(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明をパチンコ遊技機に適用した第1実施形態を、
図1〜
図16に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10(以下、単に、遊技機10という。)では、遊技板11の前面に、ガイドレール12で囲まれた略円形の遊技領域R1が設けられている。
【0020】
遊技板11の前面は、遊技機10の前面に開閉可能に取り付けられた前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技領域R1の全体が視認可能となっている。ガラス窓10Wの周囲には、装飾ランプ22が設けられ、ガラス窓10Wの上方の両側には、スピーカ25,25が備えられている。また、ガラス窓10Wより下方には、上皿26及び下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右端部には操作ノブ28が設けられている。そして、操作ノブ28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0021】
遊技板11のうち遊技領域R1の中央には、異形の遊技板表示窓11Hが貫通形成されており、その遊技板表示窓11Hに遊技板11の裏面側から液晶表示装置30の表示画面30Gが対向している。
【0022】
遊技板11の前面中央には、表示画面30Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技板11の前面側から遊技板表示窓11Hに嵌め込まれ、遊技板表示窓11Hの内側に張り出すと共に、遊技板11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の外側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
【0023】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、第1と第2の始動入賞口14A,14Bが、上下に間隔を開けて並べて設けられている。第1の始動入賞口14Aの右側には、大入賞口15が備えられ、その大入賞口15のさらに右側には、サイド入賞口21が設けられている。また、第1の始動入賞口14Aの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。各入賞口14A,14B,15,20,21の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。
【0024】
表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。なお、図示はしないが、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
【0025】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20及びサイド入賞口21は、所謂、ポケット構造をなして、遊技板11の前面から突出した部材上面に開放しており、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。そして、一般入賞口20又はサイド入賞口21に遊技球が入ると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
【0026】
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示装置18X(
図2参照)にて普通図柄が変動表示後に停止表示される。
【0027】
第1の始動入賞口14Aは、一般入賞口20やサイド入賞口21と同様に、ポケット構造になっていて、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。また、第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで前方に開口し、通常は、回動扉14Tにて前方が閉塞されることで、遊技球の入球が規制されている。回動扉14Tは、上述した普通図柄当否判定の結果が当たりとなったときに、所定時間だけ前側に倒される。このとき、回動扉14Tは、第2の始動入賞口14Bの側方から流下してきた遊技球を上面で受け止めて、第2の始動入賞口14Bへと誘導可能となる。
【0028】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定が行われると、その判定結果に基づく図柄変動演出が表示画面30Gに表示されると共に、判定結果が特別図柄表示装置14X(
図2参照)に表示される。そして、判定結果が当りの場合には、大当り遊技状態となって大当り遊技が実行される。これに対し、判定結果が外れの場合には、大当り遊技状態ではない通常遊技状態が続く。
【0029】
なお、図柄変動演出の詳細は、以下のようになっている。即ち、表示画面30Gの中央部には、通常、3つの特別図柄(図示せず)が横並びに停止表示されている。これら各特別図柄は、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄ごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したことを条件として、これら3つの特別図柄が、変動表示(例えば、上下方向にスクロール表示)され、所定時間後に停止表示される。そして、停止した特別図柄の組合せにより、特別図柄当否判定の結果を表示するようになっていて、例えば、特別図柄が全て同じ図柄(ゾロ目)の場合に、当りであることを示し、ゾロ目以外の組み合わせの場合に、外れであることを示すようになっている。
【0030】
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、大当り遊技が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
【0031】
ところで、遊技機10では、遊技の進行に応じて、種々の演出が行われる。具体的には、表示装飾枠23の上辺部分には、駆動役物装置35が設けられていて、特定の役物演出条件が成立したときに、駆動役物装置35による役物演出が行われる。詳細には、駆動役物装置35は、表示装飾枠23の上辺部に上下動可能に取り付けられた可動演出部材36と、可動演出部材36を駆動する駆動モータ37(
図2参照。本発明の「駆動源」に相当する。)とを有し、上述した役物演出条件が成立すると、可動演出部材36が、駆動モータ37により駆動されて表示装飾枠23の上辺部から下方へ移動し、液晶表示装置30の表示画面30Gの前方に配置される。
【0032】
また、液晶表示装置30の表示画面30Gには、上述した図柄変動演出と合わせて、遊技に関する特殊演出が表示されることがある。特殊演出の例としては、表示画面30Gに表示されるキャラクターがミッションを達成するか否かによって大当りへの期待度を示すミッション演出や、上記キャラクターが敵キャラクターと対戦するバトル演出等が挙げられる。なお、本実施形態の遊技機10では、液晶表示装置30と駆動役物装置35とが、本発明の「演出装置」に相当する。また、以下では、図柄変動演出と特殊演出とを合わせて、適宜、「表示演出」と呼ぶことにする。
【0033】
ここで、本実施形態では、液晶表示装置30による表示演出のモードとして、表示画面30Gの表示を遊技者に平面的に見せることが可能な2D表示モードと、立体的に見せることが可能な3D表示モードとの2種類の表示モードが設けられている。それら表示モードは、表示画面30Gに表示される演出や遊技状態等に応じて適宜変更される。そして、3D表示モードでは、2D表示モードのときよりも液晶表示装置30による消費電力が大きくなっていて、3D表示モードが本発明の「大負荷演出モード」に、2D表示モードが本発明の「小負荷演出モード」になっている。
【0034】
また、本実施形態の遊技機10では、駆動役物装置35による役物演出や液晶表示装置30による表示演出が実行されるときに、それら演出と共に、複数のLEDランプ40(
図2及び
図3を参照。本発明の「演出用発光部」に相当する。)によるランプ演出が行われることがある。複数のLEDランプ40は、上述したサイドランプ22,22、表示装飾枠23、可動演出部材36等に実装されている。
【0035】
次に、
図2に基づいて、遊技機10の電気的な構成を説明する。同図における符号50は、主制御回路50であって、CPU51A、RAM51B、ROM51C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路52を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継回路57及び払出制御回路58等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御回路52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、特別図柄用保留球数及び普通図柄用保留球数の記憶領域、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、後述する主制御回路メインプログラムPG1(
図9参照)や制御データ、特別図柄及び普通図柄の変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値等が書き込まれている。
【0036】
サブ制御回路52は、主制御回路50と同様に、CPU52A、RAM52B、ROM52C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御回路50を結ぶ入出力回路と、表示制御回路54、音声制御回路55及びランプ制御回路56等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御回路54及びランプ制御回路56、音声制御回路55等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、後述するサブ制御回路メインプログラムPG2(
図11参照)、特別図柄の変動パターンテーブル、各種演出のデータ等が記憶されている。
【0037】
表示制御回路54は、サブ制御回路52からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面30Gで表示する表示画像(特別図柄、背景画像、キャラクター画像、文字画像、演出画像、客待ち画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面30Gに出力される。なお、本実施形態では、表示制御回路54は、液晶表示装置30の一部を構成している。
【0038】
ランプ制御回路56は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づいて、装飾ランプ22等に実装された複数のLEDランプ40をオンオフ制御する。言い換えれば、サブ制御回路52は、ランプ制御回路56に制御信号を出力することにより、ランプ制御回路56を介して複数のLEDランプ40をオンオフ制御している。
【0039】
音声制御回路55は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づき、スピーカ25,25から発生されるBGMや演出時の音声の選択を行い、その音声を制御する。
【0040】
駆動制御回路59は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づき、駆動役物装置35の駆動モータ37やその他の演出に用いられる駆動源を制御する。
【0041】
なお、各制御回路50,52,54〜59は、電源基板60からの電源供給を受けて作動する。
【0042】
ところで、遊技機10では、ランプ演出での複数のLEDランプ40による消費電力が大きいと、役物演出での駆動役物装置35の消費電力や、表示演出での液晶表示装置30の消費電力が制限されてしまい、役物演出や表示演出の設計の自由度が低くなるという問題が生じ得る。そこで、本実施形態の遊技機10では、以下に説明するように、LEDランプ40による消費電力の低減が図られている。
【0043】
即ち、本実施形態では、
図3に示すように、複数のLEDランプ40が、4つの区分A1〜A4に分けられていて、それら4つの区分A1〜A4は、一定周期毎に一部の区分が強制的に消灯される(即ち、残りの区分のみが点灯可能となる)ようにオンオフ制御される。
【0044】
具体的には、遊技機10では、上述したサブ制御回路52において2ms周期で実行される2msタイマ割込み処理(
図11のステップS30を参照)で、区分A1〜A4の点灯パターンの基本となる分割基礎データテーブル(
図4(B)参照)を作成する。詳細には、分割基礎データテーブルは、サブ制御回路52において10ms周期で実行される10msタイマ割込み処理(
図11のステップS31を参照)で作成された基準データテーブル(
図4(A)参照)をそのまま用いて作成される。即ち、分割基礎データテーブルの元となる基準データテーブルは、10ms周期で更新されることになる。なお、
図4(A)及び
図4(B)の各データテーブルにおいて、出力データ[0]〜[3]がそれぞれ、区分A1〜A4の点灯制御データ(オンオフ情報)となっている。また、本実施形態では、10msタイマ割込み処理(S31)が実行される周期(10ms)が本発明に係る基準周期Tとなっていて、2msタイマ割込み処理(S30)が実行される周期(2ms)が本発明に係る分割期間tとなっている。
【0045】
サブ制御回路52は、2msタイマ割込み処理(S31)で、分割基礎データテーブルを作成すると、複数の区分A1〜A4のうち一部の区分を強制オフ区分として選択し、分割基礎データテーブルにおける強制オフ区分の点灯制御データをオフに再設定する(
図4(C)及び
図4(D)参照)。なお、以下では、強制オフ区分の点灯制御データをオフに再設定する処理のことを、適宜、「強制オフ処理」と呼ぶことにする。
【0046】
ここで、本実施形態では、上述した表示画面30Gの表示モードが、2D表示モードであるか3D表示モードであるかによって、選択される強制オフ区分の数が異なっている。具体的には、2D表示モードのときには、区分A1〜A4のうち2つの区分が強制オフ区分として選択され(
図4(C)参照)、3D表示モードのときには、
3つの区分が強制オフ区分として選択される(
図4(D)参照)。即ち、3D表示モードのときは、2D表示モードのときよりも、強制オフ区分の数が多くなっている。
【0047】
また、
図4(C)及び
図4(D)において、「LED出力カウンタ」の値は、強制オフ区分の選択パターンを示していて、この選択パターンは、
図5に示した強制オフ区分選択データテーブルにより決定される。同図に示すように、強制オフ区分選択データテーブルは、「LED出力フラグ」に対応したレコードと、「LED出力カウンタ」に対応したフィールドとを有している。「LED出力フラグ」は、表示モードに対応し、2D表示モードのときに、「2」にセットされ、3D表示モードのときに、「3」にセットされる。そして、強制オフ区分選択データテーブルにおける各レコードの各フィールドには、区分A1〜A4の何れの区分を強制オフ区分として選択するか否かの選択制御データが格納されている。なお、
図5の例では、選択制御データは、左から順に、区分A1,A2,A3,A4について、強制オフ区分として選択されるか否かを示す選択情報を並べてなり、その選択情報が「OFF」であると、強制オフ区分として選択され、選択情報が「ON」であると、強制オフ区分として選択されない。
【0048】
具体的には、
図5に示すように、3D表示モードかつLED出力カウンタが「0」であると、区分A2〜A4が強制オフ区分に選択される。言い換えれば、区分A1が、強制オフされない区分として選択される。LED出力カウンタは、2msタイマ割込み処理が実行される度に、「0」→「1」→「2」→「3」というように1つずつ増加し、強制オフされない区分として選択される区分が区分A1→区分A2→区分A3→区分A4と変化する。そして、LED出力カウンタが「3」の状態で2msタイマ割込み処理が実行されると、再び、「0」に戻る。また、2D表示モードでは、LED出力カウンタが「0」であると、区分A3と区分A4が強制オフ区分に選択され、「1」であると、区分A1と区分A2が強制オフ区分に選択される。なお、2D表示モードでは、LED出力カウンタが「0」と「2」のときの強制オフ区分の選択パターンは同じであり、また、LED出力カウンタが「1」と「3」のときの強制オフ区分の選択パターンは同じになっている。
【0049】
このように、本実施形態の遊技機10では、何れの表示モードにおいても、分割期間t毎に、複数の区分A1〜A4から所定の順序で強制オフ区分が選択され、その選択された強制オフ区分の点灯制御データが強制的にオフに再設定される。
【0050】
強制オフ処理が終了すると、サブ制御回路52は、強制オフ処理後の分割基礎データテーブルに従って全ての区分A1〜A4に制御信号を出力して、複数のLEDランプ40をオンオフ制御する。
【0051】
図6(A)には、10ms周期毎に、10msタイマ割込み処理で作成される基準データテーブル(
図4(A)参照)に従って複数のLEDランプ40を点灯制御した場合の、各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。
図6(B)には、2D表示モードのときの各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。また、
図6(C)には、3D表示モードのときの各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。
【0052】
図6(A)と、
図6(B)及び
図6(C)との比較から明らかなように、本実施形態では、基準データテーブルに従って各区分A1〜A4を点灯制御する場合よりも、複数のLEDランプ40による消費電力の低減が図られている。また、
図6(B)と
図6(C)との比較から明らかなように、3D表示モードでは、2D表示モードよりも、任意の分割期間tで点灯する区分の数が少なくなっていて、複数のLEDランプ40による消費電力が小さくなっている。
【0053】
このように、本実施形態では、3D表示モードのときに選択される強制オフ区分の数を、2D表示モードのときに選択される強制オフ区分の数よりも多くすることで、基準周期T毎の基準データテーブルのみで、3D表示モードと2D表示モードの何れの表示モードにも対応することが可能となる。これにより、複数のLEDランプ40を点灯制御するためのデータテーブルを容易に設定可能となる。
【0054】
なお、
図7(A)〜
図7(D)には、10msタイマ割込み処理で作成される基準データテーブルが、
図4(A)とは異なる点灯パターンである場合の例が、
図4(A)〜
図4(D)と同様にして、示されている。また、
図8(A)には、
図7(A)で示した基準データテーブルに従って複数のLEDランプ40を点灯制御した場合の、各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。また、
図8(B)及び
図8(C)には、それぞれ、2D表示モード及び3D表示モードのときの各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。
【0055】
また、本実施形態の遊技機10では、サブ制御回路52は、2msタイマ割込み処理(S30)において、役物演出の内容に合わせて駆動役物装置35の駆動モータ37を制御する処理も実行する。言い換えれば、分割期間tは、サブ制御回路52が駆動モータを制御する周期に一致している。従って、サブ制御回路52は、駆動モータ37を制御する周期に合わせて、複数のLEDランプ40のオンオフ制御をすることが可能となり、可動演出部材36の駆動に必要な消費電力に合わせて、複数のLEDランプ40の消費電力を抑えることが可能となる。
【0056】
上記した本実施形態の遊技機10の動作を実現するため、主制御回路50、サブ制御回路52等(
図2参照)は、上記した主制御回路メインプログラムPG1、サブ制御回路メインプログラムPG2等を実行して、情報を処理している。以下、主制御回路50及びサブ制御回路52における情報処理について説明する。
【0057】
主制御回路50に備えたワンチップマイコンは、遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから
図9に示した主制御回路メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、主制御回路メインプログラムPG1がランされると、まずスタックの設定、定数設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTCの設定等を行う初期設定が行われる(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御回路メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
【0058】
図9に示すように、初期設定(S1)に次いで、後述する主制御回路割り込み処理(S5)が実行されるまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理がループして行われる。具体的には、まず、割り込みが禁止され(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにさせる。続いて、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。この処理(S3)では、大当り判定等に用いられる乱数カウンタが更新され、更新されたカウンタ値は主制御回路50のRAM51Bの記憶領域に逐一記憶される。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、主制御回路割り込み処理(S5)が実行可能となる。
【0059】
主制御回路割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4ms周期で繰り返して実行される。そして、主制御回路割り込み処理(S5)が終了してから、次に主制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、主制御回路割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
【0060】
次に、主制御回路割り込み処理(S5)について説明する。
図10に示すように、主制御回路割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が行われる。出力処理(S10)では、以下説明する各処理により主制御回路50の出力バッファに記憶された各コマンド(制御信号)等が、サブ制御回路52へ出力される。ここで出力されるコマンド(制御信号)には、変動パターンコマンド等が挙げられる。
【0061】
出力処理(S10)に次いで、入力処理(S11)が行われる。入力処理(S11)では、主に遊技機10に取り付けられている各種センサ(例えば、普通図柄始動スイッチ、始動口センサ、その他センサ、スイッチ類等)が検知した場合の信号入力が行なわれる。続いて行われる動作タイマ減算処理(S12)では、動作タイマを減算する。
【0062】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)は、上記した主制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、乱数カウンタの更新処理は、主制御回路割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(主制御回路割り込み処理(S5)の終了後、次の主制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
【0063】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)に次いで、入賞検出処理(S15)が実行される。入賞検出処理(S15)では、始動入賞口14A,14Bに遊技球に入賞したかどうかを判断して、入賞した場合には、特別図柄保留球数を適宜更新する。
【0064】
入賞検出処理(S15)が終了すると、普通動作処理(S16)が行われる。主制御回路50は、この処理(S16)によって、普通図柄当りの判定や普通図柄表示装置18X(
図2参照)での普通図柄の変動及び停止表示、普通図柄当りに基づく始動入賞口14Bにおける回動扉14Tの開閉を、サブ制御回路52を介さずに直接制御して、普通図柄当りに関する処理を行う。
【0065】
普通動作処理(S16)に次いで行われる特別動作処理(S17)は、特別図柄表示装置14X(
図2参照)の表示状態を直接制御する一方、サブ制御回路52を介して表示画面30G、装飾ランプ22、スピーカ25等を間接的に制御する。
【0066】
特別動作処理(S17)が終了すると、保留球数処理(S18)と、本発明に深く関連しないその他の処理(S19)とを実行して、主制御回路割り込み処理(S5)から抜ける。そして、
図9に示したように、次にCPU51Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜ステップS4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4ms後)に、再度、主制御回路割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、主制御回路割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM51Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行された主制御回路割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上が、主制御回路50が実行する主制御回路メインプログラムPG1についての説明である。
【0067】
次に、サブ制御回路52が実行するサブ制御回路メインプログラムPG2の処理について説明する。
図11に示すように、サブ制御回路メインプログラムPG2では、まず、CPU初期化処理(S20)が行われ、スタックの設定、定数設定、CPU52Aの設定、SIO、PIO、CTCに電源をオンすると、電源基板60から電源断信号がサブ制御回路52に送信される。この電源断信号が送信されたときに、RAM52Bのバックアップデータの内容が正常かどうか判断する(S21)。正常であれば(S21でyes)、ステップS23へ進み、RAM52Bの内容が正常でなければ(S21でno)、RAM52Bを初期化し、各種フラグ及びカウンタ値がリセットされ(S22)、ステップS23へ進む。ステップS23では、ウォッチドッグタイマカウンタが初期化される(S23)。なお、これらステップS20〜S23は、サブ制御回路メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
【0068】
ステップS20〜S23によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S24)、乱数シード更新処理(S25)が実行される。この処理(S25)では、表示画面30Gで行われる演出を、複数の演出候補の中から選択する際に必要な乱数値が更新される。なお、この乱数値によって、上述の図柄変動演出及び特殊演出の内容が決定される。
【0069】
次いで、表示制御回路54、音声制御回路55、ランプ制御回路56(
図2参照)に各種コマンドを送信するコマンド送信処理(S26)を実行し、ウォッチドッグタイマカウンタの初期化(S27)、割込み許可(S28)を行う。そして、これら処理(S24〜S28)を無限ループで繰り返す。
【0070】
サブ制御回路メインプログラムPG2では、上述したステップS24〜S28の無限ループに対して、受信割り込み処理(S29)、2msタイマ割込み処理(S30)、10msタイマ割込み処理(S31)が割り込んで実行される。サブ制御回路52が主制御回路50からストローブ信号を受けると、他の割込み処理(S30,S31)に優先して受信割込み処理(S29)が実行される。また、2msタイマ割込み処理(S30)は、10msタイマ割込み処理(S31)より優先して実行され、10msタイマ割込み処理(S31)は、2msタイマ割り込み処理(S30)間の残余時間に割り込んで実行される。
【0071】
図12に示すように、受信割込み処理(S29)では、まず、ストローブ信号をチェックし(S291)、ストローブ信号がONでなければ(S291でNo)、そのままこの処理(S29)を抜ける。ストローブ信号がONであれば(S291でYes)、主制御回路50からサブ制御回路52に送信された制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ、コマンド等)を取り込み、RAM52Bに格納する(S292)。
【0072】
2msタイマ割り込み処理(S30)は、サブ制御回路52に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。
図13に示すように、この処理(S30)では、入力処理(S301)、ランプデータ出力処理(S302)、駆動出力処理(S303)、3D変換IC処理(S304)、ウォッチドッグタイマ処理(S305)を行う。
【0073】
入力処理(S301)では、10msタイマ割込み処理(S31)でスイッチ状態に基づく処理を実行するためのスイッチデータを作成して、そのスイッチデータをRAM52Bに入力する。駆動出力処理(S303)では、可動演出部材36(
図1参照)等を駆動するための駆動用データを作成し、駆動制御回路59(
図2参照)に出力する。ウォッチドッグタイマ処理(S305)では、ウォッチドッグタイマを初期化する。ランプデータ出力処理(S302)及び3D変換IC処理(S304)については、後に詳説する。なお、駆動出力処理(S303)を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「駆動制御手段」に相当する。
【0074】
10msタイマ割込み処理(S31)は、サブ制御回路52に10ms周期の割り込みパルスが入力する度に実行される。
図16に示すように、10msタイマ割込み処理(S31)では、まず、メインコマンド解析処理(S311)を行う。この処理(S311)では、上述の受信割込み処理(S30)で受信したコマンドの解析処理及び動作の設定を行う。メインコマンド解析処理(S311)が終了すると、次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S312)を実行した後、ウォッチタイマカウンタを初期化して(S313)、この処理(S31)を抜ける。なお、本実施形態では、メインコマンド解析処理(S312)で、
図4(A)に示した基準データテーブルが作成される。また、このメインコマンド解析処理(S312)で、液晶表示装置30の表示態様を、2D表示モードと3D表示モードの何れかに設定する。即ち、メインコマンド解析処理(S312)を行っているときのサブ制御回路52が本発明の「演出モード切替手段」に相当する。
【0075】
図15には、2msタイマ割込み処理(S30)において実行される3D変換IC処理(S304)の詳細が示されている。3D変換IC処理(S304)では、まず、3Dモードであるか否かを判断し(S431)、3Dモードである場合(S431でYes)には、LED出力フラグを「3」に設定し(S432)、その他の処理(S433)を実行して、この処理(S304)を抜ける。また、3Dモードでない場合、即ち、2Dモードである場合(S431でNo)には、LED出力フラグを「2」に設定してから(S434)、その他の処理(S433)を実行して、この処理(S304)を抜ける。なお、その他の処理(S433)では、3Dモード用の画像データの作成等が行われる。
【0076】
図14には、2msタイマ割込み処理(S30)において実行されるランプデータ出力処理(S302)の詳細が示されている。ランプデータ出力処理(S302)では、まず、分割基礎データテーブル(
図4(B)参照。
図14では、「全出力データ」と表されている。)を作成する(S401)。なお、この分割基礎データテーブルは、上述したように、10msタイマ割込み処理(S31)で作成された基準データテーブル(
図4(A)参照)の点灯制御データ(オンオフ情報)をそのまま格納して作成される。
【0077】
分割基礎データテーブルが作成されると、作業用変数を「0」にセットする(S402)。ここで、「作業用変数」は、「0」〜「3」の何れかの整数値をとり、それら「0」〜「3」の各整数値が、区分A1〜A4に対応している。詳細には、「作業用変数」は、
図5で示した強制オフ区分選択データテーブルの選択制御データ群における4つの選択情報のそれぞれに対応し、例えば、左の選択情報から順に、「0」、「1」、「2」、「3」に対応している。
【0078】
次いで、作業用変数が4未満であるか否かを判断し(S403)、作業用変数が4未満である場合には(S403でYes)、強制オフ区分選択データテーブル(
図5参照)に基づいて、セットされている「LED出力フラグ」、「LED出力カウンタ」、「作業用変数」に対応する選択情報がOFFであるか否かを判断する(S404)。なお、「LED出力フラグ」は、上述した3D変換IC処理(S304。
図15参照)において設定される。また、「LED出力カウンタ」は、「0」〜「3」の何れかの整数値をとり、遊技機10の電源投入時には、「0」に設定されている。
【0079】
図14に示すように、強制オフ区分選択データテーブルのうち、セットされている「LED出力フラグ」、「LED出力カウンタ」、「作業用変数」に対応する選択情報がOFFである場合には(S404でYes)、分割基礎データテーブルのうち「作業用変数」に対応する区分の出力データをオフに設定してから(S405)、作業用変数を1インクリメントし(S406)、上述のステップS403に戻る。一方、セットされている「LED出力フラグ」、「LED出力カウンタ」、「作業用変数」に対応するデータがOFFでない場合には(S404でNo)には、作業用変数を1インクリメントし(S406)、上述のステップS403に戻る。
【0080】
このように、本実施形態では、ステップS403〜S406の処理を繰り返すことによって、分割基礎データテーブルのうち一部の区分の点灯制御データが強制的にオフに設定される。ここで、
図5の強制オフ区分選択データテーブルの説明で述べたように、LED出力フラグの値は、2D表示モードであるか3D表示モードであるかを表していて、2D表示モードのときよりも3D表示モードのときに、強制オフ区分として選択される区分の数が多くなるようになっている。
【0081】
ステップS403において、作業用変数が4以上である場合には(S403でNo)、分割基礎データテーブルを送信し(S407)、LED出力カウンタが「3」であるか否かを判断する(S408)。LED出力カウンタが「3」である場合には(S408でYes)、LED出力カウンタを「0」にセットして(S409)、このランプデータ出力処理(S302)を抜ける。一方、LED出力カウンタが「3」でない場合には(S408でNo)、LED出力カウンタを1インクリメントして(S410)、このランプデータ出力処理(S302)を抜ける。
【0082】
このように、本実施形態では、ステップS408〜S410の処理によって、ランプデータ出力処理(S302)が2ms周期で実行される度に、区分A1〜A4から強制オフ区分を選択する選択パターンが変更される。そして、本実施形態では、2D表示モードと3D表示モードの何れの表示モードにおいても、強制オフ区分が、2ms毎、所定の順序で選択されている。なお、ランプデータ出力処理(S302)を行っているときのサブ制御回路52が本発明の「電飾制御手段」に相当する。
【0083】
本実施形態に係る遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。遊技の進行に応じて、駆動役物装置35による役物演出、液晶表示装置30による表示演出、複数のLEDランプ40によるランプ演出が行われる。
【0084】
ここで、ランプ演出は、役物演出や表示演出と同時に行われることがあり、複数のLEDランプ40による消費電力が大きいと、役物演出や表示演出の消費電力が制限されてしまい、それら役物演出及び表示演出の設計の自由度が低くなるという問題が生じ得る。この問題を解決するため、遊技機10は、複数のLEDランプ40を複数の区分A1〜A4に分け、それら区分A1〜A4のうち一部の区分を強制的に消灯する構成となっている。
【0085】
具体的には、区分A1〜A4について、基準周期T(10ms)毎のオンオフ情報を含む点灯制御データからなる基準データテーブルを作成する。また、基準周期Tを分割してなる分割期間t(2ms)毎に、基準データテーブルから分割期間tに対応した分割基礎データテーブルを作成すると共に、複数の区分A1〜A4のうち一部の区分を強制オフ区分として選択し、その強制オフ区分の点灯制御データをオフに再設定する。そして、再設定後の分割基礎データテーブルに基づいて強制オフ区分のLEDランプ40を制御する。これにより、強制オフ区分のLEDランプ40については、確実に消灯させることが可能となり、複数のLEDランプ40の消費電力を抑えることが可能となる。
【0086】
そして、本実施形態の遊技機10では、表示画面30Gによる表示演出のモードが、消費電力が大きな3D表示モードと、消費電力が小さな2D表示モードとに切替可能となっていて、3D表示モードのときには、2D表示モードのときよりも、強制オフ区分が多く選択されるようになっている。これにより、3D表示モードのときには、2D表示モードのときよりも、複数のLEDランプ40による消費電力を小さくすることが可能となる。しかも、遊技機10では、基準周期T(10ms)毎の基準データテーブルのみを設定すれば、強制オフ区分の数を変更するだけで2D表示モードと3D表示モードの両方のモードに対応することが可能となり、複数のLEDランプ40を点灯制御するためのデータテーブルを容易に設定可能となる。
【0087】
また、本実施形態では、分割期間t(2ms)が表示画面30Gの特別図柄の変動時間に対して短くなっているので、1回の変動の途中で2D表示モードと3D表示モードの切替が行われた場合であっても、その表示モードの切替に応じて、複数のLEDランプ40による消費電力を調整することが可能となる。さらに、3D表示モード中に駆動役物装置35による役物演出が合わせて行われる場合であっても、分割期間t(2ms)が、駆動制御回路59を制御するサブ制御回路52の割込み処理(2msタイマ割込み処理)の周期と同じになっているので、駆動役物装置35の消費電力にも応じて、複数のLEDランプ40による消費電力を調整することが可能となる。
【0088】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を、
図17〜
図19に基づいて説明する。本実施形態では、複数のLEDランプ40による節電が行われない通常モードと、節電が行われる節電モードとが設けられている。節電モードには、第1〜第3の節電モードが設けられていて、それら節電モードは、駆動役物装置35(第1実施形態の
図1参照)による役物演出や液晶表示装置30による表示演出での消費電力に応じて適宜変更される。そして、本実施形態では、2D表示モードのときには、通常モードが選択され、3D表示モードのときには、第1〜第3の節電モードのうち何れかの節電モードが選択される。なお、2D表示モードと3D表示モードが本発明の「小負荷演出モード」と「大負荷演出モード」に相当する点は、上記第1実施形態と同じである。
【0089】
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、サブ制御回路52(第1実施形態の
図2を参照)が10msタイマ割込み処理(第1実施形態の
図11を参照)において、
図17(A)に示す基準データテーブルを作成し、2msタイマ割込み処理(第1実施形態の
図11を参照)において、基準データテーブルの点灯制御データをそのまま格納した分割基礎データテーブルを作成する。そして、通常モードでは、分割期間t(2ms)毎、分割基礎データテーブルに従って複数の区分A1〜A4を点灯制御する(
図17(C)参照)。
【0090】
一方、節電モードでは、分割期間t(2ms)毎に、複数の区分A1〜A4から強制オフ区分を所定の順序で一定数ずつ選択し、その強制オフ区分の点灯制御データ(オンオフ情報)をオフにする。ここで、本実施形態では、強制オフ区分として選択される区分の数が、第1節電モードのときに1つ(
図17(D)参照)、第2節電モードのときに2つ(
図17(E)参照)、第3節電モードのときに3つ(
図17(F)参照)となっている。即ち、第1〜第3の節電モードの間では、強制オフ区分の数が異なっている。
【0091】
上記した構成を実現するために、サブ制御回路52は、上記第1実施形態と同様のランプデータ出力処理(第1実施形態の
図14を参照。)を実行する。このとき、本実施形態では、
図18に示す強制オフ区分選択データテーブルを使用する。この強制オフ区分選択データテーブルは、上記第1実施形態と同様に、「LED出力フラグ」に対応したレコードと、「LED出力カウンタ」に対応したフィールドとを有している。本実施形態では、「LED出力フラグ」は、通常モード及び第1〜第3の節電モードの何れかのモードに対応し、通常モードのときには「0」、第1節電モードのときには「1」、第2節電モードのときには「2」、第3節電モードのときには「3」にセットされる。なお、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、各「LED出力フラグ」の各「LED出力カウンタ」に格納された選択制御データ群は、左から順に、区分A1,A2,A3,A4について、強制オフ区分として選択されるか否かを示す選択情報を並べてなり、選択情報が「OFF」であると、強制オフ区分として選択され、選択情報が「ON」であると、強制オフ区分として選択されない。
【0092】
なお、
図19(A)には、通常モードのときの各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。また、
図19(B)〜
図19(D)には、第1〜第3の節電モードのときの各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。このように、本実施形態では、3D表示モードのとき、即ち、第1〜第3の節電モードのとき、強制オフ区分のLEDランプ40については、点灯制御データをオフにして、確実に消灯させることが可能となり、2D表示モード、即ち、通常モードのときよりも、複数のLEDランプ40による消費電力を小さくすることが可能となる。
【0093】
本実施形態のその他の構成については、上記第1実施形態と同様になっているので、説明を省略する。本実施形態によれば、2D表示モード(通常モード)においても3D表示モード(節電モード)においても、基準データテーブルから生成した分割基礎データテーブルを用いて複数のLEDランプ40をオンオフ制御するので、基準データテーブルのみを設計すれば、2D表示モードと3D表示モードの何れの表示モードにも対応することが可能となる。これにより、複数のLEDランプ40を点灯制御するためのデータテーブルを容易に設定可能となる。
【0094】
しかも、本実施形態では、第1〜第3の節電モードの間で強制オフ区分の数を異ならせて、LEDランプ40による消費電力を異ならせる構成となっているので、上記第1実施形態と同様に、基準周期T(10ms)毎の基準データテーブルのみを設定すれば、何れの節電モードにも対応することが可能となり、複数のLEDランプ40を点灯制御するためのデータテーブルを容易に設定可能となる。
【0095】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0096】
(1)上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用した例を示したが、スロットマシンに適用してもよい。
【0097】
(2)上記実施形態では、10msの基準周期に対して、分割期間が2msとなっていたが、例えば、2.5msや1msであってもよい。なお、本構成は、サブ制御回路52にて実行されるサブ制御回路メインプログラムPG2に、2.5ms周期や1ms周期で実行される割込み処理を設けることにより実現可能となる。
【0098】
(3)上記実施形態では、複数のLEDランプ40を4つの区分A1〜A4に分けていたが、3つの区分に分けても、5つ以上の区分に分けてもよい。
【0099】
(4)上記実施形態では、強制オフ区分は、強制オフ区分選択データテーブルに従って選択されていたが、2msタイマ割込み処理が実行される度に、強制オフ区分選択用の乱数を取得して、ランダムに選択されてもよい。なお、上記実施形態では、強制オフ区分選択データテーブルを変更するだけで、強制オフ区分の数及び選択パターンを容易に変更することが可能となる。
【0100】
(5)上記第2実施形態において、通常モードを設けない構成とし、2D表示モードのときには、第1節電モードが選択され、3D表示モードのときには、第2〜第3の節電モードの何れかが選択されるようにしてもよい。
【0101】
(6)上記第2実施形態において、節電モードを1種類のみ(例えば、第3節電モードのみ)設けた構成としてもよい。
【0102】
(7)上記第2実施形態において、2D表示モードのときには、通常モードと第1節電モードの何れかのモードが選択され、3D表示モードのときには、第2〜第3の節電モードの何れかの
モードが選択されるように構成されてもよいし、2D表示モードのときには、通常モード、第1節電モード、第2節電モードの何れかのモードが選択され、3D表示モードのときには、第3節電モードのみが選択されるように構成されてもよい。
【0103】
(8)上記実施形態では、本発明の「大負荷演出モード」と「小負荷演出モード」は、液晶表示装置30による消費電力の大小で決定されていたが、駆動役物装置35による消費電力の大小で決定されてもよい。なお、この場合、駆動役物装置35のみが本発明の「演出装置」に相当する、と捉えることも可能である。
なお、上記実施形態の構成をまとめると、遊技機10は、下記[1]〜[5]の構成を有している、と言える。
[1]遊技を演出するための複数の演出用発光部と、予め定められた基準周期毎の前記複数の演出用発光部のオンオフ情報を含む点灯制御データ群からなる基準データテーブルと、前記基準データテーブルに基づいて前記複数の演出用発光部をオンオフ制御する電飾制御手段と、前記演出用発光部とは別に遊技に関する演出を行う演出装置と、前記演出装置による演出を、前記演出装置による消費電力が大きい大負荷演出モードと、前記演出装置による消費電力が小さい小負荷演出モードとに切り替え可能な演出モード切替手段と、を備え、前記複数の演出用発光部を3つ以上複数の区分に分けると共に、前記基準周期を複数の分割期間に分割し、前記電飾制御手段を、前記分割期間毎に、前記基準データテーブルから前記分割期間に対応した分割基礎データテーブルを作成すると共に、前記複数の区分のうち一部の区分を強制オフ区分として選択して前記分割基礎データテーブルのうち前記強制オフ区分に含まれる前記演出用発光部の前記点灯制御データをオフにし、そのオフした後の前記分割基礎データテーブルに従って前記複数の演出用発光部をオンオフ制御するように構成し、前記大負荷演出モードのときに選択される前記強制オフ区分の数を、前記小負荷演出モードのときに選択される前記強制オフ区分の数よりも多くしたことを特徴とする遊技機。
[1]の構成では、基準周期を複数分割してなる分割期間毎に、基準データテーブルから分割期間に対応した分割基礎データテーブルを作成すると共に、複数の区分のうち一部の区分を強制オフ区分として選択して分割基礎データテーブルのうち強制オフ区分に含まれる演出用発光部の点灯制御データをオフにし、そのオフした後の分割基礎データテーブルに基づいて複数の演出用発光部をオンオフ制御する。従って、強制オフ区分の演出用発光部については、点灯制御データをオフにして、確実に消灯させることが可能となる。そして、本発明では、演出用発光部とは別に遊技に関する演出を行う演出装置による演出のモードが、演出装置による消費電力が大きい大負荷演出モードと、演出装置による消費電力が小さい小負荷演出モードとに切り替え可能であって、大負荷演出モードのときに選択される強制オフ区分の数を、小負荷演出モードのときに選択される強制オフ区分の数よりも多くしたので、大負荷演出モードのときには、小負荷演出モードのときよりも、複数の演出用発光部による消費電力を小さくすることが可能となる。しかも、本発明では、基準周期毎の基準データテーブルのみを設定すれば、強制オフ区分の数を変更するだけで大負荷演出モードと小負荷演出モードの両方の演出モードに対応することが可能となり、複数の演出用発光部を点灯制御するためのデータテーブルを容易に設定可能となる。
[2]遊技を演出するための複数の演出用発光部と、予め定められた基準周期毎の前記複数の演出用発光部のオンオフ情報を含む点灯制御データ群からなる基準データテーブルと、前記基準データテーブルに基づいて前記複数の演出用発光部をオンオフ制御する電飾制御手段と、前記演出用発光部とは別に遊技に関する演出が行う演出装置と、前記演出装置の演出のモードを、前記演出装置による消費電力が大きい大負荷演出モードと、前記演出装置による消費電力が小さい小負荷演出モードとに切り替え可能な演出モード切替手段と、を備え、前記複数の演出用発光部を複数の区分に分けると共に、前記基準周期を複数の分割期間に分割し、前記電飾制御手段は、前記分割期間毎に、前記基準データテーブルから前記分割期間に対応した分割基礎データテーブルを作成すると共に、前記小負荷演出モードのときには、前記分割期間毎に、前記分割基礎データテーブルに従って前記複数の演出用発光部をオンオフ制御する一方、前記大負荷演出モードのときには、前記複数の区分のうち一部の区分を強制オフ区分として選択して前記分割基礎データテーブルのうち前記強制オフ区分に含まれる前記演出用発光部の前記点灯制御データをオフにし、そのオフした後の前記分割基礎データテーブルに従って前記複数の演出用発光部をオンオフ制御するように構成されたことを特徴とする遊技機。
[2]の構成では、演出装置による演出のモードが、演出装置による消費電力が小さい小負荷演出モードのときには、基準データテーブルから生成した分割基礎データテーブルに従って複数の演出用発光部をオンオフ制御する。また、演出装置による演出のモードが、演出装置による消費電力が大きい大負荷演出モードのときには、分割期間毎に、複数の区分のうち一部の区分を強制オフ区分として選択すると共に、分割基礎データテーブルのうち強制オフ区分に含まれる演出用発光部の点灯制御データをオフにし、そのオフした後の分割基礎データテーブルに従って複数の演出用発光部をオンオフ制御する。従って、本発明によれば、大負荷演出モードのときに、強制オフ区分の演出用発光部については、点灯制御データをオフに設定して、確実に消灯させることが可能となり、小負荷演出モードのときよりも、複数の演出用発光部による消費電力を小さくすることが可能となる。そして、本発明では、大負荷演出モードと小負荷演出モードの何れの演出モードであっても、基準データテーブルから生成した分割基礎データテーブルを用いて複数の演出用発光部をオンオフ制御するので、基準データテーブルのみを設計すれば、大負荷演出モードと小負荷演出モードの両方の演出モードに対応することが可能となる。これにより、複数の演出用発光部を点灯制御するためのデータテーブルを容易に設定可能となる。
[3]前記複数の区分の数は、前記基準周期あたりの前記分割期間の数以下であって、前記強制オフ区分は、前記分割期間毎に、前記複数の区分から所定の順に一定数ずつ選択されることを特徴とする[1]又は[2]に記載の遊技機。
[3]の構成では、強制オフ区分は、所定の順序で選択されるので、基準周期全体で、強制的に消灯される区分に偏りが生じることを抑制可能となる。しかも、強制オフ区分は、一定数ずつ選択されるので、任意の分割期間で、強制的に消灯される演出用発光部の数のばらつきを抑えることが可能となる。
[4]前記演出装置による演出のモードに対応したレコードと、前記強制オフ区分の選択パターンに対応した複数のフィールドとを有して、各前記レコードの各前記フィールドに、前記複数の区分のそれぞれについて前記強制オフ区分として選択するか否かの選択制御データ群が格納された強制オフ区分選択データテーブルを備え、前記電飾制御手段は、前記分割期間毎に、前記選択パターンを設定すると共に、前記強制オフ区分選択データテーブルのうち前記演出装置による演出のモードと前記選択パターンとに対応した前記選択制御データに従って、前記前記強制オフ区分を選択することを特徴とする[1]〜[3]のうち何れか1に記載の遊技機。
[4]の構成によれば、強制オフ区分選択データテーブルを変更するだけで、強制オフ区分の数及び選択パターンを容易に変更することが可能となる。
[5]前記演出装置に、駆動源により駆動されて前記演出用発光部と共に遊技を演出可能な可動演出部材を設けると共に、一定周期毎に前記駆動源を制御する駆動制御手段を備え、前記分割期間の長さを、前記駆動制御手段が前記駆動源を制御する周期の長さに一致させたことを特徴とする[1]〜[4]のうち何れか1に記載の遊技機。
[5]の構成によれば、駆動制御手段が可動演出部材を駆動する駆動源を制御する周期に合わせて、電飾制御手段が演出用発光部をオンオフ制御することが可能となり、可動演出部材の駆動に必要な消費電力に合わせて、演出用発光部の消費電力を抑えることが可能となる。