【実施例】
【0173】
以下の実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。但し、これらの実施例は本発明を具体的に例示または説明するためのものに過ぎず、これらによって本発明が制限されてはならないことが理解されるであろう。
【0174】
(有機光電子素子用化合物の製造)
〔実施例1〕:化学式4で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式4で表される化合物は、下記反応式1の方法に従って合成された。
【0175】
【化38】
【0176】
第1段階:化合物Aの合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き250mLの丸底フラスコで化合物3−ブロモ−カルバゾール5g(20mmol)、N−フェニル−カルバゾールボロン酸ピナコラート9g(24mmol)およびテトラヒドロフラン100mLと2M−炭酸カリウム水溶液を混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にヘキサンを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びトルエンとテトラヒドロフラン(50:50体積比)混合溶液に溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、ジクロロメタンとヘキサンを利用して再結晶して化合物Aを7.8g(収率60%)得た。
【0177】
第2段階:化学式4で表される化合物の合成
100mLの丸底フラスコで化合物Aで表される中間体生成物3.5g(8.55mmol)、2−クロロ−4,6−ジフェニル−ピリミジン2.74g(10.26mmol)、NaHとジメチルホルムアミドを入れた後、窒素気流下で室温で撹拌した。有機溶媒を減圧蒸留下で除去した後、カラムクロマトグラフィーを利用して分離して3.823g(収率:70%)の化学式4で表される化合物を得た。
【0178】
前記得られた化学式4で表される化合物を元素分析で分析した結果は次の通りである。
【0179】
calcd.C
46H
30N
4:C,86.49;H,4.73;N,8.77;found:C,86.24;H,4.89;N,8.55。
【0180】
〔実施例2〕:化学式5で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式5で表される化合物は、下記反応式2の方法に従って合成された。
【0181】
【化39】
【0182】
化学式5で表される化合物の合成
100mLの丸底フラスコで化合物Aで表される中間体生成物3.5g(8.55mmol)、2−クロロ−4,6−ビフェニル−ピリミジン2.74g(10.26mmol)、NaHとジメチルホルムアミドを入れた後、窒素気流下で室温で撹拌した。有機溶媒を減圧蒸留下で除去した後、カラムクロマトグラフィーを利用して分離して4.1g(収率:75%)の化
学式5で表される化合物を得た。
【0183】
前記得られた化学式5で表される化合物を元素分析で分析した結果は次の通りである。
【0184】
calcd.C
45H
29N
5:C,84.48;H,4.57;N、10.95;found:C,84.24;H,4.65;N、10.55。
【0185】
〔実施例3〕:化学式14で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式14で表される化合物は、下記反応式3の方法に従って合成された。
【0186】
【化40】
【0187】
第1段階:化合物Bの合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き250mLの丸底フラスコで化合物3−ブロモ−N−フェニル−6−フェニルカルバゾール5g(12.6mmol)、3−フェニルカルバゾールボロン酸ピナコラート5.56g(15mmol)およびテトラヒドロフラン100mLと2M−炭酸カリウム水溶液を混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にヘキサンを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びトルエンとテトラヒドロフラン(50:50体積比)混合溶液に溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、ジクロロメタンとヘキサンを利用して再結晶して化合物Bを6.5g(収率65%)得た。
【0188】
第2段階:化学式14で表される化合物の合成
250mLの丸底フラスコで化合物Bで表される中間体生成物6g(10.5mmol)、2−クロロ−4,6−ジフェニル−トリアジン3.44g(12.84mmol)、NaHとジメチルホルムアミドを入れた後、窒素気流下で室温で撹拌した。有機溶媒を減圧蒸留下で除去した後、カラムクロマトグラフィーを利用して分離して3.825g(収率:70%)の化学式14で表される化合物を得た。
【0189】
前記得られた化学式14で表される化合物を元素分析で分析した結果は次の通りである。
【0190】
calcd.C
57H
37N
5:C,86.45;H,4.71;N,8.84;found:C,86.15;H,4.57;N,8.57。
【0191】
〔実施例4〕:化学式A−2で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式A−2で表される化合物は、下記反応式4の方法に従って合成された。
【0192】
【化41】
【0193】
第1段階:化合物Cの合成
1000mLの丸底フラスコで3−ブロモカルバゾール28.4g(115.46mmol)、2−クロロ−4,6−ジフェニル−ピリミジン36.95g(138.55mmol)、NaHの6.93gをジメチルホルムアミドに入れた後、窒素気流下で室温で12時間撹拌した。反応物を蒸溜水に入れて結晶化した。結晶化された固形分を濾過した後、モノクロロベンゼンとヘキサンで再結晶して53g(収率:96%)の中間体Cで表される化合物を得た。
【0194】
第2段階:化学式A−2で表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き1000mLの丸底フラスコで化合物Cで表される化合物22.26g(46.7mmol)、N−フェニル−カルバゾールボロン酸ピナコラート20.71g(56.1mmol)およびテトラヒドロフラン200mLとトルエン200mlおよび2M−炭酸カリウム水溶液200mlを混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にヘキサンを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びトルエンとテトラヒドロフラン(50:50体積比)混合溶液に溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化
学式A−2
で表される化合物を20g(収率70%)得た。
【0195】
calcd.C
46H
30N
4:C,86.49;H,4.73;N,8.77;found:C,86.44;H,4.74;N,8.75。
【0196】
〔実施例5〕:化学式A−10で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式A−10で表される化合物は、下記反応式5の方法に従って合成された。
【0197】
【化42】
【0198】
第1段階:化学式Dで表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物2−ブロモ−カルバゾール17.66g(71.7mmol)、N−フェニル−カルバゾールボロン酸ピナコラート22.08g(59.8mmol)およびテトラヒドロフラン100mLと2M−炭酸カリウム水溶液100mlを混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にヘキサンを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びトルエンとテトラヒドロフラン(50:50体積比)混合溶液に溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、ジクロロメタンとヘキサンを利用して再結晶して化合物Dを19g((収率65%)得た。
【0199】
第2段階:化学式A−10で表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物Dで表される化合物8.3g(20.53mmol)、2−ブロモ−4,6−
ジフェニルピリジン7.64g(24.64mmol)および第3級ブトキシナトリウム3.35g(34.9mmol)をトルエン200mlに溶かした後、パラジウムジベンジリデンアミン0.47g(0.51mmol)と第3級ブチルリン0.77ml(1.54mmol)を滴下した。反応溶液を窒素気流下で12時間110℃に加熱して撹拌した。反応終結後、反応物にメタノールを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化
学式A−10
で表される化合物を11g(収率84%)得た。
【0200】
calcd.C
47H
31N
3:C,88.51;H,4.90;N,6.59;found:C,88.49;H,4.91;N,6.61。
【0201】
〔実施例6〕:化学式A−12で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式A−12で表される化合物は、下記反応式
6の方法に従って合成された。
【0202】
【化43】
【0203】
第1段階:化合物Eの合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き1000mLの丸底フラスコで化合物2−ブロモカルバゾール22.22g(90.3mmol)、4−ヨードビフェニル37.94g(135.5mmol)および炭酸カリウム18.72g(135.5mmol)をジメチルスルホキシド400mlに溶かした後、1,10−フェナントロリン3.26g(135.47mmol)と塩化銅(I)1.79g(18.06mmol)を滴下した。反応溶液を窒素気流下で12時間150℃に加熱して撹拌した。反応終結後、反応物に蒸溜水を注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化合物Eを25g(収率70%)得た。
【0204】
第2段階:化学式Fで表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き1000mLの丸底フラスコで化合物Eで表される化合物18.2g(46.7mmol)、3−カルバゾールボロン酸ピナコラート16.4g(56.1mmol)およびテトラヒドロフラン200mLとトルエン200mlおよび2M−炭酸カリウム水溶液200mlを混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にヘキサンを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化合物Fを19.0g(収率64%)得た。
【0205】
第3段階:化学式A−12で表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物Fで表される化合物9.73g(20.1mmol)、2−ブロモ−4,6−ジペチルピリジン7.47g(24.10mmol)および第3級ブトキシナトリウム3.28g(34.1mmol)をトルエン180mlに溶かした後、パラジウムジベンジリデンアミン0.46g(0.5mmol)と第3級ブチルリン0.75ml(1.51mmol)を滴下した。反応溶液を窒素気流下で12時間110℃に加熱して撹拌した。反応終結後、反応物にメタノールを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化
学式A−12
で表される化合物を9.9g(収率70%)得た。
【0206】
calcd.C
53H
35N
3:C,89.17;H,4.94;N,5.89;found:C,89.29;H,4.96;N,5.82。
【0207】
〔実施例7〕:化学式B−5で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式B−5で表される化合物は、下記反応式7の方法に従って合成された。
【0208】
【化44】
【0209】
第1段階:化合物Gの合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物3−ブロモ−カルバゾール18.53g(75.3mmol)、4−ジベンゾチオフェンボロン酸22.3g(97.9mmol)およびテトラヒドロフラン100mLと2M−炭酸カリウム水溶液100mlを混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にヘキサンを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びトルエンとテトラヒドロフラン(50:50体積比)混合溶液に溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、ジクロロメタンとヘキサンを利用して再結晶して化合物
Gを15g(収率60%)を得た。
【0210】
第2段階:化学式B−5で表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物Gで表される化合物10g(28.80mmol)、2−ブロモ−4,6−ジペチルピリジン11.6g(37.4mmol)および第3級ブトキシナトリウム5.53g(57.6mmol)をトルエン160mlに溶かした後、パラジウムジベンジリデンアミン1.32g(1.44mmol)と第3級ブチルリン0.87ml4.32mmol)を滴下した。反応溶液を窒素気流下で12時間110℃に加熱して撹拌した。反応終結後、反応物にメタノールを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化
学式B−5
で表される化合物を14g(収率85%)得た。
【0211】
calcd.C
41H
26N
2S:C,85.09;H,4.53;N,4.84;S,5.54;found:C,85.11;H,4.50;N,4.80;S,5.50。
【0212】
〔実施例8〕:化学式B−8で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式B−8で表される化合物は、下記反応式8の方法に従って合成された。
【0213】
【化45】
【0214】
第1段階:化合物Hの合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物3−ブロモ−カルバゾール9.84g(39.99mmol)、4−ジベンゾフランボロン酸10.17g(47.99mmol)およびテトラヒドロフラン100mLと2M−炭酸カリウム水溶液100mlを混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にヘキサンを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びトルエンとテトラヒドロフラン(50:50体積比)混合溶液に溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、ジクロロメタンとヘキサンを利用して再結晶して化合物Hを11g(収率83%)得た。
【0215】
第2段階:化学式B−8で表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物Hで表される化合物10.8g(32.58mmol)、2−ブロモ−4,6−
ジフェニルピリジン11.6g(37.4mmol)および第3級ブトキシナトリウム5.53g(57.6mmol)をトルエン160mlに溶かした後、パラジウムジベンジリデンアミン1.32g(1.44mmol)と第3級ブチルリン0.87ml4.32mmol)を滴下した。反応溶液を窒素気流下で12時間110℃に加熱して撹拌した。反応終結後、反応物にメタノールを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化
学式B−8
で表される化合物を14g(収率85%)得た。
【0216】
calcd.C
41H
26N
2O:C,87.52;H,4.66;N,4.98;O,2.84;found:C,87.50;H,4.68;N,4.96;O,2.82。
【0217】
〔実施例9〕:化学式B−21で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式B−21で表される化合物は、下記反応式9の方法に従って合成された。
【0218】
【化46】
【0219】
第1段階:化合物Iの合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物3−ブロモ−カルバゾール18.53g(75.3mmol)、4−ジベンゾチオフェンボロン酸22.3g(97.9mmol)およびテトラヒドロフラン100mLと2M−炭酸カリウム水溶液100mlを混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にヘキサンを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びトルエンとテトラヒドロフラン(50:50体積比)混合溶液に溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、ジクロロメタンとヘキサンを利用して再結晶して化合物Iを15g(収率60%)得た。
【0220】
第2段階:化学式B−21で表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物
Iで表される化合物10g(28.80mmol)、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジペチルピリジン14.43g(37.4mmol)および第3級ブトキシナトリウム5.53g(57.6mmol)をトルエン160mlに溶かした後、パラジウムジベンジリデンアミン1.32g(1.44mmol)と第3級ブチルリン0.87ml(4.32mmol)を滴下した。反応溶液を窒素気流下で12時間110℃に加熱して撹拌した。反応終結後、反応物にメタノールを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化
学式B−21
で表される化合物を10g(収率60%)得た。
【0221】
calcd.C
47H
30N
2S:C,86.21;H,4.62;N,4.28;S,4.90;found:C,86.20;H,4.60;N,4.26;S,4.88。
【0222】
〔実施例10〕:化学式3で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式3で表される化合物は、下記反応式10の方法に従って合成された。
【0223】
【化47】
【0224】
第1段階:化合物Jの合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物N−フェニルカルバゾール−3−ボロン酸ピナコラート26.96g(81.4mmol)、カルバゾール−3−ボロン酸23.96g(97.36mmol)およびテトラヒドロフラン230mLと2M−炭酸カリウム水溶液100mlを混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にメタノールに注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化合物Jを22.6g(収率68%)得た。
【0225】
第2段階:化学式3で表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物Jで表される化合物22.42g(54.88mmol)、2−ブロモ−4,6−ジペチルピリジン20.43g(65.85mmol)および第3級ブトキシナトリウム7.92g(82.32mmol)をトルエン400mlに溶かした後、パラジウムジベンジリデンアミン1.65g(1.65mmol)と第3級ブチルリン1.78g(4.39mmol)を滴下した。反応溶液を窒素気流下で12時間110℃に加熱して撹拌した。反応終結後、反応物にメタノールを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化
学式3
で表される化合物を28.10g(収率80%)得た。
【0226】
calcd.C
47H
31N
3:C,88.51;H,4.90;N,6.59;found:C,88.62;H,4.80;N,6.47。
【0227】
〔実施例11〕:化学式54で表される化合物の合成
本発明の有機光電子素子用化合物のより具体的な例として提示された前記化学式54で表される化合物は、下記反応式11の方法に従って合成された。
【0228】
【化48】
【0229】
第1段階:化合物Kの合成
1000mLの丸底フラスコで3−ブロモカルバゾール42.97g(174.57mmol)、2−クロロ−4,6−ジフェニル−トリアジン56.1g(209.5mmol)、NaHの10.48g(261.86mmol)をジメチルホルムアミドに入れた後、窒素気流下で室温で12時間撹拌した。反応物を蒸溜水に入れて結晶化した。結晶化された固形分を濾過した後、モノクロロベンゼンとヘキサンで再結晶して82g(収率:98%)の中間体Kで表される化合物を得た。
【0230】
第2段階:化合物Lの合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き2Lの丸底フラスコで化合物K70.57g(147.85mmol)、カルバゾール−3−ボロン酸ピナコラート52.01g(177.42mmol)およびテトラヒドロフラン:トルエン混合溶液800mL(体積比=1:1)と2M−炭酸カリウム水溶液400mLを混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にメタノールに注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化合物Lを66g(収率79%)得た。
【0231】
第3段階:化学式54で表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き1Lの丸底フラスコで化合物Lで表される化合物10.1g(17.88mmol)、2−ブロモビフェニル5g(21.46mmol)および第3級ブトキシナトリウム3.44g(35.76mmol)をトルエン400mlに溶かした後、パラジウムジベンジリデンアミン1.03g(1.79mmol)と第3級ブチルリン2.17g(5.36mmol)を滴下した。反応溶液を窒素気流下で12時間110℃に加熱して撹拌した。反応終結後、反応物にメタノールを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化
学式54
で表される化合物を9.40g(収率73%)得た。
【0232】
calcd.C
52H
34N
4:C,87.37;H,4.79;N,7.84;found:C,87.47;H,4.80;N,7.78。
【0233】
〔実施例12〕:化学式C−13で表される化合物の合成
【0234】
【化49】
【0235】
第1段階:化合物Mの合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物N−ビフェニル−3−カルバゾールボロン酸19.3g(53.06mmol)、3−ブロモカルバゾール10.9g(44.22mmol)およびテトラヒドロフラン:トルエン混合溶液140mL(体積比=1:1)と2M−炭酸カリウム水溶液80mLを混合した後、窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後、反応物にメタノールに注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化合物Mを13.7g(収率64%)得た。
【0236】
第2段階:化学式C−13で表される化合物の合成
窒素雰囲気下の撹拌機付き500mLの丸底フラスコで化合物Mで表される化合物9.6g(19.82mmol)、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニルピリジン9.2g(23.8mmol)および第3級ブトキシナトリウム3.2g(33.7mmol)をトルエン160mLに溶かした後、パラジウムジベンジリデンアミン0.454g(0.5mmol)と第3級ブチルリン0.6g(1.49mmol)を滴下した。反応溶液を窒素気流下で12時間110℃に加熱して撹拌した。反応終結後、反応物にメタノールを注いでできる固形物を濾過した後、固形物を再びクロロベンゼンに溶かして活性炭と無水硫酸マグネシウムを入れて撹拌した。溶液を濾過した後、クロロベンゼンとメタノールを利用して再結晶して化合物C−13を14g(収率89%)得た。
【0237】
calcd.C
59H
39N
3:C,89.70;H,4.98;N,5.32;found:C,89.57;H,4.83;N,5.65。
【0238】
(有機発光ダイオードの製造)
〔実施例13〕
前記実施例1で合成された化合物
(化学式4で表される化合物)をホストとして使用し、Ir(PPy)
3をドーパントとして使用して有機発光ダイオードを製作した。陽極としてはITOを1000Åの厚さに使用し、陰極としてはアルミニウム(Al)を1000Åの厚さに使用した。
【0239】
具体的に、有機発光ダイオードの製造方法を説明すれば、陽極は15Ω/cm
2の面抵抗値を有するITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmの大きさに切断してアセトンとイソプロピルアルコールと純水の中で各15分間超音波洗浄した後、30分間UVオゾン洗浄して使用した。
【0240】
前記基板上部に真空度650×10
−7Pa、蒸着速度0.1〜0.3nm/sの条件でN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)(70nm)および4,4’,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)(10nm)を蒸着して800Åの正孔輸送層(HTL)を形成した。
【0241】
次に、同一な真空蒸着条件で前記実施例
1で合成された化合物を利用して膜厚さ300Åの発光層を形成し、この時、燐光ドーパントであるIr(PPy)
3を同時に蒸着した。この時、燐光ドーパントの蒸着速度を調節して、発光層の全体量を100重量%にした時、燐光ドーパントの配合量が7重量%になるように蒸着した。
【0242】
前記発光層上部に同一な真空蒸着条件を利用してビス(8−ヒドロキシ−2−メチルキノリナト)−アルミニウムビフェノキシド(BAlq)を蒸着して膜厚さ50Åの正孔阻止層を形成した。
【0243】
次に、同一な真空蒸着条件でAlq
3を蒸着して膜厚さ200Åの電子輸送層(ETL)を形成した。
【0244】
前記電子輸送層(ETL)上部に陰極としてLiFとAlを順次に蒸着して
有機発光ダイオードを製作した。
【0245】
前記
有機発光ダイオードの構造は、ITO/NPB(70nm)/TCTA(10nm)/EML(実施例1の化合物(93重量%)+Ir(PPy)
3(7重量%)、30nm)/Balq(5nm)/Alq
3(20nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)の構造で製作した。
【0246】
〔実施例14〕
前記実施例1で合成された化合物の代わりに、実施例2で合成された化合物
(化学式5で表される化合物)を発光層のホストとして使用したことを除いては、前記実施例13と同様な方法で有機発光ダイオードを製作した。
【0247】
〔実施例15〕
前記実施例1で合成された化合物の代わりに、実施例4で合成された化合物
(化学式A−2で表される化合物)を発光層のホストとして使用したことを除いては、前記実施例13と同様な方法で有機発光ダイオードを製作した。
【0248】
〔実施例16〕
前記実施例1で合成された化合物の代わりに、実施例6で合成された化合物
(化学式A−12で表される化合物)を発光層のホストとして使用したことを除いては、前記実施例13と同様な方法で有機発光ダイオードを製作した。
【0249】
〔実施例17〕
前記実施例1で合成された化合物の代わりに、実施例7で合成された化合物
(化学式B−5で表される化合物)を発光層のホストとして使用したことを除いては、前記実施例13と同様な方法で有機発光ダイオードを製作した。
【0250】
〔実施例18〕
前記実施例1で合成された化合物の代わりに、実施例10で合成された化合物
(化学式3で表される化合物)を発光層のホストとして使用したことを除いては、前記実施例13と同様な方法で有機発光ダイオードを製作した。
【0251】
〔実施例19〕
前記実施例1で合成された化合物の代わりに、実施例11で合成された化合物
(化学式54で表される化合物)を発光層のホストとして使用したことを除いては、前記実施例13と同様な方法で有機発光ダイオードを製作した。
【0252】
〔実施例20〕
前記実施例1で合成された化合物の代わりに、実施例12で合成された化合物
(化学式C−13で表される化合物)を発光層のホストとして使用したことを除いては、前記実施例13と同様な方法で有機発光ダイオードを製作した。
【0253】
〔比較例1〕
前記実施例2で合成された化合物の代わりに、4,4−N,N−ジカルバゾールビフェニル(CBP)を発光層のホストとして使用したことを除いては、前記実施例13と同様な方法で有機発光ダイオードを製作した。
【0254】
〔比較例2〕
韓国公開特許10−2005−0100673の実施例6に提示された化合物であるビス[9−(4−メトキシフェニル)カルバゾール−3−イル](Jib796−04k)を使用した素子の発光特性を本発明で製造された化合物で製作された素子の特性と比較した。
【0255】
(有機発光ダイオードの性能測定)
〔実験例〕
前記実施例13〜20と比較例1および2で製造されたそれぞれの有機発光ダイオードに対して電圧による電流密度変化、輝度変化および発光効率を測定した。具体的な測定方法は以下の通りであり、その結果は下記表1に示した。
【0256】
(1)電圧変化による電流密度の変化測定
製造された有機発光ダイオードに対し、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら電流−電圧計(Keithley 2400)を利用して単位素子に流れる電流値を測定し、測定された電流値を面積で割って結果を得た。
【0257】
(2)電圧変化による輝度の変化測定
製造された有機発光ダイオードに対し、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら輝度計(Minolta Cs−1000A)を利用してその時の輝度を測定して結果を得た。
【0258】
(3)発光効率測定
前記(1)および(2)から測定された輝度と電流密度および電圧を利用して同一の明るさ(9000cd/m
2)の
発光効率(cd/A)を計算した。
【0259】
【表1】
【0260】
前記表1を参照すれば、本発明で提供された材料を使用して製作した素子
(有機発光ダイオード)の場合、発光効率で基準物質であるCBPに比べて、駆動電圧および効率において非常に優れていることが分かる。また寿命においては、3%発光効率が減少するまでの時間を測定しており、CBPの場合は1時間未満に急死水準の寿命を示すが、本発明で提供された化合物を使用して製作した素子
(有機発光ダイオード)の場合、10時間から最高60時間までの寿命を示した。
【0261】
一方、比較例2で提示された素子の発光効率は、30〜35cd/Aで提示されており、これも前記実施例13〜20に比べて顕著に低い効率を示す。このような二つの比較例から分かるように、本発明で製造された化合物が良好な有機発光ダイオード用材料として使用され得る可能性を見せる。
【0262】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、当業者によって特許請求の範囲の精神および技術的範囲に含まれる多様な変形および等価の形態で製造されうる。したがって、上記の実施例は例示的なものであり、本発明をいかようにも限定するものではないことを理解しなければならない。