【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。
ここで、
図1は、本願発明のドレントラップ全体を示した図であり、
図2は、本願発明の弁座が閉じた直後でフロートの浮く水面が最下位から上昇する直前の状態を示した図であり、
図3は、本願発明の弁座が閉じてから開く直前でフロートの浮く水面が最上位の状態を示した図であり、
図4は、本願発明の弁座が開いた直後でフロートの浮く水面が最上位から下降する直前の状態を示した図であり、
図5は、本願発明の弁座が開いてから閉じる直前でフロートの浮く水面が最下位の状態を示した図であり、
図6は、本願発明の弁座が閉じてフロートの浮く水面が最上位を示した状態と弁座が開いてフロートの浮く水面が最下位を示した状態を重ねた図であり、
図7は、本願発明の開閉弁及びフロートの各揺動範囲に於ける限界でのねじりコイルバネの端部の長さと巻角度の関係を示した図であり、
図8は、本願発明のねじりコイルバネの端部の長さと巻角度の関係を示した図であり、
図9は、本願発明の弁座が閉じてから開く直前でフロートの浮く水面が最上位に於けるバルブ揺動軸周りの力の状況を示した図であり、
図10は、願発明の弁座が開いてから閉じる直前でフロートの浮く水面が最下位に於けるバルブ揺動軸周りの力の状況を示した図であり、
図11は、本願発明の弁座が閉じた直後でフロートの浮く水面が最下位から上昇する直前に於けるフロート揺動軸周りの力の状況を示した図であり、
図12は、本願発明の弁座が開いた直後でフロートの浮く水面が最上位から下降する直前に於けるフロート揺動軸周りの力の状況を示した図であり、
図13は、本願発明のアームストッパーを示した図であり、
図14は、本願発明の別のアームストッパーを示した図であり、
図15は、本願発明のウエイトに付設した下限ストッパーを示した図であり、
図16は、本願発明の別のウエイトに付設した下限ストッパーを示した図であり、
図17は、本願発明のねじりコイルバネ両端部の抜け防止を示した図であり、
図18は、本願発明のねじりコイルバネのバルブアーム側端部の抜け防止を示した図であり、
図19は、本願発明のフロート式ドレントラップに於ける弁座の開閉または開閉弁のバネ軸受の位置と水面の位置またはフロート上昇及び下降によるフロートの孔の位置との関係を示した図であり、
図20は、本願発明のフロート式ドレントラップに於けるドレン水の流量と経過時間の関係を示した図であり、
図21は、第二の発明の全体構成図であり、
図22は、第二の発明のドレントラップ全体を示した図であり、
図23は、第二の発明のドレントラップ内部の構成図であり、
図24は、第二の発明の弁座が閉じた直後でフロートの浮く水面が最下位から上昇する直前の状態を示した図であり、
図25は、第二の発明の弁座が開いて以降の水面が下降する状態を示した図であり、
図26は、第三の発明のフロートと開閉弁の組付け前の図であり、
図27は、第三の発明のフロートと開閉弁の組付け後の図であり、
図28は、第三の発明のフロートと開閉弁の組付け後のA−A断面図であり、
図29は、第三の発明のフロートと開閉弁の組付け後の正面図であり、
図30は、第四の発明のフロートが最上位に位置していて弁座が開く直前の状態を示した図であり、
図31は、第四の発明のフロートが最下位に位置していて弁座が閉じる直前の状態を示した図であり、
図32は、第五の発明の全体の構成図であり、
図33は、第五の発明の全体の側面図であり、
図34は、第五の発明の弁座が閉じてドレン水が流入しフロートが上昇中の状態を示した図であり、
図35は、第五の発明の弁座が閉じてから開く直前のフロートが最上位の状態を示した図であり、
図36は、第五の発明の弁座が開いてドレン水が排水されフロートが下降中の状態を示した図であり、
図37は、第五の発明の弁座が開いて閉じる直前のフロートが最下位の状態を示した図である。
【実施例1】
【0027】
先ず、
図1に見られるように、1はドレントラップであって、内側に圧縮空気と共にドレン水を溜めている一方、ドレン水を流す弁座15を位置させている略球形状のカバー10と、フロート本体21及びフロートアーム22及びバネアーム23等を一体に構成していて、内側に溜まったドレン水の増減に合わせてフロート揺動軸73を中心に揺動することによって上下するフロート20と、弁座15を開閉する弁体51及びバルブアーム52等を一体に構成していて、バルブ揺動軸72を中心に揺動する開閉弁50とを一体に構成している。 更に、フロート20のバネアーム23の先端に形成されていて、フロート20側の接続部20aでもある孔20aと、開閉弁50のバルブアーム52の他端に位置している、開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53とは、バネ60やゴム60を含む弾性体60でありその一例としてねじりコイルバネ60を介して一体となって接続している。 尚、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60とフロート20及び開閉弁50の接続部20a、53は、揺動及び移動自由に構成されている。
【0028】
これ等の構成を更に詳細に述べると、カバー10は、略半球状である第一カバー11及び第二カバー12と、Oリング13と、ドレントラップ1内のドレン水を残すことなく排出したい時に使用する盲栓14と、内側に溜まったドレン水を外部に排出する際の流路となる弁座15と、フロート揺動軸73を位置させるフロートブラケット71y、71Ayやバルブ揺動軸72を位置させる弁体ブラケット71xを一体にした一体ブラケット71、71Aと、開閉弁50の動きに制限を加えフロートブラケット71y、71Ayに位置しているバルブアームストッパー74、71Ayaと、具体的に図示されていないボルト等によって球形またはそれに近い形状で一体に構成されている。 そして、カバー10の最上部の近傍に形成されている流入口10aと、側壁の比較的底部に近い下側に形成されている排出口10bを除いて、Oリング13によってドレン水が洩れないように完全に密閉された状態になっている。 尚、Oリング13はパッキンや液体パッキンを使用することも考えられる。
【0029】
この場合、流入口10aからは、圧縮空気とドレン水の気液混合流体が流入するようになっている。 また、排出口10bからは、分離されたドレン水が排出されるようになっている。 更に、ドレン水を外部に排出するのは、カバー10側壁の排出口10bに繋がっている弁座15を、開閉弁50の弁体51によって開放することで行っている。
【0030】
そして、開閉弁50の弾性体60と接続している反対側の端部は、バルブ揺動軸72を介して弁体ブラケット71xに位置すると同時に、バルブ揺動軸72を中心に揺動することが可能であり、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の圧縮力によって揺動するが、弁座15全開時の位置を定めるためにバルブアームストッパー74、71Ayaを必要としている。 その為には、
図13に見られるように、フロートブラケット71yに子ネジによる小ネジ式ストッパー74が考えられる。 また、
図14に見られるように、フロートブラケット71Ayにベロを位置させ曲げ込んで一体となっているベロ式ストッパー71Ayaも考えられる。
【0031】
そして、弁座15には雄ネジが加工されていて、カバー10の雌ネジと締結するようにしている。 更に、弁座15とカバー10の間には、シールテープやOリングやシール材等によって、貯留されているドレン水がカバー10の内側から外側に洩れないように配慮されている。 また、弁座15の内径に関しては、ドレントラップ1から排出される時間当たりのドレン水の量を決める規準となるが、ドレントラップ1をコンパクトにする為になるべく小径にしたく、またドレン水に含まれる鉄錆や磨耗粉やその他各種の異物等の排出を考えると出来る限り大径にしたく、結果として0.8〜3.0mm程度に設定している。
【0032】
所で、一体ブラケット71、71Aに関しては、
図1に見られるように、弁座15によってカバー10に固定している。 そして、フロートブラケット71y、71Ayは弁座15の上部に、弁体ブラケット71xは弁座15の下部に位置させている。 但し、弁体ブラケット71xとフロートブラケット71y、71Ayは、一体ブラケット71、71Aとして一体に構成しなくても、別個に構成してカバー10に個々に位置させても構わない。 更に、バルブ揺動軸72とバルブアームストッパー74、71Ayaとフロート揺動軸73の位置関係としては、バルブ揺動軸72を中心に揺動する開閉弁50の弁体51による弁座15の開閉と、バルブ揺動軸72の動作を制限するバルブアームストッパー74、71Ayaと、フロート揺動軸73を中心に揺動するフロート20の目的から、記載の順で弁座15に近く位置させることが望ましい。 尚、一体ブラケット71、71Aの固定に関しては、弁座15の近傍に固定するのであれば、弁座15によるものでも無くとも、別の物を使用した他の方法によるものであっても構わない。
【0033】
ここで、ブラケット70の構成としては、弁体ブラケット71xとフロートブラケット71yより成る一体ブラケット71と、バルブ揺動軸72と、フロート揺動軸73と、バルブアームストッパー74であり、ブラケット70Aの構成としては、弁体ブラケット71xとフロートブラケット71Ayより成る一体ブラケット71Aと、バルブ揺動軸72と、フロート揺動軸73であり、フロートブラケット71Ayにはバルブアームストッパー71Ayaを形成している。
【0034】
また、バルブ揺動軸72に関しては、開閉弁50の一部である弁体51によって弁座15を開閉する関係から、弁体51と端部であり揺動の中心となっているバルブ揺動軸72の距離を出来る限り短くすると弁体51を移動させる力を大きくすることが出来るということから、弁座15の近傍に位置させるのが最善という考えのもとに、その結果としてフロート揺動軸73とバルブ揺動軸72の両者を一体ブラケット71、71Aに位置させている中で、一体ブラケット71、71Aを弁座15によってカバー10に固定することで弁座15の近傍に位置させていたのである。
【0035】
尚、開閉弁50に関しては、一端にバルブ揺動軸72を位置させ他端に開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53を固定したバルブアーム52と、バルブアーム52のバルブ揺動軸72の近傍に固定して弁座15の開閉を行う弁体51から構成されたものであり、バルブ揺動軸72を中心として揺動させることが可能なようになっている。 一方、弁体51に関しては、弁座15に接する面が平面であり、一例として円柱や円錐台の形状をした、材料としてゴム製や柔らかいプラスチック製のものが考えられる。
【0036】
さて、本発明に於いては、浮力を発生させるフロート20から弁座15を開閉する開閉弁50に至る力の伝達を、フロート20側の接続部20aである孔20a及び開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53の部分で接続している、バネ60やゴム60を含む弾性体60でありその一例としてねじりコイルバネ60の圧縮力を使用することで達成している。 特に、バルブ揺動軸72と、弁体51及びバルブアーム52及びバネ軸受53を構成した開閉弁50と、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60と、孔20aを形成したバネアーム23及びフロートアーム22及びフロート本体21を構成したフロート20と、フロート揺動軸73を一体に、揺動及び移動自由に連結することによって、バルブ揺動軸72とバネ軸受53とを結んだ仮想線Aを境界として、孔20aがフロート本体21側に位置している場合には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の力をバネ軸受53からバルブアーム52に伝達し、それによって弁座15を閉じる方向に押し、孔20aがフロート本体21の反対側に位置している場合には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の力をバネ軸受53からバルブアーム52に伝達し、それによって弁座15を開く方向に押していることが本願発明の最大のポイントである。
【0037】
従って、
図2〜
図7に於いては、バルブ揺動軸72を中心に揺動する開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53、及びフロート揺動軸73を中心に揺動するフロート20側の接続部20aでもある孔20aによって示される軌跡が点線で示した二つの円であり、そこに示された各位置が存在することによってこそ本発明が達成されるのである。
【0038】
そして、バネ60やゴム60を含む弾性体60に関しては、本実施例に於いては、ねじりコイルバネ60で説明を進めているが、押し縮められたバネ力や弾性力を使用することが可能であるならば、一般的なコイルバネを使用しても、板バネをU字状に曲げたものを使用しても、その他のバネを使用しても構わない。 また、弾性力を使用することが出来れば、ゴム60を使用することも可能であり、バネやゴムに限定する必要はない。
【0039】
更に、
図17に見られるように、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60に於いて、フロート20のバネアーム23に形成されているフロート20側の接続部20aでもある孔20a側の端部を、C型、U型、またはV型に形成することで孔20aに対する取付を、開閉弁50を構成しているバルブアーム52の開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53側の端部をストレートに形成することでバネ軸受53に差し込む事を可能とし、それによってフロート20や開閉弁50を円滑に揺動させながら接続の役目を果たしている。 一方、別の方法として、開閉弁50を構成しているバルブアーム52の端部に、バネ軸受53に替えて孔を形成し、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の開閉弁50側の端部を、C型、U型、またはV型に形成することも考えられる。
【0040】
そして、バネ軸受53に差し込まれるねじりコイルバネ60を含む弾性体60のスラスト方向に対する移動のうち、差し込み側に対する抜け出しは、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60のばね力で防がれている。 また、反差し込み側に対する抜け出しは、バネ軸受53の端部に設けられたベロ式ストッパー53xによって拘束され、スラスト方向の抜けを防止している。 加えて、別の差し込み側に対する抜け出しは、
図18に見られるように、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60のストレート部にE止め輪式ストッパー61を装着するということも考えられる。
【0041】
一方、フロート20は、カバー10の内部に貯留されているドレン水に浮いていることによってドレン水の増減で上下するフロート本体21と、一端にフロート揺動軸73を位置させ他端にフロート本体21を固定しているフロートアーム22と、フロートアーム22の途中から一体となっているのバネアーム23と、この場合バネアーム23の端部にねじりコイルバネ60を含む弾性体60を接続することが可能にフロート20側の接続部20aでもある孔20aを形成した状態で、更にウエイト24から構成されたものであり、フロート揺動軸73を中心として揺動させることが可能であり、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60を接続して同時に揺動するようになっている。
【0042】
ところで、フロート本体21に関しては、薄い金属板で球形のフロート本体21を作ってウエイト24、24Aで調整したり、発泡性樹脂で発泡倍率を調整してフロート本体21を作って更にウエイト24、24Aで調整したりして、全重量と浮力に関係する比重と体積に配慮しながら選択している。 また、全重量と比重と体積を併せて検討し、プラスチックを材料にして、時には成形することも考えられる。
【0043】
尚、ウエイト24、24Aと兼用させて、
図15や
図16に見られるように、カバー10の内壁の側面や底部に接するように、下限ストッパー24a、24Aaを形成させている。 この場合、下限ストッパー24a、24Aaに関しては、絶対に必要なものではないが、何等かの理由でフロート20が最下位から下がろうとする場合の安全装置の役目をはたしている。 同時に、具体的に示していないが、
図1に見られる孔20aの左上に、カバー10の内壁の上側面に接するように、上限ストッパーを位置させることも考えられる。
【0044】
この場合、フロートアーム22には、一端をフロートブラケット71yに位置しているフロート揺動軸73に揺動可能に接続していて、他端にはフロート本体21がフロートアーム22と一体になって動くように、溶接やろう付けや接着剤やボルト・ナット等の方法によって固定している。 従って、フロート20は、カバー10の内側に溜まったドレン水の増減に合わせてフロート揺動軸73を中心に揺動しながら、上下するようになっている。 更に、フロートアーム22の途中からは、バネアーム23がフロート本体21と一体となって、フロートアーム22やフロート本体21と一緒になって動くように、溶接やボルト・ナットで固定されている。 そして、バネアーム23の先端には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60を接続することが可能なようにフロート20側の接続部20aでもある孔20aを形成した形で、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60と共に一体になって揺動するように構成されている。
【0045】
更に、
図6には、開閉弁50とフロート20の移動を含め、バルブ揺動軸72と開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53を結ぶ仮想線Aと、フロート揺動軸73とフロート20側の接続部20aでもある孔20aを結ぶ仮想線Bに於ける、弁座15の開閉、及びフロート20の移動に際しての限界である位置を示した最上位と最下位に到達した状況を示している。 そして、実態としては仮想線Aに位置するバルブ揺動軸72は、弁座15を閉じている際の仮想線A1と、弁座15を開いている際の仮想線A2の、二つの位置を瞬間的に移動している。 更に、フロート20に形成されているフロート20側の接続部20aでもある孔20aの移動する軌跡を円弧で示しているが、移動する範囲としてはフロート20が最下位での仮想線B1とフロート20が最上位での仮想線B2の間に限定される。
【0046】
従って、全体としては、開閉弁50を構成している弁体51が弁座15を閉じて開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53も仮想線A1上に静止した中で、接続しているねじりコイルバネ60を含む弾性体60の反対側に在りフロート20に形成されているフロート20側の接続部20aでもある孔20aは、フロート揺動軸73を中心に仮想線B1と仮想線B2の間を移動するようになっている。
【0047】
また、開閉弁50を構成している弁体51が弁座15を開いて開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53も仮想線A2上に静止した中で、接続しているねじりコイルバネ60を含む弾性体60の反対側に在りフロート20に形成されているフロート20側の接続部20aでもある孔20aは、フロート揺動軸73を中心に仮想線B1と仮想線B2の間を移動するようになっている。
【0048】
本発明による、フロート式ドレントラップおよびドレン水の排出方法は前述したように構成されており、以下にその動作について説明する。
【0049】
先ず、
図19は、本願発明のフロート式ドレントラップに於ける弁座の開閉または開閉弁のバネ軸受の位置と水面の位置またはフロート上昇及び下降によるフロートの孔の位置との関係を示した図であり、
図20は、本願発明のフロート式ドレントラップに於けるドレン水の流量と経過時間の関係を示した図であるが、
図19に見られるように、水面は、ドレン水の流入と流出に従って上昇及び下降し、それに伴ってフロート20も上昇及び下降するが、弁座15に関しては、開閉の二つの状態(更に具体的に述べると、瞬間的に開閉の状態を)を保持するだけであるという事を示している。 即ち、実線は、その全途中過程を意味を持って忠実に経過して行くのであるが、点線は、瞬間的に経過することを意味している。
【0050】
ここで、
図19に於いて意味するところは、弁座51の開閉、及び開閉弁50の開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53の位置と、水面の位置、及びフロート20の上昇及び下降によるフロート20を形成しているフロート20側の接続部20aでもある孔20aの位置との関係を示していて、
図6に見られるように、フロート揺動軸73と孔20aとを結んだ仮想線Bで考えた時、孔20aの軌跡は、最下位の水面では仮想線B1の上に、最上位の水面では仮想線B2の上に位置するように設定されている。 即ち、孔20aは仮想線B1と仮想線B2の間を移動するようになっているのである。
【0051】
そして、フロート20を形成しているフロート20側の接続部20aでもある孔20aと、開閉弁50を構成している開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53の、二つの円弧による軌跡が三日月を描く中で、従って開閉弁50を構成しているバネ軸受53の位置を、孔20aの軌跡に重ねて見て、バルブ揺動軸72とバネ軸受53とを結んだ仮想線Aで考えた時、バネ軸受53の軌跡は、弁座15を閉じている際に仮想線A1を形成し、弁座15を開いた瞬間の開閉弁50がアームストッパー74、71Ayaに跳ね飛ばされた際には仮想線A2を形成するように配慮されていて、弁座15を閉じた際には仮想線A1と開いた際には仮想線A2の二点の間を瞬時に移動している。 結果として、
図6から明らかなように、仮想線A1と仮想線A2は、仮想線B1と仮想線B2の間に位置させている。 従って、孔20aは、水面が最下位から最上位に変動するに従って、仮想線B1、仮想線A2、仮想線A1、仮想線B2の順に、位置したり横切ったりしているのであり、この内容を、
図19に示したのである。
【0052】
この内容を、一連の動作に沿って少し詳細に述べると、
図19で、▲1▼に於いては、水面が最下位であり、従ってフロート20も最下位であり、孔20aは仮想線B1上に位置していて、弁座15を閉じた状況を示していて仮想線A1を成し、これは
図2に示されている。 そして、▲1▼から▲3▼に至る間は、弁座15の閉じている中で開閉弁50が静止した状態のまま仮想線A1を成し、ドレン水が流入し、水面が上昇し、それに伴ってフロート20が上昇する。 ここで、▲2▼に於いては、開閉弁50に働くバネ60やゴム60を含む弾性体60でありその一例としてねじりコイルバネ60からの弾性力による力の方向だけで見たときに、孔20aは仮想線A1を横切って以降は、弁体51が弁座15を閉じた状態から開いた状態に移行する境界となっているのであるが、その他の力を含めて弁座15は、閉じたままとなっている。
【0053】
次に、▲3▼に於いては、水面が最上位となり、従ってフロート20も最上位であり、孔20aは仮想線B2上に位置していて、弁座15を閉じた状況を示していて仮想線A1を成し、これは
図3に示されている。 そして、▲3▼に到着すると、一瞬にして弁座15を開いて、▲4▼に至るのである。
【0054】
そして、▲4▼に於いては、水面が最上位の中で、従ってフロート20も最上位の中で、孔20aは仮想線B2上に位置していて、弁座15を開いた状況を示していて仮想線A2を成し、これは
図4に示されている。 そして、▲4▼から▲6▼に至る間は、弁座15の開いている中で開閉弁50が静止した状態のまま仮想線A2を成し、ドレン水が流出し、水面が下降し、それに伴ってフロート20が下降する。 ここで、▲5▼に於いては、開閉弁50に働くねじりコイルバネ60を含む弾性体60からの弾性力による力の方向だけで見たときに、孔20aは仮想線A2を横切る、弁体51が弁座15を開いた状態から閉じた状態に移行する境界となっているのであるが、その他の力を含めて弁座15は、開いたままとなっている。
【0055】
最後に、▲6▼に於いては、水面が最下位となり、従ってフロート20も最下位であり、孔20aは仮想線B1上に位置していて、弁座15を開いた状況を示していて仮想線A2を成し、これは
図5に示されている。 そして、▲6▼に到着すると、一瞬にして弁座15を閉じて、▲1▼に至るのである。 この様にして、▲1▼〜▲6▼の動作が何回も繰返されていくのである。 また、
図19に見られるように、弁座15の開閉と、水面の位置は、ヒステリシスループを起こす関係にあると言うことが出来るのであり、それによって間歇的な高速の流出が可能となるのである。
【0056】
尚、フロート20と開閉弁50の間をねじりコイルバネ60を含む弾性体60で接続することによって、
図19と
図20に見られるように、ドレン水が連続して流入する中で弁座15を瞬時に閉じてその状態を保持し、流出に関しても弁座15を瞬時に開いて、間歇的に勢いよく流出させることが出来るよになっているのである。
【0057】
そしてその理由は、
図2〜
図5を通して見たとき、バルブ揺動軸72と開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53とを結んだ仮想線Aを、結果として本願発明のここでの実施例に於いては、仮想線A1と仮想線A2の間を瞬時に移動することで二個所に限定されるのであるが、仮想線Aを境界として、フロート20を形成しているフロート20側の接続部20aでもある孔20aがフロート本体21側に位置している場合には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の力をバネ軸受53からバルブアーム52に伝達し、それによって弁座15を閉じる方向に押しているのであり、孔20aがフロート本体21の反対側に位置している場合には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の力をバネ軸受53からバルブアーム52に伝達し、それによって弁座15を開く方向に押しているのであり、開閉弁50が弁座15を瞬時に閉じるように作用させたり開くように作用させているためである。 この事によって、ドレン水に含まれたり、またドレントラップ1に滞留している各種のゴミを、ドレン水の排出と同時に容易に排出することが可能となっているのである。
【0058】
但し、仮想線Aの位置としては、前述の内容に於いては、仮想線A1と仮想線A2の二個所に限定しているが、弁座15を半分開放するという意味から、バルブアームストッパー74、71Ayaの途中に中間ストッパーを設け、弁座15近傍の圧力を使用して中間ストッパーを外して仮想線A2に移動させるということも考えられる。
【0059】
結果として、弁座15が、半開きの状態でなくきちんと完全な状態で開閉されることによって、
図20に見られるように、常に流入するドレン水に対し、一定の間隔を持って流出させることが可能となったのである。
【0060】
更に、本願発明のドレントラップ1に関し、ドレン水の増減に応じた動きの中で、バネ60やゴム60を含む弾性体60でありその一例としてねじりコイルバネ60の弾性力を中心として特徴ある状態を示した各内容を述べる。
【0061】
先ず、
図2は、フロート20を構成しているフロート本体21が最下位から上昇する直前であり、ドレン水が排出された直後であって、開閉弁50の弁体51によって弁座15が閉じた直後を示したものである。 この場合、この状態は、押し縮めることによりバネ力を伝達しているねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さを示しているものであり、別の形で表現するとフロート20を形成しているフロート20側の接続部20aでもある孔20aの中心と開閉弁50を構成している開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ軸受53の中心の長さを示しているものであって、フロート揺動軸73と孔20aを結ぶ仮想線Bの中で、フロート本体21が最下位ということから定まった仮想線B1に位置し、バルブ揺動軸72とバネ軸受53を結ぶ仮想線Aの中で、弁座15が開閉弁50によって閉じているということから定まった仮想線A1に位置し、従ってねじりコイルバネ60を含む弾性体60端部の長さも、弁座15を閉じることが出来るバネ力を伝達することが可能なそれなりの長さを示しているのである。
【0062】
そして、
図7、
図8に見られるように、バネ60やゴムを含む弾性体60でありその一例としてねじりコイルバネ60で考えた時、これから示す三つの状態を含めて四つの状態で比較した場合に、バネの巻角度(ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さや、孔20aとバネ軸受53間の長さに代えて)で示すことが可能であり、フロート本体21が最下位で弁座15を閉じたθ1は、一番小さい巻角度を、一番小さい圧縮力(一番小さいバネ力)を、一番大きい長さを示しているのである。 尚、ここに示した状態は、
図19に見られるように、弁座15が閉じてフロート本体21が最下位である▲1▼に相当している。
【0063】
ここで、
図2に見られるように、弁座15が閉じた直後で、フロート本体21の浮いている水面が最下位に於ける、フロート揺動軸73周りの力の状況としては、
図11に示した通りである。 結論として〔数1〕を満足させることによって、フロート20が上昇することになるのである。
【0064】
【数1】
但し、R3 :フロート揺動軸73から孔20aまでの揺動半径
Lwf1:フロート揺動軸73からフロート20の重心までの水平距離
Lv1 :フロート揺動軸73からフロート20の浮力荷重点までの水平距離
V :フロート20の浮力
Fb2 :孔20aから伝達されるネジリコイルバネ60のバネ力
Wf :フロート20の重量
γ :フロート揺動軸73と孔20aとを結ぶ仮想線B1とねじりコイルバネ60の両端である孔20aとバネ軸受53とを結ぶ線によって形成される角度
【0065】
従って、〔数1〕の式が満足されることによって、フロート20を形成している孔20aが、仮想線B1から仮想線B2に向けて円弧の軌跡を描いて上昇しようとすることが可能となるのである。 この場合、〔数1〕の式は、フロート20が上昇する途中の過程でも使用することが可能であり、フロート揺動軸からフロートの重心までの水平距離Lwf1と、フロート揺動軸からフロートの浮力荷重点までの水平距離Lv1に関しては、
図11に於いては、フロートアーム22が水平に在るような状況で示しているが、フロート20が上昇すると当然傾くことになり、水平に在る場合に比べて短い距離となり、当然孔から伝達されるねじりコイルバネのバネ力Fb2やフロート揺動軸と孔とを結ぶ仮想線とねじりコイルバネの両端である孔とバネ軸受とを結ぶ線によって形成される角度γも変っていく。結論としては、フロートの重量Wfを軽くするか、孔から伝達されるねじりコイルバネのバネ力Fb2を弱くすることが重要となるのである。
【0066】
これ以降、ドレン水が流入することによって水面が上昇し、フロート20を押し上げて行く。 この場合、
図2に見られるように、フロート20は、フロート揺動軸73を中心に円弧を描いて上昇し、従ってフロート20を構成しているバネアーム23の先端に形成された孔20aも、フロート揺動軸73を中心に仮想線B1から仮想線B2に円弧を描いて上昇し、フロート20の浮力は、ねじりコイルバネ60のを含む弾性体60を押し縮め、押し縮められたことによるバネ力は、ある時点まで開閉弁50を構成しているバネアーム52の先端に位置しているバネ軸受53を介して開閉弁50を閉じる方向に押している。一方、バネ力によって押された開閉弁50は、バルブ揺動軸72を中心に円弧を描いて、更に仮想線A1を通り越して揺動しようとするが、カバー10に固定されている弁座15が存在することで、開閉弁50を構成している弁体51は弁座15を押すだけで、弁座15を閉じたまま維持されることになる。 従って、ドレン水が流入して、水面が最下位から最上位まで上昇する間、弁座15は閉じた形を保つことになる。 この間、開閉弁50は静止し、フロート20に形成された孔20aのみが移動する。
【0067】
尚、水面が上昇する過程に於いて、弁座15を閉じたままでフロート20を形成する孔20aが移動する中で、
図2に見られるように、仮想線A1を横切る時が必ず存在する。この場合、外見的には少しの変化も見られないが、フロート20の浮力によって押し縮められたことによるバネ力は、開閉弁50に伝達されることで、弁座15を閉じようとする形から開こうとする形に変化する。 但し、通過した直後に於いては、各種の力の関係によって、実態としては弁座15を開放するまでには至らない。 そして、ここで示した状態は、
図19に見られるように、弁座15が閉じた形を保っている▲2▼に相当している。
【0068】
次に、
図3は、フロート20を構成しているフロート本体21が最上位まで上昇し、開閉弁50の弁体51によって弁座15が閉じたままで、その後開閉弁50が一瞬にして飛ばされて開く直前を示したものである。 この場合、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さを示しているものであり、別の形で表現すると孔20aとバネ軸受53の中心の長さを示しているものであって、仮想線Bの中で、フロート本体21が最上位ということから定まった仮想線B2に位置し、仮想線Aの中で、弁座15が閉じているということから定まった仮想線A1に位置し、従ってねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さも、弁座15を閉じることが出来るバネ力を伝達することが可能なそれなりの長さを示しているのである。
【0069】
所で、
図7、
図8に見られるように、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60で考えた時、四つの状態で比較した場合に、バネの巻角度(ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さや、孔20aとバネ軸受53間の長さに代えて)で示すことが可能であり、フロート本体21が最上位で弁座15を閉じるθ2は、一番大きい巻角度を、一番大きい圧縮力(一番大きいバネ力)を、一番小さい長さを示しているのである。 尚、ここに示した状態は、
図19に見られるように、弁座15が閉じてフロート本体21が最上位である▲3▼に相当している。
【0070】
ここで、
図3に見られるように、この弁座15が閉じてから開く直前で、フロート本体21の浮いている水面が最上位に於ける、バルブ揺動軸72周りの力の状況としては、
図9に示した通りである。 結論として〔数2〕を満足させることによって、開閉弁50が、弁座15を開くことが可能となるのである。
【0071】
【数2】
但し、R1 :バルブ揺動軸72から弁座15の中心までの揺動半径
R2 :バルブ揺動軸72からバネ軸受53までの揺動半径
Lg1:バルブ揺動軸72から開閉弁50の重心までの水平距離
d :弁座15の内径
Fb1:バネ軸受53から伝達されるねじりコイルバネ60のバネ力
Wb :開閉弁50の重量
Pa :圧縮空気圧(システムの内圧)
β :バルブ揺動軸72とバネ軸受53とを結ぶ仮想線A1とねじりコイルバネ60の両端である孔20aとバネ軸受53とを結ぶ線によって形成される角度
【0072】
従って、〔数2〕を満足させる為には、圧縮空気圧Paに対応することが可能な、より大きなバネ軸受から伝達されるねじりコイルバネのバネ力Fb1が必要となる。 言い換えれば、これまで述べたように、大きなバネ軸受から伝達されるねじりコイルバネのバネ力Fb1に相当する、フロートの浮力Vが必要となるのである。 そして、〔数2〕の式が満足された瞬間、即ちフロート20に形成されている孔20aが仮想線B2に到達した瞬間に、弁座15が開き、開閉弁50がバルブアームストッパー74に、バルブ揺動軸72を中心に揺動しながら飛ばされ、その瞬間仮想線A1から仮想線A2に移動するのである。尚、〔数2〕に関しては、弁座15を閉じた状態に於いては、
図19の▲1▼〜▲3▼に関して使用することが可能である。 当然の事ながら、バネ軸受から伝達されるねじりコイルバネのバネ力Fb1及びバルブ揺動軸とバネ軸受とを結ぶ仮想線とねじりコイルバネの両端である孔とバネ軸受とを結ぶ線によって形成される角度βの値に関しては、各々の位置に配慮して設定されなければならない。 その様な状況の中で、
図19の▲2▼位置に関しては、バルブ揺動軸とバネ軸受とを結ぶ仮想線とねじりコイルバネの両端である孔とバネ軸受とを結ぶ線によって形成される角度βが「0」ということから、sinβも「0」になるわけであり、当然〔数2〕を満足させることが出来ないのである。
【0073】
更に、
図4は、フロート20を構成しているフロート本体21が最上位から下降する直前であり、ドレン水が流入して最上位に到達した直後であって、開閉弁50の弁体51が瞬時に移動することによって、開閉弁50がバルブアームストッパー74に、バルブ揺動軸72を中心に揺動しながら飛ばされた、弁座15が開いた直後を示したものである。 この場合、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さを示しているものであり、別の形で表現すると孔20aとバネ軸受53の中心の長さを示しているものであって、仮想線Bの中で、フロート本体21が最上位ということから定まった仮想線B2に位置し、仮想線Aの中で、弁座15が開いたということから定まった仮想線A2に位置し、従ってねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さも、弁座15を開くことが出来るバネ力を伝達することが可能なそれなりの長さを示しているのである。
【0074】
そして、
図7、
図8に見られるように、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60で考えた時、四つの状態で比較した場合に、バネの巻角度(ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さや、孔20aとバネ軸受53間の長さに代えて)で示すことが可能であり、フロート本体21が最下位で弁座15を開いたθ3は、二番目に小さい巻角度を、二番目に小さい圧縮力(二番目に小さいバネ力)を、二番目に大きい長さを示しているのである。 尚、ここに示した状態は、
図19に見られるように、弁座15が開いてフロート本体21が最上位である▲4▼に相当している。
【0075】
ここで、
図4に見られるように、弁座15が開いた直後で、フロート本体21の浮いている水面が最上位に於ける、フロート揺動軸73周りの力の状況としては、
図12に示した通りである。 結論として〔数3〕を満足させることによって、フロート20が下降することになるのである。
【0076】
【数3】
但し、R3 :フロート揺動軸73から孔20aまでの揺動半径
Lwf2:フロート揺動軸73からフロート20の重心までの水平距離
Lv2 :フロート揺動軸73からフロート20の浮力荷重点までの水平距離
V :フロート20の浮力
Fb4 :孔20aから伝達されるねじりコイルバネ60のバネ力
Wf :フロート20の重量
ε :フロート揺動軸73と孔20aとを結ぶ仮想線B1とねじりコイルバネ60の両端である孔20aとバネ軸受53とを結ぶ線によって形成される角度
【0077】
従って、〔数3〕の式が満足されることによって、フロート20を形成している孔20aが、仮想線B2から仮想線B1に向けて円弧の軌跡を描いて下降しようとすることが可能となるのである。 この場合、〔数3〕の式は、フロート20が下降する途中の過程でも使用することが可能であり、当然孔から伝達されるねじりコイルバネのバネ力Fb4やフロート揺動軸と孔とを結ぶ仮想線とねじりコイルバネの両端である孔とバネ軸受とを結ぶ線によって形成される角度εも変っていく。 結論としては、フロートの重量Wfを重くするか、孔から伝達されるねじりコイルバネのバネ力Fb4を弱くすることが重要となるのである。
【0078】
引き続いて、ドレン水が排出することによって水面が下降し、フロート20を押し下げて行く。 この場合、
図4に見られるように、フロート20は、フロート揺動軸73を中心に円弧を描いて下降し、従ってフロート20を構成しているバネアーム23の先端に形成された孔20aも、フロート揺動軸73を中心に仮想線B2から仮想線B1に円弧を描いて下降し、フロート20の浮力は、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60を押し縮め、押し縮められたことによるバネ力は、ある時点まで開閉弁50を構成しているバネアーム52の先端に位置しているバネ軸受53を介して開閉弁50を開く方向に押している。一方、バネ力によって押された開閉弁50は、バルブ揺動軸72を中心に円弧を描いて、更に仮想線A2を通り越して揺動しようとするが、カバー10に固定されているバルブアームストッパー74が存在することでそれ以上揺動することは出来ず、弁座15を開いたままになっている。 従って、ドレン水を排出しながら、水面が最上位から最下位まで下降する間、弁座15は開いた形を保つことになる。
【0079】
尚、水面が下降する過程に於いて、弁座15が開いた状態のままでフロート20を形成する孔20aが移動する中で、
図4に見られるように、仮想線A2を横切ることが必ず存在する。 この場合、外見的には少しの変化も見られないが、フロート20の浮力によって押し縮められたことによるバネ力は、開閉弁50に伝達されることで、弁座15を開こうとする形から閉じようとする形に変化する。 但し、通過した直後に於いては、各種の力の関係によって、実態としては弁座15を閉鎖するまでには至らない。 そして、ここで示した状態は、
図19に見られるように、弁座15が開いた形を保っている▲5▼に相当している。
【0080】
最後に、
図5は、フロート20を構成しているフロート本体21が最下位まで下降し、開閉弁50の弁体51によって弁座15が開いたままで、その後開閉弁50が一瞬にして飛ばされて閉じる直前を示したものである。 この場合、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さを示しているものであり、別の形で表現すると孔20aとバネ軸受53の中心の長さを示しているものであって、仮想線Bの中で、フロート本体21が最下位ということから定まった仮想線B1に位置し、仮想線Aの中で、弁座15が開いているということから定まった仮想線A2に位置し、従ってねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さも、弁座15を開くことが出来るバネ力を伝達することが可能なそれなりの長さを示しているのである。
【0081】
所で、
図7、
図8に見られるように、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60で考えた時、四つの状態で比較した場合に、バネの巻角度(ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の端部の長さや、孔20aとバネ軸受53間の長さに代えて)で示すことが可能であり、フロート本体21が最下位で弁座15を開いたθ4は、二番目に大きい巻角度を、二番目に大きい圧縮力(二番目に大きいバネ力)を、二番目に小さい長さを示しているのである。尚、ここに示した状態は、
図19に見られるように、弁座15が開いてフロート本体21が最下位である▲6▼に相当している。
【0082】
ここで、
図5に見られるように、この弁座15が開いていて閉じる直前であり、フロート本体21の浮く水面が最下位に於ける、バルブ揺動軸72周りの力の状況としては、
図10に示した通りである。 結論として〔数4〕を満足させることによって、開閉弁50が、弁座15を閉じることが可能となるのである。
【0083】
【数4】
但し、R2 :バルブ揺動軸72からバネ軸受53までの揺動半径
R4 :バルブ揺動軸72から流速分の負圧の荷重点までの揺動半径
Lg2:バルブ揺動軸72から開閉弁50の重心までの水平距離
d :弁座15の内径
Fb3:バネ軸受53から伝達されるねじりコイルバネ60のバネ力
Wb :開閉弁50の重量
Pb :開閉弁50が開くことにより圧縮空気圧がドレン水を急速に排出するが、この状態にベルヌーイの定理を適用して発生する流速分の負圧
δ :バルブ揺動軸72とバネ軸受53とを結ぶ仮想線A2とねじりコイルバネ60の両端である孔20aとバネ軸受53とを結ぶ線によって形成される角度
【0084】
従って、〔数4〕の式が満足された瞬間、開閉弁50は、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60のばね力によって弁体51が弁座15に当たるまで飛ばされ、その瞬間仮想線A2から仮想線A1に移動するのである。 即ちフロート20に形成されている孔20aが仮想線B1に位置している状態で、開閉弁50を構成している弁体51が弁座15に当たるまで飛ばされ、その結果弁座15がバルブ揺動軸72を中心に揺動しながら瞬間的に弁座15が閉ざされるのである。 尚、〔数4〕に関しては、弁座15を開いた状態に於いては、
図19の▲4▼〜▲6▼に関して使用することが可能である。 当然の事ながら、バネ軸受から伝達されるねじりコイルバネのばね力Fb3及びバルブ揺動軸とバネ軸受とを結ぶ仮想線とねじりコイルバネの両端である孔とバネ軸受とを結ぶ線によって形成される角度δの値に関しては、各々の位置に配慮して設定されなければならない。その様な状況の中で、
図19の▲5▼位置に関しては、バルブ揺動軸とバネ軸受とを結ぶ仮想線とねじりコイルバネの両端である孔とバネ軸受とを結ぶ線によって形成される角度δが「0」ということから、sinδも「0」になるわけであり、当然〔数4〕を満足させることが出来ないのである。
【0085】
最後に、各々の時点で述べてきた巻角度の関係を別の点を含めて総括すると、
図7や
図8に見られるように、弁座15が閉じてフロート20が上昇している場合には、圧縮空気が弁体51を押して弁座15を閉じているため、バネ力は必要なく、巻角度θ1は小さい方が良い。 そして、バネ力が最も必要としているのは、開閉弁50が閉じた状態から開こうとする、巻角度θ2の時である。
【0086】
ところで、〔数3〕から明らかなように、フロート20が降下する時には、フロートの重量Wfによる下げるモーメントとフロートの浮力Vによる上げるモーメントの差が、孔から伝達されるねじりコイルバネのバネ力Fb4に打ち勝つ必要がある。 即ち、孔から伝達されるねじりコイルバネのばね力Fb4は、小さい方がよい。 しかし、接続を重ねているリンク構造であるために、ねじりコイルバネ60の巻角度θ4は、大きくならざるをえない。 そこで、極力ねじりコイルバネ60の巻角度θ4を、なるべく小さくするリンク構造に配慮する必要があるねじりコイルバネの。 更には、前述の〔数3〕による関係が満足されない場合には、フロートの重量Wfに付加するウエイト24、24Aを増加させる必要がある。
【0087】
以上をまとめると、巻角度θ2が巻角度θ4より大きいことが必要である。 そして、これを実現するために、開閉弁50を構成しているバネ軸受53の揺動中心であるバルブ揺動軸72を、フロート20に形成されている孔20aの揺動中心であるフロート揺動軸73より、弁座15側に位置させ、孔20aが仮想線B1に近付くほど円弧間の距離を大きくするようにしているのである。 更には、その事から開閉弁50が閉じてフロート20がドレン水の流入によって上昇する中で、バルブ揺動軸72とバネ軸受53とを結んだ仮想線A1を横切る場合と、開閉弁50が開いてフロート20がドレン水の排出によって下降する中で、仮想線A2を横切る場合とを比較すると、上昇での仮想線A1を横切る場合が、下降での仮想線A2を横切る場合より短かくなっているのである。
【実施例2】
【0088】
図21に見られるように、エアータンク80には、コンプレッサ(図示せず)からの圧縮空気を受入れ、滞留させ、気液を分離することで、ドレン水を底部に溜めていく。 そして、ドレン水を分離した圧縮空気は供給口から圧縮空気配管86を経由して各機器に供給される。 一方、エアータンク80の底部に溜ったドレン水は、ストップバルブ83とドレン水配管81を経由して、ドレントラップ1の流入口10aからカバー10内部に流入する。 更に、エアータンク80内の圧縮空気は、圧縮空気配管86とストップバルブ82と均圧管84を経由して均圧管口10fからカバー10内部に送り込まれる。 この場合、ドレントラップ1とエアータンク80の水面には、同一の空気圧が掛かり、ドレントラップ1の水面がエアータンク80の水面より低い状態で、従って水頭Hを確保していることで、ドレン水配管81の途中にエアーが滞留していても、ドレントラップ1に容易に押し出される。
【0089】
そこで、
図22と
図23に見られるように、ドレントラップ1は、内側に圧縮空気と共にドレン水を溜め、ドレン水を流す弁座15を位置させている底板16と、略半球状のドームを持つ円筒形のカバー本体18を、一体にしてカバー10を成し、その内部にフロート本体21及びフロートアーム22及びバネアーム23等を一体に構成していて、内側に溜まったドレン水の増減に合わせてフロート揺動軸73を中心に揺動することによって上下するフロート20と、弁座15を開閉する弁体51及びバルブアーム52等を一体に構成していて、バルブ揺動軸72を中心に揺動する開閉弁50とを収納し、両者を底板16に固定しているブラケット70に位置させている。
【0090】
更に、フロート20のバネアーム23の先端に形成されていて、フロート20側の接続部20aでもある孔20aと、開閉弁50のバルブアーム52の他端に位置している、開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ孔53とは、バネ60やゴム60を含む弾性体60でありその一例として圧縮バネの一種であるねじりコイルバネ60を介して一体となって接続している。 尚、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60とフロート20及び開閉弁50の接続部20a、53は、揺動及び移動自由に構成されている。 また、フォロー穴15bを形成する弁座15は、その先端に雄ネジを形成し、底板16にネジ止めされ固定されている。 その結果、カバー10内のドレン水は、弁座15のフォロー穴15bを通って排出口15bに排出することが出来るようになっているのである。
【0091】
そして、弁座15と底板16の間には、Oリング15yやシール材等によって、貯留されているドレン水がカバー10の内側から外側に洩れないように配慮されている。 また、弁座15の内径に関しては、ドレントラップ1から排出される時間当たりのドレン水の量を決める規準となるが、ドレントラップ1をコンパクトにする為になるべく小径にしたく、またドレン水に含まれる鉄錆や磨耗粉やその他各種の異物等の排出を考えると出来る限り大径にしたく、結果として0.8〜3.0mm程度に設定している。
【0092】
これらの構成を更に詳しく述べると、カバー10は、略半球状のドームを持った円筒形のカバー本体8と、その底部はOリング13を介して底板16にボルト17により固定され、底板16に形成されている流入口10aと排出口10bと、均圧管口10fを除き密閉状態となっている。 そして、ドレントラップ1内のドレン水を残すことなく排出したいとき、及びゴミ溜り16aに溜った錆やゴミを排出したいときに使用する盲栓14と、内側に溜ったドレン水を外部に排出する際の流路となる弁座15と、フロート揺動軸73やバルブ揺動軸72を位置させるブラケット70を、単独で、または小ネジ70wおよびナット15xによって底板16に固定されている。
【0093】
また、ブラケット70の中間にはバルブアームストッパー74を位置させて、バルブアーム52の揺動する範囲を制限している。 そして、カバー10の最上部の近傍に形成されている均圧管口10fと、底板16の側面に形成されている流入口10aと排出口10bを除き、Oリング13によってドレン水が洩れないように完全に密閉された状態になっている。 尚、Oリング13はパッキンや液体パッキンを使用することも考えられる。 そして、流入口10aの位置に関しては、底板16に限定する必要はなく、カバー10の上部、または側部、または下部の、何れかの位置に形成させても構わない。
【0094】
この場合、流入口10aからは、ドレン水が流入するようになっている。 また、排出口10bからは、ドレン水が排出されるようになっている。 更に、ドレン水を外部に排出するのは、底板16の側壁に設けられた排出口10bに接続している弁座15を、開閉弁50の弁体51によって開放することで行っている。
【0095】
そして、開閉弁50とフロート20は、バルブ揺動軸72とフロート揺動軸73を介して、ブラケット70に取付けられていて、バルブ揺動軸72とフロート揺動軸73を中心に揺動可能となっている。 この場合、ブラケット70は、コの字型に曲がった形状をしていて、第一ブラケット70xと第二ブラケット70yとブラケット底部70zによって形成されていて、ブラケット底部70zの部分で小ネジ70wによって底板16に固定している。 尚、ブラケット70を形成している第一ブラケット70xと第二ブラケット70yの両方に、バルブ揺動軸72とフロート揺動軸73とバルブアームストッパー74の取付穴が、ブラケット底部70zには、弁座15の穴と、ブラケット70と底板16とを固定する小ネジ70wの穴が形成されている。 ここで、広い意味では、ブラケット70には、ブラケット70の他に、バルブ揺動軸72とフロート揺動軸73とバルブアームストッパー74も含むことになる。
【0096】
その為には、
図23に見られるように、バルブアームストッパー74は、中央を太くして両端に中央より細い雄ネジを形成させ、ブラケット70を形成している第一ブラケット70xと第二ブラケット70yの間に渡した状態にし、更にその太い部分を、第一ブラケット70xと第二ブラケット70yの両側から挟むように位置させ、ナット74xにより締め付けることによってブラケット70と共に固定し、それによって両側の第一ブラケット70xと第二ブラケット70yの振れを抑えている。 この場合、バルブアームストッパー74の中央を太くする代わりに、全ネジとして、二組のダブルナットによってその間の長さを確保した状態にすることも可能である。
【0097】
ところで、バルブ揺動軸72は、両端には雄ネジを形成し、中央部はネジ径と同径にして、ブラケット70を形成している第一ブラケット70xと第二ブラケット70yの間に渡した状態で位置させ、その両端から二組のダブルナット72xによってその間の長さを確保した状態で固定し、その結果開閉弁50を回動可能に接続している。 そして、フロート揺動軸73は、両端には雄ネジを形成し、中央部はネジ径と同径にして、ブラケット70を形成している第一ブラケット70xと第二ブラケット70yの間に渡した状態で位置させ、そのフロート揺動軸73の外周の中央部には、パイプ73yとフロートアーム22とパイプ73yの順に並べ、その並べた部分を第一ブラケット70xと第二ブラケット70yの両側から挟み込むようにして、その上で二組のダブルナット73xによってその間の長さを確保した状態で固定し、その結果フロート20を回動可能に接続している。
【0098】
ここで、バルブ揺動軸72に関しては、開閉弁50の一部である弁体51によって弁座15を開閉する関係から、バルブ揺動軸72の位置は弁座15の近くに位置させることで、レバー比を大きく取って、弁体51を移動させる力を大きくしている。 また、バルブアームストッパー74の位置は、バルブ揺動軸72とフロート揺動軸73の中間に位置させている。
【0099】
更に、フロート20は、フロート本体21と、フロートアーム22と、バネアーム23で構成され、溶接や蝋付けやネジ等によって一体に作られている。 また、フロートアーム22には、フロート揺動軸73を通す穴が形成され、バネアーム23の先端には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60を接続する孔20aが形成されている。 更に、バネアーム23は、その先端をU字の形状に曲げ、フロートアーム22との接合点を軸方向にややずらすようにしている。
【0100】
尚、開閉弁50は、バルブアーム52と弁体51によって、一体に構成されている。 一方、バルブアーム52は、バルブアーム本体52wと弁体取付部52xとバルブアームフランジ52y、52zによって一体に形成されている。 この場合、バルブアーム本体52wと弁体取付部52xの間をL字の形状に直角に曲げ、更に曲げた部分の弁体取付部52xの両端には、バルブアームフランジ52y、52zの両者を垂直方向に、第一ブラケット70xと第二ブラケット70yとの間の内側いっぱいに位置させることで、開閉弁50の横方向への揺れを防止している。 この結果、垂直方向に位置している弁座15を閉じようとして、弁体取付部52xに弁体51を取付けて作動させた場合、L字の形状によって平面が確保され、弁座15を閉じることが可能となるのである。
【0101】
また、バルブアーム本体52wは、扇の形状をしていて、扇の要から先の部分は、ねじった状況にして、その端部でありバルブアーム52全体の他端には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60を回動自在に接続出来るようにバネ孔53を形成している。そして、ねじりコイルバネ60を装着した際には、垂直でなく傾斜するように、バネ孔53と孔20aの位置関係を配慮している。 更に、バルブアーム52の一端となるバルブアームフランジ52y、52zには第一ブラケット70xと第二ブラケット70yの間を渡した状態で位置するバルブ揺動軸72を取付ける孔が形成されていて、その結果開閉弁50を回動可能に接続している。 当然の事ながら、U字型のバネアーム23とバルブアーム本体52wとは干渉しないような位置関係となっている。
【0102】
一方、開閉弁50に関しては、一端にバルブ揺動軸72を位置させ他端に開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ孔53を形成したバルブアーム52と、バルブアーム52のバルブ揺動軸72の近傍に固定して弁座15の開閉を行う弁体51から構成されたものであり、バルブ揺動軸72を中心として揺動させることが可能なようになっている。 一方、弁体51に関しては、弁座15に接する面が平面であり、弁体51の下面と弁座15の上面とを密着させ、密閉性を高めるために弁座15の雄ネジと底板16の雌ネジとで調整する必要があるが、この高さを固定するためにナット15xを位置させている。 また、弁体51は、ゴムやプラスチック・・・等の柔らかい材料とし、開閉弁50に装着するために、弁体51を、バルブアーム52を形成している弁体取付部52xに取付けるには、接着剤やネジを使用することが考えられるが、円柱や円錐台の弁体51に溝を形成し、その溝を弁体取付部52xに挟んで固定することも考えられるのである。
【0103】
さて、本発明に於いては、浮力を発生させるフロート20から弁座15を開閉する開閉弁50に至る力の伝達を、フロート20側の接続部20aである孔20a及び開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ孔53の部分で接続している、バネ60やゴム60を含む弾性体60でありその一例としてねじりコイルバネ60の圧縮力を使用することで達成している。 特に、バルブ揺動軸72と、弁体51及びバネ孔53を形成したバルブアーム52を構成した開閉弁50と、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60と、孔20aを形成したバネアーム23及びフロートアーム22及びフロート本体21を構成したフロート20と、フロート揺動軸73を一体に、揺動及び移動自由に連結することによって、バルブ揺動軸72とバネ孔53とを結んだ仮想線Aを境界として、孔20aがフロート本体21側に位置している場合には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の力をバネ孔53からバルブアーム52に伝達し、それによって弁座15を閉じる方向に押し、孔20aがフロート本体21の反対側に位置している場合には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の力をバネ孔53からバルブアーム52に伝達し、それによって弁座15を開く方向に押していることが本願発明の最大のポイントと言えるのである。
【0104】
本発明による、フロート式ドレントラップおよびドレン水の排出方法は前述したように構成されており、以下にその動作について説明する。
【0105】
この場合、実施例1で示した、
図19の、本願発明のフロート式ドレントラップに於ける弁座の開閉または開閉弁のバネ軸受の位置と水面の位置またはフロート上昇及び下降によるフロートの孔の位置との関係を示した図と、
図20の、本願発明のフロート式ドレントラップに於けるドレン水の流量と経過時間の関係を示した図は、
図19に見られるように、水面は、ドレン水の流入と流出に従って上昇及び下降し、それに伴ってフロート20も上昇及び下降するが、弁座15に関しては、開閉の二つの状態(更に具体的に述べると、瞬間的に開閉の状態を)を保持するだけであるという事を示している内容は、実施例2に於いても、開閉弁20のバネ軸受53を開閉弁20のバネ孔53と見なすことで該当する。そして、実線は、その全途中過程を意味を持って忠実に経過して行くのであるが、点線は、瞬間的に経過することを意味している。
【0106】
ここで、
図19に於いて意味するところは、弁座51の開閉、及び開閉弁50の開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ孔53の位置と、水面の位置、及びフロート20の上昇及び下降によるフロート20を形成しているフロート20側の接続部20aでもある孔20aの位置との関係を示していて、
図24と
図25に見られるように、フロート揺動軸73と孔20aとを結んだ仮想線Bで考えた時、孔20aの軌跡は、最下位の水面では、
図24に見られるように、仮想線B1の上に、最上位の水面では、具体的に図示していないが実施例1と同じく、仮想線B2の上に位置するように設定されている。 即ち、孔20aは仮想線B1と仮想線B2の間を移動するようになっているのである。
【0107】
そして、フロート20を形成しているフロート20側の接続部20aでもある孔20aと、開閉弁50を形成している開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ孔53の、二つの円弧による軌跡を描く中で、従って開閉弁50を構成しているバネ孔53の位置を、孔20aの軌跡に重ねて見て、バルブ揺動軸72とバネ孔53とを結んだ仮想線Aで考えた時、バネ孔53の軌跡は、弁座15を閉じている際に、
図24に見られるように、仮想線A1を形成し、弁座15を開いた瞬間の開閉弁50がアームストッパー74に跳ね飛ばされた際には、
図25に見られるように、仮想線A2を形成するように配慮されていて、弁座15を閉じた際には仮想線A1と開いた際には仮想線A2の二点の間を瞬時に移動している。 結果として、孔20aの軌跡上で見た場合、仮想線A1と仮想線A2は、仮想線B1と仮想線B2の間を飛出さない様に位置させている。従って、孔20aは、水面が最下位から最上位に変動するに従って、仮想線B1、仮想線A2、仮想線A1、仮想線B2の順に、位置したり横切ったりしているのであり、この内容を、
図19に示したのである。
【0108】
この内容を、一連の動作に沿って少し詳細に述べると、
図19で、▲1▼に於いては、水面が最下位であり、従ってフロート20も最下位であり、孔20aは仮想線B1上に位置していて、弁座15を閉じた直後の状況を示していて仮想線A1を成し、これは
図24に示されている。 そして、▲1▼から▲3▼に至る間は、弁座15の閉じている中で開閉弁50が静止した状態のまま仮想線A1を保持し、ドレン水が流入し、水面が上昇し、それに伴ってフロート20が上昇する。 ここで、▲2▼に於いては、開閉弁50に働くバネ60やゴム60を含む弾性体60でありその一例としてねじりコイルバネ60からの弾性力による力の方向だけで見たときに、孔20aは仮想線A1を横切って以降は、弁体51が弁座15を閉じた状態から開いた状態に移行する境界となっているのであるが、その他の力を含めて弁座15は、閉じたままとなっている。
【0109】
次に、▲3▼に於いては、水面が最上位となり、従ってフロート20も最上位であり、孔20aは仮想線B2上に位置していて、弁座15を閉じた状況を示していて仮想線A1を保持している。 ここで、▲3▼に到着すると、一瞬にして弁座15を開いて、▲4▼に至るのである。
【0110】
そして、▲4▼に於いては、水面が最上位の中で、従ってフロート20も最上位の中で、孔20aは仮想線B2上に位置していて、弁座15を開いた状況を示していて瞬間的に仮想線A2に移動しているのである。 尚、▲4▼から▲6▼に至る間は、弁座15の開いている中で開閉弁50が静止した状態のまま仮想線A2を保持し、ドレン水が流出し、水面が下降し、それに伴ってフロート20が下降する。 この場合、▲4▼から▲5▼に至る状況は、
図25に示している通りである。 ここで、▲5▼に於いては、開閉弁50に働くねじりコイルバネ60を含む弾性体60からの弾性力による力の方向だけで見たときに、孔20aは仮想線A2を横切る、弁体51が弁座15を開いた状態から閉じた状態に移行する境界となっているのであるが、その他の力を含めて弁座15は、開いたままとなっている。
【0111】
最後に、▲6▼に於いては、水面が最下位となり、従ってフロート20も最下位であり、孔20aは仮想線B1上に位置していて、弁座15を開いた状況を示していて仮想線A2を保持している。 そして、▲6▼に到着すると、一瞬にして弁座15を閉じて、▲1▼に至るのである。 この様にして、▲1▼〜▲6▼の動作が何回も繰返されていくのである。
【0112】
尚、フロート20と開閉弁50の間をねじりコイルバネ60を含む弾性体60で接続することによって、
図19と
図20に見られるように、ドレン水が連続して流入する中で弁座15を瞬時に閉じてその状態を保持し、流出に関しても弁座15を瞬時に開いて、間歇的に勢いよく流出させることが出来るよになっているのである。
【0113】
そしてその理由は、
図24、
図25を見たとき、バルブ揺動軸72と開閉弁50側の接続部53でもありバルブアーム他端部53でもあるバネ孔53とを結んだ仮想線Aを、結果として本願発明のここでの実施例に於いては、仮想線A1と仮想線A2の間を瞬時に移動することで二個所に限定されるのであるが、仮想線Aを境界として、フロート20を形成しているフロート20側の接続部20aでもある孔20aがフロート本体21側に位置している場合には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の力をバネ孔53からバルブアーム52に伝達し、それによって弁座15を閉じる方向に押しているのであり、孔20aがフロート本体21の反対側に位置している場合には、ねじりコイルバネ60を含む弾性体60の力をバネ孔53からバルブアーム52に伝達し、それによって弁座15を開く方向に押しているのであり、開閉弁50が弁座15を瞬時に閉じるように作用させたり開くように作用させているためである。 この事によって、ドレン水に含まれたり、またドレントラップ1に滞留している各種のゴミを、ドレン水の排出と同時に容易に排出することが可能となっているのである。
【0114】
結果として、弁座15が、半開きの状態でなくきちんと完全な状態で開閉されることによって、
図20に見られるように、常に流入するドレン水に対し、一定の間隔を持って流出させることが可能となったのである。
【0115】
更に、実施例2の、ドレントラップ1に関し、ドレン水の増減に応じた動きの中で、バネ60やゴム60を含む弾性体60でありその一例としてねじりコイルバネ60の弾性力を中心として特徴ある状態を示した各内容を述べる。
【0116】
この場合、実施例2の、ドレントラップ1に於いては、
図24には、第二の発明の弁座が閉じた直後でフロートの浮く水面が最下位から上昇する直前の状態を示した図であり、
図19の▲1▼の状態を示したもので、
図25は、第二の発明の弁座が開いて以降の水面が下降する状態を示した図であり、
図19の▲4▼から▲5▼の状態を示したものである。 そして、
図24と
図25の意味するところは、実施例1の、
図2から
図5と
図9から
図12を一体にした内容を示したもので、特に実施例2の、
図24は、実施例1の、
図2と
図11を一体にした内容にしたものと類似している。
【0117】
即ち、
図24の意味するところは、弾性体60を境に、フロート20側では、フロートの浮力Vとフロートの重量Wfと孔から伝達されるバネ力Fb2のモーメントを比較することで、フロート20の上昇に関係する計算を、この場合実施例1の〔数1〕と同一であると言えることが可能であり、開閉弁50側では、圧縮空気圧Paと開閉弁の重量Wbとバネ孔から伝達されるバネ力Fb2のモーメントを比較することで、開閉弁50の開閉に関係する計算を行うことが出来るのである。
【0118】
尚、実施例2に於いては、
図19の各時点での力の加わる状況を、
図24と
図25でしか示されていないが、その他の各時点での力の加わる状況も、実施例1の図面と数式を参考にして類似した内容になるので、その他の状況は省略する。 但し、これまで示したように、実施例1と実施例2に於いては、構造の違いによって力の向きの相違は似られるものの、動作に関しては、
図19と
図20が共用されることを含め、基本的に実施例2は実施例1に同じと考えて良い。