特許第5938197号(P5938197)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938197
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】走行データ転送システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20160609BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20160609BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20160609BHJP
   B60R 16/023 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   G08G1/00 D
   G08G1/13
   G07C5/00 Z
   B60R16/023 P
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-263910(P2011-263910)
(22)【出願日】2011年12月1日
(65)【公開番号】特開2013-117778(P2013-117778A)
(43)【公開日】2013年6月13日
【審査請求日】2014年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(74)【代理人】
【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏明
【審査官】 島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−042018(JP,A)
【文献】 特開2007−102658(JP,A)
【文献】 特開2009−140343(JP,A)
【文献】 特開2009−080750(JP,A)
【文献】 特開2004−021331(JP,A)
【文献】 特開2011−076443(JP,A)
【文献】 特開2011−131844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
B60R 16/023
G07C 5/00
G08G 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載器と、前記車載器と通信可能な外部の機器とを備え、前記車両の走行データを前記外部の機器に転送する走行データ転送システムであって、
前記車載器は、
走行中、前記車両の走行データを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された車両の走行データを、前記車載器に対して挿抜自在な記録媒体に記録する記録部と、
前記車両の入庫後、無線LANで複数の前記車載器が接続可能な前記外部の機器と接続を行い、前記外部の機器に前記記録媒体に記録された走行データを無線LANで送信するデータ送信部と、
を備え、
前記外部の機器は、
複数の前記車載器を前記無線LANに接続可能である無線LANアクセスポイントと、
前記無線LANに接続された前記車載器から送信された走行データを受信するデータ受信部と、
前記受信した走行データを用いてデータ解析を行う解析部と、
前記車載器から受信した走行データを、前記外部の機器に設けられた記憶媒体に保存する記憶部と、
前記データ解析を行った後、前記車載器から受信した走行データの全てを前記記憶媒体に保存するか否かを判別する判別部と、
前記走行データを送信した前記車載器に対し、前記記録媒体の初期化指示を送信する指示送信部と、
を備え、
前記判別部によって前記走行データの全てを前記記憶媒体に保存すると判別された場合、前記記憶部は前記走行データの全てを前記記憶媒体に保存すると共に、前記指示送信部は前記車載器に対して前記記録媒体の初期化指示を送信し、
前記判別部によって前記走行データの全てを前記記憶媒体に保存しないと判別された場合、前記記憶部は前記走行データのうち所定のデータのみを前記記憶媒体に保存しその他のデータを消去すると共に、前記指示送信部は前記車載器に対して前記記録媒体の初期化指示を送信せず、
前記車載器が、更に、
前記初期化指示を受信する指示受信部と、
前記初期化指示を受信した場合、前記記録媒体の初期化を行う初期化部と、
を備えることを特徴とする走行データ転送システム。
【請求項2】
請求項1記載の走行データ転送システムであって、
前記データ送信部は、前記走行データとともに、前記記録媒体に記憶された運転手識別情報および前記車両の情報を送信することを特徴とする走行データ転送システム
【請求項3】
請求項1または2記載の走行データ転送システムであって、
前記車載器は、
前記車両の走行中、前記車両の異常を検知する検知部と、
前記検知部によって前記車両の異常が検知された場合、前記異常があったことを示す情報を前記無線LANとは異なる広域通信網を介して前記外部の機器に送信する通信部と、
を備えることを特徴とする走行データ転送システム
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の走行データ転送システムであって、
前記解析部は、前記走行データを用いて日報を作成することを特徴とする走行データ転送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載器および走行データ転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載器であるドライブレコーダは、加速度センサにより加速度(G値)を検知し、このG値が閾値を超えた時に、カメラで撮影した画像データ、加速度などの走行データをメモリカードに記録していた。
【0003】
運行終了後、運転手がドライブレコーダ本体からメモリカードを抜き取って事務所側のデータ処理装置(PC)のカードR/Wに挿し込んで読み込ませることで、メモリカードに記録された走行データは、PCに転送された。
【0004】
事務所側のPCは、この転送された走行データをもとに、ヒヤリハットや事故発生(以下、ヒヤリハット等という)の有無を解析していた。
【0005】
この種の先行技術として、事故発生時の画像データを、近距離無線通信によって外部の装置に転送するドライブレコーダが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−072845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の車載器には、つぎのような問題があった。前述したように、運転手は、走行データが記録されたメモリカードを車載器であるドライブレコーダから引き抜いて事務所に持参していた。そして、運転手は、事務所側のデータ処理装置(PC)に接続されたカードR/Wにメモリカードを挿し込み、このメモリカードに記録された走行データをPCに読み込ませることで、データ転送を行っていた。このように、従来では、データ転送を行う際、運転手に面倒な作業を行わせ、負担をかけていた。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録媒体を抜き取ることなく記録媒体に記録された走行データを簡単に転送することができる走行データ転送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するために、本発明に係る走行データ転送システムは、下記(1)〜()を特徴としている。
(1) 車両に搭載された車載器と、前記車載器と通信可能な外部の機器とを備え、前記車両の走行データを前記外部の機器に転送する走行データ転送システムであって、
前記車載器は、
走行中、前記車両の走行データを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された車両の走行データを、前記車載器に対して挿抜自在な記録媒体に記録する記録部と、
前記車両の入庫後、無線LANで複数の前記車載器が接続可能な前記外部の機器と接続を行い、前記外部の機器に前記記録媒体に記録された走行データを無線LANで送信するデータ送信部と、
を備え、
前記外部の機器は、
複数の前記車載器を前記無線LANに接続可能である無線LANアクセスポイントと、
前記無線LANに接続された前記車載器から送信された走行データを受信するデータ受信部と、
前記受信した走行データを用いてデータ解析を行う解析部と、
前記車載器から受信した走行データを、前記外部の機器に設けられた記憶媒体に保存する記憶部と、
前記データ解析を行った後、前記車載器から受信した走行データの全てを前記記憶媒体に保存するか否かを判別する判別部と、
前記走行データを送信した前記車載器に対し、前記記録媒体の初期化指示を送信する指示送信部と、
を備え、
前記判別部によって前記走行データの全てを前記記憶媒体に保存すると判別された場合、前記記憶部は前記走行データの全てを前記記憶媒体に保存すると共に、前記指示送信部は前記車載器に対して前記記録媒体の初期化指示を送信し、
前記判別部によって前記走行データの全てを前記記憶媒体に保存しないと判別された場合、前記記憶部は前記走行データのうち所定のデータのみを前記記憶媒体に保存しその他のデータを消去すると共に、前記指示送信部は前記車載器に対して前記記録媒体の初期化指示を送信せず、
前記車載器が、更に、
前記初期化指示を受信する指示受信部と、
前記初期化指示を受信した場合、前記記録媒体の初期化を行う初期化部と、
を備えること。
(2) 上記(1)の構成の走行データ転送システムであって、
前記データ送信部は、前記走行データとともに、前記記録媒体に記憶された運転手識別情報および前記車両の情報を送信すること。
(3) 上記(1)または(2)の構成の走行データ転送システムであって、
前記車載器は、
前記車両の走行中、前記車両の異常を検知する検知部と、
前記検知部によって前記車両の異常が検知された場合、前記異常があったことを示す情報を前記無線LANとは異なる広域通信網を介して前記外部の機器に送信する通信部と、
を備えること。
(4) 上記(1)から(3)のいずれか一つの構成の走行データ転送システムであって、
前記解析部は、前記走行データを用いて日報を作成すること。
【0011】
上記(1)〜()の構成の走行データ転送システムによれば、車両の入庫後、複数の車載器が接続可能な無線LANで外部の機器と接続を行い、外部の機器に記録媒体に記録された走行データを送信するので、記録媒体に記録された走行データのデータ転送を簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車両の入庫後、複数の車載器が接続可能な無線LANで外部の機器と接続を行い、外部の機器に記録媒体に記録された走行データを送信するので、記録媒体に記録された走行データのデータ転送を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施の形態における車載器10を含む走行データ転送システム1の構成を示す図である。
図2図2は、走行データ転送システム1の概要(図2(A))および車載器10の外観(図2(B))を示す図である。
図3図3は、メモリカード34の記録内容を示す図である。
図4図4は、車載器10の動作手順を示すフローチャートである。
図5図5は、PC50の動作手順を示すフローチャートである。
図6図6は、データ解析の結果、作成される日報85を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態における車載器および走行データ転送システムについて図面を用いて説明する。本実施形態の車載器はドライブレコーダ装置に適用される。
【0015】
図1は実施の形態における車載器10を含む走行データ転送システム1の構成を示す図である。
【0016】
走行データ転送システム1は、車両5(図2参照)に搭載された車載器10、事務所70に設置され、車載器10と無線通信を行う無線LANアクセスポイント72、および事務所70に設置されたデータ処理装置75から構成される。
【0017】
車載器10は、車載器本体10aの内部に、CPU11、不揮発性メモリ12、揮発性メモリ13、カードインタフェース(I/F)14、音声I/F15、リアルタイムクロック(RTC)16およびSW入力部17を有する。
【0018】
また、車載器10は、CANインタフェース(I/F)18、通信端末I/F19、無線LANユニット32、電源20、Gセンサ21、カメラI/F22、速度/エンジン回転I/F23および速度/エンジン回転警報部24を有する。
【0019】
また、車載器10は、外部入力I/F25、信号入力I/F26、外部出力I/F27、ETCI/F28およびGPSI/F29を有する。
【0020】
CPU11は、車載器10全体を制御するものである。不揮発性メモリ12には、CPU11によって実行される動作プログラムや後述する走行データが格納される。揮発性メモリ13は、ワーキングメモリとして使用される。
【0021】
カードI/F14には、運転手が所持するメモリカード34が挿抜自在である。音声I/F15には、スピーカ53が接続される。RTC16は、時計ICからなり、現在時刻を計時する。
【0022】
SW入力部17には、運行開始/終了などの各種スイッチのON/OFF信号が入力される。CAN(Controller Area Network)I/F18には、各種のデバイスが接続される。
【0023】
通信端末I/F19には、広域通信端末31が接続される。広域通信端末31は、アンテナ31aを介して広域通信を行い、車載器10をパケット通信網(図示せず)に接続する。一方、無線LANユニット32は、アンテナ32aを介して事務所70に設置された無線LANアクセスポイント(AP)72と無線LAN(Local Area Network)による接続を行い、車載器10およびPC50間のデータを送受信する。
【0024】
Gセンサ21は、重力加速度を検知する。カメラI/F22には、車両5に搭載され、車両5の周囲(例えば、車両前方)を撮影するカメラ55が接続される。速度/エンジン回転I/F23には、車速センサ56やエンジン回転数(NE)センサ57が接続される。
【0025】
速度/エンジン回転警報部24は、ランプやブザー等の警報器である。外部入力I/F25には、車両5の走行距離を計測する距離計64など、各種の外部信号が入力される。信号入力I/F26には、イグニッション(IG)SW60のON/OFF信号、ブレーキSW61のON/OFF信号、ウインカSW62のON/OFF信号、ギア位置を検知するギア位置センサ63の信号などが入力される。外部出力I/F27には、各種の信号が出力される。ETCI/F28には、ETC車載器59が接続される。GPSI/F29には、GPS受信器58が接続される。
【0026】
一方、事務所70側には、無線LANアクセスポイント72およびデータ処理装置75が設置されている。なお、データ処理装置75および無線LANアクセスポイント72は、車載器10と通信可能な外部の機器に相当する。無線LANアクセスポイント72は、アンテナ72aを介して複数の車両5(5a、5b、5c)にそれぞれ搭載された車載器10と無線LANによる接続を行い、各車載器10とデータ通信を行う。
【0027】
データ処理装置75は、無線LANアクセスポイント72に接続され、走行データを元にデータ解析を行うものであり、コンピュータ装置(PC)50、表示器73、カードI/F76、ストレージメモリ77などを有する。カードI/F76には、メモリカード34が挿抜自在である。ストレージメモリ77(記憶媒体)は、ハードディスクドライブ(HDD)からなり、各種のデータを登録する。
【0028】
図2は走行データ転送システム1の概要および車載器10の外観を示す図である。図2(A)に示すように、車両5の走行中、ヒヤリハットや事故(以下、ヒヤリハット等という)が発生した場合、車載器10は、ヒヤリハット等が発生した時に撮影された画像や運転データを時刻とともにメモリカード34に記録する。
【0029】
また、車両5が入庫した際、車載器10は、無線LANユニット32および無線LANアクセスポイント72を介して、事務所70側のPC50と無線LAN接続を行い、メモリカード34に記録された走行データ等をPC50に送信する。ここで、無線LANアクセスポイント72は、複数の車両5と無線LANで接続可能であり、各車両5に搭載された車載器10と無線通信を行う。複数の車両5a、5b、5cを特に区別する必要がない場合、車両5と称する。
【0030】
また、PC50は、車載器10から走行データ等を受信し終わると、車載器10に対し、メモリカード34の初期化(フォーマット)指示を行う。さらに、PC50は、受信した走行データ等を使用して日報(図6参照)を作成し、ストレージメモリ77に登録する。
【0031】
一方、車載器10は、PC50から初期化指示を受信すると、メモリカードの初期化(フォーマット)を行う。
【0032】
車載器本体10aの前面には、図2(B)に示すように、メモリカード34が挿抜自在に装着されるカードI/F14、運行開始/終了などの各種スイッチを有するSW入力部17、および音声を発するスピーカ53が配置されている。また、カメラ55は、前述したように、車載器本体10aとは別に設置されており、車載器本体10aと有線で接続されている。
【0033】
図3はメモリカード34の記録内容を示す図である。メモリカード34には、運転手識別情報(運転手ID)、車両情報(車体番号等)の他、画像データ、運転データなどの走行データが時刻とともに記録されている。例えば、時刻8:30にヒヤリハットが発生したこと、さらに、その時に撮影された画像(ヒヤリハット画像)および運転データが記録されている。運転データとして、車速、加速度、エンジン回転数(NE)、ブレーキSWのON/OFF、ウインカSWのON/OFF、GPS位置情報、走行距離などが挙げられる。
【0034】
これにより、メモリカード34(記録媒体)に記録されているデータを事務所側のPC50に転送するだけで、PC側ではデータ解析が可能となる。なお、本実施形態では、メモリカードとして、SDカード(登録商標)やCFカードが用いられる。
【0035】
上記構成を有する走行データ転送システムの動作を示す。図4は車載器10の動作手順を示すフローチャートである。この動作プログラムは、CPU11内のROMに格納されており、CPU11によって実行される。
【0036】
CPU11は、まず、イグニッションSW60がONになるまで待つ(ステップS1)。イグニッションSW60がONになると、CPU11は初期化処理を行う(ステップS2)。
【0037】
CPU11は、車両情報を取り込む(ステップS3)。車両情報には、車体番号等が含まれる。
【0038】
CPU11は、カメラ55により撮影される画像データを読み込む(ステップS4)。さらに、CPU11は、Gセンサ21により加速度情報を読み込む(ステップS5)。そして、CPU11は、加速度情報から得られる前後方向あるいは左右方向の加速度(G値)があらかじめ設定された閾値(記録トリガレベル)を超えるか否かを判別する(ステップS6)。本実施形態では、この閾値はヒヤリハット等が発生したことを検知できるような値に設定されている。ステップS6の処理は走行中に車両の異常を検知する異常検知部に相当する。
【0039】
閾値を超えない場合、CPU11は、ステップS4の処理に戻る。一方、閾値を超える場合、ヒヤリハット等が発生したと判断し、CPU11は、揮発性メモリ13に一定時間前から記録された画像データおよび現在撮影されている画像データをメモリカード34に記録することを開始する(ステップS7)。さらに、ステップS7では、CPU11は、前述した運転データ(車速、エンジン回転数、位置、走行距離、ブレーキのON/OFF、ウインカのON/OFF)を取得し、メモリカード34に記録することを開始する。このステップS7の処理は取得部に相当する。また、ステップS7では、閾値を超えたことを示すトリガマークが揮発性メモリ13に記憶される。
【0040】
その後、CPU11は、メモリカード34への記録を完了する(ステップS8)。ステップS7、S8の処理は記録部に相当する。CPU11は、SW入力部17を介して入力される各種の信号から運行終了であるか否かを判別する(ステップS9)。
【0041】
運行終了でない場合、CPU11は、ステップS4の処理に戻る。一方、ステップS9で運行終了である場合、CPU11は、車両5が帰社し、駐車場に入庫するまで待つ(ステップS10)。この入庫の確認は、例えば、信号入力I/F26を介して入力されるギア位置センサ63によって検知されたギアの位置がパーキングになったか否かによって行われる。
【0042】
CPU11は、入庫後、無線LANユニット32と事務所70内の無線LANアクセスポイント72とが無線LAN接続可能な通信範囲に、車両5が入ったか否かを判別する(ステップS11)。通信範囲に入っていない場合、CPU11は、ステップS10の処理に戻る。
【0043】
一方、車両5が通信範囲内にある場合、CPU11は、無線LANユニット32による通信を開始させる(ステップS12)。CPU11は、無線LANユニット32と無線LANアクセスポイント72との接続(コネクション)が確立するまで待つ(ステップS13)。
【0044】
無線LANユニット32と無線LANアクセスポイント72との接続が確立すると、CPU11は、事務所側のPC50からの要求に応じて、メモリカード34に記録された走行データ、運転手IDおよび車両情報をPC50に送信する(ステップS14)。
【0045】
また、ステップS14におけるデータ送信では、本ルーチンとは別のルーチンにおいて、定期的にメモリカード34に記録される時刻、走行距離、車速などを含む運行データも併せて、PC50に送信される。なお、ステップS14の処理は送信部(データ送信部)に相当する。
【0046】
この後、CPU11は、PC50から初期化処理の指示があるまで待つ(ステップS15)。初期化処理の指示があると、CPU11は、初期化(フォーマット)を行い(ステップS16)、本動作を終了する。ステップS15の処理は受信部(指示受信部)に相当する。また、ステップS16の処理は初期化部に相当する。
【0047】
なお、ステップS16では、CPU11は、初期化処理の指示を受けても、すぐさま実行せず、所定の条件が満たされた場合に限って初期化処理を行ってもよい。例えば、初期化処理の指示が所定回数に達した場合、あるいは所定のタイミングに行われた場合に限り、初期化処理が行われるようにしてもよい。これにより、メモリカードのフォーマットを意識することなく自動的にフォーマットが行われるので、メモリカードに不良セクタが発生することや記憶領域が断片化することを抑えることができる。
【0048】
図5はPC50の動作手順を示すフローチャートである。この動作プログラムは、PC50内の記録媒体に格納されており、PC50内のCPUにより実行される。PC50は、いずれかの車両5(5a、5b、5c)に搭載された車載器10内の無線LANユニット32と無線LANアクセスポイント72との接続(コネクション)が確立するまで待つ(ステップS31)。
【0049】
PC50は、コネクションが確立した車載器10に対し、メモリカード34に記録された走行データの読み込みを要求し、車載器10から送信された走行データ、運転手IDおよび車両情報を受信する(ステップS32)。ステップS32の処理はデータ受信部に相当する。
【0050】
PC50は、受信した走行データ、運転手IDおよび車両情報を用いて、走行データの解析を行う(ステップS33)。ステップS33の処理は解析部に相当する。さらに、PC50は、この解析結果をもとに、日報を作成する(ステップS34)。図6はデータ解析の結果、作成される日報85を示す図である。日報85には、車番(車体番号)、運転手ID、運転手名が記される。また、出庫時刻、入庫時刻、休憩時間が記される。また、入庫時の走行距離、出庫時の走行距離、本日の走行距離が記される。また、ヒヤリハット等の回数、急加速の回数、急減速の回数、最高速度などのデータが記される。
【0051】
このように、PC50がメモリカード34に記録されたデータを元に自動的に日報を作成するので、運転手による日報作成のためのデータ入力を省くことができ、運転手の負荷が軽減する。
【0052】
この後、PC50は、全てのデータをストレージメモリ77に保存する設定になっているか否かを確認する(ステップS35)。ステップS35の処理は判別部に相当する。全てのデータを保存する設定になっている場合、PC50は、受信した走行データ等を全てストレージメモリ77に保存する(ステップS36)。一方、全てのデータを保存する設定になっていない場合、PC50は、法3要素データ(時間、距離及び速度)のみをストレージメモリ77に保存し、その他のデータを消去する(ステップS37)。すなわち、車載器によって定期的に記録される時刻、走行距離および車速を除き、位置、エンジン回転数、加速度、ブレーキのON/OFF、ウインカのON/OFF等のデータは消去される。これにより、不必要なデータをストレージメモリにバックアップしておくことが無くなり、記憶容量の増大を抑えることができる。
【0053】
ステップS36、S37の処理後、PC50は、車載器10に対し、メモリカード34の初期化指示を送信する(ステップS38)。ステップS38の処理は指示送信部に相当する。この後、PC50は本動作を終了する。
【0054】
このように、本実施形態の車載器によれば、車載器に記録された走行データ等のデータ転送を簡単に行うことができる。これにより、運転手がメモリカードを持参して事務所側のPCに挿し込む必要が無くなり、いわゆるカードレス解析が実現可能となる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、本実施形態の構成が持つ機能を達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0056】
例えば、上記実施形態では、車載器として、ドライブレコーダ装置に適用された場合を示したが、これに限らず、通信機能を有し、走行データを記録可能な機器、例えばデジタルタコグラフであってもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、ヒヤリハット等が発生した場合、ステップS7で閾値を超えたことを示すトリガマークが揮発性メモリ13に記憶するだけであった。この場合、車載器10は、スピーカ53で警報を発し、かつ、広域通信端末31を介して広域通信網に接続し、事務所70側のPC50にトリガマークや車両情報を含むデータを通知するようにしてもよい(通信部)。これにより、複数の車載器10が無線LANに接続された場合、PC50は、トリガマークが付加された車載器のデータ転送を優先させて、データ解析を行うことが可能である。
【0058】
本発明は、車載器に記録された走行データのデータ転送を簡単に行うことができ、有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 走行データ転送システム
5 車両
10 車載器
10a 車載器本体
11 CPU
12 不揮発性メモリ
13 揮発性メモリ
14、76 カードI/F
15 音声I/F
16 RTC
17 SW入力部
18 CAN I/F
19 通信端末I/F
20 電源
21 Gセンサ
22 カメラI/F
23 速度/エンジン回転I/F
24 速度/エンジン回転警報部
25 外部入力I/F
26 信号入力I/F
27 外部出力I/F
28 ETCI/F
29 GPSI/F
31 広域通信端末
32 無線LANユニット
34 メモリカード
50 コンピュータ装置(PC)
53 スピーカ
55 カメラ
56 速度センサ
57 エンジン回転数(NE)センサ
58 GPS受信器
59 ETC車載器
60 イグニッション(IG)SW
61 ブレーキSW
62 ウインカSW
63 ギア位置センサ
64 距離計
70 事務所
72 無線LANアクセスポイント
73 表示器
75 データ処理装置
77 ストレージメモリ
85 日報
図1
図2
図3
図4
図5
図6