(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938461
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】拝礼記念碑
(51)【国際特許分類】
A47G 33/00 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
A47G33/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-236960(P2014-236960)
(22)【出願日】2014年11月21日
(65)【公開番号】特開2016-97109(P2016-97109A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2014年12月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505384313
【氏名又は名称】山中 直樹
(73)【特許権者】
【識別番号】512196611
【氏名又は名称】山中 ひかる
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】山中 直樹
【審査官】
青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−137820(JP,A)
【文献】
特開平08−266748(JP,A)
【文献】
特開2006−068214(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3106673(JP,U)
【文献】
特開2003−210535(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3025528(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
存命中の人の面影を形成した立体頭部の内部を中空状に形成して収容部とし、
前記立体頭部の一部に前記収容部と連通する開口部を形成してなる拝礼記念碑であって、
存命中の本人の生き方や考え方、志、モットー、格言を表示した表示部が、前記立体頭部の表面に設けられていることを特徴とする拝礼記念碑。
【請求項2】
前記立体頭部の背面を平面状に形成して壁掛け可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の拝礼記念碑。
【請求項3】
前記立体頭部の下部に台座部を設け据え置き可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の拝礼記念碑。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生前には本人が心の支えとして拝礼する記念碑として、死後には故人を偲ぶ慰霊碑又は墓や位牌、更にはそれらを統合した役割を持つ拝礼記念碑に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、正面中央に写真を保持し、縁材の一部をくり抜いて収納庫をつくり、そこに遺骨や遺影、遺品などを収納するものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−10117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる額縁では、額縁内に本人又は故人の写真が保持されてはいるものの、人としての立体感がなく親近感に乏しい。又、本人の人となり、生き方、志、モットーなどを詳しく表示したり、それらを遺族等が知ることはできなかった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記従来の収納庫を持った額縁の問題点を解消し、人としての立体感を出すことによって親近感を増し、加えて生前には本人が身近に置いて己の生き方を考え、人生における戒めとして拝礼する記念碑となり、死後には故人を偲ぶ慰霊碑、又は墓や位牌、更にはそれらを統合した役割を持ち、故人がどのような生き方や志しを持った人物であったのかを容易に知ることができる拝礼記念碑を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち、請求項1に記載された発明は、
存命中の人の面影を形成した立体頭部の内部を中空状に形成して収容部とし、前記立体頭部の一部に前記収容部と連通する開口部を形成してなる拝礼記念碑
であって、存命中の本人の生き方や考え方、志、モットー、格言を表示した表示部が、前記立体頭部の表面に設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、前記立体頭部の背面を平面状に形成し、壁掛け可能にしたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、前記立体頭部の下部に台座部を設け据え置き可能にしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載された拝礼記念碑は、
生前に拝礼碑として使用することが可能であり、
存命中の人の面影が立体状の頭部に形成されていることから親近感や臨場感を醸し出すことができる。又収容部には、
本人の愛用品等を収容することによってより崇高なものとなり、拝礼の対象としての存在感が増大する。
また、立体頭部の表面に、存命中の本人の生き方や考え方、志、モットー、格言を表示した表示部が設けているから、生前(存命中)において、日々のやる気や戒めのシンボルとすることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載された拝礼記念碑は、壁掛け可能に形成されているから、場所を問わずどこにでも簡単に掲げることができ、持ち運びも容易である。
【0012】
請求項3に記載された拝礼記念碑は、場所を問わずどこにでも簡単に載置することができ、持ち運びも容易である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)は拝礼記念碑の正面図である。(b)は拝礼記念碑の裏面図である。(c)は拝礼記念碑の側断面図である。
【
図2】据え置き式拝礼記念碑の変更例を示す説明図である。
【
図3】壁掛け式拝礼記念碑の変更例を示す説明図である。
【
図4】据え置き式拝礼記念碑の変更例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の拝礼記念碑の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は、拝礼記念碑を示す説明図である。
【0017】
図1(a)に示すように、拝礼記念碑1は、本人の面影を形成した立体頭部2と、
図1(b)(c)に示すように、この立体頭部2の内部を中空状に形成してなる収容部6と、収容部6と連通する開口部5とから構成される。
前記立体頭部2は、木,紙、漆、シリコンなどを用いて人の顔や頭、首を形造ることで本人の面影を形成したもので、下部の表面には、本人の生き方や考え方、志、モットー、格言等を詳しく表示した表示部としての銘板3と、本名や号、戒名等を表示した表示部としてのネームプレート4とが、立体頭部2表面の形状に沿った形で設けられている。
【0018】
収容部6は、生前には本人の愛用品や記念品、収集物、思い出の物等を、死後には故人が生前に愛用していた物や遺品、遺骨、遺髪等を収容する。
又、
図1(c)に示すように、開口部5の上方には取付孔7が設けられており、壁面から突出する突起9を取付孔7に挿入することで拝礼記念碑1を壁面に掛ける構造である。
【0019】
上記の如く構成される拝礼記念碑1は、少なくとも人の面影を形成した立体頭部2の内部を中空状に形成して収容部6とし、立体頭部2の一部に収容部6と連通する開口部5を形成してなることにより、生前は拝礼碑として、死後には慰霊碑、又は墓や位牌、更にはそれらを統合した統合碑として使用することが可能となり、少なくとも本人の面影が立体状の頭部に形成されていることから親近感や臨場感を醸し出すことができる。又収容部には、本人の愛用品や大事にしていたもの(遺品)、更には遺骨等を収容することによってより崇高なものとなり、拝礼の対象としての存在感が増大する。
【0020】
更に、立体頭部2の背面を平面状に形成し、壁の突起9に挿入して壁に取り付ける取付孔7が設けられているから、場所を問わずどこにでも簡単に掲げることができ、持ち運びも容易である。
【0021】
また、立体頭部2の表面の銘板3,ネームプレート4には、本人の生き方、考え方、志、モットー、格言、生誕日等の年月日や本名、号、戒名などを記入することができ、本人の詳しい情報を表示し、遺族等がそれらを知ることができる。そして、生前においては、日々のやる気や戒めのシンボルに、死後においては、故人を偲ぶ慰霊碑、又は墓や位牌、更にはそれらを統合した統合碑として利用することが可能となる。
【0022】
なお、本発明にかかる拝礼記念碑の構成は、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、立体頭部の大きさや厚み、形状等を適宜変更することができる。
【0023】
例えば、立体頭部2の材質は、木や紙、漆、シリコン製のものの他に各種の樹脂、金属、陶器、石製のもの、更にこれらを組み合わせたものであっても良く、また、必ずしも本人の顔などの頭部輪郭を写実的に形成したものである必要はなく、故人の面影が表されたものであれば、レリーフや首像、更には本人を連想させる特徴的な箇所(例えば黒子やメガネ)を強調したものであっても良く、適宜変更可能である。
更に、本人の拝礼記念碑としてだけでなく、特定の人の拝礼記念碑であったり、犬や猫、鳥等といったペットの慰霊碑として使用することもできる。
【0024】
立体頭部2内に形成された収容部6の大きさや形状、位置等は、収容する物の大きさや形状に対応し、且つ好適な位置に配置されていれば良い。又、収容部6と連通する開口部5は、必ずしも立体頭部2の裏側に形成する必要はなく、表側や側面に形成しても良く、その位置は適宜変更可能である。
その他、開口部5には、開口部5が目立たないように蓋体を設けても良いし、収容物が盗まれないようその蓋体をロックする鍵等の施錠機構を設けても良い。
【0025】
前記壁掛け式の拝礼記念碑1では、壁掛け手段として取付孔7を設けたが、紐で拝礼記念碑1を吊り下げる構造や、立体頭部2の背面を壁面に貼着する構造としても良い。他にも、拝礼記念碑1に、図示しないスタンドを設けて載置し、一定の角度で傾斜した状態を保持させる形態としても良い。
【0026】
図2は他の実施態様を示すもので、立体頭部2の下部に台座部8が据え置き可能に一体形成されている。このように据え置き可能に形成されていることによって、場所を問わずどこにでも簡単に載置することができ、持ち運びも容易である。尚、台座部8は、立体頭部2と別体に形成してもよく、更に着脱自在な構造としても良い。
【0027】
また、
図3に示すように、立体頭部2下端を延長して台座部8を形成しても良いし、
図4に示すように、銘板3,ネームプレート4を左右に並べて設けても良い。
【0028】
また、前記銘板3,ネームプレート4の数や取り付け位置は必要に応じて適宜変更可能であり、表示する内容は自由である。更に、銘板3,ネームプレート4の代わりに、表示する内容を立体頭部2の表面に直接記入又は刻印等して表示することができる。
【0029】
前記銘板3に戒名を表示し、収容部6に遺骨を収容した状態で使用すれば、移動可能な墓として利用することもでき、至便である。
【符号の説明】
【0030】
1・・拝礼記念碑、2・・立体頭部、3・・銘板、4・・ネームプレート、5・・開口部、6・・収容部、7・・取付孔、8・・台座部、9・・突起。