(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938260
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】ヒートポンプ給湯器
(51)【国際特許分類】
F24H 4/02 20060101AFI20160609BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20160609BHJP
F25B 30/02 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
F24H4/02 Q
F25B1/00 361A
F25B30/02 J
F25B1/00 304S
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-97027(P2012-97027)
(22)【出願日】2012年4月20日
(65)【公開番号】特開2013-224786(P2013-224786A)
(43)【公開日】2013年10月31日
【審査請求日】2015年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 宏明
【審査官】
吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−198632(JP,A)
【文献】
特開2006−342980(JP,A)
【文献】
特開2009−121794(JP,A)
【文献】
特開2011−012886(JP,A)
【文献】
特開2006−090604(JP,A)
【文献】
特開2011−208839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 − 9/20
F24D 1/00 − 19/10
F25B 1/00 − 7/00
F25B 19/00 − 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
冷媒と水との間で熱交換する水熱交換器と、
冷媒を膨脹させる膨脹弁と、
冷媒と空気との間で熱交換する空気熱交換器と、
冷媒を圧縮機、水熱交換器、膨脹弁、空気熱交換器の順に循環させる冷媒循環経路と、
空気熱交換器に外気を供給する送風ファンと、
底部から水を水熱交換器へ送り出し、水熱交換器を通過した水を頂部から受け入れる貯湯槽と、
水熱交換器と貯湯槽の間で水を循環させる循環ポンプと、
水熱交換器を通過した水の温度を沸き上げ温度として検出する沸き上げ温度検出手段を備えており、
沸き上げ温度が沸き上げ設定温度となるように、膨脹弁の開度と、送風ファンの回転数と、ポンプの回転数を調整するヒートポンプ給湯器であって、
沸き上げ設定温度を水の殺菌温度として、貯湯槽の水を殺菌する殺菌運転を実施可能に構成されており、
外気温を検出する外気温検出手段をさらに備えており、
外気温が所定温度を超える場合に、殺菌運転を禁止することを特徴とするヒートポンプ給湯器。
【請求項2】
直前の殺菌運転の実施から第1所定時間が経過した場合に、次の殺菌運転が実施されるまで、貯湯槽からの給湯を禁止することを特徴とする請求項1の給湯器。
【請求項3】
直前の殺菌運転の実施から第1所定時間が経過しており、かつ次の殺菌運転が実施される前であっても、直前の貯湯槽からの給湯から第2所定時間が経過していなければ、貯湯槽からの給湯を許可することを特徴とする請求項2の給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ヒートポンプ給湯器が開示されている。そのヒートポンプ給湯器は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と水との間で熱交換する水熱交換器と、冷媒を膨脹させる膨脹弁と、冷媒と空気との間で熱交換する空気熱交換器と、冷媒を圧縮機、水熱交換器、膨脹弁、空気熱交換器の順に循環させる冷媒循環経路と、空気熱交換器に外気を供給する送風ファンと、水熱交換器に水を供給するポンプと、水熱交換器を通過した水の温度を沸き上げ温度として検出する沸き上げ温度検出手段を備えている。そのヒートポンプ給湯器では、沸き上げ温度が沸き上げ設定温度となるように、膨脹弁の開度と、送風ファンの回転数と、ポンプの回転数を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−198632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
夏場のように、外気温が高い状況でヒートポンプを動作させると、圧縮機に流入する冷媒の圧力が上昇し、圧縮機における冷媒の圧力および温度の上昇を招いてしまう。さらに、高温の外気に曝されることで、圧縮機そのものの温度も上昇する。圧縮機を高温・高圧の状態で長時間動作させると、構成部品の劣化を招き、圧縮機の耐久性を損なうことになってしまう。ヒートポンプ給湯器において、圧縮機の耐久性を確保することが可能な技術が待望されている。
【0005】
本明細書は、上記の課題を解決する技術を提供する。本明細書は、ヒートポンプ給湯器において、圧縮機の耐久性を確保することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、ヒートポンプ給湯器を開示する。そのヒートポンプ給湯器は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と水との間で熱交換する水熱交換器と、冷媒を膨脹させる膨脹弁と、冷媒と空気との間で熱交換する空気熱交換器と、冷媒を圧縮機、水熱交換器、膨脹弁、空気熱交換器の順に循環させる冷媒循環経路と、空気熱交換器に外気を供給する送風ファンと、水熱交換器に水を供給するポンプと、水熱交換器を通過した水の温度を沸き上げ温度として検出する沸き上げ温度検出手段を備えている。そのヒートポンプ給湯器は、沸き上げ温度が沸き上げ設定温度となるように、膨脹弁の開度と、送風ファンの回転数と、ポンプの回転数を調整する。そのヒートポンプ給湯器は、外気温を検出する外気温検出手段をさらに備えている。そのヒートポンプ給湯器は、外気温が第1所定温度を超える場合に、沸き上げ設定温度を上昇させる。そのヒートポンプ給湯器は、外気温が第2所定温度を超える場合に、圧縮機の回転数を低減させる。
【0007】
上記のヒートポンプ給湯器では、外気温が第1所定温度を超える場合に、沸き上げ設定温度を上昇させる。これにより、圧縮機における冷媒の圧力および温度の上昇を抑制することができる。また、上記のヒートポンプ給湯器では、外気温が第2所定温度を超える場合に、圧縮機の回転数を低減させる。これにより、圧縮機における冷媒の圧力および温度の上昇を抑制することができる。第1所定温度と第2所定温度は、同じ温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。上記のヒートポンプ給湯器によれば、圧縮機を高温・高圧のもとで動作させる事態を抑制することで、圧縮機の耐久性を確保することができる。
【0008】
本明細書が開示する他のヒートポンプ給湯器は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と水との間で熱交換する水熱交換器と、冷媒を膨脹させる膨脹弁と、冷媒と空気との間で熱交換する空気熱交換器と、冷媒を圧縮機、水熱交換器、膨脹弁、空気熱交換器の順に循環させる冷媒循環経路と、空気熱交換器に外気を供給する送風ファンと、底部から水を水熱交換器へ送り出し、水熱交換器を通過した水を頂部から受け入れる貯湯槽と、水熱交換器と貯湯槽の間で水を循環させる循環ポンプと、水熱交換器を通過した水の温度を沸き上げ温度として検出する沸き上げ温度検出手段を備えている。そのヒートポンプ給湯器は、沸き上げ温度が沸き上げ設定温度となるように、膨脹弁の開度と、送風ファンの回転数と、ポンプの回転数を調整する。そのヒートポンプ給湯器は、沸き上げ設定温度を水の殺菌温度として、貯湯槽の水を殺菌する殺菌運転を実施可能に構成されている。そのヒートポンプ給湯器は、外気温を検出する外気温検出手段をさらに備えている。そのヒートポンプ給湯器は、外気温が所定温度を超える場合に、殺菌運転を禁止する。
【0009】
上記のヒートポンプ給湯器では、外気温が高い場合に殺菌運転を禁止することで、圧縮機が高温・高圧のもとで動作する機会を低減することができる。上記のヒートポンプ給湯器によれば、圧縮機の耐久性を確保することができる。
【0010】
上記のヒートポンプ給湯器では、直前の殺菌運転の実施から第1所定時間が経過した場合に、次の殺菌運転が実施されるまで、貯湯槽からの給湯を禁止することが好ましい。
【0011】
殺菌運転を禁止することで、殺菌運転が実施されずに長期間が経過すると、貯湯槽の内部の水に雑菌が繁殖するおそれがある。上記のヒートポンプ給湯器によれば、このように貯湯槽の内部の水に雑菌が繁殖しているおそれがある場合に、貯湯槽からの給湯を禁止することで、利用者の安全性を確保することができる。
【0012】
上記のヒートポンプ給湯器では、直前の殺菌運転の実施から第1所定時間が経過しており、かつ次の殺菌運転が実施される前であっても、直前の貯湯槽からの給湯から第2所定時間が経過していなければ、貯湯槽からの給湯を許可することが好ましい。
【0013】
殺菌運転が実施されずに長期間が経過した場合でも、貯湯槽からの給湯が継続的に行われて、貯湯槽の内部の水の入れ換えがされている場合には、貯湯槽の内部の水に雑菌が繁殖するおそれはほとんどない。上記のヒートポンプ給湯器によれば、このように貯湯槽の内部の水に雑菌が繁殖しているおそれがほとんどない場合に、貯湯槽からの給湯を許可することで、利用者の利便性を確保することができる。
【発明の効果】
【0014】
本明細書が開示する技術によれば、ヒートポンプ給湯器において、圧縮機の耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】給湯システム10の構成を模式的に示す図である。
【
図2】給湯システム10の沸き上げ運転時の動作を説明するフローチャートである。
【
図3】給湯システム10の給湯運転時の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すように、本実施例の給湯システム10は、ヒートポンプ12と、貯湯槽14と、混合弁16と、補助熱源機18と、コントローラ20を備えている。
【0017】
ヒートポンプ12は、圧縮機22と、水熱交換器24と、膨脹弁26と、空気熱交換器28と、送風ファン30と、循環ポンプ32と、沸き上げ温度サーミスタ34と、外気温サーミスタ38を備えている。ヒートポンプ12で使用する冷媒は、例えばR744(CO2冷媒)であってもよいし、R410A(HFC冷媒)であってもよい。圧縮機22は、吸込側から流入する低温低圧の冷媒を圧縮して、吐出側から送り出す。圧縮機22の回転数は、通常は定回転数となるように制御される。圧縮機22の吐出側から送出された冷媒は、水熱交換器24の冷媒通路24aへ供給される。水熱交換器24では、冷媒通路24aを流れる高温の冷媒と、水通路24bを流れる低温の水の間で熱交換する。水熱交換器24で冷却されて低温となった冷媒は、膨脹弁26に送られる。膨脹弁26は、水熱交換器24から流入する冷媒を断熱膨張させて、空気熱交換器28へ送る。膨脹弁26の開度を調整することで、膨脹弁26における冷媒の膨脹度合が調整される。空気熱交換器28では、内部を通過する低温の冷媒を外気との熱交換により加熱する。送風ファン30は空気熱交換器28の近傍に配置されており、空気熱交換器28に外気を供給する。送風ファン30の回転数を調整することで、空気熱交換器28における冷媒の加熱度合が調整される。空気熱交換器28から流出する冷媒は、再び圧縮機22へ送られる。
【0018】
水熱交換器24の水通路24bの入口側は、水循環往路40を介して、貯湯槽14の底部に連通している。水熱交換器24の水通路24bの出口側は、水循環復路42を介して、貯湯槽14の頂部に連通している。水循環往路40には、循環ポンプ32が設けられている。循環ポンプ32が駆動すると、貯湯槽14の底部から水が吸い出され、水熱交換器24の水通路24bに送られる。水熱交換器24で加熱されて高温となった水は、水循環復路42を介して貯湯槽14の頂部に戻される。貯湯槽14の内部では、低温の水の上方に高温の水が積層される、いわゆる温度成層が形成される。水熱交換器24を通過して高温となった水の温度は、沸き上げ温度サーミスタ34により検出される。以下では、沸き上げ温度サーミスタ34で検出される温度を沸き上げ温度という。
【0019】
貯湯槽14の底部には、貯湯槽14に水道水を給水する給水経路44が接続されている。貯湯槽14の頂部には、貯湯槽14から水を送り出す高温水経路46が接続されている。給水経路44からは、低温水経路48が分岐している。高温水経路46と低温水経路48は、混合弁16で合流している。混合弁16では、高温水経路46を流れる高温の水と、低温水経路48を流れる低温の水を混合して、給湯経路50に送り出す。給湯経路50には、必要に応じて給湯経路50を流れる水を加熱する補助熱源機18が設けられている。補助熱源機18を通過した水は、給湯栓52に供給される。給湯栓52に供給される水の温度は、給湯サーミスタ54により検出される。
【0020】
コントローラ20は、ヒートポンプ12、混合弁16および補助熱源機18の動作を制御する。コントローラ20には、給湯設定温度と沸き上げ設定温度が保持されている。
【0021】
(沸き上げ運転)
沸き上げ運転においては、給湯システム10は、給湯栓52への給湯に備えて、貯湯槽14に高温の水を蓄える。通常は、給湯システム10は、電気料金の安価な深夜の時間帯において、タイマ制御により沸き上げ運転を実施する。沸き上げ運転を開始すると、コントローラ20は、圧縮機22を始動してヒートポンプ12における冷媒の循環を開始させ、送風ファン30を始動する。さらに、コントローラ20は、循環ポンプ32を始動して貯湯槽14と水熱交換器24の間での水の循環を開始させる。これにより、貯湯槽14の底部から吸い出された水が、水熱交換器24で加熱されて、貯湯槽14の頂部へと戻される。沸き上げ運転を行っている間は、沸き上げ温度サーミスタ34の検出温度が沸き上げ設定温度となるように、膨脹弁26の開度、送風ファン30の回転数および循環ポンプ32の回転数が調整される。なお、沸き上げ運転を行っている間は、圧縮機22の回転数はほぼ一定に維持される。貯湯槽14の内部が高温の水で満たされると、給湯システム10は沸き上げ運転を終了する。
【0022】
(給湯運転)
利用者によって給湯栓52が開かれると、給湯システム10は給湯運転を開始する。給湯栓52が開かれると、給水経路44の給水圧によって貯湯槽14の内部の水が押し上げられ、貯湯槽14の頂部から高温水経路46に高温の水が送出される。高温水経路46の水は、混合弁16において低温水経路48からの低温の水と混合して、給湯経路50に送出される。コントローラ20は、給湯サーミスタ54で検出される温度が給湯設定温度となるように、混合弁16の開度を調整する。これにより、給湯経路50を介して給湯栓52に、給湯設定温度の水が供給される。貯湯槽14に高温の水が十分に蓄えられていない場合や、後述するように貯湯槽14からの給湯が禁止されている場合には、混合弁16から給湯経路50へ給湯設定温度の水を供給できないことになる。このような場合、コントローラ20は、補助熱源機18を駆動して給湯経路50を流れる水を加熱し、給湯設定温度まで加熱された水を給湯栓52へ供給する。利用者によって給湯栓52が閉じられると、給湯システム10は給湯運転を終了する。
【0023】
(殺菌運転)
貯湯槽14の内部に水が長時間滞留すると、レジオネラ菌等の雑菌が繁殖するおそれがある。雑菌が繁殖した水は、そのままでは給湯に使用することができない。そこで、給湯システム10では、定期的に殺菌運転を行って、貯湯槽14の内部の水に雑菌が繁殖することを防止する。殺菌運転では、沸き上げ設定温度を水の殺菌温度として、上述した沸き上げ運転と同様の運転を行うことで、貯湯槽の水を殺菌する。水の殺菌温度は、レジオネラ菌等の雑菌を熱により殺菌することができる水温であって、例えば65℃である。本実施例の給湯システム10では、直前の殺菌運転の実施から所定時間(例えば80時間)が経過する毎に、殺菌運転を実施する。なお、殺菌運転を行う際には、混合弁16において高温水経路46側の開度を全閉として、貯湯槽14からの水が給湯経路50へ流出しないようにする。これにより、殺菌運転のために高温に加熱された水が、不用意に給湯栓52へ給湯されてしまう事態を防ぐことができる。
【0024】
夏場のように、外気温が高い状況でヒートポンプ12を動作させると、圧縮機22に流入する冷媒の圧力が上昇し、圧縮機22における冷媒の圧力および温度の上昇を招いてしまう。さらに、高温の外気に曝されることで、圧縮機22そのものの温度も上昇する。圧縮機22を高温・高圧の状態で長時間動作させると、構成部品の劣化を招き、圧縮機22の耐久性を損なうことになってしまう。
【0025】
そこで、本実施例の給湯システム10では、外気温が高い場合には、沸き上げ運転び殺菌運転におけるヒートポンプ12の動作に制限を加えて、圧縮機22の耐久性を確保する。
【0026】
図2は給湯システム10が沸き上げ運転を開始する際に、コントローラ20が行う処理を示している。
【0027】
ステップS2では、外気温サーミスタ38によって、外気温の取得を行う。
【0028】
ステップS4では、ステップS2で取得した外気温が第1所定温度(例えば38℃)に満たないか否かを判断する。外気温が第1所定温度に満たない場合(ステップS4でYESの場合)、沸き上げ設定温度および圧縮機22の回転数を特に変更することなく、ステップS6に進み、沸き上げ運転を実施する。ステップS4で外気温が第1所定温度以上である場合(NOの場合)、ステップS8へ進む。ステップS8では、沸き上げ設定温度を所定温度幅(例えば10℃)上昇させる。このように、沸き上げ設定温度を上昇させることによって、圧縮機22に流入する冷媒の圧力上昇を防ぎ、圧縮機22が高温・高圧で動作する事態を抑制することができる。ステップS8の後、処理はステップS10へ進む。
【0029】
ステップS10では、外気温が第2所定温度(例えば40℃)に満たないか否かを判断する。外気温が第2所定温度に満たない場合(YESの場合)、ステップS6へ進んで、沸き上げ運転を実施する。ステップS10で外気温が第2所定温度以上である場合(NOの場合)、ステップS12へ進む。
【0030】
ステップS12では、外気温が第3所定温度(例えば45℃)に満たないか否かを判断する。外気温が第3所定温度に満たない場合(YESの場合)、ステップS14へ進む。ステップS14では、圧縮機22の回転数を、通常よりも所定量(例えば500rpm)減少させる。圧縮機22の回転数を通常よりも減少させることによって、圧縮機22に流入する冷媒の圧力上昇を防ぎ、圧縮機22が高温・高圧で動作する事態を抑制することができる。ステップS14の後、ステップS6へ進み、沸き上げ運転を実施する。ステップS12で外気温が第3所定温度以上である場合(NOの場合)、ステップS16へ進む。
【0031】
ステップS16では、外気温が第4所定温度(例えば50℃)に満たないか否かを判断する。外気温が第4所定温度に満たない場合(YESの場合)、ステップS18へ進む。ステップS18では、圧縮機22の回転数を、通常よりも所定量(例えば1000rpm)減少させる。圧縮機22の回転数を通常よりも減少させることによって、圧縮機22に流入する冷媒の圧力上昇を防ぎ、圧縮機22が高温・高圧で動作する事態を抑制することができる。ステップS18の後、ステップS6へ進み、沸き上げ運転を実施する。ステップS16で外気温が第4所定温度以上である場合(NOの場合)、ステップS20へ進む。ステップS20では、沸き上げ運転を禁止して処理を終了する。これによって、圧縮機22が高温・高圧で動作する機会を低減して、圧縮機22の耐久性を確保することができる。
【0032】
次に、殺菌運転におけるヒートポンプ12の動作制限について説明する。本実施例の給湯システム10では、外気温サーミスタ38で検出される外気温が所定温度(例えば40℃)以上である場合には、殺菌運転を禁止する。これによって、圧縮機22が高温・高圧のもとで動作する機会を低減することができる。圧縮機22の耐久性を確保することができる。
【0033】
上記のように殺菌運転を禁止することで、殺菌運転が実施されずに長期間が経過すると、貯湯槽14の内部の水に雑菌が繁殖するおそれがある。雑菌が繁殖した水は、給湯栓52へ給湯することができない。そこで、本実施例の給湯システム10では、給湯運転において貯湯槽14からの給湯に制限を加える。
【0034】
図3は給湯システム10が給湯運転を開始する際に、コントローラ20が行う処理を示している。
【0035】
ステップS32では、直前の殺菌運転の実施時刻を特定し、その時刻から現在までの経過時間(以下では第1経過時間という)を取得する。
【0036】
ステップS34では、ステップS32で取得した第1経過時間が、第1所定時間(例えば80時間)以上であるか否かを判断する。第1経過時間が第1所定時間に満たない場合(NOの場合)、ステップS42へ進んで、通常通りの給湯運転を行う。この場合には、直前の殺菌運転からそれほど長時間が経過しておらず、貯湯槽14の内部の水が清浄に保たれているので、貯湯槽14から給湯を行っても問題はない。ステップS34で、第1経過時間が第1所定時間を越える場合(YESの場合)、ステップS36へ進む。
【0037】
ステップS36では、直前の貯湯槽14からの給湯時刻を特定し、その時刻から現在までの経過時間(以下では第2経過時間)を取得する。
【0038】
ステップS38では、ステップS36で取得した第2経過時間が、第2所定時間(例えば20時間)以上であるか否かを判断する。第2経過時間が第2所定時間以上である場合(YESの場合)、ステップS40へ進む。
【0039】
ステップS40では、貯湯槽14からの給湯を禁止した状態で、給湯栓52への給湯を行う。具体的には、混合弁16を制御して、貯湯槽14から高温水経路46を介して給湯経路50へ供給される水の流量をゼロとした状態で、給水経路44から低温水経路48を経て給湯経路50に供給される低温の水を、補助熱源機18により加熱して、給湯栓52への給湯を行う。ステップS40を実行するのは、直前の殺菌運転から第1所定時間(例えば80時間)が経過しており、かつ直前の貯湯槽14からの給湯から第2所定時間(例えば20時間)が経過している場合である。このような場合には、貯湯槽14の内部の水に雑菌が繁殖しているおそれがある。そこで、本実施例の給湯システム10では、このような場合に、貯湯槽14からの給湯を禁止し、利用者の安全性を確保している。いったん貯湯槽14からの給湯が禁止されると、外気温が低下して殺菌運転が行われるまで、貯湯槽14からの給湯が行われることがない。外気温が低下して殺菌運転が行われた後は、再び貯湯槽14からの給湯を行うことが可能となる。
【0040】
ステップS38で、経過時間が第2所定時間を越えていない場合(NOの場合)には、ステップS42へ進んで、通常通りの給湯運転がなされる。この場合には、直前の殺菌運転から長時間が経過しているものの、直前の貯湯槽14からの給湯により貯湯槽14の内部の水の入れ換えがなされているので、貯湯槽14の内部の水に雑菌が繁殖しているおそれはほとんどない。そこで、本実施例の給湯システム10では、このような場合に、貯湯槽14からの給湯を許可し、利用者の利便性を確保している。
【0041】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0042】
10 給湯システム
12 ヒートポンプ
14 貯湯槽
16 混合弁
18 補助熱源機
20 コントローラ
22 圧縮機
24 水熱交換器
24a 冷媒通路
24b 水通路
26 膨脹弁
28 空気熱交換器
30 送風ファン
32 循環ポンプ
34 沸き上げ温度サーミスタ
38 外気温サーミスタ
40 水循環往路
42 水循環復路
44 給水経路
46 高温水経路
48 低温水経路
50 給湯経路
52 給湯栓
54 給湯サーミスタ