(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したプラグドアロック装置では、ドアリーフの上側及び下側に設けられた2つのロックアームを1つのモータで動作させるべく自在継手が設けられている。このため、構造が複雑化している。また、モータに不具合等が発生すると、その影響が2つのロックアームの双方に及んでしまう。
【0006】
そこで、本発明は、前記従来技術を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡素化された構成でプラグドアの安全性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明の一局面に係るプラグドアロック装置は、車両に設置され、前記車両の前後方向に移動して乗降口を開閉する開閉動作、及び前記車両の幅方向に移動して前記車両に対して密着又は離間するプラグ動作を行うドアリーフを前記車両に対してロックするプラグドアロック装置であって、前記ドアリーフのロックを行うモータを有するロック機構が前記ドアリーフの上下方向に並んで複数設けられ
、各前記ロック機構は、前記ドアリーフに固定された被係合部と係合可能なロックアームと、一端側の部分が前記ロックアームに回転自在に連結されるリンク部材と、を備え、前記ロックアームと前記リンク部材との連結部分が、前記ロックアームの回転中心と前記連結部分とを結ぶ直線と、該連結部分と前記リンク部材の前記連結部分以外の第1の部分とを結ぶ直線とが直線状になる位置である死点位置を超えるまで回転し、各前記ロック機構は、前記第1の部分の動きを規制することにより、前記連結部分が前記死点位置を超えた状態を維持する回転防止機構、を更に有しているプラグドアロック装置である。
【0008】
この構成によると、プラグドアロック装置は、複数のロック機構を備えている。そして、複数のロック機構は、それぞれ、モータを有している。この構成において、ドアリーフが車幅方向における車両内側(車両に密着する方向である密着方向)に移動すると、各ロック機構のモータが駆動して、ドアリーフがロックされると、ドアリーフの車両外側(乗降口から離間する方向である離間方向)への移動が規制される。
【0009】
そして、この構成によると、複数のロック機構のうちの1つのモータが正常に動作しなくなった場合であっても、残りのロック機構が正常に動作すれば、ドアリーフの離間方向への動作を規制できる。すなわち、従来と異なり、1つのモータの不具合の影響が全てのロック機構に及んでしまうことを防止できる。しかも、この構成によると、従来と異なり、1つのモータで複数のロック機構を動作させるための自在継手が不要となるため、構造を簡素化できる。
【0010】
従って、この構成によると、簡素化された構成でプラグドア(ドアリーフ)の安全性を高めることができる。
【0012】
この構成のプラグドアロック装置は、モータ、ロックアーム、リンク部材及び回転防止機構という比較的少数且つ簡素な構成要素で構成されている。しかも、これらの構成要素は、ドアリーフの上下方向における比較的狭いスペースに設置することができる。従って、この構成によると、構造が小型化且つ簡素化されたプラグドアロック装置を提供できる。
【0013】
また、この構成によると、ロックアームがリリース方向への回転するのを規制する回転防止機構が設けられている。このため、ロックアームを直接保持する力よりも小さな力により、ロックアームが回転するのを規制することができる。すなわち、ロックアームと被係合部との係合を小さな力で維持できる。
【0014】
また、回転防止機構によってロックアームと被係合部との係合を維持でき、ドアリーフの開方向及び離間方向への動作を規制できるため、ドアリーフの安全性を高めることができる。
【0015】
さらに好ましくは、前記第1の部分は前記リンク部材の他端部である。この構成では、より小さい力でロックアームと被係合部との係合を維持できる。
【0016】
更に好ましくは、前記第1の部分と機械的に当たることによって、前記第1の部分の動きの規制する規制部を有している。
【0017】
この構成によると、ロックアームの回転中心側へ移動しようとする第1の部分の動きを規制する規制部が設けられているので、ロックアームの回転を容易に規制することができる。
【0018】
さらに好ましくは、前記ロック機構は、案内部が設けられ前記モータによって回転される回転部を有してもよい。この場合、前記規制部は前記回転部の前記案内部により直線的に移動するものであるのが好ましい。また、前記回転部が前記第1の部分の動きを規制している状態のときに前記案内部は前記規制部の直線運動を阻止するものであるのが好ましい。
【0019】
この構成によると、案内部が規制部の動きを阻止する構成であるので、ロックアーム等に過大な力がかかってもロックアームのリリース方向への回転を規制することができる。
【0020】
更に好ましくは、前記規制部は、スライダと、前記スライダに対して連結及び離脱可能な可動部と、を有している。
【0021】
この構成によると、スライダと可動部との連結を解除することによって、緊急時にロック状態となっているロック機構を手動で解除し、ドアリーフを開放することができる。
【0022】
また、前記スライダに溝部が形成されていてもよく、この場合、前記規制部は、棒状部が設けられた連結部本体であって、前記棒状部が前記溝部に嵌合した状態から前記溝部から離脱した状態に移動するように回動可能な連結部本体を有していてもよい。
【0023】
この構成では、棒状部が溝部に嵌合することにより、スライダと可動部が連結される。一方、棒状部が溝部から離脱することにより、スライダと可動部の連結が解除される。そして、規制部の棒状部がスライダの溝部に嵌合した状態で該溝部側へ付勢されることにより、可動部をスライダに対して連結することができる。一方、棒状部の前記溝部側への付勢を解除することにより、可動部をスライダから離脱することができる。
【0024】
更に好ましくは、前記スライダにおける前記可動部側の端部には、該可動部から離れる方向へ向かって徐々に立ち上がる傾斜面が形成される。前記プラグドアロック装置は、前記スライダに形成された溝部に嵌合する棒状部を備えてもよい。前記棒状部が前記溝部から離間した状態となっていることにより前記スライダに対して離脱した状態となっている前記可動部が前記スライダ側へ移動すると、前記棒状部は、前記傾斜面に沿って移動した後に前記溝部に嵌合することにより、前記可動部と前記スライダとが連結されてもよい。
【0025】
この構成によると、棒状部が溝部から離脱してスライダと可動部とが互いに離脱した状態になっている場合において、モータを回転させて可動部をスライダ側に移動させることにより、棒状部と溝部とが嵌合する。これにより、スライダと可動部とを容易に連結することができる。
【0026】
好ましくは、各前記モータを異なるタイミングで回転駆動させるモータ制御部を更に備えている。
【0027】
この構成によると、複数のモータが異なるタイミングで駆動されるため、プラグドアロック装置を駆動させるためのシステムに必要とされる同時に消費する電力を抑えることができる。
【0028】
好ましくは、前記モータ制御部は、前記ドアリーフが前記プラグ動作を行って前記車両と密着した状態において、各前記モータを回転駆動させる。
【0029】
この構成によると、ドアリーフが密着方向に移動してドアリーフが車両と密着した後、ロック機構をロック状態にすることができる。これにより、ロック機構のモータには、ドアリーフを密着方向に動作させるための動力が要求されなくなる。従って、モータの定格を小さくすることができる。
【0030】
前記プラグドアシステムは、車両に設けられたドアリーフを開閉動作及びプラグ動作させるドア駆動ユニットと、前記ドア駆動ユニットによって前記ドアリーフを閉鎖状態にロックする前記プラグドアロック装置と、を備えている。
【0031】
この構成によると、簡素化された構成でプラグドアの安全性を高めることができるプラグドアロック装置、を備えたプラグドアシステムを提供できる。
【0032】
また、前記ロック機構は、前記ロックアームの前記回転中心に近づく進出方向及び該回転中心から離れる退避方向に進退可能に設けられるスライド部を有していてもよい。スライド部には、前記リンク部材の他端側に設けられた第1突起部が前記進出方向及び前記退避方向に沿って摺動可能な長穴状の溝又は貫通孔として設けられた第1案内部が形成されていてもよい。前記スライド部が、前記電動モータの回転によって前記退避方向へ移動することにより、前記第1案内部における前記ロックアームの前記回転中心側の一端部が前記第1突起部に接触してもよい。この場合、前記ロックアームは、前記ドアリーフが前記乗降口に密着する方向へ移動することによって前記被係合部に押圧されて所定方向へ回転する際、前記第1突起部が前記第1案内部に沿って移動することにより、前記ロックアームと前記リンク部材との連結部分が、前記ロックアームの前記回転中心と前記連結部分とを結ぶ直線と、該連結部分と前記第1突起部とを結ぶ直線とが直線状になる位置である死点位置を超えるまで回転してもよい。そして、各前記ロック機構は、前記連結部分が前記死点位置を超えた状態における前記ロックアームに対して作用する前記所定方向と反対方向への力によって前記ロックアームが前記反対方向へ回転するのを規制する回転防止機構、を更に有していてもよい。
【0033】
前記回転防止機構は、前記連結部分が前記死点位置を超えた状態において、前記第1突起部が前記第1案内部の前記一端部に当接するように前記スライド部の位置を調整することによって、前記第1突起部が前記進出方向へ移動するのを規制するように構成されていてもよい。
【0034】
前記ロック機構は、前記電動モータの回転によって回転される回転部を更に有していてもよい。この場合、前記回転防止機構は、前記スライド部に形成された第2突起部と、前記第2突起部が摺動可能な長穴状の溝又は貫通孔として前記回転部に形成され、該回転部が回転することにより前記第2突起部を前記進出方向及び前記退避方向に進退させるとともに、前記スライド部に作用する前記進出方向への力によって前記回転部が回転するのを規制するように構成された第2案内部と、を有していてもよい。
【0035】
この構成によると、例えば乗客がドアリーフを無理やり開けようとしてロックアームにリリース方向への外力が作用し、スライド部が第1突起部によって進出方向側へ引っ張られようとしても、第2突起部及び第2案内部によって、回転部が回転するのが規制される。これにより、ロックアームのリリース方向への回転を規制できる。すなわち、この構成によると、第2突起部及び第2案内部という比較的簡素な構成で、回転防止機構を構成できる。
【0036】
前記回転部には、前記モータの回転軸に固定された歯車と噛み合う複数の歯部が形成されていてもよい。
【0037】
この構成によると、モータの回転軸に固定された歯車の歯数と回転部の歯数との比を所望の値に設定することにより、所望の減速比を得ることができる。
【0038】
前記回転部の回転中心には、前記モータの回転軸が連結されていてもよい。
【0039】
この構成によると、モータの回転軸によって、直接的に(すなわち、複数のギヤを介することなく)回転部を回転させることができるため、ロック機構の構成を簡素化できる。
【0040】
また、他の局面に係るプラグドアロック装置は、車両の乗降口に設置され、前記車両の前後方向に移動して前記乗降口を開閉する開閉動作、及び前記車両の幅方向に移動して前記乗降口に対して密着又は離間するプラグ動作を行うドアリーフを前記車両に対してロックするプラグドアロック装置であって、前記車両に設けられた電動モータと、前記車両に対して回転中心を中心として回転自在に設けられ、前記電動モータの駆動力によって回転されることにより、前記乗降口に密着する方向に移動した状態の前記ドアリーフに固定された被係合部と係合するロックアームと、一端側の部分が前記ロックアームに回転自在に連結されるリンク部材と、前記ロックアームの前記回転中心に近づく進出方向及び該回転中心から離れる退避方向に進退可能に設けられるとともに、前記リンク部材の他端側に設けられた第1突起部が前記進出方向及び前記退避方向に沿って摺動可能な長穴状の溝又は貫通孔として設けられた第1案内部が形成され、前記電動モータの回転によって前記退避方向へ移動することにより、前記第1案内部における前記ロックアームの前記回転中心側の一端部が前記第1突起部に当接するスライド部と、を備える。前記ドアリーフが前記乗降口に密着する方向へ移動することで前記ロックアームが前記被係合部に押圧されて所定方向へ回転する際、前記第1突起部が前記第1案内部に沿って移動することにより、前記ロックアームと前記リンク部材との連結部分は、前記ロックアームの前記回転中心と前記連結部分とを結ぶ直線と、前記連結部分と前記第1突起部とを結ぶ直線とが直線状になる位置である死点位置を超えるまで回転する。前記プラグドアロック装置は、前記連結部分が前記死点位置を超えた状態における前記ロックアームに対して作用する前記所定方向と反対方向への力によって前記ロックアームが前記反対方向へ回転するのを規制する回転防止機構を更に備えている。
【0041】
従来のプラグドアロック装置は、例えば上記特許文献1に開示されるように、その構造が比較的複雑、且つ大型である。具体的には、特許文献1のプラグドアロック装置は、
図2等に開示されるように、ロックアームを上下方向に移動させるためのネジ軸が、上下方向に延びるように設けられているため、装置が上下方向に大型化してしまう。また、ロックアームが係合するようにドアリーフ側に形成された受け部材は、複雑な凹状に形成されている。
【0042】
上記他の局面に係るプラグドアロック装置の目的は、構造が小型化且つ簡素化されたプラグドアロック装置を提供することである。
【0043】
上記他の局面に係るプラグドアロック装置は、電動モータ、ロックアーム、リンク部材、スライド部、リンク部、及び回転防止機構、という比較的少数且つ簡素な構成要素で構成されている。しかも、これらの構成要素は、ドアリーフの上下方向における比較的狭いスペースに設置することができる。従って、この構成によると、構造が小型化且つ簡素化されたプラグドアロック装置を提供できる。
【0044】
また、上記他の局面に係るプラグドアロック装置において、上記した事項で限定することができる。これにより、上述した場合と同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、他の局面に係るプラグドアシステムは、ドアリーフと、前記ドアリーフが開閉動作及びプラグ動作を行うように該ドアリーフを駆動するためのドア駆動ユニットと、上述したいずれかの他の局面に係るプラグドアロック装置と、を備えている。
【0046】
上記他の局面に係るプラグドアシステムでは、構造が小型化且つ簡素化されたプラグドアロック装置、を備えたプラグドアシステムを提供できる。
【発明の効果】
【0047】
以上説明したように、本発明によれば、簡素化された構成でドアリーフの安全性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は、鉄道車両の乗降口に設置されたプラグ式のドア(プラグドア)を機械的にロックするプラグドアロック装置、及びプラグドアロック装置を備えたプラグドアシステムとして適用できるものである。
【0050】
[プラグドアシステムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るプラグドアシステム1の概略構成を示す模式図であって、プラグドアシステム1を車両100の内側から視た図である。
図2は、プラグドア2及びドア駆動ユニット3を上方から視た模式図である。
図3は、プラグドア2の一部及びドア駆動ユニット3を斜め上方から視た模式図である。
【0051】
プラグドアシステム1は、
図1に示すように、プラグドア2と、ドア駆動ユニット3と、ロック装置4(プラグドアロック装置)と、を備えている。なお、
図1では、プラグドア2に対するロック装置4の位置を、破線によって模式的に示している。また、
図1から
図3において、矢印Aで示す方向は車両100の上下方向であり、矢印Bで示す方向は車両100の前後方向であり、矢印Cで示す方向は車両100の幅方向(車幅方向)である。
【0052】
プラグドア2は、車両(鉄道車両)100に設けられたドアリーフである。プラグドア2は、
図1に示すように、平面視で上下方向Aに長い略長方形状に形成されている。また、プラグドア2は、図示は省略するが、前後方向Bから視て、上下方向Aにおけるやや下側の部分が、車幅方向Cにおける外側にやや張り出した形状となっている。また、プラグドア2における車両内側の部分には、ロックボルト26(被係合部)が固定されている。ロックボルト26は、プラグドア2の戸尻側における上側の部分及び下側の部分のそれぞれに設けられている。ロックボルト26は、丸棒状に形成され、軸心が上下方向に沿うように、プラグドア2と一体に設けられている。
【0053】
プラグドア2は、詳しくは後述するドア駆動ユニット3によって、車両100に対して移動可能となっている。具体的には、プラグドア2は、車両100の前後方向Bに移動する開閉動作を行うことにより、乗降口101を開閉する。また、プラグドア2は、車幅方向Cに移動するプラグ動作を行う。具体的には、プラグドア2は、車幅方向Cにおける車両内側に移動して乗降口101に密着する密着動作、及び車幅方向Cにおける車両外側に移動して乗降口101から離間する離間動作、を行う。
【0054】
ドア駆動ユニット3は、
図2及び
図3に示すように、車両100に固定される車両側固定部10と、プラグドア2に固定されるドア側固定部15と、ガイド部材17と、ドア駆動機構20と、を備えている。
【0055】
車両側固定部10は、車両100におけるプラグドア2の上側において、水平面に沿って前後方向に延びるように設けられたベース部11と、ベース部11の前後方向における各端部にそれぞれ固定されたガイドフレーム13とを有している。ベース部11の下面には、ガイドレール12が形成されている。ガイドレール12は、前後方向に延びる直線状の直線レール部12aと、該直線レール部12aに連続するとともに直線レール部12aから車両内側に湾曲する湾曲レール部12bとで構成されている。
【0056】
ドア側固定部15は、内部にガイド部材17が挿入された状態で、ボルト等によってプラグドア2に固定されている。また、ドア側固定部15の上側には、ガイドレール12に挿入されてガイドレール12に沿って移動可能なガイドローラ16が設けられている。
【0057】
ガイド部材17は、前後方向に細長い略パイプ状に形成された部材である。ガイド部材17は、両端部に形成されたピニオン歯車部18が、一対のガイドフレーム13のそれぞれに形成されたラック歯車14と噛み合っている。
【0058】
ドア駆動機構20は、プラグドア2に開閉動作及びプラグ動作をさせるための駆動源として設けられている。ドア駆動機構20は、前後方向に延びるスクリュー軸21と、電動モータ(図示省略)が回転することによりスクリュー軸21の軸方向に沿って移動する移動部22と、を有している。移動部22のケーシング23は、ドア側固定部15に固定されている。スクリュー軸21の両端部は、一対のガイドフレーム13によって支持されている。
【0059】
プラグドアシステム1では、詳しくは後述するロック装置4によって車両100に対するプラグドア2のロックが解除された後、ドア駆動ユニット3が所定の動作を行うことにより、プラグドア2が開放される。具体的には、プラグドア2の開放の際には、電動モータが回転することにより移動部22がスクリュー軸21の軸方向に沿って開方向へ移動する。これにより、移動部22のケーシング23に固定されたドア側固定部15及びプラグドア2も開方向へ移動する。このとき、ドア側固定部15のガイドローラ16が、湾曲レール部12b及び直線レール部12aに沿って移動する。これにより、プラグドア2は、離間方向に移動する離間動作及び開方向に移動する開動作を行う。なお、ガイド部材17及びスクリュー軸21の車幅方向Cへの移動は、ガイドフレーム13によって許容されている。
【0060】
一方、プラグドア2を閉じる際には、上述した動作とは逆の動作が行われる。具体的には、電動モータが上述の場合とは逆方向に回転することにより、移動部22がスクリュー軸21の軸方向に沿って閉方向へ移動する。これにより、プラグドア2も閉方向へ移動する。このとき、ガイドローラ16が直線レール部12a及び湾曲レール部12bに沿って移動するため、プラグドア2は、閉方向に移動する閉動作及び密着方向に移動する密着動作を行う。その後、プラグドア2は、詳しくは後述する回転型ロック機構5によって更に密着方向へ引き込まれた後、該回転型ロック機構5によって車両100に対してロックされる。これにより、プラグドア2が閉じられるとともに、車両100に対してロックされる。
【0061】
[ロック装置]
ロック装置4は、車両に設置されるものであり、車両100に対してプラグドア2を密着させた状態で、該プラグドア2を車両に対して機械的にロックするための装置である。プラグドア2が車両100に密着した状態でロックされることにより、車内の気密状態が保持される。ロック装置4は、
図1に示すように、複数の(本実施形態では、2つ)回転型ロック機構5と、ラッチ型ロック機構6と、制御部7と、を備えている。ロック装置4は、車両100における乗降口101の戸尻側に固定された上下方向に細長い板状のマウントベース27に固定されている。これにより、ロック装置4は、車両100に対して固定される。
【0062】
[回転型ロック機構の構成]
回転型ロック機構5は、プラグドア2が閉動作及び密着動作を行う際に、プラグドア2と一体となって動くロックボルト26を車両内側へ引きこむ動作を行う。すなわち、回転型ロック機構5は、プラグドア2を密着方向に引き込んで、プラグドア2を全閉状態にする。そしてこのとき、回転型ロック機構5は、全閉状態となったプラグドア2を車両100に対してロックするロック状態となる。
【0063】
一方、回転型ロック機構5は、全閉状態にあるプラグドア2が、離間動作及び開動作を行う前に、ロックボルト26のロックを解除するリリース動作を行うリリース状態となる。これにより、プラグドア2は、離間動作及び開動作を行うことが可能となる。プラグドア2が離間動作及び開動作を完了することにより、全開状態となる。
【0064】
2つの回転型ロック機構5は、
図1に示すように、それぞれ、車両100の上側の部分と、下側の部分とに設けられている。具体的には、上側の回転型ロック機構5は、プラグドア2の上側に設けられたロックボルト26と上下方向において対応する位置に設けられている。一方、下側の回転型ロック機構5は、プラグドア2の下側に設けられたロックボルト26と上下方向において対応する位置に設けられている。上側の回転型ロック機構5と下側の回転型ロック機構5は同じ構成である。なお、上側の回転型ロック機構5と下側の回転型ロック機構5は、異なる構成であってもよい。
【0065】
図4から
図7は、回転型ロック機構5の構成を説明するための図である。
図4は斜め上方から視た斜視図であり、
図5は斜め下方から視た斜視図であり、
図6は平面図であり、
図7は側面図である。回転型ロック機構5は、ベースプレート30、ロックアーム31、リンク部材37、スライド部40等を備えている。なお、
図4から
図7は、ロック状態にある回転型ロック機構5を示している。
【0066】
ベースプレート30は、金属材料によって形成されたプレート状の部材であって、上下方向に垂直な平面に沿って広がるように設けられている。ベースプレート30は、基端側の部分である基端部30aが、マウントベース27に対してボルト等によって固定されている。そして、ベースプレート30の上面には、
図4及び
図6等に示すように、ロックアーム31、リンク部材37、レール部39、スライド部40、等が配置されている。一方、ベースプレート30の下側には、
図5等に示すように、電動モータ60、平歯車61、ロック検出スイッチ63、リリース検出スイッチ64、ロック検出スイッチ用カム66、リリース検出スイッチ用カム67、等が配置されている。すなわち、複数のロック装置5がそれぞれ、プラグドア2をロックするための電動モータ60を有する。
【0067】
ロックアーム31は、ベースプレート30の先端側の部分である先端部30b側に設けられた、細長い部材である。該ロックアーム31の一端側(基端側)の部位は、連結部32(連結部分)によってリンク部材37の一端側の部位に回転自在に連結されている。一方、ロックアーム31の他端側(先端側)の部位には、上下方向に垂直な平面に沿うように、互いに対して並行して延びる一対の延出部33a,33bが設けられている。この一対の延出部33a,33bの間には、該一対の延出部33a,33bが延びる方向に向かって開口する開口部34が形成されている。つまり、ロックアーム31は、他端側において本体部から一対の延出部33a,33bに分岐する構成となっている。一対の延出部33a,33bは、ロックボルト26が係合可能な係合部として機能する。
【0068】
ロックアーム31の中途部分(基端側の部位と一対の延出部33a,33bとの間の部分)は、ベースプレート30に対して連結部35によって回転自在に連結されている。ロックアーム31は、連結部35を回転中心として回転自在である。また、回転型ロック機構5には、ロックアーム31とベースプレート30とに跨るようにトーションバネ36が取り付けられている。トーションバネ36は、ベースプレート30に対して、ロックアーム31を、上方から視た時計回り方向(
図6の白抜き矢印方向)に付勢している。つまり、ロックアーム31は、ロック状態となる姿勢からリリース状態となる姿勢に向かって回転する方向に、トーションバネ36から弾性力を受けている。
【0069】
リンク部材37は、直線状に形成された一方向に長い部材である。リンク部材37は、一端側の部分が、連結部32によってロックアーム31に回転自在に連結されている。一方、リンク部材37の他端側の部分には、円柱状に形成された第1突起部38が設けられている。第1突起部38は、スライド部40に形成された第1案内部42に挿入されている。
【0070】
レール部39は、直線状に形成された一対の部材であって、ベースプレート30の上面に固定されている。レール部39は、互いに対して平行となるように、ロックアーム31の中途部分から、ベースプレート30の基端側に向かって延びるように設けられている。
【0071】
スライド部40は、スライダ41と、可動部46と、連結リンク50(連結部)と、を有している。スライド部40は、リンク部材37における後述の第1の部分と当たることによって、リンク部材37における第1の部分の動きを規制する規制部としても機能する。
【0072】
スライド部40は、電動モータ60によって駆動されることにより、レール部39に沿って進退するように構成されている。具体的には、スライド部40は、ベースプレート30の基端部30aから先端部30bに向かう方向である進出方向(
図4及び
図6等における矢印D方向)に向かって進出可能であり、また、その逆方向である退避方向(矢印E方向)に向かって退避可能である。スライド部40が進出方向に移動するときには、スライド部40は、ロックアーム31の回転中心に向かって移動する。一方、スライド部40が退避方向に移動するときには、スライド部40は、ロックアーム31の回転中心から離れる方向に移動する。なお、以下では、進出方向Dを前側又は前方、退避方向Eを後側又は後方と称する場合もある。
【0073】
スライダ41は、上下方向に所定の厚みを有する細長い板状に形成された部材であって、一対のレール部39の間に、前後方向に延びるように配置されている。スライダ41は、一対のレール部39に対して摺動しながら進退可能である。レール部39は、スライダ41(スライド部40)がロックアーム31の回転中心を通る直線上を移動する形状に形成されている。
【0074】
スライダ41における前側の部分には、該スライダ41の進退方向(前後方向)と同じ方向に直線状に延びるスリット状の第1案内部42が形成されている。つまり、スライド部40は、第1案内部42に案内されて直線的に移動する。第1案内部42における進出方向D側の端部は、進出方向側端部42a(
図6参照)であり、第1案内部42における退避方向E側の端部は、退避方向側端部42bである。この第1案内部42には、上述した第1突起部38が挿通している。なお、第1案内部42は、スライダ41を上下方向に貫通した貫通孔によって形成されていてもよく、あるいは、スライダ41の上面から凹んだ有底の溝状に形成されていてもよい。
【0075】
第1案内部42は、第1突起部38がロックアーム31の回転中心を通る直線上を移動する形状に形成されている。
【0076】
また、スライダ41における後側の部分には、上方へ突出するスライダ基部43が形成されている。スライダ基部43には、
図7に示すように、ベースプレート30が延びる平面に沿う方向であって前後方向に垂直な方向に沿って延びる溝部44が形成されている。また、スライダ基部43における後側の部分には、
図7に示すように、前方へ向かって徐々に立ち上がる平坦状の傾斜面45が形成されている。
【0077】
可動部46は、スライダ41よりも後側に配置された略ブロック状の部分である。可動部46は、上下方向にやや扁平な直方体状の部分である可動部基部47と、該可動部基部47における後側の部分から上方へやや延びる壁部48と、を有している。また、可動部基部47における前側の部分には、第1連結ピン49を介して連結リンク50が回転自在に設けられている。第1連結ピン49は、溝部44が延びる方向と同じ方向に沿って延びるように設けられている。
【0078】
また、可動部46の下端面には、
図6に示すように、第2突起部46aが形成されている。第2突起部46aは、円柱状に形成され、可動部46の下端面から下方へ延びるように設けられている。第2突起部46aは、ベースプレート30の貫通孔に挿通された状態で、詳しくは後述する第2案内部62に挿通している。貫通孔は、ベースプレート30における可動部46の下側の部分においてベースプレート30を上下方向に貫通するように形成されている。なお、
図6では、便宜上、詳しくは後述するロックスプリング55の図示を省略している。
【0079】
連結リンク50は、スライダ41と可動部46とを連結するためのものである。なお、本実施形態では、連結リンク50は、後述するように、スライダ41と可動部46との連結を解除可能となっているが、手動開放機構8を有しない場合には、この構成に限られない。
【0080】
連結リンク50は、連結部本体を有している。連結部本体には、ブロック状の部分であるリンク基部51と、該リンク基部51における後側の部分から上方へやや延びる壁部52とが一体に形成されている。また、リンク基部51における前側の部分には、第2連結ピン53(棒状部)が取り付けられている。第2連結ピン53は、第1連結ピン49が延びる方向、及び、スライダ41に形成された溝部44が延びる方向、と同じ方向に沿って延びている。連結リンク50は、第1連結ピン49回りに回動自在に可動部46に結合されている。
【0081】
上記スライダ41及び可動部46は、
図4から
図7に示す状態では、連結リンク50を介して互いに連結された状態となっている。具体的には、可動部46に回転自在に連結された連結リンク50の第2連結ピン53が、スライダ41の溝部44に嵌合することにより、スライダ41及び可動部46が互いに連結された状態となっている。また、スライド部40は、詳しくは後述する手動開放機構8の一部を構成しており、該手動開放機構8に対して所定の操作が行われた場合には、スライダ41と可動部46との連結が解除された状態となる。
【0082】
上述したように、ベースプレート30の下面には、
図5に示すように、電動モータ60、平歯車61、ロック検出スイッチ63、リリース検出スイッチ64、ロック検出スイッチ用カム66、リリース検出スイッチ用カム67、等が配置されている。
【0083】
電動モータ60は、詳しくは後述する平歯車61を介して、上記スライド部40を進退させるためのものである。電動モータ60は、詳しくは後述する
図8から
図10に示すように、ピニオン歯車60aを有している。電動モータ60が駆動すると、ピニオン歯車60aが回転する。
【0084】
平歯車61は、ベースプレート30に対して回転自在に取り付けられた回転部として設けられている。平歯車61は、ピニオン歯車60aと噛み合っていて、これにより、ピニオン歯車60aが回転すると、平歯車61も回転する。
【0085】
図8は、回転型ロック機構5の平面図であって、ベースプレート30等を省略した図である。
図8に示すように、平歯車61には、第2案内部62が形成されている。第2案内部62は、平歯車61の上面に溝状に形成され、270度程度の範囲に亘って延びる渦巻き状の長穴として設けられている。
【0086】
より詳しくは、第2案内部62は、
図8に示すように、内側端部62aと、外側端部62bと、中途部分62cと、を有している。内側端部62aは、第2案内部62における長手方向一方側の端部であって、平歯車61の回転軸に近い方の端部である。外側端部62bは、第2案内部62における長手方向他端側の端部であって、平歯車61の回転軸に遠い方の端部である。中途部分62cは、第2案内部62における内側端部62aと外側端部62bとの間の部分であって、内側端部62aから外側端部62bへ向かうにつれて平歯車61の回転軸から遠ざかるように形成されている。
【0087】
第2案内部62には、上述した第2突起部46aが挿通している。第2突起部46aは、第2案内部62の内側端部62aから外側端部62bに亘って中途部分62cに沿って摺動可能になっている。ただし、第2突起部46aの進退方向の移動によって平歯車61を回転させることはできない。つまり、第2突起部46a(スライド部40)が直線運動しようとしても、その力によって平歯車61を回転させることはできない。このため、平歯車61が回転していない場合には、可動部46(スライド部40)を進退移動させることはできない。
【0088】
電動モータ60及び平歯車61では、電動モータ60の回転に伴って平歯車61も回転する。このとき、平歯車61に形成された第2案内部62によって、スライド部40の可動部46に形成された第2突起部46aが、進出方向Dに沿って進出、又は退避方向Eに沿って退避する。これにより、スライド部40が進退する。
【0089】
図5を参照して、ロック検出スイッチ63及びリリース検出スイッチ64は、スイッチ保持台65に固定されて、ベースプレート30に保持されている。スイッチ保持台65は、平歯車61の下方に設けられてベースプレート30に対して固定されている。ロック検出スイッチ63は、スイッチ保持台65の下側に固定され、リリース検出スイッチ64は、ロック検出スイッチ63の下面に重ねられている。
【0090】
ロック検出スイッチ用カム66、及びリリース検出スイッチ用カム67は、それぞれ、ロック検出スイッチ63、及びリリース検出スイッチ64のそれぞれに対応して設けられている。
【0091】
ロック検出スイッチ用カム66は、平歯車61の下面に取り付けられたカムプレート68を介して、平歯車61に対して固定されている。ロック検出スイッチ用カム66は、上下方向において、ロック検出スイッチ63と同じ高さに設けられ、回転型ロック機構5がロック状態になると、ロック検出スイッチ63のスイッチ部をオンする。
【0092】
リリース検出スイッチ用カム67は、ロック検出スイッチ用カム66の下面に固定されることにより、平歯車61に対して固定されている。リリース検出スイッチ用カム67は、上下方向において、リリース検出スイッチ64と同じ高さに設けられ、回転型ロック機構5がリリース状態になると、リリース検出スイッチ64のスイッチ部をオンする。
【0093】
ラッチ型ロック機構6は、図示は省略するが、ラッチ機構を有している。ラッチ機構では、プラグドア2が閉動作及びプラグ動作を行うと、プラグドア2に形成されたロックボルト(図示省略)がラッチ機構を押圧することによってロック状態となり、プラグドア2を車両100に対して固定する。一方、プラグドア2が開動作を行う際には、電動モータ(図示省略)が作動してラッチ機構のロック状態を解除することにより、プラグドア2は、開動作が可能な状態となる。なお、ラッチ型ロック機構6では、上述した回転型ロック機構5と異なり、プラグドア2をロック状態とする際の電力が不要である。このため、ロック装置4の電源に不具合が発生した場合において、プラグドア2が閉動作及び密着動作を行った場合であっても、プラグドア2を機械的にロックすることができる。
【0094】
制御部7は、回転型ロック機構5にロック指令及びリリース指令を送信することにより、回転型ロック機構5の状態を切り替えるコントローラとして設けられている。制御部7がロック指令を送信すると、回転型ロック機構5は、ロック状態となる。一方、制御部7がリリース指令を送信すると、回転型ロック機構5は、リリース状態となる。制御部7は、全閉状態のプラグドア2を開放する旨の信号を受けると、回転型ロック機構5にリリース指令を送信する。一方、制御部7は、全開状態にあるプラグドア2が閉動作及び密着動作を行った旨の信号を受けると、回転型ロック機構5にロック指令を送信する。すなわち、制御部は、ドアリーフがプラグ動作を行って車両乗降口と密着した状態において電動モータ60を駆動する。そして、制御部7は、各回転型ロック機構5に対して、異なるタイミングでロック指令及びリリース指令を送信する。これにより、両回転型ロック機構5は、異なるタイミングで、ロック動作及びリリース動作を行う。尚、ロック指令は、車両に設けられたドア閉じスイッチがオンしたことをトリガーとして制御部7から出力されてもよい。ドア閉じスイッチは、プラグドア2が全閉位置(プラグドア2が車両に密着して停止する位置よりは数mm程度手前の位置)に到達したことによりオンする。
【0095】
[手動開放機構の構成]
手動開放機構8は、回転型ロック機構5によってロックされた状態のプラグドア2を手動で開放可能な状態にするためのものである。具体的には、手動開放機構8は、上述したスライダ41、可動部46及び連結リンク50の他に、
図4、
図6、及び
図7等に示すように、リリースケーブル54を有している。リリースケーブル54は、可動部46の壁部48に形成された貫通孔に挿通された状態で、一端部が連結リンク50の壁部52に固定されている。
【0096】
手動開放機構8では、可動部46の壁部48と連結リンク50の壁部52との間にロックスプリングに55が設けられている。ロックスプリング55は、可動部46の壁部48に対して連結リンク50の壁部52を前方側へ押圧している。これにより、
図4及び
図7等に示すように、連結リンク50の第2連結ピン53が下方へ押し付けられた状態となり、スライダ41の溝部44に係合する。従って、連結リンク50を介して、スライダ41及び可動部46が互いに連結される。本実施形態では、第2連結ピン53が溝部44に係合する方向に連結リンク50を付勢するロックスプリング55がコイルばねによって構成されている。これに限られるものではなく、ロックスプリング55は、板ばね、捩りばね等によって構成されていてもよい。何れの場合でも簡素な構成となる。
【0097】
[回転型ロック機構の動作について]
図8から
図10は、それぞれ、ベースプレート30等の図示が省略された状態の回転型ロック機構5の平面図であって、回転型ロック機構5の動作を説明するための図である。以下では、回転型ロック機構5のリリース動作、及びロック動作について、
図8から
図10等を参照して説明する。
【0098】
プラグドア2が全閉状態にある場合、回転型ロック機構5は、
図8に示す状態(ロック状態)となっている。このとき、回転型ロック機構5は、ロックアーム31における一対の延出部33a,33bがロックボルト26を挟むことにより、ロックボルト26と係合した状態となっている。つまり、ロック状態にある場合のロックアーム31及びリンク部材37の姿勢は、プラグドア2の開方向への移動に伴うロックアーム31の回動によって、リンク部材37の第1突起部38が進出方向Dに移動する方向にリンク部材37を回転させるような配置関係となっている。そして、スライド部40の可動部46に形成された第2突起部46aが、平歯車61に形成された第2案内部62の内側端部62aによって、進退方向における最も退避方向E側へ退避させられた状態となっている。これにより、スライド部40全体が退避方向Eへ退避した状態となっていて、リンク部材37の第1突起部38と、第1案内部42の進出方向側端部42aとが互いに当たっている。
【0099】
上述のような状態において、プラグドア2が乗客によって無理やり開かれようとされるなどしてプラグドア2に開方向への力が作用しても、
図8の状態では、第1突起部38が第1案内部42の進出方向側端部42aに当たり、且つ第2突起部46a及び第2案内部62によってスライド部40の進退が規制されている。つまり、第2案内部62の内側端部62a及びスライド部40の第1案内部42は、スライド部40が最も退避方向E側に位置づけられているときには、ロックアーム31の回転範囲内のいずれかの姿勢で、第1案内部42の進出方向側端部42aが第1突起部38に接触する設定となっている。言い換えると、第2案内部62及び第1案内部42は、進出方向に移動した第1突起部38が第1案内部42におけるロックアーム側の一端部に当たる位置にスライド部40を移動させるように構成されている。このため、平歯車61が回転しない状態にあってスライド部40(規制部)がリンク部材37の動きを規制している場合には、ロックアーム31はリリース方向F1に回転しない。これにより、プラグドア2が開方向へ開いてしまうことを防止できる。すなわち、第2突起部46a及び第2案内部62は、ロックアーム31がリリース方向F1へ回転するのを規制する回転防止機構9として機能する。言い換えると、ロック機構5は、リンク部材37におけるロックアーム31との連結部分以外の部分(第1の部分)の動きを規制することにより、連結部分が後述する死点位置を超えた状態に維持する回転防止機構9を備えている。すなわち、回転防止機構9は、ロックアーム31とリンク部材37との連結部分が後述する死点位置を超えた状態におけるロックアーム31に対して作用する所定方向(プラグドア2が密着方向に移動するときのロックアーム31の回転方向F2)と反対方向への力によってロックアーム31が前記反対方向(リリース方向F1)へ回転するのを規制する。つまり、リンク部材37の第1の部分の動きの規制は、前記第1の部分と機械的に当たる規制部により行われる。なお、第1の部分は、リンク部材37における連結部32以外の部分であり、リンク部材37が動くことにより位置を変える部分である。本実施形態では、第1の部分は、リンク部材37の他端部(連結部32とは反対側の端部)となっている。
【0100】
そして、電動モータ60に不具合が生じて、電動モータ60のロータが回転自在な状態になってしまった場合であっても、上述の場合と同様、回転防止機構9によって、プラグドア2が開方向へ開いてしまうことを防止できる。
【0101】
[リリース動作]
上述のようなロック状態において、回転型ロック機構5が制御部7からリリース指令を受けると、電動モータ60のピニオン歯車60aは
図8の矢印G1方向に回転する。これに伴い、平歯車61は、矢印H1方向に回転する。そうすると、第2突起部46aは、H1方向へ回転する第2案内部62によって進出方向Dへスライドする。このため、スライド部40全体がレール部39に沿って進出方向Dへ進出する。当該スライド部40の進出方向Dへの移動は、第2突起部46aが第2案内部62の外側端部62bに当たるまで、行われる(
図9参照)。スライド部40がこのように進出方向Dへ進出することにより、
図9に示すように、第1突起部38は第1案内部42の進出方向側端部42aから離間するとともに、退避方向側端部42bに近づく。
【0102】
第2突起部46aが第2案内部62の外側端部62bに当たる
図9に示す位置まで平歯車61が回転すると、平歯車61に取り付けられたリリース検出スイッチ用カム67が、リリース検出スイッチ64のスイッチ部をオンする。そうすると、ドア駆動ユニット3が駆動し、プラグドア2を離間方向及び開方向へ移動させる。このとき、プラグドア2に固定されたロックボルト26も同じ方向へ移動する。このため、ロックボルト26はロックアーム31の延出部33bを開方向側へ押圧する。このとき、第1案内部42の進出方向側端部42aが第1突起部38から離れているため、ロックアーム31は回転可能な状態となっている。これにより、リンク部材37の第1突起部38が第1案内部42に沿って進出方向Dに移動しながらロックアーム31がリリース方向F1へ回転する。これにより、ロックアーム31とロックボルト26との係合が解除され、
図10に示すように、回転型ロック機構5がリリース状態になる。つまり、第2案内部62の内側端部62a及びスライド部40の第1案内部42は、スライド部40が最も進出方向D側に位置づけられているときには、ロックアーム31の回転範囲内のいずれの姿勢でも、第1案内部42の進出方向側端部(ロックアーム側の一端部)42aが第1突起部38に接触しない設定となっている。このため、ロックアーム31の回転がスライド部40によって規制されない。
【0103】
[ロック動作]
上述のようなリリース状態において、プラグドア2が閉じられると、ロックボルト26もプラグドア2と同じ方向へ移動し、ロックアーム31の延出部33aに当接し(
図10参照)、該延出部33aをロック方向F2へ押圧する。そして、ロックボルト26がそのまま同じ方向へ移動することにより、ロックアーム31をロック方向F2へ回転させる。このとき、ロックアーム31及びリンク部材37は、以下のように動作する。具体的には、リンク部材37の第1突起部38が進出方向Dへ移動しながら、ロックアーム31がロック方向F2へ回転する。そして、連結リンク50(スライド部40)が、死点位置を超えると、リンク部材37の第1突起部38が退避方向Eへ移動しながら、ロックアーム31がロック方向F2へ回転する。ここで、連結リンク50(スライド部40)の死点位置は、ロックアーム31の回転中心と連結リンク50の中心とを結ぶスライド方向に延びる直線と、ロックアーム31及びリンク部材37の連結部分の中心と第1突起部38の中心とを結ぶリンク部材37長手方向に延びる直線とが、一直線上になるときの位置である。すなわち、連結リンク50(スライド部40)が死点位置にあるときには、ロックアーム31の回転中心と前記連結部分とを結ぶ直線と、該連結部分と第1突起部38とを結ぶ直線とが直線状になる。また、前記死点位置は、ロックアーム31の回転中心と前記連結部分とを結ぶ直線と、スライド部40のスライド方向に延びる直線とが一直線状になるときの位置である。そして、連結リンク50(スライド部40)が死点位置にあるときには、前記連結部分が、連結リンク50(スライド部40)の中心と第1突起部38の中心とを結ぶ直線上に位置している。ロックアーム31は、
図10の2点鎖線で示すように、プラグドア2が全閉状態となる手前の状態の位置であってロックボルト26が2点鎖線で示す位置となるまで、ロック方向F2に回転する。
【0104】
回転型ロック機構5は、ロックボルト26が
図10の2点鎖線に示す位置に到達すると、前記ロック指令を受けてロック動作を開始する。具体的には、回転型ロック機構5がロック指令を受けると、電動モータ60のピニオン歯車60aが
図10の矢印G2方向に回転する。これに伴い、平歯車61は、矢印H2方向に回転する。そうすると、第2突起部46aは、H2方向へ回転する第2案内部62によって退避方向Eへスライドするため、スライド部40全体がレール部39に沿って退避方向Eに移動する。これにより、第1案内部42の進出方向側端部42aが、第1突起部38に当たる。このとき、第2突起部46aは、第2案内部62の中途部分62cに位置している。
【0105】
上記状態において、平歯車61が更にH2方向へ回転すると、スライド部40の第1案内部42の進出方向側端部42aが第1突起部38を退避方向E側へ引っ張る。平歯車61は、第2突起部46aが第2案内部62の内側端部62aに当たるまで回転するため、平歯車61の回転に伴って第1突起部38は退避方向E側へ引っ張られる。これにより、リンク部材37を介してロックアーム31がロック方向F2へ回転するため、ロックアーム31がロックボルト26を閉方向及び密着方向へ引き込む。これにより、プラグドア2が全閉状態となり、ロック動作を完了する。これにより、回転型ロック機構5は、
図8に示すロック状態となり、プラグドア2が開方向及び離間方向へ移動するのが機械的にロックされる。すなわち、ロック動作では、電動モータ60の回転力がスライド部40の直線動作に変換されるとともに、当該スライド部40の直線動作がロックアーム31の回転動作に変換される。ロック動作中、第1突起部38が死点位置に到達するまでは、第1突起部38は、ロックボルト26の押圧力によって回転するロックアーム31の回転によって第1案内部42に沿って進出方向Dに移動する。そして第1突起部38が死点位置に到達して第1突起部38の移動方向が反転するのに合わせて平歯車61を回転させることにより、スライダ41によって第1突起部38を退避方向Eに容易に移動させることができる。また、死点付近では、ロックアーム31の慣性力が働いていることにより、第1突起部38は進出方向Dの移動から退避方向Eの移動にスムーズに切り替わる。
【0106】
本実施形態に係るロック装置4では、各回転型ロック機構5が行う上述のようなリリース動作及びロック動作は、互いに異なるタイミングで行われる。これにより、例えば複数の電動モータ60が同じタイミングで駆動される場合と比べると、ピーク電力が小さくなる。これにより、ロック装置4を駆動させるためのシステムに必要とされる、同時に消費される電力を抑えることができる。
【0107】
[手動開放機構の動作]
図11は、手動開放機構8の動作を説明するための図であって、可動部46とスライダ41との連結が解除された状態を示す図である。手動開放機構8は、回転型ロック機構5によるプラグドア2のロックを手動で解除するときに用いられる。具体的には、図示しない手動解除スイッチがオンされると、リリースケーブル54がロックスプリング55の付勢力に抗して引っ張られる。これにより、連結リンク50の第2連結ピン53がスライダ41の溝部44に対して上方へ持ち上げられる(
図11参照)。これにより、スライド部40におけるスライダ41と可動部46との連結が解除され、回転型ロック機構5は、手動開放状態となる。これにより、スライダ41は、平歯車61が回転しないにも拘わらず進退方向へスライド自在な状態となる。これにより、ロックアーム31が回転自在になるため、プラグドア2を手動で開くことができる。
【0108】
また、上述のような手動開放状態を解除するためには(すなわち、スライダ41と可動部46とを再び連結するためには)、平歯車61をH1方向へ回転させればよい。そうすると、可動部46がスライダ41側へ進出する。このとき、連結リンク50の第2連結ピン53が、スライダ基部43に形成された傾斜面45に沿って移動した後、溝部44に嵌る。これにより、手動開放状態を解除することができる。
【0109】
[効果]
以上のように、本実施形態に係るロック装置4は、複数の回転型ロック機構5を備えている。そして、複数の回転型ロック機構5は、それぞれ、電動モータ60を有している。この構成によると、複数の回転型ロック機構5のうちの1つの電動モータ60が正常に動作しなくなった場合であっても、残りの回転型ロック機構5が正常に動作すれば、プラグドア2の離間方向への動作を規制できる。すなわち、従来と異なり、1つのモータの不具合の影響が全てのロック機構に及んでしまうことを防止できる。
【0110】
従って、ロック装置4では、簡素化された構成でプラグドア2の安全性を高めることができる。
【0111】
また、回転型ロック機構5は、電動モータ60、ロックアーム31、リンク部材37、スライド部40、及び回転防止機構9、という比較的少数且つ簡素な構成要素で構成されている。しかも、これらの構成要素は、プラグドア2の上下方向における比較的狭いスペースに設置することができる。従って、この構成によると、構造が小型化且つ簡素化されたロック装置4を提供できる。
【0112】
また、回転型ロック機構5では、回転防止機構9によって、ロックアーム31がリリース方向F1へ回転してしまうのを規制できるため、電動モータ60に不具合が生じた場合であっても、プラグドア2を機械的にロックできる。このため、ロックアーム31を直接保持する力よりも小さな力で回転するのを規制することができる。すなわち、ロックアーム31とロックボルト26との係合を小さな力で維持できる。また、前記第1の部分がリンク部材37の他端部であるので、より小さい力でロックアーム31とロックボルト26との係合を維持できる。
【0113】
また、ロックアーム31の回転中心側へ移動しようとする第1の部分の動きを規制する規制部が設けられているので、ロックアーム31の回転を容易に規制することができる。すなわち、ロックアーム31の回転中心側へ移動しようとする第1の部分の動きをガイドするスライド部40によって、ロックアームの回転を規制することができる。
【0114】
また、回転型ロック機構5では、スライド部40が進出方向Dへ進出するのを規制することによりロックアーム31のリリース方向F1への回転を規制している。これにより、ロックアーム31のリリース方向F1への回転を容易に規制できる。
【0115】
また、回転型ロック機構5では、第2突起部46a及び第2案内部62という比較的簡素な構成で、回転防止機構9を構成することができる。
【0116】
また、第2案内部62が規制部(スライド部40)の動きを阻止する構成であるので、ロックアーム31等に過大な力がかかってもロックアーム31のリリース方向への回転を規制することができる。
【0117】
また、回転型ロック機構5では、電動モータ60の回転軸に固定されたピニオン歯車60aの歯数と平歯車61の歯数との比を所望の値に設定することにより、所望の減速比を得ることができる。
【0118】
また、ロック装置4では、スライダ41と可動部46との連結を解除することができる。これにより、例えば緊急時にロック状態となっている回転型ロック機構5のロック状態を手動で解除し、プラグドア2を開放することができる。
【0119】
また、ロック装置4では、スライダ41と可動部46との連結が解除されている状態において、電動モータ60を回転させて可動部46をスライダ41側に移動させると、連結リンク50の第2連結ピン53がスライダ41の溝部44に嵌合する。これにより、スライダ41と可動部46とを容易に連結できる。また、第2連結ピン53を溝部44から離脱させることにより、スライダ41と可動部46との連結を容易に解除できる。
【0120】
また、ロック装置4では、電動モータ60によって可動部46を進出方向D側へ移動させることにより、連結が解除された状態のスライダ41及び可動部46を容易に連結することができる。
【0121】
また、ロック装置4では、各回転型ロック機構5の電動モータ60が互いに異なるタイミングで駆動される。これにより、ロック装置4を駆動させるためのシステムに必要とされる同時に消費する電力を抑えることができる。
【0122】
また、電動モータ60は、プラグドア2が密着方向に移動してプラグドア2が乗降口と密着した後に駆動され、回転型ロック機構5をロック状態にする。このため、プラグドア2を密着方向に動作させるための動力が要求されなくなる。したがって、電動モータ60の定格を小さくすることができる。
【0123】
また、ロック装置4では、回転型ロック機構5をロック状態にするための駆動源である電動モータ60の回転力を、プラグ動作を行うプラグドア2の駆動源としても利用することができる。
【0124】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のような変形例を実施してもよい。
【0125】
(1)
図12は、変形例に係る回転型ロック機構5aの構成を説明するための図である。上記実施形態では、第2案内部62が形成された回転部としての平歯車61を、電動モータ60のピニオン歯車60aによって回転させたが、この構成に限られない。具体的には、
図12に示すように、第2案内部62が形成される円板状の回転部61aの中心に、電動モータ(図示省略)の回転軸60bを連結してもよい。これにより、電動モータの回転軸60bによって、直接的に(すなわち、複数のギヤを介することなく)回転部61aを回転させることができる。このため、回転型ロック機構5aの構成を簡素化できる。
【0126】
そして、本変形例に係るロック装置においても、上記実施形態の場合と同様、回転型ロック機構5aを、プラグドア2の上側及び下側の2箇所に設けている。これにより、上記実施形態の場合と同様、簡素化された構成でプラグドア2の安全性を高めることができる。
【0127】
(2)
図13は、変形例に係る回転型ロック機構の回転防止機構9aの構成を模式的に示す図である。上記実施形態では、回転防止機構9が、回転部としての平歯車61に形成された第2案内部62と、可動部46に形成された第2突起部46aとによって構成されているが、これに限らない。具体的には、例えば一例として、
図13に示すように、第2案内部72を、一方向にスライド可能に設けられたスライドプレート71に形成してもよい。
【0128】
図13に示すように、本変形例に係るスライドプレート71は、スライド部40の進退方向に垂直な方向(
図13のJ方向)にスライド自在に設けられている。スライドプレート71には、該スライドプレート71のスライド方向Jに沿って延びる直線状のラック部73が一体に設けられている。ラック部73の歯部は、電動モータの回転軸(いずれも図示省略)に固定されたピニオン歯車74と噛み合っている。これにより、電動モータが駆動してピニオン歯車74が回転することにより、スライドプレート71がスライド方向Jにスライドする。
【0129】
そして、スライドプレート71には、上記実施形態の場合と形状が異なる第2案内部72が形成されている。第2案内部72は、スライドプレート71を厚み方向に貫通する長穴状に形成されている。この第2案内部72には、上記実施形態の場合と同様、可動部46に形成された第2突起部46aが挿通している。
【0130】
本変形例に係る第2案内部72は、第1端部72aと、第2端部72bと、中途部分72cと、を有している。第1端部72aは、スライドプレート71におけるラック部73側且つ退避方向E側の隅部に設けられている。第2端部72bは、スライドプレート71におけるラック部73から離れている側且つ進出方向D側の隅部に設けられている。中途部分72cは、第2案内部72における第1端部72aと第2端部72bとの間の部分であって、第1端部72aと第2端部72bとを直線状に繋ぐように形成されている。
【0131】
本変形例に係る回転型ロック機構5bでは、スライド部40を進出方向Dへ進出させる場合、ピニオン歯車74が
図13の矢印I1方向へ回転する。これにより、スライドプレート71が後方(
図13のJ2方向)へスライドする。そうすると、第2突起部46aは、第1端部72aから第2端部72b側へ向かい、該スライドプレート71に対して相対的に移動する。これにより、第2突起部46aが進出方向D側へ移動するため、スライド部40を進出方向D側へ移動させることができる。一方、スライド部40を退避方向Eへ退避させる場合は、ピニオン歯車74を
図13の矢印I2方向へ回転させればよい。
【0132】
そして、本変形例に係るロック装置においても、上記実施形態の場合と同様、回転型ロック機構5bが、プラグドア2の上側及び下側の2箇所に設けられている。これにより、上記実施形態の場合と同様、簡素化された構成でプラグドア2の安全性を高めることができる。
【0133】
また、本変形例に係る回転型ロック機構5bは、
図13に示すロック状態にある場合に、プラグドア2を開こうとしても、第2突起部46aが第1端部72aによって保持されているため、スライド部40が進退方向に移動しない。従って、ロックアーム31がリリース方向F1に回転できないため、上記実施形態の場合と同様、プラグドア2が開方向へ開いてしまうことを防止できる。
【0134】
(3)上記実施形態では、密着動作が完了する前のプラグドア2に対して回転型ロック機構5を動作させることにより、プラグドア2を密着方向に引き込んで密着動作を完了させるとともにプラグドア2をロックしている。しかし、これに限らず、プラグドア2の密着動作が完了した後(すなわち、プラグドア2が全閉状態になった後)、回転型ロック機構5を動作させてもよい。これにより、電動モータ60には、プラグドア2を密着方向に動作させるための動力が要求されなくなるため、電動モータ60の定格を小さくすることができる。