特許第5938411号(P5938411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938411
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】試験装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20160609BHJP
   A61B 5/11 20060101ALN20160609BHJP
   A61B 10/00 20060101ALN20160609BHJP
【FI】
   A61B5/16
   !A61B5/10 310Z
   !A61B10/00 H
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-532151(P2013-532151)
(86)(22)【出願日】2011年10月3日
(65)【公表番号】特表2013-540524(P2013-540524A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】EP2011067214
(87)【国際公開番号】WO2012045695
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2014年9月18日
(31)【優先権主張番号】2010/08234
(32)【優先日】2010年10月7日
(33)【優先権主張国】TR
(73)【特許権者】
【識別番号】513064472
【氏名又は名称】コスクノス ホールディング アノニム シルケティ
【氏名又は名称原語表記】COSKUNOZ HOLDING ANONIM SIRKETI
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】スロ、レムジ
(72)【発明者】
【氏名】アイディン、グルサー
【審査官】 九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−369818(JP,A)
【文献】 特開平06−273094(JP,A)
【文献】 特開2004−057357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
精神運動および認知過程の測定および評価分野において、個人が刺激を視覚的に感知する後に示す反応の間に、手と目の調整に関する前記個人の制御と、手と腕の筋肉に関する前記個人の制御を測定する試験装置であって、本目的を実現するために、前記装置は、以下の部材を備え、すなわち、
a)オペレーティングシステム(10)と、
b)前記オペレーティングシステム(10)にデータを入力するためのキーパッドを上に備える少なくとも1つの入力ユニット(12)と、
c)前記オペレーティングシステム(10)に関する1つの画像ソース(13)であって、それぞれ異なる少なくとも1つの描画線(F1、F2、F3、F4)を内部に有し、少なくとも1つの幾何学的図形(D1、D2)を有し、少なくとも1つの画像(G1)を有する画像ソース(13)と、
d)前記オペレーティングシステム(10)に関する少なくとも1つのデータソース(14)であって、前記入力ユニット(12)によって入力される前記データを内部に有し、適用すべき試験データを有するデータソース(14)と、
e)前記オペレーティングシステム(10)に関する少なくとも1つの記録ユニット(15)であって、前記試験中の前記個人の解答を記録する記録ユニット(15)と、
f)前記オペレーティングシステム(10)に関する少なくとも1つの画面(20)であって、前記描画線(F1、F2、F3、F4)、幾何学的図形(D1、D2)および画像(G1)を表示する画面(20)と、
g)前記オペレーティングシステム(10)に関するレーザー光線ガン(40)であって、前記試験中に、前記個人が前記描画線(F1、F2、F3、F4)、幾何学的図形(D1、D2)および画像(G1)に示す反応を測定するためのレーザー光線ガン(40)と
h)前記オペレーティングシステム(10)に関する少なくとも1つのタイマー(18)であって、前記試験段階中に、前記画面(20)上で、各処理の開始、終了および処理期間を測定するためのタイマー(18)と、
i)前記オペレーティングシステム(10)に関するプロセッサユニット(11)であって、前記描画線(F1、F2、F3、F4)、幾何学的図形(D1、D2)および画像(G1)を前記画面上に所定の配置で表示し、前記引き金の解放期間、前記レーザー光線ガン(40)から出る前記円の瞬間的な位置、前記レーザー光線ガン(40)の引き金を押す瞬間および前記レーザー光線ガン(40)の引き金解放の瞬間などの前記個人の前記反応を前記記録ユニット(15)に記録し、前記タイマー(18)と共に機能するプロセッサユニット(11)と、
を備える、試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載の試験装置であって、項目(i)に記載され、前記記録ユニット(15)によって記録される前記個人の前記反応は、前記試験の前記開始および終了時間と、前記レーザー光線ガン(40)の前記解放回数と、前記描画線(F1、F2、F3、F4)および前記幾何学的図形(D1、D2)からはみ出た量と、前記描画線(F1、F2、F3、F4)および画像(G1)を完全にマーキングするための完成期間と、前記画像(G1)内の隙間の量であることを特徴とする、試験装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記項目(i)の前記所定の構成によれば、まず、前記第1の描画線(F1)が前記画面(20)上に表示され、その次に、前記システムは前記個人が前記マーキング処理を行うのを待ち、その次に、前記第2の描画線(F2)が前記画面(20)上に表示され、これらの段階が前記他の第3および第4の描画線(F3、F4)、前記第1および前記第2の幾何学的図形(D1、D2)に対して繰り返して行われ、最終的に前記画像(G1)が前記画面上に表示されることを特徴とする、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の試験装置であって、前記オペレーティングシステム(10)に関連し、前記記録ユニット(15)によって記録された前記データを分類する少なくとも1つのコンパイルユニット(16)を備えることを特徴とする、試験装置。
【請求項5】
請求項1に記載の試験装置であって、前記オペレーティングシステム(10)に関連し、前記記録ユニット(15)によって記録された前記ファイルの比較を提供する分析ユニット(17)を備えることを特徴とする、試験装置。
【請求項6】
請求項1に記載の試験装置であって、それぞれ直径が異なり、前記レーザー光線ガン(40)の端部に関連する前記レーザ光線の前記直径を調節する、少なくとも1つのポインタ(41、42、43)を備えることを特徴とする、試験装置。
【請求項7】
請求項1に記載の試験装置であって、前記試験中に、前記個人に音声指示を伝える少なくとも1つのイヤホン(50)を備えることを特徴とする、試験装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記オペレーティングシステム(10)はコンピュータであることを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記入力ユニット(12)はキーボードであることを特徴とする、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、前記画像ソース(13)、データソース(14)および記録ユニット(15)はハードディスクであることを特徴とする、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の試験装置であって、プラットフォーム(30)を備え、前記プラットフォーム(30)上には、前述した前記部材のすべてが所定の構成で配置され、前記試験を受ける前記個人が立っていることを特徴とする、試験装置。
【請求項12】
請求項10に記載の試験装置であって、前記プラットフォーム(30)周辺に配置され、前記プラットフォームの境界を画定する複数のテーブル(31)を備え、それによって、前記個人が前記プラットフォーム内に画定された区域を越えて移動しないようにすることを特徴とする、試験装置。
【請求項13】
請求項1に記載の試験装置であって、前記描画線(F1、F2、F3、F4)は開始点および終了点を有する経路であることを特徴とする、試験装置。
【請求項14】
請求項13に記載の試験装置であって、前記第1の描画線と、第2の描画線と、第3の描画線と、第4の描画線(F1、F2、F3、F4)との間の差異は、前記描画線(F1、F2、F3、F4)の復帰曲線が異なることであることを特徴とする、試験装置。
【請求項15】
請求項1に記載の試験装置であって、前記幾何学的図形(D1、D2)は円であることを特徴とする、試験装置。
【請求項16】
請求項15に記載の試験装置であって、前記第1の幾何学的図形と前記第2の幾何学的図形(D1、D2)との差異は直径の差異であることを特徴とする、試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精神運動および認知過程の測定および評価分野において、個人が刺激を視覚的に感知する後に示す反応の間に、手と目の調整に関する個人の制御および手と腕の筋肉に関する個人の制御を測定する試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業および組織心理学は過去に工場で適用され、今日では複数の基盤で適用される心理科学である。産業および組織心理学を検証すると、産業および組織心理学が2つの基本的な構造を持つことが分かる。最初の構造は、仕事に対する個人の調和であり、もう1つは個人に対する仕事の調和である。仕事に対する個人の調和は、人材の選択、人材の訓練および専門家の援助という段階を含む。一方、個人に対する仕事の調和は、作業設計、個人に合わせた工具の配置、および個人の身体および心理的構造に合わせた労働条件の形成という過程を含む。
【0003】
産業および組織心理学の分野において、適切な人材を選択するために複数の測定ツールおよび評価ツールが用いられる。心理技術的評価は、言語または非言語による複数の試験を用いた、身体能力、精神運動能力、認識能力および個人の個人的特徴の計測であると定義することができる。産業および組織心理学の分野では、人材の選択において、つまり、適切な職業に対して適切な応募者を選択する際に、心理技術的評価を用いる。身体的パワー(筋力、体力など)、精神運動能力(調整能力、反応速度など)、認識能力(判断、視覚的注意、聴覚的注意および速度距離予測など)および個人的能力(リスクを取る意思、不安レベルなど)を測定し、作業で必要となる能力に関して最善の応募者を選択する。
【0004】
精神運動能力を測定する複数の研究が行われ、いくつかの技術が確定されている。特許文献1では、オペレータとして作業する従業員の能力を、コンピュータを使って測定する試験装置が開示されている。上記試験装置は、オペレータの注意判断能力を試験することに加えて、オペレータの精神運動能力を試験することも提示する。この試験の結果として、オペレータに起因し、操作中に発生することもある作業損失を計算することが望ましい。別の特許出願である特許文献2では、心理技術的評価を別の分野で用いている。特許文献2は、健康分野で用いるように設計されている試験装置に関する。上記試験装置は、注意力欠如を患っている患者を完全にまたは少なくとも部分的に治療するために用いる。
【0005】
結果として、前述の特許出願には、個人が刺激を感知する後に示す反応の間に、手と目の調整に関する個人の制御および手と腕の筋肉に関する個人の制御を測定する試験装置は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5344324号
【特許文献2】国際公開第9529447号
【発明の概要】
【0007】
本発明は、関連する技術分野に新しい有利点をもたらす、精神運動能力を測定する試験装置である。
【0008】
本発明の主な目的は、個人が視覚的な刺激を感知して反応を示す間に、目と手との間の調整を測定することである。
【0009】
本発明の別の目的は、手と腕の筋肉に関する個人の制御を測定することである。
【0010】
本発明の別の目的は、刺激に対する個人の反応として、刺激をマーキングする間に、刺激に対するマーキングの感度を測定することである。
【0011】
本発明の別の目的は、個人が関連する職業に適切であるか否かを、行った試験の結果によって判断すること、または個人を適切な職業に導くことである。
【0012】
前述の目的および発明を実施するための形態から得られる目的を踏まえ、本発明は、精神運動および認知過程の測定および評価分野において、個人が刺激を視覚的に感知する後に示す反応の間に、手と目の調整に関する個人の制御および手と腕の筋肉に関する個人の制御を測定する試験装置に関する。本目的を実現するために、本装置は以下の部材を備える。
a.オペレーティングシステムと、
b.オペレーティングシステムにデータを入力するためのキーパッドを上に備える、少なくとも1つの入力ユニットと、
c.オペレーティングシステムに関する1つの画像ソースであって、それぞれ異なる少なくとも1つの描画線を内部に有し、少なくとも1つの幾何学的図形を有し、少なくとも1つの画像を有する画像ソースと、
d.オペレーティングシステムに関する少なくとも1つのデータソースであって、入力ユニットによって入力されるデータを内部に有し、適用すべき試験データを有するデータソースと、
e.オペレーティングシステムに関する少なくとも1つの記録ユニットであって、試験中の個人の解答を記録する記録ユニットと、
f.オペレーティングシステムに関する少なくとも1つの画面であって、描画線、幾何学的図形および画像を表示する画面と、
g.オペレーティングシステムに関するレーザー光線ガンであって、試験中に、個人が描画線、幾何学的図形および画像に示す反応を測定するためのレーザー光線ガンと、
h.オペレーティングシステムに関する少なくとも1つのタイマーであって、試験段階で、画面上で、各過程の開始、終了および処理期間を測定するタイマーと、
i.オペレーティングシステムに関するプロセッサユニットであって、上記描画線、幾何学的図形および画像を画面上に所定の配置で表示し、引き金の解放期間、レーザー光線ガンから出る円の瞬間的な位置、引き金を押す瞬間および引き金を解放する瞬間などの個人の反応を記録ユニットに記録し、上記タイマーと共に機能するプロセッサユニット。
【0013】
本発明の別の好ましい実施形態では、項目(i)に記載され、記録ユニットによって記録される個人の反応は以下の通りである。試験の開始および終了時間、レーザー光線ガンの解放回数、描画線および幾何学的図形からはみ出た量、描画線および画像を完全にマーキングするための完成期間、および画像内の隙間の量。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態では、上記項目(i)の所定の構成にしたがって、まず、第1の描画線が画面上に表示され、その次に、システムは個人がマーキング処理を終了するまで待ち、その次に、第2の描画線が画面上に表示され、これらの段階が他の第3および第4の描画線、第1および第2の幾何学的図形にも繰り返され、最終的に画像が画面上に表示される。
【0015】
本発明の別の好ましい実施形態では、オペレーティングシステムに関連し、記録ユニットによって記録されたデータを分類する、少なくとも1つのコンパイルユニットを有する。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態では、オペレーティングシステムに関連し、記録ユニットによって記録されたファイルを比較する、分析ユニットを有する。
【0017】
本発明の別の好ましい実施形態では、それぞれ直径が異なり、上記レーザー光線ガンの端部に関連するレーザ光線の直径を調節する、少なくとも1つのポインタを有する。
【0018】
本発明の別の好ましい実施形態では、試験中に、個人に音声指示を伝える少なくとも1つのイヤホンを有する。
【0019】
本発明の別の好ましい実施形態では、上記オペレーティングシステムはコンピュータである。
【0020】
本発明の別の好ましい実施形態では、上記入力ユニットはキーボードである。
【0021】
本発明の別の好ましい実施形態では、上記画像ソース、データソースおよび記録ユニットはハードディスクである。
【0022】
本発明の別の好ましい実施形態では、プラットフォームを有し、プラットフォーム上には、前述した部材のすべてが所定の構成で配置され、試験を受ける個人が立っている。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態では、プラットフォーム周辺に配置され、プラットフォームの境界を画定する複数のテーブルを有し、それによって、個人がプラットフォーム内に画定された区域を越えて移動しないようにする。
【0024】
本発明の別の好ましい実施形態では、上記描画線は開始点および終了点を有する経路である。
【0025】
本発明の別の好ましい実施形態では、第1の描画線と、第2の描画線と、第3の描画線と、第4の描画線との間の差異は、描画線の復帰曲線が異なることである。
【0026】
本発明の別の好ましい実施形態では、第1の幾何学的図形と第2の幾何学的図形との差異は直径の差異である。
【0027】
本発明の別の好ましい実施形態では、上記幾何学的図形は円である。
【0028】
個人が刺激を視覚的に感知する後に示す反応の間に、手と目の調整に関する個人の制御と、手と腕の筋肉に関する個人の制御を測定する試験方法は、
a.個人自身によって、個人をオペレーティングシステムに記録し、
b.プロセッサユニットタイマーに関連した所定のタイミングの方向において、データソースからの試験を開始し、
c.第1の描画線を画面上でオペレーティングシステムによって表示し、
d.個人が第1の描画線のマーキング処理を終了するまで、画面上の第1の描画線を待機させ、
e.個人のマーキング期間を記録ユニットによって記録し、
f.第2の描画線を画面上でオペレーティングシステムによって表示し、
g.個人が第2の描画線のマーキング処理を終了するまで、画面上の第2の描画線を待機させ、
h.個人の反応期間を記録ユニットによって記録する、
段階を含むことを特徴とする。
【0029】
上記試験方法はまた、
i.第3および第4の描画線を画面上に、順々に所定の順序で表示し、
j.個人が第3および第4の描画線に示す反応の期間を記録ユニットによって記録する、
処理段階を含む。
【0030】
上記試験方法はまた、
k.第1の幾何学的図形を画面上でオペレーティングシステムによって表示し、
l.第1の幾何学的図形が画面から消えるまで、個人はレーザー光線ガンによってマーキングを実行し、
m.個人の反応を記録ユニットによって記録し、
n.第2の幾何学的図形を画面上でオペレーティングシステムによって表示し、
o.第2の幾何学的図形が画面から消えるまで、個人はレーザー光線ガンによってマーキングを実行し、
p.個人の反応を記録ユニットによって記録する、
段階を含む。
【0031】
上記試験方法はまた、
r.画像を画面上にオペレーティングシステムによって表示し、
s.個人は、画面上で、画像内の白い部分が無くなるまで画像内部を塗り、
t.個人の反応を記録ユニットで記録し、
u.試験を終了する、
段階を含む。
【0032】
本発明を実施するため、および追加要素を用いる有利点を最良に理解するため、本発明は、以下に説明する図および発明を実施するための形態と共に用いられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本装置の概略図を示す。
図2】本試験の流れ図を示す。
図3】第1の描画線の代表図を示す。
図4】第2の描画線の代表図を示す。
図5】第3の描画線の代表図を示す。
図6】第4の描画線の代表図を示す。
図7】画面上の第1の幾何学的図形の代表図を示す。
図8】画面上の第2の幾何学的図形の代表図を示す。
図9】画像の代表図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明を実施するための形態において、本発明の主題となるシステムを、主題をより理解しやすくするために例を用いて説明するが、これは制限効果を目的とするものではない。したがって、以下の詳細な説明および図では、主題となる発明は、精神運動および認知過程の測定および評価分野において、個人が刺激を視覚的に感知する後に示す反応の間に、手と目の調整に関する個人の制御および手と腕の筋肉に関する個人の制御を測定する試験装置に関する。
【0035】
図1から分かるように、主題となる装置の概略図を示す。装置は、基本的に、オペレーティングシステム(10)と、オペレーティングシステム(10)に関するデータを視覚的に例示する画面(20)と、個人が試験を受けるプラットフォーム(30)と、レーザー光線ガン(40)と、イヤホン(50)とを備える。
【0036】
オペレーティングシステム(10)は、コンピュータフレームに類似する構造を有し、他の部材を接続することができるハウジングまたはスロット(図示せず)を有する。さらに、スロットの周囲には他の部材を保護するための保護プレート(図示せず)に類似する構造がある。オペレーティングシステム(10)に関連する入力ユニット(12)があり、その上にキーパッドが配置される。オペレーティングシステム(10)内の上記スロットに関連する画像ソース(13)と、データソース(14)と、記録ユニット(15)と、コンパイルユニット(16)と、分析ユニット(17)と、タイマー(18)とがある。さらに、プロセッサユニット(11)がオペレーティングシステム(10)内に配置される。
【0037】
テーブル(31)は同じ寸法で準備され、プラットフォーム(30)周囲に配置される。上記テーブル(31)によって、プラットフォーム(30)上の所定の区域の境界内に個人が留まるようにする。テーブル(31)の他の目的は、試験中に使用するレーザー光線ガン(40)およびイヤホン(50)を試験後にテーブル(31)上に置くことができることである。上記レーザー光線ガン(40)は銃に類似した形状を有し、レーザ光線が照射される砲身に類似した端部(図示せず)を有する。上記レーザー光線ガン(40)は、その上に配置される引き金機構(図示せず)を有する。上記レーザー光線ガン(40)のレーザ光線が照射される端部に関して、20’ポインタ(41)、30’ポインタ(42)および100’ポインタ(43)がある。レーザー光線ガン(40)上にある引き金機構を押すと、レーザ光線が生成され画面(20)上に表示される。上記ポインタ(41、42、43)によって、レーザー光線ガンから照射されるレーザ光線を所望の幅にすることができる。
【0038】
オペレーティングシステム(10)内にある部材は次のように動作する。上記入力ユニット(12)上のキーによって、オペレーティングシステム(10)にデータを入力することができる。上記データは、被験者である個人の個人データであってもよく、それらのデータによって、試験に関する部材間の接続および関係などのデータ入力すべてを実現することができる。入力処理が行われたデータは、データソース(14)に保管および格納される。格納データは後で見ることができ、後で使用することができ、必要な場合は変更することもできる。画像ソース(13)によって、視覚的に用いられるデータが具体化する。データソース(14)内のデータおよび画像ソース(13)内の視覚データは関連するようになり、データ間の接続が提供される。記録ユニット(15)は被験者の個人情報を記録し、試験中の個人の解答を記録する。このおかげで、記録ユニット(15)は、個人が試験中にどのくらい多くの状況に直面するか、直面する問題に個人がどの様に反応するか、個人が示す反応がどのくらい長いか、などの数値データの情報を個人データファイルに記録する。コンパイルユニット(16)は、2人以上の個人がいる場合に、上記記録ユニット(15)が記録する情報を分類する。試験を受ける個人の情報が、このようにアクセスできることが望ましいときには、一定の分類の枠の中でアクセスが促進される。分析ユニット(17)は、2人以上の個人の試験結果の比較を提供する。記録ユニット(15)によって記録された試験結果を比較することが望ましいときには、分析ユニット(17)は選択した人の試験結果を数的に分析して、考慮すべき個人間の有利点および不利点を提供する。分析ユニット(17)は、比較処理に加えて、結果の順序付けを提供する。プロセッサユニット(11)は部材間のデータバスを一致させる作業を有する。タイマー(18)は、試験の所定時間を測定する作業と事例間の経過時間を測定する作業と、個人が刺激に直面する時間と個人が刺激に反応する時間との時間差を測定する作業とを有する。タイマー(18)はプロセッサユニット(11)と共に機能する。
【0039】
画面(20)上では、オペレーティングシステム(10)からのデータが視覚形態に変換される。画像ソース(13)は、試験が適用される段階に関して、3つの異なるグループの視覚部材を具体化する。一般的に、上記グループは、試験の第1段階で使用するための4つの描画線(F1、F2、F3、F4)と、試験の第2段階で使用するための2つの幾何学的図形(D1、D2)と、試験の最終段階で使用するための画像(G1)とを備える。第1の描画線(F1)は、試験の第1段階で用いる描画線(F1、F2、F3、F4)のうちの1つであり、一定の幅を有する直線である。他の描画線(F2、F3、F4)は、同じ幅および複数の曲線を有する線を備える。第2段階で用いる幾何学的図形(D1、D2)は、直径がそれぞれ異なる2つの円を備える。試験の第3段階で用いる画像(G1)は、円、三角形、長方形および正方形に類似する4つの幾何学的図形が共に存在する画像である。
【0040】
試験装置は次のように動作する。被験者の個人情報は入力ユニット(12)によって記録ユニット(15)に記録される。プラットフォーム(30)の境界内に位置する個人は、イヤホン(50)およびレーザー光線ガン(40)ハードウェアをテーブル(31)から取る。画面(20)上には、試験中に従うべき規則が、文章および図形によってライトグレイの背景上に表示される。これらの文章および図形上には、レーザー光線ガンの使用方法および個人の立ち方などの情報が詳細に記載される。さらに、この情報が個人のイヤホン(50)によって、個人に同時に与えられる。必要な情報が個人に与えられた後に、個人がレーザー光線ガン(40)に慣れるために、練習画面が画面(20)上に表示されるが、練習画面は無表示の黒いページである。このページ上で、個人は1分間の練習を行う。練習期間終了後に、画面(20)上に、試験の第1段階である経路追従試験に関する指示が表示される。経路追従試験では、個人は、画面(20)上に表示される描画線(F1、F2、F3、F4)を、描画線(F1、F2、F3、F4)の開始点の円からの終了点の円まで、縁内部をレーザー光線ガン(40)によってマーキングすることが求められる。この処理中に、個人は、レーザー光線ガン(40)の引き金をできるだけ離さないようにすることが求められる。画面(20)上では、第1の描画線(F1)が黒の背景上に表示される。第1の描画線(F1)は平らな経路である。レーザー光線ガン(40)が起動されると、個人は引き金を引いて、黒い第1の描画線(F1)の内側を白色で塗り始める。レーザー光線ガン(40)に固定された20’ポインタ(41)が終了点で円に触れると、レーザー光線ガンは停止する。その3秒後に、画面(20)上に第2の描画線(F2)が表示される。第2の描画線(F2)が画面(20)上に表示されると、第1の描画線(F1)と同様の方法で最初の円から開始することによって、第2の描画線(F2)の経路が白で塗られ、最後の丸い点までマーキングが実行される。第1の描画線(F1)以外の、他の第2、第3および第4の描画線(F2、F3、F4)は、曲線の形状を有する。各描画線(F1、F2、F3、F4)がレーザー光線ガン(40)によってマーキングされると、次の描画線(F1、F2、F3、F4)が画面(20)上に表示される。第4の描画線(F4)のマーキングが終了すると、画面(20)上に次の試験に関する指示が表示される。
【0041】
経路追従試験が終了すると、画面(20)上に、安定化試験に関する指示が表示される。安定化試験では、個人は、画面(20)中央の幾何学的図形をレーザー光線ガン(40)によって狙うこと、およびレーザー光線ガン(40)を一定の期間にわたってその幾何学的図形に固定することが求められる。上記幾何学的図形には2種類あり、第1の幾何学的図形(D1)は40単位の幅を有する白い円である。第2の幾何学的図形(D2)は120単位の幅を有する白い円である。この試験においては、レーザー光線ガン(40)と共に30’ポインタ(42)および100’ポインタ(43)をそれぞれ用いる。次の画面(20)では、画面(20)の中央に第1の幾何学的図形(D1)が表示され、レーザー光線ガン(40)上の30’ポインタ(42)によって、レーザー光線ガン(40)の引き金を押すことによって、個人は幾何学的図形を待つ。その間に、画面(20)上に、文章が表示され、個人に引き金を押し続けるように伝える。個人は、第1の幾何学的図形(D1)の色が再び黒になるまで引き金を押し続ける。第1の幾何学的図形(D1)の表示が画面から消えると、レーザー光線ガン端部の30’ポインタ(42)を取り外し、100’ポインタ(43)を固定する。画面(20)の中央には、第2の幾何学的図形(D2)が表示される。第2の幾何学的図形(D2)では、第1の幾何学的図形(D1)と同様に、個人はレーザー光線ガン(40)で第2の幾何学的図形(D2)を狙い、引き金を押す。個人は、第2の幾何学的図形(D2)が黒になり、画面(20)から消えるまで引き金を押し続ける。第2の幾何学的図形(D2)が画面(20)から消えると、試験の第2段階は終了し、試験は第3段階である塗装試験に移る。
【0042】
部分塗装試験の最初に、画面(20)上に部分塗装段階に関する指示が表示される。この段階では、個人は、画面(20)上で表示される画像(G1)内をレーザー光線ガン(40)を用いて完全に塗ることが求められる。表示される画像(G1)が画面(20)上で白になった後に、個人はレーザー光線ガン(40)の引き金を押し、画像(G1)の内部が完全に黒になるまで塗装処理を行うことが求められる。個人が画像(G1)内部を完全に黒に塗ると、画面(20)の右下の角にあるOKボタンを押し、レーザー光線ガンの引き金(40)を押して試験を終了する。試験の第3段階が終了すると試験は完全に終了する。
【0043】
試験中に、試験中の個人の態度を記録ユニット(15)によって記録する。各段階において記録したデータは次の通りである。経路追従試験では、各描画線(F1、F2、F3、F4)に対する個人の開始時間および終了時間、描画線(F1、F2、F3、F4)の塗装期間、引き金を離した回数、描画線(F1、F2、F3、F4)からはみ出た回数、描画線(F1、F2、F3、F4)からはみ出た量を記録する。安定化試験では、各幾何学的図形(D1、D2)に対して、引き金を押した瞬間および離した瞬間、引き金を離した回数、目標点から逸脱した回数および目標点から逸脱した量を記録する。部分塗装試験では、画像(G1)内の部分を塗り始めた瞬間から終了点のマーキングまで、引き金を離した回数、塗装期間、画像(G1)内の隙間、および画像(G1)からはみ出た量を記録する。
【0044】
本発明の保護範囲は付属の特許請求の範囲に規定し、詳細な説明において前述した例示的な開示に限定されない。それは、当業者が、明らかに、本発明の主要原則から逸脱することなく、前述の開示に照らして同様の具体例を形成することができるからである。
【符号の説明】
【0045】
10 オペレーティングシステム
11 プロセッサユニット
12 入力ユニット
13 画像ソース
14 データソース
15 記録ユニット
16 コンパイルユニット
17 分析ユニット
18 タイマー
20 画面
30 プラットフォーム
31 テーブル
40 レーザー光線ガン
41 20’ポインタ
42 30’ポインタ
43 100’ポインタ
50 イヤホン
F1 第1の描画線
F2 第2の描画線
F3 第3の描画線
F4 第4の描画線
D1 第1の幾何学的図形
D2 第2の幾何学的図形
G1 画像
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9