(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Pウェル及びNウェル上に、第1の方向に延設された第1のゲート電極群を有し、前記第1のゲート電極群にアクセストランジスタを構成する第1のゲート電極を含む第1のSRAMセルと、
前記第1の方向の軸に対して、前記第1のゲート電極群と対称な配置関係にある第2のゲート電極群を有し、前記第2のゲート電極群にアクセストランジスタを構成する第2のゲート電極を含む第2のSRAMセルと、
前記第1の方向に垂直な方向において、前記第1及び第2のSRAMセルの間に配置され、前記Pウェル及び前記Nウェルに電圧を供給する第1のウェル電圧供給セルと、を備え、
前記第1のウェル電圧供給セルは、
隣接して配置された前記第1のSRAMセルとの境界線を第1の境界線とし、各ゲート電極の位置が前記第1の境界線に対して前記第1のゲート電極群と線対称な配置関係にある第3のゲート電極群を有し、当該第3のゲート電極群が前記第1のゲート電極に対応する第3のゲート電極を含み、
隣接して配置された前記第2のSRAMセルとの境界線を第2の境界線とし、各ゲート電極の位置が前記第2の境界線に対して前記第2のゲート電極群と線対称な配置関係にある第4のゲート電極群を有し、当該第4のゲート電極群が前記第2のゲート電極に対応する第4のゲート電極を含み、
前記Pウェル上において、対向配置された前記第3のゲート電極と前記第4のゲート電極との間に設けられたP型不純物拡散領域と、
前記第3のゲート電極の前記第1のSRAMセル側に設けられた第1のN型不純物拡散領域と、
前記第4のゲート電極の前記第2のSRAMセル側に設けられた第2のN型不純物拡散領域と、を備える、半導体装置。
前記第1のN型不純物拡散領域は、前記第3のゲート電極に接するように形成され、前記第2のN型不純物拡散領域は、前記第4のゲート電極に接するように形成されている請求項1に記載の半導体装置。
前記P型不純物拡散領域を介して前記Pウェルに供給する第1の低電圧側電源電圧が、前記第1及び第2のSRAMセル内のトランジスタを動作させるための第2の低電圧側電源電圧よりも低い請求項1に記載の半導体装置。
前記第3のN型不純物拡散領域を介して前記Nウェルに供給する第1の高電圧側電源電圧が、前記第1及び第2のSRAMセル内のトランジスタを動作させるための第2の高電圧側電源電圧よりも高い請求項4に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、第1の実施の形態に係る半導体装置のブロック図である。実施の形態1に係る半導体装置は、制御回路CNT、メモリセルアレイCA、ワードドライバWD、列選択回路CSELを備えたSRAMである。ここで、列選択回路CSELは、入出力制御機能も有している。
【0012】
制御回路CNTは、アドレスADD及び制御信号CSの入力に基づいて、ワードドライバWD及び列選択回路CSELを制御する。
メモリセルアレイCAは、行列状(マトリクス状)に複数配置されたメモリセルMCを有している。具体的には、行方向(X方向)に、n(nは自然数)本のワード線WL1、WL2、・・・、WLnが設けられている。また、列方向(Y方向)には、m組のビット線対DT1、DB1、DT2、DB2、・・・、DTm、DBm、が設けられている。各ワード線と各ビット線対とが交差する位置に、メモリセルMCが配置されている。つまり、
図1の例では、メモリセルアレイCAは、n×m個のメモリセルを備えている。
【0013】
ワードドライバWDは、制御回路CNTから出力された制御信号に応じて、ワード線WL1〜WLnを駆動し、メモリセルアレイCAの行選択を行なう。また、列選択回路CSELは、制御回路CNTから出力された制御信号に応じて、ビット線対(例えばDT1、DB1)を選択し、対象のメモリセルに対するデータの書き込みもしくはデータの読み出しを行う。例えば、データ書込時には、選択されたビット線(例えばDT1、DB1)を介して、対象のメモリセルMCに対して入力データDINを書き込む。他方、データ読出時には、対象のメモリセルMCが保持していたデータを、選択されたビット線対(例えばDT1、DB1)を介して検出し、出力データDOUTとして出力する。
【0014】
図2は、メモリセルアレイCAにおけるメモリセルMC及びウェル電圧供給セルWSCの配置関係を示す模式図である。
図2のメモリセルアレイCAは、行列状に配置されたメモリセルMCを有する。メモリセルMCのNウェル及びPウェルにウェル電圧を供給するためのウェル電圧供給セルWSCは、通常、等間隔に配置される。
図2の例では、いずれの列でも、Y方向に4個のメモリセルMC毎に1つのウェル電圧供給セルWSCが設けられている。ここで、X方向には、8個のウェル電圧供給セルWSCが、メモリセルアレイCAの端から端まで一列に並べて配置されている。つまり、ウェル電圧供給セルWSCが1行を構成している。さらに、メモリセルアレイCAにおいて、Y方向の端つまり上下端の1行には、それぞれウェル電圧供給セルWSCが配置されている。なお、上記4個、8個などの具体的数値は、あくまでも一例であって、適宜決定することができることは言うまでもない。
【0015】
次に、
図3A〜3Dを参照して、第1の実施の形態に係るSRAMのメモリセルのレイアウトについて説明する。
図3Aは、第1の実施の形態に係るSRAMのメモリセルMC1のレイアウト図である。メモリセルMC1は、
図2のMCの1つである。メモリセルMC1は、
図3Aの一点鎖線で囲われた部分である。一点鎖線の外側の部分は隣接して配置されるセルが備えるものとする。また、
図3Bは、メモリセルMC1における第1層配線のレイアウト図である。
図3Cは、メモリセルMC1における第2層配線のレイアウト図である。
図3Dは、メモリセルMC1における第3層配線のレイアウト図である。なお、第1層配線はメモリセルMC1のゲート形成層(ゲートポリシリコンまたはゲートメタルで形成される)の上に形成される。また第2層配線は、第1層配線の上、第3層配線は第2層配線の上に形成される。
図3Aに示すように、メモリセルMC1は、4つのゲート電極G1a〜G4a、10個の拡散領域D1a〜D10a、8つの拡散領域コンタクトDC1a〜DC8a、2つのゲートコンタクトGC1a、GC2a、2つの共通コンタクトSC1a、SC2aを備えている。なお、4つのゲート電極G1a〜G4aはゲート形成層で形成される。
【0016】
ここで、一点鎖線で示された境界線に囲まれたメモリセルMC1の外形は矩形状である。そして、メモリセルMC1は、中心Oに対し、点対称のレイアウト構造を有している。従って、ゲート電極G1a、G2aは同一形状、P型の拡散領域D4a、D7aは互いに同一形状、P型の拡散領域D5a、D6aは同一形状、ゲート電極G3a、G4aは互いに同一形状、N型の拡散領域D1a、D10aは互いに同一形状、N型の拡散領域D2a、D9aは同一形状、N型の拡散領域D3a、D8aは互いに同一形状などとなる。また、メモリセルMC1に隣接するメモリセルは、メモリセルMC1の一点鎖線で示した矩形の4辺に対応する各境界線に対し、メモリセルMC1と線対称に配置される。
【0017】
また、
図3Aに示されたメモリセルMC1は、完全CMOS型のSRAMセルである。そのため、メモリセルMC1は、Pウェル形成領域に形成された4つのNMOSトランジスタと、Nウェル形成領域に形成された2つのPMOSトランジスタを備える。具体的には、メモリセルMC1は、NMOSトランジスタである2つのアクセストランジスタAC1a、AC2a、NMOSトランジスタである2つの駆動トランジスタDR1a、DR2a、PMOSトランジスタである2つの負荷トランジスタLD1a、LD2aを備えている。ここで、駆動トランジスタDR1aと負荷トランジスタLD1aとがインバータを構成している。同様に、駆動トランジスタDR2aと負荷トランジスタLD2aとがインバータを構成している。
【0018】
図4は、
図3Aに対応したメモリセルMC1の回路図である。
図4に示すように、メモリセルMC1では、負荷トランジスタLD1a、LD2aのソースは、ともに第2の高電圧側電源(電源電圧ARVDD)に接続されている。負荷トランジスタLD1a、LD2aのドレインは、それぞれ駆動トランジスタDR1a、DR2aのドレインに接続されている。駆動トランジスタDR1a、DR2aのソースは、ともに第2の低電圧側電源(電源電圧ARVSS)に接続されている。負荷トランジスタLD1a及び駆動トランジスタDR1aのゲートは、ともに負荷トランジスタLD2a及び駆動トランジスタDR2aのドレイン同士が接続された記憶ノードNDBに接続されている。一方、負荷トランジスタLD2a及び駆動トランジスタDR2aのゲートは、ともに負荷トランジスタLD1a及び駆動トランジスタDR1aのドレイン同士が接続された記憶ノードNDTに接続されている。
【0019】
アクセストランジスタAC1aのソース・ドレインの一方は、記憶ノードNDTに接続され、他方は、ビット線DTに接続されている。また、アクセストランジスタAC2aのソース・ドレインの一方は、記憶ノードNDBに接続され、他方は、ビット線DBに接続されている。アクセストランジスタAC1a、AC2aのゲートは、ともにワード線WLに接続されている。
【0020】
図3Aに示すように、アクセストランジスタAC1aは、ゲート電極G3a、N型の拡散領域D2a及びD3aから構成されている。駆動トランジスタDR1aは、ゲート電極G1a、N型の拡散領域D2a及びD1aから構成されている。即ち、N型の拡散領域D2aは、アクセストランジスタAC1aと駆動トランジスタDR1aとに共有されている。そして、負荷トランジスタLD1aは、ゲート電極G1a、P型の拡散領域D6a及びD7aから構成されている。即ち、ゲート電極G1aは、負荷トランジスタLD1aと駆動トランジスタDR1aとに共有されている。
【0021】
ここで、N型の拡散領域D1a、D2a、D3aは、Y方向に直線状に延設されており、かつ、X方向に略平行に延設されたゲート電極G1a、G3aの両方と直交するように形成されている。また、P型の拡散領域D6a、D7aは、N型の拡散領域D1a、D2a、D3aと平行になるように形成されている。即ち、P型の拡散領域D6a、D7aは、ゲート電極G1aと直交している。更に、P型の拡散領域D6aはゲート電極G1aと平行に形成されたゲート電極G2aの一方の端部まで形成されている。また、ゲート電極G3aはゲート電極G2aのその一方の端部の延長上に形成されている。
【0022】
同様に、アクセストランジスタAC2aは、ゲート電極G4a、N型の拡散領域D9a及びD8aから構成されている。駆動トランジスタDR2aは、ゲート電極G2a、N型の拡散領域D9a及びD10aから構成されている。即ち、N型の拡散領域D9aは、アクセストランジスタAC2aと駆動トランジスタDR2aとに共有されている。そして、負荷トランジスタLD2aは、ゲート電極G2a、P型の拡散領域D5a及びD4aから構成されている。即ち、ゲート電極G2aは、負荷トランジスタLD2aと駆動トランジスタDR2aとに共有されている。
【0023】
ここで、N型の拡散領域D10a、D9a、D8aは、Y方向に直線状に延設されており、かつ、X方向に略平行に延設されたゲート電極G2a、G4aの両方と直交するように形成されている。また、P型の拡散領域D5a、D4aは、N型の拡散領域D10a、D9a、D8aと平行になるように形成されている。即ち、P型の拡散領域D5a、D4aは、ゲート電極G2aと直交している。更に、P型の拡散領域D5aはゲート電極G1aの一方の端部近傍まで形成されている。また、ゲート電極G4aはゲート電極G1aのその一方の端部の延長上に形成されている。
【0024】
ここで、
図3Bは、実施の形態1に係るメモリセルMC1における第1層配線のレイアウト図である。
図3A同様に、一点鎖線で囲われた部分がメモリセルMC1である。この一点鎖線で示す部分がMC1のセル枠である。一点鎖線の外側の部分は隣接して配置されるセルが備える。
図3Bには、破線で
図3Aに示された各コンタクトも併せて示されている。
図3A、3Bに示すように、アクセストランジスタAC1aのゲート電極G3aは、ゲートコンタクトGC1aを介して、ワード線WLに接続するための中継配線である第1層配線ML102aに接続されている。同様に、アクセストランジスタAC2aのゲート電極G4aは、ゲートコンタクトGC2aを介して、ワード線WLに接続するための中継配線である第1層配線ML109aに接続されている。ゲートコンタクトGC1a、GC2aは、メモリセルMC1の境界線上に形成されている。
【0025】
図3A、3Bに示すように、アクセストランジスタAC1aを構成するN型の拡散領域D3aは、拡散領域コンタクトDC5aを介して、後述するビット線DTに接続するための中継配線である第1層配線ML103aに接続されている。同様に、アクセストランジスタAC2aを構成するN型の拡散領域D8aは、拡散領域コンタクトDC8aを介して、後述するビット線DBに接続するための中継配線である第1層配線ML108aに接続されている。
【0026】
図3A、3Bに示すように、駆動トランジスタDR1aのソースを構成するN型の拡散領域D1aは、拡散領域コンタクトDC3aを介して、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための中継配線である第1層配線ML101aに接続されている。同様に、駆動トランジスタDR2aのソースを構成するN型の拡散領域D10aは、拡散領域コンタクトDC6aを介して、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための中継配線である第1層配線ML110aに接続されている。
【0027】
図3A、3Bに示すように、負荷トランジスタLD1aを構成するP型の拡散領域D7aは、拡散領域コンタクトDC1aを介して、第2の高電圧側電源ARVDDに接続するための中継配線である第1層配線ML105aに接続されている。同様に、負荷トランジスタLD2aを構成するP型の拡散領域D4aは、拡散領域コンタクトDC2aを介して、第2の高電圧側電源ARVDDに接続するための中継配線である第1層配線ML106aに接続されている。
【0028】
図3Aに示すように、駆動トランジスタDR1a及び負荷トランジスタLD1aに共有されるゲート電極G1aは、共通コンタクトSC2aを介して、負荷トランジスタLD2aのドレインを構成するP型の拡散領域D5aに接続されている。更に、
図3Bに示すように、共通コンタクトSC2aは、第1層配線ML107aを介して、拡散領域コンタクトDC7aに接続されている。そして、
図3Aに示すように、この拡散領域コンタクトDC7aは、アクセストランジスタAC2a及び駆動トランジスタDR2aに共有されているN型の拡散領域D9a上に形成されている。
【0029】
同様に、
図3Aに示すように、駆動トランジスタDR2a及び負荷トランジスタLD2aに共有されるゲート電極G2aは、共通コンタクトSC1aを介して、負荷トランジスタLD1aのドレインを構成するP型の拡散領域D6aに接続されている。更に、
図3Bに示すように、共通コンタクトSC1aは、第1層配線ML104aを介して、拡散領域コンタクトDC4aに接続されている。そして、
図1に示すように、この拡散領域コンタクトDC4aは、アクセストランジスタAC1a及び駆動トランジスタDR1aに共有されているN型の拡散領域D2a上に形成されている。
【0030】
図3Bを参照して、第1層配線の平面配置について説明する。
第1層配線ML101aは、拡散領域コンタクトDC3aが形成されたX方向の境界線に沿って、拡散領域コンタクトDC3aの形成位置から近接するメモリセルMC1のコーナー(角部)まで延設されている。
第1層配線ML110aは、拡散領域コンタクトDC6aが形成されたX方向の境界線に沿って、拡散領域コンタクトDC6aの形成位置から近接するメモリセルMC1のコーナー(角部)まで延設されている。
ここで、拡散領域コンタクトDC3a、DC6aは、メモリセルMC1の中心Oに関して、互いに点対称に配置されている。そのため、第1層配線ML110a、ML101aも、互いに点対称に配置されている。
【0031】
第1層配線ML102aは、ゲートコンタクトGC1aが形成されたY方向の境界線に沿って、ゲートコンタクトGC1aの形成位置から当該境界線の中央部まで設けられている。
第1層配線ML109aは、ゲートコンタクトGC2aが形成されたY方向の境界線に沿って、ゲートコンタクトGC2aの形成位置から当該境界線の中央部まで設けられている。
ここで、ゲートコンタクトGC1a、GC2aは、メモリセルMC1の中心Oに関して、互いに点対称に配置されている。そのため、第1層配線ML102a、ML110aも、互いに点対称に配置されている。
【0032】
第1層配線ML103aは、拡散領域コンタクトDC5aが形成されたX方向の境界線に沿って、拡散領域コンタクトDC5aの形成位置からメモリセルMC1の中央側に若干延びて設けられている。
第1層配線ML108aは、拡散領域コンタクトDC8aが形成されたX方向の境界線に沿って、拡散領域コンタクトDC8aの形成位置からメモリセルMC1の中央側に若干延びて設けられている。
ここで、拡散領域コンタクトDC5a、DC8aは、メモリセルMC1の中心Oに関して、互いに点対称に配置されている。そのため、第1層配線ML103a、ML108aも、互いに点対称に配置されている。
【0033】
第1層配線ML104aは、メモリセルMC1のY方向中央部において、拡散領域コンタクトDC4aの形成位置から共通コンタクトSC1aの形成位置までX方向に延設されている。
第1層配線ML107aは、メモリセルMC1のY方向中央部において、拡散領域コンタクトDC7aの形成位置から共通コンタクトSC2aの形成位置までX方向に延設されている。
ここで、第1層配線ML104a、ML107aも、互いに点対称に配置されている。
【0034】
第1層配線ML105aは、拡散領域コンタクトDC1a上において、拡散領域コンタクトDC1aよりもやや大きく形成されている。
第1層配線ML106aは、拡散領域コンタクトDC2a上において、拡散領域コンタクトDC2aよりもやや大きく形成されている。
ここで、拡散領域コンタクトDC1a、DC2aは、メモリセルMC1の中心Oに関して、互いに点対称に配置されている。そのため、第1層配線ML105a、ML106aも、互いに点対称に配置されている。
【0035】
次に、
図3Cを参照して、第2層配線の平面配置について説明する。
図3A同様に、一点鎖線で囲われた部分がメモリセルMC1である。一点鎖線の外側の部分は隣接して配置されるセルが備える。
図3Cには、各第1層配線と第2層配線との間に設けられた8個の第1ビアV101a〜V108aも破線で併せて示されている。
【0036】
第2層配線ML201aは、第2の低電圧側電源ARVSSに接続される第1ビアV103a上において、第1ビアV103aよりもやや大きく形成されている。ここで、第1ビアV103aは第1層配線ML101a上において、メモリセルMC1のコーナーに設けられている。
第2層配線ML204aは、第2の低電圧側電源ARVSSに接続される第1ビアV106a上において、第1ビアV106aよりもやや大きく形成されている。ここで、第1ビアV106aは第1層配線ML110a上において、メモリセルMC1のコーナーに設けられている。
ここで、第1ビアV103a、106aは、メモリセルMC1の中心Oに関して、互いに点対称に配置されている。そのため、第2層配線ML201a、ML204aも、互いに点対称に配置されている。
【0037】
第2層配線ML202aは、ワード線WLに接続される第1ビアV104a上において、第1ビアV104aよりもやや大きく形成されている。ここで、第1ビアV104aは、Y方向の境界線上に設けられた第1層配線ML102aの中央部に設けられている。
第2層配線ML203aは、ワード線WLに接続される第1ビアV107a上において、第1ビアV107aよりもやや大きく形成されている。ここで、第1ビアV107aは、Y方向の境界線上に設けられた第1層配線ML109aの中央部に設けられている。
ここで、第1ビアV104a、107aは、メモリセルMC1の中心Oに関して、互いに点対称に配置されている。そのため、第2層配線ML202a、ML203aも、互いに点対称に配置されている。
【0038】
第2配線層からなるビット線DTは、第1ビアV105aを通るように、Y方向に延設されている。ここで、第1ビアV105aは、X方向の境界線上に設けられた第1層配線ML103a上に設けられている。
また、第2配線層からなるビット線DBは、第1ビアV108aを通るように、Y方向に延設されている。ここで、第1ビアV108aは、X方向の境界線上に設けられた第1層配線ML108a上に設けられている。
ここで、第1ビアV105a、108aは、メモリセルMC1の中心Oに関して、互いに点対称に配置されている。そのため、ビット線DT、DBも、メモリセルMC1の中心Oから等距離に位置する。
【0039】
第2配線層からなる電源線PS1は、第1ビアV101a、V102aを通るように、Y方向に延設されている。ここで、第1ビアV101aは、X方向の境界線上に設けられた第1層配線ML105a上に設けられている。第1ビアV102aは、X方向の境界線上に設けられた第1層配線ML106a上に設けられている。電源線PS1は、第2の高電圧側電源ARVDDに接続されている。
ここで、第1ビアV101a、102aは、メモリセルMC1の中心Oに関して、互いに点対称に配置されている。また、電源線PS1は、メモリセルMC1の中心Oを含み、点対称な形状を有している。
【0040】
次に、
図3Dを参照して、第3層配線の平面配置について説明する。
図3A同様に、一点鎖線で囲われた部分がメモリセルMC1である。一点鎖線の外側の部分は隣接して配置されるセルが備える。
図3Dには、各第2層配線と第3層配線との間に設けられた4つの第2ビアV201a〜V204aも破線で併せて示されている。
【0041】
第3配線層からなる電源線PS21aは、第2ビアV201aを通るように、X方向の境界線に沿って延設されている。ここで、第2ビアV201aは、第2層配線ML201a上において、メモリセルMC1のコーナーに設けられている。
また、第3配線層からなる電源線PS22aは、第2ビアV204aを通るように、X方向の境界線に沿って延設されている。ここで、第2ビアV204aは、第2層配線ML204a上において、メモリセルMC1のコーナーに設けられている。
ここで、第2ビアV201a、204aは、メモリセルMC1の中心Oに関して、互いに点対称に配置されている。そのため、電源線PS21a、PS22aは、互いに対向するX方向の境界線に沿って延設されている。電源線PS21a、PS22aは、何れも第2の低電圧側電源ARVSSに接続されている。
【0042】
第3配線層からなるワード線WLは、第2ビアV202a、V203aを通るように、X方向に延設されている。ここで、第2ビアV202aは、Y方向の境界線上に設けられた第2層配線ML202a上に設けられている。第2ビアV203aは、Y方向の境界線上に設けられた第2層配線ML203a上に設けられている。
ここで、第2ビアV202a、203aは、メモリセルMC1の中心Oに関して、互いに点対称に配置されている。また、ワード線WLは、メモリセルMC1の中心Oを含み、点対称な形状を有している。
【0043】
次に、
図5を参照して、本実施の形態に係るSRAMの動作について説明する。
図5は、本実施の形態に係るSRAMの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図5に示すように、読み出し又は書き込みを待機している通常のスタンバイ状態(STAND−BY)では、ワード線WLはL(VSS)となる。また、ビット線対DT、DBは共にH(VDD)にプリチャージされる。記憶ノードNDT、NDBでは値が保持される。一方、書き込み動作時又は読み出し動作時には、ワード線WLはHとなる。
【0044】
図5の例では、最初、記憶ノードNDTにHが、記憶ノードNDBにLが記憶されている。書き込み動作(WRITE)時に、ビット線DTがL、ビット線DBがHとなり、記憶ノードNDTの値がHからLへ、記憶ノードNDBの値がLからHへ、書き換えられている。その後、読み出し動作(READ)時に、記憶ノードNDT、NDBの値が、それぞれビット線DT、DBを介して読み出される。ここで、ビット線DTがHにプリチャージされているため、読み出し開始時に記憶ノードNDTの電圧が若干上昇する。
【0045】
さらに、ディープスタンバイモード(DEEP STAND−BY)は、データは保持するものの動作は休止する低消費電力モードである。本実施の形態に係るSRAMでは、ディープスタンバイモードにおいて、第2の低電圧側電源電圧ARVSSを第1の低電圧側電源電圧VSSよりも高くする。例えば、第2の低電圧側電源電圧ARVSSを第1の低電圧側電源電圧VSSよりも0.1V〜0.2V程度高くする。また、第2の高電圧側電源電圧ARVDDを第1の高電圧側電源電圧VDDよりも低くする。例えば、第2の高電圧側電源電圧ARVDDを第1の高電圧側電源電圧VDDよりも0.1V〜0.2V程度低くする。
【0046】
ここで、第2の高電圧側電源ARVDDを下げることにより、GIDL成分及びゲートリーク成分の低下させることができる。また、NMOSトランジスタのソース電圧である第2の低電圧側電源電圧ARVSSを上げると、ゲートソース電圧Vgsが低下すると同時にバックバイアス効果により閾値が上がるため、サブスレッショルドリーク成分が低減する。この結果、特に、高温状態における待機消費電流ISBを低減することができる。なお、上述の第2の低電圧側電源電圧ARVSSを上げるだけ、あるいは、第2の高電圧側電源電圧ARVDDを下げるだけでも、待機消費電流ISBを低減させることができる。
【0047】
図6は、メモリセルMC1の境界線に対し、メモリセルMC1をX軸に線対称に反転させたメモリセルMC1のレイアウトをメモリセルMC2として図示する。
図2に示したメモリセルアレイCAでは、
図3Aに示したメモリセルMC1と、
図6に示したメモリセルMC2と、がY軸方向に対して交互に列状に配置される。
また、メモリセルMC1をY軸に線対称に反転させたメモリセルをMC3、メモリセルMC3をさらにX軸に線対称に反転させたメモリセルをMC4とすると、MC3とMC4とがY軸方向に交互に列状に配置される(MC3、MC4は、
図9Aに図示)。またメモリセルMC1とMC2による列とMC3とMC4による列は、MC1とMC3が隣接するように、互いに隣接して配置される。
なお、メモリセルMC1そのものがMC1の中心に対して点対称なので、MC4はMC1とMC2はMC3と同じレイアウトになる。
換言すると、
図2に示すメモリセルアレイCAは、メモリセルアレイCAのメモリセルMCとしてメモリセルMC1、MC2、MC3、MC4を備え、1つのメモリセルMCは隣接するメモリセルMCとX軸あるいはY軸に対して互いに反転したレイアウトとなるように構成される。つまり実質1種のメモリセルMCのレイアウト構成で均一に構成される。
【0048】
図6に示すように、メモリセルMC2は、4つのゲート電極G1b〜G4b、拡散領域D1b〜D10b、8つの拡散領域コンタクトDC1b〜DC8b、2つのゲートコンタクトGC1b、GC2b、2つの共通コンタクトSC1b、SC2bを備えている。ゲート電極G1b〜G4bは、メモリセルMC1のゲート電極G1a〜G4aとそれぞれ線対称な位置関係にある。拡散領域D1b〜D10bは、メモリセルMC1の拡散領域D1a〜D10aとそれぞれ線対称な位置関係にある。拡散領域コンタクトDC1b〜DC8bは、メモリセルMC1の拡散領域コンタクトDC1a〜DC8aとそれぞれ線対称な位置関係にある。ゲートコンタクトGC1b、GC2bは、メモリセルMC1のゲートコンタクトGC1a、GC2aとそれぞれ線対称な位置関係にある。共通コンタクトSC1b、SC2bは、メモリセルMC1の共通コンタクトSC1a、SC2aとそれぞれ線対称な位置関係にある。
【0049】
次に、
図7A〜7Dを参照して、第1の実施の形態に係るSRAMのウェル電圧供給セルのレイアウトについて説明する。
図7Aは、第1の実施の形態に係るSRAMのウェル電圧供給セルWSC1のレイアウト図である。また、
図7Bは、ウェル電圧供給セルWSC1における第1層配線のレイアウト図である。
図7Cは、ウェル電圧供給セルWSC1における第2層配線のレイアウト図である。
図7Dは、ウェル電圧供給セルWSC1における第3層配線のレイアウト図である。
【0050】
図7Aに示すように、ウェル電圧供給セルWSC1は、8つのゲート電極G11a〜G14a、G11b〜G14b、17個の拡散領域D3a、D3b、D4a、D4b、D10a、D10b、D11、D12a、D12b、D15a、D15b、D16a、D16b、D17、D18、D19a、D19b、13個の拡散領域コンタクトDC2a、DC2b、DC5a、DC5b、DC6a、DC6b、DC11、DC13、DC14a、DC14b、DC17a、DC17b、DC18、4つのゲートコンタクトGC11a、GC11b、GC12a、GC12b、4つの共通コンタクトSC11a、SC11b、SC12a、SC12bを備えている。
ウェル電圧供給セルWSC1は、ウェル電圧供給セルWSCaとウェル電圧供給セルWSCbとから成る。ウェル電圧供給セルWSCaとウェル電圧供給セルWSCbとは、
図7Aに示すように、互いに隣接し、隣接する境界線を軸として互いに線対称に構成されている。言い換えると、ウェル電圧供給セルWSCbはウェル電圧供給セルWSCaをX軸で線対称に反転させたものである。
図3A同様に、
図7Aでは、一点鎖線で囲われた単位で、ウェル電圧供給セルWSCa、WSCbが構成される。そして、ウェル電圧供給セルWSCa、WSCbをあわせたものが、1つのウェル電圧供給セルWSC1である。一点鎖線の外側の部分は隣接して配置されるセルが備える。この一点鎖線で示す部分がそれぞれウェル電圧供給セルWSCa、WSCbのセル枠である。
また、メモリセルMC1と同様、ウェル電圧供給セルWSC1をY軸に対して反転させたレイアウト構成のウェル電圧供給セルWSC2を備える。ここでウェル電圧供給セルWSC2は、ウェル電圧供給セルWSCaをY軸反転させたレイアウト構成のウェル電圧供給セルWSCcとウェル電圧供給セルWSCbをY軸反転させたレイアウト構成のウェル電圧供給セルWSCdとを備えるように構成される(WSC2、WSCc、WSCdは、
図9Aに図示)。
図2に示すウェル電圧供給セルWSCにはこのように構成されたウェル電圧供給セルWSC1とWSC2とが配置される。ウェル電圧供給セルWSC1とWSC2とは交互に隣接するようにウェル電圧供給セルWSCとして配置される。
【0051】
ここで、ウェル電圧供給セルWSC1の上側には、
図3Aに示したメモリセルMC1が配置される。つまり、拡散領域D3a、D4a、D10a及び拡散領域コンタクトDC2a、DC5a、DC6aは、
図3Aに示したメモリセルMC1と共有されている。
拡散領域コンタクトDC2a、DC5a、DC6aは、メモリセルMC1とウェル電圧供給セルWSC1とが半分ずつ備え、メモリセルMC1とウェル電圧供給セルWSC1を隣接配置することにより、拡散領域コンタクトDC2a、DC5a、DC6aは、それぞれ1つの拡散領域コンタクトとを構成する。なお、
図7B〜
図7Dの示す上層の配線層のも同様に、図の一点鎖線で示すセル枠上に掛かる配線は、メモリセルMC1とウェル電圧供給セルWSC1とが半分ずつ備え、メモリセルMC1とウェル電圧供給セルWSC1を隣接配置することによりそれぞれ1つの配線を形成する。
【0052】
また、ウェル電圧供給セルWSC1の上側の領域は、ウェル電圧供給セルWSC1の上側の境界線を対称軸として、
図3Aに示したメモリセルMC1と線対称なレイアウトとなっている。具体的には、ゲート電極G11a〜G14aは、メモリセルMC1のゲート電極G1a〜G4aとそれぞれ線対称な位置関係にある。拡散領域D12a、D15a、D16a、D19aは、メモリセルMC1の拡散領域D2a、D5a、D6a、D9aとそれぞれ線対称な位置関係にある。拡散領域コンタクトDC14a、DC17aは、メモリセルMC1の拡散領域コンタクトDC4a、DC7aとそれぞれ線対称な位置関係にある。ゲートコンタクトGC11a、GC12aは、メモリセルMC1のゲートコンタクトGC1a、GC2aとそれぞれ線対称な位置関係にある。共通コンタクトSC11a、SC12aは、メモリセルMC1の共通コンタクトSC1a、SC2aとそれぞれ線対称な位置関係にある。
換言すると、ウェル電圧供給セルWSCaとメモリセルMC1とは、境界線を対称軸として、線対称なレイアウトとなっている。
【0053】
他方、ウェル電圧供給セルWSC1の下側には、
図6に示したメモリセルMC2が配置される。つまり、拡散領域D3b、D4b、D10b及び拡散領域コンタクトDC2b、DC5b、DC6bは、
図6に示したメモリセルMC2と共有されている。
拡散領域コンタクトDC2b、DC5b、DC6bは、メモリセルMC1とウェル電圧供給セルWSC1とが半分ずつ備え、メモリセルMC1とウェル電圧供給セルWSC1を隣接配置することにより、拡散領域コンタクトDC2b、DC5b、DC6bは、それぞれ1つの拡散領域コンタクトとを構成する。
【0054】
また、ウェル電圧供給セルWSC1の下側の領域は、ウェル電圧供給セルWSC1の下側の境界線を対称軸として、
図6に示したメモリセルMC2と線対称なレイアウトとなっている。具体的には、ゲート電極G11b〜G14bは、メモリセルMC2のゲート電極G1b〜G4bとそれぞれ線対称な位置関係にある。拡散領域D12b、D15b、D16b、D19bは、メモリセルMC2の拡散領域D2b、D5b、D6b、D9bとそれぞれ線対称な位置関係にある。拡散領域コンタクトDC14b、DC17bは、メモリセルMC2の拡散領域コンタクトDC4b、DC7bとそれぞれ線対称な位置関係にある。ゲートコンタクトGC11b、GC12bは、メモリセルMC2のゲートコンタクトGC1b、GC2bとそれぞれ線対称な位置関係にある。共通コンタクトSC11b、SC12bは、メモリセルMC2の共通コンタクトSC1b、SC2bとそれぞれ線対称な位置関係にある。
換言すると、ウェル電圧供給セルWSCbとメモリセルMC2とは、境界線を対称軸として、線対称なレイアウトとなっている。
【0055】
このように、ウェル電圧供給セルWSC1は、拡散領域(つまり素子分離層STI)、ゲート電極、コンタクトのレイアウトに関し、上下に配置されるメモリセルと同様の規則性を有している。そのため、ウェル電圧供給セルWSC1に隣接配置されるメモリセル内のトランジスタの特性及び形状の変動を抑制し、信頼性を高めることができる。なお、理想的には、ウェル電圧供給セルWSC1における拡散領域コンタクトDC11、DC13、DC18も、メモリセルMC1の拡散領域コンタクトDC1a、DC3a、DC8aとそれぞれ線対称な位置関係にあることが好ましい。また、ウェル電圧供給セルWSC1における拡散領域コンタクトDC11、DC13、DC18は、メモリセルMC2の拡散領域コンタクトDC1b、DC3b、DC8bとそれぞれ線対称な位置関係にあることが好ましい。しかしながら、
図7Aに矢印で示したゲート電極G11a、G11b間の距離yは、適宜決定することができる。例えば、距離yを大きくするとウェル電圧供給セルWSC1のサイズが大きくなるが、ウェルコンタクト形成が容易になる効果がある。
【0056】
メモリセルMC1、MC2では、Pウェル形成領域には、N
+イオンが注入され、N型拡散領域が形成され、Nウェル形成領域には、P
+イオンが注入され、P型拡散領域が形成されている。
【0057】
これに対し、ウェル電圧供給セルWSC1では、Pウェルに第1の低電圧側電源電圧VSSを供給するためのP型拡散領域を、Pウェル形成領域のY方向中央部に形成する。また、Nウェルに第1の高電圧側電源電圧VDDを供給するためのN型拡散領域をNウェル形成領域のY方向中央部に形成する。
【0058】
図7Aの場合、Pウェル形成領域では、ゲート電極G11aの中心線からゲート電極G11bの中心線に至る領域にP
+イオンが注入される。また、ゲート電極G14aの中心線からゲート電極G14bの中心線に至る領域にP
+イオンが注入される。Nウェル形成領域では、ゲート電極G12aとゲート電極G11aとの間の位置からゲート電極G12bと電極G11bとの間の位置に至る領域にN
+イオンが注入される。なお、
図7Aにおいて、ハッチング部がP
+イオン注入領域であり、その他の領域がN
+イオン注入領域である。
図3A、
図6等においても同様である。
【0059】
図8は、
図7Aに対応したウェル電圧供給セルWSC1の回路図である。
図8に示すように、ウェル電圧供給セルWSC1は、NMOSトランジスタNM12、NM13、NM22、NM23、PMOSトランジスタPM32、PM33、寄生ダイオードPD10、PD11、PD20、PD21、寄生抵抗R30、R31を備えている。
【0060】
NMOSトランジスタNM12は、ゲート電極G13aから構成されるダミートランジスタである。NMOSトランジスタNM12のソース・ドレインの一方は、ビット線DTに接続され、他方は、第1の低電圧側電源VSSに接続されている。また、NMOSトランジスタNM12のゲート及びウェル(バックゲート)も第1の低電圧側電源VSSに接続されている。そのため、NMOSトランジスタNM12は常にオフの状態であり、確実に動作が防止されている。
【0061】
同様に、NMOSトランジスタNM13は、ゲート電極G13bから構成されるダミートランジスタである。NMOSトランジスタNM13のソース・ドレインの一方は、ビット線DTに接続され、他方は、第1の低電圧側電源VSSに接続されている。また、NMOSトランジスタNM13のゲート及びウェル(バックゲート)も第1の低電圧側電源VSSに接続されている。そのため、NMOSトランジスタNM13は常にオフの状態であり、確実に動作が防止されている。
【0062】
寄生ダイオードPD10は、P
+イオンとN
+イオンの両方が注入されたポリシリコンからなるダミーゲート電極G11aの下に形成されたP
+拡散領域、Pウェル、N
+拡散領域から構成される。カソードは、NMOSトランジスタNM12のソース・ドレインの他方に接続されている。アノードは、寄生ダイオードPD11のアノードに接続されている。また、寄生ダイオードPD10のカソード及びアノードは共に第1の低電圧側電源VSSに接続されている。
【0063】
同様に、寄生ダイオードPD11は、P
+イオンとN
+イオンの両方が注入されたポリシリコンからなるダミーゲート電極G11bの下に形成されたP
+拡散領域、Pウェル、N
+拡散領域から構成される。カソードは、NMOSトランジスタNM13のソース・ドレインの他方に接続されている。また、寄生ダイオードPD11のカソード及びアノードは共に第1の低電圧側電源VSSに接続されている。
【0064】
PMOSトランジスタPM32は、ゲート電極G12aから構成されるダミートランジスタである。PMOSトランジスタPM32のソース・ドレインの一方は、第2の高電圧側電源ARVDDに接続され、他方は、第1の高電圧側電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタPM32のゲート及びウェル(バックゲート)も第1の高電圧側電源VDDに接続されている。そのため、PMOSトランジスタPM32は常にオフの状態であり、確実に動作が防止されている。
【0065】
同様に、PMOSトランジスタPM33は、ゲート電極G12bから構成されるダミートランジスタである。PMOSトランジスタPM33のソース・ドレインの一方は、第2の高電圧側電源ARVDDに接続され、他方は、第1の高電圧側電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタPM33のゲート及びウェル(バックゲート)も第1の高電圧側電源VDDに接続されている。そのため、PMOSトランジスタPM33は常にオフの状態であり、確実に動作が防止されている。
【0066】
寄生抵抗R30は、ゲート電極G11aの下に形成されたN
+拡散領域、Nウェル、N
+拡散領域から構成される。寄生抵抗R30の一端は、PMOSトランジスタPM32のソース・ドレインの他方に接続されている。寄生抵抗R30の他端は、寄生抵抗R31の一端に接続されている。また、寄生抵抗R30の両端は第1の高電圧側電源VDDに接続されている。
【0067】
寄生抵抗R31は、ゲート電極G11bの下に形成されたN
+拡散領域、Nウェル、N
+拡散領域から構成される。寄生抵抗R31の他端は、PMOSトランジスタPM33のソース・ドレインの他方に接続されている。また、寄生抵抗R30の両端は第1の高電圧側電源VDDに接続されている。
【0068】
NMOSトランジスタNM22は、ゲート電極G12aから構成されるダミートランジスタである。NMOSトランジスタNM22のソース・ドレインの両方が、第2の低電圧側電源ARVSSに接続されている。また、NMOSトランジスタNM22のゲートは第1の高電圧側電源VDDに接続され、ウェル(バックゲート)は第1の低電圧側電源VSSに接続されている。そのため、NMOSトランジスタNM22は常にオンの状態であり、確実に動作が防止されている。
【0069】
同様に、NMOSトランジスタNM23は、ゲート電極G12bから構成されるダミートランジスタである。NMOSトランジスタNM23のソース・ドレインの両方が、第2の低電圧側電源ARVSSに接続されている。また、NMOSトランジスタNM23のゲートは第1の高電圧側電源VDDに接続され、ウェル(バックゲート)は第1の低電圧側電源VSSに接続されている。そのため、NMOSトランジスタNM23も常にオンの状態であり、確実に動作が防止されている。
【0070】
寄生ダイオードPD20は、P
+イオンとN
+イオンの両方が注入されたポリシリコンからなるダミーゲート電極G12aの下に形成されたP
+拡散領域、Pウェル、N
+拡散領域から構成される。カソードは、NMOSトランジスタNM22のソース・ドレインに接続されている。アノードは、寄生ダイオードPD21のアノードに接続されている。また、寄生ダイオードPD20のアノードは、第1の低電圧側電源VSSに接続されている。
【0071】
同様に、寄生ダイオードPD21は、P
+イオンとN
+イオンの両方が注入されたポリシリコンからなるダミーゲート電極G12bの下に形成されたP
+拡散領域、Pウェル、N
+拡散領域から構成される。カソードは、NMOSトランジスタNM23のソース・ドレインに接続されている。アノードは、第1の低電圧側電源VSSに接続されている。第2の低電圧側電源ARVSSは第1の低電圧側電源VSSよりも電圧が高いため寄生ダイオードPD20、PD21は逆バイアスダイオードとなり、第2の低電圧側電源ARVSSと第1の低電圧側電源VSSとは分離される。
【0072】
ここで、
図7Bは、実施の形態1に係るウェル電圧供給セルWSC1における第1層配線のレイアウト図である。
図7Bには、破線で
図7Aに示された各コンタクトも併せて示されている。
【0073】
図7A、7Bに示すように、NMOSトランジスタNM12のゲート電極G13aは、ゲートコンタクトGC11aを介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML112に接続されている。同様に、NMOSトランジスタNM13のゲート電極G13bは、ゲートコンタクトGC11bを介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML112に接続されている。ゲートコンタクトGC11a、GC11bは、ウェル電圧供給セルWSC1のY方向の境界線上に形成されている。
【0074】
NMOSトランジスタNM12を構成するN型の拡散領域D3aは、拡散領域コンタクトDC5aを介して、ビット線DTに接続するための中継配線である第1層配線ML103aに接続されている。同様に、NMOSトランジスタNM13を構成するN型の拡散領域D3bは、拡散領域コンタクトDC5bを介して、ビット線DTに接続するための中継配線である第1層配線ML103bに接続されている。
【0075】
NMOSトランジスタNM12を構成するN型の拡散領域D12aは、拡散領域コンタクトDC14aを介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML112に接続されている。同様に、NMOSトランジスタNM13を構成するN型の拡散領域D12bは、拡散領域コンタクトDC14bを介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML112に接続されている。
【0076】
Pウェルに第1の低電圧側電源VSSを供給するためのP型の拡散領域D11は、拡散領域コンタクトDC11を介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML112に接続されている。
【0077】
NMOSトランジスタNM22を構成するN型の拡散領域D10aは、拡散領域コンタクトDC6aを介して、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための中継配線である第1層配線ML111aに接続されている。同様に、NMOSトランジスタNM23を構成するN型の拡散領域D10bは、拡散領域コンタクトDC6bを介して、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための中継配線である第1層配線ML111bに接続されている。
【0078】
NMOSトランジスタNM22を構成するN型の拡散領域D19aは、拡散領域コンタクトDC17aを介して、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための中継配線である第1層配線ML111aに接続されている。同様に、NMOSトランジスタNM23を構成するN型の拡散領域D19bは、拡散領域コンタクトDC17bを介して、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための中継配線である第1層配線ML111bに接続されている。
【0079】
ゲート電極G14aは、ゲートコンタクトGC12aを介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML114に接続されている。同様に、ゲート電極G14bは、ゲートコンタクトGC12bを介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML114に接続されている。ゲートコンタクトGC12a、GC12bは、ウェル電圧供給セルWSC1のY方向の境界線上に形成されている。
【0080】
Pウェルに第1の低電圧側電源VSSを供給するためのP型の拡散領域D18は、拡散領域コンタクトDC18を介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML114に接続されている。
【0081】
PMOSトランジスタPM32を構成するP型の拡散領域D4aは、拡散領域コンタクトDC2aを介して、第2の高電圧側電源ARVDDに接続するための中継配線である第1層配線ML106aに接続されている。同様に、PMOSトランジスタPM33を構成するP型の拡散領域D4bは、拡散領域コンタクトDC2bを介して、第2の高電圧側電源ARVDDに接続するための中継配線である第1層配線ML106bに接続されている。
【0082】
PMOSトランジスタPM32及びNMOSトランジスタNM22に共有されるゲート電極G12aは、共通コンタクトSC11aを介して、拡散領域D16aに接続されている。共通コンタクトSC11aは、第1の高電圧側電源VDDに接続するための中継配線である第1層配線ML113に接続されている。同様に、PMOSトランジスタPM33及びNMOSトランジスタNM23に共有されるゲート電極G12bは、共通コンタクトSC11bを介して、拡散領域D16bに接続されている。共通コンタクトSC11bは、第1の高電圧側電源VDDに接続するための中継配線である第1層配線ML113に接続されている。
【0083】
ゲート電極G11aは、共通コンタクトSC12aを介して、拡散領域D15aに接続されている。共通コンタクトSC12aは、第1の高電圧側電源VDDに接続するための中継配線である第1層配線ML113に接続されている。同様に、ゲート電極G11bは、共通コンタクトSC12bを介して、拡散領域D15bに接続されている。共通コンタクトSC12bは、第1の高電圧側電源VDDに接続するための中継配線である第1層配線ML113に接続されている。
【0084】
Nウェルに第1の高電圧側電源VDDを供給するためのN型の拡散領域D17は、拡散領域コンタクトDC11を介して、第1の高電圧側電源VDDに接続するための中継配線である第1層配線ML113に接続されている。
【0085】
図7Bを参照して、第1層配線の平面配置について説明する。
ビット線DTに接続される第1層配線ML103aは、拡散領域コンタクトDC5aが形成されたX方向の境界線に沿って、拡散領域コンタクトDC5aの形成位置からウェル電圧供給セルWSC1の中央側に若干延びて設けられている。同様に、ビット線DTに接続される第1層配線ML103bは、拡散領域コンタクトDC5bが形成されたX方向の境界線に沿って、拡散領域コンタクトDC5bの形成位置からウェル電圧供給セルWSC1の中央側に若干延びて設けられている。ここで、第1層配線ML103aと第1層配線ML103bとは、対向する境界線上に対向配置されている。
【0086】
第2の高電圧側電源ARVDDに接続される第1層配線ML106aは、拡散領域コンタクトDC2a上において、拡散領域コンタクトDC2aよりもやや大きく形成されている。同様に、第2の高電圧側電源ARVDDに接続される第1層配線ML106bは、拡散領域コンタクトDC2b上において、拡散領域コンタクトDC2bよりもやや大きく形成されている。ここで、第1層配線ML106aと第1層配線ML106bとは、対向するX方向の境界線上に対向配置されている。
【0087】
第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための第1層配線ML111aは、拡散領域コンタクトDC6aが形成されたX方向の境界線に沿って、拡散領域コンタクトDC6aの形成位置から近接するウェル電圧供給セルWSC1のコーナー(角部)まで延設された第1の直線部を有する。また、拡散領域コンタクトDC6aから拡散領域コンタクトDC17aまでY方向に延設された第2の直線部を有する。すなわち、第1層配線ML111aは略L字形状を有している。同様に、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための第1層配線ML111bは、拡散領域コンタクトDC6bが形成されたX方向の境界線に沿って、拡散領域コンタクトDC6bの形成位置から近接するウェル電圧供給セルWSC1のコーナー(角部)まで延設された第1の直線部を有する。また、拡散領域コンタクトDC6bから拡散領域コンタクトDC17bまでY方向に延設された第2の直線部を有する。すなわち、第1層配線ML111bは略L字形状を有している。ここで、第1層配線ML111aと第1層配線ML111bとは、対向するX方向の境界線上に対向配置されている。
【0088】
第1の低電圧側電源VSSに接続するための第1層配線ML112は、Y方向の境界線に沿って、ゲートコンタクトGC11aからゲートコンタクトGC11bまでを結ぶように延設された第1の直線部を有する。また、第1の直線部から3つ拡散領域コンタクトDC13、DC14a、DC14BまでX方向に延設された3本の第2の直線部を有する。すなわち、第1層配線ML112は櫛歯形状を有している。
【0089】
第1の高電圧側電源VDDに接続するための第1層配線ML113は、共通コンタクトSC11aから拡散領域コンタクトDC11を介して共通コンタクトSC11bまでを結ぶようにY方向に延設された第1の直線部を有する。また、共通コンタクトSC12aから共通コンタクトSC12bまでを結ぶようにY方向に延設された第2の直線部を有する。さらに、第1の直線部の中央部と、第2の直線部の中央部と、結ぶようにX方向に設けられた第3の直線部を有する。すなわち、第1層配線ML113は略H字形状を有している。
【0090】
第1の低電圧側電源VSSに接続するための第1層配線ML114は、ゲートコンタクトGC12aからゲートコンタクトGC12bまでを結ぶようにY方向の境界線上に延設された第1の直線部を有する。また、第1の直線部から拡散領域コンタクトDC18までX方向に延設された第2の直線部を有する。すなわち、第1層配線ML114は略T字形状を有している。
【0091】
次に、
図7Cを参照して、第2層配線の平面配置について説明する。
図7Cには、各第1層配線と第2層配線との間に設けられた12個の第1ビアV102a、V102b、V105a、V105b、V106a、V106b、V111a、V111b、V112、V113、V114a、V114bも破線で併せて示されている。
【0092】
第2層配線ML204aは、第2の低電圧側電源ARVSSに接続される第1ビアV106a上において、第1ビアV106aよりもやや大きく形成されている。ここで、第1ビアV106aは第1層配線ML111a上において、ウェル電圧供給セルWSC1のコーナーに設けられている。同様に、第2層配線ML204bは、第2の低電圧側電源ARVSSに接続される第1ビアV106b上において、第1ビアV106bよりもやや大きく形成されている。ここで、第1ビアV106bは第1層配線ML111b上において、ウェル電圧供給セルWSC1のコーナーに設けられている。つまり、第2層配線ML204aと第2層配線ML204bとは、Y方向の境界線の両端に設けられている。
【0093】
第1の低電圧側電源VSSに接続するための第2層配線ML211は、第1ビアV111aから第1ビアV112を介して第1ビアV111bまでY方向の境界線に沿って延設されている。ここで、第1ビアV111a、V111b、V112は、第1層配線ML112においてY方向の境界線上に等間隔で設けられている。
【0094】
第1の高電圧側電源VDDに接続するための第2層配線ML212は、第1ビアV113を通るように、Y方向に延設されている。ここで、第1ビアV113は、第1層配線ML113に設けられている。
【0095】
第1の低電圧側電源VSSに接続するための第2層配線ML213は、第1ビアV114aから第1ビアV114bまでY方向の境界線に沿って延設されている。ここで、第1ビアV114a、V114bは、第1層配線ML114においてY方向の境界線上に設けられている。
【0096】
第2配線層からなるビット線DTは、第1ビアV105a、V105bを通るように、Y方向に延設されている。ここで、第1ビアV105a、V105bは、異なるX方向の境界線上に設けられた第1層配線ML103a、ML103b上にそれぞれ設けられている。
なお、メモリセルMC1と同様に、第2配線層からなるビット線DBが、ビット線DTと平行に設けられている。ウェル電圧供給セルWSC1内には、ビット線DBに接続された第1ビアは設けられていない。
【0097】
第2配線層からなる電源線PS1は、第1ビアV102a、V102bを通るように、Y方向に延設されている。ここで、第1ビアV105a、V105bは、異なるX方向の境界線上に設けられた第1層配線ML106a、ML106b上にそれぞれ設けられている。電源線PS1は、第2の高電圧側電源ARVDDに接続されている。
【0098】
次に、
図7Dを参照して、第3層配線の平面配置について説明する。
図7Dには、各第2層配線と第3層配線との間に設けられた5つの第2ビアV204a、V204b、V205〜V207も破線で併せて示されている。
【0099】
第3配線層からなる電源線PS22aは、第2ビアV204aを通るように、X方向の境界線に沿って延設されている。ここで、第2ビアV204aは、第2層配線ML204a上において、ウェル電圧供給セルWSC1のコーナーに設けられている。
また、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための第3配線層からなる電源線PS22bは、第2ビアV204bを通るように、X方向の境界線に沿って延設されている。ここで、第2ビアV204bは、第2層配線ML204b上において、ウェル電圧供給セルWSC1のコーナーに設けられている。当然のことながら、電源線PS22a、PS22bは異なる境界線上に設けられている。電源線PS22a、PS22bは、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するためのものである。
【0100】
第3配線層からなる電源線PS3は、第2ビアV205、V206を通るように、X方向に延設されている。ここで、第2ビアV205は、Y方向の境界線上に設けられた第2層配線ML211上に設けられている。第2ビアV206は、Y方向の境界線上に設けられた第2層配線ML213上に設けられている。電源線PS3は、第1の低電圧側電源VSSに接続するためのものである。
【0101】
第3配線層からなる電源線PS4は、第2ビアV207を通るように、X方向に延設されている。ここで、第2ビアV207は、第2層配線ML212上に設けられている。電源線PS3は、第1の高電圧側電源VDDに接続するためのものである。
なお、上述のメモリセルMC1〜MC4やウェル電圧供給セルWSCa〜WSCdは、セル枠(1点鎖線で示す)の中のみレイアウト構成物(ゲート、配線、コンタクト)を有するとして説明したが、セル枠を挟むレイアウト構成物を有するように構成してもよい。
セル枠が互いに接するようにこれらメモリセルMC1〜MC4やウェル電圧供給セルWSCa〜WSCdなどを配置することにより、互いにセル枠からはみ出た部分のレイアウト構成物がぴったり重なり合う場合は、実質的に問題を生じない。
【0102】
図9Aは、
図2におけるエリアA1におけるメモリセル及びウェル電圧供給セルのレイアウト例を示す図である。なお、符号は省略されている。
図9Aに示すように、
図7Aに示したウェル電圧供給セルWSC1の上側にメモリセルMC1、下側に
図6に示したメモリセルMC2が配置されている。メモリセルMC1のさらに上側には、メモリセルMC2が配置されている。また、メモリセルMC2のさらに下側には、メモリセルMC1が配置されている。
【0103】
そして、ウェル電圧供給セルWSC1の右側に隣接配置されたウェル電圧供給セルWSC2は、両者の境界線に対して、ウェル電圧供給セルWSC1と線対称なレイアウトを有している。同様に、メモリセルMC1の右側に隣接配置されたメモリセルMC3は、両者の境界線に対して、メモリセルMC1と線対称なレイアウトを有している。メモリセルMC2の右側に隣接配置されたメモリセルMC4は、両者の境界線に対して、メモリセルMC2と線対称なレイアウトを有している。メモリセルMC3の上側にはメモリセルMC4が隣接配置される。メモリセルMC4の下側にはメモリセルMC3が隣接配置される。
上記したように、メモリセルMC1そのものがMC1の中心に対して点対称なので、MC4はMC1とMC2はMC3と同じレイアウトになる。従って、ウェル電圧供給セルWSC2の上側にはMC2が、下側にはMC1がそれぞれ隣接配置されたことと等価である。
【0104】
図9Aから、ウェル電圧供給セルWSC1のレイアウトが、メモリセルと同様の規則性を有していることが分かる。
【0105】
図9Bは、
図3Aに示したメモリセルMC1、
図7Aに示したウェル電圧供給セルWSC1、
図6に示したメモリセルMC2の3つのみを配置した状態を示す図である。ゲート電極のみについて符号が付されている。
【0106】
次に、
図10〜
図13を用いて、メモリセルMC1、ウェル電圧供給セルWSC1、メモリセルMC2の断面構造について説明する。
図10は、
図9BのA−A'断面図である。
図11は、
図9BのB−B'断面図である。
図12は、
図9BのC−C'断面図である。
図13は、
図9BのD−D'断面図である。なお、接続関係等についての詳細は上述の通りであるため、断面構成についてのみ説明する。
【0107】
図10に示すように、Pウェル形成領域では、P型基板PSUB上にPウェルPWが形成されている。PウェルPW上には、N型の拡散領域D1a、D2a、D3a、D12a、D1b、D2b、D3b、D12b及びP型の拡散領域D11が形成されている。それぞれの拡散領域上には、シリサイド層SLを介して、拡散領域コンタクトが形成されている。例えば、ウェル電圧を供給するためのP型の拡散領域D11上は、第1の低電圧側電源VSSに接続された拡散領域コンタクトDC13が形成されている。
【0108】
隣接する拡散領域間におけるPウェルPW上にはゲート電極が形成されている。例えば、拡散領域D1a、D2aの間には、ゲート電極G1aが形成されている。
各ゲート電極の両側面にはサイドウォールSWが形成されている。また、各ゲート電極上にもシリサイド層SLが形成されている。さらに、各ゲート電極上には、ストッパ窒化膜NFが形成されている。
【0109】
図11も
図10と同様にPウェル形成領域であるため、同様の断面構成を有している。すなわち、P型基板PSUB上にPウェルPWが形成されている。PウェルPW上には、N型の拡散領域D8a、D9a、D10a、D19a、D8b、D9b、D10b、D19b及びP型の拡散領域D18が形成されている。それぞれの拡散領域上には、シリサイド層SLを介して、拡散領域コンタクトが形成されている。例えば、ウェル電圧を供給するためのP型の拡散領域D18上は、第1の低電圧側電源VSSに接続された拡散領域コンタクトDC18が形成されている。
【0110】
図12に示すように、Nウェル形成領域では、P型基板PSUB上にNウェルNWが形成されている。NウェルNW上には、P型の拡散領域D6a、D7a、D6b、D7b、N型の拡散領域D17、N型とP型が混在した拡散領域D16a、D16bが形成されている。それぞれの拡散領域上には、シリサイド層SLを介して、拡散領域コンタクト又は共通コンタクトが形成されている。例えば、ウェル電圧を供給するためのN型の拡散領域D17上は、第1の高電圧側電源VDDに接続された拡散領域コンタクトDC11が形成されている。また、例えば、拡散領域D6a上には共通コンタクトSC1aが形成されている。ここで、共通コンタクトSC1aは、ゲート電極G2a上まで形成されている。他の共通コンタクトについても同様である。
【0111】
また、拡散領域以外には、素子分離層STIが形成されている。
図12では、メモリセルMC1とウェル電圧供給セルWSC1との境界及びメモリセルMC2とウェル電圧供給セルWSC1との境界には拡散領域が形成されておらず、素子分離層STIが形成されている。
【0112】
図13もNウェル形成領域であるため、P型基板PSUB上にNウェルNWが形成されている。NウェルNW上には、P型の拡散領域D4a、D5a、D6a、D7b、及びN型とP型が混在した拡散領域D15a、D15bが形成されている。
図13の断面では、ウェル電圧を供給するためのN型の拡散領域は形成されていない。それぞれの拡散領域上には、シリサイド層SLを介して、拡散領域コンタクト又は共通コンタクトが形成されている。
【0113】
図13の断面では、ウェル電圧供給セルWSC1の中央部及びメモリセルMC1、MC2の端部において拡散領域が形成されておらず、素子分離層STIが形成されている。
【0114】
次に、
図14A、14Bを用いて、ウェル電圧を供給するためのP型の拡散領域D18を形成する工程について説明する。
図14Aはイオン注入時のイメージ断面図である。
図14Bはアニール後のイメージ断面図である。
図14A、14Bは、
図11のB−B'断面におけるX−X'の範囲を示している。
【0115】
図14Aに示すように、イオン注入におけるP+注入領域と、N
+注入領域との境界がゲート電極G14a、G14b上にある。そのため、P
+注入領域にイオン注入を行なう場合、N
+注入領域がレジストでマスクされると同時にゲート電極G14a、G14bおよびサイドウォールをハードマスクとしP
+注入が行なわれる。N
+注入領域にイオン注入を行なう場合、P
+注入領域がレジストでマスクされると同時にゲート電極G14a、G14bおよびサイドウォールをハードマスクとしN+注入が行なわれる。そのため、ゲート電極G14aには、P
+イオン(例えば、B)とN
+イオン(例えばAs、P)の両方が注入される。ゲート電極G14aのサイドウォール左側にはN
+イオンが注入される。ゲート電極G14aのサイドウォール右側にはP
+イオンが注入される。ゲート電極G14bには、P
+イオン(例えば、B)とN
+イオン(例えばAs、P)の両方が注入される。ゲート電極G14bのサイドウォール左側にはP
+イオンが注入される。ゲート電極G14aのサイドウォール右側にはN
+イオンが注入される。この段階においては、P
+イオンとN
+イオンとの境界が明確である。
【0116】
一方、
図14Bに示すように、アニール後には、ゲート電極G14a、G14b内において、P
+イオンとN
+イオンとが相互に拡散するため、P
+イオンとN
+イオンとの境界は明確でなくなる。しかしながら、ゲート電極G14a、G14bでは、他のゲート電極(例えば、対称な配置関係にあるゲート電極G4a、G4b)に比べN
+イオンの濃度が低く、P
+イオンの濃度が高くなる。ゲート電極G14aのサイドウォール左側はN
+イオン濃度が高く、サイドウォール右側はP
+イオン濃度が高くなる(換言すると、ゲート電極G14aのサイドウォール左側は右側に比べN
+イオン濃度が高くなる)。ゲート電極G14bのサイドウォール左側はP
+イオン濃度が高く、サイドウォール右側はN
+イオン濃度が高くなる(換言すると、ゲート電極G14bのサイドウォール右側は左側に比べN
+イオン濃度が高くなる)。これは、透過型電子顕微鏡(TEM)のEDX解析、あるいはアトムプローブ解析により確認することができる。
【0117】
図15Aは、
図7Aにおける右側のPウェル形成領域を左回りに90°回転した図面である。
図15Bは、
図15AのX−X'断面図であって、
図11のB−B'断面におけるX−X'の範囲と同じものである。
図15Cは、
図15A、15Bに対応した回路図であって、
図8の回路図の一部である。つまり、
図15A〜15Cについては、上述の通りであるため、省略する。ここで、ウェル電圧を供給するための拡散領域D18に注目する。
【0118】
図16A〜16Cは、
図15A〜15Cに比べて、P
+注入領域を狭くした場合の図である。
図16A、16Bに示すように、ゲート電極G14a及びゲート電極G14bの両側にN型の拡散領域が形成される。そのため、ゲート電極G14a及びゲート電極G14bがNMOSトランジスタを構成する。
【0119】
図16Cに示すように、NMOSトランジスタNM20は、ゲート電極G14aから構成されるダミートランジスタである。NMOSトランジスタNM20のソース・ドレインの一方が、第2の低電圧側電源ARVSSに接続されている。また、NMOSトランジスタNM20のソース・ドレインの他方、ゲート、及びウェル(バックゲート)は第1の低電圧側電源VSSに接続されている。そのため、NMOSトランジスタNM20は常時オフとなる。
【0120】
同様に、NMOSトランジスタNM21は、ゲート電極G14bから構成されるダミートランジスタである。NMOSトランジスタNM21のソース・ドレインの一方が、第2の低電圧側電源ARVSSに接続されている。また、NMOSトランジスタNM21のソース・ドレインの他方、ゲート、及びウェル(バックゲート)は第1の低電圧側電源VSSに接続されている。そのため、NMOSトランジスタNM21は常時オフとなる。
【0121】
このように、P
+注入領域を狭くしても、ウェル電圧である第1の低電圧側電源VSSと第2の低電圧側電源ARVSSとを分離可能である。しかしながら、P
+注入領域を狭める程、製造が困難になる。
【0122】
図17A〜17Cは、
図15A〜15Cに比べて、P
+注入領域を広くした場合の図である。
図17A、17Bに示すように、拡散領域D19a、D19bにもP
+イオンが注入されている。
【0123】
この場合、
図16Bに示すように、ゲート電極G14a、G14bの下にP
+拡散領域、Pウェル、P
+拡散領域からなる寄生抵抗R20、R21が形成される。そのため、ウェル電圧である第1の低電圧側電源VSSと第2の低電圧側電源ARVSSとが寄生抵抗R20、R21を介してショートする。従って、製造工程において、拡散領域D19a、D19bには、P
+イオンを注入しないようにする必要がある。
【0124】
上述の説明では、拡散領域のイオン注入よりも前に行われるExtension(或いはLDD)注入を省略している。Extension注入はサイドウォール形成前に行われ、通常Pウェル形成領域にはN
+イオン注入、Nウェル形成領域にはP
+イオン注入が行われる。
図18Aは
図15Aと同じ断面図においてExtension注入領域を書き加えたものである。また、
図18Bは、ダミーゲート電極G14a、G14bの擬似トランジスタNM20、NM21を考慮した等価回路である。
【0125】
MOS構造においてソース領域がウェルコンタクトとなったダミーゲート電極G14a、G14bはMOS構造とはならないため通常のトランジスタとして動作しない。しかし、ウェルコンタクト領域にもExtension注入が行われる場合、ダミーゲート電極G14a、G14bはExtension領域(N
+)をソース及びドレインとし、擬似トランジスタとして動作し得る。
【0126】
例えば、ゲート電極G14bのソースとなるウェルコンタクト拡散層(P
+)とExtension領域(N
+)はPN接合であり通常であればトランジスタとして動作しない。しかし、コンタクトエッチによるサイドウォールの後退により、シリコン表面のシリサイドによってExtension領域(N
+)とP型拡散領域(P
+)が金属的にショートした場合、あるいはシリサイド成長が拡散領域(P
+)のシリコン表面で止まらずExtension領域(N
+)にまで達した場合、あるいはExtension領域(N
+)と拡散領域(P
+)のPN分離位置が製造過程において拡散領域側に移動した場合が考えられる。よって、ダミーゲート電極の左右拡散層が異電位となる場合、擬似トランジスタによってショートしないようにダミーゲートを電源固定(Pウェル形成領域のゲートは第1の低電圧側電源VSS、Nウェル形成領域のゲートは第1の高電圧側電源VDD)することが好ましい。ダミーゲート電極G14a、G14bは、このような構成となっている。
【0127】
以上、
図9Bより明らかなように、本実施の形態に係る半導体装置は、Pウェル及びNウェル上に、第1の方向(X方向)に延設された第1のゲート電極群(例えばG1a〜G4a)を有し、アクセストランジスタ(例えばAC2a)を構成する第1のゲート電極(例えばG4a)を含む第1のSRAMセル(例えばMC1)と、
第1の方向(X方向)の軸に対して、第1のゲート電極群(例えばG1a〜G4a)と対称な配置関係にある第2のゲート電極群(例えばG1b〜G4b)を有し、アクセストランジスタ(例えばAC2b)を構成する第2のゲート電極(例えばG4b)を含む第2のSRAMセル(例えばMC1)と、
第1の方向(Y方向)に垂直な方向において、第1及び第2のSRAMセルの間に配置され、Pウェル及びNウェルに電圧を供給する第1のウェル電圧供給セル(例えばWSC1)と、を備えている。
第1のウェル電圧供給セル(例えばWSC1)は、
隣接して配置された第1のSRAMセル(例えばMC1)との境界線に対して、第1のゲート電極群と対称な配置関係にあり、第1のゲート電極(例えばG4a)に対応する第3のゲート電極(例えばG14a)を含む第3のゲート電極群(例えばG11a〜G14a)と、
隣接して配置された第2のSRAMセル(例えばMC2)との境界線に対して、第2のゲート電極群と対称な配置関係にあり、第2のゲート電極(例えばG4b)に対応する第4のゲート電極(例えばG14b)を含む第4のゲート電極群(例えばG11b〜G14b)と、
Pウェル上において、対向配置された第3のゲート電極(例えばG14a)と第4のゲート電極(例えばG14b)との間に設けられたP型不純物拡散領域(例えばD18)と、
第3のゲート電極(例えばG14a)の第1のSRAMセル側に設けられた第1のN型不純物拡散領域(例えばD19a)と、
第4のゲート電極(例えばG14b)の第2のSRAMセル側に設けられた第2のN型不純物拡散領域(例えばD19b)と、を備えている。
そのため、本実施の形態により、メモリセルの規則性を損なうことなく、多電源化可能なウェル電圧供給セルのレイアウトを提供することができる。メモリセルMCを駆動するための第2の電源電圧ARVDD、ARVSSと、ウェルに供給する第1の電源電圧VDD、VSSを分離することにより、ウェル電圧を強化してソフトエラー耐性、シングルイベントラッチアップ耐性を改善することが可能となる。また、書き込み動作、読み出し動作時に電源を制御することで書き込みマージンと読み出しマージンを向上することが可能となる。
【0128】
(変形例1)
図19は、
図7Aにおいて、ウェルコンタクト用のP
+イオン及びN
+イオンの注入領域を狭くし、全てのゲート電極をMOS構造とすることにより、トランジスタとして機能させた場合のレイアウト図である。
【0129】
図20は、
図19の等価回路図である。
図8の回路図における寄生ダイオードPD10、PD11がNMOSトランジスタNM10、NM11となっている。また、
図8の回路図における寄生抵抗R30、R31が、PMOSトランジスタPM30、PM31となっている。さらに、
図8の回路図における寄生ダイオードPD20、PD21がNMOSトランジスタNM20、NM21となっている。
【0130】
(変形例2)
図21に示した変形例では、拡散領域D17をX方向に拡大し、第1の高電圧側電源VDD用のウェルコンタクト領域を拡大している。これにより、製造ばらつき等の影響を受けずに、十分なウェルコンタクト面積をより確保しやすくなる。
【0131】
(実施の形態2)
次に、
図22A〜22Dを参照して、第2の実施の形態に係るSRAMのウェル電圧供給セルのレイアウトについて説明する。
図22Aは、第2の実施の形態に係るSRAMのウェル電圧供給セルWSC11のレイアウト図である。また、
図22Bは、ウェル電圧供給セルWSC11における第1層配線のレイアウト図である。
図22Cは、ウェル電圧供給セルWSC11における第2層配線のレイアウト図である。
図22Dは、ウェル電圧供給セルWSC11における第3層配線のレイアウト図である。第2の実施の形態に係るウェル電圧供給セルWSC11は端部に設けられるものである。
【0132】
図22Aに示すように、ウェル電圧供給セルWSC11は、6つのゲート電極G21a〜G24a、G21b、G24b、10個の拡散領域D3a、D4a、D10a、D21、D22a、D25a、D26a、D27、D28、D29a、13個の拡散領域コンタクトDC2a、DC5a、DC6a、DC21、DC23、DC24a、DC27a、DC28、DC29a〜DC29e、2つのゲートコンタクトGC21a、GC22a、4つの共通コンタクトSC21a、SC22aを備えている。
【0133】
ここで、ウェル電圧供給セルWSC1の上側には、
図3Aに示したメモリセルMC1が配置される。つまり、拡散領域D3a、D4a、D10a及び拡散領域コンタクトDC2a、DC5a、DC6aは、
図3Aに示したメモリセルMC1と共有されている。
【0134】
また、ウェル電圧供給セルWSC1の上側の領域は、ウェル電圧供給セルWSC1の上側の境界線を対称軸として、
図3Aに示したメモリセルMC1と線対称なレイアウトとなっている。具体的には、ゲート電極G21a〜G24aは、メモリセルMC1のゲート電極G1a〜G4aとそれぞれ線対称な位置関係にある。拡散領域D22a、D25a、D26a、D29aは、メモリセルMC1の拡散領域D2a、D5a、D6a、D9aとそれぞれ線対称な位置関係にある。拡散領域コンタクトDC24a、DC27aは、メモリセルMC1の拡散領域コンタクトDC4a、DC7aとそれぞれ線対称な位置関係にある。ゲートコンタクトGC21a、GC22aは、メモリセルMC1のゲートコンタクトGC1a、GC2aとそれぞれ線対称な位置関係にある。共通コンタクトSC21a、SC22aは、メモリセルMC1の共通コンタクトSC1a、SC2aとそれぞれ線対称な位置関係にある。
【0135】
このように、ウェル電圧供給セルWSC11は、拡散領域(つまり素子分離層STI)、ゲート電極、コンタクトのレイアウトに関し、上側に配置されるメモリセルMC1と同様の規則性を有している。そのため、ウェル電圧供給セルWSC1に隣接配置されるメモリセル内のトランジスタの特性及び形状の変動を抑制し、信頼性を高めることができる。なお、理想的には、ウェル電圧供給セルWSC11における拡散領域コンタクトDC21、DC23、DC28も、メモリセルMC1の拡散領域コンタクトDC1a、DC3a、DC8aとそれぞれ線対称な位置関係にあることが好ましい。
【0136】
ウェル電圧供給セルWSC11では、Pウェルに第1の低電圧側電源電圧VSSを供給するためのP型拡散領域を、Pウェル形成領域のY方向中央部に形成する。また、Nウェルに第1の高電圧側電源電圧VDDを供給するためのN型拡散領域をNウェル形成領域のY方向中央部に形成する。
【0137】
図22Aの場合、Pウェル形成領域では、ゲート電極G21aの中心線からゲート電極G21bを含む領域にP
+イオンが注入される。また、ゲート電極G24aの中心線からゲート電極G24bを含む領域にP
+イオンが注入される。Nウェル形成領域では、ゲート電極G12aとゲート電極G11aとの間の位置からゲート電極G12bと電極G11bとの間の位置に至る領域にN
+イオンが注入される。なお、
図22Aにおいて、ハッチング部がP
+イオン注入領域であり、その他の領域がN
+イオン注入領域である。
【0138】
図23は、
図22Aに対応したウェル電圧供給セルWSC11の回路図である。
図23に示すように、ウェル電圧供給セルWSC11は、NMOSトランジスタNM112、NM122、PMOSトランジスタPM132、寄生ダイオードPD110、PD120、寄生抵抗R130を備えている。
【0139】
NMOSトランジスタNM112は、ゲート電極G23aから構成されるダミートランジスタである。NMOSトランジスタNM112のソース・ドレインの一方は、ビット線DTに接続され、他方は、第1の低電圧側電源VSSに接続されている。また、NMOSトランジスタNM112のゲート及びウェル(バックゲート)も第1の低電圧側電源VSSに接続されている。そのため、NMOSトランジスタNM112は常にオフの状態であり、確実に動作が防止されている。
【0140】
寄生ダイオードPD110は、P
+イオンとN
+イオンの両方が注入されたポリシリコンからなるダミーゲート電極G21aの下に形成されたP
+拡散領域、Pウェル、N
+拡散領域から構成される。カソードは、NMOSトランジスタNM112のソース・ドレインの他方に接続されている。アノードは、第1の低電圧側電源VSSに接続されている。
【0141】
PMOSトランジスタPM132は、ゲート電極G22aから構成されるダミートランジスタである。PMOSトランジスタPM132のソース・ドレインの一方は、第2の高電圧側電源ARVDDに接続され、他方は、第1の高電圧側電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタPM132のゲート及びウェル(バックゲート)も第1の高電圧側電源VDDに接続されている。そのため、PMOSトランジスタPM132は常にオフの状態であり、確実に動作が防止されている。
【0142】
寄生抵抗R130は、ゲート電極G21aの下に形成されたN
+拡散領域、Nウェル、N
+拡散領域から構成される。寄生抵抗R130の一端は、PMOSトランジスタPM132のソース・ドレインの他方に接続されている。寄生抵抗R130の他端は、第1の高電圧側電源VDDに接続されている。
【0143】
NMOSトランジスタNM122は、ゲート電極G22aから構成されるダミートランジスタである。NMOSトランジスタNM122のソース・ドレインの両方が、第2の低電圧側電源ARVSSに接続されている。また、NMOSトランジスタNM122のゲートは第1の高電圧側電源VDDに接続され、ウェル(バックゲート)は第1の低電圧側電源VSSに接続されている。そのため、NMOSトランジスタNM122は常にオンの状態であり、確実に動作が防止されている。
【0144】
寄生ダイオードPD120は、P
+イオンとN
+イオンの両方が注入されたポリシリコンからなるダミーゲート電極G22aの下に形成されたP
+拡散領域、Pウェル、N
+拡散領域から構成される。カソードは、NMOSトランジスタNM122のソース・ドレインに接続されている。アノードは、寄生ダイオードPD21のアノードに接続されている。また、寄生ダイオードPD120のアノードは、第1の低電圧側電源VSSに接続されている。第2の低電圧側電源ARVSSは第1の低電圧側電源VSSよりも電圧が高いため寄生ダイオードPD120は逆バイアスダイオードとなり、第2の低電圧側電源ARVSSと第1の低電圧側電源VSSとは分離される。
【0145】
ここで、
図22Bは、実施の形態2に係るウェル電圧供給セルWSC11における第1層配線のレイアウト図である。
図22Bには、破線で
図22Aに示された各コンタクトも併せて示されている。
【0146】
図22A、22Bに示すように、NMOSトランジスタNM112のゲート電極G23aは、ゲートコンタクトGC21aを介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML122に接続されている。ゲートコンタクトGC21aは、ウェル電圧供給セルWSC11のY方向の境界線上に形成されている。
【0147】
NMOSトランジスタNM112を構成するN型の拡散領域D3aは、拡散領域コンタクトDC5aを介して、ビット線DTに接続するための中継配線である第1層配線ML103aに接続されている。
【0148】
NMOSトランジスタNM112を構成するN型の拡散領域D22aは、拡散領域コンタクトDC24aを介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML122に接続されている。
【0149】
Pウェルに第1の低電圧側電源VSSを供給するためのP型の拡散領域D21は、拡散領域コンタクトDC23を介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML122に接続されている。
【0150】
NMOSトランジスタNM122を構成するN型の拡散領域D10aは、拡散領域コンタクトDC6aを介して、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための中継配線である第1層配線ML121aに接続されている。
【0151】
NMOSトランジスタNM122を構成するN型の拡散領域D29aは、拡散領域コンタクトDC27aを介して、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための中継配線である第1層配線ML121aに接続されている。
【0152】
ゲート電極G24aは、ゲートコンタクトGC22aを介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML124に接続されている。ゲートコンタクトGC22aは、ウェル電圧供給セルWSC11のY方向の境界線上に形成されている。
【0153】
Pウェルに第1の低電圧側電源VSSを供給するためのP型の拡散領域D28は、拡散領域コンタクトDC28を介して、第1の低電圧側電源VSSに接続するための中継配線である第1層配線ML124に接続されている。
【0154】
PMOSトランジスタPM132を構成するP型の拡散領域D4aは、拡散領域コンタクトDC2aを介して、第2の高電圧側電源ARVDDに接続するための中継配線である第1層配線ML106aに接続されている。
【0155】
PMOSトランジスタPM132及びNMOSトランジスタNM122に共有されるゲート電極G22aは、共通コンタクトSC21aを介して、拡散領域D26aに接続されている。共通コンタクトSC21aは、第1の高電圧側電源VDDに接続するための中継配線である第1層配線ML123に接続されている。
【0156】
ゲート電極G21aは、共通コンタクトSC22aを介して、拡散領域D25aに接続されている。共通コンタクトSC22aは、第1の高電圧側電源VDDに接続するための中継配線である第1層配線ML123に接続されている。
【0157】
Nウェルに第1の高電圧側電源VDDを供給するためのN型の拡散領域D27は、拡散領域コンタクトDC21を介して、第1の高電圧側電源VDDに接続するための中継配線である第1層配線ML123に接続されている。
【0158】
図22Bを参照して、第1層配線の平面配置について説明する。
ビット線DTに接続される第1層配線ML103aは、拡散領域コンタクトDC5aが形成されたX方向の境界線に沿って、拡散領域コンタクトDC5aの形成位置からウェル電圧供給セルWSC1の中央側に若干延びて設けられている。
【0159】
第2の高電圧側電源ARVDDに接続される第1層配線ML106aは、拡散領域コンタクトDC2a上において、拡散領域コンタクトDC2aよりもやや大きく形成されている。ここで、第1層配線ML106aは、X方向の境界線上に配置されている。
【0160】
第2の低電圧側電源ARVSSに接続するための第1層配線ML121aは、拡散領域コンタクトDC6aが形成されたX方向の境界線に沿って、拡散領域コンタクトDC6aの形成位置から近接するウェル電圧供給セルWSC11のコーナー(角部)まで延設された第1の直線部を有する。また、拡散領域コンタクトDC6aから拡散領域コンタクトDC27aまでY方向に延設された第2の直線部を有する。すなわち、第1層配線ML121aは略L字形状を有している。
【0161】
第1の低電圧側電源VSSに接続するための第1層配線ML122は、Y方向の境界線に沿って、ゲートコンタクトGC21aから延設された第1の直線部を有する。また、第1の直線部から2つ拡散領域コンタクトDC23、DC24aまでX方向に延設された2本の第2の直線部を有する。
【0162】
第1の高電圧側電源VDDに接続するための第1層配線ML123は、共通コンタクトSC21aから拡散領域コンタクトDC21までを結ぶようにY方向に延設された第1の直線部を有する。また、第1の直線部と共通コンタクトSC22aを含む第2の直線部は連結されている。さらに、第1の直線部は、ウェル電圧供給セルWSC1の下側においてX方向に並べられた拡散領域コンタクトDC29a〜DC29eを通るように延設された第3の直線部と連結されている。
【0163】
第1の低電圧側電源VSSに接続するための第1層配線ML124は、ゲートコンタクトGC22aからY方向の境界線上に延設された第1の直線部を有する。また、第1の直線部から拡散領域コンタクトDC28までX方向に延設された第2の直線部を有する。すなわち、第1層配線ML124は略L字形状を有している。
【0164】
次に、
図22Cを参照して、第2層配線の平面配置について説明する。
図22Cには、各第1層配線と第2層配線との間に設けられた6個の第1ビアV102a、V105a、V106a、V121、V123、V124も破線で併せて示されている。
【0165】
第2層配線ML204aは、第2の低電圧側電源ARVSSに接続される第1ビアV106a上において、第1ビアV106aよりもやや大きく形成されている。ここで、第1ビアV106aは第1層配線ML111a上において、ウェル電圧供給セルWSC11のコーナーに設けられている。
【0166】
第1の低電圧側電源VSSに接続するための第2層配線ML221は、第1ビアV121からY方向中央部まで境界線に沿って延設されている。
【0167】
第1の高電圧側電源VDDに接続するための第2層配線ML222は、第1ビアV123からY方向の境界線に沿ってウェル電圧供給セルWSC11のコーナーまで延設されている。ここで、第1ビアV123は、第1層配線ML123に設けられている。
【0168】
第1の低電圧側電源VSSに接続するための第2層配線ML223は、第1ビアV124からY方向の境界線に沿ってウェル電圧供給セルWSC11のコーナーまで延設されている。ここで、第1ビアV124は、第1層配線ML124においてY方向の境界線上に設けられている。
【0169】
第2配線層からなるビット線DTは、第1ビアV105aを通るように、Y方向に延設されている。ここで、第1ビアV105aは、X方向の境界線上に設けられた第1層配線ML103a上に設けられている。
なお、メモリセルMC1と同様に、第2配線層からなるビット線DBが、ビット線DTと平行に設けられている。ウェル電圧供給セルWSC11内には、ビット線DBに接続された第1ビアは設けられていない。
【0170】
第2配線層からなる電源線PS1は、第1ビアV102aを通るように、Y方向に延設されている。ここで、第1ビアV105aは、X方向の境界線上に設けられた第1層配線ML106a上に設けられている。電源線PS1は、第2の高電圧側電源ARVDDに接続されている。
【0171】
次に、
図22Dを参照して、第3層配線の平面配置について説明する。
図22Dには、各第2層配線と第3層配線との間に設けられた4つの第2ビアV204a、V208〜V210も破線で併せて示されている。
【0172】
第3配線層からなる電源線PS22aは、第2ビアV204aを通るように、X方向の境界線に沿って延設されている。ここで、第2ビアV204aは、第2層配線ML204a上において、ウェル電圧供給セルWSC1のコーナーに設けられている。電源線PS22aは、第2の低電圧側電源ARVSSに接続するためのものである。
【0173】
第3配線層からなる電源線PS5は、第2ビアV208、V209を通るように、X方向に延設されている。ここで、第2ビアV208は、Y方向の境界線上に設けられた第2層配線ML221上に設けられている。第2ビアV209は、Y方向の境界線上に設けられた第2層配線ML223上に設けられている。電源線PS5は、第1の低電圧側電源VSSに接続するためのものである。
【0174】
第3配線層からなる電源線PS6は、第2ビアV210を通るように、X方向に延設されている。ここで、第2ビアV210は、第2層配線ML222上に設けられている。電源線PS6は、第1の高電圧側電源VDDに接続するためのものである。
【0175】
図24Aは、
図2におけるエリアA2におけるメモリセル及びウェル電圧供給セルのレイアウト例を示している。なお、符号は省略されている。
図24Aに示すように、
図22Aに示したウェル電圧供給セルWSC11の上側にメモリセルMC1が配置されている。メモリセルMC1のさらに上側には、
図6に示したメモリセルMC2が配置されている。
【0176】
そして、ウェル電圧供給セルWSC11の右側に隣接配置されたウェル電圧供給セルWSC12は、両者の境界線に対して、ウェル電圧供給セルWSC11と線対称なレイアウトを有している。同様に、メモリセルMC1の右側に隣接配置されたメモリセルMC3は、両者の境界線に対して、メモリセルMC1と線対称なレイアウトを有している。つまり、メモリセルMC2と同じレイアウトを有している。メモリセルMC2の右側に隣接配置されたメモリセルMC4は、両者の境界線に対して、メモリセルMC3と線対称なレイアウトを有している。つまり、メモリセルMC1と同じレイアウトを有している。
上記したように、メモリセルMC1そのものがMC1の中心に対して点対称なので、MC4はMC1とMC2はMC3と同じレイアウトになる。従って、ウェル電圧供給セルWSC2の上側にはMC12が、隣接配置されたことと等価である。
【0177】
図24Aから、ウェル電圧供給セルWSC11のレイアウトが、メモリセルと同様の規則性を有していることが分かる。
【0178】
図24Bは、
図3Aに示したメモリセルMC1、
図22Aに示したウェル電圧供給セルWSC11の2つのみを配置した状態を示す図である。ゲート電極のみについて符号が付されている。
【0179】
次に、
図25〜
図28を用いて、メモリセルMC1、ウェル電圧供給セルWSC11の断面構造について説明する。
図25は、
図24BのE−E'断面図である。
図26は、
図24BのF−F'断面図である。
図27は、
図24BのG−G'断面図である。
図28は、
図24BのH−H'断面図である。なお、接続関係等についての詳細は上述の通りであるため、断面構成についてのみ説明する。
【0180】
図25に示すように、Pウェル形成領域では、P型基板PSUB上にPウェルPWが形成されている。PウェルPW上には、N型の拡散領域D1a、D2a、D3a、D22a、及びP型の拡散領域D21が形成されている。また、ウェル電圧供給セルWSC11の端部にはNウェルNWが形成されている。NウェルNW上に拡散領域D30が設けられている。PウェルPW上のそれぞれの拡散領域上には、シリサイド層SLを介して、拡散領域コンタクトが形成されている。例えば、ウェル電圧を供給するためのP型の拡散領域D21上は、第1の低電圧側電源VSSに接続された拡散領域コンタクトDC13が形成されている。
【0181】
隣接する拡散領域間におけるPウェルPW上にはゲート電極が形成されている。例えば、拡散領域D1a、D2aの間には、ゲート電極G1aが形成されている。
各ゲート電極の両側面にはサイドウォールSWが形成されている。また、各ゲート電極上にもシリサイド層SLが形成されている。さらに、各ゲート電極上には、ストッパ窒化膜NFが形成されている。
【0182】
図26も
図25と同様にPウェル形成領域であるため、同様の断面構成を有している。すなわち、P型基板PSUB上にPウェルPWが形成されている。PウェルPW上には、N型の拡散領域D8a、D9a、D10a、D29a及びP型の拡散領域D28が形成されている。また、ウェル電圧供給セルWSC11の端部にはNウェルNWが形成されている。NウェルNW上に拡散領域D30が設けられている。PウェルPW上それぞれの拡散領域上には、シリサイド層SLを介して、拡散領域コンタクトが形成されている。例えば、ウェル電圧を供給するためのP型の拡散領域D28上は、第1の低電圧側電源VSSに接続された拡散領域コンタクトDC28が形成されている。
【0183】
図27に示すように、Nウェル形成領域では、P型基板PSUB上にNウェルNWが形成されている。NウェルNW上には、P型の拡散領域D6a、D7a、N型の拡散領域D27、N型とP型が混在した拡散領域D26aが形成されている。また、ウェル電圧供給セルWSC11の端部にはN型の拡散領域D30が設けられている。拡散領域D30以外のそれぞれの拡散領域上には、シリサイド層SLを介して、拡散領域コンタクト又は共通コンタクトが形成されている。例えば、ウェル電圧を供給するためのN型の拡散領域D27上は、第1の高電圧側電源VDDに接続された拡散領域コンタクトDC21が形成されている。また、例えば、拡散領域D6a上には共通コンタクトSC1aが形成されている。ここで、共通コンタクトSC1aは、ゲート電極G2a上まで形成されている。他の共通コンタクトについても同様である。
【0184】
図28もNウェル形成領域であるため、P型基板PSUB上にNウェルNWが形成されている。NウェルNW上には、P型の拡散領域D4a、D5a、及びN型とP型が混在した拡散領域D25aが形成されている。また、ウェル電圧供給セルWSC11の端部にはN型の拡散領域D30が設けられている。
図28の断面では、ウェル電圧を供給するためのN型の拡散領域は形成されていない。それぞれの拡散領域上には、シリサイド層SLを介して、拡散領域コンタクト又は共通コンタクトが形成されている。
【0185】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。