特許第5938513号(P5938513)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5938513サーバ装置、その制御方法、及びその制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938513
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】サーバ装置、その制御方法、及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20160609BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20160609BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20160609BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20160609BHJP
【FI】
   A63F13/53
   A63F13/822
   A63F13/30
   A63F13/79
【請求項の数】13
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-251414(P2015-251414)
(22)【出願日】2015年12月24日
(62)【分割の表示】特願2015-143962(P2015-143962)の分割
【原出願日】2013年12月20日
(65)【公開番号】特開2016-101509(P2016-101509A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2016年2月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100161089
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 良一
(72)【発明者】
【氏名】福田 貴之
【審査官】 櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−118887(JP,A)
【文献】 特開2004−113451(JP,A)
【文献】 特開2007−185315(JP,A)
【文献】 特開2013−138715(JP,A)
【文献】 特開2003−164670(JP,A)
【文献】 昨日の友は今日から敵,[online],Leece Brand.,[2015年8月6日検索],URL,http://leece-brand.sakura.ne.jp/leece-brand/column-room/dokken-kingdom/memorial-games/spy-vs-spy/spy-vs-spy_column.htm
【文献】 スパイVSスパイ FC初の友情崩壊に特化したゲーム,[online],[2015年8月6日検索],URL,http://www.geocities.jp/gurafsander/gamedera.retrogamehonbo.Spy_Vs_Spy.html
【文献】 [ファミコン] スパイvsスパイ / Spy Vs Spy [NES],[online],YouTube,[2015年8月6日検索],URL,https://www.youtube.com/watch?v=GM6C6VzJKbE
【文献】 [ファミコン] SPYvsSPY レベル8 対COM戦,[online],YouTube,[2015年8月6日検索],URL,https://www.youtube.com/watch?v=nlPYGOdg94c
【文献】 新岡優哉(他1名),エースコンバットX▲2▼ ジョイントアサルト パーフェクトガイドブック,株式会社エンターブレイン,2010年 9月22日,初版,P.008,033-038
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00〜13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤの端末装置でゲームを進行させるサーバ装置を制御して、
それぞれが第1及び第2の所定領域で構成される互いに異なる複数の個別マップ上に前記複数のプレイヤを分散させる分散ステップと、
前記複数のプレイヤと前記複数の個別マップとの対応関係を前記サーバ装置の記憶部に記憶させる記憶ステップと、
個々のプレイヤの端末装置に、当該プレイヤと同じ個別マップ上の複数のプレイヤに共通の表示画面として、当該個別マップの前記第1及び第2の所定領域にそれぞれ対応する第1及び第2の表示領域を含む画面を表示させるための表示情報を生成する生成ステップと、
個別マップの表示画面上に当該個別マップ上のプレイヤからの指示に応じて複数のオブジェクトを配置することにより、前記複数の個別マップ上で前記ゲームを進行させる進行ステップと、
個々のプレイヤの表示画面における前記第1の表示領域に、当該プレイヤに対応する第1の個別マップでの前記ゲームの進行状況が表示され、当該表示画面の前記第2の表示領域に、当該第1の個別マップとは異なる第2の個別マップに対応するのプレイヤによる前記ゲームの進行状況が表示されるように、当該第1及び第2の表示領域を更新させる更新ステップと、
を実行させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記更新ステップでは、前記サーバ装置は、前記第1の個別マップに隣接する第2の個別マップに対応する他のプレイヤによる前記ゲームの進行状況に応じて、前記第2の表示領域を更新させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記更新ステップでは、前記サーバ装置は、前記のプレイヤが前記第2の個別マップを攻略したか否かに基づいて、前記第2の表示領域を更新させる、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記更新ステップでは、前記サーバ装置は、前記第2の個別マップの攻略度合いに応じて、前記第2の表示領域を段階的に更新させる、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記更新ステップでは、前記サーバ装置は、前記第1の個別マップの中央部である前記第1の所定領域に対応する前記第1の表示領域に、前記第1の個別マップでの前記ゲームの進行状況が表示され、前記第1の個別マップの周縁部である前記第2の所定領域に対応する前記第2の表示領域に、前記第2の個別マップでの前記ゲームの進行状況が表示されるように、当該第1及び第2の表示領域を更新させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
各個別マップの前記第2の所定領域は複数の部分領域で構成され、
前記更新ステップでは、前記サーバ装置は、前記第2の表示領域のうち、前記第1の個別マップの前記第2の所定領域上で前記第2の個別マップに最も近い部分領域に対応する表示領域を更新させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記更新ステップでは、前記サーバ装置は、前記第1の個別マップ上で前記オブジェクトを配置可能な前記第1の所定領域に対応する前記第1の表示領域に前記第1の個別マップでの前記ゲームの進行状況が表示され、前記第1の個別マップ上で前記オブジェクトを配置可能でない前記第2の所定領域に対応する前記第2の表示領域に前記第2の個別マップでの前記ゲームの進行状況が表示されるように、当該第1及び第2の表示領域を更新させる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の表示領域が更新されたことに応じて、前記第1の個別マップ上でプレイヤが前記オブジェクトの配置を指示できる領域を拡大する拡大ステップを前記サーバ装置にさらに実行させる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の個別マップのそれぞれについて当該個別マップを選択できるプレイヤの人数に上限値を設定し、前記複数の個別マップのうちプレイヤの人数が当該上限値を超えていない個別マップのいずれかを前記複数のプレイヤのそれぞれに選択させる選択ステップを前記サーバ装置にさらに実行させ、
前記分散ステップでは、前記サーバ装置は、前記複数のプレイヤによる個別マップの選択結果に従って前記複数のプレイヤを分散させる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記選択ステップでは、前記サーバ装置は、前記ゲームの進行状況に応じて、前記複数の個別マップのうち、前記複数のプレイヤのそれぞれが選択可能な個別マップを制限する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
一のプレイヤからの指示に応じて、当該一のプレイヤの個別マップとは異なる他の個別マップに対応するレイヤによる前記ゲームの進行状況を当該一のプレイヤに報知する報知ステップを前記サーバ装置にさらに実行させる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
複数のプレイヤの端末装置でゲームを進行させるサーバ装置に、
それぞれが第1及び第2の所定領域で構成される互いに異なる複数の個別マップ上に前記複数のプレイヤを分散させる機能と、
前記複数のプレイヤと前記複数の個別マップとの対応関係を前記サーバ装置の記憶部に記憶させる機能と、
個々のプレイヤの端末装置に、当該プレイヤと同じ個別マップ上の複数のプレイヤに共通の表示画面として、当該個別マップの前記第1及び第2の所定領域にそれぞれ対応する第1及び第2の表示領域を含む画面を表示させるための表示情報を生成する機能と、
個別マップの表示画面上に当該個別マップ上のプレイヤからの指示に応じて複数のオブジェクトを配置することにより、前記複数の個別マップ上で前記ゲームを進行させる機能と、
個々のプレイヤの表示画面における前記第1の表示領域に、当該プレイヤに対応する第1の個別マップでの前記ゲームの進行状況が表示され、当該表示画面の前記第2の表示領域に、当該第1の個別マップとは異なる第2の個別マップに対応するのプレイヤによる前記ゲームの進行状況が表示されるように、当該第1及び第2の表示領域を更新させる機能と、
を実現させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項13】
複数のプレイヤの端末装置でゲームを進行させるサーバ装置であって、
それぞれが第1及び第2の所定領域で構成される互いに異なる複数の個別マップ上に前記複数のプレイヤを分散させる分散制御部と、
前記複数のプレイヤと前記複数の個別マップとの対応関係を記憶する記憶部と、
個々のプレイヤの端末装置に、当該プレイヤと同じ個別マップ上の複数のプレイヤに共通の表示画面として、当該個別マップの前記第1及び第2の所定領域にそれぞれ対応する第1及び第2の表示領域を含む画面を表示させるための表示情報を生成する生成部と、
個別マップの表示画面上に当該個別マップ上のプレイヤからの指示に応じて複数のオブジェクトを配置することにより、前記複数の個別マップ上で前記ゲームを進行させる進行制御部と、
個々のプレイヤの表示画面における前記第1の表示領域に、当該プレイヤに対応する第1の個別マップでの前記ゲームの進行状況が表示され、当該表示画面の前記第2の表示領域に、当該第1の個別マップとは異なる第2の個別マップに対応するのプレイヤによる前記ゲームの進行状況が表示されるように、当該第1及び第2の表示領域を更新させる進行状況反映部と、
を有することを特徴とするサーバ装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ、その制御方法、及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバから通信ネットワークを介して携帯端末にゲームプログラムをインストールしてプレイするゲームが普及している。このようなゲームには、複数のプレイヤが参加可能なもの(所謂「ソーシャルゲーム」)があり、プレイヤ同士が、対戦、協力のみならず、相互にコミュニケーション可能なものが知られている。
【0003】
スマートフォンのような携帯端末は、PC等より通信環境や端末スペックが限定されるため、複数のプレイヤの端末間でやり取りできるデータ量や、1つの端末に同時に描画できるオブジェクトの個数には限界がある。このため、多数のプレイヤが例えばPC等の端末からサーバに接続するMMO(Massively Multiplayer Online)と呼ばれるオンラインゲームとは異なり、携帯端末向けのゲームでは、同じゲーム空間内で同時にプレイ可能なプレイヤの人数を絞っている。
【0004】
このようなハードウェアの制限に対処するものとして、例えば特許文献1には、携帯ゲーム装置等の比較的小規模なハードウェア構成であってもネットワークゲームに類似したゲーム性を実現可能なゲーム装置が記載されている。特許文献1のゲームは他のゲーム装置とは無関係に進行するスタンドアロン型のゲームであるが、このゲームでは、自ゲーム装置と他ゲーム装置は互いに通信接続してゲーム進行状況情報をやりとりすることができる。このため、特許文献1のゲームでは、ネットワークゲームのように、自ゲーム装置のゲームの進行状況に他ゲーム装置のゲームの進行状況を反映させることができる。
【0005】
また、非特許文献1には、プレイヤの操作によってゲーム空間内にオブジェクトが配置され、そのオブジェクトが自律的に動作することにより進行していく、携帯端末向けのオンラインゲームが記載されている。非特許文献1のゲームは、1つの広大なフィールドマップ上で多数のプレイヤが同時にゲームをプレイ可能なMMOとは異なり、プレイヤが1対1で対戦するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−125222号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】“Clash of Clans”,[online],2013年11月21日,[2013年12月5日検索],インターネット<URL:http://en.wikipedia.org/wiki/Clash_of_Clans>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
複数のプレイヤが相互にコミュニケーション可能なゲームでは、同じゲーム空間内で多くのプレイヤが同時にプレイできることが好ましい。しかしながら、上記の通り、携帯端末では通信環境や端末スペックが限定されるため、例えば非特許文献1のようなゲームを多くのプレイヤが同時にプレイできるようにするためには、各プレイヤが配置可能なオブジェクトの個数を制限する必要がある。このような制限を課すと、同じゲーム空間内でプレイ可能なプレイヤの人数が増えたとしても、非特許文献1と比べて面白みに欠けるゲームとなってしまう。
【0009】
端末スペック等の制限があっても同じゲーム空間全体で多くのプレイヤをプレイ可能にするためには、ゲーム空間を小さなマップの組合せにより構成し、それぞれが少数のプレイヤで構成される複数のグループに互いに異なるマップ上でプレイさせることが考えられる。端末スペック等の制限が問題にならないMMOではわざわざプレイヤを複数のマップ上に分散させてそれらを同時に攻略させる必要はないが、携帯端末向けのゲームでは、同時にプレイしている複数のプレイヤを複数のマップ上に分散させる必要がある。しかしながら、この場合には、各プレイヤが1つの限られたマップを攻略することになるため、互いに異なるマップ上にいるプレイヤ同士が連携してゲームを進めることはできず、同じゲームをプレイしているという一体感も得られない。
【0010】
そこで、本発明は、複数のマップ上に分かれて同時にプレイしている複数のプレイヤ同士が一体感をもって互いに連携することができるゲームを実現するコンピュータ、その制御方法、及びその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るコンピュータの制御方法は、複数のプレイヤが複数のマップに分かれて同時にプレイするゲームを進行させるコンピュータの制御方法であって、コンピュータが、複数のプレイヤのそれぞれに複数のマップのいずれかを選択させる選択ステップと、複数のプレイヤからの指示に応じて、複数のプレイヤのそれぞれが選択したマップ上でゲームを進行させる進行ステップと、複数のプレイヤのそれぞれが選択したマップの表示に、マップとは異なる他のマップを選択した他のプレイヤによるゲームの進行状況を反映させる反映ステップとを有する。
【0012】
上記の制御方法の反映ステップでは、コンピュータは、複数のプレイヤのそれぞれが選択したマップに隣接する他のマップ上でのゲームの進行状況を表示に反映させることが好ましい。
【0013】
上記の制御方法の反映ステップでは、コンピュータは、他のプレイヤが他のマップを攻略したか否かに基づいて画像を変化させることが好ましい。
【0014】
上記の制御方法の反映ステップでは、コンピュータは、他のプレイヤによる他のマップの攻略度合いに応じて、表示を段階的に変化させることが好ましい。
【0015】
上記の制御方法の反映ステップでは、コンピュータは、複数のプレイヤのそれぞれが選択したマップの周縁部に、他のマップ上でのゲームの進行状況を反映させることが好ましい。
【0016】
上記の制御方法の進行ステップでは、コンピュータは、複数のプレイヤがそれぞれ選択したマップ上に複数のプレイヤからの指示に応じてオブジェクトを配置することによりゲームを進行させ、複数のマップのそれぞれは、オブジェクトを配置可能な領域とオブジェクトを配置可能でない領域で構成され、反映ステップでは、コンピュータは、複数のプレイヤのそれぞれが選択したマップ上でオブジェクトを配置可能でない領域の少なくとも一部に、他のマップ上でのゲームの進行状況を反映させることが好ましい。
【0017】
上記の制御方法の選択ステップでは、コンピュータは、複数のマップのそれぞれについて、マップを選択できるプレイヤの人数に上限を設定することが好ましい。
【0018】
上記の制御方法の選択ステップでは、コンピュータは、ゲームの進行状況に応じて、複数のマップのうち、複数のプレイヤのそれぞれが選択可能なマップを制限することが好ましい。
【0019】
上記の制御方法では、一のプレイヤからの指示に応じて、他のプレイヤが選択したマップにおけるゲームの進行状況をコンピュータが一のプレイヤに報知する報知ステップをさらに有することが好ましい。
【0020】
また、本発明に係るコンピュータの制御プログラムは、複数のプレイヤが複数のマップに分かれて同時にプレイするゲームを進行させるコンピュータの制御プログラムであって、コンピュータに、複数のプレイヤのそれぞれに複数のマップのいずれかを選択させる機能と、複数のプレイヤからの指示に応じて、複数のプレイヤのそれぞれが選択したマップ上でゲームを進行させる機能と、複数のプレイヤのそれぞれが選択したマップの表示に、マップとは異なる他のマップを選択した他のプレイヤによるゲームの進行状況を反映させる機能とを実現させる。
【0021】
また、本発明に係るコンピュータは、複数のプレイヤが複数のマップに分かれて同時にプレイするゲームを進行させるコンピュータであって、複数のプレイヤのそれぞれに複数のマップのいずれかを選択させる選択制御部と、複数のプレイヤからの指示に応じて、複数のプレイヤのそれぞれが選択したマップ上でゲームを進行させる進行制御部と、複数のプレイヤのそれぞれが選択したマップの表示に、マップとは異なる他のマップを選択した他のプレイヤによるゲームの進行状況を反映させる進行状況反映部とを有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るコンピュータ、その制御方法、及びその制御プログラムによれば、複数のマップ上に分かれて同時にプレイしている複数のプレイヤ同士が一体感をもって互いに連携することができるゲームを実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ゲームシステム1の概略構成の一例を示す図である。
図2】携帯端末2の概略構成の一例を示す図である。
図3】端末記憶部22に記憶される各種テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図4】全体マップ100の一例を示す図である。
図5】マップ選択画面400の一例を示す図である。
図6】ゲーム進行画面500の一例を示す図と、個別マップの構成を説明するための図である。
図7】戦況表示エリア530における表示の変化の一例を示す図である。
図8】戦況表示エリア530における表示の変化の一例を示す図である。
図9】サーバ3の概略構成の一例を示す図である。
図10】サーバ記憶部32に記憶される各種テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図11】携帯端末2とサーバ3の動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るコンピュータ、その制御方法、及びその制御プログラムについて説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0025】
このコンピュータは、複数のプレイヤのそれぞれに複数のマップのいずれかを選択させ、複数のプレイヤを複数のマップに分散させて、各プレイヤからの指示に応じてゲームを進行させる。各プレイヤが選択したマップを攻略することで、複数のプレイヤが互いに協力して、複数のマップで構成されるゲーム空間内の敵拠点を攻略していく。そして、このコンピュータは、複数のプレイヤのそれぞれが選択したマップの表示に、他のマップを選択した他のプレイヤによるゲームの進行状況を反映させる。例えば、第1のプレイヤが第1のマップを選択し、第2のプレイヤが第2のマップを選択した場合に、第1のプレイヤがプレイしている第1のマップの表示に、第2のプレイヤが第2のマップを攻略した結果を反映させる。これにより、各プレイヤが他のマップでのゲームの進行状況を把握できるようにすることで、このコンピュータは、複数のプレイヤが一体感をもち連携してゲームをプレイすることを可能にする。
【0026】
なお、コンピュータは、上記の各処理を実行可能であればよく、サーバでも携帯端末でもよいし、あるいは据置端末であってもよい。
【0027】
以下では、上記のコンピュータで実現されるゲームの一例として、複数のプレイヤが各自のマップ上に兵士等のオブジェクトを多数配置することで敵の陣地を攻略していくリアルタイムストラテジーのゲームを説明する。ただし、本発明のゲームは、複数のプレイヤが複数のマップに分かれて同時にプレイするゲームであれば、特定のものには限定されない。また、オブジェクトとは、ゲーム空間内に配置(描画)されるデジタルコンテンツのことであり、兵士に限らず、ゲーム内の他のキャラクタ、ゲーム空間内に配置される施設、カード、フィギア、アバター、アイテム等であってもよい。
【0028】
また、以下では、ゲーム空間を構成する複数のマップのことを「個別マップ」といい、複数の個別マップの組合せにより構成されるゲーム空間全体のことを「全体マップ」という。
【0029】
図1は、ゲームシステム1の概略構成の一例を示す図である。ゲームシステム1は、少なくとも一台の携帯端末2と、サーバ3とを備える。
【0030】
携帯端末2は、プレイヤによる操作を受け付ける。また、サーバ3は、複数のプレイヤが各自の携帯端末2上でプレイしているゲームの進行を制御する。携帯端末2とサーバ3は、例えば、基地局4、移動体通信網5、ゲートウェイ6及びインターネット7等の通信ネットワークを介して相互に接続される。携帯端末2で実行されるプログラム(例えば、ゲームプログラム)と、サーバ3で実行されるプログラム(例えば、ゲーム管理プログラム)とは、UDP(User Datagram Protocol)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP:Hypertext Transfer Protocol)、TCP(Transport Control Protocol)等の通信プロトコルを用いて通信を行う。特にゲームの進行中には、携帯端末2とサーバ3は、通信ネットワークを介して常時通信を行う。
【0031】
なお、携帯端末2としては多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)を想定するが、本発明はこれに限定されない。携帯端末2は、本発明が適用可能であればよく、例えば、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ、タブレットPC、ノートPC、ウェアラブルコンピュータ等でもよい。
【0032】
図2は、携帯端末2の概略構成の一例を示す図である。携帯端末2は、端末通信部21と、端末記憶部22と、操作部23と、表示部24と、端末処理部25とを備える。
【0033】
端末通信部21は、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含む通信インターフェース回路を備え、携帯端末2を無線通信ネットワークに接続する。端末通信部21は、基地局4により割り当てられるチャネルを介して、基地局4との間でLTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)方式等による通信信号回線を確立し、基地局4との間で通信を行う。そして、端末通信部21は、端末処理部25から供給されたデータをサーバ3等に送信する。また、端末通信部21は、サーバ3等から受信したデータを端末処理部25に供給する。
【0034】
端末記憶部22は、例えば半導体メモリ装置を備える。端末記憶部22は、端末処理部25での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、端末記憶部22は、ドライバプログラムとして、操作部23を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部24を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、アプリケーションプログラムとして、ゲームを進行させ、その結果を表示するゲームプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、データとして、携帯端末2を識別するための端末ID、プレイヤを識別するためのプレイヤID、全体マップを管理する全体マップテーブル(図3(a))、全体マップを構成する各個別マップを管理する個別マップごとの個別マップテーブル(図3(b))、プレイヤが使用する味方の兵士等を管理する兵士テーブル(図3(c))、敵キャラクタ及び味方の兵士等のオブジェクトに係る画像データ、映像データ等を記憶する。さらに、端末記憶部22は、所定の処理に係る一時的なデータを記憶してもよい。
【0035】
図3(a)〜図3(c)は、端末記憶部22に記憶される各種テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【0036】
図3(a)は、全体マップテーブルの一例を示す。全体マップテーブルには、全体マップを構成する各個別マップについて、その個別マップを識別するための個別マップID、画像データのファイル名、全体マップ上における配置位置、攻略の難易度を示すレベル、プレイ中のプレイヤのプレイヤID、その個別マップがすでに攻略されたか否か等が記憶される。
【0037】
なお、このゲームでは、全体マップは格子状に構成されており、各個別マップはいずれかの格子に配置され、その位置は、例えば全体マップの左上を原点とする格子の座標で表現されるものとする。ただし、全体マップは、格子状に限らずどのような形態で構成されていてもよい。
【0038】
図3(b)は、個別マップテーブルの一例を示す。個別マップテーブルは、個別マップごとに用意されている。1つの個別マップテーブルには、その個別マップに配置される各敵キャラクタについて、その敵キャラクタを識別するための敵キャラクタID、種類、対応する画像データのファイル名、その敵キャラクタの強さを示すレベル、個別マップ上における配置位置等が記憶される。なお、敵キャラクタは、敵の兵士等に限らず、敵の陣地に設けられる壁又は建物等であってもよい。
【0039】
なお、このゲームでは、個別マップも格子状に構成されており、各敵キャラクタはいずれかの格子に配置され、その位置は、例えば個別マップの左上を原点とする格子の座標で表現されるものとする。ただし、個別マップは、格子状に限らずどのような形態で構成されていてもよい。
【0040】
図3(c)は、兵士テーブルの一例を示す。兵士テーブルには、兵士を識別するための兵士ID、対応する画像データのファイル名、その兵士の強さを示すレベル等が記憶される。
【0041】
操作部23は、携帯端末2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル、キーボタン等である。プレイヤは、操作部23を用いて、文字、数字、記号等を入力することができる。操作部23は、プレイヤにより操作されると、その操作に対応する信号を生成する。そして、生成された信号は、プレイヤの指示として、端末処理部25に供給される。
【0042】
表示部24も、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部24は、例えば液晶タッチパネルディスプレイにより操作部23と一体化されていてもよい。表示部24は、端末処理部25から供給された画像データに応じた画像、映像データに応じた映像等を表示する。
【0043】
端末処理部25は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。端末処理部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、携帯端末2の全体的な動作を統括的に制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラム、操作部23の操作等に基づいて携帯端末2の各種処理が適切な手順で実行されるように、端末通信部21、表示部24等の動作を制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部25は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0044】
図4図8(b)は、ゲームシステム1が提供するゲームの全体マップ、個別マップ、及び携帯端末2の表示画面の一例を示す図である。ここで、図4図8(b)を参照しながら、このゲームの概略について説明する。
【0045】
図4は、全体マップ100の一例を示す図である。図4の例では、全体マップ100は、13個の個別マップA〜Mにより構成されている。個別マップA〜Mのそれぞれが敵拠点に相当し、特に個別マップGが敵の中心拠点110に相当する。各プレイヤは、全体マップ100の外側から順に個別マップを選択し、その個別マップ内で敵キャラクタとの対戦を行って、各個別マップを攻略していく。プレイヤの最終目標は、敵の中心拠点110を攻略することである。
【0046】
このゲームでは、敵はNPC(Non-Player Character)であり、コンピュータ(携帯端末2及び/又はサーバ3)により操作される。例えば、制限時間内に中心拠点110を攻略できればプレイヤの勝ちであり、制限時間内に中心拠点110を攻略できなければプレイヤの負けとなる。この制限時間は、例えば何曜日の何時から何時までというような特定の時間帯であってもよい。敵拠点を構成する個別マップの個数を増減させたり、個別マップの組合せを変えたりすることにより、ゲームの難易度を変化させることが可能である。
【0047】
また、このゲームでは、ゲームに参加する各プレイヤは、複数のグループのうちのいずれかに振り分けられる。各グループには、それぞれ異なる全体マップが紐づけられる。そして、同じグループに属する複数のプレイヤが、複数の個別マップで構成される一の全体マップを共有する。なお、1つのグループに複数の全体マップを紐づけて、プレイヤが、自分たちのグループに紐づけられた全体マップのうちのいずれかを選択できるようにしてもよい。
【0048】
あるいは、ゲームシステム1が提供するゲームは、プレイヤ同士が相互に対戦可能なゲームであってもよい。この場合、同じグループに属する複数のプレイヤ同士が、そのグループの全体マップ内で対戦してもよいし、一方のグループに属する複数のプレイヤと、他方のグループに属する複数のプレイヤとが、共通の全体マップ内で対戦してもよい。
【0049】
ゲームシステム1が提供するゲームでは、各プレイヤは、最初から任意の個別マップを選択することはできず、個別マップの選択順序に一定の制限が設けられる。例えば、上下左右に隣接している個別マップが全て攻略されていない場合、その中心の個別マップは選択できないものとする。また、ゲーム開始時に選択できる個別マップは、全体マップ100の外周部分に接しているもののみとする。例えば、図4の例では、ゲーム開始時に、個別マップA〜Mのうち個別マップC,F,G,H,Kを選択することはできない。そして、外側の個別マップを1つ攻略すると、その個別マップに隣接している内側の個別マップも選択できるようになる。例えば、あるプレイヤにより個別マップBが攻略されると、個別マップC,Fを新たに選択できるようになる。プレイヤは、中心拠点110を攻略するためには、外側の個別マップから順に攻略(破壊)していく必要がある。
【0050】
図5は、マップ選択画面400の一例を示す図である。このマップ選択画面400は、ゲームの開始時か、又は各プレイヤが1つの個別マップを攻略したときに、各プレイヤの携帯端末2に表示される。各プレイヤは、マップ選択画面400から、上記の制限の範囲内で個別マップA〜Mのいずれかを選択することができる。
【0051】
マップ選択画面400には全体マップ100が表示されており、さらに全体マップ100上では、各個別マップにおけるプレイヤの人数が人型のアイコン401により表示されている。そして、例えば、選択可能な個別マップのうちのいずれかをプレイヤが選択(例えばタップ)すると、その個別マップの画像402、その個別マップでの対戦に参加しているプレイヤの画像403、「戦う」ボタン404及び「見る」ボタン405が表示される。
【0052】
このゲームでは、複数のプレイヤが1つの個別マップにおける対戦に同時に参加することができる。ただし、1つの個別マップにおける対戦に同時に参加できるプレイヤの人数には、例えば4人等の上限が設けられている。この上限は、個別マップごとに異なっていてもよい。
【0053】
対戦に参加しているプレイヤの人数が4人未満の個別マップが選択されたときには、その選択操作を行ったプレイヤは、マップ選択画面400内の「戦う」ボタン404を選択して、その個別マップでの対戦に参加することができる。一方、既に参加人数が4人に達している個別マップについては、プレイヤが「戦う」ボタン404を選択することはできない。なお、ある個別マップで一度プレイヤの人数が4人に達したとしても、その個別マップからいずれかのプレイヤが離脱して参加人数が4人未満になれば、新たに他のプレイヤがその個別マップでの対戦に参加できるようになる。
【0054】
また、プレイヤが「見る」ボタン405を選択すると、後述する図6(a)と同様の、対象の個別マップにおけるゲーム進行画面が表示される。このゲーム進行画面では、「見る」ボタン405を選択したプレイヤは、例えばその個別マップに存在するプレイヤ側の兵士と敵キャラクタの人数や、その個別マップにおいてプレイヤと敵キャラクタのどちらが優勢かということ等の、戦況の詳細を確認することができる。「見る」ボタン405を設けることにより、どの個別マップの対戦に参加しようかと考えているプレイヤや、人数制限によりある個別マップでの対戦に参加できなかったプレイヤが、対象の個別マップにおける戦況を確認することが可能になる。「見る」ボタン405により表示されるゲーム進行画面は、一のプレイヤからの指示に応じて、他のプレイヤが選択した個別マップにおけるゲームの進行状況を一のプレイヤに報知する画面の一例である。
【0055】
図6(a)は、ゲーム進行画面500の一例を示す図である。また、図6(b)は、個別マップの構成を説明するための図である。ゲーム進行画面500では、1つの個別マップの全体を斜め方向から見た様子が表示されている。各個別マップは、建物設置エリア510、兵士配置エリア520及び戦況表示エリア530により構成される。
【0056】
建物設置エリア510は、敵拠点の建物が設置され、敵キャラクタが存在する領域である。図6(a)のゲーム進行画面500では、建物設置エリア510内に、敵拠点の建物502〜506が配置されている。また、建物設置エリア510内には、図示しない敵キャラクタも配置される。
【0057】
兵士配置エリア520は、プレイヤが例えばタップして兵士を配置可能な領域である。兵士は、建物設置エリア510と戦況表示エリア530には配置できず、兵士配置エリア520にのみ配置可能である。対戦に参加している各プレイヤは、兵士配置エリア520上に味方の兵士等のオブジェクトを配置することにより、敵キャラクタを倒して、敵拠点の建物502〜506を破壊する。そして、例えば、制限時間内に50%等の予め定められた割合以上の敵の陣地を破壊できれば、その個別マップの攻略に成功したとして、プレイヤの勝ちとする。逆に、制限時間内に予め定められた割合以上敵の陣地を破壊できなかったか、又はプレイヤ側の全ての兵士が敵キャラクタによって倒された場合には、その個別マップの攻略に失敗したとして、プレイヤの負けとする。なお、各プレイヤが兵士配置エリア520上に同時に配置可能な兵士の人数には、端末スペックによる描画制限の範囲内で上限が設定される。
【0058】
戦況表示エリア530は、隣接する他の個別マップ上における他のプレイヤの対戦結果又は戦況(ゲームの進行状況)を表示するための領域である。各プレイヤは、自分が選択した個別マップに対しては、自分の操作によりゲームの進行に直接影響を与えることができるが、それ以外の個別マップに対しては、自分の操作によってはゲームの進行に直接影響を与えることができない。各プレイヤの携帯端末2における戦況表示エリア530の表示は、自分が直接影響を与えることができない他の個別マップにおけるゲームの進行状況に応じて変化する。
【0059】
図7(a)〜図8(b)は、戦況表示エリア530における表示の変化の一例を示す図である。
【0060】
図7(a)は、中心拠点110がある個別マップGにいるプレイヤの携帯端末2に表示されるゲーム進行画面500を示す。この例では、上方向及び左右方向に隣接する個別マップC,F,Hはまだいずれのプレイヤによっても攻略されておらず、下方向に隣接する個別マップKのみが既に攻略されているとする。このことを反映して、個別マップGのプレイヤのゲーム進行画面500では、上方向及び左右方向の戦況表示エリア530に壁531が表示され、下方向の戦況表示エリア530に壊れた壁532が表示されている。この場合、例えば、個別マップGのプレイヤは、兵士配置エリア520のうち、壊れた壁532を通して攻め込むことができる下方向の領域521にのみ、兵士を配置可能である。
【0061】
図7(b)は、他のプレイヤによって個別マップCが攻略されたときの、個別マップGにいるプレイヤのゲーム進行画面500を示す。個別マップGのプレイヤがプレイしている間に、他のプレイヤによって個別マップCが攻略されると、そのことを反映して、個別マップGのプレイヤのゲーム進行画面500では、上方向の戦況表示エリア530にあった壁531が、壊れた壁532に変化する。これにより、例えば、個別マップGのプレイヤは、兵士配置エリア520のうち、上方向の領域522にも、新たに兵士を配置可能になる。
【0062】
図8(a)は、個別マップGにいるプレイヤの携帯端末2に表示されるゲーム進行画面500の別の例を示す。この例では、上方向及び左方向に隣接する個別マップC,Fはまだいずれのプレイヤによっても攻略されておらず、右方向及び下方向に隣接する個別マップH,Kが既に攻略されているとする。このことを反映して、個別マップGのプレイヤのゲーム進行画面500では、上方向及び左方向の戦況表示エリア530に敵の大砲533が表示されている。この場合、例えば、個別マップGのプレイヤは、兵士配置エリア520のうち、大砲533により攻撃されない下方向及び右方向の領域521,523にのみ、兵士を配置可能である。
【0063】
図8(b)は、他のプレイヤによって個別マップFが攻略されたときの、個別マップGにいるプレイヤのゲーム進行画面500を示す。個別マップGのプレイヤがプレイしている間に、他のプレイヤによって個別マップFが攻略されると、そのことを反映して、個別マップGのプレイヤのゲーム進行画面500では、左方向の戦況表示エリア530にあった大砲533が、壊れた大砲534に変化する。これにより、例えば、個別マップGのプレイヤは、兵士配置エリア520のうち、左方向の兵士配置エリア524にも、新たに兵士を配置可能になる。
【0064】
このような戦況表示エリア530の表示の変化はリアルタイムに行われることが好ましいが、ある程度の時間差があってもよい。戦況表示エリア530の表示が変化することにより、各プレイヤは、自分が選択した個別マップにおいてゲームをプレイしながら、他の個別マップにおける他のプレイヤの対戦結果又は戦況を把握できるようになる。そして、例えば、上下左右の方向に隣接する個別マップC,F,H,Kが攻略されることにより、その個別マップの方向から、中心拠点110がある建物設置エリア510を攻撃可能になる。したがって、個別マップGにいるプレイヤは、どこに兵士を配置するかをより的確に判断できるようになるため、隣接する個別マップのプレイヤと連携して、より有利な状況で中心拠点110を攻撃することが可能になる。
【0065】
なお、中心拠点110の個別マップGだけに限らず、全ての個別マップA〜Mにおいて、隣接する個別マップの対戦結果又は戦況を戦況表示エリア530に反映させてもよい。あるいは、特定の個別マップのみにおいて、隣接する個別マップの対戦結果又は戦況を戦況表示エリア530に反映させてもよい。
【0066】
以上の機能を実現するために、端末処理部25は、ゲーム進行部251と、画面作成部252と、マップ選択部253と、オブジェクト配置部254と、表示制御部255とを備える。これらの各部は、端末処理部25が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして携帯端末2に実装されてもよい。
【0067】
ゲーム進行部251は、複数のプレイヤからの指示に応じて、各プレイヤが選択したマップ上でゲームを開始させ、そのゲームを進行させる進行制御部の一例である。
【0068】
ゲーム進行部251は、プレイヤによる操作に応じて、そのプレイヤのプレイヤID及び/又は携帯端末2の端末IDを含む選択画面要求を、端末通信部21によりサーバ3に送信する。これに応じて、端末通信部21を介してサーバ3から選択画面表示データを受信すると、ゲーム進行部251は、画面作成部252にマップ選択画面400の作成を指示する。選択画面表示データには、個別マップID及びその個別マップでの対戦に参加しているプレイヤのプレイヤIDが含まれる。ゲーム進行部251は、これらの情報を、全体マップテーブルに記憶する。
【0069】
また、プレイヤにより操作部23を介してマップ選択画面400上の個別マップを選択する指示がなされたときに、ゲーム進行部251は、マップ選択部253に処理の実行を指示する。
【0070】
また、プレイヤによりある個別マップについて「戦う」ボタン404が選択されたときに、ゲーム進行部251は、そのプレイヤのプレイヤID及び携帯端末2の端末ID並びに対象の個別マップIDを含むゲーム開始要求を、端末通信部21によりサーバ3に送信する。これに応じて、端末通信部21を介してサーバ3からゲーム開始指示を受信すると、ゲーム進行部251は、画面作成部252にゲーム進行画面500の作成を指示する。
【0071】
また、プレイヤによりある個別マップについて「見る」ボタン405が選択されたときに、ゲーム進行部251は、そのプレイヤのプレイヤID及び/又は携帯端末2の端末ID並びに対象の個別マップIDを含むマップ表示要求を、端末通信部21によりサーバ3に送信する。これに応じて、端末通信部21を介してサーバ3からマップ表示データを受信すると、ゲーム進行部251は、画面作成部252にゲーム進行画面500の作成を指示する。マップ表示データには、対象の個別マップ上に現在配置されている兵士、敵キャラクタ等の兵士ID、敵キャラクタID、及びそれらの配置位置の情報が含まれる。
【0072】
また、個別マップでの対戦に参加しているプレイヤにより操作部23を介してゲーム進行画面500上に兵士を配置する指示がなされたときに、ゲーム進行部251は、プレイヤにより選択された兵士の兵士ID及びその配置位置を含むオブジェクト配置要求を、端末通信部21によりサーバ3に送信する。また、端末通信部21を介してサーバ3からオブジェクト配置指示を受信すると、ゲーム進行部251は、オブジェクト配置部254にオブジェクトの配置を指示する。
【0073】
また、ゲーム進行画面500が表示されている間に、端末通信部21を介してサーバ3から戦況反映指示を受信すると、ゲーム進行部251は、表示制御部255にゲーム進行画面500の更新を指示する。また、ゲーム進行部251は、プレイヤが個別マップでの対戦に参加している間に、端末通信部21を介してサーバ3からゲーム終了通知を受信すると、その対戦を終了させる。他の個別マップが攻略されたことを示す戦況反映指示を受信したか、又は自分の個別マップが攻略された場合には、ゲーム進行部251は、対象の個別マップが攻略されたことを全体マップテーブルにも反映させる。
【0074】
また、ゲーム進行部251は、サーバ3との間で定期的にPingを送受信し、携帯端末2がサーバ3と通信するときのレイテンシ(通信遅延)を測定する。そして、ゲーム進行部251は、その測定結果をサーバ3に送信する。
【0075】
画面作成部252は、ゲーム進行部251による指示に応じてマップ選択画面400及びゲーム進行画面500の表示データを作成し、表示部24に出力する。
【0076】
ゲーム進行部251がサーバ3から選択画面表示データを受信すると、画面作成部252は、その選択画面表示データに含まれる個別マップID及びその個別マップに対応するプレイヤIDを抽出する。そして、画面作成部252は、抽出した個別マップIDをキーとして全体マップテーブルを参照し、全体マップ上における対象の個別マップの位置を判断する。さらに、画面作成部252は、端末記憶部22に記憶されている全体マップの画像データを取得し、全体マップ上における対象の個別マップの位置に、抽出されたプレイヤの人数分のアイコン401を配置したマップ選択画面400の表示データを作成する。
【0077】
また、ゲーム進行部251がサーバ3からゲーム開始指示を受信すると、画面作成部252は、ゲーム開始指示に含まれる個別マップIDをキーとして全体マップテーブルを参照し、対象の個別マップの画像ファイル名を抽出する。また、画面作成部252は、対象の個別マップの個別マップテーブルから、その個別マップ上に配置される各敵キャラクタ等の敵キャラクタID、画像ファイル名及び配置位置を抽出する。そして、画面作成部252は、抽出された画像ファイル名に対応する個別マップ及び敵キャラクタ等の画像データを端末記憶部22から取得する。そして、画面作成部252は、抽出された配置位置に従って個別マップの画像データの上に敵キャラクタ等の画像データを配置して、ゲーム進行画面500の表示データを作成する。
【0078】
また、ゲーム進行部251がサーバ3からマップ表示データを受信すると、画面作成部252は、そのマップ表示データに含まれる兵士ID、敵キャラクタID及び配置位置を抽出する。そして、画面作成部252は、兵士テーブル及び対象の個別マップの個別マップテーブルから、その個別マップ上に配置されている兵士及び敵キャラクタ等の画像ファイル名を抽出する。そして、画面作成部252は、抽出された画像ファイル名に対応する個別マップ、兵士及び敵キャラクタ等の画像データを端末記憶部22から取得する。そして、画面作成部252は、抽出された配置位置に従って個別マップの画像データの上に兵士及び敵キャラクタ等の画像データを配置して、ゲーム進行画面500の表示データを作成する。
【0079】
マップ選択部253は、各プレイヤに複数のマップのいずれかを選択させる選択制御部の一例である。プレイヤにより操作部23を介してマップ選択画面400上の個別マップを選択する指示がなされたときに、マップ選択部253は、その個別マップの画像402、その個別マップでの対戦に参加しているプレイヤの画像403、「戦う」ボタン404及び「見る」ボタン405の画像を端末記憶部22から取得する。そして、マップ選択部253は、マップ選択画面400上にそれらの画像を配置した表示データを作成し、表示部24に出力する。
【0080】
ただし、選択された個別マップでの対戦に参加しているプレイヤの人数が上限に達している場合には、マップ選択部253は、「戦う」ボタン404をグレーアウトするなどして、プレイヤが「戦う」ボタン404を選択できないようにする。一方、選択された個別マップでの対戦に参加しているプレイヤの人数が上限に達していないときは、マップ選択部253は、プレイヤによる「戦う」ボタン404の選択操作を受け付ける。
【0081】
また、マップ選択部253は、ゲームの進行状況に応じて、各プレイヤが選択可能な個別マップを制限する。例えば、選択された個別マップの上下左右に隣接している全ての個別マップが攻略されておらず、且つ選択された個別マップが全体マップ100の外周部分に接していない場合には、マップ選択部253は、「戦う」ボタン404をグレーアウトするなどして、プレイヤが「戦う」ボタン404を選択できないようにする。一方、選択された個別マップの上下左右に隣接しているいずれか若しくは全ての個別マップが攻略されているか、又は選択された個別マップが全体マップ100の外周部分に接している場合には、マップ選択部253は、プレイヤによる「戦う」ボタン404の選択操作を受け付ける。
【0082】
なお、「見る」ボタン405については、マップ選択部253は、いずれの個別マップについてもプレイヤによる選択操作を受け付ける。
【0083】
オブジェクト配置部254は、兵士ID及びその兵士の配置位置を含むオブジェクト配置指示をゲーム進行部251がサーバ3から受信すると、その兵士IDに対応する画像ファイル名を兵士テーブルから抽出する。そして、オブジェクト配置部254は、抽出した画像ファイル名に対応する兵士の画像データを端末記憶部22から取得し、対象の個別マップ上の配置位置に兵士の画像データを配置したゲーム進行画面500を構成して、表示部24に出力する。
【0084】
また、オブジェクト配置部254は、味方の兵士と敵キャラクタの対戦により例えばいずれかの兵士又は敵キャラクタが倒されたことに応じて、サーバ3からオブジェクトを消滅させる指示を受信したときは、対応するオブジェクトをゲーム進行画面500上から消滅させる。
【0085】
表示制御部255は、各プレイヤが選択した個別マップの表示に、その個別マップとは異なる他の個別マップを選択した他のプレイヤによるゲームの進行状況を反映させる進行状況反映部の一例である。表示制御部255は、ゲーム進行画面500が表示されている間にゲーム進行部251がサーバ3から戦況反映指示を受信すると、その戦況反映指示に含まれる個別マップでのゲームの進行状況をゲーム進行画面500に反映させる。この戦況反映指示は、例えば、ゲーム進行画面500に表示されている個別マップに隣接する個別マップが他のプレイヤによって攻略されたときに、サーバ3から送信される。
【0086】
表示制御部255は、ゲーム進行部251が受信した戦況反映指示に含まれる個別マップIDを抽出し、全体マップテーブルを参照することにより、その個別マップIDに対応する個別マップと表示されている個別マップとの位置関係を判断する。そして、表示制御部255は、ゲーム進行画面500の四隅に表示されている4つの戦況表示エリア530のうち、戦況反映指示で通知された個別マップに最も近いものについての表示を変化させた表示データを作成する。例えば、表示制御部255は、図7(a)〜図8(b)に示したように、対象の戦況表示エリア530に表示されていた壁531や大砲533を壊れた壁532や壊れた大砲534に変化させた表示データを作成する。これにより、表示制御部255は、戦況反映指示で通知された個別マップが他のプレイヤにより攻略されたことを、ゲーム進行画面500の表示に反映させる。
【0087】
このように、表示制御部255は、個別マップの周縁部である戦況表示エリア530に、他の個別マップ上でのゲームの進行状況を反映させる。言い換えると、表示制御部255は、各プレイヤが選択した個別マップ上で兵士等のオブジェクトを配置可能でない領域の少なくとも一部に、他の個別マップ上でのゲームの進行状況を反映させる。
【0088】
他のプレイヤにより他の個別マップが攻略されたことに応じてサーバ3から戦況反映指示が通知されたときは、表示制御部255は、対応する方向における戦況表示エリア530の壁等の表示を、破壊された壁等の表示に変化させる。あるいは、他のプレイヤによる他の個別マップの攻略度合い(例えば、20%破壊、50%破壊、80%破壊等の戦況)に応じてサーバ3から段階的に戦況反映指示が通知される場合には、表示制御部255は、その攻略度合いに応じて戦況表示エリア530の表示を段階的に変化させてもよい。
【0089】
図9は、サーバ3の概略構成の一例を示す図である。サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ処理部33とを備える。
【0090】
サーバ通信部31は、サーバ3をインターネット7に接続するための通信インターフェース回路を備え、インターネット7との間で通信を行う。そして、サーバ通信部31は、携帯端末2等から受信したデータをサーバ処理部33に供給する。また、サーバ通信部31は、サーバ処理部33から供給されたデータを携帯端末2等に送信する。
【0091】
サーバ記憶部32は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、フラッシュメモリ、又は光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを備える。サーバ記憶部32は、サーバ処理部33での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部32は、アプリケーションプログラムとして、オブジェクトの配置制御及び動作制御を行うゲーム管理プログラム等を記憶する。また、サーバ記憶部32は、データとして、全体マップを管理する全体マップテーブル(図10(a))、全体マップを構成する各個別マップを管理する個別マップごとの個別マップテーブル(図10(b))、プレイヤが使用する味方の兵士等を管理する兵士テーブル(図10(c))、プレイヤを管理するプレイヤテーブル(図10(d))、プレイヤが使用する携帯端末2を管理する端末テーブル(図10(e))、敵キャラクタ及び味方の兵士等のオブジェクトに係る画像データ、映像データ等を記憶する。さらに、サーバ記憶部32は、所定の処理に係る一時的なデータを記憶してもよい。
【0092】
図10(a)〜図10(e)は、サーバ記憶部32に記憶される各種テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【0093】
図10(a)は、全体マップテーブルの一例を示す。図3(a)のものと同様に、全体マップテーブルには、全体マップを構成する各個別マップについて、個別マップID、画像ファイル名、配置位置、レベル、プレイ中のプレイヤのプレイヤID、その個別マップが既に攻略されたか否か等が記憶される。
【0094】
図10(b)は、個別マップテーブルの一例を示す。個別マップテーブルは個別マップごとに用意され、図3(b)のものと同様に、1つの個別マップテーブルには、その個別マップに配置される各敵キャラクタについて、敵キャラクタID、種類、画像ファイル名、レベル、配置位置等が記憶される。
【0095】
図10(c)は、兵士テーブルの一例を示す。図3(c)のものと同様に、兵士テーブルには、兵士ID、画像ファイル名、その兵士のレベル等が記憶される。
【0096】
図10(d)は、プレイヤテーブルの一例を示す。プレイヤテーブルには、ゲームシステム1に登録されている各プレイヤについて、そのプレイヤのプレイヤID、名前、画像ファイル名、レベル、そのプレイヤが所持している兵士の兵士ID及び人数等が記憶される。
【0097】
図10(e)は、端末テーブルの一例を示す。端末テーブルには、ゲームシステム1に登録されている各プレイヤについて、そのプレイヤが使用する携帯端末2の端末ID、プレイヤID、その携帯端末2とサーバ3が通信するときのレイテンシ等が記憶される。
【0098】
なお、ゲームシステム1では、図3(a)〜図3(c)と図10(a)〜図10(c)に示すように、端末記憶部22とサーバ記憶部32が同じ全体マップテーブル、個別マップテーブル及び兵士テーブルを記憶している。ただし、端末処理部25が必要に応じてこれらのテーブルの情報をサーバ3に問い合わせるような制御とすれば、これらのテーブルはサーバ記憶部32のみが記憶してもよい。
【0099】
サーバ処理部33は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部33は、例えばCPUであり、サーバ3の全体的な動作を統括的に制御する。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているプログラム等に基づいてサーバ3の各種処理が適切な手順で実行されるように、サーバ通信部31等の動作を制御する。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部33は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0100】
サーバ処理部33は、ゲーム制御部331と、開始制御部332と、オブジェクト制御部333と、表示変更指示部334とを備える。これらの各部は、サーバ処理部33が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとしてサーバ3に実装されてもよい。
【0101】
携帯端末2からサーバ通信部31を介して選択画面要求を受信すると、ゲーム制御部331は、サーバ記憶部32に記憶されている全体マップテーブルを参照し、各個別マップについて、個別マップID及びその個別マップでの対戦に参加しているプレイヤのプレイヤIDを抽出する。そして、ゲーム制御部331は、抽出した個別マップID及びその個別マップに対応するプレイヤIDを含む選択画面表示データを、選択画面要求の送信元の携帯端末2にサーバ通信部31を介して送信する。
【0102】
また、携帯端末2からサーバ通信部31を介して個別マップについてのゲーム開始要求を受信すると、ゲーム制御部331は、開始制御部332に処理の実行を指示する。
【0103】
また、携帯端末2からサーバ通信部31を介してマップ表示要求を受信すると、ゲーム制御部331は、対象の個別マップ上に現在配置されている兵士、敵キャラクタ等の兵士ID、敵キャラクタID、及びそれらの配置位置の情報を含むマップ表示データを、マップ表示要求の送信元の携帯端末2にサーバ通信部31を介して送信する。なお、ゲーム制御部331は、全体マップテーブルにおける対象の個別マップの欄に、マップ表示要求を送信したプレイヤのプレイヤIDを記憶しておく。
【0104】
また、携帯端末2からサーバ通信部31を介してオブジェクト配置要求を受信すると、ゲーム制御部331は、オブジェクト制御部333に処理の実行を指示する。
【0105】
また、ゲーム制御部331は、各個別マップについて、対戦に参加しているプレイヤが制限時間内に予め定められた割合以上の敵の陣地を破壊できたか否かを判定する。制限時間内に予め定められた割合以上の敵の陣地を破壊できた場合には、ゲーム制御部331は、同じ個別マップで戦っているか又は同じ個別マップを見ている全てのプレイヤの携帯端末2に対して、プレイヤの勝ちであることを示すゲーム終了通知を送信する。このとき、ゲーム制御部331は、表示変更指示部334に処理の実行を指示すると共に、対象の個別マップが攻略されたことを全体マップテーブルに反映させる。逆に、制限時間内に予め定められた割合以上敵の陣地を破壊できなかったか、又はプレイヤ側の全ての兵士が敵キャラクタによって倒された場合には、ゲーム制御部331は、プレイヤの負けであることを示すゲーム終了通知を対象のプレイヤの携帯端末2に送信する。
【0106】
また、ゲーム制御部331は、各携帯端末2から定期的にレイテンシの情報を受信し、その情報をサーバ記憶部32の端末テーブルに記憶する。
【0107】
開始制御部332は、ゲーム制御部331が複数のプレイヤの携帯端末2から同じ個別マップについてのゲーム開始要求を受信すると、それらの携帯端末2とサーバ3がほぼ同じタイミングでゲームを開始するように調整する。その際、開始制御部332は、ゲーム開始要求に含まれる端末IDをキーとして端末テーブルを参照して、対象の各携帯端末2のレイテンシよりも長い期間後の時点をゲームの開始時間に決定する。例えば、レイテンシが50msの携帯端末2と100msの携帯端末2から同じ個別マップについてのゲーム開始要求を受信した場合には、開始制御部332は、現時点から200ms経過後をゲームの開始時間に決定する。そして、開始制御部332は、対象のプレイヤID、個別マップID及び決定した開始時間を含むゲーム開始指示を、ゲーム開始要求の送信元の各携帯端末2にサーバ通信部31を介して送信する。開始制御部332は決定した開始時間後にゲームを開始し、ゲーム開始指示を受信した各携帯端末2は、通知された開始時間から各自のレイテンシを引いた時間後にゲームを開始する。また、開始制御部332は、全体マップテーブルにおける対象の個別マップについて、対戦に参加したプレイヤのプレイヤIDを追加する。
【0108】
オブジェクト制御部333は、ゲーム制御部331が携帯端末2からオブジェクト配置要求を受信すると、同じ個別マップで戦っているか又は同じ個別マップを見ている各プレイヤの携帯端末2にほぼ同じタイミングでオブジェクト(兵士)が配置されるように調整する。その際、オブジェクト制御部333は、全体マップテーブルを参照することにより、オブジェクト配置要求を送信したプレイヤと同じ個別マップで戦っているか又はその個別マップを見ている全てのプレイヤのプレイヤIDを抽出する。そして、オブジェクト制御部333は、端末テーブルを参照して、抽出した各プレイヤIDに対応する各携帯端末2のレイテンシよりも長い期間後の時点を、要求されたオブジェクトの配置時間に決定する。例えば、同じ個別マップで戦っているか又は同じ個別マップを見ている2人のプレイヤの携帯端末2のレイテンシが50msと100msである場合には、オブジェクト制御部333は、現時点から200ms経過後を、要求されたオブジェクトの配置時間に決定する。
【0109】
また、オブジェクト制御部333は、オブジェクト配置要求に含まれていた兵士ID及びその配置位置を抽出する。そして、オブジェクト制御部333は、対象の兵士ID、配置位置及び決定した配置時間を含むオブジェクト配置指示を、オブジェクト配置要求を送信したプレイヤと同じ個別マップで戦っているか又はその個別マップを見ている各プレイヤの携帯端末2に、サーバ通信部31を介して送信する。オブジェクト制御部333は決定した配置時間後に対象の兵士を配置し、オブジェクト配置指示を受信した各携帯端末2は、通知された配置時間から各自のレイテンシを引いた時間後に対象の兵士を配置する。
【0110】
また、オブジェクト制御部333は、各個別マップ上に現在配置されているオブジェクトの動作を制御する。このために、オブジェクト制御部333は、一定の時間間隔で、各個別マップ上に現在配置されている全てのオブジェクトについて、時間経過による移動先(新たな配置位置)を算出する。そして、オブジェクト制御部333は、各兵士の兵士IDと、各敵キャラクタの敵キャラクタIDと、それらの新たな配置位置とを含むオブジェクト配置指示を、同じ個別マップで戦っているか又は同じ個別マップを見ている全てのプレイヤの携帯端末2に、サーバ通信部31を介して送信する。
【0111】
また、オブジェクト制御部333は、味方の兵士と敵キャラクタの対戦により、例えばいずれかの兵士が倒されたか否かを判定する。そして、いずれかの兵士が倒された場合には、その兵士をゲーム進行画面500から消滅させる指示を、上記のオブジェクト配置指示に含める。
【0112】
表示変更指示部334は、ある個別マップが攻略されたときに、全体マップテーブルを参照して、その個別マップに隣接する個別マップの個別マップID、及び隣接する個別マップで戦っているか又はその個別マップを見ているプレイヤのプレイヤIDを抽出する。そして、表示変更指示部334は、抽出されたプレイヤIDの携帯端末2に、その隣接する個別マップが攻略されたことを示す戦況反映指示を送信する。なお、表示変更指示部334は、個別マップが攻略されたときに限らず、各個別マップの攻略度合いに応じて、その個別マップに隣接する他の個別マップで戦っているか又はその個別マップを見ているプレイヤの携帯端末2に、段階的に戦況反映指示を送信してもよい。
【0113】
また、表示変更指示部334は、攻略された個別マップに隣接する他の個別マップに限らず、攻略された個別マップに隣接しない(2マップ以上離れた)他の個別マップで戦っているか又はその個別マップを見ているプレイヤの携帯端末2にも、戦況反映指示を送信してもよい。これにより、例えば、隣接していない離れた個別マップにおけるプレイヤが爆弾等を打ち込んだ結果が、対象の個別マップにおける戦況表示エリア530の表示に反映されるようにしてもよい。
【0114】
図11は、携帯端末2とサーバ3の動作例を示すシーケンス図である。携帯端末2の動作は、予め端末記憶部22に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部25により、携帯端末2の各要素と協働して実行される。また、サーバ3の動作は、予めサーバ記憶部32に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部33により、サーバ3の各要素と協働して実行される。図11では、同じ個別マップで戦っているか又は同じ個別マップを見ている2人のプレイヤA,Bの携帯端末を携帯端末2A,2Bと表し、その個別マップに隣接する他の個別マップで戦っているか又はその個別マップを見ているプレイヤCの携帯端末を携帯端末2Cと表す。
【0115】
まず、携帯端末2Aは、プレイヤAによる操作に応じて選択画面要求をサーバ3に送信する(ステップS1)。サーバ3は、これに応じて選択画面表示データを携帯端末2Aに送信し(ステップS2)、携帯端末2Aは、受信した選択画面表示データに基づきマップ選択画面400を表示部24に表示する(ステップS3)。携帯端末2Bとサーバ3の間でも、同様に選択画面要求と選択画面表示データがやり取りされて、携帯端末2Bの表示部24にもマップ選択画面400が表示される(ステップS4〜S6)。
【0116】
そして、プレイヤA,Bが、各自の携帯端末2A,2Bに表示されているマップ選択画面400上で同じ個別マップを選択して「戦う」ボタン404を操作すると、携帯端末2A,2Bは、それぞれゲーム開始要求をサーバ3に送信する(ステップS7,S8)。すると、サーバ3では、開始制御部332が、携帯端末2A,2Bのレイテンシに基づき、ゲームを開始するタイミングを決定する(ステップS9)。そして、サーバ3は、ゲームの開始時間の情報を含むゲーム開始指示を、携帯端末2A,2Bに送信する(ステップS10,S11)。
【0117】
これにより、携帯端末2A,2Bとサーバ3は、プレイヤA,Bからの指示に応じて、対象の個別マップについてのゲームを進行させる(ステップS12〜S14)。ここで、プレイヤAがゲーム進行画面500上に兵士を配置する指示を行うと、携帯端末2Aは、オブジェクト配置要求をサーバ3に送信する(ステップS15)。すると、サーバ3では、オブジェクト制御部333が、携帯端末2A,2Bのレイテンシに基づき、オブジェクト(兵士)を配置するタイミングを決定する(ステップS16)。そして、サーバ3は、オブジェクトの配置時間の情報を含むオブジェクト配置指示を、携帯端末2A,2Bに送信する(ステップS17,S18)。その後も、携帯端末2A,2Bとサーバ3は、プレイヤA,Bからの指示に応じて、対象の個別マップについてのゲームを進行させる(ステップS19〜S21)。
【0118】
そして、対象の個別マップがプレイヤA,Bにより攻略されると、サーバ3は、ゲーム終了通知を携帯端末2A,2Bに送信する(ステップS22,S23)。一方、対象の個別マップに隣接する他の個別マップでは、プレイヤCからの指示に応じて、携帯端末2Cがゲームを進行させている(ステップS24)。サーバ3は、プレイヤA,Bの個別マップに隣接する他の個別マップのプレイヤCの携帯端末2Cに、プレイヤA,Bの個別マップが攻略されたことを示す戦況反映指示を送信する(ステップS25)。これにより、プレイヤA,Bの個別マップが攻略されたというゲームの進行状況を反映して、携帯端末2Cは、ゲーム進行画面500内の戦況表示エリア530の表示を変化させる(ステップS26)。以上で、ある個別マップを選択したプレイヤによるゲームの進行状況を他のプレイヤの個別マップの表示に反映させる動作は終了する。
【0119】
以上説明してきたように、ゲームシステム1が提供するゲームでは、例えば、第1のプレイヤが第1のマップを選択し、第2のプレイヤが第2のマップを選択した場合に、第1のプレイヤがプレイしている第1のマップの表示に、第2のプレイヤが第2のマップを攻略した結果を反映させる。これにより、ゲームシステム1では、各プレイヤが他のマップでのゲームの進行状況を把握できるようになり、複数のプレイヤが一体感をもち連携してゲームをプレイすることが可能になる。
【0120】
なお、上記の説明では、各個別マップの攻略の難易度を示すレベルは予め全体マップテーブルで定められているものとして説明したが、上下左右方向に隣接する個別マップが攻略されているか否かに応じて、中心の個別マップの攻略の難易度を変化させてもよい。例えば、上下左右方向に隣接する4つの個別マップのうちで未攻略のものが多いほど、中心の個別マップの攻略の難易度を高くしてもよい。この場合、ゲームの進め方として、時間をかけて中心拠点110の周囲の個別マップを攻略して中心拠点110での対戦を有利に進めるか、又は、全体マップの外側から直線的に進んで早く中心拠点110を攻略するかなど、様々な作戦が考えられる。このため、ゲームをより奥深いものにすることが可能になる。
【0121】
また、1つの個別マップでの対戦に参加しているプレイヤのレベルによって、その個別マップの攻略の難易度を変化させてもよい。例えば、プレイヤのレベルが高いほど、個別マップの面積をより大きくし、登場する敵キャラクタをより強力にするなどして、その個別マップの攻略の難易度を高くしてもよい。
【0122】
また、マップ選択画面400又はゲーム進行画面500上に、各個別マップの攻略の難易度を表示してもよいし、難易度の表示を行わなくてもよい。難易度の表示があれば、例えば簡単なものから難しいものを順に攻略していくなど、各プレイヤは、個別マップの選択の順序を考えることができる。このため、難易度の表示の有無により、異なるゲーム性を与えることが可能になる。
【0123】
あるいは、各個別マップを攻略するとプレイヤがアイテムを獲得できるようにしてもよい。この場合、個別マップごとに、獲得できるアイテムの種類や個数を変化させてもよい。また、どの個別マップでどのアイテムを獲得できるかということをプレイヤに明示してもよい。これにより、どのような経路で敵拠点を攻めるのがよいかという作戦を立てる楽しみをプレイヤに与えることができ、ゲームの嗜好性を高めることが可能になる。
【0124】
なお、端末処理部25及びサーバ処理部33が備える各機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、半導体記録媒体、磁気記録媒体、光記録媒体等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供され、その記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて端末記憶部22及びサーバ記憶部32にインストールされてもよい。
【0125】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0126】
1 ゲームシステム
2 携帯端末
21 端末通信部
22 端末記憶部
23 操作部
24 表示部
25 端末処理部
251 ゲーム進行部
252 画面作成部
253 マップ選択部
254 オブジェクト配置部
255 表示制御部
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ記憶部
33 サーバ処理部
331 ゲーム制御部
332 開始制御部
333 オブジェクト制御部
334 表示変更指示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11