特許第5938662号(P5938662)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938662
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
   A63F7/02 304Z
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-237148(P2014-237148)
(22)【出願日】2014年11月21日
(65)【公開番号】特開2016-97130(P2016-97130A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2015年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
(74)【代理人】
【識別番号】100167782
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 元治
(72)【発明者】
【氏名】平野 泰弘
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−231925(JP,A)
【文献】 特開2010−187992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作可能な演出部材と、
一端が前記演出部材に接続され、当該演出部材が移動することに伴って変形する接続部材と、
を備え、
前記演出部材には、前記接続部材が当該演出部材の外側に留まるように押さえる押さえ部が設けられており、
前記演出部材における外縁に前記押さえ部が設けられた部分の厚み方向における長さは、当該方向における前記接続部材の長さよりも小さく、かつ、当該方向における前記押さえ部の長さは、当該方向における前記接続部材の長さよりも大きく、
前記演出部材における外縁に前記押さえ部が設けられた部分に対し、その少なくとも一部が厚み方向に重なるようにして駆動源の動力を伝達するための伝達部材が接続されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記押さえ部は、前記演出部材における前記伝達部材が接続された箇所と、前記接続部材との間に設けられていることを特徴とする請求項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作する演出部材およびそれに接続された接続部材を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のように、動作する演出部材(可動部材)に電線等が接続されることがある。この電線等の接続部材は、演出部材の動作に合わせて撓んだり、延びたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−180146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
演出部材やそれに接続される接続部材の配置スペースの大型化を抑制するため、これらをコンパクトにまとめようとすると、演出部材が動作する度、変形する接続部材が演出部材に接触する構成とせざるを得ない場合がある。このような場合には、演出部材に接続部材が絡んでしまったり、両者が接触したりすることによって接続部材が損傷してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、動作する演出部材およびそれに接続された接続部材を備える遊技機において、接続部材の損傷の発生を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明にかかる遊技機は、動作可能な演出部材と、一端が前記演出部材に接続され、当該演出部材が移動することに伴って変形する接続部材と、を備え、前記演出部材には、前記接続部材が当該演出部材の外側に留まるように押さえる押さえ部が設けられており、前記演出部材における外縁に前記押さえ部が設けられた部分の厚み方向における長さは、当該方向における前記接続部材の長さよりも小さく、かつ、当該方向における前記押さえ部の長さは、当該方向における前記接続部材の長さよりも大きく、前記演出部材における外縁に前記押さえ部が設けられた部分に対し、その少なくとも一部が厚み方向に重なるようにして駆動源の動力を伝達するための伝達部材が接続されていることを特徴とする。
なお、ここでいう「接続」には、接続部材が直接演出部材に接続された構造だけでなく、接続部材が他の部材を介して間接的に演出部材に接続されたような構造を含む。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の遊技機において、前記押さえ部は、前記本体部における前記伝達部材が接続された箇所と、前記接続部材との間に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明のように、接続部材が外側に留まるよう押さえる押さえ部が演出部材に設けられていれば、演出部材が動作する際に接続部材が演出部材の内側に入り込んで絡み付いてしまい、接続部材が損傷してしまう事態の発生を抑制することが可能である。
【0012】
また、押さえ部の所定方向における長さを、当該所定方向における接続部材の長さよりも大きくすることで、接続部材の一部が局所的に演出部材に接触してしまい、当該局所的に接触する部分のみ劣化(損傷)が進行してしまうのを抑制することが可能である。
【0013】
また、相対的に厚みが小さい第一の部分に伝達部材が接続された構成とすれば、演出部材とそれに動力を伝達する伝達部材の構成が大きくなってしまうのを抑制しつつ、相対的に厚みが小さい第一の部分に押さえ部が設けられているから、当該第一の部分と接続部材が局所的に接触し、当該局所的に接触する部分のみ劣化(損傷)が進行してしまうのを抑制することが可能である。
【0014】
請求項に記載の発明のように、演出部材における伝達部材が接続された箇所と、接続部材との間に押さえ部が設けられていれば、接続部材と伝達部材が接触する(接続部材と伝達部材が絡んでしまう)のを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態にかかる遊技機の正面図であり、演出部材が演出位置に位置した状態を示したものである(発射装置(発射ハンドル)等公知の部材は省略)。
図2】センターベースおよびそれに固定されたベース部材に支持された演出部材の外観斜視図であり、演出部材が演出位置に位置した状態を示したものである。
図3】ベース部材それに支持された演出部材を後方から見た外観斜視図であり、演出部材が待機位置に位置した状態を示したものである。
図4】ベース部材それに支持された演出部材を後方から見た外観斜視図であり、演出部材が演出位置に位置した状態を示したものである。
図5】ベース部材それに支持された演出部材を後方から見た図であり、演出部材が演出位置に位置した状態を示したものである。
図6】(a)は演出位置に位置する演出部材と接続部材の位置関係を示した模式図であり、(b)待機位置に位置する演出部材と接続部材の位置関係を示した模式図である。
図7】平面方向に沿って見たときにおける押さえ部(本体部)と接続部材の大小関係を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明にかかる実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明における平面方向とは遊技領域902に沿う(平行な)方向を、前後方向とは遊技領域902に直交する方向(遊技者側を前、その反対側を後とする)を、左右方向(幅方向)とは図1の左右方向を、上下方向とは図1の上下方向をいうものとする。
【0017】
まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0018】
遊技領域902には、表示装置91、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91は、例えば液晶表示装置が用いられ、表示装置91の表示画面(表示部)において特別図柄や普通図柄等が表示される。かかる表示装置91の表示画面は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能である。
【0019】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0020】
このような遊技機1では、発射装置(図示省略)を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。その他、大当たりの抽選方法や演出等は、公知の遊技機と同様のものが適用できるため、説明は省略する。なお、本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆるぱちんこ遊技機であるが、スロットマシン等、他の種類の遊技機であってもよい。
【0021】
本実施形態にかかる遊技機1は、図2図5に示すように、演出部材10および接続部材20を備える。演出部材10は、遊技盤90の後方に設けられるセンターベースに固定されたベース部材40に支持されている(図2参照)。なお、本実施形態にかかる遊技機1は、第一演出部材および第二演出部材という面Fに関し左右対称形状の二つの演出部材10を備える。本発明に関係する部分の構成は面Fに関し左右対称であるため、一の演出部材10のみを説明する。演出部材10は、所定の範囲を動作可能に設けられたいわゆる役物である。本実施形態における演出部材10は、平面方向に沿って移動するものであり、遊技盤90の開口901よりも下側の部分に覆われた待機位置から、開口901を通じて視認可能となる演出位置との間を往復動可能なものである。
【0022】
演出部材10は、本体部11およびアーム部12を有する。本実施形態における本体部11は、その厚み方向が前後方向と略一致するように配置された板状の部分であって、本体部11の前面には、演出効果を発現する装飾部110が設けられている。装飾部110の装飾態様はどのようなものであってもよい。本体部11は、相対的に厚みが小さい(薄い)第一の部分111と、相対的に厚みが大きい(厚い)第二の部分112を含む。当該厚みの差によって、装飾部110の反対側の面に段差が生じるような形状となっている。つまり、装飾部110(本体部11の前面)はその装飾による段差等を考慮しなければ略平坦な面であるが、本体部11の後面は本体部11自体の厚みの差によって段差が存在する面となっている。
【0023】
アーム部12は、本体部11から延びる細長い軸状の部分である。アーム部12の先端は、遊技機1本体に固定されたベース部材40に接続されている。演出部材10は、当該接続された箇所を支点として回動することとなる。
【0024】
また、演出部材10には、接続部材20の一端が接続されている(直接接続されていてもよいし、別の部材を介して間接的に接続されていてもよい)。接続部材20は、演出部材10の第二の部分112に接続されている。本実施形態における接続部材20は、細長い帯状のフラットケーブル(複数の電線(単線)が並べられて帯状にされたもの)である。本実施形態における演出部材10(装飾部110)には、演出効果を高めるための光源が設けられており、接続部材20は当該光源に電力を供給するための電力線である。接続部材20の他端は、ベース部材40の幅方向における略中央に固定された基板42に接続されている。演出部材10は、ベース部材40に対して移動(変位)するものであるから、一端が演出部材10に接続され、他端がベース部材40に接続(本実施形態では基板42を介して間接的に接続)されている接続部材20は、演出部材10が動作すると、当該動作に合わせるようにして変形する。
【0025】
なお、演出部材10の動作によって変形するものであって、以下の説明に合致するものであれば、接続部材20はフラットケーブルでなくてもよい。例えばFPCであってもよい。また、電線(電力を供給する電力線や信号をやり取りするための信号線)でなくてもよい。
【0026】
接続部材20は、その幅方向が前後方向と略一致するように設けられている。つまり、接続部材20の幅方向が本体部11の厚み方向と略一致するように設けられている。本体部11に接続された接続部材20の一端側から大まかに見て、一端から幅方向内側に向かい、そこから再び幅方向外側に向かい、さらに幅方向中央に位置する基板42に向かって幅方向内側に向かう略「S(逆S)」字形状となるように配置されている。本実施形態では、接続部材20の他端側(基板42側)に、接続部材20の他端側を基板42から下方に向かうような形状に維持するための維持部材43がベース部材40に設けられている。演出部材10は平面方向に沿って移動するものであり、接続部材20は幅方向が前後方向に沿うようにして配置(前後方向に変形しにくいように配置)されたものであるから、演出部材10が移動しても、接続部材20の前後方向位置はほとんど変化しない。つまり、後述するように、本体部11は、大まかに見て上下方向に(下方の待機位置と上方の演出位置との間を)変位することとなるが、接続部材20は、本体部11が上方に向かえば上下方向に長い略「S(逆S)」字形状となり、本体部11が下方に向かえば上下方向に短い略「S(逆S)」字形状となる(図6参照)。演出部材10の移動態様および上記維持部材43の存在により、演出部材10がどの位置に位置しているときであっても接続部材20の「S」字形状が保たれる(「S」字の態様(上下方向の長さ)は変化するものの、「S」字形状は保たれる)。
【0027】
演出部材10には、押さえ部111cが設けられている。押さえ部111cは、演出部材10の第一の部分111の外縁に設けられている。具体的には、押さえ部111cは、厚みが小さい第一の部分111の外縁から、後方に向かって突出するように設けられた板状の部分である。つまり、演出部材10の厚み方向(前後方向)の長さで比較すれば、第一の部分111よりも押さえ部111cの方が長い。また、当該方向における押さえ部111cの長さは、当該方向における接続部材20の長さよりも小さい。
【0028】
演出部材10および接続部材20は、(演出部材10が移動した際も)その前後方向位置をほとんど変化させないものである。図7に示すように、前後方向における各部材の位置関係を特定する(平面方向に沿って見る)と、接続部材20の一部に本体部11の第一の部分111が重なるように設定されている。また、接続部材20の全体が、押さえ部111cに重なるように設定されている。
【0029】
押さえ部111cは、本体部11の下側に位置している。当該位置は、演出部材10(本体部11)における伝達部材32が接続された箇所(後述する係合突起111aが設けられた箇所)と、接続部材20との間である。演出部材10がその移動範囲におけるどの位置に位置しているときであっても、伝達部材32が接続された箇所と接続部材20の間には押さえ部111cが存在する(図5図6等参照)。
【0030】
ベース部材40には、演出部材10を駆動させる駆動機構が設けられている。駆動機構は、後述するように演出部材10を動作させるものであればどのようなものであってもよい。本実施形態における駆動機構は、駆動源30(本実施形態ではモータ)、歯車列31、伝達部材32を含む。駆動源30の動力は、一または複数の歯車から構成される歯車列31を介して伝達部材32に伝達される。
【0031】
伝達部材32は、一方側端部である被支持部321がベース部材40に対して回動自在に支持されている。他端側には、端部側長孔322が形成され、当該端部側長孔322内には、演出部材10の本体部11における第一の部分111の裏面から後方に向かって突出するように形成された係合突起111aが嵌まり込んでいる。係合突起111aは端部側長孔322内をスライドすることができる。
【0032】
また、伝達部材32における中央(被支持部321と端部側長孔322の間)には、中央側長孔323が形成されている。当該中央側長孔323内には、歯車列31の最後(最も後段)の歯車に設けられた伝達突起311が嵌まり込んでいる。伝達突起311は中央側長孔323内をスライドすることができる。
【0033】
ベース部材40には、各演出部材10を誘導する誘導溝41が形成されている。当該誘導溝41内には、演出部材10の本体部11における第一の部分111の前面から前方に向かって突出するように形成された被誘導突起111bが嵌まり込んでいる。被誘導突起111bは誘導溝41内をスライドすることができる。この誘導突起と誘導溝41内の係合により、演出部材10(本体部11)を所定の態様で移動させることができる。誘導溝41の形状は、演出部材10(本体部11)の移動態様に応じて適宜設定すればよい。
【0034】
演出部材10の動作およびそれに伴う接続部材20の変形について、一部上記説明と重複するが以下説明する。
【0035】
待機位置に位置する演出部材10を演出位置に向かって動作させる際には、図示されない制御手段が駆動源30を駆動(正転)させる。これにより、各駆動源30の動力は、歯車列31の最も後段の歯車まで伝わり、当該歯車に設けられた伝達突起311が当該歯車の回転中心を中心として変位する。具体的には、下方から上方に向かうように変位する。
【0036】
伝達突起311は、各伝達部材32に形成された中央側長孔323に嵌まり込んでいるため、中央側長孔323の内壁面を押す。これにより、伝達部材32は、被支持部321を支点として、演出部材10側端部が上方に変位するよう回動する。
【0037】
当該他方の端部には、端部側長孔322が形成されており、当該端部側長孔322には係合突起111aが嵌まり込んでいるため、端部側長孔322の内壁面が当該係合突起111aを押す。これにより、係合突起111aが設けられた演出部材10が、被誘導突起111bが嵌まり込んでいる誘導溝41に誘導されつつ、アーム部12が接続されている接続箇所を支点として、上方に向かって回動(変位)する。これにより、演出部材10の本体部11が遊技盤90の開口901を通じて遊技者に視認可能な演出位置に位置する。なお、演出位置から待機位置に戻す際には、駆動源30を逆方向に駆動(逆転)させればよい。
【0038】
演出部材10が待機位置から演出位置に移動する際には、本体部11が上方に向かって変位するため当該本体部11に接続された接続部材20の一端も上方に引っ張られる。そのため、接続部材20は上下方向に長い略「S(逆S)」字形状となる(図6(a)参照)。一方、演出部材10が演出位置から待機位置に移動する際には、本体部11が下方に向かって変位するため当該本体部11の接続された接続部材20の一端は下方に抑えつけられる。そのため、接続部材20は下方に上下方向に短い略「S(逆S)」字形状となる。具体的には、本体部11によって押さえつけられることで「S(逆S)」字の屈曲部分の曲率が小さくなるように接続部材20が変形し、当該接続部材20の一部が本体部11に接触する(図6(b)参照)。
【0039】
本実施形態における演出部材10には、当該接続部材20の一部が接触する箇所に押さえ部111cが設けられている。押さえ部111cは、演出部材10の外縁(本体部11の外縁)に設けられているため、接続部材20が演出部材10の外縁よりも内側に入り込もうとするのを阻止する。したがって、演出部材10が動作する際に接続部材20が演出部材10の内側に入り込んで絡み付いてしまい、接続部材20が損傷してしまう事態の発生を抑制することが可能である。
【0040】
また、押さえ部111cの前後方向(演出部材10の厚み方向)における長さは、当該方向における接続部材20の長さよりも大きい(図7参照)。そのため、当該方向における接続部材20の一部(接続部材20の幅方向における一部)が局所的に演出部材10に接触してしまい、当該局所的に接触する部分のみ劣化(損傷)が進行してしまうのを抑制することが可能である。特に、本実施形態では、演出部材10(本体部11)の第一の部分111は、その厚み方向(前後方向)における長さが押さえ部111cよりも小さいため、押さえ部111cが設けられていない場合には当該第一の部分111が局所的に接続部材20に接触してしまうため、当該部分の劣化(損傷)が進行してしまうおそれが高いところ、当該接触する部分として設けられた押さえ部111cにより、このような劣化(損傷)の進行が抑制される。
【0041】
本実施形態では、相対的に(第二の部分112)よりも厚みが小さい第一の部分111に伝達部材32が接続されている(なお、ここでいう「接続」には、演出部材10と伝達部材32が動かないように固定されているこうぞうだけでなく、本実施形態のように演出部材10と伝達部材32が動かないように固定されていない構造も含む。つまり、演出部材10と伝達部材32の「接続箇所」とは、駆動源30の動力が伝達部材32を介して演出部材10に伝達される箇所をいう)。具体的には、演出部材10の本体部11の裏面は、第一の部分111がその厚みが小さい分、第二の部分112よりも一段低くなった形状となっており、当該第一の部分111に伝達部材32が作用する係合突起111aを設け、当該低くなった部分に伝達部材32が位置している。これにより、演出部材10およびその駆動機構の小型化を図っている。
【0042】
しかし、このような構成とすると、第一の部分111の厚みが小さいため、当該第一の部分111に接触する接続部材20の局所的な劣化(損傷)が進行してしまうおそれがあるところ、本実施形態では、かかる第一の部分111の外縁に押さえ部111cを設けることにより、このような局所的な劣化(損傷)の進行を抑制している。
【0043】
また、本実施形態では、前後方向において接続部材20の全体が押さえ部111cに重なるように設定されており(図7参照)、当該方向における接続部材20の全体が押さえ部111cに接触するため、上記のように接続部材20が局所的に劣化(損傷)してしまうのを抑制する効果に優れる。
【0044】
また、本実施形態では、演出部材10における伝達部材32が接続された箇所と、接続部材20との間に押さえ部111cが設けられているため、接続部材20と伝達部材32が接触する(接続部材20と伝達部材32が絡んでしまう)のを抑制することも可能である。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態では、接続部材20は「S」字形状で配置されているものであることを説明したが、接続部材20の形状はどのようなものであってもよい。演出部材10の移動範囲において、接続部材20が演出部材10に接触しうるものであれば同様の技術思想が適用可能である。また、演出部材10の移動範囲や移動態様、演出部材10を移動させる駆動機構の構成も適宜変更可能である
以下、上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を列挙する。
手段1の発明にかかる遊技機は、動作可能な演出部材と、一端が前記演出部材に接続され、当該演出部材が移動することに伴って変形する接続部材と、を備え、前記演出部材には、前記接続部材が当該演出部材の外側に留まるように押さえる押さえ部が設けられていることを特徴とする。
なお、ここでいう「接続」には、接続部材が直接演出部材に接続された構造だけでなく、接続部材が他の部材を介して間接的に演出部材に接続されたような構造を含む。
手段2に記載の発明は、手段1に記載の遊技機において、前記演出部材の厚み方向における前記押さえ部の長さは、当該方向における前記接続部材の長さよりも大きいことを特徴とする。
手段3に記載の発明は、手段1に記載の遊技機において、前記演出部材における外縁に前記押さえ部が設けられた部分の厚み方向における長さは、当該方向における前記接続部材の長さよりも小さく、当該方向における前記押さえ部の長さは、当該方向における前記接続部材の長さよりも大きいことを特徴とする。
手段4に記載の発明は、手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機において、前記演出部材は、外縁に前記押さえ部が設けられた第一の部分とそれよりも厚い第二の部分を有し、前記第一の部分に駆動源の動力を伝達するための伝達部材が接続されていることを特徴とする。
手段5に記載の発明は、手段4に記載の遊技機において、前記押さえ部は、前記本体部における前記伝達部材が接続された箇所と、前記接続部材との間に設けられていることを特徴とする。
手段1に記載の発明のように、接続部材が外側に留まるよう押さえる押さえ部が演出部材に設けられていれば、演出部材が動作する際に接続部材が演出部材の内側に入り込んで絡み付いてしまい、接続部材が損傷してしまう事態の発生を抑制することが可能である。
手段2や手段3に記載の発明のように、押さえ部の所定方向における長さを、当該所定方向における接続部材の長さよりも大きくすることで、接続部材の一部が局所的に演出部材に接触してしまい、当該局所的に接触する部分のみ劣化(損傷)が進行してしまうのを抑制することが可能である。
手段4に記載の発明のように、相対的に厚みが小さい第一の部分に伝達部材が接続された構成とすれば、演出部材とそれに動力を伝達する伝達部材の構成が大きくなってしまうのを抑制しつつ、相対的に厚みが小さい第一の部分に押さえ部が設けられているから、当該第一の部分と接続部材が局所的に接触し、当該局所的に接触する部分のみ劣化(損傷)が進行してしまうのを抑制することが可能である。
手段5に記載の発明のように、演出部材における伝達部材が接続された箇所と、接続部材との間に押さえ部が設けられていれば、接続部材と伝達部材が接触する(接続部材と伝達部材が絡んでしまう)のを抑制することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 遊技機
10 演出部材
11 本体部
111 第一の部分
111c 押さえ部
112 第二の部分
12 アーム部
20 接続部材
30 駆動源
32 伝達部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7