【実施例】
【0026】
以下、本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、パークゴルフ用のクラブシャフト1の先端10にはクラブヘッド2が固定されている。
【0027】
前記クラブヘッド2は、クラブシャフト1の先端10に固定される木製のヘッド本体20、該ヘッド本体20の底部に固定される金属製のソール30および前記ヘッド本体20の前面20fに固定されるフェース40を備えている。プレイヤーは、
図1のクラブを振って、クラブヘッド2を後方Rから前方Fに振り抜き、フェース40の前面40fでボールを打撃する。
【0028】
ソール30は、たとえば10mm〜50mmの高さHを有しており、前記ヘッド本体20の下部の一部を覆っている。前記ソール30は前記ヘッド本体20の少なくとも一部を下方Z,側方S(
図2)および後方Rから覆う。
なお、前記ソール30は、たとえばアルミ合金やステンレススチール、真鍮、チタン合金などの金属の鋳造品で形成される。
【0029】
前記ソール30は互いに一体で前後に連なる前底部31および後底部32を備える。前記前底部31は前記フェース40から後方Rに向かって延び前記本体20を下方から覆う。前記後底部32は前記前底部31の後端31eから前記前底部31よりも大きな傾きで斜め上方の後方Roに向かって延び前記本体20を前記下方Zから覆う。
【0030】
本実施例の場合、前底部31はボールが載置されるグラウンドや芝などの地表面Gに平行に、つまり、後方Rの真後に向かって水平に延びていると共に、
図2および
図3に明示するように、側方Sに向かって上方に湾曲している。
【0031】
一方、
図1のように、前記後底部32は前記前底部31の後端31eから斜め上方の後方Roに延びていると共に、
図4Bのように、側方Sに向かって上方に若干湾曲している。
【0032】
図1において、前記ソール30は一対の前側部33および後周縁部34を一体に備える。前記本体20の下部は前記ソール30内に入り込んでおり、前方Fがフェース40で覆われ、前部21および後部22の側方S(
図2)が前側部33および後周縁部34で覆われている。
【0033】
図3のように、前記一対の前側部33は前記前底部31の側方Sにおいて上方に立ち上がり、前記前底部31で覆われた本体20の前部21(
図1)を側方Sから覆う。
【0034】
一方、前記後周縁部34は前記後底部32および前記前側部33に連なり、前記後底部32で覆われた本体20の後部22(
図1)の側方Sおよび後方Rの周囲を覆う。
なお、
図2に示すように、前側部33および後周縁部34の前半部には浅い凹み(非貫通孔)Dが形成されていてもよい。
【0035】
図3に明示するように、前記ソール30の後底部32および後周縁部34の近傍には第1および第2貫通孔H1,H2が形成されている。前記第1貫通孔H1には前記ソール30よりも比重の軽い素材、例えば、合成樹脂のような埋設材35が埋設されている。
なお、前記第1貫通孔H1は空隙に設定されていてもよい。また、前記埋設材35には、網点を施して図示している。
【0036】
前記第2貫通孔H2には、例えば、重心深度G
Dおよび慣性モーメントIzを更に増大させるための錘を取り付けるためのボルトや、ソール30を本体20に固定するためのボルトなどが挿入されてもよい。
【0037】
前記後底部32に埋設された樹脂はクラブヘッド2(
図1)の外観の向上に役立つ一方で、前底部31に設けられた場合と異なり地表面Gに接触しにくいからソール30の耐久性の劣化も生じにくい。
【0038】
なお、前記金属製のソール30の前記前底部31には貫通孔が形成されていないか、あるいは、前記後底部32の第1貫通孔H1の総面積Aよりも小さい総面積の、一つ又は複数の貫通孔が形成されていてもよい。クラブシャフト1の機能を向上させるために貫通孔を設ける必要があったり、あるいは、貫通孔が小さければ、前底部31の強度低下を招くおそれが少ないからである。
【0039】
本実施例の場合、4つの貫通孔H1の総面積Aは、例えば、10cm
2程度に設定され、前記後底部32、後周縁部34、第1貫通孔H1および第2貫通孔H2の全表面積の約23%程度に設定される。
【0040】
図3および
図4に示すように、前記前底部31は概ね一定の肉厚で形成されている。なお、前底部31にメネジを形成するために一部の厚肉のボスが形成されていてもよい。
【0041】
前記後底部32は前記前底部31の後端31eから後方Rに行くに従い肉厚が大きくなるように設定されている。更に、前記後底部32は前記後周縁部34に近づくに従い肉厚が大きくなるように設定されている。また、前記後周縁部34は後方Rに行く程、肉厚が大きくなるように設定されている。
【0042】
こうして、前記後周縁部34の平均肉厚(厚さ)は前記前側部33の平均肉厚(厚さ)よりも大きくなるように設定されており、これにより、重心深度G
Dおよび慣性モーメントIzの増大が図られている。
なお、クラブヘッド2の重心の位置は
図1の本体20の前部21に設定されている。
【0043】
特に、
図3の薄肉の前底部31や前側部33ではなく、厚肉の後底部32に前記貫通孔H1を設けて、その分の金属部分を後周縁部34に配置したので、貫通孔H1の欠損により後周縁部34の偏肉を大きくでき、そのため、重心深度G
Dおよび慣性モーメントIzの増大の効率が大きい。
【0044】
図3および
図2に示すように、前記後底部32には複数本のリヴ様の連結部36が形成されている。前記各連結部36は前記複数の第1貫通孔H1と貫通孔H1との間において、前記前底部31の後端31eから前記斜め上方の後方Roに向かって前記後周縁部34まで延びている。
【0045】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、貫通孔H1は前後に長い形状ではなく、側方Sに長い形状や円形などであってもよい。
また、後周縁部34は角形ではなく半円形状などであってもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。