(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938373
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】コンクリートスラブ用アンカー及びそれの使用方法
(51)【国際特許分類】
E04C 5/18 20060101AFI20160609BHJP
E04B 5/43 20060101ALI20160609BHJP
E04B 5/32 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
E04C5/18 104
E04B5/43 A
E04B5/32 B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-156797(P2013-156797)
(22)【出願日】2013年7月29日
(65)【公開番号】特開2015-25331(P2015-25331A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2015年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中塚 隆太
【審査官】
河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−285010(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3141261(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 5/12、5/18
E04B 5/32
E04B 5/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
型枠内に配筋された鉄筋又は埋込体を保持する埋込体保持具が浮き上がるのを防止するコンクリートスラブ用アンカーにおいて、
上記鉄筋又は上記埋込体保持具に引っ掛けるための鉤部が上端に形成されたフックボルトと、
上端の上側貫通孔から上記フックボルトの下端部が挿入される連結部と、
上端が上記連結部の下側貫通孔から挿入されて該連結部に締結されるアンカーボルトと、
上記連結部の下側貫通孔と上記アンカーボルト頭部との間に挿通されると共に、上記型枠に形成したアンカー用貫通孔内径よりも小さい外径を有する本体部、及び、該本体部の上側に設けられて上記アンカー用貫通孔を通過可能で該アンカー用貫通孔を通過後に該アンカー用貫通孔の内径よりも広がる抜け止め部を有するアンカー部材と、
アンカー部材の上端と上記連結部下端との間に挿入され、上記アンカー用貫通孔に圧入されるスペーサとを備えており、
上記アンカー部材は、上記本体部の上端から上記アンカーボルトの軸方向に伸び、上記スペーサに当接するスペーサ当接部を備えている
ことを特徴とするコンクリートスラブ用アンカー。
【請求項2】
請求項1に記載のコンクリートスラブ用アンカーおいて、
上記アンカー部材は、上記本体部、上記抜け止め部及び上記スペーサ当接部が一体成形された樹脂成形品よりなる
ことを特徴とするコンクリートスラブ用アンカー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンクリートスラブ用アンカーの使用方法において、
型枠を敷き詰める工程と、
上記型枠に鉄筋を配筋する工程と、
上記型枠に埋込体を配置し、上記埋込体保持具に固定する工程と、
上記型枠にアンカー用貫通孔を形成する工程と、
上記鉄筋又は上記埋込体保持具に上記フックボルトを引っ掛け、上記アンカー部材を上記アンカー用貫通孔に挿通して抜け止め部を該アンカー用貫通孔周縁に引っ掛けると共に、上記スペーサを該アンカー用貫通孔に圧入する工程と、
上記型枠内にコンクリートを打設する工程と、
上記アンカーボルトを該アンカーボルトを緩めることで上記アンカー部材と共に取り外し、上記スペーサは上記アンカー用貫通孔に残す工程と、
上記型枠を上記スペーサと共に取り外す工程とを含む
ことを特徴とするコンクリートスラブ用アンカーの使用方法。
【請求項4】
請求項3に記載のコンクリートスラブ用アンカーの使用方法において、
上記スペーサをアンカー用貫通孔に圧入する際に、上記連結部の下端に形成した、上記アンカー用貫通孔の内径よりも外径が小さい細径部を該アンカー用貫通孔に挿通することにより、上記抜け止め部を広げるための挿入深さを確保し、
抜け止め部が広がった後に、上記細径部が上記アンカー用貫通孔から上方へ抜け出す
ことを特徴とするコンクリートスラブ用アンカーの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートスラブ用アンカー及びそれの使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、鉄筋コンクリート造のマンションの床などを構成するコンクリートスラブを型枠板に並列した埋込体を用いて施工することが知られている。この埋込体は、コンクリートよりも比重が軽いので、コンクリートを打設する際に、上端筋が上方へ浮き上がろうとする。この浮き上がりを阻止し、この上端筋よりも上側部分のコンクリートのかぶり寸法を規制するコンクリートスラブ用フックアンカーは知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−348746号公報
【特許文献2】特開2007−321420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のコンクリートスラブ用アンカーでは、型枠にアンカー部材を挿通するために取付孔を形成しなければならず、コンクリートの打設後に型枠を取り外すと、取付孔が開口したままであり、次の打設現場でそのまま用いることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、確実に埋込体の浮き上がりを防止すると共に、打設後に型枠の再利用を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明では、型枠の貫通孔にコンクリートスラブ用フックアンカーの一部品であるスペーサを圧入するようにした。
【0007】
具体的には、第1の発明では、
型枠内に配筋された鉄筋又は埋込体を保持する埋込体保持具が浮き上がるのを防止するコンクリートスラブ用アンカーにおいて、
上記鉄筋又は上記埋込体保持具に引っ掛けるための鉤部が上端に形成されたフックボルトと、
上端の上側貫通孔から上記フックボルトの下端部が挿入される連結部と、
上端が上記連結部の下側貫通孔から挿入されて該連結部に締結されるアンカーボルトと、
上記連結部の下側貫通孔と上記アンカーボルト頭部との間に挿通されると共に、上記型枠に形成したアンカー用貫通孔内径よりも小さい外径を有する本体部、及び、該本体部の上側に設けられて上記アンカー用貫通孔を通過可能で該アンカー用貫通孔を通過後に該アンカー用貫通孔の内径よりも広がる抜け止め部を有するアンカー部材と、
アンカー部材の上端と上記連結部下端との間に挿入され、上記アンカー用貫通孔に圧入されるスペーサとを備えて
おり、
上記アンカー部材は、上記本体部の上端から上記アンカーボルトの軸方向に伸び、上記スペーサに当接するスペーサ当接部を備えている。
【0008】
上記の発明によると、フックボルトの鉤部を鉄筋又は埋込体保持具に引っ掛けた状態で、アンカー部材を型枠のアンカー用貫通孔に差し込んで抜け止め部が広がって抜け止めすることで、打設時の埋込体の浮き上がりを確実に防止することができる。型枠を外す際にアンカーボルトを緩めて取り外すと、アンカー用貫通孔に圧入されたスペーサは型枠内に残るので、型枠を再利用するときにアンカー用貫通孔を塞ぐ手間が省ける。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、
上記アンカー部材は、上記本体部、上記抜け止め部及び上記スペーサ当接部が一体成形された樹脂成形品よりなる。
【0010】
第3の発明では、第1又は第2の発明のコンクリートスラブ用アンカーの使用方法を前提とし、この使用方法は、
型枠を敷き詰める工程と、
上記型枠に鉄筋を配筋する工程と、
上記型枠に埋込体を配置し、上記埋込体保持具に固定する工程と、
上記型枠にアンカー用貫通孔を形成する工程と、
上記鉄筋又は上記埋込体保持具に上記フックボルトを引っ掛け、上記アンカー部材を上記アンカー用貫通孔に挿通して抜け止め部を該アンカー用貫通孔周縁に引っ掛けると共に、上記スペーサを該アンカー用貫通孔に圧入する工程と、
上記型枠内にコンクリートを打設する工程と、
上記アンカーボルトを上記アンカー部材と共に取り外し、上記スペーサは上記アンカー用貫通孔に残す工程と、
上記型枠を上記スペーサと共に取り外す工程とを含む。
【0011】
上記の発明によると、フックボルトの鉤部を鉄筋又は埋込体保持具に引っ掛けた状態で、アンカー部材を型枠のアンカー用貫通孔に差し込んで抜け止め部が広がって抜け止めすることで、打設時の埋込体の浮き上がりを確実に防止することができる。型枠を外す際にアンカーボルトを緩めて取り外すと、アンカー用貫通孔に圧入されたスペーサは型枠内に残るので、型枠を再利用するときにアンカー用貫通孔を塞ぐ手間が省ける。
【0012】
第4の発明では、第3の発明において、
上記スペーサをアンカー用貫通孔に圧入する際に、上記連結部の下端に形成した、上記アンカー用貫通孔の内径よりも外径が小さい細径部を該アンカー用貫通孔に挿通することにより、上記抜け止め部を広げるための挿入深さを確保し、
抜け止め部が広がった後に、上記細径部が上記アンカー用貫通孔から上方へ抜け出す構成とする。
【0013】
上記の構成によると、連結部に細径部を形成することで、フックボルトの挿入深さを調整することなく、フックボルトの抜け止め部を確実に押し広げてアンカー用貫通孔の周縁に対して確実に抜け止めさせることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、コンクリートスラブ用アンカーにおけるアンカー部材の上端と連結部下端との間にアンカー用貫通孔に圧入されるスペーサを設けたことにより、確実に埋込体の浮き上がりを防止すると共に、打設後に型枠の再利用を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】コンクリートスラブ用アンカーを示す正面図である。
【
図2】コンクリートスラブ用アンカーを上方から挿入する様子を示す断面図である。
【
図3】アンカー部材の先端をアンカー用貫通孔に圧入する様子を示す断面図である。
【
図4】鉄筋を撓ませながら連結部の細径部をアンカー用貫通孔に押し込んで抜け止め部を広げる様子を示す断面図である。
【
図5】鉄筋の撓みが戻って細径部がアンカー用貫通孔から上方へ抜け出すと共に、抜け止め部の先端がアンカー用貫通孔の周縁に当接する様子を示す断面図である。
【
図6】コンクリート打設の様子を示す断面図である。
【
図7】コンクリート打設後にアンカー部材及び型枠を取り外す様子を示す断面図である。
【
図8】コンクリートスラブ用アンカーを受け台に引っ掛けた様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
−コンクリートスラブ用アンカーの構成−
図1は本発明の実施形態のコンクリートスラブ用アンカー1を示し、このコンクリートスラブ用アンカー1は、例えば金属製の丸棒等よりなる、鉤部2aが上端に形成されたフックボルト2を備えている。フックボルト2の下端部2bには雄ネジが形成されている。鉤部2aは、後述する鉄筋20又は埋込体21を保持する埋込体保持具としての受け台22に引っ掛ける役割を果たす。この下端部2bは、例えば樹脂成形品よりなる連結部3が締結されるようになっている。
【0018】
連結部3は、上端に円形の上側貫通孔3aが形成され、その下側に正面側が開口した上側ナット収容部3bが形成されている。上側ナット収容部3bの下側には正面が開口した長さ調整部3cが形成されている。この上側ナット収容部3bに正面側から回転不能に収容された上側ナット4にフックボルト2の下端部2bを締結し、長さ調整部3cに下端部2bを進退させることで、下端部2bの連結部3内への挿入深さを調整可能となっている。なお、フックボルト2の下端部2bを長さ調整部3cの底部に接触するまで挿入してもよい。フックボルト2の長さは、この状態で鉤部2aの高さが後述する引っ掛ける鉄筋、又は埋込体保持具の高さと合うように設定する。このようにすれば、輸送等の振動で挿入深さが変化しても、フックボルト2を締め込むことで常に所定の高さが得られる。
【0019】
長さ調整部3cの下側には、正面側が開口した下側ナット収容部3dが形成されている。連結部3の下端は、この下側ナット収容部3dのあたりから先細となっており、下端は、さらに外径が細くなった円筒状細径部3eが形成されている。なお、この細径部3eは、後述するアンカー用貫通孔24を通過可能であれば、円筒状に限定されない。細径部3eから下側ナット収容部3dにかけて下側貫通孔3fが形成されている。この下側貫通孔3fには、アンカーボルト5の上端が挿入されて下側ナット収容部3dに正面側から回転不能に収容された下側ナット6に締結されるようになっている。
【0020】
連結部3の下側貫通孔3fとアンカーボルト5の頭部5aとの間には、例えば樹脂成形品よりなるアンカー部材7が挿通されるようになっている。アンカー部材7の下端には、型枠23に形成したアンカー用貫通孔24の内径よりも若干小さい外径を有する円筒状の本体部7aが形成されている。この本体部7aの上側には、アンカー用貫通孔24を通過可能で、このアンカー用貫通孔24を通過後にアンカー用貫通孔24の内径よりも広がる抜け止め部7bが形成されている。この抜け止め部7bは、例えば、4本の下端のみが本体部7a上端に連結されたものよりなる。抜け止め部7bのある部分には、本体部7a上端からアンカーボルト5の軸方向に伸びる、例えば一対のスペーサ当接部7cが形成されている。
【0021】
この一対のスペーサ当接部7cの上端と連結部3の細径部3eとの間には、アンカー用貫通孔24に圧入されるスペーサ8が挟持されるようになっている。スペーサ8は、略円筒形状のもので、圧入して抜け出さないようにするために、例えば下端側はアンカー用貫通孔24の内径とほぼ同じ外径であり、上端に向かって徐々に外径が広がるように形成されているのが望ましい。
【0022】
なお、本実施形態では、連結部3を樹脂成形品で形成しているので、上側ナット4及び下側ナット6を収容しているが、金属製であれば、上側貫通孔3a及び下側貫通孔3f自体に雌ネジをそれぞれ形成してもよい。
【0023】
−コンクリートスラブ用アンカーの使用方法−
次いで、本実施形態のコンクリートスラブ用アンカー1の使用方法について説明する。
【0024】
まず、施工現場にて木製板材よりなる型枠23を敷き詰める。
【0025】
次いで、型枠23に鉄筋20を配筋する。鉄筋20は、網目状に並べて組まれる。
【0026】
次いで、
図8に示すように、型枠23に置かれた受け台22の上に埋込体21を配置し固定する。受け台22は自立する脚部22bを有するが、その形状は特に限定されない。埋込体21は、環状の中空部材、球状の中空部材、発泡スチロール等特に限定されない。
【0027】
次いで、型枠23にアンカー用貫通孔24を形成する。このアンカー用貫通孔24は、予め定位置に形成しておいてもよい。
【0028】
そして、
図2に示すように、上方から鉄筋20にフックボルト2を引っ掛ける作業を行う。
【0029】
まず
図3に示すように、アンカー部材7をアンカー用貫通孔24に挿通する。抜け止め部7bは、撓みやすいので、アンカー用貫通孔24を通過するときには外径が小さくなる。
【0030】
次いで、
図4に示すように、鉤部2aを上方から押し付けて鉄筋20を撓ませながら、連結部3の下端の細径部3eまでアンカー用貫通孔24に挿通する。このとき、フックボルト2の下端部2bの挿入深さは予め設定されているので、挿入作業において抜け止め部7bを広げるための挿入深さの余裕はないが、細径部3eまで挿入させることで、挿入高さh1が確保され、抜け止め部7bの上端が確実に広がる。このとき、圧入されたスペーサ8は、その下端がアンカー用貫通孔24から飛び出している。
【0031】
次いで、
図5に示すように、鉤部2aの押さえ付けを解除すると、抜け止め部7bの上端がアンカー用貫通孔24周縁に当接し、抜け止め効果が確実に発揮される。スペーサ8は、上方に少し引っ張られてアンカー用貫通孔24内面に圧入された状態で止まり、細径部3eは、アンカー用貫通孔24から上方へ抜け出す。なお、
図8に示すように、受け台22の受け部22aにも同様にフックボルト2を引っ掛けるのが望ましい。この場合、フックボルト2の掛ける位置は特に限定されず、その長さは、受け台22の引っ掛ける位置に合わせて短くしてもよい。このように、連結部3に細径部3eを形成することで、フックボルト2の挿入深さを調整することなく、フックボルト2の抜け止め部7bを確実に押し広げてアンカー用貫通孔24の周縁に対して確実に抜け止めさせることができるので、取付作業が極めて容易である。
【0032】
次いで、
図6に示すように、型枠23内にコンクリート25を打設する。このとき、フックボルト2の鉤部2aを鉄筋20及び受け部22aに引っ掛けた状態で抜け止め部7bが広がって抜け止めしているので、打設時の埋込体21の浮き上がりを確実に防止することができる。このとき、スペーサ8がアンカー用貫通孔24内面に圧入された状態で止まっているため、コンクリート25がアンカー用貫通孔24内に入り込むことを抑制できる。また、スペーサ8に挿入されたアンカーボルト5は、コンクリート25に対してほとんど接触しない。
【0033】
次いで、
図7に示すように、アンカーボルト5をアンカー部材7と共に取り外す。スペーサ8はアンカー用貫通孔24に圧入されているので、残る。
【0034】
最後に型枠23をスペーサ8と共に取り外す。アンカー用貫通孔24は、スペーサ8である程度塞がれているので、再び型枠23を別の現場で使用しても、コンクリート25がほとんど漏れ出ることはない。このため、型枠23を再利用するときにアンカー用貫通孔24を塞ぐ手間が省ける。また、前述のようにアンカー用貫通孔24内にコンクリートが入り込まないため、型枠を取り外した後のコンクリート表面に凹凸や割れがなく、平坦で美しい仕上がり面が得られる。さらに、アンカーボルト5にはコンクリート25がほとんど付着していないため、取り外し作業や、再利用が容易となる。
【0035】
したがって、本実施形態に係るコンクリートスラブ用アンカー1によると、確実に埋込体21の浮き上がりを防止すると共に、打設後に型枠23の再利用を容易にすることができる。
【0036】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0037】
すなわち、上記実施形態では、
図8に示すように、受け台22にも鉤部2aを引っ掛けるようにしているが、鉄筋20にのみ鉤部2aを引っ掛けるようにしてもよい。しかし、受け台22の固定にもコンクリートスラブ用アンカー1を使用することで、受け台22を固定するために設けた型枠23の貫通孔もスペーサ8で塞ぐことができるので、型枠の再利用の効率化の面で効果が高い。
【0038】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上説明したように、本発明は、コンクリートスラブ用アンカー及びその使用方法について有用である。
【符号の説明】
【0040】
1 コンクリートスラブ用アンカー
2 フックボルト
2a 鉤部
2b 下端部
3 連結部
3a 上側貫通孔
3b 上側ナット収容部
3c 調整部
3d 下側ナット収容部
3e 細径部
3f 下側貫通孔
4 上側ナット
5 アンカーボルト
5a 頭部
6 下側ナット
7 アンカー部材
7a 本体部
7b 抜け止め部
7c スペーサ当接部
8 スペーサ
20 鉄筋
21 埋込体
22 受け台
23 型枠
24 アンカー用貫通孔
25 コンクリート