特許第5938336号(P5938336)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938336
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】無人移動車の走行経路計画方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   G05D1/02 J
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-256753(P2012-256753)
(22)【出願日】2012年11月22日
(65)【公開番号】特開2014-106561(P2014-106561A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】500302552
【氏名又は名称】株式会社IHIエアロスペース
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 弘隆
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 浩明
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−3365(JP,A)
【文献】 特開平5−205198(JP,A)
【文献】 特開2010−250743(JP,A)
【文献】 特開平2−48704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
B60R 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境認識手段により取得した前方の環境データから走行可能領域を判断し、所定の前方距離と所定の左右幅とを有するフィッティングエリアを、走行可能領域内で最大曲率半径と最大左右幅を取るように設定して、フィッティングエリア内に走行経路を決定する無人移動車の走行経路計画方法であって、
走行可能領域の左右の領域端に対するフィッティングエリアの左右の接触率を算出し、
フィッティングの全ての試行においてフィッティングエリアの左右一方側の接触率が所定値以下である場合に、左右他方側の接触率が最大となるフィッティングエリアを選定し、そのフィッティングエリア内に走行経路を選定することを特徴とする無人移動車の走行経路計画方法。
【請求項2】
走行可能領域の左右の領域端に対するフィッティングエリアの左右両方側の接触率が所定値以下である場合に、
現状の走行経路を維持することを特徴とする請求項1に記載の無人移動車の走行経路計画方法。
【請求項3】
選定したフィッティングエリアにおいて、走行可能領域の領域端から所定距離だけ離間した平行曲線を走行経路とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の無人移動車の走行経路計画方法。
【請求項4】
フィッティングの全ての試行においてフィッティングエリアの左右一方側の接触率が所定値以下である場合に、
フィッティングエリアの前方距離に所定の後方距離を加えて成る前後距離について、走行可能領域の左右の領域端に対する左右の接触率を算出し、
フィッティングの全ての試行において左右一方側の接触率が所定値以下である場合に、左右他方側の接触率が最大となる前後拡大フィッティングエリアを選定し、
選定した前後拡大フィッティングエリアにおいて、走行可能領域の領域端から所定距離だけ離間した平行曲線を走行経路とすることを特徴とする請求項1に記載の無人移動車の走行経路計画方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境認識手段により取得した前方の環境データから走行可能領域を判断して走行する無人移動車において、その走行経路を計画するのに使用される無人移動車の走行経路計画方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、無人移動車の走行経路計画方法としては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載の走行経路計画方法は、無人移動車に搭載した環境認識手段により前方の環境データを取得し、その環境データから走行可能領域を判断するものである。
【0003】
具体的には、環境認識手段で認識可能な前方距離及び現在の上限走行速度に基づいて決定される前方距離のうちの短い方の前方距離と一定の左右幅とを有するフィッティングエリアを、走行可能領域内で最大の曲率半径と最大の左右幅とを取るように設定する。そして、上記の走行経路計画方法は、設定したフィッティングエリアの中央線を走行経路とするものとしており、これにより、走行可能領域の幅が局所的に変化するようなことがあっても、無人移動車を蛇行させずに高速走行を継続することを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−003365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の無人移動車の走行経路計画方法では、例えば、道幅が急激に広くなると、環境認識手段の環境データ内に走行可能領域(道)の左右いずれかの領域端が存在しない状態になる場合がある。これにより、フィッティングエリアの設定が困難になるおそれがあり、このような問題点を解決することが課題であった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、環境認識手段により取得した前方の環境データから走行可能領域を判断して走行する無人移動車において、走行可能領域の幅が急激に広がるようなことがあっても、フィッティングエリアを設定して、無人移動車の良好な走行を継続することができる無人移動車の走行経路計画方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の無人移動車の走行経路計画方法は、環境認識手段により取得した前方の環境データから走行可能領域を判断し、所定の前方距離と所定の左右幅とを有するフィッティングエリアを、走行可能領域内で最大曲率半径と最大左右幅を取るように設定して、フィッティングエリア内に走行経路を選定するものである。
【0008】
そして、当該走行経路計画方法は、走行可能領域の左右の領域端に対するフィッティングエリアの左右の接触率を算出し、フィッティングの全ての試行においてフィッティングエリアの左右一方側の接触率が所定値以下である場合に、左右他方側の接触率が最大となるフィッティングエリアを選定し、そのフィッティングエリア内に走行経路を選定する構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
なお、上記構成において、フィッティングエリアは、最大の曲率半径と最大の左右幅とを取るように走行可能領域に内接するものとなり、走行可能領域が直線的に存在する場合には、最大の曲率半径に沿った前方距離はほぼ直線距離となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の無人移動車の走行経路計画方法によれば、環境認識手段により取得した前方の環境データから走行可能領域を判断して走行する無人移動車において、走行可能領域の幅が急激に広がるようなことがあっても、フィッティングエリアを設定して、無人移動車の良好な走行を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る無人移動車の走行経路計画方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
図2】フィッティングエリアの設定を説明する平面図である。
図3】本発明に係る無人移動車の走行経路計画方法の他の実施形態を説明するフローチャートである。
図4】本発明に係る無人移動車の走行経路計画方法のさらに他の実施形態を説明するフローチャートである。
図5】無人移動車の一例を説明する斜視図である。
図6】本発明に係る無人移動車の走行経路計画方法が適用可能な基本制御を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて、本発明の無人移動車の走行経路計画方法の一実施形態を説明する。図5に示す無人移動車Vは、車体Bに、前後左右の四つの車輪Cを備えると共に、エンジン又はモータ等の駆動源、変速機構、ステアリング機構、及び増減速機構などを備えている。
【0013】
上記の無人移動車Vは、前方の環境認識を行うための環境認識手段Sや、各種データを処理して各機構に指令を与える制御手段を備え、環境認識手段Sで取得した環境データから走行可能領域を判断して走行経路を計画し、その走行経路に沿って走行するものとなっている。環境認識手段としては、各種カメラやレーザレンジファインダなどを利用することができる。
【0014】
さらに、無人移動車Vは、各種データを送受信する手段を備え、例えば環境認識手段Sで取得した画像に基づいて遠隔操作することが可能であると共に、遠隔操作と自律走行を組み合わせた半自律的な走行も可能である。
【0015】
図6は、上記の無人移動車Vの走行経路計画方法が適用可能な基本制御を示す図である。この基本制御は、所定の前方距離Lsと所定の左右幅Wとを有するフィッティングエリアFAを、走行可能領域Q内で最大の曲率半径と最大の左右幅とを取るように設定し、このフィッティングエリアFAの中央線CLを走行経路Rとするものである。
【0016】
なお、図示の基本制御は、とくに、フィッティングエリアFAを設定する際に、所定の前方距離として、環境認識手段Sで認識可能な前方距離Lsと、現在の上限走行速度に基づいて決定される前方距離Lvのうちの短い方の前方距離を選択するようにしている。
【0017】
すなわち、基本制御は、図6(a)に示すように、ステップS1において、現在の上限走行速度で決められた前方距離Lvを算出する。現在の上限走行速度とは、例えば、遠隔操縦者が路面状況を見て判断した速度であり、指令信号として無人移動車Vに送信する。また、前方距離Lvは、その上限走行速度で制動可能な距離である。
【0018】
次に、ステップS2において、環境認識手段Sで認識可能な前方距離すなわち環境認識手段Sで認識できる最長の前方距離Lsを算出する。そして、ステップS3において、上限走行速度による前方距離Lvと環境認識による前方距離Lsとを比較する。
【0019】
ここで、上限走行速度による前方距離Lvよりも環境認識による前方距離Lsが大きい場合(Yes)には、ステップS4において、上限走行速度による前方距離Lvを前方距離L(L=Lv)とする。また、上限走行速度による前方距離Lvよりも環境認識による前方距離Lsが小さい場合(No)には、ステップS5において、環境認識による前方距離Lsを前方距離L(L=Ls)とする。つまり、上限走行速度による前方距離Lvと環境認識による前方距離Lsのうちの短い方を前方距離Lとする。
【0020】
その後、ステップS6において、図6(b)に示すように、現在までに認識できた走行可能領域Q内で、無人移動車Vの前縁から前方距離Lで且つ一定の左右幅Wを有するフィッティングエリアFAを設定する。この際、ステップS6において、フィッティングエリアFAは、走行可能領域Qに対して最大の曲率半径に沿う前方距離Lと最大の左右幅Wを取るように、同走行可能領域Qに内接するものである。
【0021】
なお、直線的に走行している場合には、最大の曲率半径に沿う前方距離Lは、図6に示す如くほぼ直線距離である。また、図6(b)中で、走行可能領域Qは、例えば未舗装路であり、無人移動車Vの前方の扇形状のエリアAsは環境認識手段Sの認識範囲を示す。
【0022】
さらに、ステップS7において、フィッティングエリアFAの中央線CLを走行経路Rと規定し、ステップS8において、走行経路Rに沿って走行するように経路計画を行って処理の終了となる。これにより、無人移動車Vは走行経路Rに沿って走行する。
【0023】
このようにして、環境認識手段Sにより取得した前方の環境データから走行可能領域Qを判断して走行する無人移動車Vにおいて、走行可能領域Qの幅が局所的に変化するような場合でも、無人移動車Vを蛇行させることなく高速走行を継続することができる。
【0024】
本発明の無人移動車の走行経路計画方法は、上記の基本制御による走行中に道幅が急激に広くなり、環境認識手段Sの環境データ内に走行可能領域Qの左右いずれかの領域端が存在しない状態になった場合に実行する。具体的には、図6(a)に示す基本制御において、フィッティングエリアFAを設定するステップS6と、これに続いて走行経路を規定するステップS7との間で行う。
【0025】
すなわち、走行経路計画方法は、走行可能領域Qの左右の領域端に対するフィッティングエリアFAの左右の接触率を算出し、フィッティングの全ての試行においてフィッティングエリアFAの左右一方側の接触率が所定値以下である場合に、左右他方側の接触率が最大となるフィッティングエリアFAを選定し、そのフィッティングエリアFA内に走行経路Rを選定する。また、走行可能領域Qの左右の領域端に対するフィッティングエリアFAの左右両方側の接触率が所定値以下である場合に、現状の走行経路Rを維持する。
【0026】
すなわち、図1に示すように、ステップS11において、図6に示す基本制御のステップS6で取得したフィッティングエリアFAと、走行可能領域Qの領域端との距離が、設定値Xr以下である長さの積算値ΔLを求める。
【0027】
このとき、先述したように、フィッティングエリアFAは、走行可能領域Qに内接するものであるから、フィッティングエリアFAの左右の側線と、走行可能領域Qの左右の領域端とは必ずしも一致しない。そこで、図2に示すように、フィッティングエリアFAの幅方向に所定幅の設定値Xrを設定し、フィッティングエリアFAと走行可能領域Qの領域端との距離が設定値Xr以下の部分(斜線で示す部分)については、フィッティングエリアFAと走行可能領域Qの領域端とが実質的に接触しているものとみなして、設定値Xr以下である長さの積算値ΔLを求める。
【0028】
そして、ステップS12において、フィッティングエリアFAと走行可能領域Qの領域端との左右の接触率Rt(ΔL/L)を求める。なお、Lは、フィッティングエリアFAの前後方向の長さである。
【0029】
次に、ステップS13において、フィッティングの全ての試行においてフィッティングエリアFAの左右のいずれかの接触率Rtが所定値Rtr以下であるか否かを判定し、左右一方側の接触率Rtが所定値Rtr以下である場合(Yes)には、ステップS17において、所定値Rtr以下である領域端の反対側の領域端との接触率(左右他方側の接触率)が最大となる長さLのフィッティングエリアFAを選定し、そのフィッティングエリアFA内に走行経路Rを選定する。
【0030】
より具体的には、図2に示すように、無人移動車量Vの進行方向に対して、道幅が右方向に急激に広くなると、環境認識手段Sにより検出した走行可能領域Qには、左側の領域端だけが存在し、右側の領域端は存在しない。このため、フィッティングエリアFAは、左側に関しては走行可能領域Qに内接するが、右側に関しては、環境認識手段Sの認識エリアAsの右端限まで拡大する。
【0031】
そして、図示例の場合には、ステップS13において、フィッティングエリアFAの左右のいずれかの接触率Rtを判定すると、領域端の無い右側の接触率が所定値Rtr以下になる(Yes)ので、ステップS17において、その反対側すなわち左側の領域端との接触率が最大となる長さLのフィッティングエリアFAを選定し、その範囲内に走行経路Rを選定する。例えば、フィッティングエリアFAの中央ラインを走行経路Rとする。
【0032】
また、先のステップS13において、左右いずれかの接触率Rtが所定値Rtr以下ではない場合(No)には、ステップS14において、左右両方の接触率Rtが所定値Rtr以下であるか否かを判定し、左右両方の接触率Rtが所定値Rtr以下である場合(Yes)には、ステップS15に移行して現状の走行経路Rを維持する。さらに、ステップS14において、左右両方の接触率Rtが所定値Rtr以下ではない場合(No)は、左右両側に走行可能領域Qの領域端が存在するので、ステップS16において、図6に示す基本制御に移行する。
【0033】
このように、無人移動車Vの走行経路計画方法では、フィッティングの全ての試行においてフィッティングエリアFAの左右一方側の接触率Rtが所定値Rtr以下である場合に、左右他方側の接触率Rtが最大となるフィッティングエリアFAを選定するので、走行可能領域Qの幅(道幅)が急激に広がるようなことがあっても、フィッティングエリアFAを設定して、無人移動車Vの良好な走行を継続することができる。
【0034】
また、上記の走行経路計画方法では、走行可能領域Qの左右の領域端に対するフィッティングエリアFAの左右両方側の接触率Rtが所定値Rtr以下である場合に、現状の走行経路Rを維持するので、例えば、広大な平地に進行して、環境認識手段Sによる環境データの全てが走行可能領域Qとなった場合(領域端が存在しない場合)でも、そのまま走行を継続することができる。
【0035】
図3及び図4は、本発明に係る無人移動車の走行経路計画方法の他の実施形態を説明する図である。なお、先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0036】
図3に示す走行経路計画方法は、図1に示す先の実施形態の走行経路計画方法に加えて、選定したフィッティングエリアにおいて、走行可能領域の領域端から所定距離だけ離間した平行曲線を走行経路とするものである。なお、ステップS21〜S26は、先の実施形態のステップS11〜S16と同じである。
【0037】
すなわち、走行経路計画方法は、ステップS23において、左右一方側の接触率Rtが所定値Rtr以下である場合(Yes)に、ステップS27において、所定値Rtr以下である領域端の反対側の領域端との接触率(左右他方側の接触率)が最大となる長さLのフィッティングエリアFAを選定する。
【0038】
そして、ステップS28において、図2に示すように、走行可能領域Qの左の領域端から所定距離Lqだけ離間した平行曲線を走行経路Rとするものである。なお、図2では、ほぼ直線的に走行している場合を示しているので、最大の曲率半径で走行可能領域Qに内接するフィッティングエリアFAの左右の側線はほぼ直線となる。よって、走行可能領域Qの領域端から離間した平行曲線及び走行経路Rは、いずれもほぼ直線である。
【0039】
上記の無人移動車の走行経路計画方法によれば、先の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができるうえに、例えば、分岐路に遭遇した場合でも、走行経路Rを設定して道なり走行を継続することが可能である。つまり、基本制御だけでは、分岐路に遭遇した場合、先にフィッティングできた経路を選ぶので、道なり走行が困難になるおそれがある。これに対して、上記の走行経路計画方法では、走行可能領域Qの片側の領域端に基づいてフィティングエリアFAを選定するので、道なり走行を継続することができる。
【0040】
なお、上記実施形態では、走行可能領域Qの領域端から所定距離Lqだけ離間した平行曲線を走行経路Rとするものとしたが、フィッティングエリアFAの側線から所定距離Lqだけ離間した平行曲線を走行経路Rとすることも実質的に同一である。
【0041】
図4に示す走行経路計画方法は、図1に示す走行経路計画方法のステップS13に対応するステップS33において、フィッティングエリアFAの左右一方側の接触率が所定値以下である場合(Yes)に、フィッティングエリアFAの前方距離に所定の後方距離を加えて成る前後距離について、走行可能領域Qの左右の領域端に対する左右の接触率を算出し、フィッティングの全ての試行において左右一方側の接触率が所定値以下である場合に、左右他方側の接触率が最大となる前後拡大フィッティングエリアを選定する。
【0042】
そして、走行経路計画方法は、選定した前後拡大フィッティングエリアにおいて、走行可能領域の領域端から所定距離だけ離間した平行曲線を走行経路とする。なお、ステップS31〜S36は、先の実施形態のステップS11〜S16と同じである。
【0043】
すなわち、走行経路計画方法は、ステップS41において、図2に示すように、フィッティングエリアFAの前方距離Lに所定の後方距離Lbを加えて成る前後距離Lwを設定し、ステップS42において、前後距離Lwについて、走行可能領域Qの領域端との距離が、設定値Xr以下である長さの積算値ΔLwを求め、ステップS43において、走行可能領域Qの領域端との左右の接触率Rtw(ΔLw/Lw)を求める。これらの処理は、前方距離Lについての接触率Rtを求めるステップS31,32に対して、前後距離Lwについての接触率Rtwを求めるものである。
【0044】
そして、走行経路計画方法は、ステップS44において、フィッティングの全ての試行において左右一方側の接触率Rtwが所定値Rtr以下である場合に、左右他方側の接触率Rtwが最大となる前後拡大フィッティングエリアFwを選定する。つまり、図2においては、フィッティングの全ての試行において右側(左右一方側)の接触率Rtwが所定値Rtr以下となるので、左側(左右他方側)の接触率Rtwが最大となる前後拡大フィッティングエリアFwを選定する。
【0045】
なお、前後拡大フィッティングエリアFwは、無人移動車Vの前方に選定したフィッティングエリアFAに、同じ幅で後方距離Fb分だけ延長した後方フィッティングエリアFbを加えたものである。
【0046】
その後、走行経路計画方法は、ステップS45において、図2に示すように、選定した前後拡大フィッティングエリアFwにおいて、走行可能領域Qの左側の領域端から所定距離Lqだけ離間した平行曲線を走行経路Rとする。
【0047】
上記実施形態の走行経路計画方法によれば、環境認識手段Sで検出した前方の走行可能領域Qと、通過した後方の領域を含む前後拡大フィッティングエリアFwを用いるので、走行経路Rの選定がより高精度になる。その上で、走行可能領域Qの幅(道幅)が急激に広がった場合や、分岐路に遭遇した場合でも、走行経路Rを設定して道なり走行を継続することでき、無人移動車の走行性能のさらなる向上を実現することができる。
【0048】
本発明の無人移動車の走行経路計画方法は、その構成が上記の各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
FA フィッティングエリア
Fw 前後拡大フィッティングエリア
L 前方距離
Lb 後方距離
Q 走行可能領域
R 走行経路
S 環境認識手段
V 無人移動車
図1
図2
図3
図4
図5
図6