特許第5938314号(P5938314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938314
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】光電式分離型感知器
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/103 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   G08B17/103 A
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-205210(P2012-205210)
(22)【出願日】2012年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-59784(P2014-59784A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智広
【審査官】 圓道 浩史
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−036343(JP,U)
【文献】 実開平06−037988(JP,U)
【文献】 特開平07−151539(JP,A)
【文献】 特開平08−062135(JP,A)
【文献】 特開平11−154290(JP,A)
【文献】 特開平11−339156(JP,A)
【文献】 特開2001−067564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/103
17/107
G01J 1/00 − 1/60
11/00
G01V 1/00 −99/00
G01N 21/00 −21/01
21/17 −21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子が収容された光学台を有する送光器と、受光素子が収容された光学台を有する受光器とを監視空間内に対向配置してなる光電式分離型感知器であって、前記光学台は、本体側に該本体側に対して水平方向及び該水平方向に対して垂直方向の角度調整可能に取り付けられてなり、
前記光学台は、前記水平方向の角度を調整するための水平角調整手段と、前記光学台の前記垂直方向の角度を調整するための垂直角調整手段と、これら水平角調整手段又は垂直角調整手段によって前記送光器と前記受光器の光軸を一致させるための位置調整を行う際に対向配置された前記送光器又は前記受光器の位置を視認するための視準孔とを有し、
該視準孔は、前記光学台に設けられた垂直角調整用の視準孔と、水平角調整用の視準孔とからなり、垂直角調整用の視準孔は前記発光素子又は前記受光素子を通る前記水平方向の面内に設けられ、水平角調整用の視準孔は前記発光素子又は前記受光素子を通る前記光学台奥行方向の前記垂直方向の面内に設けられていることを特徴とする光電式分離型感知器。
【請求項2】
前記垂直角調整用の視準孔の孔形状は前記水平方向に長い形状であり、前記水平角調整用の視準孔の孔形状は前記垂直方向に長い形状であることを特徴とする請求項1記載の光電式分離型感知器。
【請求項3】
前記垂直角調整用の視準孔の縁部における、前記視準孔の該視準孔長手方向中央および前記水平角調整用の視準孔側の位置に目印を設け、前記水平角調整用の視準孔の縁部における、前記視準孔の該視準孔長手方向中央および前記垂直角調整用の視準孔側の位置に目印を設けたことを特徴とする請求項2に記載の光電式分離型感知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子が収容された光学台を有する送光器と、受光素子が収容された光学台を有する受光器とを監視空間内に対向配置してなる光電式分離型感知器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光電式分離型感知器は、発光素子を収容した送光器と、受光素子を収容した受光器とを高所(通常、地上10〜15m)において通常5〜100mの監視距離を隔てて対向配置して送光器と受光器の間に、煙が存在することによる光の減衰を感知することで、火災を検知するものである。
送光器と受光器を長距離離して設置するため、送光器と受光器の光軸を一致させるための調整が必要である。
【0003】
そのため光電式分離型感知器は、例えば特許文献1に開示されるように光軸調整用の視準孔と光軸調整手段を有している。
特許文献1の光電式分離型感知器の送光器(受光器)は、光学台の上部片側に視準孔を有しており、反射鏡を利用して送光器(受光器)の側方から覗いて対向器の位置を確認できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平06−037988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、発光素子(受光素子)の水平方向、垂直方向位置からずれて視準孔が設けられている場合、該視準孔で見かけ上の調整をしても、実際には光軸はずれているという問題がある。
例えば、特許文献1では、視準孔は発光素子(受光素子)の垂直方向および水平方向のいずれの位置からもずれた位置に設けられている。そのため、対向器を視準孔の中心に見えるように光学台の角度を調整しても、実際には光軸はずれていることになる。
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、視準孔を用いた高精度の光軸調整が可能な光電式分離型感知器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る光電式分離型感知器は、発光素子が収容された光学台を有する送光器と、受光素子が収容された光学台を有する受光器とを監視空間内に対向配置してなる光電式分離型感知器であって、前記光学台は、本体側に該本体側に対して水平方向及び該水平方向に対して垂直方向の角度調整可能に取り付けられてなり、
前記光学台は、前記水平方向の角度を調整するための水平角調整手段と、前記光学台の前記垂直方向の角度を調整するための垂直角調整手段と、これら水平角調整手段又は垂直角調整手段によって前記送光器と前記受光器の光軸を一致させるための位置調整を行う際に対向配置された前記送光器又は前記受光器の位置を視認するための視準孔とを有し、
該視準孔は、前記光学台に設けられた垂直角調整用の視準孔と、水平角調整用の視準孔とからなり、垂直角調整用の視準孔は前記発光素子又は前記受光素子を通る前記水平方向の面内に設けられ、水平角調整用の視準孔は前記発光素子又は前記受光素子を通る前記光学台奥行方向の前記垂直方向の面内に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記垂直角調整用の視準孔の孔形状は前記水平方向に長い形状であり、前記水平角調整用の視準孔の孔形状は前記垂直方向に長い形状であることを特徴とするものである。
【0010】
)また、上記()に記載のものにおいて、前記水平方向の面内に設けられた前記視準孔又は前記垂直方向の面内に設けられた前記視準孔のうち後の角度調整の際に用いる視準孔の孔形状は、先の角度調整の際に用いる視準孔側の開口面積を大きく設定していることを特徴とするものである。
【0011】
)また、上記()又は()に記載のものにおいて、前記垂直角調整用の視準孔の縁部における、前記視準孔の該視準孔長手方向中央および前記水平角調整用の視準孔側の位置に目印を設け、前記水平角調整用の視準孔の縁部における、前記視準孔の該視準孔長手方向中央および前記垂直角調整用の視準孔側の位置に目印を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、視準孔が、発光素子又は受光素子を通る水平面内、または/および発光素子又は受光素子を通る光学台奥行方向の垂直面内に設けられたことにより、視準孔を用いて高精度の光軸調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態1にかかる光電式分離型感知器の送光器の斜視図である。
図2】本発明の実施の形態1にかかる光電式分離型感知器の全体構成と光軸について説明する説明図である。
図3図1の送光器の本体の斜視図である。
図4図1の送光器の光学台を構成する部品の斜視図である。
図5図1の送光器の光軸調整方法を説明する説明図である。
図6】本発明の実施の形態2にかかる光電式分離型感知器の送光器の斜視図である。
図7図6の送光器の光学台を構成する部品の斜視図である。
図8図6の送光器の光軸調整方法の一例を説明する説明図である(その1)。
図9図6の送光器の光軸調整方法の一例を説明する説明図である(その2)。
図10図6の送光器の視準孔の他の態様を説明する説明図である(その1)。
図11図6の送光器の視準孔の他の態様を説明する説明図である(その2)。
図12図6の送光器の視準孔の他の態様を説明する説明図である(その3)。
図13図6の送光器の視準孔の他の態様を説明する説明図である(その4)。
図14図6の送光器の視準孔の他の態様を説明する説明図である(その5)。
図15図14の視準孔を用いた光軸調整方法の一例を説明する説明図である(その1)。
図16図14の視準孔を用いた光軸調整方法の一例を説明する説明図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係る光電式分離型感知器1について、図1図4に基づいて説明する。
光電式分離型感知器1は、図2(a)に示すように、発光素子19が収容された光学台21を有する送光器3と、受光素子22が収容された光学台21を有する受光器5とを監視空間内に対向配置してなる。なお、送光器3と受光器5では、発光素子19と受光素子22およびその関連回路を除き、ほとんど同一の構成であるので、以下の説明では、送光器3を例に挙げて説明する。
【0015】
送光器3は、図1図3図4に示すように、扁平した箱状からなり基板等を格納する器台7と、立断面が略U字状からなり器台7側に水平方向に回動可能に取り付けられた光学台支持枠9とを備える本体11(図1および図3参照)と、板状からなり本体11が取り付けられる本体取付板13と、建造物の壁側に取り付けられて本体取付板13を設置するベース15と、本体11を覆う有底枠体のカバー17(図2(a)参照)と、光学台支持枠9に垂直方向に回動可能に取り付けられて、発光素子19を収容する光学台21と、光学台21の水平方向の回動角(水平角)を調整するための水平角調整手段の操作部を備える水平角調整用雄ネジ23と、光学台21の垂直方向の回動角(垂直角)を調整するための垂直角調整手段の操作部を備える垂直角調整用雄ネジ25とを有している。なお、図1はカバー17を取り外した状態を図示したものである。
【0016】
水平角調整用雄ネジ23は頭部が操作部となっている。水平角調整用雄ネジ23を回転させれば光学台支持枠9が水平方向に回動するようになっており、光学台支持枠9が水平方向に回動することで光学台21が水平方向に回動する。
垂直角調整用雄ネジ25も水平角調整用雄ネジ23と同様に、頭部が操作部となっている。垂直角調整用雄ネジ25を回転させれば光学台21が垂直方向に回動するようになっている。
上記の構成のうち、本発明の特徴である光学台21について図1および図4に基づいて以下に詳細に説明する。
【0017】
<光学台>
光学台21は、図1に示すように、概形が扁平円筒状からなる。図4に光学台21の外枠21aのみを図示したものを示す。
光学台21の内部には、発光素子19(受光器5の場合は、受光素子22)が収容されている(図1図2(a)および図2(b)参照)。
光学台21の前面には発光素子19の光を遠方に届けるため(受光器5の場合は、受光素子22に光を集めるため)のレンズ21bが装着されている。
【0018】
光学台21の左側の正面側には、外方に伸びる板状の視準片27が設けられている。視準片27には視準孔27aが設けられている。
視準孔27aの形状は、図1図4および図5に示す通り、横長の略長方形状をしており、視準孔27aの縦方向中心が発光素子19を通る水平面内に位置するように設けられている。それ故、視準孔27aの縦方向中心に受光器5が位置するように光学台21の垂直角調整を行うと、光軸Lの垂直角が受光器5にほぼ一致するようになっている。
【0019】
視準孔27aは上述したとおり横長の略長方形状、すなわち上下方向が狭くなるような形状になっているため、光学台21の垂直角調整を行う際に、受光器5が視準孔27aの縦方向中心に位置しているかどうかを確認しやすくなっている。また、左右方向が広くなっているので、受光器5を探しやすくなっている。なお、光軸調整についてはさらに後述する。
【0020】
視準片27の背面側には、図中左側に傾斜する反射鏡29が設けられている(図1参照。図4は反射鏡29を取り外した状態を図示している)。
視準片27の図中左側には、反射鏡29に映った視準孔27aを覗き見ることができる覗き孔31aを有する覗き片31が設けられている。
つまり、視準孔27aの背面側には反射鏡29が設けられ、覗き孔31aから反射鏡29を介して視準孔27aを見ることができるようになっている。
【0021】
以上のように構成された送光器3の光軸調整方法について説明する。
光軸調整は、送光器3と受光器5を対向させて(図2(a)参照)壁側に設置した後に行う。光軸調整は、光学台21の水平角および垂直角を水平角調整用雄ネジ23および垂直角調整用雄ネジ25を用いて調整して、図2(b)に示すように、光軸Lを対向器の発光素子21または受光素子22(図2(b)中においては受光器5の受光素子22)に水平方向および垂直方向を一致させる。
光軸調整は、視準孔27aを用いてあらかた光軸Lを調整(粗調整)した後、所定の出力が得られているかを確認しながら微調整を行う。以下、粗調整と微調整について詳細に説明する。
【0022】
≪粗調整≫
粗調整は、視準孔27a、覗き孔31aおよび反射鏡29を用いて受光器5の位置を確認しながら、水平角調整用雄ネジ23および垂直角調整用雄ネジ25を回して、光学台21の水平角および垂直角を調整する。
上述したとおり、覗き孔31aから反射鏡29を見ると視準孔27aが見えるようになっており、覗き孔31aから視準孔27aを見たときに、視準孔27aの中に対向器が見えるよう光学台21の角度を調整する。
【0023】
図5は、覗き孔31aから見た反射鏡29に映る視準孔27aと視準孔27aの中に見える対向器(図5には例として受光器5を図示している)の位置について図示したものである。
まず、覗き孔31aを覗きながら水平角調整用雄ネジ23および垂直角調整用雄ネジ25を回して、受光器5が反射鏡29および視準孔27aを介して視界に入るようにする(図5(a)参照)。
【0024】
次いで、さらに調整して、図5(b)に示すように、視準孔27aの中央に受光器5が位置するようにする。このとき、上述したとおり、視準孔27aは横長の形状をしているため、受光器5が視準孔27aの縦方向中心に位置しているかどうかを確認しやすくなっている。言い換えると、縦方向の長さが短いため、反射鏡29から見た視準孔27a内に受光器5の上端と下端が入れば、おおよそ受光器5が視準孔27aの縦方向中心に位置することになる。
また、視準孔27aの位置は光軸Lの垂直方向と一致しているため、図5(b)に示すように調整することによって、光軸Lの垂直方向の調整を完了させることができる。
【0025】
≪微調整≫
微調整は、図示しない電圧計等を用いて受光出力レベルを確認しながら、所定の出力が得られるように光学台21の水平角および垂直角を調整する。
このとき、上述したとおり、光軸Lの垂直方向の調整はほぼ完了しているため、水平方向の調整を主に行えばよいので、作業が非常に軽減される。
最後に、本体11をカバー17で覆えば光軸調整は終了する。
【0026】
以上のように、本実施の形態においては、視準孔27aが発光素子19を通る水平面内に設けられているため、粗調整時において、光軸Lの垂直角調整を非常に高精度に行うことが可能である。
【0027】
なお、上記では視準孔21aが光学台21を正面から見て左側に設けられているものを例に挙げたが、右側に設けられていてもよい。この場合、覗き片31(覗き孔31a)および反射鏡29も右側に設けられる。
また、視準孔は光学台21を正面から見て、光学台21の上側または下側に設けられていてもよい。この場合、発光素子19または受光素子22を含む奥行方向の垂直面内に視準孔を設けるため、粗調整時において、光軸Lの水平角調整を非常に高精度に行うことが可能である。この場合における構成の詳細については、実施の形態2で光学台21の下側に視準孔(視準孔41a)を設けた例を挙げているので、実施の形態2で詳細な説明を行う。
【0028】
[実施の形態2]
上記実施の形態1では視準孔27aは発光素子19を通る水平面内に1つ設けられているもの(図1参照)を例示したが、視準孔の数はこれに限られない。例えば、図6に示すように、図1に示した構成に発光素子19を通る光学台21の奥行き方向垂直面内に視準孔41aを追加で設けて、計2つの視準孔を備えるようにしても良い。
2つの視準孔を上記のような配置にすることで、視準孔27aを垂直角調整用に特化させて、視準孔41aを水平角調整用に特化させることができる。
【0029】
図6に示した光学台21には、視準孔41aに対応する反射鏡43及び覗き孔45aが設けられている(図6および図7参照。なお、図7は反射鏡43を取り外した状態を図示している)。
水平角調整用の反射鏡43は、図6に示すように、作業者が水平角調整用の覗き孔45aを覗き見たときに、水平角調整用の視準孔41aが映り込むように図中左側に傾斜して設置されている。
【0030】
水平角調整用の視準孔41aは、図6および図7に示すように、光学台21の下側の正面側に設けられた外方に伸びる板状からなる視準片41に設けられている。視準孔41aは、図8(c)および図8(d)に示す通り縦長の形状をしており、対向器が視準孔41aの横方向中心に位置しているかどうかを確認しやすくなっている。
水平角調整用の覗き孔45aは、図6および図7に示すように、垂直角調整用の覗き孔31aの下方に設けられた覗き片45に設けられている。このように、垂直角調整用の覗き孔31aと水平角調整用の覗き孔45aは光学台21の片側にまとまって設けられているので、作業者は垂直角調整と水平角調整を連続で行う場合に、作業性に優れる。
【0031】
以上のように構成された送光器3の光軸調整方法の一例について説明する。
光軸調整の順番は、上記実施の形態1と同様に、粗調整をした後に所定の出力が得られているかを確認しながら微調整を行う。以下、微調整は実施の形態1と同様でその説明を省略する。粗調整について以下に詳細に説明する。
【0032】
まず、垂直角調整用の覗き孔31aを覗きながら水平角調整用雄ネジ23および垂直角調整用雄ネジ25を回して、受光器5が反射鏡29および視準孔27aを介して視界に入るようにする(図8(a)参照)。
次いで、さらに調整して、図8(b)に示すように、覗き孔31aから見た反射鏡29に映る垂直角調整用の視準孔27aの中央に受光器5が位置するようにする。上述したとおり、視準孔27aの位置は発光素子19の垂直方向と一致しているため、図8(b)に示すように調整することによって、光軸Lの垂直方向の調整を完了させることができる。
【0033】
この状態で水平角調整用の覗き孔45aを覗き見ると、図8(c)に示すように、視準孔41aの横方向中心から上側にずれて見えるとともに、縦方向中心からもずれて見える。これは、垂直角調整用の視準孔27aと水平角調整用の視準孔41aの設けられている位置の違いによるものである。
水平角調整用の視準孔41aは垂直角調整用の視準孔27aよりも下側にあるため視点が下がり、その分、受光器5が上側にずれて見える。また、垂直角調整用の視準孔27aは水平角調整用の視準孔41aよりも、正面から見て左側にあるため視点がずれて、その分、受光器5がずれて見える。
【0034】
上述したとおり、光軸Lの垂直方向の調整は完了しているため、縦方向にずれて見えることは気にしなくてよい。
他方、横方向のずれは、次の理由から調整する必要がある。垂直角調整用の視準孔27aの水平方向位置は、正面から見て発光素子19の左側にずれて設けられているため、図8(b)に示すように、受光器5が垂直角調整用の視準孔27aの横方向中心になるように見かけ上の水平角調整を行っても、実際には光軸Lの水平角がずれていることになる。
【0035】
そこで、水平角調整用の覗き孔45aを覗きながら水平角調整用雄ネジ23のみを操作して、受光器5が図8(d)に示すように、水平角調整用の視準孔41aの横方向中心になるように水平角調整を行う。このとき、視準孔41aは縦長の形状をしているため、受光器5が視準孔41aの横方向中心に位置しているかどうかを確認しやすくなっている。言い換えると、横方向の長さが短いため、反射鏡43から見た視準孔41a内に受光器5の左端と右端が入れば、おおよそ受光器5が視準孔41aの横方向中心に位置することになる。こうすることで、光軸Lの水平方向の調整を完了させることができる。
【0036】
なお、上記では、図8(b)に示すように、受光器5を垂直角調整用の視準孔27aの中央(縦方向中心かつ横方向中心)に受光器5が位置するようにするようにしたが、垂直角調整用の視準孔27aを用いての調整では水平角調整を精度よく行うことは難しいため、縦方向中心に位置するように調整するだけでもよい。
【0037】
以上のように、本実施の形態においては、視準孔27aが発光素子19を通る水平面内に設けられており、視準孔41aが発光素子19を通る光学台21の奥行き方向垂直面内に設けられているため、これらの視準孔を用いて垂直角調整と水平角調整を2段階で行うことによって、粗調整の段階で光軸Lの調整を高精度に行うことができるため、次の作業である微調整の作業が大幅に軽減されて非常に効率がよい。
【0038】
上記では、垂直角調整後に水平角調整を行ったが、順番を逆にして水平角調整後に垂直角調整を行ってもよい。より具体的には、覗き孔27a、41aから見た反射鏡29、43の様子を示した図9のように、まず、水平角調整用の視準孔41aを用いて水平角調整および垂直角調整を行い(図9(a)および図9(b)参照)、次いで、垂直角調整用の視準孔27aを用いて垂直角調整のみを行う(図9(c)および図9(d)参照)。
【0039】
また、上記では、視準孔(視準孔27a、視準孔41a)の形状が略長方形状のもの(図8および図9参照)を示したが、視準孔の形状はこれに限定されない。例えば、調整の順番が垂直角調整を行ってから水平角調整を行うようにすると決めている場合、図10(b)に示すように、水平角調整用の視準孔51を略正方形形状としてもよい。また、視準孔27aによる垂直角調整、視準孔52に対して受光器5は垂直方向にずれることが予め分かっているので、視準孔51の位置は視準片41の上方にあれば良い。このような形状、位置にすることによって、垂直角調整後に水平角調整用の覗き孔45aを覗けば、受光器5が視準孔51の縦方向のほぼ中心に位置して、水平方向のみがずれて見えるため、水平角調整のみを行えばよいということを作業者が直感的に把握できる。
【0040】
また、調整の順番が上記と逆の順番、すなわち水平角調整を行ってから垂直角調整を行うようにすると決めている場合は図11に示すように、垂直角調整用の視準孔53を略正方形形状としてもよい。
【0041】
視準孔の他の態様としては、図12(b)や図13(b)に示すように、一方向に向かって縮小するような形状としてもよい(視準孔61、視準孔63)。このような形状とすることで視準孔51(図10(b)参照)や視準孔53(図11(b)参照)に示す形状よりも視界を広げることができ次のような効果を奏する。送光器3と受光器5の距離が離れている場合、視準孔内に見える受光器5が非常に小さくて、その位置を把握することが困難な場合がある。この場合、視準孔61や視準孔63のような形状にすることで視界が広がるため受光器5以外の構造物等をみつけやすくなっており、その構造物等を目印にすれば、構造物等と受光器5の相対位置関係により、視準孔内における受光器5の位置を把握しやすくなっている。
【0042】
上記の視準孔51、視準孔53、視準孔61および視準孔63は、水平角調整と垂直角調整の実施の順番が予め決まっている場合を前提としたものである。
これらの視準孔のさらに他の態様として、視準孔の縁部の該視準孔長手方向中央および他の視準孔側の位置に目印を設けて、水平角調整と垂直角調整の順番を決めずに実施可能なようにしたものを図14に示す。
【0043】
図14(a)および図14(b)は、覗き孔31aおよび覗き孔45aから覗いた反射鏡29および反射鏡43に映る視準孔27aおよび視準孔41aであり、図10に示す視準孔27aおよび視準孔41aの縁に、対向器の見えるべき位置を示す目印としてのリブ(リブ71a、リブ71b、リブ73a、リブ73b)を設けたものを図示したものである。図14(a)は垂直角調整用の視準孔27aを示したものであり、図14(b)は水平角調整用の視準孔41aを図示したものである。
【0044】
垂直角調整用の視準孔27aには、図14(a)に示す通り、視準孔27aの横方向中央に視準孔27aの上下にリブ71aが設けられている。
また、横方向中央から視準孔41a側、すなわち左側にずれた位置に同様にリブ71bが設けられている。リブ71bは、垂直角調整を水平角調整の後で行う場合、受光器5がずれて見えるべき位置を示している。
【0045】
水平角調整用の視準孔41aには、図14(b)に示す通り、視準孔41aの縦方向中央に視準孔41aの左右にリブ73aが設けられている。
また、縦方向中央から視準孔27a側、すなわち上側にずれた位置に同様にリブ73bが設けられている。リブ73bは、水平角調整を垂直角調整の後で行う場合、受光器5がずれて見えるべき位置を示している。
【0046】
このように、視準孔の縁部に該視準孔長手方向中央および他の視準孔側の位置に目印を設けることで、上述したように水平角調整と垂直角調整のいずれを先に実施してもよい。このことについて以下に図15および図16に基づいて詳細に説明する。
【0047】
図15は垂直角調整後に水平角調整を行う場合におけるリブの使用方法について説明する説明図である。この場合、リブ71aとリブ73bを用いて調整を行う。
まず、垂直角調整用の覗き孔31aを覗きながら水平角調整用雄ネジ23および垂直角調整用雄ネジ25を回して、受光器5が反射鏡29および視準孔27aを介して視界に入るようにする(図15(a)参照)。
【0048】
次いで、さらに調整して、図15(b)に示すように、リブ71aの位置に合わせるようにして垂直角調整用の視準孔27aの中央に受光器5が位置するようにする。こうすることで、光軸Lの垂直方向の調整を完了させることができる。
【0049】
この状態で水平角調整用の覗き孔45aを覗き見ると、図15(c)に示すように、視準孔41aの縦方向中心から必ず上側すなわちリブ73b側にずれて見えることになる。これは、上述したとおり、水平角調整用の視準孔41aが垂直角調整用の視準孔27aよりも下側にあり、視点が下側にずれるためである。
仮に下側すなわちリブ73b他側にずれて見える場合は、光軸Lの垂直方向の調整が正しく行われなかったか、調整後にずれた可能性があり、いずれにせよ再度垂直角調整用の視準孔27aを用いて調整が必要である。こうすることによって、作業者は垂直角調整が適切に行われなかったことを見過ごすことなく作業をすることができる。
【0050】
次いで、水平角調整用の覗き孔45aを覗きながら、受光器5が縦方向上側にずれて見えることを確認した後、水平角調整用雄ネジ23のみを操作して、受光器5が図15(d)に示すように、水平角調整用の視準孔41aの横方向中心になるように水平角調整を行う。
【0051】
水平角調整後に垂直角調整を行う場合も上記と同様である。このことについて図16に基づいて説明する。この場合、リブ73aとリブ71bを用いて調整を行う。
まず、水平角調整用の覗き孔45aを覗きながら水平角調整用雄ネジ23および垂直角調整用雄ネジ25を回して、受光器5が反射鏡43および視準孔41aを介して視界に入るようにする(図16(a)参照)。
次いで、さらに調整して、図16(b)に示すように、リブ73aの位置に合わせるようにして垂直角調整用の視準孔41aの中央に受光器5が位置するようにする。
水平角調整用の視準孔41aの中央に受光器5が位置するようにする。こうすることで、光軸Lの水平方向の調整を完了させることができる。
【0052】
この状態で垂直角調整用の覗き孔31aを覗き見ると、図16(c)に示すように、視準孔27aの縦方向中心から必ず左側すなわちリブ71b側にずれて見えることになる。これは、上述したとおり、垂直角調整用の視準孔27aが水平角調整用の視準孔41aよりも、光学台21に向かって左側にあり、視点が左側にずれて、さらに反射鏡29で左右反転して見えるためである。仮に右側すなわちリブ71b他側にずれて見える場合は正しく調整ができていないため、再度水平角調整用の視準孔27aを用いて調整が必要である。こうすることによって、作業者は水平角調整が適切に行われなかったことを見過ごすことなく作業をすることができる。
【0053】
次いで、垂直角調整用の覗き孔31aを覗きながら、受光器5が縦方向左側にずれて見えることを確認した後、垂直角調整用雄ネジ25のみを操作して、受光器5が図16(d)に示すように、垂直角調整用の視準孔27aの縦方向中心に一致するように垂直角調整を行う。
【0054】
以上のように、視準孔27aおよび視準孔41aの縁部に目印としてのリブ(リブ71a、リブ71b、リブ73a、リブ73b)を設けてこれらを用いることで、水平角調整と垂直角調整の実施のどちらを先に行ってもよく、作業性に優れる。
【0055】
なお、リブ71の形状や位置は14(a)および図14(b)に示すものに限られず、対向器の見えるべき位置を意味するものであればどのようなものでもよい。
【0056】
また、上記実施の形態2では視準孔が光学台21を正面から見て左側と下側に設けられているものを例に挙げたが、視準孔の位置はこれに限らない。視準孔27aは発光素子19または受光素子22を通る水平面内にあれば良く、一方、視準孔41aは発光素子19または受光素子22を通る正面方向から奥方向へ向かう奥行方向の垂直面内にあれば良い。例えば、光学台21を正面から見て左側と上側、あるいは右側と下側側、あるいは右側と上側に視準孔が設けられていてもよい。
この場合において、後の角度調整の際に用いる方の視準孔からは、対向器の見え方が上記の説明と異なるため、視準孔の形状やリブ71の位置は適宜変更する。
【符号の説明】
【0057】
1 光電式分離型感知器
3 送光器
5 受光器
7 器台
9 光学台支持枠
11 本体
13 本体取付板
15 ベース
17 カバー
19 発光素子
21 光学台
21a 外枠
21b レンズ
22 受光素子
23 水平角調整用雄ネジ
25 垂直角調整用雄ネジ
27 視準片
27a 視準孔
29 反射鏡
31 覗き片
31a 覗き孔
41 視準片
41a 視準孔
43 反射鏡
45 覗き片
45a 覗き孔
51 視準孔
53 視準孔
61 視準孔
63 視準孔
71a、71b リブ
73a、73b リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16