特許第5938313号(P5938313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5938313剥離テープ及びそれを備えた液晶パネル、液晶モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938313
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】剥離テープ及びそれを備えた液晶パネル、液晶モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20160609BHJP
   C09J 7/02 20060101ALI20160609BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20160609BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20160609BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   G02F1/13 101
   C09J7/02 Z
   G02F1/1335 510
   G02F1/1333
   G02B5/30
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-203241(P2012-203241)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-59378(P2014-59378A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】久郷 博彦
(72)【発明者】
【氏名】立岩 豊
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 実開平4−6024(JP,U)
【文献】 特開平05−273413(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/069661(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/069576(WO,A1)
【文献】 特開2003−195250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
C09J 7/02
G02F 1/1335
G02F 1/1333
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルの最表面に偏光板が設けられ、その偏光板の表面に貼り付けられた保護フィルムの剥離テープであって、粘着部と非粘着部とから構成され、前記粘着部は、前記液晶パネルの前記偏光板と前記保護フィルムとの間の接着力以上の接着力を有し、剥離テープの長手方向の一方の端部に形成され、前記非粘着部は、剥離テープの長手方向のもう一方の端部に形成され、これら粘着部と非粘着部とが剥離テープの長手方向で隣接して形成され、外形形状が長方形の剥離テープを構成しており、前記粘着部の非粘着部側の端部に前記非粘着部の一部が張り出す形状で、前記粘着部と前記非粘着部とが形成されていることを特徴とする剥離テープ。
【請求項2】
剥離テープの幅手方向の少なくとも一方の端部に、前記粘着部の非粘着部側の端部を残す形状で、前記粘着部の非粘着部側の端部に前記非粘着部の一部が張り出されていることを特徴とする請求項1に記載の剥離テープ。
【請求項3】
剥離テープの幅手方向の両方の端部に、前記粘着部の非粘着部側の端部を残す形状で、前記粘着部の非粘着部側の端部に前記非粘着部の一部が張り出されていることを特徴とする請求項2に記載の剥離テープ。
【請求項4】
前記粘着部の外形形状は、非粘着部側に向かって開口した窪み部を有する凹型に形成し、非粘着部の外形形状は、粘着部側に向かって張り出して前記粘着部の前記窪み部と嵌合する張り出し部を有する凸型に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の剥離テープ。
【請求項5】
2枚の透明な基板と、その基板間に挟む液晶材料と、その基板のさらに外側に設ける2枚の偏光板と、請求項1ないし4の何れかの剥離テープとを備える液晶パネルであって、液晶パネルの最表面に偏光板が設けられ、その偏光板の表面に貼り付けられた保護フィルムの前記剥離テープは、前記保護フィルムの端部の少なくとも一部を含み、かつ前記保護フィルムから前記非粘着部がはみ出し、さらには前記保護フィルムから前記粘着部の非粘着部側の端部がはみ出すように、マジーンを取った状態で、前記保護フィルムに前記粘着部を介して貼り付けられていることを特徴とする液晶パネル。
【請求項6】
請求項5に記載の液晶パネルを備えた液晶モジュールであって、前記液晶パネルの一方の前記基板には、前記液晶パネルの駆動用IC及び信号入出力用FPCとが実装されていることを特徴とする液晶モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの偏光板に貼り付けられた保護フィルムの剥離テープ及びそれを備えた液晶パネル、液晶モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車のクラスター(インスツルメントパネル)に搭載される、時計表示部、マルチインフォメーション表示部、ナビゲーションの表示部、オーディの表示部などには、液晶パネル100が使用されている。この液晶パネル100の一例を図6に示す。図6(A)は、表面図(正面図)、図6(B)は、側面図、図6(C)は、断面図である。
【0003】
図6(A)、図6(B)、図6(C)に示すように、液晶パネル100は、表裏2枚の透明な基板101と、その基板101間に挟む液晶材料106と、その基板101のさらに外側に設ける表裏2枚の偏光板107とから構成されている。透明な基板としては、例えば、ガラス基板101が用いられる。そのガラス基板101の一方の表面に透明電極102と配向膜103をこの順に形成し、配向膜103を上下に向かい合わせた2枚のガラス基板101を、基板間距離が均一となるように、スペーサ104を介在させてシール105などによって平行に貼り合わせる。そして、基板間にネマティック液晶などの液晶材料106を封入し、ガラス基板101のさらに外側に偏光板107を貼り付けて製造される。液晶パネル100には、カラーフィルタを設けてカラー表示可能にしたものもある。この液晶パネル100は、必要に応じて、図6(A)、図6(B)の仮想線に示すように、裏側の基板101上に、液晶パネル100の駆動用IC201、FPC用コネクタ202、信号入出力用FPC203などを実装することにより、液晶モジュール200に組み立てられる。また、液晶モジュール200には、必要に応じて、図示しない光源(バックライト、サイドライト、フロントライト)なども取り付けられる。
【0004】
偏光板107は、液晶パネル100の表示領域よりも大きく、かつガラス基板101よりも小さく、偏光板107の周囲にガラス基板101が露出するように、ガラス基板101に貼り付けられる。
【0005】
また、偏光板107の一方の表面(基板側の表面)には、図示しない離型フィルムが粘着剤層108を介して貼り付けられている。この離型フィルムは、偏光板107をガラス基板101に貼り付ける段階で剥離され、粘着剤層108によって偏光板107がガラス基板101に貼り付けられる。
【0006】
さらに、偏光板107のもう一方の表面(基板と反対側の表面)には、透明な保護フィルム109が粘着剤層110を介して貼り付けられている。この保護フィルム109は、液晶パネル100の製造時や液晶モジュール200の組み立て時における偏光板107の傷付き防止用であるが、完成した液晶パネル100や液晶モジュール200は、保護フィルム109を貼り付けた状態で出荷され、ユーザー側で保護フィルム109が剥離される。
【0007】
なお、偏光板107は、透過型パネル用では、表裏面用とも保護フィルム109が貼り付けられているが、半透過型パネルの裏面用では、保護フィルム109の代わりに半透明の反射板が粘着剤層を介して貼り付けられ、反射型パネルの裏面用では、保護フィルム109の代わりに反射板111が粘着剤層112を介して貼り付けられる場合もある。反射型パネルの裏面用を図6(B)、図6(C)に示す。
【0008】
ところで、偏光板107と保護フィルム109との接着は、これらの間の粘着剤層110による接着力に加え、保護フィルム109の両面に生じる差圧に起因する接着力が働くため非常に強く、保護フィルム109の剥離には大きな力が必要となる。しかし、保護フィルム109の端部では、偏光板107と保護フィルム109との間に容易に空気を入れることができるため、差圧に起因する接着力が失われ、粘着剤層110による接着力以上の力があれば保護フィルム109を剥離することができる。そして、一旦保護フィルム109の端部の少なくとも一部を剥離することができれば、そこをきっかけとして連続的に偏光板107と保護フィルム109との間に空気を入れることができるため、粘着剤層110による接着力以上の力によって残りの保護フィルム109全てを剥離するこができる。
【0009】
従って、保護フィルム109の剥離には、偏光板107と保護フィルム109との間の粘着剤層110による接着力以上の接着力を有する粘着テープが広く用いられている。この粘着テープは、液晶パネル100の製造工程における偏光板107の貼り付け工程以降に、保護フィルム109の端部の少なくとも一部を含むように、保護フィルム109に貼り付けられ、完成した液晶パネル100や液晶モジュール200は、保護フィルム109とその剥離用に粘着テープを貼り付けた状態で出荷され、ユーザー側で粘着テープを所定の方向へ引っ張ることにより、偏光板107を傷付けることなく、保護フィルム109が剥離できるようになされている。この粘着テープは剥離テープと呼ばれている。この剥離テープの従来例として、特許文献1に開示された構造を有する従来の剥離テープ1を図7に示す。図7(A)は、側面図、図7(B)は、裏面図(背面図)である。
【0010】
図7(A)、図7(B)に示すように、剥離テープ1は、剥離テープ1の長手方向(左右方向)の一方の端部となる左端部に形成される外形形状が長方形のシート状の粘着部4と、剥離テープ1の長手方向のもう一方の端部となる右端部に形成される外形形状が長方形のシート状の非粘着部5とから構成されている。具体的には、シート状の樹脂フィルムからなる外形形状が長方形の1枚の基材(テープ本体)2の長手方向(左右方向)の左端から途中までの長方形(幅がテープ幅と同じで長さがテープ長よりも短い長方形)の領域の裏面にのみ、偏光板107と保護フィルム109との間の粘着剤層110による接着力よりも強力な接着力を有する粘着剤層3を形成することにより、剥離テープ1の左端部に外形形状が長方形のシート状の粘着部4が形成されている。一方基材2の長手方向の右端から途中までの残りの長方形(幅がテープ幅と同じで長さがテープ長よりも短い長方形)の領域の裏面には、粘着剤層3を形成しないことにより、剥離テープ1の右端部に外形形状が長方形のシート状の非粘着部5が形成されている。また、剥離テープ1の長手方向の途中で剥離テープ1の幅手方向の上下側端縁間に垂直に跨り、粘着剤層3の長手方向の右側端縁を構成する1本の直線が、粘着部4と非粘着部5との境界線6となり、剥離テープ1の裏面側に現れている。この剥離テープ1を保護フィルム109に貼り付けた状態の液晶パネル100を図8に示す。図8(A)は、表面図(正面図)、図8(B)は、断面図である。また、図8(A)、図8(B)は、表側のガラス基板101よりも裏側の構造を透明化した状態で示す。さらに、図8(B)は、剥離テープ1の貼り付けた部分を拡大した状態で示す。
【0011】
図8(A)、図8(B)に示すように、剥離テープ1は、経済性が考慮されて保護フィルム109よりも十分に小さく(狭く短い)、例えば、保護フィルム109の長手方向の一方の端縁となる右側端縁に粘着部4が掛かり、かつ保護フィルム109から右側へ非粘着部5がはみ出すように、保護フィルム109の一方の端部となる右端部に粘着部4を介して貼り付けられる。また、この剥離テープ1の貼り付けに当たり、保護フィルム109の右側端縁に粘着部4と非粘着部5との境界線6を合わせて、保護フィルム109の右側端縁に粘着部4の右側端縁を重ねてもよいが、後述する理由で、保護フィルム109の右側端縁からさらに右側へ粘着部4の右側端部がはみ出すように、少しマージンMを取った状態で貼り付けられる。そして、ユーザ側で保護フィルム109を剥離する際に、剥離テープ1の非粘着部5を、図8(B)の矢印に示す左斜め上方(偏光板107に対して150度の角度)へ引っ張ることにより、偏光板107と保護フィルム109との間の粘着剤層110による接着力よりも粘着部4の粘着剤層3による接着力が強く、しかも保護フィルム109の右側端縁に粘着部4に掛かっているので、図8(B)の仮想線に示すように、剥離テープ1と一体となって保護フィルム109の右端部を剥離することができ、そこをきっかけとして連続的に保護フィルム109全てを剥離することができるようになされている。
【0012】
ところで、図6(a)、図6(B)、図6(C)、図8(A)、図8(B)には、ガラス基板101に対して正しい位置に貼り付けられた偏光板107を示しているが、液晶パネル100の各製造工程の誤差などにより、ガラス基板101に対して偏光板107が正しい位置から多少ズレた位置に貼り付けられる場合がある(但し、そのズレ量は貼り直しをする必要がない許容範囲。)。図9図10に、ガラス基板101に対して偏光板107が正しい位置から剥離テープ1の貼り付け位置側の右側にズレた位置に貼り付けられていた場合を示す。また、図9には、剥離テープ1の貼り付けに当たり、マージンMを取らない場合を示し、図10には、剥離テープ1の貼り付けに当たり、マージンMを取る場合を示す。図9(A)、図10(A)は、図8(A)に相当する表面図(正面図)、図9(B)、図10(B)は、図8(B)に相当する断面図である。図9(A)、図10(A)の仮想線は、偏光板107の正しい貼り付け位置を示す。
【0013】
図9(A)、図9(B)、図10(A)、図10(B)に示すように、偏光板107が正しい位置から右側にズレた位置に貼り付けられていた場合では、図9(A)、図9(B)に示すように、剥離テープ1の貼り付けに当たり、右側にマージンMを取らない場合には、偏光板107の右側端縁、すなわち保護フィルム109の右側端縁に粘着部4が掛からず、直ちに、保護フィルム109の剥離のきっかけを失うことになり、粘着部4の粘着剤層3が偏光板107と保護フィルム109との間の粘着剤層110による接着力よりも強力な接着力を有するとはいえ、偏光板107と保護フィルム109との間には、そこの粘着剤層110による接着力に加え、保護フィルム109の両面に生じる差圧に起因する接着力が働くため、図9(B)の仮想線に示すように、保護フィルム109の剥離ができずに、剥離テープ1のみが剥離してしまうという問題を生じる。これに対し、図10(A)、図10(B)に示すように、剥離テープ1の貼り付けに当たり、右側にマージンMを取る場合には、保護フィルムの右側端縁に粘着部4を掛けて、保護フィルム109の剥離のきっかけを作ることができ、図10(B)の仮想線に示すように、剥離テープ1と一体となって保護フィルム109の右端部を剥離することができ、そこをきっかけとして連続的に保護フィルム109全てを剥離することができる。
【0014】
また、図11に、ガラス基板101に対して偏光板107が正しい位置から剥離テープ1の貼り付け位置と反対側の左側にズレた位置に貼り付けられていた場合を示す。また、図11には、剥離テープ1の貼り付けに当たり、マージンMを取る場合を示す。図11(A)は、図8(A)に相当する表面図(正面図)、図11(B)は、図8(B)に相当する断面図である。図11(A)の仮想線は、偏光板107の正しい貼り付け位置を示す。
【0015】
図11(A)、図11(B)に示すように、偏光板107が正しい位置から左側にズレた位置に貼り付けられていた場合では、剥離テープ1の貼り付けに当たり、右側にマージンMを取る場合にも、取らない場合にも、保護フィルム109の剥離のきっかけをなくすことに起因する保護フィルム109の剥離不良を起こすことはない。しかし、図11(A)、図11(B)に示すように、右側にマージンMを取る場合には、そのマージンMによる保護フィルム109から右側への粘着部4のはみ出し量Mに、偏光板107、すなわち保護フィルム109の左側への位置ズレに起因する保護フィルム109から右側への粘着部4のはみ出し量αが加わるため、予め設定されているマージンMを越えて保護フィルム109の右側へ粘着部4がはみ出すことになる。そうなると、図11(B)に示すように、保護フィルム109から右側へはみ出した粘着部4がその直下で露出されているガラス基板101に密着して貼り付きやすくなる。そして、この状態で、保護フィルム109の剥離工程が行われると、粘着部4の粘着剤層3による接着力が強いことも手伝って、保護フィルム109の剥離ができずに、液晶パネル100や液晶モジュール200そのものを持ち上げてしまうという問題を生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】実開平3−71301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、前述した従来の剥離テープの問題点を解決し、液晶パネルの偏光板に貼り付けられた保護フィルムを容易に、かつ確実に剥離することができると共に、それを液晶パネルの生産性などに影響を及ぼすことなく実現することができる剥離テープ及びそれを備えた液晶パネル、液晶モジュールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前述した問題点を解決するための手段としての本発明に係る剥離テープは、液晶パネルの最表面に偏光板が設けられ、その偏光板の表面に貼り付けられた保護フィルムの剥離テープであって、粘着部と非粘着部とから構成され、前記粘着部は、前記液晶パネルの前記偏光板と前記保護フィルムとの間の接着力以上の接着力を有し、剥離テープの長手方向の一方の端部に形成され、前記非粘着部は、剥離テープの長手方向のもう一方の端部に形成され、これら粘着部と非粘着部とが剥離テープの長手方向で隣接して形成され、外形形状が長方形の剥離テープを構成しており、前記粘着部の非粘着部側の端部に前記非粘着部の一部が張り出す形状で、前記粘着部と前記非粘着部とが形成されている構成とする。
【0019】
また、本発明に係る剥離テープにおいては、剥離テープの幅手方向の少なくとも一方の端部に、前記粘着部の非粘着部側の端部を残す形状で、前記粘着部の非粘着部側の端部に前記非粘着部の一部が張り出されていることが好ましい。また、剥離テープの幅手方向の両方の端部に、前記粘着部の非粘着部側の端部を残す形状で、前記粘着部の非粘着部側の端部に前記非粘着部の一部が張り出されていることがさらに好ましい。
【0020】
本発明に係る剥離テープによれば、例えば、粘着部の外形形状を、従来の長方形から、非粘着部側に向かって開口した窪み部を有する凹型に形成し、非粘着部の外形形状を、従来の長方形から、粘着部側に向かって張り出して粘着部の窪み部と嵌合する張り出し部を有する凸型に形成した上で、液晶パネルの製造工程における偏光板の貼り付け工程以降に、保護フィルムの端部の少なくとも一部を含み、かつ保護フィルムから非粘着部がはみ出し、さらには保護フィルムから粘着部の非粘着部側の端部がはみ出すように、マジーンを取った状態で、保護フィルムに粘着部を介して剥離テープを貼り付けることにより、液晶パネルの基板に対して偏光板が正しい位置から剥離テープの貼り付け位置側にズレた位置に貼り付けられていた場合でも、偏光板と保護フィルムとの間の接着力よりも粘着部の接着力が強く、しかも剥離テープの貼り付けに当たって取られたマージンによって保護フィルムの端部の少なくとも一部が粘着部に掛かっているので、ユーザ側で保護フィルム109を剥離する際に、剥離テープの非粘着部を所定の方向へ引っ張ることにより、剥離テープと一体となって保護フィルムの端部の少なくとも一部を剥離することができ、そこをきっかけとして連続的に保護フィルム全てを容易、かつ確実に剥離することができる。
【0021】
また、逆に、基板に対して偏光板が正しい位置から剥離テープの貼り付け位置と反対側にズレた位置に貼り付けられていた場合でも、剥離テープの貼り付け当たり、従来と同じ量のマージンを取ったとしても、粘着部の非粘着部側の端部に非粘着部の一部が張り出す形状で、粘着部と非粘着部とが形成されているため、保護フィルムからの粘着部のはみ出し面積は従来に比べて少なく、保護フィルムからはみ出した粘着部がその直下で露出している基板に密着して貼り付いたとしても、その面積は従来に比べて少なくなる。このため、ユーザ側で保護フィルムを剥離する際に、保護フィルムからはみ出した粘着部が基板に密着して貼り付いていた場合でも、剥離テープの非粘着部を所定の方向へ引っ張ることにより、その貼り付いた少面積の粘着部は基板から剥離されて液晶パネルや液晶モジュールそのものを持ち上げるまでに至らず、剥離テープと一体となって保護フィルムの端部の少なくとも一部を剥離することができ、そこをきっかけとして連続的に保護フィルム全てを容易、かつ確実に剥離することができる。
【0022】
そして、剥離テープの外形形状は、従来と同じ長方形で変わらないので、既存の液晶パネル製造工程のタクト及び作業性などに対して変化を生じさせず、前述した作用効果を得ることができる。
【0023】
本発明に係る液晶パネルは、2枚の透明な基板と、その基板間に挟む液晶材料と、その基板のさらに外側に設ける2枚の偏光板と、前述した本発明に係る剥離テープとを備える液晶パネルであって、液晶パネルの最表面に偏光板が設けられ、その偏光板の表面に貼り付けられた保護フィルムの前記剥離テープは、前記保護フィルムの端部の少なくとも一部を含み、かつ前記保護フィルムから前記非粘着部がはみ出し、さらには前記保護フィルムから前記粘着部の非粘着部側の端部がはみ出すように、マジーンを取った状態で、前記保護フィルムに前記粘着部を介して貼り付けられている構成とする。
【0024】
本発明に係る液晶モジュールは、前述した本発明に係る液晶パネルを備えた液晶モジュールであって、前記液晶パネルの一方の前記基板には、前記液晶パネルの駆動用IC及び信号入出力用FPCとが実装されている構成とする。
【発明の効果】
【0025】
以上のとおり、剥離テープに係る本発明によれば、液晶パネルの最表面に偏光板が設けられ、その偏光板の表面に貼り付けられた保護フィルムの剥離テープであって、粘着部と非粘着部とから構成され、前記粘着部は、前記液晶パネルの前記偏光板と前記保護フィルムとの間の接着力以上の接着力を有し、剥離テープの長手方向の一方の端部に形成され、前記非粘着部は、剥離テープの長手方向のもう一方の端部に形成され、これら粘着部と非粘着部とが剥離テープの長手方向で隣接して形成され、外形形状が長方形の剥離テープを構成しており、前記粘着部の非粘着部側の端部に前記非粘着部の一部が張り出す形状で、前記粘着部と前記非粘着部とが形成されているので、液晶パネルの偏光板に貼り付けられた保護フィルムを容易に、かつ確実に剥離することができると共に、それを液晶パネルの生産性などに影響を及ぼすことなく実現することができる。
【0026】
また、液晶パネルに係る本発明によれば、2枚の透明な基板と、その基板間に挟む液晶材料と、その基板のさらに外側に設ける2枚の偏光板と、前述した本発明に係る剥離テープとを備える液晶パネルであって、液晶パネルの最表面に偏光板が設けられ、その偏光板の表面に貼り付けられた保護フィルムの前記剥離テープは、前記保護フィルムの端部の少なくとも一部を含み、かつ前記保護フィルムから前記非粘着部がはみ出し、さらには前記保護フィルムから前記粘着部の非粘着部側の端部がはみ出すように、マジーンを取った状態で、前記保護フィルムに前記粘着部を介して貼り付けられているので、液晶パネルの偏光板に貼り付けられた保護フィルムを容易に、かつ確実に剥離することができると共に、それを液晶パネルの生産性などに影響を及ぼすことなく実現することができる。
【0027】
また、液晶モジュールに係る本発明によれば、前述した本発明に係る液晶パネルを備えた液晶モジュールであって、前記液晶パネルの一方の前記基板には、前記液晶パネルの駆動用IC及び信号入出力用FPCとが実装されているので、液晶パネルの偏光板に貼り付けられた保護フィルムを容易に、かつ確実に剥離することができると共に、それを液晶パネルの生産性などに影響を及ぼすことなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態に係る剥離テープを示す図であり、図1(A)は、側面図、図1(B)は、裏面図(背面図)である。
図2】本発明の実施形態に係る剥離テープを保護フィルムに貼り付けた状態の液晶パネルを示す図であり、図2(A)は、表面図(正面図)、図2(B)は、断面図である。
図3】ガラス基板に対して偏光板が正しい位置から剥離テープの貼り付け位置側の右側にズレた位置に貼り付けられていた場合を示す図であり、図3(A)は、図2(A)に相当する表面図(正面図)、図3(B)は、図2(B)に相当する断面図である。
図4】ガラス基板に対して偏光板が正しい位置から剥離テープの貼り付け位置と反対側の左側にズレた位置に貼り付けられていた場合を示す図であり、図4(A)は、図2(A)に相当する表面図(正面図)、図4(B)は、図2(B)に相当する断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る剥離テープの変形例を示す図であり、図5(A)は、第1の変形例を示す裏面図(背面図)、図5(B)は、第2の変形例を示す裏面図(背面図)、図5(C)は、第3の変形例を示す裏面図(背面図)、図5(D)は、第4の変形例を示す裏面図(背面図)、図5(E)は、第5の変形例を示す裏面図(背面図)、図5(F)は、第6の変形例を示す裏面図(背面図)である。
図6】液晶パネルの一例を示す図であり、図6(A)は、表面図(正面図)、図6(B)は、側面図、図6(C)は、断面図である。
図7】従来の剥離テープを示す図であり、図7(A)は、側面図、図7(B)は、裏面図(背面図)である。
図8】従来の剥離テープを保護フィルムに貼り付けた状態の液晶パネルを示す図であり、図8(A)は、表面図(正面図)、図8(B)は、断面図である。
図9】ガラス基板に対して偏光板が正しい位置から剥離テープの貼り付け位置側の右側にズレた位置に貼り付けられていた場合であって、剥離テープの貼り付けに当たり、マージンを取らない場合を示す図であり、図9(A)は、図8(A)に相当する表面図(正面図)、図9(B)は、図8(B)に相当する断面図である。
図10】ガラス基板に対して偏光板が正しい位置から剥離テープの貼り付け位置側の右側にズレた位置に貼り付けられていた場合であって、剥離テープの貼り付けに当たり、マージンを取る場合を示す図であり、図10(A)は、図8(A)に相当する表面図(正面図)、図10(B)は、図8(B)に相当する断面図である。
図11】ガラス基板に対して偏光板が正しい位置から剥離テープの貼り付け位置と反対側の左側にズレた位置に貼り付けられていた場合であって、剥離テープの貼り付けに当たり、マージンを取る場合を示す図であり、図11(A)は、図8(A)に相当する表面図(正面図)、図11(B)は、図8(B)に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。先ず、図1に、本発明の実施形態に係る剥離テープ11を示す。図1(A)は、側面図、図1(B)は、裏面図(背面図)である。
【0030】
図1(A)、図1(B)に示す例では、剥離テープ11は、剥離テープ11の長手方向(左右方向)の一方の端部となる左端部に形成される外形形状が凹字形のシート状の粘着部14と、剥離テープ11の長手方向のもう一方の端部となる右端部に形成される外形形状が凸字形のシート状の非粘着部15とから構成されている。具体的には、シート状の樹脂フィルムからなる外形形状が長方形の1枚の基材(テープ本体)12を有し、その基材12の長手方向(左右方向)の左端から途中までの長方形(幅がテープ幅と同じで長さがテープ長よりも短い長方形)の領域を基準とし、その基準の長方形の右端部(テープ内側端部)の中央を四角形にカットしたような凹字形の領域の裏面にのみ、図6(A)、図6(B)、図6(C)に示した液晶パネル100の偏光板107と保護フィルム109との間の粘着剤層110による接着力よりも強力な接着力を有する粘着剤層13を形成することにより、剥離テープ11の左端部に、基材12と粘着剤層13との二層構造であって、剥離テープ11の裏面側に粘着剤層13が露出し、外形形状が凹字形であって、右端部の中央に右側に向かって開口した単一の四角形(コ字形)の窪み部14aを有するシート状の粘着部14が形成されている。一方基材12の長手方向の右端から途中までの長方形(幅がテープ幅と同じで長さがテープ長よりも短い長方形)の領域(基材12の左端から途中までの長方形の領域以外の長方形の領域)を基準とし、その基準の長方形の左端部(テープ内側端部)の中央に、基材12の左端から途中までの長方形の領域の右端部の中央のカット形状に相当する四角形を加えたような凸字形の領域(凹字形の粘着部14以外の領域)の裏面には、粘着剤層13を形成しないことにより、剥離テープ11の右端部に、基材12のみの単層構造であって、剥離テープ11の裏面側に基材12が露出し、外形形状が凸字形であって、左端部の中央から左側に向かって張り出して粘着部14の窪み部14aと嵌合する単一の四角形(コ字形)の張り出し部15aを有するシート状の粘着部14が形成されている。また、粘着剤層13の長手方向の右側端縁を構成する方形波状の1本の線、すなわち剥離テープ11の長手方向の途中で剥離テープ11の幅手方向の上下側端縁間に垂直に跨る1本の直線の中央が、右側に向かって開口するコ字形に曲げられた1の線が、粘着部14と非粘着部15との境界線16となり、剥離テープ11の裏面側に現れている。
【0031】
こうして、剥離テープ11は、粘着部14と非粘着部15とから構成され、粘着部14は、図6(A)、図6(B)、図6(C)に示した液晶パネル100の偏光板107と保護フィルム109との間の接着力以上の接着力を有し、剥離テープ11の長手方向の一方の端部に形成され、非粘着部15は、剥離テープ11の長手方向のもう一方の端部に形成され、これら粘着部14と非粘着部15とが剥離テープ11の長手方向で隣接して形成され、外形形状が長方形の剥離テープ11を構成している。そして、粘着部14の非粘着部15側(テープ内側)の端部に非粘着部15の一部が張り出す形状で、粘着部14と非粘着部15とが形成されている。また、剥離テープ11の幅手方向の少なくとも一方の端部に、粘着部14の非粘着部15側の端部を残す形状で、粘着部14の非粘着部15側の端部に非粘着部15の一部が張り出されている。さらに、剥離テープ11の幅手方向の両方の端部に、粘着部14の非粘着部15側の端部を残す形状で、粘着部14の非粘着部15側の端部に非粘着部15の一部が張り出されている。またさらに、粘着部14の外形形状は、非粘着部15側に向かって開口した窪み部14aを有する凹型に形成され、非粘着部15の外形形状は、粘着部14側に向かって張り出して粘着部14の窪み部14aと嵌合する張り出し部15aを有する凸型に形成されている。
【0032】
この剥離テープ11を備える液晶パネル及び液晶モジュールは、図6(A)、図6(B)、図6(C)に示した液晶パネル100及び液晶モジュール200であり、前述した通りの構成を有している。そして、剥離テープ11は、液晶パネル100の最表面に偏光板107が設けられ、その偏光板107の表面に貼り付けられた保護フィルム109の剥離テープ11であって、前述した通りの構成を有している。
【0033】
次に、図2に、剥離テープ11を保護フィルム109に貼り付けた状態の液晶パネル100を示す。図2(A)は、表面図(正面図)、図2(B)は、断面図である。また、図2(A)、図2(B)は、表側のガラス基板101よりも裏側の構造を透明化した状態で示す。さらに、図2(B)は、剥離テープ11の貼り付けた部分を拡大した状態で示す。
【0034】
剥離テープ11は、経済性が考慮されて保護フィルム109よりも十分に小さく(狭く短い)、例えば、保護フィルム109の長手方向(左右方向)の一方の端縁となる右側端縁に粘着部14が掛かり、かつ保護フィルム109から右側へ非粘着部15がはみ出すように、保護フィルム109の一方の端部となる右端部に粘着部14を介して貼り付けられる。また、この剥離テープ11の貼り付けに当たり、保護フィルム109の右側端縁に粘着部14と非粘着部15との境界線16の両端の直線部分を合わせるのではなく、保護フィルム109の右側端縁からさらに右側へ粘着部14の右側端部がはみ出すように、少しマージンMを取った状態で貼り付けられる。そして、ユーザ側で、例えば、機械的に、保護フィルム109を剥離する際に、剥離テープ11の非粘着部15を、図2(B)の矢印に示す左斜め上方(偏光板107に対して150度の角度)へ引っ張ることにより、偏光板107と保護フィルム109との間の粘着剤層110による接着力よりも粘着部14の粘着剤層13による接着力が強く、しかも保護フィルム109の右側端縁に粘着部14が掛かっているので、図2(B)の仮想線に示すように、剥離テープ11と一体となって保護フィルム109の右端部を剥離することができ、そこをきっかけとして連続的に保護フィルム109全てを剥離することができるようになされている。
【0035】
図2(A)、図2(B)には、ガラス基板101に対して正しい位置に貼り付けられた偏光板107を示す。
【0036】
次に、図3に、ガラス基板101に対して偏光板107が正しい位置から剥離テープ11の貼り付け位置側の右側にズレた位置に貼り付けられていた場合を示す。図3(A)は、図2(A)に相当する表面図(正面図)、図3(B)は、図2(B)に相当する断面図である。図3(A)の仮想線は、偏光板107の正しい貼り付け位置を示す。
【0037】
図3(A)、図3(B)に示すように、ガラス基板101に対して偏光板107が正しい位置から剥離テープ11の貼り付け位置と反対側にズレた位置に貼り付けられていた場合でも、剥離テープ11の貼り付けに当たり、右側にマージンMを取るため、保護フィルム109の右側端縁に粘着部14を掛けて、保護フィルム109の剥離のきっかけを作ることができ、図3(B)の仮想線に示すように、剥離テープ11と一体となって保護フィルム109の右端部を剥離することができ、そこをきっかけとして連続的に保護フィルム109全てを剥離することができる。
【0038】
次に、図4に、ガラス基板101に対して偏光板107が正しい位置から剥離テープ11の貼り付け位置と反対側の左側にズレた位置に貼り付けられていた場合を示す。図4(A)は、図2(A)に相当する表面図(正面図)、図4(B)は、図2(B)に相当する断面図である。図4(A)の仮想線は、偏光板107の正しい貼り付け位置を示す。
【0039】
図4(A)、図4(B)に示すように、偏光板107が正しい位置から左側にズレた位置に貼り付けられていた場合では、剥離テープ11の貼り付けに当たり、右側に取ったマージンMによる保護フィルム109から右側への粘着部14のはみ出し量Mに、偏光板107、すなわち保護フィルム109の左側への位置ズレに起因する保護フィルム109から右側への粘着部14のはみ出し量αが加わるため、予め設定されているマージンMを越えて保護フィルム109の右側へ粘着部14がはみ出すことになる。しかし、図4(A)、図4(B)と図11(A)、図11(B)を比較するとわかるように、剥離テープ11では、その貼り付け当たり、従来と同じ量のマージンMを取ったとしても、粘着部14の非粘着部15側の端部に非粘着部15の一部が張り出す形状で、粘着部14と非粘着部15とが形成されているため、保護フィルム109からの粘着部14のはみ出し面積は従来に比べて少なく、保護フィルム109からはみ出した粘着部14がその直下で露出されているガラス基板101に密着して貼り付いたとしても、その面積は従来に比べて少なくなる。このため、ユーザ側で保護フィルム109を剥離する際に、図4(B)の実線に示すように、保護フィルム109からはみ出した粘着部14がガラス基板101に密着して貼り付いていた場合でも、剥離テープ11の非粘着部を所定の方向へ引っ張ることにより、その貼り付いた少面積の粘着部14は、図4(B)の仮想線に示すように、ガラス基板101から剥離されて液晶パネル100や液晶モジュール200そのものを持ち上げるまでに至らず、保護フィルム109の右端部を剥離することができ、そこをきっかけとして連続的に保護フィルム109全てを容易、かつ確実に剥離することができる。
【0040】
そして、図2(A)と図8(A)を比較するとわかるように、剥離テープ11の外形形状は、従来と同じ長方形で変わらないので、既存の液晶パネル製造工程のタクト及び作業性などに対して変化を生じさせず、前述した作用効果を得ることができる。
【0041】
従って、剥離テープ11によれば、液晶パネル100の偏光板107に貼り付けられた保護フィルム109を容易に、かつ確実に剥離することができると共に、それを液晶パネル100の生産性などに影響を及ぼすことなく実現することができる。
【0042】
次に、図5に、本発明の実施形態に係る剥離テープ11の変形例を示す。図5(A)は、第1の変形例を示す裏面図(背面図)、図5(B)は、第2の変形例を示す裏面図(背面図)、図5(C)は、第3の変形例を示す裏面図(背面図)、図5(D)は、第4の変形例を示す裏面図(背面図)、図5(E)は、第5の変形例を示す裏面図(背面図)、図5(F)は、第6の変形例を示す裏面図(背面図)である。これら第1ないし第5の変形例の剥離テープ21ないし71は、図1ないし図4に示した剥離テープ11と、粘着部の非粘着部側の端部に非粘着部の一部が張り出す形状が異なるだけで、その他の構成及び使用方法は同じである。
【0043】
図5(A)に示す第1の変形例の剥離テープ21では、粘着部24は、非粘着部15側の端部となる下端部の中央に下側に向かって開口した単一の半円形(半円弧形)の窪み部24aを有し、非粘着部25は、粘着部24側の端部となる上端部の中央から上側に向かって張り出して粘着部24の窪み部24aと嵌合する単一の半円形(半円弧形)の張り出し部25aを有し、粘着剤層23の長手方向の下側端縁を構成する2乗正弦波状の1本の線、すなわち剥離テープ21の長手方向の途中で剥離テープ21の幅手方向の上下側端縁間に垂直に跨る1本の直線の中央が、下側に向かって開口する半円弧形に曲げられた1の線が、粘着部24と非粘着部25との境界線26となり、剥離テープ21の裏面側に現れている。符号22は、基材である。
【0044】
図5(B)に示す第2の変形例の剥離テープ31では、粘着部34は、非粘着部35側の端部となる下端部の中央に下側に向かって開口した単一の三角形(V字形)の窪み部34aを有し、非粘着部35は、粘着部34側の端部となる上端部の中央から上側に向かって張り出して粘着部34の窪み部34aと嵌合する単一の三角形(V字形)の張り出し部35aを有し、粘着剤層33の長手方向の下側端縁を構成する三角波状の1本の線、すなわち剥離テープ31の長手方向の途中で剥離テープ31の幅手方向の上下側端縁間に垂直に跨る1本の直線の中央が、下側に向かって開口するV字形に曲げられた1の線が、粘着部34と非粘着部35との境界線36となり、剥離テープ31の裏面側に現れている。符号32は、基材である。
【0045】
図5(C)に示す第3の変形例の剥離テープ41では、粘着部44は、非粘着部45側の端部となる下端部の中央に下側に向かって開口した単一の台形の窪み部44aを有し、非粘着部45は、粘着部44側の端部となる上端部の中央から上側に向かって張り出して粘着部44の窪み部44aと嵌合する単一の台形の張り出し部45aを有し、粘着剤層43の長手方向の下側端縁を構成する台形波状の1本の線、すなわち剥離テープ41の長手方向の途中で剥離テープ41の幅手方向の上下側端縁間に垂直に跨る1本の直線の中央が、下側に向かって開口するV字形に曲げられた1の線が、粘着部44と非粘着部45との境界線46となり、剥離テープ41の裏面側に現れている。符号42は、基材である。
【0046】
前述した剥離テープ21ないし41は、剥離テープ21ないし41の幅手方向(左右方向)の両方の端部に、粘着部24ないし44の非粘着部25ないし45側の端部を残す形状で、粘着部24ないし44の非粘着部25ないし45側の端部の中央1箇所に非粘着部25ないし45の一部が張り出されている。
【0047】
図5(D)に示す第4の変形例の剥離テープ51では、粘着部54は、非粘着部55側の端部となる下端部の中央にそれぞれが下側に向かって開口した複数の細幅な四角形(細幅なコ字形)の窪み部54aを所定の間隔を設けて剥離テープ51の幅方向(左右方向)に並設して有し、非粘着部55は、粘着部54側の端部となる上端部の中央からそれぞれが上側に向かって張り出して粘着部54の各窪み部54aと嵌合する複数の細幅な四角形(細幅なコ字形)の張り出し部55aを所定の間隔を設けて剥離テープ51の幅方向(左右方向)に並設して有し、粘着剤層53の長手方向の下側端縁を構成する方形波状の1本の線、すなわち剥離テープ51の長手方向の途中で剥離テープ51の幅手方向の上下側端縁間に垂直に跨る1本の直線の中央が、大きくはジグザグ状に曲げられた1の線が、粘着部54と非粘着部55との境界線56となり、剥離テープ51の裏面側に現れている。符号52は、基材である。この剥離テープ51は、剥離テープ51の幅手方向(左右方向)の両方の端部に、粘着部54の非粘着部55側の端部を残す形状で、粘着部54の非粘着部55側の端部の中央複数箇所に非粘着部55の一部が張り出されている。
【0048】
図5(E)に示す第5の変形例の剥離テープ61では、粘着部64は、非粘着部65側の端部となる下端部における剥離テープ61の幅手方向(左右方向)の一方の端部となる右側半部に下側に向かって開口した単一の四角形の窪み部(切り欠き部)64aを有し、非粘着部65は、粘着部64側の端部となる上端部における右側半部から上側に向かって張り出して粘着部64の窪み部64aと嵌合する単一の四角形の張り出し部65aを有し、粘着剤層63の長手方向の下側端縁を構成するクランク状の1本の線が、粘着部64と非粘着部65との境界線66となり、剥離テープ61の裏面側に現れている。符号62は、基材である。
【0049】
図5(F)に示す第6の変形例の剥離テープ71では、粘着部74は、非粘着部75側の端部となる下端部に、粘着部74と非粘着部75との境界線76を斜辺とし、剥離テープ61の幅手方向(左右方向)の一方の端縁を他の2辺のうちの1辺とする単一の直角三角形の窪み部(切り欠き部)74aを有し、非粘着部75は、粘着部74側の端部となる上端部から上側に向かって張り出して粘着部74の窪み部74aと嵌合する単一の直角三角形の張り出し部75aを有し、粘着剤層73の長手方向の下側端縁を構成する1本の斜線、すなわち剥離テープ71の長手方向の途中で剥離テープ71の幅手方向の上下側端縁間に斜めに跨る1本の斜線が、粘着部74と非粘着部75との境界線76となり、剥離テープ71の裏面側に現れている。符号72は、基材である。
【0050】
前述した剥離テープ61、71は、剥離テープ61、71の幅手方向(左右方向)の一方の端部に、粘着部64、74の非粘着部65、75側の端部を残す形状で、粘着部64、74の非粘着部65、75側の端部に非粘着部65、75の一部が張り出されている。
【産業上の利用可能性】
【0051】
被保護部材の表面に貼着された保護フィルムを容易に、かつ確実に剥離することができると共に、それを被保護部材を最表面に設けた機器の生産性などに影響を及ぼすことなく実現する用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
11 剥離テープ
14 粘着部
14a 窪み部
15 非粘着部
15a 張り出し部 100 液晶パネル
101 基板
106 液晶材料
107 偏光板
109 保護フィルム
200 液晶モジュール
201 駆動用IC
203 信号入出力用FPC
M マージン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11