(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、分析装置に異常が生じてガスセンサのメンテナンスを行う際には、支持筒を取り外すと挿入孔から排気ガスが流出するので、燃焼機関を停止させたり、排気ガスの温度を常温近くまで下げたり等を行わなければならない。よって、交換又は修理の際に迅速な対応ができず、その度に長時間にわたって監視が中断されていた。また、ガスセンサ全体を排気管等から取り外さなければならず手間が掛かっていた。具体的には、センサユニットの交換の度に、ボルトを脱着し、パッキンを交換する必要があった。そこで、メンテナンス時に燃焼機関の停止等を行うことなく、ガスセンサを容易に交換できるガス分析装置が求められている。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、メンテナンス時に燃焼機関の停止等を行うことなく、ガスセンサを容易に交換できるガス分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決するガス分析装置は、煙道内を流れる被測定ガスに含まれる所定成分を検出するガスセンサと、前記ガスセンサの基端部を冷却する冷却用空気を供給する空気供給管と、前記ガスセンサの先端部に校正用ガスを供給する校正用ガス供給管と、を備えるガス分析装置であって、前記煙道内に突出し、当該煙道内への挿通管に取り付けられる円筒状のガイドプローブと、前記ガスセンサが先端に設けられ、前記ガイドプローブ内に挿入される円筒状のセンサプローブと、を備え、前記ガスセンサの外面と、前記ガイドプローブの先端側内面とは、面嵌合し、前記ガイドプローブの基端部には、前記センサプローブを前記ガイドプローブの先端側へ付勢して固定する固定部材が設けられていることをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、挿通管に取り付けられたガイドプローブ内にセンサプローブを挿入することで、センサプローブの先端に設けられたガスセンサが煙道内の所定成分を検出する。ガイドプローブ内に挿入されたセンサプローブは、ガイドプローブの基端部に設けられた固定部材によってセンサプローブがガイドプローブの先端側に付勢されて、ガスセンサの外面がガイドプローブの先端側内面に確実に面嵌合する。そして、メンテナンス時には、固定部材を外して、センサプローブをガイドプローブから引き抜けばよいので、燃焼機関を停止することなく、運転を継続しながら、メンテナンスを行うことができる。また、ガスセンサ全体を取り外す必要がなく、ガスセンサを容易に交換できる。
【0009】
上記ガス分析装置について、前記面嵌合は、テーパ嵌合であることが好ましい。
同構成によれば、ガスセンサの外面がガイドプローブの先端側内面にテーパ嵌合するため、確実に面嵌合し密封することができる。また、テーパ嵌合によりガイドプローブに対しガスセンサの取付位置を中心に位置させることができる。
【0010】
上記ガス分析装置について、前記ガスセンサと前記センサプローブを一体に形成することが好ましい。
同構成によれば、ガスセンサとセンサプローブを一体に形成したので、ガスセンサとセンサプローブとをねじ固定等をするときと比較して、ねじ溝等を形成する必要がないので、小型化及びコストダウンが可能である。
【0011】
上記ガス分析装置について、前記固定部材は、前記センサプローブに設けられる付勢部材用規制部材と、前記センサプローブを前記ガイドプローブの先端側へ付勢する付勢部材と、前記ガイドプローブに係合することで前記付勢部材を押圧する押圧部材と、を備えることが好ましい。
【0012】
同構成によれば、押圧部材がガイドプローブに係合することで付勢部材が押圧されて、センサプローブに設けられた付勢部材用規制部材が押圧されることで、センサプローブがガイドプローブの先端側の内面に押圧される。よって、簡易な構造でセンサプローブを先端側へ押圧できる。
【0013】
上記ガス分析装置について、前記校正用ガス供給管は、前記ガイドプローブの外部に配置され、前記校正用ガス供給管には、伸縮部を備えることが好ましい。
同構成によれば、校正用ガス供給管がガイドプローブの外部に配置されるので、ガイドプローブの内部に収納するための複雑な構造が不要であって、ガイドプローブを簡易な構造とすることができる。また、校正用ガス供給管に伸縮部を備えるので、熱による膨張収縮を緩衝することができる。よって、校正用ガス供給管に応力が掛からないので、損傷を防止することができる。
【0014】
上記ガス分析装置について、前記空気供給管は、前記センサプローブの基端部に接続され、前記センサプローブの先端部には、前記冷却用空気を排出する排出孔が形成されていることが好ましい。
【0015】
同構成によれば、センサプローブの基端部に接続された空気供給管から供給された冷却用空気は、センサプローブ内を基端側から先端側へ通過して、センサプローブの先端部に設けられたガスセンサの基端部を冷却する。そして、冷却空気は、排出孔からセンサプローブの外側、言い換えればガイドプローブ内に排出される。このため、空気供給管がセンサプローブの先端側に設けられないので、装置の体格を小型化できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ガス分析装置において、メンテナンス時に燃焼機関の停止等を行うことなく、ガスセンサを容易に交換できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1〜
図6を参照して、ガス分析装置の一実施形態について説明する。ガス分析装置は、例えばエンジン、ボイラ、工業用炉等の燃焼機関の排気管に取り付けられて当該排気管内の煙道を流れる被測定ガスとしての排ガスに含まれる所定成分(例えば、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素や窒素酸化物)を検出して分析する。ガス分析装置は、煙道内の測定点近傍にガスセンサを配置する直接挿入タイプである。
【0019】
<全体構成>
図1に示されるように、ガス分析装置は、煙道13を流れる排ガスに含まれる所定の成分を検出する検出器10と当該検出器10に電気的に接続された分析器11とを備えている。検出器10は煙道13内に挿入固定されており、分析器11は外部に設置されている。すなわち、煙道壁12には、検出器10を挿通可能とした筒状の挿通管14が突設されている。挿通管14の先端外周縁には、環状の挿通管フランジ15が形成されている。検出器10は、挿通管14を介して煙道13内に挿入されており、挿通管フランジ15に固定されている。
【0020】
<検出器10>
検出器10は、両端が開口した円筒状のガイドプローブ20を備えている。また、検出器10は、ガイドプローブ20の内部に、円筒状のセンサプローブ40が設けられている。ガイドプローブ20の基端側の外周面には、検出器フランジ22が設けられている。ガイドプローブ20は、検出器フランジ22側からボルト23を挿通し、ボルト23にナット24を締め付けることにより煙道壁12に固定されている。煙道壁12の挿通管フランジ15の外面とガイドプローブ20の検出器フランジ22の内面との間には、シール部材Sが介在されている。シール部材Sにより煙道13の内外、すなわち挿通管フランジ15と検出器フランジ22との間の気密が確保されている。センサプローブ40の先端には、ガスセンサ50が一体に設けられている。
【0021】
<ガイドプローブ20>
図2及び
図3に示されるように、ガイドプローブ20の先端部の開口には、円状のフィルタ31が円筒状のフィルタカバー32によって固定されている。フィルタ31は、金属の粉末を焼き固めて作った金属焼結フィルタであり、一端が開口した有底筒状に形成されている。
【0022】
図4に示されるように、ガイドプローブ20の内径は、先端側が先端側以外よりも縮径している。ガイドプローブ20は、内径が縮径した小径部33と小径部33よりも大きい大径部34とを備えている。ガイドプローブ20の小径部33と大径部34との間には、傾斜部35が形成されている。このガイドプローブ20の傾斜部35には、ガスセンサ50の固定部52の外周面が当接する。ガイドプローブ20の傾斜部35とガスセンサ50の固定部52とは、同一形状の傾斜面が形成されている。ガイドプローブ20の基端部の外周面には、雄ねじ部36が形成されている。ガイドプローブ20の基端側の外周面には、一対の外部排出孔37が形成されている。
【0023】
<センサプローブ40>
図5及び
図6に示されるように、センサプローブ40のプローブ管40aの基端にはレセプタクル41aが接続される。レセプタクル41aには、分析器11に接続されたコネクタ41が接続される。また、プローブ管40aの基端側の外周面には、冷却用空気を供給する空気供給管42が突設されている。プローブ管40aの基端側の外周面には、ガイドプローブ20の基端に螺合する有底六角筒状の押圧部材43が嵌装されている。押圧部材43の底面には、プローブ管40aの外径と略一致する開口孔43aが形成されている。押圧部材43の内壁には、雌ねじ部43bが形成されている。プローブ管40aの外周面のうち押圧部材43の先端部に対向する位置には、リング状の付勢部材用規制部材としてのばね規制部材45が固着されている。押圧部材43の内部には、ばね規制部材45及び押圧部材43の内側底面に当接する付勢部材としてのコイル状のばね44が収容されている。センサプローブ40は、押圧部材43をガイドプローブ20の雄ねじ部36に螺合することによってガイドプローブ20内に装着されている。押圧部材43が雄ねじ部36に螺合されると、押圧部材43によってばね44が押圧され、ばね44に付勢力が発生する。そして、このばね44の付勢力によってばね規制部材45、すなわちセンサプローブ40が押圧され、センサプローブ40がガイドプローブ20の先端側に付勢される。
【0024】
図6及び
図7に示されるように、押圧部材43とばね44とばね規制部材45とが固定部材として機能する。センサプローブ40のプローブ管40aの先端部には、ガスセンサ50の基端部54が嵌装されており、プローブ管40aの先端部にガスセンサ50が固着されている。センサプローブ40のプローブ管40aの先端部には、冷却空気を排出する複数個の内部排出孔46が形成されている。
【0025】
<ガスセンサ50>
図6に示されるように、ガスセンサ50には、固定部52が設けられている。固定部52には、先端側から順に、先端小径部52a、傾斜部52b、基端小径部52cが形成されている。ガスセンサ50の基端小径部52cの基端側には、基端部54が形成されている。ガスセンサ50の先端小径部52aには、センサプローブ40の外径よりも縮径した防護キャップ51がスポット溶接等によって固着されている。この防護キャップ51は、内側プロテクタと外側プロテクタにより構成され、金メッキ処理されている。ガスセンサ50、基端小径部52cにセンサプローブ40のプローブ管40aの先端部がスポット溶接等によって固着されている。ガスセンサ50の傾斜部52bには、ガイドプローブ20の傾斜部35が当接して、面嵌合する。すなわち、傾斜部52bと傾斜部35とはテーパ嵌合する。ガスセンサ50の防護キャップ51には、複数個のガス導入孔53が周方向に所定間隔をおいて形成されている。
【0026】
ガスセンサ50の内部には、酸素イオン伝導性固体電解質体により板状又は棒状に形成された高温作動型のセンサ素子(図示略)、及び当該センサ素子を加熱するヒータ(図示略)が収容されている。センサ素子には、一対の電極が設けられている。
【0027】
両電極には、センサ素子からの信号を取り出す複数本のリード線55の一端が接続されている。各リード線55の他端は、ガスセンサ50の基端部54から外部に導出され、レセプタクル41aに接続されている。複数本のリード線55は、例えばガラス繊維被覆電線、純ニッケルセラミック電線等の耐熱繊維で被覆された耐熱性及び絶縁性を有する電線が使用されている。
【0028】
<空気供給管42>
図3に示されるように、空気供給管42の先端には、外部の圧縮供給源(図示略)が接続されている。空気供給管42から供給された冷却用空気は、センサプローブ40のプローブ管40a内を基端側から先端側へ通過して、ガスセンサ50の基端部54を冷却し、センサプローブ40の内部排出孔46からガイドプローブ20内に排出される。そして、内部排出孔46から排出された冷却用空気は、センサプローブ40とガイドプローブ20との間を通過してガイドプローブ20の外部排出孔37から外部に排出される。
【0029】
<校正用ガス供給管25>
図4に示されるように、ガイドプローブ20の外部には、ガスセンサ50を校正するための校正用ガスを供給する直管状の校正用ガス供給管25が設けられている。校正用ガス供給管25の基端部は、検出器フランジ22に形成された挿通孔26に挿通され、保持部材27によって保持されている。保持部材27は、校正用ガス供給管25が挿通されており、熱による校正用ガス供給管25の膨張収縮をボアスルー構造にて緩衝している。校正用ガス供給管25の基端は、外部の校正用ガス供給源(図示略)に接続されている。校正用ガス供給管25の先端部は、ガイドプローブ20の先端部内の小径部33に連通された接続部材28に接続されている。従って、校正用ガス供給源からの校正用ガスは、校正用ガス供給管25及び接続部材28を通ってガスセンサ50の防護キャップ51の各ガス導入孔53に供給される。
【0030】
<先端カバー29>
ガイドプローブ20の先端部の外周面には、取付部29aとカバー部29bとを備えた先端カバー29が嵌装されている。先端カバー29のカバー部29bは、ガイドプローブ20の先端部に一対のねじにより固定されている。先端カバー29は、排ガスの流量が少ない場合は、取り外すことができる。
【0031】
次に、上記のように構成したガス分析装置の作用を説明する。
<ガスセンサ50の校正作業>
排ガスの測定に際して、ガスセンサ50の校正を予め行う。即ち、校正用ガス供給源から所定の校正用ガス(例えば酸素ガス、窒素酸化物や基準ガス)を供給する。この校正用ガスは、校正用ガス供給管25を介してガイドプローブ20の先端部内に流れ込み、各ガス導入孔53を介してガスセンサ50内に収容されたセンサ素子に接触する。すると、センサ素子の両電極間には信号が発生し、当該信号は各リード線55を介して分析器11に出力される。分析器11は入力された当該電流を基準電流として記憶する。以上で、ガスセンサ50の校正作業は完了となる。
【0032】
<排ガスの取り込み>
校正作業の完了後、煙道13内を流れる高温の排ガスは、フィルタ31の先端面を介してガイドプローブ20の先端部内の小径部33に流れ込む。そして、先端部内の小径部33に流入した排ガスは、各ガス導入孔53を介してガスセンサ50内に収容されたセンサ素子に接触する。センサ素子の両電極間には、自身に接触した排ガスに含まれる所定成分(ここでは、窒素酸化物)の濃度に応じた信号が発生し、当該信号は各リード線55を介して分析器11に出力される。分析器11は入力された実電流と予め記憶された基準電流とを比較し、当該基準電流に対する実電流の変化量に基づいて、排ガス中の所定成分濃度を分析する。
【0033】
<冷却用空気の供給>
煙道13内を流れる高温の排ガスの分析時、圧縮空気源から常時供給される冷却用空気は、センサプローブ40内を通過してガスセンサ50の基端部54および各リード線55を冷却して、内部排出孔46からセンサプローブ40とガイドプローブ20の間に排出される。そして、内部排出孔46から流入した冷却用空気は、外部排出孔37から煙道13内ではなく外部に排出される。
【0034】
このように、ガスセンサ50の基端部54及び各リード線55に冷却用空気が供給されることにより、基端部54及び各リード線55が冷却される。このため、基端部54及び各リード線55の温度上昇が抑制され、熱による損傷を回避できる。
【0035】
次に、前述のように構成したガス分析装置におけるメンテナンス時のガスセンサの交換手順について説明する。
<ガスセンサ50の取り外し>
ガスセンサ50をガイドプローブ20から取り外す際には、まずセンサプローブ40のレセプタクル41aに取り付けられたコネクタ41を取り外す。続いて、外部の圧縮空気供給源と空気供給管42との接続を解除する。
【0036】
次に、センサプローブ40を把持して押圧部材43を所定方向へ回転させ、押圧部材43をガイドプローブ20から離脱させる。そして、センサプローブ40をガイドプローブ20から引き抜き取り外す。そして、センサプローブ40のガイドプローブ20の挿入口に仮の密栓を取り付ける。なお、センサプローブ40のみを取り外すので、燃焼機関の運転を停止等しなくてもよい。
【0037】
<ガスセンサ50の取り付け>
ガスセンサ50をガイドプローブ20に取り付ける際には、まずセンサプローブ40のガイドプローブ20の挿入口に仮の密栓を取り外す。
【0038】
そして、先端にガスセンサ50が一体に取り付けられたセンサプローブ40をガイドプローブ20内に挿入する。そして、センサプローブ40を把持して、押圧部材43を取り外すときと反対方向へ回転させると、押圧部材43がガイドプローブ20に螺合される。このとき、押圧部材43内に収容されたばね44が押圧部材43の底面によって押圧されると、ばね規制部材45を付勢する。そして、ガイドプローブ20内の傾斜部35にガスセンサ50の傾斜部52bが当接し、テーパ嵌合する。この時、ばね44の付勢力により傾斜部35と傾斜部52bとのテーパ嵌合面は密封される。
【0039】
次に、外部の圧縮空気供給源と空気供給管42とを接続する。続いて、センサプローブ40のレセプタクル41aにコネクタ41を取り付ける。以上でガスセンサ50の交換作業は完了となる。
【0040】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)挿通管14に取り付けられたガイドプローブ20内にセンサプローブ40を挿入することで、センサプローブ40の先端に設けられたガスセンサ50が煙道13内の所定成分を検出する。ガイドプローブ20内に挿入されたセンサプローブ40は、ガイドプローブ20の基端部に設けられた固定部材によってセンサプローブ40がガイドプローブ20の先端側に付勢されて、ガスセンサ50の傾斜部52bがガイドプローブ20の傾斜部35に確実に面嵌合する。そして、メンテナンス時には、固定部材を外して、センサプローブ40をガイドプローブ20から引き抜けばよいので、燃焼機関を停止することなく、運転を継続しながら、メンテナンスを行うことができる。また、ガスセンサ全体を取り外す必要がなく、ガスセンサ50を容易に交換できる。よって、メンテナンスも従来と比較して極めて容易であって、極めて保守性に優れる。さらに、構造が簡単であるので、低コスト化、在庫の低減にも効果を発揮する。
【0041】
(2)面嵌合をテーパ嵌合とした。このため、ガスセンサ50の外面がガイドプローブ20の先端側内面にテーパ嵌合するため、確実に面嵌合し密封することができる。また、テーパ嵌合によりガイドプローブ20に対しガスセンサ50の取付位置を中心に位置させることができる。
【0042】
(3)ガスセンサ50とセンサプローブ40をスポット溶接等によって一体形成したので、ガスセンサ50とセンサプローブ40とをねじ固定等をするときと比較して、ねじ溝等を形成する必要がないので、小型化及びコストダウンが可能である。
【0043】
(4)センサプローブ40のプローブ管40aの基端側に接続された空気供給管42から供給された冷却用空気は、センサプローブ40内を基端側から先端側へ通過して、センサプローブ40の先端部に設けられたガスセンサ50の基端部54及び各リード線55を冷却する。そして、冷却空気は、内部排出孔46からセンサプローブ40の外側、言い換えればセンサプローブ40とガイドプローブ20の間に排出される。このため、空気供給管42がセンサプローブ40の先端側に設けられないので、装置の体格を小型化できる。また、排ガスの圧力が冷却用空気の圧力よりも大きかった場合で万一何らかの原因で排ガスがテーパ嵌合から内部に侵入した時でも、冷却用空気によるガスセンサ50の基端部54及び各リード線55の冷却に影響を与えることはない。
【0044】
(5)押圧部材43がガイドプローブ20に係合することでばね44が押圧されて、センサプローブ40に設けられたばね規制部材45が押圧されることで、センサプローブ40がガイドプローブ20の先端側の内面に押圧される。よって、簡易な構造でセンサプローブ40を先端側へ押圧でき、センサプローブ40がガイドプローブ20のテーパ嵌合面を密封することができる。
【0045】
(6)校正用ガス供給管25がガイドプローブ20の外部に配置されるので、ガイドプローブ20の内部に収納するための複雑な構造が不要であって、ガイドプローブ20を簡易な構造とすることができる。また、校正用ガス供給管25の損傷時の取り替えも容易である。
【0046】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記構成では、保持部材27に校正用ガス供給管25を挿通したが、
図8に示されるように、校正用ガス供給管25に伸縮部25aを備えてもよい。このようにすれば、熱による校正用ガス供給管25の膨張収縮を伸縮部25aにて緩衝することができる。よって、校正用ガス供給管25に応力が掛からないので、損傷を防止できる。
【0047】
・上記構成では、ガスセンサ50の傾斜部52bとガイドプローブ20の傾斜部35とが当接して、傾斜によって面嵌合したが、傾斜部52bと傾斜部35との間にガスケット等のシール部材を設けても良い。
【0048】
・上記構成では、付勢部材にコイル状のばね44を使用したが、押圧部材43の内部に収容されるとともに、ばね規制部材45と押圧部材43の内側底面とに当接し、センサプローブ40を付勢することができれば、他の形状や他の部材でもよい。
【0049】
・上記構成では、押圧部材43の外形を六角形としたが、六角形に限らず、平行な2面を持つ角丸長方形等の他の形状でもよい。
・上記実施形態では、外部排出孔37をガイドプローブ20の検出器フランジ22よりも基端側に形成したが、煙道13内に排出することが望ましい場合には、外部排出孔37をガイドプローブ20の検出器フランジ22よりも先端側に形成してもよい。
【0050】
・上記実施形態では、校正用ガス供給管25をガイドプローブ20の外部に配置したが、校正用ガス供給管25をガイドプローブ20内に配置してもよい。
・上記実施形態では、固定部材を押圧部材43とばね44とばね規制部材45とから構成したが、固定部材の構成はこれに限らず、他の構成を採用してもよい。また、ばね44を省略して押圧部材43によってセンサプローブ40を直接押圧してもよい。
【0051】
・上記実施形態では、空気供給管42をセンサプローブ40の基端部に接続したが、装置の体格を大型化することが可能であれば、空気供給管42をセンサプローブ40の基端部以外に接続してもよい。
【0052】
・上記実施形態では、ガスセンサ50とセンサプローブ40とをスポット溶接等によって一体に形成したが、他の方法により一体に形成しても良い。
・上記実施形態では、校正用ガス供給源とガイドプローブ20の校正用ガス供給管25とを接続するが、校正用ガス供給源と校正用ガス供給管25との間に校正用ガスを加湿する加湿器を設けても良い。このように構成すれば、測定する排ガスが水分を含んでいる場合、加湿した校正ガスにより校正することができるため、排ガスを精度良く校正することができる。