(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記係合爪の一の組は、ローゼットカバーの内部において、天井面から突出する一の引掛ローゼット本体の高さに対応した位置に備えられ、前記係合爪の他の組は、前記ローゼットカバーの内部において、天井面から突出する他の引掛ローゼット本体の高さに対応した位置に備えられることを特徴する請求項1乃至3のいずれかに記載のローゼットカバー。
【背景技術】
【0002】
従来から、吊り下げ照明器具と電気的に接続すると共にその吊り下げ照明器具を吊り下げる、天井面に固定された引掛ローゼットや引掛シーリングを覆うためのローゼットカバーが知られている。かかるローゼットカバーは、照明器具を吊り下げるコードを収納し、引掛ローゼットや引掛シーリングとの取り付け部分の意匠性を高める。
【0003】
かかるローゼットカバーは、引掛ローゼット等の天井面からの突出高さを吸収し、見栄え良く取り付けるために、さまざまな工夫がなされている。例えば、特許文献1には、底部にコード挿入孔を形成した有底筒状のカバー本体と、この本体内に形成した嵌合段部を具え、適度の弾力性および可撓性を有する複数個の突片とを具備した引掛け形接続器のカバーが開示されている。これにより、天井面からの突出高さが異なる2種類の引掛ローゼット等を覆い、カバー本体と引掛ローゼット等との摩擦力により取り付けることができる。
【0004】
なお、ローゼットカバーのコード挿入孔においては、その孔の径は小さめにしておき、その孔とコードとの摩擦係合によって所定位置に保持する場合もある。ただ、照明器具を吊り下げる天井面が水平でない場合には、ローゼットカバーと天井面との間に隙間ができてしまい美観が損なわれる。
【0005】
かかる問題に対処するため、例えば、特許文献2には、天井面に接する開口を上方に有し、下側外面に球面部を有し、この球面部に吊り下げコードの太さより大きい孔を形成したカバー主体と、この主体の孔よりも大寸法に形成されかつ上記球面部と摺動自在に接する重合面が上側に形成され、吊り下げコードに摺動し固定しうるコード貫通孔を有する外カバーとを備えたローゼットカバーが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、最近、食卓テーブルなどの上方の天井に取り付けられ、照明と空気清浄機が一体となった空気清浄機能付き照明が提供されるようになった。かかる空気清浄機能付き照明は、空気清浄機を稼働させるための電動機を備えるため、その稼働による微振動を発生する。この微振動は、空気清浄機能付き照明を天井から吊り下げる部材を伝わり、その結果ローゼットカバーにも伝わる。
【0008】
上述の従来技術のように、摩擦力により、ローゼットカバーと引掛ローゼット等とが取り付けられていたり、また、コード挿入孔とコードとが係合していたりすると、ローゼットカバーに伝わった微振動により、取り付けや係合が緩んで外れてしまうことがある。また、ローゼットカバーと引掛ローゼット等とが互いに雄ねじと雌ねじを形成し、ねじ止めされている場合でもあっても、同様に徐々に緩んで外れてしまう。
【0009】
さらに、かかる空気清浄機能付き照明は通常の照明に比べ重量が大きくなるので、吊り下げ部材に十分な強度を持たせるためおよび電動機の稼働時の回転力による照明自体の回転を防止するため、吊り下げ部材は、剛性のある部材(例えば、パイプ)で作製されている。そうすると、より微振動がローゼットカバーなどに伝わりやすくなり、外れやすくなる。
【0010】
また、吊り下げ部材を剛性のある部材としたため、地震発生時には引掛ローゼットとローゼットキャップの接続部分やローゼットカバーに大きな力が加わったり、人が照明部分に衝突した場合同様に大きな力が加わると共に、人が怪我をする恐れもあり、安全性に対して不安であった。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、美観を配慮した上で、たとえ長期間に亘り微振動を受けたとしても引掛ローゼット等との係合状態が外れることを防止し、かつ、地震や突発的な衝突があった場合でも安全性を向上させた、空気清浄機能付き照明を引掛ローゼット等に取り付けるためのローゼットカバー、空気清浄機能付き照明器具用取り付け具、および、空気清浄機能付き照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、空気清浄機能付き照明器具を天井面に設置された引掛ローゼット本体に取り付けた場合に、引掛ローゼット本体を覆うローゼットカバーであって、引掛ローゼット本体の径より大きい径を有し、天井面に接する天井側開口部と、ローゼットカバーの内部に備えられ、引掛ローゼット本体に引き掛ける引掛ローゼットキャップを挟持する挟持部材に係合する2以上の係合爪と、挟持部材と空気清浄機能付き照明器具とを連結し、空気清浄機能付き照明器具を吊り下げる吊下部材の径よりも大きい径を有する照明側開口部と、吊下部材の径よりも大きく照明側開口部の径より小さい径を有する吊下部材貫通孔を備え、照明側開口部の径よりも大きい径を有する照明側開口カバーと、を備え、照明側開口カバーは、照明側開口部の上側であって、ローゼットカバーの内側に配置され、天井側開口部および照明側開口部を分割するように、着脱可能に2分割される形態を有する、ローゼットカバーが提供される。
これによれば、美観に配慮した上で、長期間に亘り微振動を受けたとしても引掛ローゼット等との係合状態が外れることを防止し、かつ、地震や突発的な衝突があった場合でも安全性を向上させた、空気清浄機能付き照明を引掛ローゼット等に取り付けるためのローゼットカバーを提供できる。
【0013】
さらに、係合爪は、挟持部材の上面に係合することを特徴としてもよい。
これによれば、簡易な構造で、長期間に亘り微振動を受けたとしても引掛ローゼット等との係合状態が外れることを防止することができる。
【0014】
さらに、照明側開口カバーの周縁部は下に凸に湾曲していることを特徴としてもよい。
これによれば、照明側開口カバーが、ローゼットカバー内を滑らかに摺動することができる。
【0015】
さらに、係合爪の一の組は、ローゼットカバーの内部において、天井面から突出する一の引掛ローゼット本体の高さに対応した位置に備えられ、係合爪の他の組は、ローゼットカバーの内部において、天井面から突出する他の引掛ローゼット本体の高さに対応した位置に備えられることを特徴としてもよい。
これによれば、異なる高さを有する引掛ローゼット本体を2つまで、一つのローゼットカバーで対応することができる。
【0016】
また、上記課題を解決するために、上記ローゼットカバーと、上記ローゼットカバーに係合され、空気清浄機能付き照明器具を天井面に設置された引掛ローゼット本体に引き掛ける引掛ローゼットキャップを挟持する挟持部材と、空気清浄機能付き照明器具を一端で吊り下げる剛性を有する吊下部材と、挟持部材と吊下部材とを遥動自在に連結する継手部材と、を備え、吊下部材は、照明側開口カバーの吊下部材貫通孔を貫通し、他端で継手部材と連結する、空気清浄機能付き照明器具用取付具が提供される。
これによれば、長期間に亘り微振動を受けたとしても引掛ローゼット等との係合状態が外れることを防止し、かつ、地震や突発的な衝突があった場合でも安全性を向上させた空気清浄機能付き照明器具用取り付け具を提供できる。
【0017】
また、上記課題を解決するために、上記空気清浄機能付き照明器具用取付具により、天井面に取り付けられる空気清浄機能付き照明器具が提供される。
これによれば、長期間に亘り微振動を受けたとしても引掛ローゼット等との係合状態が外れることを防止し、かつ、地震や突発的な衝突があった場合でも安全性を向上させた空気清浄機能付き照明器具を提供できる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、美観を配慮した上で、たとえ長期間に亘り微振動を受けたとしても引掛ローゼット等との係合状態が外れることを防止し、かつ、地震や突発的な衝突があった場合でも安全性を向上させた、空気清浄機能付き照明を引掛ローゼット等に取り付けるためのローゼットカバー、空気清浄機能付き照明器具用取り付け具、および、空気清浄機能付き照明器具を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施例について説明する。
<第一実施例>
図1は、本実施例おける空気清浄機能付き照明器具10を示す。空気清浄機能付き照明器具10は、天井面Cに、ローゼットカバー30により覆われた引掛ローゼット本体と引掛ローゼットキャップ(図示せず)を経由して取り付けられる。空気清浄機能付き照明器具10は、引掛ローゼットキャップと接続された空気清浄機能付き照明器具用取付具20の一部である吊下部材22を介して吊り下げられる。
【0021】
空気清浄機能付き照明器具10の傘11は、図示された形態に限定されず、いかなる形態であってもよい。また、排気口12は、傘11の上方に設けられ、傘11の下方から吸引した空気を清浄化後排気する。この排気口12も、図示された形態に限定されず、いかなる形態であってもよい。空気清浄機能付き照明器具10の詳細は後述する。
【0022】
図2は、本実施例におけるローゼットカバー30の正六面図等を示す。ローゼットカバー30は、空気清浄機能付き照明器具10を天井面Cに設置された引掛ローゼット本体(図示せず)に取り付けた場合に、引掛ローゼット本体を覆うためのカバーである。
【0023】
ローゼットカバー30は、天井面Cに接する天井側開口部31を有する。その天井側開口部31は、引掛ローゼット本体を覆うため、引掛ローゼット本体の、天井面にほぼ平行な方向における径より大きい径を有する。天井側開口部31は、通常平面である天井面に接するため正面視や側面視で一直線をなすが、これに限定されず、天井面の凹凸、曲面などの形態に適合させて様々な形態をとることができる。
【0024】
また、天井側開口部31は、平面視で円形をなすが、これに限定されず、例えば多角形などのいかなる形態であってもよい。また、ローゼットカバー30の側面の天井側開口部31における天井面の当接角はほぼ直角であるが、これに限定されず、天井面に接する限り、どのような角度で当接してもよい。
【0025】
ローゼットカバー30は、底部に、天井側開口部31と対向するように、照明側開口部33を有する。照明側開口部33は、側面視や正面視で天井側開口部31と平行をなすように設けられているが、これに限定されず、平行でなくともよい。また、照明側開口部33は、底面視で円形をなすが、これに限定されず、例えば多角形などのいかなる形態であってもよい。照明側開口部33は、
図1に示した空気清浄機能付き照明器具10を吊り下げる吊下部材22の径よりも大きい径を有する。照明側開口部33の径は、中を貫通する吊下部材22の、照明側開口部33付近における想定揺れ幅以上の径を有することが好ましい。これにより、空気清浄機能付き照明器具10が地震や何らかの事情で揺れて、吊下部材22もそれにつられて揺れたとしても、吊下部材22がローゼットカバー30(の照明側開口部33)に衝突することが防止できる。
【0026】
天井側開口部31と照明側開口部33は、半体結合部303において着脱可能に2分割されるローゼットカバー30の本体(ローゼットカバー半体A301とローゼットカバー半体B302が結合されたもの)により形成される。逆に言えば、ローゼットカバー半体A301とローゼットカバー半体B302は、半体結合部303において、結合されまたは分離される。天井側開口部31の周囲を形成するローゼットカバー30の上端部は、半体結合部303により分割され、かつ、照明側開口部33の周囲を形成するローゼットカバー30の下端部は、半体結合部303により分割される。即ち、ローゼットカバー30は、天井側開口部31および照明側開口部33を分割するように、2分割される形態を有する。
【0027】
ローゼットカバー30の外形は、ローゼットカバー30の天井面からの高さの約半分程度の高さまでは、天井面Cから垂直に下方へ向かって形成され、円筒状をなす。ローゼットカバー30の高さの約半分程度の高さより下の部分は、緩やかな曲率を以って窄まり、ローゼットカバー30の外形のなす角度がほぼ水平に近くなった辺りで、天井側開口部31より小さい径を有する照明側開口部33を形成する。なお、ローゼットカバー30の天井面Cからの高さ(天井面Cから照明側開口部33までの距離)は、引掛ローゼット本体、引掛ローゼットキャップ、および、挟持部材や継手部材などを収容できる高さで適宜定められる。
【0028】
ローゼットカバー30は、内部に2以上の係合爪32/32’を備える。係合爪32/32’は、引掛ローゼット本体に引き掛ける引掛ローゼットキャップを挟持する挟持部材に係合する。
【0029】
図3は、本実施例におけるローゼットカバー30の半体B302の正六面図等を示す。
図2と重複説明を省略し、主に係合爪32/32’と結合片35/被結合片36について説明する。係合爪32/32’は、空気清浄機能付き照明器具用取付具20の一部である、挟持部材21に係合する。係合の仕方は、挟持部材21が凹部を有し、その凹部に係合爪32/32’が係合してもよいし、好ましくは、挟持部材21の上面に係合してもよい。これによれば、簡易な構造で、長期間に亘り微振動を受けたとしても引掛ローゼット等との係合状態が外れることを防止することができる。
【0030】
係合爪32は半体B302に2か所、また、係合爪32’も半体B302に2か所に、正面視および平面視で左右対称に設けられる。図示しないローゼットカバー30の半体A301には、平面視で円形である天井側開口部31および照明側開口部33の中心を中心とした点対象の位置に、係合爪32/32’が設けられる。そうすると、ローゼットカバー30には、係合爪32は合計4か所、係合爪32’も合計4か所設けられ、それぞれ4つで1組の係合部を形成する。
【0031】
1組の係合爪32のローゼットカバー30の上端部(天井面C)からの高さは、1組の係合爪32’の同高さに比べ、高い高さを有する引掛ローゼット本体に適合するため、高い。逆に言えば、1組の係合爪32’のローゼットカバー30の上端部(天井面C)からの高さは、1組の係合爪32の同高さに比べ、低い高さを有する引掛ローゼット本体に適合するため、低い。
【0032】
即ち、係合爪の一の組(係合爪32の組)は、ローゼットカバー30の内部において、天井面Cから突出する一の引掛ローゼット本体の高さに対応した位置に備えられ、係合爪の他の組(係合爪32’の組)は、ローゼットカバーの内部において、天井面Cから突出する他の引掛ローゼット本体の高さに対応した位置に備えられる。これによれば、異なる高さを有する引掛ローゼット本体を2つまで、一つのローゼットカバーで対応することができる。
【0033】
これらの2組の係合爪32/32’は、平面視で円形である天井側開口部31および照明側開口部33の中心を中心として90度回転させた位置にある。したがって、係合爪32を挟持部材に係合させる際には、引掛ローゼットキャップの被吊下げ用突出部のある方向から、半体A301と半体B302の両方を結合させる。一方、係合爪32’を挟持部材に係合させる際には、引掛ローゼットキャップの被吊下げ用突出部のない方向から、半体A301と半体B302の両方を結合させる。
【0034】
また、半体B302は、結合片35および被結合片36を、天井側開口部31および照明側開口部33近傍にそれぞれ備える。図示しない半体A301には、平面視で半体B302の天井側開口部31および照明側開口部33の中心を中心とした点対象の位置に、結合片35および被結合片36が設けられる。そして、半体B302に備えられる結合片35と半体A301に備えられる被結合片36とが、および、半体B302に備えられる被結合片36と半体A301に備えられる結合片35とが、着脱自在に結合、分離する。したがって、ローゼットカバー30は、着脱可能に2分割される形態を有する。
【0035】
図4は、本実施例におけるローゼットカバー30と空気清浄機能付き照明器具用取付具の断面
図20(一部)を示す(
図7(A)におけるS2−S2断面)。ローゼットカバー30は、照明側開口部33の上側であって、ローゼットカバー30の内側に配置される照明側開口カバー34を有する。照明側開口カバー34の外形は、照明側開口部33の径よりも大きい径を有する。したがって、照明側開口カバー34は、ローゼットカバー30の内側であって照明側開口部33の上側に配置されても、下方に落ちることはない。
【0036】
また、照明側開口カバー34は、吊下部材22の径よりも大きく照明側開口部33の径より小さい径を有する吊下部材貫通孔341を備える。これにより、吊下部材22は、吊下部材貫通孔341を貫通することができる。また、これにより、空気清浄機能付き照明器具10が地震や何らかの事情で揺れて、吊下部材22もそれにつられて揺れたとしても、吊下部材22が直接ローゼットカバー30(の照明側開口部33)に衝突することが防止できる。
【0037】
なお、挟持部材21は、吊下げ用突出片211を有し、引掛ローゼットキャップが正面視で左右に一対有する被吊下げ用突出部RC1の上面に、その吊下げ用突出片を引っ掛けた状態で挟持する。
【0038】
以上の構成から、ローゼットカバー30は、空気清浄機能付き照明器具10を天井面Cに設置された引掛ローゼット本体RBに取り付けた場合に、引掛ローゼット本体RBを覆うローゼットカバーであって、引掛ローゼット本体RBの径より大きい径を有し、天井面Cに接する天井側開口部31と、ローゼットカバーの内部に備えられ、引掛ローゼット本体RBに引き掛ける引掛ローゼットキャップRCを挟持する挟持部材21に係合する2以上の係合爪32/32’と、挟持部材21と空気清浄機能付き照明器具10とを連結し、空気清浄機能付き照明器具10を吊り下げる吊下部材22の径よりも大きい径を有する照明側開口部33と、吊下部材22の径よりも大きく照明側開口部33の径より小さい径を有する吊下部材貫通孔341を備え、照明側開口部33の径よりも大きい径を有する照明側開口カバー34と、を備え、照明側開口カバー34は、照明側開口部33の上側であって、ローゼットカバーの内側に配置され、天井側開口部31および照明側開口部33を分割するように、着脱可能に2分割される形態を有する、ローゼットカバーである。
【0039】
これによれば、美観に配慮した上で、長期間に亘り微振動を受けたとしても引掛ローゼット等との係合状態が外れることを防止し、かつ、地震や突発的な衝突があった場合でも安全性を向上させた、空気清浄機能付き照明器具を引掛ローゼット等に取り付けるためのローゼットカバーを提供できる。
【0040】
また、照明側開口カバー34の周縁部342は下に凸に湾曲している。これによれば、照明側開口カバー34が、ローゼットカバー30内を滑らかに摺動することができる。なお、周縁部342の湾曲の曲率は、ローゼットカバー30の照明側開口部33付近の曲率より小さいことが好ましい。これによれば、照明側開口カバー34の端部がローゼットカバー30の曲率を有する内壁に接することがないので、より滑らかに摺動することができる。また、照明側開口カバー34は、照明側開口部33付近に結合片35や被結合片36があっても、それが邪魔になることなく摺動することができる。
【0041】
なお、本実施例では、ローゼットカバー30の高さの約半分程度の高さより下の部分は、緩やかな曲率を以って窄まるが、これに限定されず、ローゼットカバーの側面に曲率がなくてもよい。この場合、空気清浄機能付き照明が大きく揺動しても、照明側開口部の内壁と吊下部材貫通孔の内壁とが略垂直に並ぶ前に、即ち、照明側開口部の内壁に吊下部材の側面が衝突する前に、照明側開口カバーの端部は、ローゼットカバーの内壁に衝突することがない形態とする。これによれば、地震や突発的な衝突があった場合でも、吊下部材の振れ幅の余裕が十分にあり、安全性をより向上させることができる。
【0042】
図5は、本実施例におけるローゼットカバー30と空気清浄機能付き照明器具用取付具20の断面図(一部)を示す。なお、断面の位置は、
図1におけるS1−S1断面である。
【0043】
図4は、ローゼットカバー30を低い高さを有する引掛ローゼット本体RBに適合させて取り付けた場合を示し、
図5は、ローゼットカバー30を高い高さを有する引掛ローゼット本体RBに適合させて取り付けた場合を示す。ローゼットカバー30を低い高さを有する引掛ローゼット本体RBに適合させて取り付けた場合は、係合爪32’が挟持部材21の上面に係合し、ローゼットカバー30を高い高さを有する引掛ローゼット本体RBに適合させて取り付けた場合は、係合爪32が挟持部材21の上面に係合する。これによれば、異なる高さを有する引掛ローゼット本体を2つまで、一つのローゼットカバーで対応することができる。
【0044】
空気清浄機能付き照明器具用取付具20は、
図4および
図5にその大部分を示すように、上記のローゼットカバー30と、そのローゼットカバー30に係合され、空気清浄機能付き照明器具10を天井面に設置された引掛ローゼット本体RBに引き掛ける引掛ローゼットキャップRCを挟持する挟持部材21と、空気清浄機能付き照明器具10を一端で吊り下げる剛性を有する吊下部材22と、挟持部材21と吊下部材22とを遥動自在に連結する継手部材23と、を備え、吊下部材22は、照明側開口カバー34の吊下部材貫通孔341を貫通し、他端で継手部材23と連結する。これによれば、長期間に亘り微振動を受けたとしても引掛ローゼット等との係合状態が外れることを防止し、かつ、地震や突発的な衝突があった場合でも安全性を向上させた空気清浄機能付き照明器具用取り付け具を提供できる。
【0045】
本実施例における空気清浄機能付き照明器具用取付具20は、さらに、挟持部材21の左右の吊下げ用突出片211を下側から連結して補強する固定部材24を備える。これにより、空気清浄機能付き照明器具用取付具20は、より強固に引掛ローゼットキャップRCに取り付けられる。
【0046】
挟持部材21は、空気清浄機能付き照明器具10を下方に吊り下げるため、引掛ローゼットキャップRCを両側から強固に挟持する。挟持部材21は、下に凸に湾曲した形状をなすが、これに限定されない。継手部材23は、挟持部材21と吊下部材22とを遥動自在に連結する。具体的には、挟持部材21は中央下側の位置に下向きに突出した半球面部212を備え、半球面部212は下側中央部に貫通孔を備える。そして、半球面部212とほぼ等しい半径を有する半球体231を吊下部材22の上端部に備えることで、半球面部212と半球体部231とが摺動可能になり、挟持部材21と吊下部材22とが揺動自在に連結されることとなる。
【0047】
吊下部材22は、挟持部材21と空気清浄機能付き照明器具10とを連結し、空気清浄機能付き照明器具10を吊り下げる。吊下部材21は、少なくとも、底面視や平面視で、吊下部材21の中心軸を中心に回転しない程度に剛性を有すればよい。軽量となるため、パイプ構造を有することが好ましい。これにより、下方に吊り下げる空気清浄機能付き照明器具10内の電動機や送風機の回転運動の反動により、空気清浄機能付き照明器具10自体が回転することが防止できる。
【0048】
図6および
図7は、上記空気清浄機能付き照明器具用取付具20により、天井面Cに取り付けられる空気清浄機能付き照明器具10を示す。これによれば、長期間に亘り微振動を受けたとしても引掛ローゼット等との係合状態が外れることを防止し、かつ、地震や突発的な衝突があった場合でも安全性を向上させた空気清浄機能付き照明器具を提供できる。なお、
図6は、
図1におけるS1−S1断面における空気清浄機能付き照明器具10の断面図を示す。また、
図7は、空気清浄機能付き照明器具等の正面図(A)、(A)におけるS2−S2断面における断面図(B)を示す。
【0049】
空気清浄機能付き照明器具10は、内部に光源を収納する光源収納部16を有する傘11と、下方から空気と共に油煙などを吸入する送風機14と、送風機14を回転させるための動力源である電動機15と、下から吸入した空気を排出する排気口12と、吊下部材22と連結するための連結部材19と、下方から空気と共に吸入した油煙など清浄化するフィルタ群とを備える。
【0050】
フィルタ群は、最も下の位置(空気の流れの最も上流)に、油分を付着させて除去する脱油フィルタ13を備える。その上(下流側)に、臭いを取るための脱臭フィルタ17、さらにその上に、煙を取るための脱煙フィルタ18を備える。これにより、空気清浄機能付き照明器具10は、下から吸入した油煙など含む空気を清浄化し、排気口12から清浄化された空気を排出することができる。
【0051】
<第一実施例の変形例>
図8は、本実施例の変形例を示す。
図8(A)は、空気清浄機能付き照明器具10の下から見た斜視図であり、ローゼットカバー30Aから下方に延びた吊下部材22により吊り下げられ、脱油フィルタ13を備える空気清浄機能付き照明器具10を示す。
図8(B)は、ローゼットカバー30Aの拡大図であり、上記照明側開口カバー34とは異なる吊下部材貫通孔341Aと、さらに電線用孔343Aを備える照明側開口カバー34Aを示す。
【0052】
電線用孔343Aは、引掛ローゼットキャップRCから空気清浄機能付き照明器具10へ電力を供給する電線を通すための孔である。吊下部材貫通孔341Aは、電線用孔343Aと連続した孔を形成しており、その連続した部分以外の部分は、上記吊下部材貫通孔341と同じである。
【0053】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。即ち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に関し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0054】
例えば、ローゼットカバーは、プラスティック、金属など如何なる材料から作製されてもよい。また、空気清浄機能付き照明器具用取付具における挟持部材や吊下部材は、金属などの剛性を有する材料が好ましいが、これに限定されるものではない。