(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ひまし油系ポリオール成分(a)/前記ポリエーテルポリオール(b1)の重量比が、5/95〜90/10であることを特徴とする請求項1に記載のポリオール組成物。
前記ポリイソシアネート基含有成分(B)が、前記ひまし油系ポリオール成分(a)及び前記ポリエーテルポリオール成分(b)の少なくとも一方と前記ポリイソシアネート(c)とを反応させて作製されたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有していることを特徴とする請求項5に記載のポリウレタン樹脂形成性組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のように、ポリオール組成物として、ひまし油系ポリオールを含有するものを用いた場合には、形成されたポリウレタン樹脂の耐湿熱性が不十分な場合がある。
【0006】
本発明は、上記問題点等に鑑み、耐湿熱性に優れたポリウレタン樹脂を、環境への負荷を軽減しつつ安価に形成することを可能とするポリオール組成物及びポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することを課題とする。また、環境への負荷を軽減しつつ安価に形成され、しかも耐湿熱性に優れたポリウレタン樹脂を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意研究を行ったところ、以下の知見を見出した。
すなわち、ひまし油系ポリオールを含有するポリオール組成物を用いてポリウレタン樹脂を形成し、形成されたポリウレタン樹脂を高温高湿度環境下に保存した場合、該ポリウレタン樹脂における、ひまし油系ポリオールに由来するエステル結合が加水分解され、耐湿熱性が不十分となる場合があることを見出した。
また、かかるポリオール組成物中におけるひまし油系ポリオールの一部を、例えばプロピレンオキサイドがポリエーテルに付加されてなるポリエーテルポリオールに置き換えてポリオール組成物を作製し、これを用いてポリウレタン樹脂を形成した場合であっても、形成されたポリウレタン樹脂の耐湿熱性を十分に向上させることが困難であることを見出した。
そして、プロピレンオキサイドがポリエーテルに付加されてなるポリエーテルポリオールの代わりに、ブチレンオキサイドがポリエーテルに付加されてなるポリエーテルポリオールを用い、該ポリエーテルポリオールとひまし油系ポリオールとを含有するポリオール組成物を作製し、ポリウレタン樹脂を形成したところ、形成されたポリウレタン樹脂の耐湿熱性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係るポリオール組成物は、
ポリウレタン樹脂を形成するために用いられるポリオール組成物であって、
ひまし油系ポリオール成分(a)と、ポリエーテルポリオール成分(b)とを含有しており、
前記ポリエーテルポリオール成分(b)が、水酸基を3つ以上有するポリオールにブチレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール(b1)を含有していることを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、ひまし油系ポリオール成分(a)を含有していることによって、環境への負荷を軽減しつつ安価にポリウレタン樹脂を形成することが可能となる。
また、ポリエーテルポリオール成分(b)がポリエーテルポリオール(b1)を含有していることによって、耐質熱性に優れたポリウレタン樹脂を形成することが可能となる。
従って、耐湿熱性に優れたポリウレタン樹脂を、環境への負荷を軽減しつつ安価に形成することが可能となる。
【0010】
なお、上記のように、耐湿熱性に優れる理由は、以下のように推察される。
すなわち、例えば上記したような、プロピレンオキサイドがポリエーテルに付加されてなるポリエーテルポリオールは、プロピレンオキサイドに由来するメチル基を側鎖として有している。
これに対し、ブチレンオキサイドがポリエーテルに付加されてなるポリエーテルポリオール(b1)は、ブチレンオキサイドに由来するエチル基を側鎖として有し易くなる。
そして、エチル基は、メチル基よりも比較的疎水性が高いため、かかる側鎖の疎水性に起因して、ブチレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール(b1)は、プロピレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオールよりも疎水性が高くなる。
そして、このようにポリエーテルポリオール(b1)は、疎水性が比較的高いため、これを用いてポリウレタン樹脂形成性組成物を形成した場合、これを硬化した硬化物たるポリウレタン樹脂の疎水性が高くなる。これにより、該ポリウレタン樹脂が高温高湿度環境下に保存された場合であっても、内部への水の浸入を抑制することができるため、該ポリウレタン樹脂における、ひまし油に由来するエステル結合の加水分解を防止することができ、その結果、該ポリウレタン樹脂が耐湿熱性に優れると推察される。
【0011】
また、上記ポリオール組成物においては、前記ひまし油系ポリオール成分(a)/前記ポリエーテルポリオール(b1)の重量比が、5/95〜90/10であることが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、ポリウレタン樹脂の耐湿熱性がより優れたものとなる。
【0013】
本発明に係るポリウレタン樹脂形成性組成物は、前記ポリオール組成物と、ポリイソシアネート成分(c)とを用いて作製されていることを特徴とする。
【0014】
上記ポリウレタン樹脂形成性組成物においては、活性水素基含有成分(A)と、ポリイソシアネート基含有成分(B)とを含み、前記活性水素基含有成分(A)と、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)との少なくとも一方は、前記ポリオール組成物を用いて作製されており、且つ、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)は、少なくとも前記ポリイソシアネート成分(c)を用いて作製されていることが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、ポリウレタン樹脂の耐湿熱性がより優れたものとなる。
【0016】
上記ポリウレタン樹脂形成性組成物においては、前記活性水素基含有成分(A)が、前記ポリオール組成物を含有していることが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、ポリウレタン樹脂形成性組成物がより低粘度となるため、より容易に混合することができる。
【0018】
上記ポリウレタン樹脂形成性組成物においては、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)が、前記ひまし油系ポリオール成分(a)及び前記ポリエーテルポリオール成分(b)の少なくとも一方と前記ポリイソシアネート(c)とを反応させて作製されたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有していることが好ましい。
【0019】
かかる構成によれば、ポリウレタン樹脂形成性組成物の初期の反応が比較的緩やかに進行するため、より均一なポリウレタン樹脂が得られる。
【0020】
本発明に係るポリウレタン樹脂は、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るポリオール組成物及びポリウレタン樹脂形成性組成物は、耐湿熱性に優れたポリウレタン樹脂を、環境への負荷を軽減しつつ安価に形成することを可能とする。また、本発明に係るポリウレタン樹脂は、環境への負荷を軽減しつつ安価に形成され、しかも耐湿熱性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るポリオール組成物の一実施形態について説明する。
【0023】
本実施形態のポリオール樹脂形成性組成物は、ポリウレタン樹脂を形成するために用いられるポリオール組成物であって、ひまし油系ポリオール成分(a)と、ポリエーテルポリオール成分(b)とを含有しており、前記ポリエーテルポリオール成分(b)が、水酸基を3つ以上有するポリオールにブチレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール(b1)を含有している。
【0024】
前記ポリオール組成物と、例えば後述するポリイソシアネート成分(c)とを用いてポリウレタン樹脂形成性組成物を作製し、かかるポリウレタン樹脂形成性組成物中の水酸基とイソシアネート基とを反応させることにより、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物が硬化してポリウレタン樹脂になる。また、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物がアミノ基を含有している構成を採用した場合には、水酸基とアミノ基とイソシアネート基とを反応させることにより、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物が硬化してポリウレタン樹脂になる。本明細書においては、このようにイソシアネート基と反応し得る置換基を、活性水素基という。
【0025】
また、前記ポリオール組成物は、非発泡性のポリウレタン樹脂を形成するためのポリウレタン樹脂形成性組成物に用いられるものであることが好ましい。ここで、非発泡性のポリウレタン樹脂とは、一定重量におけるポリウレタン樹脂形成性組成物(液体)の密度(g/cm
3)に対して、硬化物たるポリウレタン樹脂(固体としての塗膜)の密度(g/cm
3)が90〜100%であるようなポリウレタン樹脂を意味する。すなわち、硬化前に対する硬化後の密度の低下率が、10%以下であるようなポリウレタン樹脂を意味する。
密度は、以下のようにして測定する。
すなわち、ポリウレタン樹脂形成性組成物の密度(g/cm
3)の測定は、該ポリウレタン樹脂形成性組成物に含まれる各成分の密度を、25℃環境下でJIS K0061(浮ひょう法)に準じて測定し、得られた各成分の密度と各成分の混合割合とに基づいて、理論値としての密度を算出することによって行う。
また、ポリウレタン樹脂の密度(g/cm
3、25℃)は、JIS K6911に準じて25℃環境下で測定する。
【0026】
前記ひまし油系ポリオール成分(a)は、分子中にひまし油脂肪酸エステル構造を有するポリオールである。
前記ひまし油系ポリオール成分(a)を用いることにより、透明性に優れたポリウレタン樹脂を形成することが可能となる。
【0027】
前記ひまし油系ポリオール成分(a)としては、ひまし油、又は、ひまし油若しくはひまし油脂肪酸を用いて合成されたひまし油誘導体ポリオール等が挙げられる。
【0028】
前記ひまし油誘導体ポリオールとしては、例えば、ひまし油及び/又はひまし油脂肪酸を用いて合成された複数の水酸基を有するポリオールが挙げられる。
より具体的には、前記ひまし油誘導体としては、例えば、ひまし油とポリオールとのエステル交換反応生成物、ひまし油脂肪酸とポリオールとのエステル化反応物、前記エステル交換反応生成物又は前記エステル化反応物にアルキレンオキサイドを付加させてなるポリオールなどが挙げられる。
【0029】
前記ひまし油系ポリオールは、JIS K1557−1(A法)に従って求めた平均水酸基価が100〜300mgKOH/gであることが好ましい。
【0030】
前記ポリオール組成物が、前記ひまし油系ポリオールを含有していることによって、耐水性に優れたポリウレタン樹脂を、環境への負荷を軽減しつつ安価に形成することが可能となる。
【0031】
前記ポリオール組成物は、前記ポリエーテルポリオール成分(b)として、水酸基を3つ以上有するポリオールにブチレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール(b1)を含有している。
【0032】
前記水酸基を3つ以上有する、すなわち3以上の官能性を有するポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、マンニタン等のテトラオールの他、ソルビトール等の水酸基を6つ有するポリオール、ショ糖等の水酸基を8つ有するポリオール等が挙げられる。これらのうち、前記ポリオールとしては、水酸基を3つ以上8つ以下有するポリエーテルポリオールが好ましく、ポリイソシアネートとの反応性により優れることを考慮すると、水酸基を3つ有するポリオール(トリオール)がより好ましく、かかるトリオールのうち、トリメチロールプロパンがさらに好ましい。
【0033】
前記ポリエーテルポリオール成分(b)が、前記ポリオールにブチレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール(b1)を含有していることによって、該ポリエーテルポリオール成分(b)は比較的疎水性が高くなるため、これを用いてポリウレタン樹脂形成性組成物を形成した場合、これを硬化した硬化物たるポリウレタン樹脂の疎水性が高くなる。これにより、該ポリウレタン樹脂が高温高湿度環境下に保存された場合であっても、内部への水の浸入を抑制して、ひまし油に由来するエステル結合の加水分解を防止することができるため、該ポリウレタン樹脂は、耐湿熱性に優れる。
従って、耐湿熱性に優れたポリウレタン樹脂を形成することが可能となる。
また、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物中の水酸基とイソシアネート基とを反応させた際、発泡を抑制することが可能となる。また、硬化物たるポリウレタン樹脂の疎水性も比較的高くなるため、該ポリウレタン樹脂が高温高湿度環境下に曝されたされた場合であっても、内部への水の浸入を抑制することができる。これにより、外観に優れたポリウレタン樹脂を形成することも可能となる。
【0034】
なお、本発明においては、前記水酸基を3つ以上有するポリオールに、エチレンオオキサイドやプロピレンオキサイド等、ブチレンオキサイド以外の他のアルキレンオキサイドが一部(ブチレンオキサイドを含む全アルキレンオキサイドの10重量%以下)付加されていてもよい。
【0035】
本実施形態のポリオール組成物においては、前記ひまし油系ポリオール成分(a)/前記ポリエーテルポリオール(b1)の重量比が、5/95〜90/10であることが好ましく、5/95〜80/20であることがより好ましく、10/90〜70/30であることがさらに好ましい。
かかる重量比が、5/95〜90/10であることによって、ポリウレタン樹脂形成性組成物の耐湿熱性がより優れるという利点がある。
【0036】
前記ポリオール組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、水酸基を3つ以上有するポリオールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のブチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオールが含有されていてもよい。
【0037】
前記ポリオール組成物には、イソシアネート基との反応を促進させるための一般的な触媒が含まれていてもよい。
【0038】
前記ポリオール組成物は、上述した各配合成分を従来公知の一般的な方法によって混合することにより製造することができる。具体的には、例えば、手撹拌や一般的な混合装置の使用によって各配合成分を混合することにより製造することができる。
【0039】
上記のように、前記ポリオール組成物によれば、ひまし油系ポリオール成分(a)を含有していることによって、環境への負荷を軽減しつつ安価にポリウレタン樹脂を形成することができる。また、ポリエーテルポリオール成分(b)が、ポリエーテルポリオール(b1)を含有していることによって、耐湿熱性に優れたポリウレタン樹脂を形成することができる。
従って、耐湿熱性に優れたポリウレタン樹脂を、環境への負荷を軽減しつつ安価に形成することが可能となる。
【0040】
次いで、本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物の一実施形態について説明する。
【0041】
本実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物は、前記ポリオール組成物と、ポリイソシアネート成分(c)とを用いて作製されたものである。
【0042】
前記ポリイソシアネート成分(c)としては、従来公知の一般的なポリイソシアネート化合物が挙げられる。
【0043】
具体的には、前記ポリイソシアネート成分(c)としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
【0044】
また、前記ポリイソシアネート成分(c)としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ポリイソシアネートも挙げられる。
【0045】
また、前記ポリイソシアネート成分(c)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の、分子内に芳香環を有する芳香族ポリイソシアネートも挙げられる。
【0046】
さらに、前記ポリイソシアネート成分(c)としては、上述した各化合物のカルボジイミド体、イソシアヌレート体、ビューレット体、アダクト体等のポリイソシアネート化合物変性体なども用いることができる。
【0047】
前記ポリイソシアネート成分(c)としては、前記ポリオール組成物との反応性により優れている点で、前記芳香族ポリイソシアネートが好ましく、前記ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートがより好ましい。
【0048】
前記ポリオール組成物は、ウレタン樹脂形成性組成物100重量部に対して30〜90重量部が好ましく、40〜80重量部がより好ましい。また、前記ポリイソシアネート成分(c)は、ウレタン樹脂形成性組成物100重量部に対して10〜70重量部が好ましく、20〜60重量部がより好ましい。
ひまし油系ポリオール成分(a)は、ウレタン樹脂形成性組成物100重量部に対して1〜80重量部が好ましく、3〜70重量部がより好ましく、5〜60重量部がさらに好ましい。また、ポリエーテルポリオール(b1)は、ウレタン樹脂形成性組成物100重量部に対して1〜80重量部が好ましく、3〜70重量部がより好ましく、5〜60重量部がさらに好ましい。
【0049】
また、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物は、前記ポリオール組成物、ポリイソシアネート成分(c)の他、例えば、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリアミン等を含有していてもよい。また、可塑剤、顔料、消泡剤、硬化触媒など、ポリウレタン樹脂形成性組成物に一般的に使用される添加剤を含有してもよい。
【0050】
前記ポリウレタン樹脂形成性組成物は、従来公知の一般的な方法によって混合することにより製造することができる。具体的には、例えば、手撹拌や一般的な混合装置の使用によって各配合成分を混合することにより製造することができる。
【0051】
また、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物においては、水酸基を有する活性水素基含有成分(A)と、ポリイソシアネート基含有成分(B)とを含み、前記活性水素基含有成分(A)と、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)との少なくとも一方が、前記ポリオール組成物を用いて作製されており、且つ、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)が、少なくとも前記ポリイソシアネート成分(c)を用いて作製されていることが好ましい。
【0052】
かかる構成によれば、ポリウレタン樹脂の耐湿熱性がより優れたものとなる。
【0053】
また、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物においては、前記活性水素基含有成分(A)が、前記ポリオール組成物を含有していることが好ましい。
【0054】
かかる構成において、前記活性水素基含有成分(A)は、前記ポリオール組成物の他に、例えば、ポリアミンを含有していてもよい。
【0055】
かかる構成によれば、ポリウレタン樹脂形成性組成物がより低粘度となるため、より容易に混合することができる。
【0056】
また、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物においては、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)は、前記ひまし油系ポリオール成分(a)及び前記ポリエーテルポリオール成分(b)の少なくとも一方と前記ポリイソシアネート(c)とを反応させて作製されたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有していることが好ましい。
【0057】
かかる構成によれば、ポリウレタン樹脂形成性組成物の初期の反応が比較的緩やかに進行するため、より均一なポリウレタン樹脂が得られる。
【0058】
かかる構成においては、前記活性水素基含有成分(A)が、例えば、上記のようにポリオール組成物を用いて作製されていてもよく、前記ポリオール組成物を用いて作製されていなくてもよい。
前記活性水素基含有成分(A)が前記ポリオール組成物を用いて作製されている場合には、例えば、前記活性水素基含有成分(A)は、前記ポリオール組成物に加えて、さらに例えば上記したようなポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレングリコール、アミンポリオール、ポリアミン化合物等を含有しているような構成であってもよい。また、この場合、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)は、前記ひまし油系ポリオール(a)と前記イソシアネート成分(c)とを用いて作製されたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー、前記ポリエーテルポリオール成分(b)と前記イソシアネート成分(c)とを用いて作製されたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー、または、前記ひまし油系ポリオール(a)及びポリエーテルポリオール成分(b)と前記イソシアネート成分(c)とを用いて作製されたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有しているような構成が挙げられる。
また、前記活性水素基含有成分(A)が前記ポリオール組成物を含有していない場合には、前記活性水素基含有成分(A)としては、例えば、上記したようなポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレングリコール、アミンポリオール、ポリアミン化合物等を含有しているような構成が挙げられる。この場合、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)は、前記ひまし油系ポリオール(a)及びポリエーテルポリオール成分(b)と前記イソシアネート成分(c)とを用いて作製されたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有しているような構成が挙げられる。
さらに、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)は、上記ウレタンプレポリマーに加えて、上記ポリイソシアネート成分(c)を含有しているような構成であってもよい。
【0059】
前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート基含有成分(B)の配合比は、前記活性水素基含有成分(A)中の活性水素基1.0モルに対して、イソシアネート基が1.0〜1.2モルであることが好ましい。前記活性水素基1.0モルに対してイソシアネート基が1.0モル以上であることにより、ポリウレタン樹脂の硬化不良、耐水性不良、又は強度低下が抑制され得るという利点がある。また、イソシアネート基が1.2モル以下であることにより、過剰のイソシアネート基が空気中の水分と反応してポリウレタン樹脂が発泡することが抑制されるという利点がある。
【0060】
上記したように、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物が活性水素基含有成分(A)とポリイソシアネート基含有成分(B)とを含む場合には、これら活性水素基含有成分(A)及びポリイソシアネート基含有成分(B)を、それぞれ従来公知の一般的な方法によって製造すればよい。
【0061】
前記活性水素基含有成分(A)及び前記ポリイソシアネート基含有成分(B)との少なくとも一方には、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート基含有成分(B)との反応を促進させるための一般的な触媒が含まれていてもよい。
【0062】
次に、本発明のポリウレタン樹脂の一実施形態について説明する。
【0063】
本実施形態のポリウレタン樹脂は、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなるものである。
【0064】
前記ポリウレタン樹脂は、一般的な方法によって製造することができる。具体的には、例えば、水酸基を有する活性水素基含有成分(A)と、ポリイソシアネート基含有成分(B)とを含み、前記活性水素基含有成分(A)と、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)との少なくとも一方が、前記ポリオール組成物を用いて作製されており、且つ、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)が、少なくとも前記ポリイソシアネート成分(c)を用いて作製されているポリウレタン樹脂形成性組成物を、コンクリート、鋼等の金属、各種樹脂、不織布等の繊維、ガラス等によって形成された基材の表面に塗布し、活性水素基とイソシアネート基とを反応させることによって、該基材上に配された膜状の硬化物たるポリウレタン樹脂を製造することができる。
【0065】
また、例えば、前記ポリオール組成物を含む活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(c)を含有するイソシアネート基含有成分(B)とを混合して上記基材の表面に塗布し、前記ポリオール組成物と前記ポリイソシアネート成分(c)とを反応させることにより、該基材上に配された膜状の硬化物たるポリウレタン樹脂を製造することができる。
【0066】
また、例えば、前記ポリオール組成物を含む活性水素基含有成分(A)と、前記ひまし油系ポリオール(a)、前記ポリエーテルポリオール(b)または前記ポリオール組成物(前記ひまし油系ポリオール(a)及び前記ポリエーテルポリオール(b)の少なくとも一方)と前記ポリイソシアネート成分(c)とを反応させてなるウレタンプレポリマーを含有するイソシアネート基含有成分(B)と、を混合して上記基材の表面に塗布し、前記ポリオール組成物と前記ウレタンプレポリマーとを反応させることにより、該基材上に配された膜状の硬化物たるポリウレタン樹脂を製造することもできる。
【0067】
さらに、例えば、前記ポリオール組成物を含有しない活性水素基含有成分(A)と、前記ポリオール組成物と前記ポリイソシアネート成分(c)とを反応させてなるウレタンプレポリマーを含有するイソシアネート基含有成分(B)と、を混合して上記基材の表面に塗布し、活性水素基含有成分(A)の水酸基と前記ウレタンプレポリマーとを反応させることにより、該基材上に配された膜状の硬化物たるポリウレタン樹脂を製造することもできる。
【0068】
上記したように、前記ポリウレタン樹脂としては、例えば、水酸基を有する活性水素基含有成分(A)と、ポリイソシアネート基含有成分(B)とを含み、前記活性水素基含有成分(A)と、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)との少なくとも一方が、前記ポリオール組成物を用いて作製されており、且つ、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)が、前記ポリイソシアネート成分(c)を用いて作製されているポリウレタン樹脂形成性組成物を、硬化してなるものが挙げられる。
【0069】
また、前記ポリウレタン樹脂としては、例えば、前記活性水素基含有成分(A)が、前記ポリオール組成物を用いて作製されており、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)が、ポリイソシアネート成分(c)を用いて作製されているポリウレタン樹脂形成性組成物を、硬化してなるものが挙げられる。
【0070】
さらに、前記ポリウレタン樹脂としては、例えば、前記ポリイソシアネート基含有成分(B)が、前記ひまし油系ポリオール(a)、前記ポリエーテルポリオール(b)または前記ポリオール組成物(前記ひまし油系ポリオール(a)及び前記ポリエーテルポリオール(b)の少なくとも一方)と、前記ポリイソシアネート成分(c)とを反応させて作製されたウレタンプレポリマーを含有しているポリウレタン樹脂形成性組成物を、硬化してなるものが挙げられる。
【0071】
上記の実施形態のポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示のポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂に限定されるものではない。
また、一般のポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
【実施例】
【0072】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
以下に、ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂を製造するための原料の詳細について説明する。
【0074】
(a)ひまし油系ポリオール成分
(a−1) ひまし油(商品名:URIC H−30、伊藤製油社製、平均水酸基価:160mgKOH/g、密度(25℃):0.96g/cm
3)
(a−2) ひまし油系ポリオール(商品名:URIC H−52、伊藤製油社製、平均水酸基価:200mgKOH/g、密度(25℃):0.97g/cm
3)
【0075】
(b)ポリエーテルポリオール成分
(b1−1) トリメチロールプロパンにブチレンオキサイド5モル付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:341mgKOH/g、密度(25℃):1.00g/cm
3)
(b1−2) トリメチロールプロパンにブチレンオキサイド7モル付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:264mgKOH/g、密度(25℃):1.00g/cm
3)
(b1−3) トリメチロールプロパンにブチレンオキサイド9モル付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:215mgKOH/g、密度(25℃):1.00g/cm
3)
(b1−4) グリセリンにブチレンオキサイド7.6モル付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:264mgKOH/g、密度(25℃):1.00g/cm
3)
【0076】
(b’)ポリエーテルポリオール成分
(b1’−1) トリメチロールプロパンにプロピレンオキサイド8.7モルを付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:264mgKOH/g、密度(25℃):1.00g/cm
3)
(b1’−2) グリセリンにプロピレンオキサイド9.4モルを付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:264mgKOH/g、密度(25℃):1.00g/cm
3)
【0077】
上記平均水酸基価は、JIS K1557−1(A法)に従って求めた。
【0078】
(c)ポリイソシアネート成分
(c−1):カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート含有液状MDI
(商品名:ルプラネート MM−103、BASF INOAC ポリウレタン社製、密度(25℃):1.22g/cm
3、遊離イソシアネート基含有量:29.5重量%)
(c−2)ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート
(商品名:ミリオネート MR−100、日本ポリウレタン工業社製、密度(25℃):1.24g/cm
3、遊離イソシアネート基含有量:31.0重量%)
(c−3)ジフェニルメタンジイソシアネート
(商品名:ルプラネートMI、BASF INOAC ポリウレタン社製、密度(25℃):1.21g/cm
3、遊離イソシアネート基含有量:33.6重量%)
【0079】
(d)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー
(d−1):下記製造方法で得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、(a−2)20重量部、ポリイソシアネート成分(c)としての4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:ミリオネート MT、日本ポリウレタン工業社製)80重量部を加え、90℃で1時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(密度(25℃):1.19g/cm
3、遊離イソシアネート基含有量:24.0重量%)を得た。
(d−2):下記製造方法で得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、(b1−3)19.2重量部、ポリイソシアネート成分(c)としての4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:ミリオネート MT、日本ポリウレタン工業社製)80.8重量部を加え、90℃で1時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(密度(25℃):1.19g/cm
3、遊離イソシアネート基含有量:24.0重量%)を得た。
(d−3):下記製造方法で得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、(a−2)9.8重量部、(b1−3)9.8重量部、ポリイソシアネート成分(c)としての4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:ミリオネート MT、日本ポリウレタン工業社製)80.4重量部を加え、90℃で1時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(密度(25℃):1.19g/cm
3、遊離イソシアネート基含有量:24.0重量%)を得た。
【0080】
なお、各成分の密度は、JIS K0061(浮ひょう法)に準じて25℃環境下で測定した。
【0081】
(実施例1〜12、比較例1〜4)
表1及び表2に示す配合量に従い、ひまし油系ポリオール成分(a)と、ポリエーテルポリオール成分(b)としてのポリエーテルポリオール(b1)とを混合してポリオール組成物を作製した。また、活性水素基含有成分(A)としての上記ポリオール組成物と、ポリイソシアネート含有成分(B)としてのポリイソシアネート成分(c)またはイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(d)とを混合し、これら2液を含有するポリウレタン樹脂形成性組成物を作製した。活性水素基含有成分(A)とポリイソシアネート基含有成分(B)との配合量は、活性水素基含有成分(A)の活性水素基に対するポリイソシアネート基含有成分(B)のモル比(NCO/OH比)が1.05となるように設定した。上記ポリウレタン樹脂形成性組成物に、活性水素基含有成分(A)とポリイソシアネート基含有成分(B)との合計量100重量部に対して、0.003重量部の硬化促進触媒(商品名:ネオスタンU−600、ビスマス含有量20重量%、日東化成社製、密度(25℃):1.13g/cm
3)をさらに配合してさらに混合し、ガラス製の基材に膜厚2mmとなるように塗布した後、30℃65%RHで3日間養生することによって、ポリウレタン樹脂の塗膜を製造した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
<ポリウレタン樹脂の塗膜の評価>
下記に示す方法によってポリウレタン樹脂の各塗膜を評価した。評価項目は、以下に示
すように、外観、耐湿熱性、吸水率とした。評価結果を表1及び表2に示す。
【0085】
・外観
得られた塗布膜を目視により観察し、発泡の有無を確認した。発泡の有無は、上記した各成分の密度(g/cm
3)に基づいて活性水素基含有成分(A)およびポリイソシアネート含有成分(B)の混合割合から求めたポリウレタン樹脂形成性組成物の密度(理論値)を100%とした場合における塗膜(硬化物)の密度(g/cm
3、25℃)の割合(百分率、%)で評価した。かかる割合が大きい程、気泡が少ないことを示す。
なお、塗膜の密度は、JIS K6911に準じて測定した。
【0086】
・耐湿熱性
得られた各塗膜のショアD硬度を測定した(初期)。121℃、100%RH、2気圧の環境下に90時間静置することによって耐湿熱性試験を行い、該試験後のショアD硬度を測定した。
ショアD硬度は、硬度計(高分子計器(株)製のASKER D型)を用い、JIS K6253に従って測定した。
かかるショアD硬度の低下が少ない程、塗膜が耐湿熱性に優れることを示す。
【0087】
・吸水率
得られた各塗膜からそれぞれ試験片(3cm×1.5cm)を3つ切り出し、それぞれの試験片の重量を測定した。続いて、各塗膜から得られた3つの試験片を20℃の蒸留水に24時間浸漬した後、表面の水分を除いてからそれぞれの試験片の重量を測定した。そして、3つの試験片について重量増加率を算出し、その平均値を、各塗膜の吸水率とした。
かかる吸水率が小さい程、得られた塗膜の疎水性が高いことを示す。