特許第5938503号(P5938503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5938503
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/30 20060101AFI20160609BHJP
   G01B 11/30 20060101ALI20160609BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20160609BHJP
   G01B 21/20 20060101ALI20160609BHJP
   G01B 5/20 20060101ALI20160609BHJP
   G01B 5/28 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   G01B21/30 102
   G01B11/30 102
   G01B11/24 D
   G01B21/20 C
   G01B5/20 C
   G01B5/28 102
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-164374(P2015-164374)
(22)【出願日】2015年8月24日
【審査請求日】2015年11月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510281944
【氏名又は名称】新東エスプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】河野 克巳
(72)【発明者】
【氏名】青木 達也
【審査官】 神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−006707(JP,U)
【文献】 特開2003−202208(JP,A)
【文献】 特開平08−313217(JP,A)
【文献】 特開2015−105931(JP,A)
【文献】 特開昭63−061925(JP,A)
【文献】 特開平05−264250(JP,A)
【文献】 特開平08−313248(JP,A)
【文献】 特開2014−168031(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0055139(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 9/00−11/30
G01B 21/00−21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物を載置する載置部と、
前記載置部に載置された前記測定対象物の測定基準位置を含む領域を観察するアライメント顕微鏡と、
前記アライメント顕微鏡によって観察された前記測定基準位置を含む領域の画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された画像の画像データから前記測定基準位置を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記測定基準位置に基づいて基準座標系を作成する基準座標作成部と、
前記基準座標作成部により作成された前記基準座標系における前記測定対象物の所定の測定位置を指定する指定部と、
前記指定部により指定された前記測定対象物の前記所定の測定位置の表面粗さ、及び表面形状の少なくとも一方を測定する測定部と、
前記測定基準位置、前記基準座標系及び前記基準座標系における前記測定対象物の前記所定の測定位置を記憶する記憶部と、
前記載置部に再度前記測定対象物が載置された場合において、前記アライメント顕微鏡の前記撮像部により撮像された画像の画像データから、前記記憶部に記憶されている前記測定基準位置を検出し、前記測定基準位置を用いて前記記憶部に記憶されている前記基準座標系を設定する基準座標系設定部と、を備え、
前記測定部は、前記記憶部に記憶されている前記基準座標系における前記測定対象物の前記所定の測定位置の表面粗さ及び表面形状の少なくとも一方を再測定することを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記基準座標系における前記測定対象物の前記所定の測定位置に対応する機械座標系における前記所定の測定位置の位置座標の直上に前記測定部の位置を移動させる移動部を備え、
前記測定部は、前記機械座標系により表された前記測定対象物の前記所定の測定位置の表面粗さ、及び表面形状の少なくとも一方を測定することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記指定部は、前記基準座標系における前記所定の測定位置の位置座標を数値入力する数値入力部を備えることを特徴とする請求項1または2記載の測定装置。
【請求項4】
前記基準座標作成部は、複数の前記測定基準位置を基準とする前記基準座標系を作成することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の測定装置。
【請求項5】
前記測定部は、白色干渉顕微鏡方式、共焦点顕微鏡方式、または触針方式の何れかの方式により前記表面粗さ、及び前記表面形状の少なくとも一方の測定を行うことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の測定装置。
【請求項6】
上部に前記撮像部が配置され、下部に前記アライメント顕微鏡または前記測定部が配置される鏡筒部と、
前記鏡筒部の下部に前記アライメント顕微鏡または前記測定部の何れかが配置されるように前記アライメント顕微鏡及び前記測定部の位置を切り替える切換機構と
を備える特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の測定装置。
【請求項7】
上部に第1撮像部が配置され、下部に前記アライメント顕微鏡が配置された第1鏡筒部と、
上部に第2撮像部が配置され、下部に前記測定部が配置された第2鏡筒部と
を備えることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランクシャフト等の摩耗する部品やプリント基板等の微細な表面形状を有する部品等の表面粗さ、表面形状を測定する測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
研削・研磨加工等が施された精密加工部品や、メッキ等によって表面が処理された部品を検査する場合、部品の表面粗さが重要な検査項目となる。従来、部品の表面粗さを測定する装置としては、例えば、触針の先端を測定対象物に接触させて表面粗さを測定する触針式の測定機が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−313248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の触針式の測定機においては、目視で測定位置を決定しなければならないため、測定対象物の測定位置を正確に測定し難いという問題があった。
【0005】
例えば、クランクシャフト等の摺動面を有する部品の耐摩耗性を検査する場合、繰り返して同一箇所の粗さを測定する必要があるが、目視で測定位置を決定することから、測定位置に誤差が生じ、同一箇所の粗さを測定することは困難であった。
【0006】
また、プリント基板のパターンの表面形状を測定する場合、パターンの凸部分を構成するランド部分に触針の先端を接触させて表面形状を測定する必要があるが、近年プリント基板に印刷されるパターンは微細化しているため、目視でランド部分に触針の先端の位置を合わせることは困難であった。
【0007】
本発明の目的は、測定対象物の測定位置を正確に測定することができる測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の測定装置は、測定対象物を載置する載置部と、前記載置部に載置された前記測定対象物の測定基準位置を含む領域を観察するアライメント顕微鏡と、前記アライメント顕微鏡によって観察された前記測定基準位置を含む領域の画像を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像の画像データから前記測定基準位置を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記測定基準位置に基づいて基準座標系を作成する基準座標作成部と、前記基準座標作成部により作成された前記基準座標系における前記測定対象物の所定の測定位置を指定する指定部と、前記指定部により指定された前記測定対象物の前記所定の測定位置の表面粗さ、及び表面形状の少なくとも一方を測定する測定部と、前記測定基準位置、前記基準座標系及び前記基準座標系における前記測定対象物の前記所定の測定位置を記憶する記憶部と、前記載置部に再度前記測定対象物が載置された場合において、前記アライメント顕微鏡の前記撮像部により撮像された画像の画像データから、前記記憶部に記憶されている前記測定基準位置を検出し、前記測定基準位置を用いて前記記憶部に記憶されている前記基準座標系を設定する基準座標系設定部とを備え、前記測定部は、前記記憶部に記憶されている前記基準座標系における前記測定対象物の前記所定の測定位置の表面粗さ及び表面形状の少なくとも一方を再測定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の測定装置は、前記基準座標系における前記測定対象物の前記所定の測定位置に対応する機械座標系における前記所定の測定位置の位置座標の直上に前記測定部の位置を移動させる移動部を備え、前記測定部は、前記機械座標系により表された前記測定対象物の前記所定の測定位置の表面粗さ、及び表面形状の少なくとも一方を測定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の測定装置は、前記指定部が、前記基準座標系における前記所定の測定位置の位置座標を数値入力する数値入力部を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の測定装置は、前記基準座標作成部が、複数の前記測定基準位置を基準とする前記基準座標系を作成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の測定装置は、前記測定部が、白色干渉顕微鏡方式、共焦点顕微鏡方式、または触針方式の何れかの方式により前記表面粗さ、及び前記表面形状の少なくとも一方の測定を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の測定装置は、上部に前記撮像部が配置され、下部に前記アライメント顕微鏡または前記測定部が配置される鏡筒部と、前記鏡筒部の下部に前記アライメント顕微鏡または前記測定部の何れかが配置されるように前記アライメント顕微鏡及び前記測定部の位置を切り替える切換機構とを備える特徴とする。
【0015】
また、本発明の測定装置は、上部に第1撮像部が配置され、下部に前記アライメント顕微鏡が配置された第1鏡筒部と、上部に第2撮像部が配置され、下部に前記測定部が配置された第2鏡筒部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の測定装置によれば、測定対象物の表面粗さや表面形状を正確な測定位置で測定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態に係る測定装置を構成するシステムの斜視図である。
図2】実施の形態に係る測定機の斜視図である。
図3】実施の形態に係る測定装置のブロック構成図である。
図4】実施の形態に係る測定対象物であるクランクシャフトを示す図である。
図5】実施の形態に係る測定装置を用いて測定対象物であるクランクシャフトを最初に測定する場合の処理を示すフローチャートである。
図6】実施の形態に係る測定機の測定時の状態を示す斜視図である。
図7】実施の形態に係る測定装置を用いてクランクシャフトを2回目以降に測定する場合の処理を示すフローチャートである。
図8】他の実施の形態において測定する測定対象物に印刷されたアライメントマークを示す図である。
図9】他の実施の形態において測定する測定対象物に印刷されたアライメントマークを示す図である。
図10】他の実施の形態に係る測定機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、実施の形態に係る測定装置について、クランクシャフト等の摩耗する部品やプリント基板等の微細な表面形状を有する部品等の表面粗さ、表面形状を測定する測定装置を例に説明する。図1は、実施の形態に係る測定装置を構成するシステムの斜視図である。図1に示すように、測定装置2は、測定機4、測定機4の各部を制御する制御部6(図3参照)を内蔵する制御ボックス60、及び測定機4の操作を行う操作部8によって構成されている。ここで、制御部6と測定機4、及び制御部6と操作部8とは、互いに有線または無線で接続されている。
【0019】
図2は、実施の形態に係る測定機4の斜視図である。図2には、図1に示すカバー4aを外した状態の測定機4が示されている。なお、以下の説明においてはXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照して説明する。XYZ直交座標系は、図2に示すように、XY平面が測定機4を載置する水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
【0020】
図2に示すように、測定機4は、XY平面内で測定対象物を移動させるための移動機構14、測定対象物を測定する測定機構16、台座18、台座18上において移動機構14と測定機構16がそれぞれ所定の位置に位置するように支持する支柱20を備えている。ここで、支柱20には、矩形状のベースプレート20cが取付けられ、ベースプレート20cには、スライダー42をZ軸方向に移動させる図示しないボールねじが収納されたガイドレール20aが固定されている。なお、ボールねじは、ガイドレール20aの上端に備えられたステッピングモータ20zによって駆動される。
【0021】
移動機構14は、測定対象物を載置する平板矩形状のテーブル12、テーブル12をY軸方向に移動させる図示しないボールねじが収納された収納部14k、及びボールねじを駆動させるステッピングモータ14yを備えている。また、テーブル12を支持するスライダー13、スライダー13をX軸方向に移動させる図示しないボールねじが収納された収納部14m、ボールねじを駆動させるステッピングモータ14xを備えている。また、スライダー13の下方には、スライダー13を支持する支持部を備えている。
【0022】
ここで、スライダー13の表面には、テーブル12をY軸方向に移動させるためのクロスローラーガイド13aが形成され、スライダー13の裏面には、テーブル12をX軸方向に移動させるための図示しないクロスローラーガイドが形成されている。
【0023】
測定機構16は、上端にカメラ26が取付けられた第1鏡筒28、上端に照明30が取付けられた第2鏡筒32、光路ボックス34、アライメント用対物レンズ36、白色干渉用対物レンズ38、及び第1鏡筒28と第2鏡筒32を支持しガイドレール20aに沿ってZ軸方向に移動するスライダー42を備えている。
【0024】
ここで、アライメント用対物レンズ36は、測定対象物の測定基準位置となるアライメント位置を観察するための対物レンズであり、白色干渉用対物レンズ38は、測定位置の表面粗さや表面形状を観察するための対物レンズである。なお、アライメント用対物レンズ36と白色干渉用対物レンズ38はX軸方向にスライド可能に配置されており、アライメント用対物レンズ36または白色干渉用対物レンズ38の何れか一方が第1鏡筒28の直下に位置するように切り換えることができる。また、光路ボックス34の内部には、図示しないミラーやビームスプリッタが配置されている。
【0025】
図3は、実施の形態に係る測定装置2のブロック構成図である。測定装置2は、制御部6を備え、制御部6にはテーブル12をXYZ軸方向にマニュアルで移動させるための操作部8、カメラ26内に配置され被写体光を撮像して撮像信号を生成する撮像素子52、画像データに基づく画像を表示する画像表示部56、ステッピングモータ14x、14y、20z、アライメント用対物レンズ36と白色干渉用対物レンズ38の位置を切換える切換モータ63、キーボード64及びマウス65が接続されている。
【0026】
図4は、測定対象物であるクランクシャフト80を示す図である。クランクシャフト80は、クランクシャフト80の回転軸であるメインジャーナル82、クランクウェブ84、クランクウェブ84を介してメインジャーナル82同士を繋ぐクランクピン86を備えている。なお、クランクピン86には、クランクピン86内に形成された図示しないオイル通路の入り口である第1のオイル穴86a、第2のオイル穴86bが設けられている。
【0027】
次に、実施の形態に係る測定装置2を用いてクランクシャフト80を最初に測定する場合(ティーチング作業)の処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図5に示すフローチャートには、制御部6の処理を主体として記載されている。
【0028】
ティーチング作業において、まず作業者は、クランクピン86がアライメント用対物レンズ36の下方に位置し、かつ第1のオイル穴86a、第2のオイル穴86bが上方を向くようにしてクランクシャフト80をテーブル部12に載置する。
【0029】
次に、作業者は、画像表示部56に表示されたボタン、キーボード64及びマウス65の何れかを操作して白色干渉用対物レンズ38とアライメント用対物レンズ36を−X方向に移動させ、図6に示すように、当初第1鏡筒28の直下に位置している白色干渉用対物レンズ38を、図2に示すように、アライメント用対物レンズ36に切換える。ここで、照明30が点灯し、照明30から照明光が射出されると、射出された照明光は、第2鏡筒32内を通過した後、光路ボックス34内のミラー、ビームスプリッタで反射され、アライメント用対物レンズ36を通過し、クランクピン86の表面を照明する。
【0030】
クランクピン86の表面で反射された反射光は、アライメント用対物レンズ36に入射した後に第1鏡筒28内を通過し、カメラ26内の撮像素子52の撮像面に結像される。これにより、撮像素子52の撮像面に結像されたクランクピン86の表面の画像が撮像され画像表示部56に表示される。
【0031】
次に、作業者は、画像表示部56を見ながら操作部8を操作し、第1のオイル穴86a、第2のオイル穴86bを含む領域を的確に撮影できるようにテーブル部12のXY軸方向の位置、及びアライメント用対物レンズ36のZ軸方向の位置を微調整する。ここで、テーブル部12のY軸方向の位置は、ステッピングモータ14yにより収納部14kに収納されたボールねじを駆動させて調整される。一方、テーブル部12のX軸方向の位置は、ステッピングモータ14xにより収納部14mに収納されたボールねじを駆動させ、スライダー13をX軸方向に移動させることによって調整される。また、アライメント用対物レンズ36のZ軸方向の位置は、ステッピングモータ20zによりガイドレール20aに収納されたボールねじを駆動させ、スライダー42をZ軸方向に移動させることによって調整される。
【0032】
次に、作業者が画像表示部56に表示されたボタン、キーボード64及びマウス65の何れかを操作し撮像指示を行うと、制御部6は撮像部52により第1のオイル穴86aを撮像し、画像処理により第1のオイル穴86aの中心の位置座標を記憶する(ステップS1)。次に第2のオイル穴86bを撮像し、画像処理により第2のオイル穴86bの中心の位置座標を記憶する(ステップS2)次に、制御部6は、画像内の座標系における第1のオイル穴86aの中心の位置座標を第1のアライメント位置として特定し、画像内の座標系における第2のオイル穴86bの中心の位置座標を第2のアライメント位置として特定し記憶する(ステップS3)。
【0033】
次に、制御部6は、第1のアライメント位置を原点とし、第1のアライメント位置と第2のアライメント位置を結ぶ線分をX座標軸とし、かつ第1のアライメント位置でX座標軸と直交する座標軸をY座標軸とする基準座標系を作成する(ステップS4)。制御部6は作成された基準座標系を記憶する。なお、基準座標系おける第1のアライメント位置の位置座標、及び基準座標系における第2のアライメント位置の位置座標については、画像表示部56に表示された基準座標系上に数値表示させることができる。このため、作業者は、基準座標系における第1のアライメント位置の位置座標、及び基準座標系における第2のアライメント位置の位置座標を画像表示部56で確認することができる。
【0034】
次に、作業者は、画像表示部56に表示されたボタン、キーボード64及びマウス65の何れかを操作することにより基準座標における測定位置の位置座標を入力する。例えば、基準座標における第1のアライメント位置と基準座標における第2のアライメント位置の中点の位置座標を基準座標における測定位置の位置座標として入力する。制御部6は、入力された基準座標における測定位置の位置座標を記憶する(ステップS5)。
【0035】
次に、制御部6は、予め記憶している測定器4の原点を基準とする座標系である機械座標系におけるカメラ26の位置座標を検出し、基準座標におけるカメラ26の位置座標を特定する。次に、機械座標系におけるカメラ26の位置座標、基準座標系におけるカメラ26の位置座標を用いて基準座標系を機械座標系に対応させ、測定位置の機械座標における位置座標を特定する(ステップS6)。
【0036】
次に、作業者は、画像表示部56に表示されたボタン、キーボード64及びマウス65の何れかを操作することにより第1鏡筒28の直下に位置する対物レンズをアライメント用対物レンズ36から白色干渉用対物レンズ38に切り換える。制御部6は、機械座標系における測定位置の位置座標の直上に白色干渉用対物レンズ38が位置するようにテーブル部12のXY方向における位置を調整する。
【0037】
次に、制御部6は、所定のピッチで白色干渉用対物レンズ38を上方向または下方向にステップ移動させながら連続的に測定位置の像を撮像し、撮像された複数の画像の画像データを用いて測定位置の表面粗さを測定する(ステップS7)。ここで、表面粗さの測定は、例えば、次のようにして行う。即ち、まず撮像された各々の画像データについて、画像データを構成する各画素の輝度値より画素毎に輝度値の包絡線を求め、包絡線の値が最大となるZ位置を算出し、各画素の相対高さを決定する。次に、ISO規格やJIS規格に、準拠した計算式で測定位置に相当する位置の粗さパラメータを算出する。
【0038】
次に、2回目以降のクランクシャフト80の測定処理について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず作業者は、クランクシャフト80をテーブル部12上に載置し、画像表示部56に表示されたボタン、キーボード64またはマウス65を用いて再測定の指示を行う。再測定の指示が行われると、制御部6は、まず、切換モータ63を駆動して第1鏡筒28の直下に位置する対物レンズを白色干渉用対物レンズ38からアライメント用対物レンズ36に切り換える。次に、制御部6は、照明30を点灯して照明30から照明光を射出させてアライメント用対物レンズ36の直下の領域を照明し、アライメント用対物レンズ36を介して、撮像素子52により第1のオイル穴86aを撮像し、更にアライメント用対物レンズ36を介して撮像素子52により第2のオイル穴86bの位置を撮像する(ステップS21)。
【0039】
次に、制御部6は、第1のオイル穴86a及び第2のオイル穴86bの撮像時のオートフォーカスや画像処理にエラーが発生していないことを確認して、アライメントの合否を判定する(ステップS22)。
【0040】
オートフォーカスエラーや画像処理エラーが発生した場合、(ステップS22:No)制御部6は、例えば、「手動で再測定を行いますか」等の警告を画像表示部56に表示する(ステップS23)。一方、ステップS22でエラーが発生せずに撮像が成功したと判断された場合には(ステップS22:Yes)、制御部6は、撮像した画像の画像データに対して所定の画像処理を施すことにより、画像内の座標系における第1のオイル穴86aの中心の位置座標、画像内の座標系における第2のオイル穴86bの中心の位置座標を算出する(ステップS24)。
【0041】
次に、制御部6は、第1のオイル穴86aの中心の位置座標及び第2のオイル穴86bの中心の位置座標を用いて、撮像された画像内における基準座標系の位置を設定する(ステップS25)。次に、制御部6は、機械座標系におけるカメラ26の位置座標を検出し、基準座標におけるカメラ26の位置座標を特定する。次に、制御部6は、記憶している基準座標系における測定位置の位置座標、基準座標系におけるカメラ26の位置座標を用いて測定位置の機械座標における位置座標を特定する(ステップS26)。
【0042】
次に、制御部6は、切換モータ63を駆動して第1鏡筒28の直下に位置する対物レンズをアライメント用対物レンズ36から白色干渉用対物レンズ38に切り換え、更に、機械座標系における測定位置の位置座標が白色干渉用対物レンズ38の直下に位置するようにテーブル部12のXY方向における位置を調整する。
【0043】
次に、制御部6は、所定のピッチで白色干渉用対物レンズ38を上方向または下方向にステップ移動させながら連続的に測定位置の像を撮像し、撮像された複数の画像の画像データを用いて測定位置の表面粗さを測定する(ステップS27)。
【0044】
この実施の形態に係る測定装置によれば、アライメント位置を基準とする基準座標系を作成し、基準座標系を用いた測定位置で測定を行うことにより、正確な測定位置で表面粗さや表面形状を測定することができる。特に、クランクシャフト80のように摩耗する部品を測定対象物とした場合、同一の測定位置を繰り返し測定できることから、正確に耐摩耗度を評価することができる。また、複数のアライメント位置を基準として基準座標系を作成するため、測定対象物の位置がXY平面内で回転することがなく、測定位置を正確に測定することができる。なお、この実施の形態に係る測定装置は、複数の測定対象物の同一の測定位置を測定する場合に用いても、測定位置を正確に測定することができる。
【0045】
また、上述の実施の形態においては、複数のアライメント位置を基準として基準座標系を作成しているが、一つのアライメント位置を基準として基準座標系を作成してもよい。例えば、プリント基板のように矩形状の部品を測定対象物とした場合、突き当て冶具等を用いてプリント基板の位置がXY平面内で回転することのないようにプリント基板をテーブル部12の所定の位置に載置する。この場合、作業者は、テーブル部12のXY軸方向の位置、及びアライメント用対物レンズ36のZ軸方向の位置を微調整してテーブル部12のプリント基板の角を含む領域の画像を撮像し、撮像した画像の画像データを記憶する。制御部6は、記憶された画像内の座標系におけるプリント基板の角の位置座標を算出し、画像内の座標系におけるプリント基板の角の位置座標をアライメント位置として特定する。次に、アライメント位置を原点とし、画像内の座標系におけるX座標軸をX座標軸とし、画像内の座標系におけるY座標軸をY座標軸とする基準座標系を作成する。
【0046】
また、上述の実施の形態においては、測定位置の表面粗さを測定する場合を例に説明しているが、測定位置の表面形状を測定してもよい。例えば、プリント基板のように微細な表面形状を有する部品を測定対象物とする場合、作業者は、プリント基板の表面に形成されたパターンの一部を含む領域の画像を撮像素子52により撮像させる。次に、制御部6により、撮像された画像の画像データを用いて基準座標系が作成されると、作業者は、パターンの凸部分を構成するランド部上の基準座標系における位置座標を測定位置の位置座標として入力する。制御部6は、機械座標系における測定位置の位置座標を算出し、白色干渉用対物レンズ38の直下に機械座標系における測定位置の位置座標の位置を位置させ、ランド部の表面形状を測定する。なお、表面形状としては、例えば、ランド部の高さや幅等を測定する。
【0047】
また、上述の実施の形態において、プリント基板の表面粗さや表面形状を測定する場合、例えば、アライメント位置を特定する際の指標となるアライメントマークを予め部品の表面に印刷しておいてもよい。この場合、制御部6は、まず、撮像素子52により、アライメントマークを含む領域の画像を撮像し、撮像した画像の画像データを用いてアライメントマークの中心位置の画像内の座標系における位置座標を算出する。例えば、制御部6は、図8に示すように、アライメントマーク100が十字形状である場合、アライメントマーク100の十字形状を構成する4つの領域105に含まれるアライメントマーク100の輪郭を検出する。次に、制御部6は、画像内の座標系における輪郭の位置座標を算出し、算出した輪郭の位置座標を用いて画像内の座標系における十字形状の中心の位置座標を特定する。次に、画像内の座標系におけるアライメントマーク100の十字形状中心の位置座標を基準とする基準座標系を作成する。次に、作業者が、基準座標系における測定位置の位置座標を入力すると、制御部6は、基準座標における測定位置の位置座標を機械座標系における測定位置の位置座標に変換して機械座標系における測定位置の位置座標が白色干渉用対物レンズ38の直下に位置するようにテーブル部12のXY方向における位置を調整し、測定位置の表面粗さを測定する。
【0048】
また、作業者が目視でアライメントマークの中心を決定するようにしてもよい。この場合、例えば、アライメントマークを観察する際に画像表示部56にグリッド線(図9参照)を表示させる。次に、作業者は、操作部8を操作してテーブル部12のXY方向の位置を微調整することにより、図9に示すように、グリッド線150の交点の位置をアライメントマーク180の中心の位置に合わせて、アライメントマーク180の中心位置の位置座標を基準とする基準座標系を作成する。次に、作業者が、基準座標系における測定位置を入力すると、制御部6は、基準座標における測定位置の位置座標を機械座標系における測定位置の位置座標に変換して機械座標系における測定位置の位置座標が白色干渉用対物レンズ38の直下に位置するようにテーブル部12のXY方向における位置を調整し、測定位置の表面粗さを測定する。
【0049】
また、上述の実施の形態においては、白色干渉用対物レンズ38を用いて測定位置を測定する場合を例に説明しているが、白色干渉用対物レンズ38に代えて共焦点顕微鏡方式による三次元表面形状測定が可能な顕微鏡を用いて測定位置を測定してもよい。また、対物レンズに代えて、図10に示すように、第1鏡筒28の下端に触針式の測定部201を備えてもよい。実施の形態の測定装置2は、目視によらずに測定位置を特定できるようにアライメント位置を基準とした基準座標系を用いて測定位置を特定するため、触針式の測定部201を備えた場合においても、的確に測定位置に触針202の先端202aを接触させ、測定対象物の表面粗さや表面形状を測定することができる。
【0050】
また、上述の実施の形態において、測定装置2が切換モータ63を備えないようにしてもよい。例えば、測定機4が、アライメント位置検出用のアライメント顕微鏡と測定用の測定顕微鏡とを別々に備えるようにする。ここで、アライメント顕微鏡には、鏡筒の上端にカメラが取付けられ、鏡筒の下端にアライメント用対物レンズ36が取付けられたものを用いる。また、測定顕微鏡には、鏡筒の上端にカメラが取付けられ、鏡筒の下端に白色干渉用対物レンズ38が取付けられたものを用いる。
【0051】
また、上述の実施の形態において、複数の測定位置の表面粗さを測定してもよい。この場合、作業者は、例えば、入力部により基準座標における測定位置の位置座標を複数入力する。次に、制御部6は、基準座標系における各々の測定位置の位置座標を機械座標系における測定位置の位置座標に変換する。ここで、作業者により、第1鏡筒28の直下に位置する対物レンズが白色干渉用対物レンズ38に切り換えられると、制御部6は、テーブル部12を移動させて、順次機械座標系における各々の測定位置の位置座標を白色干渉用対物レンズ38の直下に位置させ、各々の測定位置の表面粗さを測定する。これにより、複数の測定位置を繰り返し正確に測定することができる。
【0052】
また、上述の実施の形態においては、テーブル部12を移動させて測定位置のXY平面内の位置を白色干渉用対物レンズ38の直下に位置させる場合を例に説明しているが、テーブル部12を移動させずに測定機構16のXY方向における位置を調整してもよい。例えば、測定位置を測定する場合には、測定機構16の位置をXY平面内で移動させ、機械座標系における測定位置の直上に白色干渉用対物レンズ38を位置させる。
【符号の説明】
【0053】
2…測定装置、4…測定機、6…制御部、8…操作部、12…テーブル部、13…スライダー、14…移動機構、14x、14y…ステッピングモータ、16…測定機構、20z…ステッピングモータ、26…カメラ、28…第1鏡筒、30…照明、32…第2鏡筒、36…アライメント用対物レンズ、38…白色干渉用対物レンズ、52…撮像素子、63…切換モータ
【要約】
【課題】測定対象物の表面粗さや表面形状を正確な測定位置で測定することができる。
【解決手段】測定対象物を載置する載置部12と、前記載置部に載置された前記測定対象物の測定基準位置を含む領域を観察するアライメント顕微鏡36と、前記アライメント顕微鏡によって観察された前記測定基準位置を含む領域の画像を撮像する撮像部26と、前記撮像部により撮像された画像の画像データから前記測定基準位置を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記測定基準位置に基づいて基準座標系を作成する基準座標作成部と、前記基準座標作成部により作成された前記基準座標系における前記測定対象物の所定の測定位置を指定する指定部と、前記指定部により指定された前記測定対象物の所定の測定位置の表面粗さ、及び表面形状の少なくとも一方を測定する測定部38とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9
図10