記計量オリフィスによって前記流量を加算する接点に接続される第2の位置と、が設けられ、
前記第1のワークポートには、前記複数の油圧アクチュエータの1つが接続され、
前記第1の位置で、前記可変流量供給オリフィスが第1の寸法とされ、前記可変バイパスオリフィスが第2の寸法とされ、かつ、
前記第2の位置で、前記可変流量供給オリフィスが前記第1の寸法より大きい第3の寸法とされて、前記可変バイパスオリフィスが前記第2の寸法より小さい第4の寸法とされている
ことを特徴とする請求項に記載の制御バルブ組立体。
【請求項9】
前記制御バルブには、第2のワークポートがさらに設けられ、そして、前記第2のワークポートが前記計量オリフィスによって前記流量を加算する接点に接続される第3の位置が設けられ、
前記第2のワークポートには、前記複数の油圧アクチュエータの1つが接続され、かつ、
前記第3の位置で、可変流量供給オリフィスが前記第1の寸法より大きい第5の寸法とされて、前記可変バイパスオリフィスが前記第2の寸法より小さい第6の寸法とされている
ことを特徴とする請求項8に記載の制御バルブ組立体。
【請求項10】
前記複数のバルブユニットには、前記計量オリフィスから前記供給導管に向かう方向の流体の流量を防ぐ逆止め弁が、それぞれ、設けられていることを特徴とする請求項1に記載の制御バルブ組立体。
【請求項11】
複数の油圧アクチュエータからタンクへ続く戻り導管に流量が流入する可変排出ポンプから複数の油圧アクチュエータへの流量を制御する用途の制御バルブ組立であって、
前記可変排出ポンプの制御入力ポートに流体的に連通する流量を加算する接点と、操作可能に接続された複数の制御バルブと、が設けられ、かつ、
前記複数の制御バルブの何れか1つを開くことによって、前記可変排出ポンプから前記流量を加算する接点へ流体の流量が増加する通路が制御され、前記流量を加算する接点から前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれへの流体通路が提供され、そして、前記流量を加算する接点から前記戻り導管への流体の流量が減少される
ことを特徴とする制御バルブ組立体。
【請求項12】
前記複数の制御バルブには、流体がそれぞれの油圧アクチュエータから戻り導管に貫流する可変通路がそれぞれさらに設けられていることを特徴とする請求項11に記載の制御バルブ組立体。
【請求項13】
前記複数の制御バルブには、可変流量供給オリフィスが設けられていて、前記制御バルブが開くにつれて前記可変排出ポンプから前記流量を加算する接点への流体の流量が増加されることを特徴とする請求項11に記載の制御バルブ組立体。
【請求項14】
前記複数の制御バルブには、前記流量を加算する接点から供給される流体が、そこを通って前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれに流される可変計量オリフィスが設けられていることを特徴とする請求項11に記載の制御バルブ組立体。
【請求項15】
前記複数の制御バルブには、前記制御バルブが開くにつれて前記可変排出ポンプから前記戻り導管への流体の流量が減少される可変バイパスオリフィスが設けられていることを特徴とする請求項11に記載の制御バルブ組立体。
【請求項16】
前記複数の制御バルブには、前記可変排出ポンプおよび流量を加算する接点の両方が流体的に連通される可変流量供給オリフィスと、前記流量を加算する接点および前記それぞれの油圧アクチュエータと流体的に連通する計量オリフィスと、前記流量を加算する接点および前記戻り導管に流体的に連通する可変バイパスオリフィスと、がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項11に記載の制御バルブ組立体。
【請求項17】
前記複数の制御バルブには、1のワークポートが閉じられる第1の状態と、前記複数の油圧アクチュエータの1つが前記計量オリフィスによって前記流量を加算する接点に接続される第2の状態と、が設けられ、
前記第1の状態で、前記可変流量供給オリフィスが第1の寸法とされ、前記可変バイパスオリフィスが第2の寸法とされ、かつ、
前記第2の状態で、前記可変流量供給オリフィスが前記第1の寸法より大きい第3の寸法とされ、可変バイパスオリフィスが前記第2の寸法より小さい第4の寸法とされる
ことを特徴とする請求項16に記載の制御バルブ組立体。
【請求項18】
油圧アクチュエータを動作させるために、可変排出ポンプからの流体が供給導管に供給され、前記油圧アクチュエータからの流体がタンクに接続されている戻し導管に流入される油圧アクチュエータの制御バルブ組立体であって、
前記可変排出ポンプの制御入力ポートと流体的に連通する流量を加算する接点と、
前記供給導管と前記流量を加算する接点との間に接続された可変流量供給オリフィス、前記流量を加算する接点と前記油圧アクチュエータとの間に接続されていてそれらの間の流量を可変させる計量オリフィス、および、前記流量を加算する接点と前記戻り導管との間に接続された可変バイパスオリフィス、を備えた制御バルブと、
が設けられ、かつ、
前記計量オリフィスが拡径するにつれて、前記可変流量供給オリフィスも拡径されて、前記可変バイパスオリフィスが縮径され、そして、前記計量オリフィスが縮径するにつれて、前記可変流量供給オリフィスも縮径されて、前記可変バイパスオリフィスが拡径される
ことを特徴とする制御バルブ組立体。
【請求項19】
前記制御バルブがスプールバルブとされていることを特徴とする請求項18に記載の制御バルブ組立体。
【請求項20】
前記制御バルブには、第1のワークポートが設けられ、そして、前記ワークポートが閉じられる第1の位置と、前記第1のワークポートが前記計量オリフィスによって前記流量を加算する接点に接続される第2の位置と、が設けられ、
前記第1のワークポートには、前記油圧アクチュエータの1つが接続され
前記第1の位置で、前記可変流量供給オリフィスが第1の寸法とされ、前記可変バイパスオリフィスが第2の寸法とされ、かつ、
前記第2の位置で、前記可変流量供給オリフィスが前記第1の寸法より大きい第3の寸法とされ、可変バイパスオリフィスが前記第2の寸法より小さい第4の寸法とされている
ことを特徴とする請求項18に記載の制御バルブ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧力機械の動作させるためのバルブ組立に関し、詳細には、可変排出油圧ポンプを制御する圧力信号を生成するバルブ組立に関する。
【背景技術】
【0002】
機械の油圧式駆動操作部材の速度は、油圧システムの主要な狭隘オリフィスの断面積およびこれらオリフィス両端の圧力差に依存する。圧力補償油圧制御システムは、制御を容易にするため、圧力差を無くすように設計されてきた。この従来の制御システムには、バルブワークポートでの圧力をシステムの圧力油圧流量を供給する可変排出油圧ポンプの入力に伝達する負荷検知導管が設けられている。ポンプ出力が自己調節される結果、制御オリフィスの両端を略一定圧力差にされ、その断面積が機械操作者に制御される。このことによって制御が容易になるのは、圧力差が一定に保持されると、動作部材の移動速度がオリフィスの断面積によってのみ決定されるからである。
【0003】
そのようなシステムの1つに米国特許第5,715,865号の「Pressure Compensating Hydraulic Control Valve System」があり、個々のバルブ部が、ポンプから動作部材を駆動する各油圧アクチュエータへの油圧流を制御する。バルブ部は、ポンプの制御入力ポートに伝達される負荷検知圧を供給するために油圧アクチュエータにかかる最大負荷圧が検知される形式である。最大負荷圧が、全バルブ部からの負荷圧を受けるシャトルバルブのデイジーチェーンによって決定される。
【0004】
各バルブ部には、可変計量オリフィスのある制御バルブおよび個別圧力補償バルブが設けらている。ポンプからの出力圧が、計量オリフィスの一方の側、および計量オリフィスの他方の側での圧力補償バルブに提供され、そして負荷検知圧に応答し、その結果、計量オリフィスの両端の圧力差が実質的に一定に保持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このシステムが効果的である一方で、各バルブ部に個々の圧力補償バルブおよびシャトルバルブが計量オリフィスを有する制御バルブに加えて必要とされる。これらの追加の要素によって、コストがかかり、油圧システムが複雑になり、これらはより廉価の装置を検討する上で、重大である。この機能を実行するためには、したがって、より廉価で複雑とされない技術が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
制御バルブ組立は、複数の油圧アクチュエータを操作するために可変排出ポンプからの流量が供給導管に供給される油圧システムに提供される。複数の油圧アクチュエータからの流量が戻り導管に入って、これを経由して流量がタンクに流れる。
【0007】
制御バルブ組立は、流量を加算する接点および複数の制御バルブを備える。流量を加算する接点が可変排出ポンプの制御入力ポートに接続される。複数の制御バルブが、それぞれ動作可能に接続されていて、それが開かれると可変排出ポンプから流量を加算する接点への流体の流量が増加し、流量を加算する接点から複数の油圧アクチュエータのそれぞれへの流体の流量が増加し、流量を加算する接点から戻り導管への流体の流量が減少する。この動作によって、可変排出ポンプの制御入力ポートへの供給される圧力が変化し、それぞれの油圧アクチュエータを操作するために増加した流体要求を満たすように供給導管へ供給される流体を増やして応答する。
【0008】
本発明の1つの態様では、制御バルブがそれぞれさらに可変流量通路を備え、そこを通って流体が関連する油圧アクチュエータから戻り導管に流体が流れる。
【0009】
本発明の別の態様では、制御バルブがそれぞれ(1)可変排出ポンプと流量を加算する接点との間に接続された可変流量供給オリフィスと、(2)流量を加算する接点と関連の油圧アクチュエータとの間に、その間の流体の流量を変化させるために接続された計量オリフィスと、(3)流量を加算する接点と戻り導管との間に接続された可変バイパスオリフィスと、が備えられる。任意の制御バルブに対して、計量オリフィスが拡径すると、そのバルブにおいて、可変流量供給オリフィスも拡径し、可変バイパスオリフィスが縮径し、計量オリフィスが縮径すると、可変流量供給オリフィスも縮径し、可変バイパスオリフィスが拡径する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明を組み込んだ油圧システムの概略図である。
図2図1の油圧システムの概略図であって、機能的な関係がさらに良く分かるように、ある内部構成要素が制御バルブから分離され、再配置される図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「直接接続される」という用語は、ここでは関連の構成要素が何れの介在する要素も無く導管によって共に接続される、バルブ、オリフィス、または他のデバイスなどを意味して使用され、これらは、何れの導管の固有の制限を超えて、流体の流量を制限し制御する。構成要素が2つの点または要素の間に「直接接続される」ように説明されている場合、その構成要素はそのような点または要素に直接に接続されている。
【0012】
図1を最初に参照すると、油圧システム10が3つの油圧機能11,12および13を有るが、油圧機能の数の多少は本発明を実施する他の油圧システムにおいて使用され得るものである。油圧機能11、12および13はそれぞれバルブユニット14,15および16と、ピストンシリンダ装置のような、しかしながら他の形式のアクチュエータも使用できる、油圧アクチュエータ21、22および23と、を備える。3つのバルブユニット14、15および16が結合して制御バルブ組立17を形成する。バルブユニットは物理的に分離されている組立か、単一の組立になっている。第1のバルブユニット14は第1の制御バルブ24、第2のバルブ15は第2の制御バルブ25、第3のバルブは第3の制御バルブ26を有している。制御バルブ24、25および26はそれぞれ関連の油圧アクチュエータ21、22または23と可変排出ポンプ20、タンク18の両方との間の流体の流量を制御する。ポンプ20は、圧力流体を供給導管28に供給し、出力圧が制御入力ポート19に供給される圧力に固定所定量、「ポンプマージン」と呼ぶ、を加えたものに等しくなるような形式である。ポンプ20が、「ポンプマージン」を保持するように排出を増減する。一例として、出力圧と制御入力ポート圧との間の差がポンプマージンより小さい場合、ポンプは排出を増やす。出力圧と制御入力ポート圧との間の差がポンプマージンより大きい場合、ポンプは排出を減らす。オリフィスを貫流する流量は流量面積および差圧の平方根に比例するとして表わされることは一般に知られている。このポンプ制御方法はポンプマージンという一定の差圧を提供するので、ポンプ20の流量出力はポンプ出力と制御入力ポート19との間の流量面積に直線的に比例する。流体はまた戻り導管30を介してタンク18に流入される。供給導管28および戻り導管30はバルブユニット14〜16それぞれに延在する。
【0013】
制御バルブ24、25および26はそれぞれオープンセンター、3ポジションバルブで、たとえばスプール形式でもよい。例示の油圧システム10において、制御バルブ24〜26はソレノイドで動作するように示されているが、それの1つまたは複数がパイロット圧または機械式レバーまたはリンクによって操作されてよい。
【0014】
第1の制御バルブ24について詳細に説明するが、2つの制御バルブ25および26にもこの説明が当てはまることが理解できるであろう。第1の制御バルブ34がポンプ20から供給導管28に接続される供給ポート32を有する。制御バルブ内の可変流量供給オリフィス34が供給ポート32と流量出口36との間を流体的に連通する。油圧システム10の連続する操作説明を容易に理解するため、制御バルブ24、25および26のそれぞれの可変流量供給オリフィスはそれぞれ符号34a、34bおよび34cで特定される。第1の制御バルブの流量導管36がバルブユニット14〜16すべてにおいて流量出口に接続される導管に直接接続され、流量を加算する接点44を形成する。このように、制御バルブ内の可変流量供給オリフィス34a、bおよびcが、供給導管28と流量を加算する接点44との間に直接接続され、かつ、その間の分離可変流体通路を提供する。
【0015】
流出口36は、従来の負荷逆止め弁38によって制御バルブの計量オリフィス入口40に接続され、その結果、関連の油圧アクチュエータ21に大きな負荷が発生したときでも、流体が計量オリフィス入口から供給導管に逆流することができない。第1の制御バルブ24内の可変計量オリフィス45が、流量出口36を、第1の制御バルブがセンター、すなわちニュートラル位置から動かされた方向によって、2つのワークポート46および48の1つに連結する。2つのワークポート46および48は第1の油圧機能11の第1の油圧アクチュエータ21の異なるポートに接続される。制御バルブ24は通常センター位置に偏倚され、この位置でワークポート46および48は閉じている。
【0016】
第1の制御バルブ24はまた、その制御バルブのバイパス入口51とバイパス出口52との間を直接接続するバイパスオリフィス50aを備える。他の制御バルブ25および26それぞれのバイパスオリフィスが50bおよび50cの符号でそれぞれ特定される。バイパスオリフィス50a、50bおよび50cが、直列に接続されて総和ノード44と戻り導管30との間で流体的に連通される。具体的には、例示の油圧システム10において、第3の制御バルブ26のバイパス出口52が総和ノード44に直接接続される。制御バルブ26のバイパス入口51が第2の制御バルブ25のバイパス入口51に直接接続され、第2の制御バルブ25バイパス出口が第1の制御バルブ24のバイパス入口51に直接接続される。第1の制御バルブ24のバイパス出口52が戻り導管30に直接接続される。このようにバイパスオリフィス50a、50bおよび50cの直列が総和ノード44と戻り導管30との間で直接接続される。
【0017】
図2は油圧システムの概略図であり、可変流量供給オリフィス34a、bおよびc、ならびにバイパスオリフィス50a、bおよびcが、それぞれのオリフィスとさらに機能的なグループに配置され、オリフィスは、対応する制御バルブ24、25および26が実際に位置されるその外側にある。この機能図では、3つの可変流量供給オリフィス34a、bおよびcがポンプ20からの供給導管28と流量を加算する接点44との間に直接に並列接続される。この並列接続は可変流量部56を形成する。3つのバイパスオリフィス50a、bおよびcが、流量を加算する接点44とタンク18への戻り導管30との間で直列接続され、油圧システム10のバイパス部58を形成する。
【0018】
最初に制御バルブ24〜26が、すべてワークポート46および48の両方が閉じているセンター位置にあると仮定する。この状態で、ポンプ20から供給導管28に供給された出力が、可変流量供給オリフィス34a〜c、今はすべて比較的小さな流体面積に縮径されているが、を貫流する。したがって、比較的少量の流体が、ポンプ20から可変流量部56を介して総和ノード44に流れる。このとき、バイパス部58のバイパスオリフィス50a〜cがすべて拡径されて比較的大きい流体面積を提供し、これによって、流体が総和ノード44に流入し戻り導管30に容易に貫流できる。その結果、流体総和ノード44での圧力は比較的低い程度であり、ポンプ制御導管60を介して可変排出ポンプ20の制御入力ポート19に伝達される。
【0019】
別法では、制御バルブ24、25または26がセンター位置にあるとき、その可変流量供給オリフィス34a、bまたはcが完全に閉じることによって、流体は供給導管28と流量を加算する接点44との間の制御バルブを貫流しない。このシステムの形式では、分離の小さい固定オリフィス35を追加して、供給導管28を可変流量部56の流量を加算する接点44に接続してもよく、その結果、制御バルブがすべてセンター位置にあるとき、供給導管から流量を加算する接点に流入する流量がある。
【0020】
第1の油圧機能11に対して本制御技術の操作を説明するが、他の油圧機能12、13の操作も同様であることは理解されよう。センター位置から何れかの方向に移動して第1の制御バルブ24が開くと、その移動の方向によって、計量オリフィス入口40が、可変計量オリフィス45を介してワークポート46または48の1つに接続される。第1の制御バルブ24を開くことにより、他のワークポート48または46が、戻り導管30に繋がる出口ポート42にも接続される。同時に、可変流量供給オリフィス34aが、制御バルブの移動する距離に関連した量だけ拡径し、これによって、ポンプが、供給導管28から流量を加算する接点44への流体の流量を増加させて、前述のように「ポンプマージン」を保持する。同時に、バイパスオリフィス50aが縮径し、総和ノード44での圧力を増加させる。このように第1の制御バルブ24が、第1の油圧アクチュエータ21に供給される流体の貫流する通路を開き、可変流量部56を通って総和ノード44に貫流して流量が増加し、そのノードからタンク戻り導管30へ発生する流量へのバイパスオリフィス50aによって生成される制限も増加し、その結果、流量を加算する接点44での圧力が増加する。
【0021】
総和ノード圧力が、第1のアクチュエータ21に起きる負荷力に超えるほどに十分に高いと、流量が第1の制御バルブ24での計量オリフィスを貫流して第1のアクチュエータを駆動する。
【0022】
第1の制御バルブ24が開くと同時に、1つまたは複数の他の制御バルブ25または26も開く。それぞれの可変流量オリフィス34bおよび34cも、供給導管28からの流量を流量を加算する接点44へ流入させる。3つの可変流量供給オリフィス34a〜34cが並列接続されているので、同じ差圧がそれらオリフィスの両端にかかる。それぞれの流量供給オリフィスの差圧および断面積はそのオリフィスを貫流する量を決定する。流量を加算する接点への総流量は、可変流量オリフィス34a〜34cを貫流するそれぞれの流量の総和である。その結果、それぞれの可変流量供給オリフィスが開いている面積の総和が流量を加算する接点44への総合流量を決定し、したがって可変排出ポンプ20からの出力流量が制御される。それぞれの制御バルブ24、25および26における計量オリフィス45のそれぞれの流量面積、ならびにアクチュエータ21、22および23への負荷力それぞれが、流量を加算する接点44から受けるアクチュエータそれぞれの流量を決定する。
【0023】
第1の油圧アクチュエータ21が所望の位置に達したとき、第1の制御バルブ24がそのバルブを制御している何れの装置によってセンター位置に戻される。センター位置では、2つのワークポートが再び閉じて、流量を加算する接点44から第1の油圧アクチュエータ21への流体の流量を停止させる。さらに、可変流量供給オリフィス34aが比較的小さい径まで縮径し、供給導管28から流量を加算する接点44への流量が減少する。第1の制御バルブ24をセンター位置に戻すことで、さらにバイパスオリフィス50aの開口径が拡径する。今、他の制御バルブ25および26がやはりセンター位置にある場合、バイパスオリフィス50a〜cがすべて比較的大きくなり、その結果、流量を加算する接点の圧力を戻り導管30へ解放する。
【0024】
別法では、単一の比較的小さい固定オリフィスがバルブユニット11〜13それぞれの可変バイパスオリフィス50a〜cの場所で利用される。その単一固定バイパスオリフィスは、制御バルブ24、25または26の1つまたは複数が開口しても流量を加算する接点で圧力の増加に明らかに影響しないように選択され、かつ、すべての制御バルブが閉じたときでも、そのノードの圧力が未だ解放される。
【0025】
前述の説明は主に発明の好適な実施形態を指している。特許請求の範囲内の様々な別の態様に注目される場合があっても、本発明の実施形態の開示から明らかになった別の代替を当業者が実現するであろうことは理解される。したがって、特許請求の範囲は次の請求項から決定され、前述の開示によって限定されない。
図1
図2