【実施例】
【0017】
(パチンコ機10)
図1および
図2に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20が着脱可能に保持された本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられている。また、遊技盤20の裏側には、各種演出用の図柄を変動表示可能な図柄表示装置が着脱可能に配設されている。中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板15を備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組み付けられると共に、前枠14の下方にパチンコ球を貯留する下球皿16が開閉可能に組み付けられる。そして、前枠14の下部には、下球皿16の上側に位置して、パチンコ球を貯留する上球皿17が組み付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球皿17も一体的に開閉するよう構成される。また、中枠12には、下球皿16の右側に位置するように回動操作可能な操作ハンドル18が配設されており、該操作ハンドル18の回動操作によって中枠12の下部に設けられた打球発射装置24(
図3参照)により上球皿17に貯留したパチンコ球が遊技盤20の遊技領域に向けて打ち出されるようになっている。なお、上球皿17は、前枠14と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0018】
前記前枠14には、窓口14aの外周を囲繞するようランプ装置26が配設されると共に、上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ28が配設されている。すなわち、ランプ装置26に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、スピーカ28から適宜の音声を出力することで、図柄表示装置13での図柄変動表示に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成される。
【0019】
(遊技盤20)
前記遊技盤20には、遊技領域が前面に設けられるベニヤ板や透明なアクリル板からなる板状本体の後側に配設した裏ユニットとも呼ばれる設置部材22に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13が配設されている(
図2参照)。遊技盤20には、図柄表示装置13の表示部に対応する位置に前後に開口する表示開口部(図示せず)が開設され、該表示開口部に所要の装飾を施したセンター役物とも称される装飾部材(図示せず)で表示部を囲うようになっている。また、遊技盤20の所要位置には、パチンコ球の入賞により図柄表示装置13の図柄を変動開始させる始動入賞装置や、大当りの発生時に開放する特別入賞装置(何れも図示せず)等が配設されている。また、遊技盤20の所要位置には、モータやソレノイド等の駆動手段の駆動により動作する可動物を備えた可動演出装置30(
図3参照)や、LED等の発光体(図示せず)の点灯・点滅により発光演出を行う発光装置32(
図3参照)が配設されている。ここで、実施例のパチンコ機10では、図柄表示装置13として、液晶画面からなる表示部で各種演出表示を行う液晶タイプが採用されている。なお、図柄表示装置13としては、液晶タイプに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
【0020】
(パチンコ機10の制御構成)
図2に示すように、パチンコ機10の裏側略中央部には、当該パチンコ機10を全体的に制御する主制御基板42を備えた主制御装置40が配設されている。遊技盤20の後面に着脱可能に配設される図柄表示装置13の後面には、遊技盤20に設けられる可動演出装置30や発光装置32を制御したり、前枠14に設けられるランプ装置26やスピーカ28などを制御する統括制御基板46を備えた統括制御装置44が配設されている。また、図柄表示装置13の後面には、右側(
図2では左側)に偏倚した部位に設置された統括制御装置44の左側に、図柄表示装置13を制御する表示制御基板50を備えた表示制御装置48が配設されている。更に、中枠12の下部に設けられた球通出案内部34の後面には、パチンコ機10の電源制御を行う電源基板54を備えた電源装置52や、打球発射装置24を制御する発射制御基板58を備えた発射制御装置56や、中枠12に設けられた球通路ユニット36に配設した球払出装置38を制御する払出制御基板62を備えた払出制御装置60や、外部端末に接続されるインターフェース基板64などの各種基板が配設されている。なお、前記制御装置40,44,48,52,56,60は、制御基板42,46,50,54,58,62が透明な基板ケース41,47,51,55,59,63に収納され、この基板ケース41,47,51,55,59,63を介して外方から制御基板42,46,50,54,58,62を視認可能に構成される。
【0021】
前記主制御基板42では、遊技盤20に備えた入賞装置の入賞センサ66(
図3参照)などの各種検出センサ(検出手段)からの検出信号などに基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)が統括制御基板46に出力されるようになっている。そして、統括制御基板46は、主制御基板42が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板50を制御すると共に、ランプ装置26や発光装置32の点灯・消灯のタイミングや発光強度等を制御し、スピーカ28からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板50は、統括制御基板46から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置13に表示される図柄や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。発射制御基板58は、操作ハンドル18の回動操作により主制御基板42から出力された制御信号に基づいて、打球発射装置24から操作ハンドル18の回動操作に応じた強さでパチンコ球を遊技盤20の遊技領域に向けて発射するように制御する。また、払出制御基板62は、入賞センサ66の検出信号や上球皿17に設けられた貸し球ボタン68の操作信号などにより主制御基板から出力された制御信号に基づいて、球払出装置38で所定数のパチンコ球を払い出すように制御する。ここで、主制御基板42、電源基板54、発射制御基板58および払出制御基板62などの不正行為の対象とされ易い制御基板には、該制御基板の設置対象となるパチンコ機10に適合した管理情報100が基板面43に表示される。なお、主制御基板42、電源基板54、発射制御基板58および払出制御基板62は、パチンコ機10での遊技実行に必須とされる基板であり、主基板と呼ばれることがある。
【0022】
(主制御基板42)
前記管理情報100が表示された制御基板として、主制御基板42を挙げて具体的に説明する。なお、主制御基板42を例示して以下に説明するが、管理情報100に関する構成は、主制御基板42以外の電源基板54、発射制御基板58、払出制御基板62、統括制御基板46などの他の制御基板にも適用可能である。
【0023】
図6および
図7に示すように、前記主制御基板42には、ROMやRAM等のメモリ、CPU等の演算装置、トランジスタ、抵抗、ダイオードなどの複数の電子部品70や、この主制御基板42に接続する配線のコネクタを着脱可能なソケット(図示せず)などが実装されている。なお、
図6および
図7では、2つの電子部品70,70のみを表示して、実装領域Jに実装された他の複数の電子部品を省略している。また、主制御基板42には、電子部品70やソケットを電気的に接続する配線パターンが設けられている。そして、主制御基板42の基板面43には、電子部品70や配線パターンが設けられた実装領域J(
図7参照)から外れた領域に表示部74,76が設けられ、この表示部74,76に該主制御基板42の設置対象のパチンコ機10に適合した管理情報100が表示される。実施例では、左右に長い矩形状に形成された主制御基板42において、基板面43の下縁部左側(後面視である
図7では下縁部右側)に表示部74,76が設けられている。また、後述するように基板ケース41に収納保持される主制御基板42には、角隅部の夫々に基板ケース41に固定するための位置決め孔42aが貫通形成される。
【0024】
前記表示部74,76は、主制御基板42を収納した基板ケース41をパチンコ機10の機裏面側に設置した際に、パチンコ機10の機裏面と反対側である後方に臨む基板面(表側基板面)43に設けられる。また、表示部74,76は、パチンコ機10に設置した状態で、表側基板面43の後側が基板ケース41の透明な後壁面で覆われる。更に、表示部74,76は、表側基板面43において、基板ケース41における表側基板面43を覆う後壁面に設けられた機種名等の印刷や、該後壁面に貼り付けられたシールや、該後壁面に形成されたマーク等の模様などの前側に重ならない位置に配置される。すなわち、主制御基板42は、該主制御基板42を収納した基板ケース41をパチンコ機10の機裏面側に設置した状態で、基板ケース41を介して後方から表示部74,76に表示された管理情報100を視認可能に構成される。なお、パチンコ機10の機裏側には、基板ケース41の後側を覆うリアパック(不図示)が開閉または着脱可能に配設され、透明なリアパックを介して後方から管理情報100を視認可能に構成してもよく、リアパックを開放した際に管理情報100が視認可能となる構成でもよい。電子部品70は、表側基板面43に実装される。主制御基板42の表側基板面43には、少なくとも2つの表示部74,76が設けられ、該主制御基板42に最初に形成される管理情報100Aが表示される表示部74と、最初の管理情報100Aが主制御基板42の設置対象のパチンコ機10に適合しない場合に、適合した管理情報100Bが表示される別の表示部76を備える(
図7および
図8参照)。また、主制御基板42は、少なくとも表示部74,76がレーザー加工可能になっており、レーザーにより既存の管理情報100Aを削除したり、レーザーにより適合した管理情報100Bを書き込み可能になっている。
【0025】
(管理情報100)
前記管理情報100は、必須情報として、パチンコ機10の製造者名102(
図8参照)または販売者名のうちのいずれか一方を少なくとも含んでおり、製造者名102と販売者名との両方を含んでいてもよい。ここで、必須情報は、ひらなが、カタカナ、漢字、アルファベット等の文字や記号、これらの組み合わせによって、当該情報が目視により判別可能な表記形態および大きさで表示される。また、管理情報100は、前記必須情報だけでなく、必要に応じてその他の任意情報を含んでいてもよい。任意情報としては、主制御基板42の製造者名、主制御基板42である旨の種類の表記、主制御基板42の改訂情報、製造年月日等の日付、基板管理番号104(
図8参照)等を含ませることが可能である。ここで、任意情報は、必須情報と同様に文字や記号で情報を表しても、バーコード等の一次元コードや、マトリックスあるいはスタック方式の二次元コードなどの、読み取り装置によって読み取る識別子で表してもよい。
【0026】
前記主制御基板42に最初に形成される管理情報100Bは、レーザー印刷またはレーザー印刷以外の印刷によって表示される。なお、レーザー印刷以外の印刷としては、例えばシルク印刷などのインクを用いたものが挙げられる。また、主制御基板42に付された既存の管理情報100Aの中で、主制御基板42の設置対象に適合しない不適合情報は、レーザー印刷により削除され、不適合情報に対応した前記主制御基板42の設置対象に適合する管理情報100Bが、レーザー印刷により表示される。ここで、管理情報100の「削除」とは、主制御基板42が設置されるパチンコ機10に適合しない不適合情報をレーザーにより削り取ったり、該不適合情報上にレーザーにより取り消しライン106(
図8参照)を引いたする等、レーザー印刷で不適合情報を判別不能にしたり、あるいは不適合情報が判別できてもレーザー印刷で取り消されていることが分かるように処理することをいう。
【0027】
実施例の主制御基板42は、管理情報100Aが表示された第1表示部74と、この第1表示部74と同種の管理情報100Bをレーザー印刷で表示可能な第2表示部76とを備え、第1表示部74の下方に隣接して第2表示部76が設けられている(
図7参照)。主制御基板42は、第1表示部74に表示された管理情報100Aが設置対象のパチンコ機10に適合しない場合に、第1表示部74に表示された管理情報100Aから設置対象のパチンコ機10に適合しない不適合情報がレーザー印刷で削除されると共に、削除した不適合情報に対応した設置対象のパチンコ機10に適合する管理情報100Bがレーザー印刷で第2表示部76に表示されるよう構成される(
図8参照)。
【0028】
ここで、第1表示部74に最初に形成される管理情報100Aと、第1表示部74の管理情報100Aがパチンコ機10に適合しない場合に当該パチンコ機10に合わせて第2表示部76に形成される管理情報100Bとは、互いに色を変えたり、互いのフォントを変えたり、印刷方法を変えることなど、互いの態様を変えることによって、削除した不適合情報と適合情報とが区別し易くなっている。実施例の主制御基板42は、第1表示部74に対して最初(例えば主制御基板42の製造時)に形成される管理情報100Aがシルク印刷により白色で形成されており、レーザー印刷により第2表示部76に形成される管理情報100Bが黄色で形成され、第2表示部76に表示される管理情報100Bと最初の管理情報100Aとが色違いにされる。また、第1表示部74の管理情報100Aの不適合情報は、該不適合情報上に延在するよう形成された2本の取り消しライン106によって削除され、この取り消しライン106も適合情報と同じ黄色で形成されて、取り消しライン106と最初の管理情報100Aとが色違いにされる。
【0029】
また、表示部74,76に表示される管理情報100は、主制御基板42の表側基板面43において、各電子部品70に隣接して表示される部品情報110と異なる色で表示される。部品情報110は、主制御基板42に実装される電子部品70の管理のために、電子部品70毎に対応して表示される情報であって、例えば、「IC01」や「CN05」や「R10」など、電子部品70の種類を示すアルファベットと数字との組み合わせが用いられる。実施例の部品情報110は、表側基板面43にシルク印刷によって黒色で形成され、白色で形成される第1表示部74の管理情報と色が異なると共に、黄色で形成される第2表示部76の管理情報100Bと色が異なっている。
【0030】
実施例の第1表示部74には、管理情報100Aとして横書きの製造者名(
図8の「△△△」)102Aおよび横書きの基板管理番号(
図8の「XX−2012」)104Aが上下の関係で並べて表示される。そして、第1表示部74の管理情報100Aは、主制御基板42の設置対象のパチンコ機10に適合していない製造者名102Aおよび基板管理番号104Aの夫々が取り消しライン106によって削除されている。第1表示部74の下方に設けられた第2表示部76には、主制御基板42の設置対象のパチンコ機10に適合した管理情報100Bとして、横書きの製造者名(
図8(a)の「○○○」)102Bおよび横書きの基板管理番号(
図8(a)の「YY−2012」)104Bが上下の関係で並べて表示されている。第2表示部76に付与される管理情報100Bは、製造者名102や基板管理番号104等の項目の表記向きや項目の並び順や該第2表示部76内での配置などが、第1表示部74に最初に形成される管理情報100Aと対応するよう構成される。すなわち、削除する不適合情報が横書きであれば、この不適合情報に対応して付加する適合情報も横書きにされる。また、削除する不適合情報が複数項目ある場合に、既存の管理情報100Aの中で上側に並ぶ不適合情報に対応して付加される適合情報は、新たな管理情報100Bの中で上側に配置され、既存の管理情報100Aの中で下側に並ぶ不適合情報に対応して付加される適合情報は、新たな管理情報100Bの中で下側に配置される。これにより、第1表示部74の削除された管理情報100Aの項目と第2表示部76に付加された管理情報100Bの項目との対応関係が、判り易くなっている。
【0031】
(基板ケース41)
図4〜
図6に示すように、主制御装置40は、主制御基板42を基板ケース41に収納して構成される。基板ケース41は、設置部材22側に配置されるベース部材80と、このベース部材80の後側に組付けられるカバー部材84とから基本的に構成され、ベース部材80とカバー部材84との間に画成される収納空間41aに主制御基板42が収納される。ベース部材80およびカバー部材84は、何れも透明な合成樹脂成形品であって、基板ケース41の外方から収納空間41aに収納保持された主制御基板42を透視可能になっている。基板ケース41は、カバー部材84の内側に突出形成された位置決めボス85を主制御基板42の位置決め孔42aに嵌合すると共に、位置決めボス85とベース部材80の内側に突出形成された位置決めリブ81との間に挟んで、主制御基板42を収納空間41aに位置決めするよう構成される(
図5参照)。基板ケース41は、ベース部材80の左側縁に突出形成された突片82をカバー部材84の左壁に形成された挿通孔(図示せず)に挿入すると共に、ベース部材80の右側縁に形成されたベース側カシメ部83とカバー部材84の右側縁に形成されたカバー側カシメ部86とを、締結方向にしか回転操作できないワンウェイネジ88により締結することで、両カシメ部83,86が分離不能に固定される(
図6参照)。すなわち、ベース側カシメ部83とカバー側カシメ部86とをワンウェイネジ88で一旦締結すると、両カシメ部83,86を破壊しなければ、ベース部材80とカバー部材84とを分離することができず、両者80,84の不正開放を非常に困難にしている。なお、カバー部材84には、主制御基板42のソケット(図示せず)に対応してソケット開口84aが開設され、該ソケット開口84aを介して基板ケース41の外側に臨むソケットに配線のコネクタ(図示せず)が接続される。
【0032】
(基板ケース41の取り付け構造)
前記基板ケース41の設置部材22への取付構造について簡単に説明する。基板ケース41は、ベース部材80の左側縁に設けられ、設置部材22の後面に設けた受部(図示せず)に引っ掛ける爪部(図示せず)と、カバー部材84の右側縁上部に設けられ、設置部材22の後面に設けた位置決めピン(図示せず)が挿通される位置決め孔が形成された取付部84b(
図4参照)と、左側縁中央部に設けた固定部84c(
図4参照)とを備えている。固定部84cには、ナイラッチ等の取着具89が装着される。そして、基板ケース41は、設置部材22の受部に爪部を引っ掛けると共に、設置部材22の位置決めピンを取付部84bの位置決め孔に挿入したもとで、固定部84cに装着された取着具89を設置部材22に設けた図示しない保持孔に係合することで、設置部材22に対して着脱可能に組み付けられる(
図2参照)。
【0033】
次に、管理情報100が基板面43に表示された前述の主制御基板42を、複数のパチンコ機10で共用可能にする管理方法について説明する。主制御基板42には、表側基板面43に設けられた第1表示部74に対し、該主制御基板42の製造時にシルク印刷により製造者名102Aと基板管理番号104Aからなる最初の管理情報100Aが形成される(
図8(b)参照)。ここで、第1表示部74には、横書きの製造者名「△△△」と基板管理番号「XX−2012」とが上下の関係で並べて形成されると共に、表側基板面43に表示される黒色の部品情報110と異なる白色で管理情報100Aが形成される。ここで、最初の管理情報100Aだけが表示された主制御基板42は、製造者「○○○」が製造すると共に主制御基板42を基板管理番号「YY−2012」で管理する前記パチンコ機10には用いることはできない。なお、第1表示部74に表示された管理情報100Aに適合した、製造者「△△△」が製造すると共に当該主制御基板42を基板管理番号「XX−2012」で管理する別のパチンコ機には用いることができる。
【0034】
前記別のパチンコ機に適合した管理情報100が表示された主制御基板42を、製造者「○○○」が製造すると共に主制御基板42を基板管理番号「YY−2012」で管理する前記パチンコ機10に用いる場合は、主制御基板42の第1表示部74に付された既存の管理情報100Aの中で、前記パチンコ機10に適合しない不適合情報をレーザーにより削除する。実施例では、第1表示部74に付された製造者名102Aおよび基板管理番号104Bの両方が、前記パチンコ機10に適合していないので、第1表示部74の製造者名102Aおよび基板管理番号104A上にレーザーにより取り消しライン106が夫々引かれる。そして、削除した不適合情報に対応した前記パチンコ機10に適合する適合情報を、レーザーにより第2表示部76に付与する。具体的には、第1表示部74に付された製造者名「△△△」の削除に対応して、前記パチンコ機10に適合する製造者名「○○○」を第2表示部76にレーザーにより書き加えると共に、第1表示部74に付された基板管理番号「XX−2012」の削除に対応して、前記パチンコ機10に適合する基板管理番号「YY−2012」を第2表示部76にレーザーにより書き加える(
図8(a)参照)。これにより、主制御基板42は、前記別のパチンコ機用の管理情報100Aが削除されると共に、前記パチンコ機10に適合した管理情報100Bが表示されるので、第2表示部76に表示された管理情報100Bに適合した、製造者「○○○」が製造すると共に当該主制御基板42を基板管理番号「YY−2012」で管理する前記パチンコ機10に用いることができる。
【0035】
ここで、新たに付与される適合情報は、削除する不適合情報に隣接して形成される。すなわち、第1表示部74において上側に表示された不適合情報(製造者名102A)に対応した適合情報(製造者名102B)は、第2表示部76において上側に表示し、第1表示部74において下側に表示された不適合情報(基板管理番号104A)に対応した適合情報(基板管理番号104B)は、第2表示部76において下側に表示する。このように、削除する不適合情報に対応した適合情報は、複数項目の管理情報100の中での位置関係や表記順序などの対応関係が崩れないように書き込まれる。更に、第2表示部76にレーザーにより付与される適合情報は、第1表示部74に表示された既存の管理情報100Aと異なる色(実施例では黄色)で形成されると共に、不適合情報を削除する取り消しライン106が既存の管理情報100Aと異なる色(実施例では黄色)で形成される。そして、実施例では、主制御基板42に最初に形成される管理情報100Aがシルク印刷により付与される一方、不適合情報の削除および適合情報の付与がレーザーにより行われる。なお、不適合情報の削除および適合情報の付与の順序は、どちらを先に行ってもよい。
【0036】
前記管理方法によれば、2社の製造者等で主制御基板42で共用するだけでなく、不適合情報の削除と適合情報の付与とを行って管理情報100を該主制御基板42の設置対象のパチンコ機10に適合させることで、3社以上の製造者等で主制御基板42の共用化を図ることができる。前記別のパチンコ機に適合した管理情報100Aを削除して、管理情報100Bを前記パチンコ機10に適合させた主制御基板42を、製造者「□□□」が製造すると共に主制御基板42を基板管理番号「ZZ−2012」で管理する更に別のパチンコ機との間で共用する場合は、既存の管理情報100の中で、更に別のパチンコ機に適合しない不適合情報をレーザーにより削除する。すなわち、第2表示部76に付された製造者名102Bおよび基板管理番号104Bの両方が、更に別のパチンコ機に適合していないので、製造者名102Bおよび基板管理番号104B上にレーザーにより取り消しライン106が夫々引かれる。削除した不適合情報に対応した更に別のパチンコ機に適合する適合情報を、レーザーにより第3表示部に付与する。これにより、主制御基板42は、前記パチンコ機10の管理情報100Bが削除されると共に、更に別のパチンコ機に適合した管理情報が表示されるので、第3表示部に表示された管理情報に適合した、製造者「□□□」が製造すると共に当該主制御基板42を基板管理番号「ZZ−2012」で管理する更に別のパチンコ機に用いることができる。
【0037】
(実施例の作用)
このように、主制御基板42は、第1表示部74と、該第1表示部74に表示された管理情報100Aと同種の管理情報100Bをレーザー印刷で表示可能な第2表示部76とを有することで、主制御基板42を設置するパチンコ機10に合わせて、不適合情報を第1表示部74から削除して、削除した不適合情報に対応する適合情報を第2表示部76に表示することができるので、主制御基板42の設置対象が広がり、様々なパチンコ機に該主制御基板42を設置することができる。すなわち、管理情報100における不適合情報を削除して適合情報を表示するだけで、同じ主制御基板42を様々なパチンコ機に簡単に設置することができ、複数のパチンコ機の間で主制御基板42を共用することで、コストの低減を図ることができる。
【0038】
そして、既存の管理情報100Aの中で、主制御基板42の設置対象のパチンコ機10に適合しない不適合情報だけを削除し、削除した不適合情報に対応した適合情報だけを第2表示部76に表示するので、新たに付与する管理情報100Bを最小限に抑えることができる。これにより、複数のパチンコ機の間で主制御基板42を共用しても、管理情報100を表示するためのスペースを抑えることができ、主制御基板42の大型化を回避し得る。また、共用する複数のパチンコ機に合わせて複数の管理情報100を基板面43に形成するのではなく、必要最小限の管理情報100を最初に付与すればよく、また管理情報100の書き換えに際しても、削除した不適合情報に対応した適合情報を表示するだけので、最初に管理情報100Aを形成する際および設置対象に適合させた管理情報100Bを形成する際の両方において、管理情報100の付与に手間がかからない。ここで、管理情報100の付与にレーザー印刷を用いることで、第三者が同じように削除や書き換えを行うことを困難にでき、レーザー印刷以外の態様で管理情報100の削除や書き換えを行った際には、管理情報100の不正な改ざんを判別し易い。
【0039】
また、主制御基板42には、第1表示部74に隣接して第2表示部76が設けられると共に、第1表示部74に表示された管理情報100Aに対応する関係で、隣接する第2表示部76にパチンコ機10に適合する管理情報100Bを表示するので、削除した不適合情報に対して、どの適合情報を新たに付与したのかを分かり易くできる。すなわち、第2表示部76に表示された管理情報100Bは、削除した第1表示部74の管理情報100Aに隣接して形成することで、管理情報100Bが書き換えられたものであることが分かり易い。しかも、適合情報が削除した不適合情報と同じ横書きで、かつ製造者名102Bと基板管理番号104Bとの位置関係が不適合情報と同じになっている。これにより、削除した製造者名102Aに対応してパチンコ機10に適合した製造者名102Bが表示されると共に、削除した基板管理番号104Aに対応してパチンコ機10に適合した基板管理番号104Bが表示されたことが、一見して判別することができる。
【0040】
前記主制御基板42に対して最初に表示される管理情報100Aを、シルク印刷で形成する一方、当該管理情報100Aがパチンコ機10に適合しない場合に付与される該パチンコ機10に適合した管理情報100Bがレーザー印刷で形成する。すなわち、パチンコ機10において不適合情報となる最初の管理情報100Aと適合する管理情報100Bとを、印刷態様の違いによって区別し易くすることができる。しかも、最初の管理情報100Aを、レーザー印刷と比べて処理効率がよいシルク印刷等のインク印刷を形成することで、複数のパチンコ機で共用する際の基本となる主制御基板42を効率よく製造することができる。また、管理情報100は、電子部品70に隣接して表示された部品情報110と異なる色で表示されるので、部品情報100との混同を防止でき、管理情報100と部品情報110とを区別し易くなる。
【0041】
前記表示部74,76に表示された管理情報100は、主制御基板42を基板ケース41に収納してパチンコ機10に設置した状態で、基板ケース41の後壁面の印刷等に邪魔されることなく、基板ケース41の透明な後壁面を介して後方から視認することができる。すなわち、管理情報100を確認する際に、基板ケース41をパチンコ機10から取り外したり、主制御基板42を基板ケース41から取り出したりする必要はなく、管理情報の確認作業を容易に行い得る。
【0042】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1)管理情報100は、横書きに限られず、縦書き等のその他の判別可能な表記形態を選択できる。また、不適合情報に対して上下の位置関係で適合情報を配置するのではなく、不適合情報に対して、左右の位置関係で適合情報を配置してもよい。更に、不適合情報に隣接して適合情報を表示することに限られず、不適合情報から離間した位置に適合情報を表示してもよい。
(2)実施例では、第1表示部74に表示された管理情報100の全ての項目を削除する例を説明したが、第1表示部74に表示された管理情報100の中に設置対象に適合する適合情報があれば、この適合情報は削除されない。
(3)表示部74,76を設ける位置は、制御基板の縁部に限られず、中央部であってもよい。
(4)管理情報100を制御基板42をパチンコ機10に取り付けた状態で外方から視認可能な表側基板面43に形成する例を説明したが、パチンコ機10側の基板面に管理情報を形成してもよい。
(5)第1表示部74に表示される管理情報100Aおよび第2表示部76に表示される管理情報100Bの何れか一方を、部品情報と異なる色にしてもよい。この際、遊技機10に適合した管理情報100を部品情報と異なる色にするのが好ましい。
(6)4以上の遊技機間において制御基板を共用してもよい。
(7)実施例では、遊技機としてパチンコ機10を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機に用いられる制御基板およびその管理に採用し得る。