(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938231
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】浴槽のリフト機構
(51)【国際特許分類】
A61H 33/00 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
A61H33/00 310N
A61H33/00 310G
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-37364(P2012-37364)
(22)【出願日】2012年2月23日
(65)【公開番号】特開2013-169444(P2013-169444A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2014年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000182373
【氏名又は名称】酒井医療株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 真也
(72)【発明者】
【氏名】大倉 陽一
【審査官】
山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−296715(JP,A)
【文献】
特開平10−277120(JP,A)
【文献】
特開2005−211695(JP,A)
【文献】
特開2009−183452(JP,A)
【文献】
特開2009−254745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽本体と、
該浴槽本体の内壁面に沿って上下方向に設けられていて着座部を支持する支柱と、該支柱に沿って前記着座部を昇降させる昇降駆動部とを有するリフト機構と、を備えた浴槽であって、
前記支柱の上部にはフレームが前記浴槽本体に設けられており、
前記フレームと支柱の上部との接続部には該支柱と着座部を前記浴槽本体の内壁面から離間する方向に回動可能な回転軸が設けられていることを特徴とする浴槽のリフト機構。
【請求項2】
前記浴槽本体は略箱形形状をなしていて、前記内壁面を有する側壁とは別の一の側壁の上部から下方に向けて切り欠いて設けられた開口部を開閉させる扉部を前記一の側壁に上下動可能に備えた開閉式浴槽である請求項1に記載された浴槽のリフト機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽本体内で入浴者が着座した着座部を昇降させるリフト機構を備えた浴槽のリフト機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば介護施設等の浴槽や家庭用浴槽では、入浴時に浴槽本体の側壁高さが高いと身障者や老人等が側壁をまたぐのが容易ではなく、浴槽内に入ることが困難で手間がかかるおそれがある。そのため、床面をある程度下方に堀込んでおき、その堀込んだ部分に浴槽本体を落とし込んで設置することで、床面に対する浴槽本体の側壁高さを低くしている。これにより、身障者や老人等であっても浴槽本体の側壁を容易に跨いで入浴できるようにしている。
しかし、堀込んだ床面に浴槽本体を落とし込む従来の浴槽にあっては、浴槽本体を落とし込むための床面の堀り込みに手間や工事費がかかるという問題がある。
【0003】
また、このような欠点を改善した浴槽として、特許文献1に示す開閉式浴槽が提案されている。この浴槽は、浴槽本体の側壁に開口部を形成し、この開口部に対して上下方向にスライド可能に扉部を設けた。身障者や老人等の入浴者の入浴時には扉を降下させて開口部を開口させて、入浴者を載せた入浴用椅子を浴槽本体に隣接して配置した移送台から浴槽本体内のレール台上に横向きにして移し替え、その後、扉部を閉めて浴槽本体の開口部を閉鎖するように構成されている。
入浴時に入浴者を浴槽本体内に移し替えるとき、開口部より上方の浴槽内の湯量をタンクに一時的に移し替え、開口部を扉部で閉鎖した後にタンクの湯を浴槽内に戻すようにしている。そのため、入浴者の入浴と退出に伴う湯の出し入れ調整が、浴槽内に蓄えられた湯の約半分程度で済むので、入出浴に伴う湯の移し替えを大幅に短縮することができる。
【0004】
ところで、近年、総人口に対する高齢者の割合が年々増加しており、病院や介護施設等での多数の高齢者の介護が困難になってきている。そのため、自宅において老人等の入浴を含む介護の必要性が年々高まってきている。
しかしながら、特許文献1に記載された開閉式浴槽では、入浴者を入浴用椅子や担架に載せたまま移送台によって浴槽本体の開口部を通して浴槽内のレール台に移送する構成であるため、入浴用椅子や担架のスペースを含む占有スペースが大きく、浴室と浴槽本体にそれぞれ大きなスペースが必要になるため、比較的狭い家庭用の浴室や、小さな浴室または浴槽等での入浴には不向きであった。
【0005】
これに対し、特許文献2に記載された浴槽では、浴槽本体の開口部に対向する側壁に入浴者が座る着座部を昇降可能に保持するリフト機構を設け、リフト機構に設けた着座部を回転可能にすると共に開口部方向にスライド可能に構成している。しかも、リフト機構を側壁に沿って移動可能としている。
これによって、家庭用浴室等の狭いスペースでも、浴室のレイアウトに応じて着座部を備えたリフト機構を移動させて入浴しやすい位置に位置決めできる。しかも、浴槽の着座部に入浴者を着座させた状態で着座部を回転させたり移動させたりすることで身障者や老人等が開口部を通して浴槽に入ったり出たりすることができるため、容易に入浴が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平6−7848号公報
【特許文献2】特開2006−296715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献2に記載された開閉式浴槽は、浴槽本体内にリフト機構の支柱とこの支柱にガイドされて昇降する着座部を設置しているため、繰り返して入浴に用いていると支柱や着座部、そして、これらが当接する浴槽本体の内壁面に湯垢が溜まったり、髪の毛やごみ等が溜まる等、汚れが付着することになる。そのため、浴槽内を清潔に保つために浴槽を定期的に掃除しなければならない。
このような場合、リフト機構の表面はそのまま掃除できるが、リフト機構の支柱や着座部の裏面や、これらに当接する浴槽本体の内壁面はリフト機構を取り外さないと掃除することができないため、掃除が面倒で不便であった。特に介護施設等、多くの入浴者が入浴する浴槽では頻繁に掃除のためにリフト機構を取り外さなければならないので、煩雑で手間がかかるという欠点があった。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、リフト機構を取り外さなくても支柱や浴槽本体を掃除できるようにした浴槽のリフト機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による浴槽のリフト機構は、
浴槽本体と、該浴槽本体の内壁面に沿って
上下方向に設けられていて着座部を支持する支柱と、該支柱に沿って前記着座部を昇降させる昇降駆動部とを有するリフト機構
と、を備えた浴槽であって、
前記支柱の上部にはフレームが前記浴槽本体に設けられており、前記フレームと支柱の上部との接続部には該支柱と着座部を前記浴槽本体の内壁面から離間する方向に回動可能な回転軸が設けられていることを特徴とする。
本発明による浴槽のリフト機構によれば、浴槽内の掃除を行う際、支柱と着座部は浴槽本体の内壁面に接触しているか近接する位置に設けられているが、支柱と着座部を内壁面から離間する方向に変位させれば、内壁面に付着した湯垢やごみ等の汚れを掃除でき、また、内壁面から離間した支柱と着座面の裏面側の汚れも容易に掃除できる。
【0010】
しかも、浴槽本体内を掃除する際、支柱と着座部を支柱の上部
とフレームの接続部に設けた回転軸を中心に内壁面から離間する方向に回動させることで、支柱及び着座部の裏面やこれらが当接する内壁面等を容易に掃除できる。
【0011】
また、浴槽の浴槽本体は
略箱形形状をなしていて、内壁面を有する側壁とは別の一の側壁の上部
から下方に向けて切り欠いて設けられた開口部を開閉させる扉部を
前記一の側壁に上下動可能に備えた開閉式浴槽であることが好ましい。
開閉式浴槽では、開口部が開口された状態で、身障者や老人等が開口部を通して浴槽本体内に移動して着座部に着座でき、その後に扉部を上昇させて開口部を閉鎖させて湯を供給することで入浴できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る浴槽のリフト機構によれば、浴槽内の掃除を行う際、支柱と着座部を浴槽本体の内壁面から離間する方向に変位させれば両者の間に空間ができるため、内壁面に付着した湯垢やごみ等の汚れを容易に掃除できると共に、内壁面から離間した支柱と着座面の裏面側の汚れも容易に掃除できる。しかも、リフト機構を取り外したり移動させたりすることなく支柱等が設けられた浴槽の内壁面や支柱等の裏面を掃除できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態による開閉式浴槽を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す開閉式浴槽のリフト機構を示す一部を破断した正面図である。
【
図4】開閉式浴槽の側面に設置したリフト機構を示すものであり(a)は側面図、(b)は背面図である。
【
図5】開閉式浴槽における開口部を扉部で閉鎖した状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示す本実施形態による開閉式浴槽10は、浴槽本体11と、浴槽本体11の手前側の第一側壁11aに設けられた開口部12と、第一側壁11aの高さ方向に沿って移動可能で開口部12を開閉する扉部13とを備えている。
浴槽本体11は上方が開放された略直方体の箱形形状をなしており、4つの側壁11a〜11d及び底壁によって形成されている。図では、側壁11a〜11dは長辺板状をなす対向する第一側壁11a及び第二側壁11bと、短辺板状をなす対向する第三側壁11c及び第四側壁11dとで形成されている。開口部12は、手前側の第一側壁11aを上部から下方に向けて例えば略上半分程度矩形状に切除することで形成されている。
【0015】
扉部13は開口部12を開閉するためのものであって、浴槽本体11の第一側壁11aに沿って昇降可能に取り付けられている。第一側壁11aには扉部13の昇降移動をガイドするガイド溝14が設けられ、扉部13の内面にはエア等の気体を供給することで第一側壁11aの開口部12周りとの間を液密にシールして湯漏れを防ぐシール部材15が設けられている(
図5参照)。
シール部材15は扉部13の内面に例えば略コの字状またはU字状に形成されている。シール部材15は中空で伸縮可能な合成樹脂またはゴム部材等からなり、扉部13が開口部12を閉鎖した状態でエア等の気体が供給されると膨張して浴槽本体11内の湯が開口部12から漏れ出ないシール作用を果たしている。
【0016】
また、
図1において、浴槽本体11における短辺板状の側面である第三側壁11cにはリフト機構16が取り付けられ、第三側壁11cの背面側には収納ボックス17が配設されている。リフト機構16は、上記特許文献2に構成が詳述されており、
図2〜
図4に示すように、第三側壁11cの上下方向に沿って浴槽本体11内に支柱18が設けられ、支柱18には支柱18を昇降ガイドとして昇降可能な着座部19が取り付けられている。
また、支柱18の裏面には第三側壁11cの内壁面に当接する当接部18aが設けられ、支柱18全体が第三側壁11cに当接して擦過したりすることを防止している。
【0017】
着座部19は、
図3に示すように、支柱18に沿って昇降するリフト部20と入浴者が着座する座面部21とが側面視略L字形状に設けられている。リフト部20の前面側には入浴者の背もたれをなす背当て部22が取り付けられている。
なお、座面部21にはヒンジを介して折り曲げ可能なフラップ23が設けられていてもよく、
図1に示すように扉部13を降下させて開口部12を開放した状態で、第一側壁11aの開口部12と扉部13の上面がほぼ同一高さとなり、その上に座面部21と同一平面上にフラップ23が載置される。これにより、入浴者が浴槽本体10に出入りする際に、いったんフラップ23に着座することで容易に座面部21に移動したり、浴槽本体11内の座面部21から外部に出たりすることができる。
【0018】
図3及び
図4に示すリフト機構16において、支柱18の上部には水平板25aと下向きの垂直板25bとからなる略L字状のフレーム25が設けられ、このフレーム25の垂直板25bにリフト機構16を駆動するための昇降駆動部26が設置されている。昇降駆動部26は、バッテリー27とギアボックス28及びモータ29とがフレーム25に並列に取り付けられている。
【0019】
支柱18の上端に連結されたフレーム25の水平板25aが第三側壁11cの上面に載置され、隣接する収納ボックス17内にその上端開口から垂直板25bと昇降駆動部26が進入して収容されている。また、
図3に示すように、第三側壁11cの上面とフレーム25の水平板25aと収納ボックス17の上端開口とは、カバー部材30で覆われている。このカバー部材30は浴槽本体11内に入浴者が入浴して座面部21に着座した際、入浴者の頭部を載せる枕としての機能も有する。
【0020】
また、
図4に示すリフト機構16において、ギアボックス28から突出するローラ32にはワイヤー35が取り付けられ、ワイヤー35は他のローラ33、34を介して支柱18内を延びてリフト部20に連結されている。そして、モータ29の一方向の回転によってローラ32でワイヤー35を巻き込むことで、着座部19が支柱18にガイドされて上昇し、モータ29を逆回転させることでローラ32に巻回されたワイヤー35が繰り出されて、着座部19が自重で降下することになる。
また、支柱18の上端とフレーム25との接続部には回転軸36が設けられており、支柱18と着座部19は回転軸36を中心に第三側壁11cの内壁面から離間する方向に回動可能とされている。
【0021】
図5及び
図6に示す浴槽本体11の側面に設けられた収納ボックス17内において、上部には昇降駆動部26のバッテリー27とギアボックス28とモータ29とが収納されており、下部にはリフト機構17におけるモータ29及び/またはバッテリー27に電気的に接続されたリレーボックス37を収納する摺動部38が設置されている。リレーボックス37も昇降駆動部26の一部を構成する。
図6に示すように、収納ボックス17内の下部にはレール部39が取り付けられている。レール部39の下部には脚部が設置されている。
【0022】
摺動部38は、基板43上に昇降駆動部26のリレーボックス37が設置されていると共に、扉部13の内面に設けられたシール部材15にエア等の気体を供給する圧力供給手段として、例えばエアポンプ44が設けられている。エアポンプ44はチューブ46を介して扉部13の内面に設けられたシール部材15にエアを供給して、上昇した扉部13と第一側壁11aの開口部12周りとを液密にシール可能とされている。
そして、摺動部38はレール部39に沿って摺動させることで、収納ボックス17から引き出し及び収納可能とされ、引き出した時にレール部39から分離して取り出してメンテナンスすることができる。また、収納ボックス17の前面には摺動部38を収納した状態で覆うカバー48が取り付けられている。
【0023】
本実施形態による開閉式浴槽10は上述の構成を備えており、次にその作用を説明する。
入浴者を入浴させる場合には、
図1において、開閉式浴槽10の浴槽本体11内に開口部12まで湯を満たし、扉部13を降下させて開口部12を開口させる。そして、入浴者を着座部19の座面部21に接続されたフラップ23を同一平面をなす開口部12及び扉部13の上に載置させ、この上に入浴者が着座する。
そして、入浴者はフラップ23に着座した状態で開口部12をまたいで、浴槽本体11内の着座部19における座面部21上に移動し、その後、介助者等が手動で扉部13を上昇させてフラップ23を扉部13の内側に折り曲げる。この状態で、エアポンプ44からチューブ46を介してエアをシール部材15に供給して膨張させ、扉部13と第一側壁11aとを液密にシールさせる。
その後、リフト機構16のモータ29を駆動させて着座部19を底面に向けて降下させ、残りの湯を満たすことで入浴者が入浴状態になる。
【0024】
入浴終了後に、出浴する場合には、上記の手順とは逆に処理すればよい。即ち、湯を別のタンクに戻して湯面を開口部12の下部まで低下させ、リフト機構16の着座部19を上昇させて、入浴者が着座する座面部21を開口部12の下部と同一レベルに保持させる。或いは、湯を浴槽本体11の底面の排水口から排水してもよい。
そして、シール部材15のエアを抜き、手動で扉部13を降下させ、座面部21のフラップ23を開口部12及び扉部13の上面に載せる。その後、入浴者は座面部21からフラップ23に移動して開口部12をまたいで退出する。
【0025】
次に、開閉式浴槽10の清掃に際して、作業者は浴槽本体11の各内壁面を掃除する。そして、
図3に示すように、リフト機構16の支柱18及び着座部19の裏面を掃除するために支柱18を着座部19と共に回転軸36を中心に第三側壁11cの内壁面から離間する方向に回動させる。すると、支柱18と第三側壁11cの内壁面との間に広い空間Kが形成されるため、作業者はこの内壁面に付着した湯垢等の汚れを掃除できる。また、支柱18及び着座部19の裏面に付着した湯垢やごみ等の汚れも手をのばして容易に掃除することができる。
そして、清掃終了後は、支柱18及び着座部19を第三側壁11cの内壁面に回動させ、当接部18aを内壁面に当接させることで入浴可能状態に戻る。
【0026】
上述のように、本実施形態による開閉式浴槽10のリフト機構16によれば、浴槽本体11の内壁面を清掃する際、リフト機構16の支柱18と着座部19の裏面やこれらが当接する内壁面も簡単且つ容易に清掃できる。その際、リフト機構16を浴槽本体11から取り外したり、第三側壁11cに沿って移動させたりする必要がなく、清掃に手間がかからない。
【0027】
なお、本発明による開閉式浴槽10は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り適宜の変更や置換を行うことができる。
例えば、上述の実施形態では、扉部13で開口部12を開閉する開閉式浴槽10について説明したが、このような構成に限定されることなく、開口部12や扉部13のない通常の浴槽にも本発明を適用できる。
また、上述の実施形態では、リフト機構16と収納ボックス17を第三側壁11cに設置したが、他の側壁11a、11b、11dに設置してもよいことはいうまでもない。
【0028】
また、上述の実施形態では、リフト機構16において、着座部19を昇降作動させる昇降駆動部26を浴槽本体11の側壁の裏面に設けた収納ボックス17内に設けて、リフト機構16の高さを浴槽本体11と同程度に設定したが、本発明はこの構成に限定されることはなく、支柱18の上方に昇降駆動部26を設置してもよい。この場合、リフト機構16の高さが浴槽本体11より高くなるため、入浴者が圧迫感を感じる恐れがあるが、収納ボックス17を設けないので浴槽本体11がコンパクトになり、家庭用等の狭い浴室にも設置できる。
また、上述の実施形態では、扉部13にシール部材15が配設された例を示したが、シール部材15は第一側壁11aの開口部12周りの面に配設してもよい。また、シール部材15はエアの供給により膨らんでシール作用を果たすようにした例を示したが、パッキン等の他のシール材を用いることもできる。
【符号の説明】
【0029】
10 開閉式浴槽
11 浴槽本体
11c 第三側壁
12 開口部
13 扉部
15 シール部材
16 リフト機構
17 収納ボックス
18 支柱
19 着座部
21 座面部
26 昇降駆動部
36 回転軸