特許第5938306号(P5938306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938306
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】泥土脱水装置及びフィルター装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/12 20060101AFI20160609BHJP
   B01D 24/00 20060101ALI20160609BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20160609BHJP
   B01D 29/00 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   C02F11/12 DZAB
   C02F11/12 C
   B01D29/08 520A
   B01D29/08 530A
   B01D29/08 540C
   B01D29/10 510C
   B01D29/10 520A
   B01D29/10 530D
   B01D29/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-196706(P2012-196706)
(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公開番号】特開2014-50794(P2014-50794A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】599090062
【氏名又は名称】株式会社アサヒテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】高橋 茂吉
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−090005(JP,A)
【文献】 特開2009−287261(JP,A)
【文献】 特開2012−096142(JP,A)
【文献】 特開昭47−015956(JP,A)
【文献】 特開昭53−122246(JP,A)
【文献】 特開平06−206098(JP,A)
【文献】 米国特許第06027639(US,A)
【文献】 特表2001−519710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00−11/20
B01D 24/00
B01D 29/00
B01D 29/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過材が充填されて周囲がスクリーンで覆われた容器と、
前記容器内に挿入された給気管及び吸引管と、
前記給気管に接続された圧気供給装置と、
前記吸引管に接続された真空吸引装置と、を備える泥土脱水装置であって、
前記容器の中央に前記給気管及び吸引管を兼ねる大径管を配置して、
前記容器の周囲に前記給気管を複数配置したことを特徴とする泥土脱水装置。
【請求項2】
前記大径管の周囲に外管スクリーンを備えることを特徴とする請求項1に記載の泥土脱水装置。
【請求項3】
請求項2に記載の泥土脱水装置に用いるフィルター装置であって、
前記容器内で前記外管スクリーンの周囲にサンドフィルターを充填してなることを特徴とするフィルター装置。
【請求項4】
前記サンドフィルターを内周側と外周側に仕切る浄化フィルターを備えることを特徴とする請求項3に記載のフィルター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泥土を脱水する装置と、その泥土脱水装置に用いるフィルター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、一般家庭や工場等の小規模な事業所単位でも、簡易な設備で確実に汚泥乾燥を行える汚泥乾燥装置を提案した(特許文献1参照)。
特許文献1の汚泥乾燥装置は、汚泥を収容する収容室と、その収容室をほぼ真空状態に維持する真空吸引ポンプと、収容室における汚泥中の水を加熱し気化させる加熱手段とを備える。また、収容室における汚泥中の水を吸い出して排水する排水ポンプを備える。さらに、収容室における汚泥を攪拌する攪拌手段を備える。
【0003】
また、本出願人は、大深度真空排水・圧密脱水工法と併用する小井戸の排水工法を提案した(特許文献2参照)。
特許文献2の大深度真空排水・圧密脱水工法と併用する小井戸の排水工法は、SWP(スーパーウェルポイント)工法によって掘削した地盤の表面に湧出した地下水の水位が上昇する個所に、SWP工法用パイプ孔よりも遙かに細径の削孔を施した後に、下端に吸込み部を備えたライザーパイプを挿入打設し、その上端部位をSWP工法用パイプ内に連通するヘッダーパイプに連結し、バキュームポンプの駆動によって、ライザーパイプ内に取り込んだ地下水をSWP工法用パイプ内に供出すると共に、当該パイプのDW(ディープウェル)用揚水ポンプから外部に排水する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4155789号(特開2004−136175)公報
【特許文献2】特許第4280213号(特開2006−57294)公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、泥土を脱水するという観点において、特許文献1の装置は構成が複雑であり、特許文献2の設備は大掛かりなものとなる問題があった。
【0006】
本発明の課題は、簡単な装置で泥土を脱水できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
濾過材が充填されて周囲がスクリーンで覆われた容器と、
前記容器内に挿入された給気管及び吸引管と、
前記給気管に接続された圧気供給装置と、
前記吸引管に接続された真空吸引装置と、を備える泥土脱水装置を特徴とする。
【0008】
さらに、請求項1に記載の発明は、
前記容器の中央に前記給気管及び吸引管を兼ねる大径管を配置して、
前記容器の周囲に前記給気管を複数配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項に記載の発明は、
請求項に記載の泥土脱水装置であって、
前記大径管の周囲に外管スクリーンを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項に記載の発明は、
請求項に記載の泥土脱水装置に用いるフィルター装置であって、
前記容器内で前記外管スクリーンの周囲にサンドフィルターを充填してなるフィルター装置を特徴とする。
【0013】
請求項に記載の発明は、
請求項に記載のフィルター装置であって、
前記サンドフィルターを内周側と外周側に仕切る浄化フィルターを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単な装置で泥土を脱水することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を適用した一実施形態の構成を示すもので、泥土脱水装置の配置例を示した平面図(a)と破断側面図(b)である。
図2図1(b)の泥土脱水装置の拡大図である。
図3】実施形態2の泥土脱水装置を示す縦断面図である。
図4】実施形態3の泥土脱水装置を示す縦断面図である。
図5】実施形態4の泥土脱水装置を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1(a)及び(b)は本発明を適用した一実施形態の構成として泥土脱水装置の配置例を示したもので、1は泥土貯留槽、2は底板、3は面状排水材、4は鉄板プレート、10は泥土脱水装置である。
【0017】
図示のように、泥土貯留槽1の一辺部に沿って底板2の上方に面状排水材3が設けられて、この面状排水材3の内側に沿って鉄板プレート4が設けられ、面状排水材3の上には泥土脱水装置10が設置されている。
【0018】
図2は泥土脱水装置10を拡大したもので、11は容器、12は底蓋、13は上蓋、15は巻線スクリーン、21は給気管、22は給気孔、26は開閉弁、31は大径管、32は給気孔兼吸引孔、33は外管スクリーン、34は給気管、35は吸引管、36は開閉弁、37は開閉弁、41は濾過材である。
【0019】
図示のように、泥土脱水装置10は、容器11と、その周囲に設けた複数の給気管21と、容器11の中央に設けた大径管31と、容器11の内部に充填した濾過材41と、図示しない圧気供給装置及び真空吸引装置とから構成される。
【0020】
すなわち、容器11は、底蓋12及び上蓋13により、例えば高さ1500mmで直径450mmの円筒状をなす、濾過材が充填された巻線スクリーン15の上下を閉じたものである。この巻線スクリーン15は円筒状の濾過材によるスクリーン外周に鋼線を巻き付けて構成される。
さらに、上蓋13の周囲に、例えば直径25mmの給気管21を貫通して4本等間隔に配置するとともに、上蓋13の中央に、例えば直径50mmの大径管31を貫通して配置したものである。
【0021】
給気管21は、底蓋12の直上まで延びる下端部に給気孔22を有して、上蓋13から上方に突出した部分に開閉弁26を備えて、その開閉弁26より上流側端部に図示しない圧気供給装置が接続されている。
【0022】
大径管31は、底蓋12の直上まで延びる下端部に給気孔兼吸引孔32を有して、その下端部から上蓋13の下方部までの外周に、例えば直径100mmの円筒状の濾過材が充填された外管スクリーン33を装着したもので、上蓋13から上方に突出した部分において、二股状の給気管34及び吸引管35が形成されている。
さらに、給気管34に開閉弁36が備えられて、その開閉弁36より上流側端部に図示しない圧気供給装置が接続されている。
また、吸引管35に開閉弁37が備えられて、その開閉弁37より下流側端部に図示しない真空吸引装置が接続されている。
【0023】
そして、以上の給気管21及び大径管31を配置した容器11の内部には、主濾過材としてのサンドフィルター41が充填されている。
【0024】
次に、泥土脱水装置10の作用について説明する。
【0025】
まず、図1において、泥土貯留槽1には、図示しない泥土が貯留され、泥土貯留槽1の一辺部に沿って設けた面状排水材3から底板2の上に水分が排水される。
また、泥土中の泥土脱水装置10には、その容器11の周囲の巻線スクリーン15から水分が内部のサンドフィルター41まで浸み込んでいる。
【0026】
なお、泥土脱水装置10は、給気管26に備えた開閉弁26が開位置にあり、給気管34に備えた開閉弁36も開位置にあって、吸引管35に備えた開閉弁37は閉位置にある。
【0027】
この状態で、圧気供給装置を作動して、周囲4本の給気管21と中央1本の大径管31に圧気を供給すると、その下端部の給気孔22から円筒状の容器11内のサンドフィルター41の水分中に周囲から勢いよく圧気が噴出するとともに、給気孔兼吸引孔32から外管スクリーン33を通してサンドフィルター41の中央から水分中に勢いよく圧気が噴出して、容器11の周囲の巻線スクリーン15から泥土中に圧気が分散して放出される。
【0028】
この圧気の分散放出を所定時間継続することで、泥土貯留槽1内の泥土中に圧気を行渡らせる。
その後、給気管26の開閉弁26を閉位置に、給気管34の開閉弁36も閉位置にそれぞれ切り換え、吸引管35の開閉弁37を開位置に切り換えてから、真空吸引装置を作動して、大径管31に真空圧を作用すると、その下端部の給気孔兼吸引孔32から容器11内のサンドフィルター41中の水分及び空気が吸引される。
【0029】
この水分及び空気の吸引は、容器11の周囲の巻線スクリーン15から泥土中に作用して、泥土貯留槽1内の泥土中の水分及び空気が大径管31から吸引管35を経て真空吸引装置に吸引される。
これにより、泥土中の水分を効果的に吸引して、泥土を脱水することができる。
【0030】
以上、実施形態の泥土脱水装置10によれば、簡単な装置構成で泥土を脱水することができる。
【0031】
(実施形態2)
図3は実施形態2の泥土脱水装置を50示すもので、前述した実施形態1と同様、1は泥土貯留槽、2は底板、3は面状排水材であって、5はアルミプレート、51は網状管、52はキャップシート、53はサンドフィルター、61は大径管、62は給気孔兼吸引孔、63は透水管である。
【0032】
図示例では、実施形態1の鉄板プレート4に代えてアルミプレート5が設けられて、面状排水材3を貫通して泥土脱水装置50が設置されている。
【0033】
図示のように、泥土脱水装置50は、外周の網状管51の上面をキャップシート52で閉じて、内部にサンドフィルター53を充填したもので、中央を貫通する大径管61の下部に給気孔兼吸引孔62を有し、その大径管61の外周に濾過材が充填された透水管63を装着して構成される。
【0034】
このような泥土脱水装置50によっても、圧気供給装置を作動して大径管61に圧気を供給すると、その下端部の給気孔兼吸引孔62から濾過材及び透水管63を通してサンドフィルター53の中央から水分中に勢いよく圧気が噴出して、容器周囲の網状管51から泥土中に圧気が分散して放出される。この圧気の分散放出を所定時間継続して泥土貯留槽1内の泥土中に圧気を行渡らせる。
【0035】
その後、真空吸引装置を作動して大径管31に真空圧を作用すると、その下端部の給気孔兼吸引孔32から容器内のサンドフィルター53中の水分及び空気が吸引される。この水分及び空気の吸引は、容器周囲の網状管51から泥土中に作用して、泥土貯留槽1内の泥土中の水分及び空気が大径管31から真空吸引装置に吸引される。
こうして、泥土中の水分を効果的に吸引して、泥土を脱水することができる。
【0036】
(実施形態3)
図4は実施形態3の泥土脱水装置(兼水質浄化装置)70を示すもので、前述した実施形態1と同様、1は泥土貯留槽、2は底板であって、71は網状管、73はサンドフィルター、75は浄化フィルター、81は大径管、82は吸引孔、83は透水管、84は吸引管、85は揚水管、86は水中ポンプ、91は給気管である。
【0037】
図示のように、泥土脱水兼水質浄化装置70は、外周の網状管71の上下両面を閉じて、内部にサンドフィルター73を充填するとともに、そのサンドフィルター73を浄化フィルター75で内周側と外周側とに仕切ったもので、中央を貫通する大径管81の下部に吸引孔82を有し、その大径管61の下部外周に濾過材が充填された透水管83が装着される。
【0038】
そして、大径管81には、閉じられた上面に吸引管84が接続されて、上面中央に揚水管85が挿入されている。揚水管85の下部には水中ポンプ87が備えられている。
また、サンドフィルター73の浄化フィルター75で仕切られた内周側と外周側には、各々複数の多孔管による給気管91が挿入されている。
【0039】
このような泥土脱水兼水質浄化装置70によれば、周囲複数で内外二重配置の給気管91に圧気を供給すると、その周囲の多孔部から円筒状容器内の浄化フィルター75で仕切られた内周側と外周側のサンドフィルター73の水分中に周囲から勢いよくそれぞれ圧気が噴出して、容器周囲の網状管71から泥土中に圧気が分散して放出される。この圧気の分散放出を所定時間継続して泥土貯留槽1内の泥土中に圧気を行渡らせる。
【0040】
その後、真空吸引装置を作動して吸引管84から大径管81に真空圧を作用すると、その下端部の吸引孔82から容器内のサンドフィルター73中の水分及び空気が吸引される。この水分及び空気の吸引は、容器周囲の網状管71から泥土中に作用して、泥土貯留槽1内の泥土中の水分及び空気が大径管81に吸引される。
そして、大径管81内の空気は吸引管84から真空吸引装置に吸引される。
【0041】
また、大径管81内の水は、サンドフィルター73を内周側と外周側に仕切る浄化フィルター75で既に浄化されていて、水中ポンプ86から揚水管85を通って図示しない浄水タンクに貯留される。
【0042】
以上のようにして、泥土中の水分を効果的に吸引して、泥土を脱水するとともに、水質を浄化した浄水を得ることができる。
【0043】
(実施形態4)
図5は実施形態4の泥土脱水装置100を示すもので、101は内筒管、102は吸水孔、103は外管スクリーン、104は内管スクリーン、105はフィルター材、106は吸気管、107は動力線、108は送気口、109は送水口、111は揚水管、112は水中ポンプ、121は給気管である。
【0044】
図示のように、泥土脱水装置100は、底壁をスリット加工して下端周囲に吸水孔102を有する内筒管101の下部に外管スクリーン103、内管スクリーン104及びその間のフィルター材105を備えている。また、内筒管101の上面に吸気管106及び動力線107が接続され、内筒管101の上部外周に送気口108及び送水口109を備えている。
【0045】
そして、内筒管101の内部に揚水管111が挿入されて、揚水管111の下部に水中ポンプ112が備えられている。
さらに、外管スクリーン103及び内管スクリーン104の間に、フィルター材105に挿入する給気管121が配置されている。この給気管121は円周方向等間隔に4本備えられている。
【0046】
このように、内筒管101、外管スクリーン103、内管スクリーン104、フィルター材105、揚水管111、水中ポンプ112及び給気管121等をユニット化した泥土脱水装置100を使用してもよい。
【0047】
(変形例)
以上の実施形態の他、具体的な細部構造等について適宜に変更可能であることは勿論である。
なお、開閉弁の開閉動作は手動操作でも自動制御でもよい。
また、本発明は、台船内を利用した真空気化脱水工法としても適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 泥土貯留槽
2 底板
3 面状排水材
4 鉄板プレート
5 アルミプレート
10 泥土脱水装置
11 容器
12 底蓋
13 上蓋
15 巻線スクリーン
21 給気管
22 給気孔
26 開閉弁
31 大径管
32 給気孔兼吸引孔
33 外管スクリーン
34 給気管
35 吸引管
36 開閉弁
37 開閉弁
41 濾過材(サンドフィルター)
50 泥土脱水装置
51 網状管
52 キャップシート
53 サンドフィルター
61 大径管
62 給気孔兼吸引孔
63 透水管
70 泥土脱水兼水質浄化装置
71 網状管
73 サンドフィルター
75 浄化フィルター
81 大径管
82 吸引孔
83 透水管
84 吸引管
85 揚水管
86 水中ポンプ
91 給気管
100 泥土脱水装置
101 内筒管
102 吸水孔
103 外管スクリーン
104 内管スクリーン
105 フィルター材
106 吸気管
107 動力線
108 送気口
109 送水口
111 揚水管
112 水中ポンプ
121 給気管
図1
図2
図3
図4
図5