(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0018】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0019】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵し遊技者が操作可能な操作手段としての演出ボタン25が設けられている。さらに、上皿21の上面右側には、上皿内の遊技球を下皿23へ移動させるための球抜き操作部26が設けられている。
【0020】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(
図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。
さらに、上記上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0021】
次に、
図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0022】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0023】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(
図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0024】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口)38が配設されている。
【0025】
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(
図3参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、第1特別変動入賞装置38の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(
図3参照)が配設されている。
【0026】
一方、センターケース40の左上には、下端部を支点として開閉可能な一対の可動片を備え特図変動表示ゲームの結果如何によって入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)42が設けられ、該第2特別変動入賞装置42の内部には、当該第2大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42a(
図3参照)が配設されている。
さらに、遊技領域32の下部、第1特別変動入賞装置38の下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0027】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図2表示器)52を備える。また、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、遊技状態を報知する表示部、エラーを表示するエラー表示部、大当り時や小当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置38または第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部などからなるLED表示部53が設けられている。
【0028】
特
図1表示器(51)と特
図2表示器(52)における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0029】
遊技機10の裏面には、遊技機の各部に設けられたスイッチやセンサからの信号を受けるとともに、前面枠15およびセンターケース40に設けられている装飾ランプおよび各種モータなどの駆動源や表示装置41を制御する制御装置や、賞球を払い出すための払出ユニットが設けられている。また、制御装置は、主として遊技を制御する遊技制御基板(主基板)と表示装置41や装飾ランプ、演出用の役物装置(可動部材)の駆動源を制御する演出制御基板(サブ基板)とを備えている。従って、遊技制御基板と演出制御基板それぞれが制御手段であるとともに、これらを備える制御装置も制御手段とみなすことができる。
【0030】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、第2特別変動入賞装置42、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は第1特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、第2特別変動入賞装置42、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は第1特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0031】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(
図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
【0032】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0033】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0034】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(
図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
【0035】
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(
図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0036】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特
図1表示器または特
図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0037】
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特
図1表示器若しくは特
図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別図柄)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0038】
なお、一括表示装置50の特
図1表示器(51)、特
図2表示器(52)は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示領域を設けて表示するようにしても良いし、同一表示領域にて表示するようにしても良いが、各々独立して、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特
図1表示器、特
図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0039】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0040】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38a,42aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0041】
図3は、本発明を適用して好適な実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図を示す。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0042】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロック信号を生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置220で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0043】
電源装置220は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部221と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部222と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部223などを備える。
【0044】
この実施形態では、電源装置220は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部222及び制御信号生成部223は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置220若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部222及び制御信号生成部223を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0045】
上記バックアップ電源部222は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部223は、例えば通常電源部221で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0046】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置210内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0047】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0048】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が16R(16ラウンド)当りや12R(12ラウンド)当り、2R(2ラウンド)当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、演出モードに応じて切り替えられるテーブルや、変動の後半のパターンを選択するための後半変動パターンテーブル、変動の前半のパターンを選択するための前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0049】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示装置41が時期を異ならせて複数の表示結果(停止図柄)を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置41の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。
【0050】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0051】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャルリーチ1、スペシャルリーチ2、スペシャルリーチ3等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャルリーチ1<スペシャルリーチ2<スペシャルリーチ3の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0052】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置210や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロック信号を生成するクロックジェネレータを備えている。
【0053】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(
図11参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは普電サポート状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0054】
払出制御装置210は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置210は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0055】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38a,42aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0056】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0057】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置220から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0058】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38a,42aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0059】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置210からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0060】
また、入力部120には、電源装置220からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置220からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0061】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0062】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置210へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置210及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置210へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0063】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0064】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0065】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38,42を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b,42bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0066】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38b,42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0067】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置220から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0068】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0069】
次に、
図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314と、現在時刻を計時するリアルタイムクロック回路316と、を備えている。リアルタイムクロック回路316は、電池などの内蔵電源を備え、電源遮断中も計時動作を継続できるように構成されている。
【0070】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データ、コマンドリストが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には圧縮された音声データやフレーズ再生処理に必要なシーケンス、簡易アクセスのためのコマンド列等が記憶された音声ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0071】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路308などが設けられている。
【0072】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0073】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0074】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる演出制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBTの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
【0075】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置43を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める役物装置等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0076】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた入力操作手段としての演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ44a等のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0077】
電源装置220の通常電源部221は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部221に設けるようにしてもよい。
【0078】
電源装置220の制御信号生成部223により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0079】
次に、遊技制御装置100において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
【0080】
なお、本実施形態においては、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、CPU111Aは、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0081】
また、遊技制御装置100のCPU111Aは、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、CPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。また、一括表示装置50の特
図1表示器51や特
図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。従って、CPU111Aは、始動記憶に基づいて変動表示装置としての特
図1表示器51や特
図2表示器52における変動表示ゲームを実行制御する変動表示ゲーム実行制御手段として機能する。
【0082】
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
また、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特
図1表示器や特
図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態(大当り)を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bまたは42bにより特別変動入賞装置38または42の開閉扉または可動片を開放方向へ回動させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0083】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回又は12回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、2R当りや小当りが発生すると、大入賞口を例えば2回開放する制御を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0084】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。確変状態は、次に特別遊技状態が発生するまで継続しても良いが、所定変動回数に限定して継続しても良い。従って、制御手段としての遊技制御装置100のCPU111Aは、特別遊技状態終了後の所定の変動表示遊技回数まで遊技の進行が有利になる特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態制御手段として機能する。
【0085】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として普電サポート状態を発生可能となっている。
この普電サポート状態(電サポ)においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、普電サポート状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、普電サポート状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
従って、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後、所定期間を限度として、変動開始条件が成立しやすい特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段として機能することとなる。
【0086】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、普電サポート動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0087】
なお、特別遊技状態の終了後の確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の普電サポート状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
本実施形態においては、上記のような変動表示ゲームの当り/はずれの判定および変動パターンの選択を、遊技制御装置100が、始動口36または普通変動入賞装置37への遊技球の入賞時に乱数カウンタから取得した乱数を、ROM111B内に予め格納されている選択テーブルを用いて判定することで行うようになっている。
【0088】
次に、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図5及び
図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる
図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図5に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0089】
次に、払出制御装置(払出基板)210のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置210が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置210へ送ってしまい、払出制御装置210がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、払出制御装置210や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0090】
続いて、電源装置220内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。
また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、
図6のステップS20へジャンプする。
【0091】
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、
図6のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施形態ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
【0092】
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にオン情報をセーブしてから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行なってステップS23へ進む。
【0093】
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行なってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0094】
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、ステップS25で、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS26)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0095】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0096】
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置220から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0097】
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0098】
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)、算出したチェックサムをRWMのバックアップ領域へセーブする処理(ステップS33)を行なった後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行なって、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0099】
次に、タイマ割込み処理について
図7のフローチャートを用いて説明する。
図7に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
【0100】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置210等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
【0101】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0102】
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS44)の詳細について説明する。
図8に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置210に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
次に、上記のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。なお、払出コマンド送信処理(ステップS72)は、本発明と直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
【0103】
図9に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS81)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS82)。
【0104】
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。
次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。
さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。
そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
【0105】
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS88)の詳細について説明する。
図10(A)に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS91)、コマンドデータ出力処理(ステップS92)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS93)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS94)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS95)を実行する。
【0106】
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS92、S95)の詳細について説明する。
図10(B)に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS101)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS102)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS103)。そして、次のステップS104で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS104;No)と判定するとステップS102へ戻って上記処理を繰り返す。
【0107】
一方、ステップS104で、オフ時間が終了した(ステップS104;Yes)と判定するとステップS105へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。続いて、ステップS101でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート131のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(ステップS106)。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS107)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS108)。
【0108】
そして、次のステップS109で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS109;No)と判定するとステップS107へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS109で、オン時間が終了した(ステップS109;Yes)と判定するとステップS110へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(ステップS111)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS107で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS107〜S109のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS104及びステップS109は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
【0109】
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。この特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図11に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。従って、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの遊技結果を事前に判定する事前判定判定手段として機能する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
【0110】
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0111】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0112】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(12R大当りor156大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(12R大当りor16R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
【0113】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0114】
その後、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特
図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。
その後、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特
図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0115】
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
図12に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0116】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0117】
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0118】
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図13に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
【0119】
続いて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
【0120】
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特
図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。
続いて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、該コマンドを演出制御装置300へへ送信するためのコマンド設定処理(ステップA213)を行う。
【0121】
続いて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA215)。なお、特
図1と特
図2の変動表示ゲームは同じ乱数カウンタから大当り乱数を抽出する。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA218)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA219)後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロードし、準備して(ステップA220)、特図保留情報判定処理(ステップA221)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
【0122】
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA222)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA223;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA224)、コマンド設定処理(ステップA225)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA223にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA223;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0123】
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA221)の詳細について説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図14に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。
【0124】
ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、始動記憶に基づいて遊技機が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。なお、転落抽選を行うものにおいて、始動記憶が転落抽選に当選である場合には、以降の大当り判定等は行わないようにしても良い。また、転落抽選に当選である場合、最大始動記憶数に対応する変動回数(4回転)は除くという条件付きで、以降の大当り判定等は行わないようにしても良い。
【0125】
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
【0126】
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
【0127】
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA245へ移行する。
一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックする(ステップA238)。
そして、ステップA238におけるチェックの結果、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA239;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備して(ステップA240)、ステップA242へ移行する。また、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA239;No)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備して(ステップA241)、ステップA242へ移行する。
【0128】
次いで、ステップA242では、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する(ステップA242)。そして、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定した(ステップA243)後、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA244)、ステップA245へ移行する。
ステップA245では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA246)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA247)、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
【0129】
続いて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA249)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備し(ステップA250)、特図情報設定処理(ステップA251)、後半変動パターン設定処理(ステップA252)、変動パターン設定処理(ステップA253)を行う。
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA254)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備して(ステップA255)、該コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップA256)を行う。
そして、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
【0130】
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図15に示すように、特図普段処理では、先ず、特
図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。
そして、特
図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特
図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。
そして、特
図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
【0131】
続いて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、該コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップA279)を行う。
一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA272にて、特
図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特
図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特
図2変動開始処理の詳細については後述する。
【0132】
その後、特
図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA274にて、特
図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特
図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特
図1変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特
図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA271とステップA272における特
図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特
図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特
図2保留数が0でない場合には、特
図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0133】
次に、上述の特図普段処理における特
図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。
特
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、
図16(A)に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。続いて、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA302)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特
図1停止図柄)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理(ステップA303)を行った後、第1特図停止図柄番号(特
図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA304)。
続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA305)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA306)。
【0134】
次に、特
図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA307)、特
図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA308)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特
図1用)を準備して(ステップA309)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA310)を行う。続いて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA311)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA312)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA313)を行って、特
図1変動開始処理を終了する。
【0135】
次に、上述の特図普段処理における特
図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。
特
図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、
図16(B)に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。続いて、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA322)を行う。
次に、第2特図停止図柄(特
図2停止図柄)の設定に係る特
図2停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、第2特図停止図柄番号(特
図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA324)。
続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA325)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA326)。
【0136】
次に、特
図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA327)、特
図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA328)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特
図2用)を準備して(ステップA329)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA330)を行う。続いて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA331)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行って、特
図2変動開始処理を終了する。
【0137】
図17(A)は、
図16(A)に示す特
図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理を示す。この小当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブし(ステップA341)、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA342)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA343;Yes)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA343;No)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA344)、特
図1判定データを準備する(ステップA345)。
【0138】
次に、小当り判定処理(ステップA346)を行い、小当りでない場合(ステップA347)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA347;Yes)は、小当りフラグ領域1に小当り情報をセーブし(ステップA348)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
【0139】
図17(B)は、
図16(B)に示す特
図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理を示す。この小当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ領域2にはずれ情報をセーブし(ステップA351)、大当りフラグ2が大当りかチェックする処理(ステップA352)で、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA353;Yes)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA353;No)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA354)、特
図2判定データを準備する(ステップA355)。
【0140】
次に、小当り判定処理(ステップA356)を行い、小当りでない場合(ステップA357)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA357;Yes)は、小当りフラグ領域2に小当り情報をセーブし(ステップA358)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。
【0141】
〔演出制御装置の処理〕
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、
図18に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理(
図19)とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
図18に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
【0142】
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの信号の立ち上がりエッジを検出して入力データを作成する入力処理(ステップB9)、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信割込み処理で受信バッファに取り込んで情報を読み込む遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信された遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドをシーン制御のために区分けし確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
【0143】
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、表示や装飾のランプや役物等の動作確認をするためのテストモード処理(ステップB11)、特図変動表示ゲームに関する処理を行うシーン制御処理(ステップB12)、遊技機のエラー監視を行う遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB13)。
【0144】
さらに、内部レジスタに書き込むことで2ndCPU312へコマンドを送出して特図変動表示ゲームにおける演出に関する設定を行う演出コマンド編集処理(ステップB14)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB15)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB16)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB17)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB18)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻り、ステップB8〜B18の処理(ループ処理)を繰り返し実行する。
【0145】
図19には、本実施形態の演出制御装置300によって実行される割込み制御のうち1stCPUによるコマンド受信処理の手順の一例が示されている。
図19に示すように、このコマンド受信割込み処理では、先ず、遊技制御装置100から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理(ステップB21)を行う。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定(ステップB22)を行う。
ここで、MODEコマンドの待機中である場合(ステップB22;Yes)は、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB23)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB23;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB24)する。
【0146】
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB24;Yes)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB25)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理(ステップB26)を行う。
続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(ステップB27)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB28)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB23において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない(No)と判定した場合、又はステップB24において、受信したコマンドがMODEコマンドでない(No)と判定した場合は、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0147】
また、ステップB22において、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(ステップB22;No)は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定する(ステップB29)。
ここで、タイムアウトとなっていない場合(ステップB29;No)は、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB30)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である(Yes)と判定した場合は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定する(ステップB31)。
【0148】
そして、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB31;No)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB32)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理(ステップB33)を行う。
続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(ステップB34)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0149】
また、ステップB29において、タイムアウト(Yes)となった場合、又はステップB30において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB30;No)は、ステップB35へ移行し、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB35)を行い、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理(ステップB36)を行う。
それから、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。また、ステップB31において、受信したコマンドがMODEコマンドである(Yes)と判定した場合は、ステップB25へ移行し、それ以降の処理を行う。
【0150】
次に、2ndCPU312による制御について説明する。2ndCPU312による制御処理には、
図20に示す2ndメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるVブランク割込み処理がある。
図20には、実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち2ndCPUによる2ndメイン処理の手順の一例が示されている。
2ndメイン処理においては、先ず、2ndCPU312の初期化処理(ステップB41)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB42)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB43)を行い、VDP313の初期化処理(ステップB44)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB45)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB46)を行う。
【0151】
次いで、VDP313による画像描画を許可する処理(ステップB47)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB48)を行う。
その後、システム周期待ちフラグが「1」であるか否かを判定(ステップB49)し、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB49;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB49の処理を繰り返し行う。
一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB49;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB50)を行ってから、通常ゲーム処理(ステップB51)を行い、ステップB48へ戻り、ステップB48〜B51の処理(ループ処理)を繰り返し実行する。
【0152】
次に、上記のような演出モードやシーンの遷移制御を可能にするため演出制御装置300により実行される処理について説明する。
図20には、
図18に示す1stメイン処理におけるシーン制御処理(ステップB12)の具体的な手順の一例を示す。このシーン制御処理は、演出制御装置300が遊技制御装置100からの各種コマンドに応じて表示装置41における画像表示制御を行う処理である。
このシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、シーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
【0153】
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
【0154】
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)へ移行する。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。例えば電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
【0155】
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
【0156】
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入賞口開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
【0157】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を実行し、その後始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を実行する。
その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))を受信し、該コマンドに基づいて確率情報報知演出を設定する処理や確率情報報知演出を終了させる処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB78)を行ってシーン制御処理から抜ける。
【0158】
(第1発明の第1実施例)
次に、本出願の第1発明における実施例について説明する。
第1発明の第1実施例は、
図21に示すように、表示装置41に表示する複数の特図変動表示ゲームを例えば3−3−7拍子のような所定のリズムで実行、停止するとともに、停止タイミングでスピーカ19より所定の音を出すように制御するものである。
図22には、3−3−7拍子のリズムゲームを行う場合の特図変動表示ゲームの進行の様子を示す。図において、3つの数字が示されている枠は各ゲームの停止状態を表し、3つの下向きの矢印が示されている枠はゲームが停止ぜすリズムが1拍空くことを表している。
なお、
図22は、リズムゲームの最後の変動表示ゲームで大当りが発生する場合を表している。はずれの場合には、リズムゲームの最後のタイミングではずれ図柄で停止するように制御することとなる。停止図柄は、同一でも良いが異なっていても良い。停止タイミングで所定の音を出す代わりに、センターケース等の装飾ランプを停止タイミングで発光させるようにしても良い。
【0159】
また、上記のようなリズムゲームは、テンポよく進行させるのが良いため、連続して始動記憶が発生し易い普電サポート中などにおいて実行するのが望ましい。ただし、一旦リズムゲームを開始したら、始動記憶が途切れて変動表示ゲームに間が空いても次に始動記憶が発生した際には続きから実行する。
また、リズムゲームを開始して途中で大当りとなる始動記憶が発生し、そのゲームでリズムゲームの最後とならない場合には、大当りとなるゲームで、1ゲームの途中で仮停止を挟むいわゆる擬似連と呼ばれる演出を実行して、リズムゲームの終了タイミングで大当りの図柄で停止させるように制御するようにしても良い。従って、リズムゲームは、いわゆる始動記憶の先読みによって実行するようにすることができる。さらに、途中にリーチとなる始動記憶がある場合には、始動記憶が残っている状態でわざとリズムを途切れさせることによって、始動記憶があるのに妙な間が空いたらリーチ発生のチャンスとなるような演出を行うようにしても良い。
【0160】
また、リズムゲームは、普電サポート状態の発生を契機として開始しても良いが、単に普図変動入賞装置37の開放を契機として開始してするようにしても良い。
上記所定のリズムでの変動表示ゲームの実行、停止制御は、演出制御装置300側の制御で実現することができるが、遊技制御装置100が変動開始コマンドと変動停止コマンドを所定のタイミングで演出制御装置300へ送信することで実現することもできる。また、リズムゲームを最後まで進行させるには、3−3−7拍子の場合、短時間に13個の始動記憶の発生が必要であるため、普図変動入賞装置37への入賞球を発生させ易くし、その代わり、入賞球1個当りの賞球数を2個など少ない数にすることで、遊技者に有利になり過ぎないようにすると良い。
【0161】
図23には、遊技制御装置100の制御でリズムゲームを実現する場合の特
図2変動開始処理の具体的な手順の例を示す。なお、「特
図2変動開始処理」としているのは、普図変動入賞装置37が開成されて連続して特
図2の始動入賞が発生し易くなる普電サポート中にリズムゲームを実行するためである。
図23の特
図2変動開始処理は、
図16(B)の特
図2変動開始処理に代わるものであり、特
図1変動開始処理は
図16(A)と同じで良い。
図23の特
図2変動開始処理が
図16(B)の特
図2変動開始処理と異なる点は、特
図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする処理(ステップA328)の次に、リズムゲームモード中か否か判定するステップA334と、このステップA334でリズムゲームモード中である(Yes)と判定した場合に移行するステップA335を設けている点である。そして、ステップA335で、リズムテーブルで選択したリズムに合わせた変動時間を設定してから、ステップA333へ移行して変動開始情報設定処理を実行することで、リズムゲームが行われることとなる。
【0162】
(第1発明の第2実施例)
第1発明の第2実施例は、表示装置41に表示する複数の特図変動表示ゲームにおいて、変動停止タイミングで演出ボタン25が操作されると、スピーカ19より所定の楽曲のメロディ音を出すように制御するものである。
図24には、かかるメロディゲームを行う場合の特図変動表示ゲームの進行の様子を示す。
図24において、「PB」は遊技者が操作可能な演出ボタンを、また3つの数字が示されている枠は各ゲームの停止状態を表し、3つの下向きの矢印が示されている枠はゲームが停止ぜすリズムが1拍空くことを表している。このメロディゲームも普電サポート中などにおいて実行するのが望ましい。
【0163】
また、メロディゲームで正しく楽曲を奏でることができたらリーチや大当りを発生するように制御したり、最後のゲームがはずれの場合には演出ボタンの有効時間を短くして演出ボタンを押すタイミングを難しくし、最後のゲームが大当りの場合には演出ボタンの有効時間を長くして演出ボタンを押すタイミングを易しくしても良い。また、表示装置41に後述の長押しのマークを表示させて、長押しマークが出たら大当りやリーチを発生するように制御するようにしても良い。
上記メロディゲームでの変動表示ゲームの実行、停止制御は、遊技制御装置100が変動開始コマンドおよび変動停止コマンドを所定のタイミングで演出制御装置300へ送信するとともに、演出制御装置300が演出ボタン25からの入力信号を監視することで実現することができる。
【0164】
図25には、演出制御装置300の制御でメロディゲームを実現する場合の演奏制御処理の具体的な手順の例を示す。なお、この演奏制御処理は、
図18の1stメイン処理中のサウンド制御処理(ステップB15)において実行される。
演奏制御処理においては、先ず演出ボタン25の操作タイミングであるか否か判定する(ステップB151)。ここで、演出ボタン25の操作タイミングでない(ステップB151;No)と判定すると演奏制御処理から抜ける。一方、ステップB151で、演出ボタン25の操作タイミングである(Yes)と判定するとステップB152へ進み、演出ボタンスイッチ25aからの信号を見て演出ボタン25が操作されたか否か判定する。ここで、演出ボタン25が操作されていない(ステップB152;No)と判定すると演奏制御処理から抜ける。また、ステップB152で、演出ボタン25が操作された(Yes)と判定するとステップB153へ進み、所定のメロディ音を出力させる処理を行って演奏制御処理から抜ける。
【0165】
図26(A)には、演出制御装置300によって表示装置41の画面上に演出ボタン25の操作タイミングを表示させる制御を実行する場合の表示例(操作ヘルプ表示)を示す。この実施例では、表示装置41の画面の下部に、所定のマーク(図では円)M1,M2,M3……を右から左へ移動させる表示を行う操作タイミング事前報知領域A1と、上記マークM1,M2,M3……が通過するタイミングが操作タイミングであることを報知する操作実行タイミング報知領域A2とが設けられている。
図26(B)には、3−3−7拍子の操作タイミングを表示する場合のイメージを示す。表示装置41の画面の右側に示されているマーク列は、今は表示されていないが、表示中のマークに続けて表示されるその後のマークを示している。また、マークとマークの間にスペースがあると1拍空くことを意味している。
なお、上記実施例では、1変動表示ゲームに対する1停止操作で1音を出すようにしたものを説明したが、1つの変動表示ゲームにおいて各列の変動図柄を順次停止させる際に、変動速度を遅くして変動図柄が停止位置を通過するタイミングでそれぞれ演出ボタン25を所定のリズムで操作すると、リーチや大当りが発生するような演出を行うようにしても良い。
【0166】
[変形例]
次に、上記実施例の変形例について説明する。
上記実施例においては、演出ボタン25の操作タイミングのみで制御を行うのに対し、以下に説明する変形例は、遊技者に対してより複雑な操作を要求して遊技の興趣を高めるものである。
第1の変形例は、
図27に示すように、演出ボタン25として、押圧式のボタン25Aの他、その周囲にリング状のタッチ式センサ25Bを設けるとともに、どちらをどのように操作したらよいのか遊技者に分からせるために
図28に示すような画像を表示するようにしたものである。
【0167】
図28のうち(A)はボタン25Aのプッシュ操作を表し、(B)はタッチ式センサ25Bへの接触を表している。さらに、
図28(A),(B)のうち左側のマークは1回の操作または接触を意味し、真ん中のものは長押しまたは長い接触を意味し、右側のものは連打または連触を意味している。
長押しや長い接触の場合、変動図柄が揺れ続けるような表示をしたり音を出し続けるようにし、途切れたタイミングで変動を停止させるように制御する。また、連打や連触の場合には、変動図柄が銃で撃たれるような表示をしたり、短い音を連続して出すように制御する。
上記のような制御を行うことで、遊技者に対してリズムゲームへの参加意欲を高め、遊技の興趣を高めることができる。なお、
図27では、2つの操作ボタンを同心状に設けた演出ボタンを示したが、2つの操作ボタンを横並びに設けたものであっても良い。
【0168】
第2の変形例は、
図29(A)に示すように、遊技機の前面枠12の下部、下皿23の左側にタッチパネル式の表示器46を設け、所定のモードが開始されると、該表示器46に
図29(B)に示すように鍵盤の画像を表示して、遊技者が該鍵盤の鍵へタッチすると対応する音階の音を出力することでメロディを演奏できるようにしたものである。これにより、例えば
図24に示す「サクラサクラ」の停止タイミングで曲を奏でることができる。つまり、前記実施例におけるリズムゲームの演出ボタン25を本変形例のタッチパネル式表示器46に置き換えることができる。
さらに、上記のような鍵盤画像の表示と並行して表示装置41の画面上に楽譜を表示して楽譜通りに演奏できた場合にリーチを発生するような制御を行うようにしても良い。これにより、遊技者に対してリズムゲームへの参加意欲を高め、遊技の興趣を高めることができる。
【0169】
第3の変形例は、
図30に示すように、表示装置41の近傍に表示画面の前方へ移動可能なハンマーのような可動部材47aを有する可動役物47を設けるとともに、該可動役物47を演出ボタン25の操作によって作動可能に構成し、前述した演出ボタン25の操作タイミングを示すマークMの移動に合わせて演出ボタン25を操作すると可動役物47の可動部材47aがマークMを叩くような動きを行う。そして、タイミング良く移動するマークMを可動部材47aで叩くことができた場合にリーチを発生するような制御を行うように構成したものである。これにより、遊技者に対してリズムゲームへの参加意欲を高め、遊技の興趣を高めることができる。
なお、上記可動役物47の制御は演出制御装置300によって行われる。
図31には、演出制御装置300による役物連動処理の手順の一例を示す。この役物連動処理は、
図18の1stメイン処理中のモータ/ソレノイド制御処理(ステップB17)において実行される。
【0170】
図31の役物連動処理においては、先ず演出ボタン25の操作タイミングであるか否か判定する(ステップB171)。ここで、演出ボタン25の操作タイミングでない(ステップB171;No)と判定すると役物連動処理から抜ける。一方、ステップB171で、演出ボタン25の操作タイミングである(Yes)と判定するとステップB172へ進み、演出ボタンスイッチ25aからの信号を見て演出ボタン25が操作されたか否か判定する。ここで、演出ボタン25が操作されていない(ステップB172;No)と判定すると役物連動処理から抜ける。また、ステップB172で、演出ボタン25が操作された(Yes)と判定すると次のステップへ進み、可動役物を作動させる処理(ステップB173)を行って役物連動処理から抜ける。
【0171】
第4の変形例は、
図32に示すように、表示装置41の近傍に始動入賞口37cおよび可動片37bを有する普通変動入賞装置37を配設するとともに、普電サポート中に普通変動入賞装置37へ遊技球が入賞したタイミングで、
図26と同様な移動するマークMによる演出ボタン25の操作タイミングを示す操作ヘルプ表示を開始するようにしたものである。
なお、この変形例では、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞はランダムに発生するので、所定数以上の始動入賞が発生するまでは入賞球を貯めておくような表示を行い、その後、所定のリズムでマークを移動させる表示を開始するようにすると良い。
図33には、この変形例における演出制御装置300によるリズムゲーム演出処理の手順の一例を示す。
【0172】
図33のリズムゲーム演出処理においては、先ず普電サポート中であるか否か判定する(ステップB181)。ここで、普電サポート中でない(ステップB181;No)と判定するとリズムゲーム演出処理から抜ける。一方、ステップB181で、普電サポート中である(Yes)と判定するとステップB182へ進み、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞すなわち特
図2の始動記憶が発生したか否か判定する。ここで、特
図2の始動記憶が発生していない(ステップB182;No)と判定するとリズムゲーム演出処理から抜ける。また、ステップB182で、特
図2の始動記憶が発生した(Yes)と判定すると次のステップへ進み、操作ヘルプの表示をさせる処理(ステップB183)を行ってリズムゲーム演出処理から抜ける。
【0173】
以上の説明から、上記実施形態には、
変動表示ゲームを表示可能な表示装置と、変動開始条件の成立により前記表示装置において変動表示ゲームを実行させ該変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様である場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な制御手段と、を備える遊技機において、
前記制御手段は、所定条件の成立により前記変動表示ゲームを所定のリズムに従って順次停止させることが可能なゲーム停止タイミング制御手段を備えるようにした発明が含まれることが分かる。
ここで、「特別結果態様」とは、例えば変動表示ゲームが識別図柄を変動させるゲームの場合、予め決定された所定の識別図柄もしくは図柄組合せで停止することを意味する。また、「特別遊技状態」とは、大入賞口を有する特別変動入賞装置の入賞口が開放されるいわゆる大当り状態や変動表示ゲームの結果が特別遊技状態となる確率の高いいわゆる確変状態を意味する。
【0174】
また、「所定条件の成立」とは、パチンコ遊技機では始動入賞口を有する変動入賞装置の開放や、該変動入賞装置が開放し易い普電サポート状態の発生、始動記憶数が所定数以上になったこと等、連続して変動表示ゲームが実行される状況あるいは遊技者とって有利な遊技状態(変動表示ゲームの結果を含む)が発生することである。「所定のリズムに従って順次停止させる」には、直接停止指令を出して変動表示ゲームを停止させる場合の他、変動表示ゲームの開始タイミングと変動時間とを決定することで停止させる場合が含まれる。また、「変動表示ゲームの順次停止」には、複数のゲームが順次停止する場合の他、1回のゲームで複数の識別図柄が順次停止する場合が含まれる。
上記のような発明によれば、変動表示ゲームが所定のリズムに従って順次停止した場合、遊技者は何かが起こるのではないかと期待することができ、それによって遊技の興趣を高めることができる。
【0175】
また、上記実施形態には、効果音を出力可能な音出力手段を備えるとともに、
前記制御手段は、前記変動開始条件が成立した回数を所定の上限値まで記憶可能な始動記憶手段と、前記変動表示ゲームの結果を事前に判定可能な事前判定手段と、
を備え、
前記ゲーム停止タイミング制御手段は、少なくとも、前記始動記憶手段に特別遊技状態が発生する変動表示ゲームの始動記憶がある場合に、前記変動表示ゲームの停止タイミングで前記音出力手段により所定の音を出力させて所定のリズムを刻むことが可能であるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、変動表示ゲームの停止タイミングで出力される音によってリズムが刻まれるため、遊技者は視覚の他に聴覚でもリズムを体感することができ、より遊技の興趣を高めることができる。また、変動表示ゲームの始動記憶がある場合に、変動表示ゲームの停止タイミングで所定の音が出力されて所定のリズムを刻むので、リズムを刻む変動停止が出現したときに特別遊技状態(大当り)の発生に対する期待感を高めることができる。
【0176】
また、上記実施形態には、前記制御手段は、前記特別遊技状態の終了後、所定期間を限度として、前記変動開始条件が成立しやすい特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段を備え、
前記ゲーム停止タイミング制御手段は、前記特定遊技状態の発生を前記所定条件の成立として、前記変動表示ゲームの終了時の停止タイミングで前記音出力手段により所定の音を出力させて所定のリズムを刻むことが可能であるようにした発明が含まれる。
ここで、「特定遊技状態」とは、例えば変動表示ゲームの変動時間を通常よりも短くする時短制御あるいは時短制御に加えて変動表示ゲームの開始条件を与える始動口を有する普通変動入賞装置の開放時間を長くする電サポ制御のような遊技の進行が有利になる制御状態を意味する。
かかる発明によれば、特定遊技状態中は変動開始条件が成立しやすいので、変動表示ゲームと変動表示ゲームの間隔が空きにくく、テンポ良く複数の変動表示ゲームを進行させることが出来、単調さを解消し、遊技の興趣を高めることができる。
【0177】
さらに、上記実施形態には、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記変動表示ゲームの停止タイミングに合わせて前記操作手段が操作されると、前記ゲーム停止タイミング制御手段は前記音出力手段により所定の楽曲の楽音を発生可能であるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、連続して複数回正しいタイミングで操作手段が操作されると、所定の楽曲の楽音の出力によってメロディが奏でられるため、遊技者は変動表示ゲームに影響を与えている気分を味わうことができ、それによって遊技に参加する意欲が高まり、その結果、遊技の興趣を高めることができる。
【0178】
また、上記実施形態には、前記ゲーム停止タイミング制御手段は、前記所定の楽曲の開始から終了までの楽音数に対して、前記特別遊技状態の発生までの始動記憶数が足りない場合に、1つの変動表示ゲームにおいて仮停止制御を行って、所定の楽曲の最後の楽音出力タイミングで特別遊技状態が発生する特別結果態様を停止させるように制御する発明が含まれる。
ここで、「仮停止制御」とは変動表示ゲームの途中で一旦全図柄を仮停止して再変動を行うことで恰も複数回の変動表示ゲームが実行されているように見せるいわゆる擬似連演出(擬似連続変動)のことである。
かかる発明によれば、楽曲の最後という区切りのいいタイミングで特別遊技状態を発生することが可能になるため、遊技者に対してより深い達成感を与えることができる。
【0179】
(第2発明)
次に、本出願に係る第2発明の実施形態について説明する。第2発明は、遊技者が操作可能な操作手段としての演出ボタンの構造を工夫したものである。遊技盤や制御装置の構成は前記第1発明の実施形態と同じである。
図34に、第2発明に係る遊技機における演出ボタン25の一実施例の概略構成を示す。この実施例の演出ボタン25は、中央に上下に昇降可能な第1操作ボタン25Aを設け、その周囲にリング状の第2操作ボタン25Bを設けたものである。
図34(A)は第1操作ボタン25Aが降下した状態を示し、
図34(B)は第1操作ボタン25Aが上昇した状態を示す。また、第1操作ボタン25Aおよび第2操作ボタン25Bはそれぞれ押圧操作可能な構造を有し、
図34(A)と(B)のそれぞれの状態において押圧操作が可能である。なお、第2操作ボタン25Bは、遊技者が触れたことを感知可能なタッチ式のセンサとしてもよい。
【0180】
図35には、第1操作ボタン25Aと第2操作ボタン25Bを有する演出ボタン25のより具体的な構造を示す。
図34と同様に、(A)は第1操作ボタン25Aが降下した状態を示し、(B)は第1操作ボタン25Aが上昇した状態を示す。
図35に示すように、第2操作ボタン25Bは、高さの低いキャップ状のボタン部材251を有し、該ボタン部材251の鍔部251aがベース部材240の内面に当接し、頭部251bがベース部材240の外面から突出するように配置され、ボタン部材の内部に設けられた圧縮バネ252によって外方(図では上方)へ付勢されるように構成されている。また、ボタン部材251の頭部中央には開口部251cが形成されている。図示しないが、圧縮バネ252に抗してボタン部材251が押し下げられたことを検出するマイクロスイッチなどの検出器が設けられている。
【0181】
一方、第1操作ボタン25Aは、シリンダー状のボタン部材254と該ボタン部材254の内部に挿入されたボタン昇降ロッド255とを有し、ボタン部材254の鍔部254aとボタン昇降ロッド255の鍔部255aとの間に圧縮バネ256が介挿され、ボタン部材254を上方へ付勢するように構成されている。そして、ボタン部材254の頭部254bが、第2操作ボタン25Bのボタン部材251の頭部中央の開口部251cより露出するように配置されている。図示しないが、圧縮バネ256に抗してボタン部材254が押し下げられたことを検出するマイクロスイッチなどの検出器が設けられている。
また、ボタン昇降ロッド255の下端部の側面には昇降方向と直角な方向にリンク溝255cが形成されており、該リンク溝255cには紙面と直行する方向の軸を中心にして回転可能な円板257の縁部に立設された係合ピン258が係合されている。
【0182】
上記円板257は図示しないモータによって180度ずつ回転されるように構成されており、円板257が回転されて
図35(A)のように係合ピン256aが下方に位置した状態で停止されると、ボタン部材254の頭部254bが、第1操作ボタン25Aのボタン部材251の頭部251bと同じ高さになる。また、円板257が回転されて
図35(B)のように係合ピン256aが上方に位置した状態で停止されると、ボタン昇降ロッド255とボタン部材254が上昇されてボタン部材254の頭部254bが、第1操作ボタン25Aのボタン部材251の頭部中央の開口部251cより突出した状態になる。
【0183】
ここで、第1操作ボタン25Aのボタン部材254の頭部254bが第2操作ボタン25Bのボタン部材251の頭部251bと同じ高さにされる
図35(A)の状態は、第1操作ボタン25Aと第2操作ボタン25Bを同時に操作したり外側の第2操作ボタン25Bのみを操作するのに適した状態である。また、第1操作ボタン25Aのボタン部材254の頭部254bが第2操作ボタン25Bのボタン部材251の頭部中央の開口部251cより突出した
図35(B)の状態は、内側の第1操作ボタン25Aのみを操作したり第1操作ボタン25Aと第2操作ボタン25Bを別々に操作するのに適した状態であるといえる。
さらに、
図35には示されていないが、ボタン部材251とボタン部材254は共に半透明の材料で形成されるとともに、内側にランプそれぞれが設けられており、ランプを点灯させることで操作するボタンとタイミングを遊技者に報知させることができるように構成されている。
【0184】
図36には、
図34および
図35に示すような構造の演出ボタンを使用した遊技機において、表示装置41において各ボタンの操作の仕方を遊技者に指示するためのマークの例を示す。このうち、(A)は左から順に、内側のボタン25Aを1回押圧操作することを指令する際に表示するマーク、内側のボタン25Aを長押し操作することを指令する際に表示するマーク、内側のボタン25Aを連打することを指令する際に表示するマークである。
また、
図36(B)は左から順に、外側のボタン25Bを1回操作することを指令する際に表示するマーク、外側のボタン25Bを長押し操作することを指令する際に表示するマーク、外側のボタン25Bを連打することを指令する際に表示するマークである。
図36(C)は左から順に、内側と外側の両方のボタン25A,25Bを同時に1回押圧操作することを指令する際に表示するマーク、両方のボタン25A,25Bを同時に長押し操作することを指令する際に表示するマーク、両方のボタン25A,25Bを同時に連打することを指令する際に表示するマークである。
上記のような複数の操作のいずれかを遊技者に指示して所定のタイミングで操作させることで、演出ボタンの操作に飽きにくくすることができる。
【0185】
(変形例)
図37には、演出ボタン25の変形例が示されている。この変形例は、内側と外側の操作ボタンを共に昇降可能にするとともに、通常状態では内側の操作ボタン25Aのみ押し下げることができ外側の操作ボタン25Bを押し下げることができないように構成したものである。
この変形例では、ベース部材240と平行であって内側の第1操作ボタン25Aの昇降ロッド255に対応する部位に開口241aが形成されたバネ押え部材241が設けられ、外側の第2操作ボタン25Bのボタン部材251の鍔部251aとバネ押え部材241との間に圧縮バネ253が介挿されている。また、外側の第2操作ボタン25Bのボタン部材251の内側下端には内側鍔部251dが設けられ、第1操作ボタン25Aの昇降ロッド255の鍔部255aが第2操作ボタン25Bのボタン部材251の内側鍔部251dの上面に当接されている。
【0186】
さらに、第1操作ボタン25Aの昇降ロッド255の側面に摺接ピン257が立設され、該摺接ピン257が昇降ロッド255の側方に配置されたカム258の外周面に当接されており、カム258を図示しないモータを回転させることで昇降ロッド255を移動させることができるように構成されている。なお、カム258は、昇降ロッド255を上昇降方へ移動させる際に一気に上昇できるように、径方向に沿った段差を有する形状にしてある。
そして、通常状態では、
図37(A)に示すように、カム258の最も径の大きな部位が下方に位置することで昇降ロッド255が下方に移動され、圧縮バネ253が圧縮された状態にされることで、外側の第2操作ボタン25Bのボタン部材251を押し下げることができない状態になる。一方、特別な状態では、
図37(B)に示すように、カム258の最も径の小さな部位が下方に位置することで圧縮バネ253の復元力で昇降ロッド255およびボタン部材251が上方に移動され、圧縮バネ253が緩んだ状態にされることで、外側の第2操作ボタン25Bのボタン部材251を押し下げることができる状態になる。
【0187】
図38(A)は
図37(B)に示す状態から内側の第1操作ボタン25Aを押し下げた状態を、
図38(A)は
図37(B)に示す状態から外側の第2操作ボタン25Bを押し下げた状態を、
図38(B)は
図37(B)に示す状態から内側の第1操作ボタン25Aを押し下げた状態を、
図38(C)は
図37(B)に示す状態から内側の第1操作ボタン25Aと外側の第2操作ボタン25Bの両方を押し下げた状態を示す。なお、外側の第2操作ボタン25Bを突出させたときに内側の第1操作ボタン25Aは突出せず、同一の高さとなるような演出ボタンも可能である。
上記のように一方の操作ボタンを押し下げることができない状態および両方のボタンを押し下げることができる状態を作ることができるように演出ボタン25を構成することにより、表示装置41により簡単な指示を表示するだけで、いずれの操作ボタンを押し下げるべきかを遊技者に容易に分からせることができ、慣れない遊技者が複雑な指示がなされたとしても要求された操作を正しく行うことができる。
さらに、
図38には示されていないが、本変形例においても、ボタン部材251とボタン部材254は共に半透明の材料で形成されるとともに、内側にランプそれぞれが設けられており、ランプを点灯させることで操作するボタンとタイミングを遊技者に報知させることができるように構成されている。
【0188】
図39には、内蔵ランプを点灯させることで操作するボタンとタイミングを遊技者に報知させる場合の具体例が示されている。図において、ハッチングが付されている部分は内蔵ランプの点灯で発光していることを表している。内側の操作ボタン25Aのみを操作することを指示する場合には、
図39(A)のように内側のボタンのみが発光するように内蔵ランプを点灯させる。また、外側の操作ボタン25Bのみを操作することを指示する場合には、
図39(B)のように外側のボタンのみが発光するように内蔵ランプを点灯させる。さらに、内側と外側の操作ボタン25Aと25Bの両方を操作することを指示する場合には、
図39(C)のように内側と外側の両方のボタンが発光するように内蔵ランプを点灯させる。
さらに、操作ボタン25Aと25Bの内部にそれぞれ異なる色(例えば赤と青)で発光するランプを内蔵するととも、各操作ボタンの半透明なボタン部材に、所定の文字を表わすように特定の色の光のみを通過させる領域を設け、赤色のランプを点灯させると
図39(C)のような文字が浮き上がり、青色のランプを点灯させると
図39(D)のような文字が浮き上がるようにして、遊技の状況に応じて演出ボタンを操作する意義が異なるような制御や押し方を指示する文字の表示を行うようにしても良い。
【0189】
図40(A)には、
図35に示す実施例のような構造の演出ボタン25を使用した遊技機において、
図39(A)に示すように内側のボタンのみを押すことを内蔵ランプの点灯で指示する前と、指示中(図では長押)と、指示後における操作の様子が示されている。上段が操作ボタンの側面図、下段が操作ボタンの平面図である。また、
図40(B)には、
図37に示す変形例のような構造の演出ボタン25を使用した遊技機において、
図39(D)に示すように内側と外側の両方のボタンを押すことを内蔵ランプの点灯で指示する前と、指示中と、指示後における操作の様子が示されている。上段が操作ボタンの側面図、下段が操作ボタンの平面図である。
このように、ボタン表面の表示と各ボタンの突出量を関連させることによって、指示したい操作の内容を遊技者に分かり易く知らせることができる。
【0190】
図41には、演出ボタン25の他の変形例が示されている。このうち
図41(A)の変形例は、内側の操作ボタン25Aを回動可能に構成し、かつ内部にボタンの回動量あるいは回動位置を検出可能なセンサを設けるとともに、ボタン表面のに回動を指示する文字を表示させるように構成したものである。
図41(B)には、操作ボタンの内部に振動装置を内蔵させ、ボタンを操作すると遊技者の手に振動が伝わるようにしたものである。さらに、振動装置を内と外の各ボタンに対応して別個に設け、先ず内ボタンの振動装置を振動させた後に外ボタンの振動装置を振動させるように制御することで、振動が内から外へ移動するような間隔を遊技者与えることができるようになっている。また、振動装置の作動と連動して対応するボタンの内部のランプを点灯させて、発光部分も移動するように構成すると良い。このような構成を設けることで、より一層遊技の興趣を高めることができる。
【0191】
図42および
図43には、上記のような内と外の2つのボタンを備えた演出ボタンを使用した第1発明のリズムゲーム以外の演出制御の例が示されている。
このうち
図42(A)の例は、内側の操作ボタン25Aと外側の操作ボタン25Bを異なる色(例えば赤と青)で発光させる。これとともに、表示装置41の画面上に複数の演出モードを例えば背景画像とボタンの色に対応した表示色で並べて表示し、遊技者が望む方の演出モードの背景画像の色と同じ色で発光している操作ボタンを押すと、その演出モードが選択されるようにしたものである。
また、
図42(B)の例は、変動表示ゲーム中に表示装置41の画面上に、例えばねずみのようなキャラクタ画像とリング状のトラップ画像とを表示させ、キャラクタを画面上で移動させてトラップの中に入った時に外側の操作ボタン25Bを押すとキャラクタの移動が止まり、その後さらに内側の操作ボタン25Aを押すと、キャラクタが捕獲されたことを示す画像が表示されて、変動表示ゲームでリーチが発生するような制御を行うようにしたものである。
【0192】
図43は、操作すべきボタンと操作タイミングを、表示装置41の画面上に表示したインジケータで指示するようにしたものである。
図43(A)は内側の操作ボタン25Aと外側の操作ボタン25Bを異なるタイミングで押すことを、
図43(B)は両方のボタンを同時に押すことを、
図43(C)は外側の操作ボタン25Bのみを押すことを示している。そして、インジケータで指示されたように両方のボタンを操作できた場合には、
図44(A)に示すように表示装置41の画面上に「プレミア画像A」を表示し、一方のボタンを操作できた場合には、
図44(B)に示すように「キャラクタA」を表示する。また、両方のボタンを正しく操作できなかった場合には、
図44(C)に示すように通常の画像を表示する。さらに内と外のボタンをタイミングをずらして押すことが指示された場合であって、両方のボタンを正しく操作できた場合には、
図44(D)に示すように「プレミア画像B」を表示する。
上記のような制御を行うことによって、遊技者は変動表示ゲーム以外の遊技を楽しむことができ、興趣を高めることが可能となる。
【0193】
以上の説明から、上記実施形態には、
遊技に関連した演出を実行可能な演出装置と、遊技の進行および前記演出装置により実行する演出を制御可能な制御手段と、遊技機の前面に設けられ前記制御手段へ信号を入力するために遊技者が操作可能な演出ボタン装置を備える遊技機において、
前記演出ボタン装置は、
第1ボタンと、前記第1ボタンの近傍に設けられ昇降可能に構成された第2ボタンと、前記第2ボタンを昇降させる駆動機構と、前記第1ボタンが操作されたことを検出する第1検出手段と、前記第2ボタンが操作されたことを検出する第2検出手段と、を備え、
前記駆動機構は前記制御手段からの制御信号によって作動して、前記第2ボタンの頭部が前記第1ボタンの頭部と略同一高さである第1状態と、前記第2ボタンの頭部を前記第1ボタンの頭部よりも高い状態に突出させた第2状態とに変換可能であるようにした発明が含まれることが分かる。
【0194】
ここで、「演出装置」とは、液晶表示装置のような画像を表示可能な表示装置や装飾ランプなど視覚的に演出を行うものでも、スピーカなど聴覚的に演出を行うものでもよい。また、「制御手段」は、遊技の進行を制御する制御手段と演出装置により実行する演出を制御する制御手段とに分かれて構成されていても良い。「ボタンが操作されたことを検出する検出手段」は、ボタンが押下されたことを検出可能なものでも、ボタンに触れたことを検出可能なものでもよい。
上記のような発明によれば、遊技者に第2ボタンを操作させたい場合に第2ボタンを突出させることで操作すべきボタンを容易に分からせることができる。また、略同一高さである第1状態で第1ボタンと第2ボタンの頭部を取付け面よりも突出させた状態となるように構成することで、第1状態と第2状態で各ボタンを何処まで押下すればよいか分かり易くすることができる。
【0195】
また、上記実施形態には、前記演出ボタン装置は、前記第1ボタンと前記第2ボタンとが同心状に設けられ、前記第1ボタンが前記第2ボタンの内側に配置されているようにした発明が含まれる。
ここで、「同心状」とは、第1ボタンと第2ボタンが円形とリング状の関係である場合のみならず、四角形と矩形枠の関係にある場合等を含む。
かかる発明によれば、一方のボタンの選択操作の他に両方のボタンを同時に操作することが容易になり、操作の態様に応じて演出を変えることで遊技の興趣を高めることができる。
【0196】
また、上記実施形態には、前記演出ボタン装置は、通常の遊技状態では前記第1ボタンを押下可能であり、所定の遊技状態になると前記制御手段からの制御信号によって前記駆動機構が作動して前記第2ボタンを上昇させて押下可能な状態に変化するようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、遊技状態に応じて演出ボタン装置の第2ボタンの状態が変化するため、操作すべきボタンを容易に分からせることができるとともに、操作されるボタンに応じて演出を変えることで遊技の興趣を高めることができる。
【0197】
さらに、上記実施形態には、前記演出ボタン装置は、前記駆動機構によって前記第1ボタンを昇降可能であり、通常の遊技状態では前記第2ボタンのみが突出した状態にされ、所定の遊技状態になると前記制御手段からの制御信号によって前記駆動機構が作動して前記第1ボタンを上昇させて突出した状態するようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、遊技状態に応じて演出ボタン装置の第1ボタンの状態が変化するため、操作すべきボタンを容易に分からせることができるとともに、操作されるボタンに応じて演出を変えることで遊技の興趣を高めることができる。
【0198】
また、上記実施形態には、前記演出ボタン装置は、前記第1ボタンと前記第2ボタンの内部にそれぞれ発光手段を備え、前記制御手段からの制御信号によって、押下すべきボタンに対応した前記発光手段を発光させるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、押下すべきボタンに対応した発光手段が発光されるため、遊技者はボタンを押し間違えることがない。
【0199】
また、上記実施形態には、前記制御手段は、所定の遊技状態になると前記駆動機構を作動させて前記第2ボタンまたは前記第1ボタンを上昇させるとともに、上昇させたボタンの操作方法を前記表示装置に表示させるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、ボタンの操作方法を表示するため、連打或いは長押し演出が可能となり、遊技の興趣を高めることができる。また、操作方法が表示されたボタンは飛び出ている状態になっているため、指示された方法での操作を容易に行うことができる。さらに、普段は飛び出ていないボタンを飛び出させることで、両方のボタンの同時押下が容易となる。
【0200】
さらに、上記実施形態には、前記演出ボタン装置は、前記第1ボタンまたは前記第2ボタンの内部に回動操作を検出可能な回動操作検出手段を備え、
前記制御手段は、所定の遊技状態で、前記回動操作検出手段が設けられているボタンを飛び出した状態にさせるした発明が含まれる。
かかる発明によれば、ボタンが飛び出すと、それをつまんで回動操作が可能になるため、操作に応じて演出を変えることで遊技の興趣を高めることができる。また、回動操作が有効となるボタンが飛び出すため、回動操作のタイミングが分かり易くなると共に、つまみ操作がし易くなる。
【0201】
(第3発明)
次に、本出願に係る第3発明の実施形態について説明する。第3発明は、遊技者が遊技によって獲得した賞球数や遊技中に発生させた連チャン数などの遊技データを所定のタイミングで表示装置に表示させ、携帯電話機等の撮像機能を使用してデータを取得できるようにしたものである。
図45に、第3発明に係る遊技機における遊技データの表示タイミングの一例を示す。この実施例では、遊技データを表示するタイミングとして普電サポート状態(電サポ)の終了時点を選択している。表示タイミングを電サポ終了時としているのは、遊技が一段落する区切りの良いタイミングであるためである。ただし、表示タイミングは電サポ終了時に限定されるものでなく、例えば大当り遊技後に所定回数の変動表示ゲームが実行される間、大当りの発生確率を高くする確変制御を行う遊技機(ST機)においては、確変最後の変動表示ゲームが終了するタイミングとしても良い。
【0202】
図45に示すように、タイミングt1で大当り遊技(ラウンド遊技)が終了すると、普電サポート状態が開始される。この実施例では、普電サポート状態の終了条件が所定回数(n回)の変動表示ゲームの実行とされており、n回目の変動表示ゲームが終了したタイミングt2で普電サポート状態が終了する。すると、このタイミングt2から所定時間T2の間、表示装置41に例えば
図46に示すような遊技データを開示する画面が表示される。この実施例では、この遊技データ表示時間T2が、遊技者が携帯電話機等の撮像機能を使用して画像を撮影するのに充分な時間に設定されている。
図46に示す遊技データ開示画面においては、最初の大当り発生から電サポ終了時までに発生した大当りの発生回数(いゆる連チャン数)D1、払い出された賞球数D2、遊技者のランク(遊技階級)D3と、QRコード(登録商標)のような2次元コードD4が表示される。
【0203】
遊技者はこの画面を携帯電話機等の撮像機能を使用して撮影し保存しても良いし、画面に表示されている2次元コードD4を取り込んでウェブサーバにアクセスすることで、表示中のデータをウェブのサイトにアップしたり、「称号」の獲得証明書を発行したりすることができる。これにより、多連チャンをしたような場合やランクの高い「称号」を獲得した場合に、ウェブを利用して他人に自慢することができ、遊技結果を自慢したいという遊技者の心理を満足させることができる。
なお、
図46に示されている遊技者のランク(遊技階級)D3は、例えば
図47に示すようなテーブルを使用して、連チャンや払出賞球数、確変中に通常大当りの当選し低確率に落ちた後で再度確変大当りに当選した引き戻し数などに基づいて決定される。ランク表示では、「クラス1の男前」、「学年1の男前」などの称号を与えて表示することで、遊技者の自己顕示欲を満足させることができる。
【0204】
図48には、上記のような遊技データ開示画面を表示装置41に表示させるために演出制御装置300が実行する合計情報表示処理の具体的な手順の一例を示す。なお、この合計情報表示処理は、例えば
図18に示す1stメイン処理中のシーン制御処理(ステップB12)の中で行うようにすればよい。
図48(A)の合計情報表示処理においては、先ず普電サポート状態の終了タイミングであるか否か判定する(ステップB121)。ここで、普電サポート状態の終了タイミングでない(ステップB121;No)と判定すると当該合計情報表示処理から抜ける。また、ステップB121で、普電サポート状態の終了タイミングである(Yes)と判定すると、ステップB122へ進み、RAMに記憶されている遊技データを読み込んで、読み込んだデータに基づいて
図47に示すようなテーブルを参照して称号を判定する(ステップB123)。その後、判定した称号およびステップB122で読み込んだ出球(払出賞球数)や連チャン数などを表示装置41へ表示させるための処理(ステップB125)を実行して当該合計情報表示処理から抜ける。
【0205】
図48(B)には、上記実施例の変形例における合計情報表示処理の手順が示されている。この変形例は、表示装置41に表示する「称号」を連チャンや払出賞球数の他に、第1の発明の実施例で説明したリズムゲームの操作成功率を加味して決定するようにしたものであり、
図48(B)の合計情報表示処理には、リズム操作成功率に基づいて称号を判定する処理(ステップB124)が追加されている。
図49にはこのステップB124で参照されるテーブルの例が、
図50には決定された称号を表示する画面の例が示されている。なお、
図49のテーブルにおける「成功率」は、連チャン中の全ての大当りゲームにおいて実行されたリズムゲームでの成功率でも良いし、特定の大当りゲームにおいて実行されたリズムゲームでの成功率や、直近の大当りゲームにおいて実行されたリズムゲームでの成功率でも良い。
【0206】
なお、上記実施例では、遊技データの表示を電サポ終了時点で行うようにしているが、大当り遊技終了時に毎回表示を行っても良いし、
図51に示すように、称号が上がった場合だけ表示を行うようにしても良い。
さらに、電サポ終了時点で遊技データの表示を行う場合に、
図52に示すように、大当りの確率状態を示唆する表示を行うようにしても良い。そして、その場合、遊技者のその時点での称号のランクに応じて、確率状態の報知率を変えても良いし、表示内容に応じて確率報知の信頼度を変えるようにしても良い。
図53には、高確率の示唆表示の内容と確率報知の信頼度との関係の例を示す。
また、電サポ終了でも大当りの確率が高確率の確変状態を報知しない曖昧モードへ入る場合には、「まだまだ」のような文字など確変状態を示唆する画像を表示したり、遊技者のその時点での称号のランクの上の称号を表示したりしてもよい。
【0207】
(変形例)
次に、第3発明の実施例の変形例について説明する。
第1の変形例は、普電サポート状態の終了時点での始動記憶の中に大当りがある場合と大当りがない場合とで、表示装置41の表示制御を変えるようにしたものである。
図54には、この第1変形例において遊技制御装置100によって実行される電サポ終了処理の具体的な手順の一例が示されている。この電サポ終了処理は、例えば
図14の特図保留情報判定処理の中で行うようにすることができる。
図54の電サポ終了処理においては、先ず普電サポート状態の終了タイミングであるか否か判定する(ステップA261)。ここで、普電サポート状態の終了タイミングでない(ステップA261;No)と判定すると当該電サポ終了処理から抜ける。
【0208】
また、ステップA261で、普電サポート状態の終了タイミングである(Yes)と判定すると、ステップA262へ進み、始動記憶の中に大当りがあるか否か判定する。そして、始動記憶の中に大当りがない(ステップA262;No)と判定すると、ステップA263へ進み、図柄停止時間を通常よりも長い時間に設定して、当該電サポ終了処理から抜ける。また、ステップA262で、始動記憶の中に大当りがある(Yes)と判定すると、図柄停止時間を長くしないで当該電サポ終了処理から抜ける。始動記憶の中に大当りがある場合には、変動表示ゲームを早く進めるためである。これにより、遊技者は当りがあることを推測することが可能となる。さらに、始動記憶の中に大当りがある場合には、その大当りの遊技終了後に払い出された賞球を累積加算して合計値として表示するようにしても良い。
【0209】
図55及び
図56には、第3発明の実施例の第2変形例が示されている。
第2の変形例は、遊技機に遊技中の遊技者の顔写真を撮影可能なCCDカメラ(撮影装置)を設置し、普電サポート状態の終了時点等で表示装置41に遊技データを表示する際に、
図55に示すように、撮影した遊技者の写真を表示するようにしたものである。なお、
図55では、大当りが発生したリーチの履歴情報D5も表示している。
図56には、この第2変形例において演出制御装置300によって実行される電サポ終了処理の具体的な手順の一例が示されている。なお、この合計情報表示処理は、例えば
図18に示す1stメイン処理中のシーン制御処理(ステップB12)の中で行うようにすることができる。
【0210】
図56の電サポ終了処理においては、先ず普電サポート状態の終了タイミングであるか否か判定する(ステップB131)。ここで、普電サポート状態の終了タイミングでない(ステップB131;No)と判定すると当該電サポ終了処理から抜ける。また、ステップB131で、普電サポート状態の終了タイミングである(Yes)と判定すると、ステップB132へ進み、画像撮影タイミングであるか否か判定する。そして、画像撮影タイミングでない(ステップB132;No)と判定すると当該電サポ終了処理から抜ける。また、ステップB132で、画像撮影タイミングであるか否か判定する。そして、画像撮影タイミングである(Yes)と判定すると、ステップB133へ進み、CCDカメラによって撮影した画像を取り込む。続いて、取り込んだ画像と遊技データを表示する画像との合成処理(ステップB134)を実行して当該電サポ終了処理から抜ける。
上記のように、撮影した画像を表示装置41に表示することによって、遊技者は自己の遊技データであることの証明とすることができ、より遊技者の自己顕示欲を満足させることができる。
【0211】
以上の説明から、上記実施形態には、
所定条件の成立により変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様である場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能である制御手段を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記特別遊技状態の終了後、所定期間を限度として前記所定条件が成立しやすい特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段と、
遊技中に発生した情報を記憶する遊技履歴情報記憶手段と、
前記遊技履歴情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて、少なくとも前記特定遊技状態の終了に関連して、少なくとも発生した特別遊技状態中における所定の情報の合計値を報知する情報出力手段と、を備えるようにした発明が含まれることが分かる。
【0212】
ここで、「特別結果態様」とは、例えば変動表示ゲームが識別図柄を変動させるゲームの場合、予め決定された所定の識別図柄もしくは図柄組合せを意味する。また、「特別遊技状態」とは、大入賞口を有する特別変動入賞装置の入賞口が開放されるいわゆる大当り遊技状態を意味する。「特定遊技状態」とは、例えば変動表示ゲームを開始させる所定条件が成立し易い状態にする時短制御あるいは電サポ制御のような遊技の進行が遊技者にとって有利になる制御状態を意味する。
上記のような発明によれば、特定遊技状態終了後に特別遊技状態中の所定の情報の合計値を報知する情報出力手段を備えるため、遊技者は特定遊技状態終了時等遊技の進行が一段落する時点で、それまでに発生した特別遊技状態中に獲得した賞球数等の情報の合計値を知ることができ、具体的な数字によって信憑性の高い事実として自分の遊技結果を他人に自慢することが出来る。
なお、所定の情報の合計値の報知は変動表示ゲームの停止期間中に限定されず、停止期間中以外にも、特定遊技状態、最後の変動表示ゲーム中や、特定遊技状態終了後、最初の変動表示ゲーム中に、所定の情報の合計値を報知するようにしても良い。
【0213】
また、上記実施形態には、遊技球が入賞し易い開放状態と遊技球が入賞しない閉鎖状態に変換可能な変動入賞装置を備え、
前記制御手段は、前記特別遊技状態の発生中に前記変動入賞装置を開放状態に変換する制御が可能であり、前記所定の情報の合計値には、前記特別遊技状態中に前記変動入賞装置に入賞した遊技球に対する払出数の合計値が含まれるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、遊技者は特別遊技状態中に払い出された賞球数の合計値を特定遊技状態終了時に知ることができ、具体的な数字によって自分の遊技結果を他人に自慢することが出来る。また、表示される合計値には打ち込んだ球数は含まれないので、実際の獲得球数よりも大きな数値で自慢することができる。
【0214】
また、上記実施形態には、前記所定の情報の合計値は、最初の特別遊技状態の発生から前記特定遊技状態の終了迄に発生した前記特別遊技状態の発生回数であるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、遊技者は、特定遊技状態終了時にそれまでに発生した大当り回数を知ることができ、発生させた大当り回数(連チャン数)によって自分の遊技結果を他人に自慢することが出来る。
【0215】
さらに、上記実施形態には、前記情報出力手段は、前記所定の情報の合計値と共に、前記合計値に基づき予め設定されている複数段階の称号の中から所定の称号を選択して報知することが可能であるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、所定の情報の合計値の他に、遊技者のランク(階級)に相当する「称号」が表示されるため、出玉や連チャン数の多さによって昇格して行く「称号」というザックリとし、かつ、聞こえの良い呼び名(格付け用語)で自分の遊技結果を他人に自慢することができる。
【0216】
また、上記実施形態には、前記所定の情報を画像として表示可能な表示装置を備え、
前記制御手段は、前記変動表示ゲームの停止結果を、前記特定遊技状態の終了後以外は所定の第1時間の間表示し、前記特定遊技状態の終了後は前記第1時間よりも長い第2時間の間表示し、該第2時間の間に前記所定の情報の合計値を前記表示装置に表示するようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、停止時間が長い特定遊技状態終了時の第2時間の間に所定の情報の合計値を表示するため、遊技者は表示されている情報の合計値を携帯電話機等の撮像機能を用いて取得し易く、画像によって自分の遊技結果を、より信憑性の高い事実として他人に自慢することができる。
【0217】
また、上記実施形態には、遊技機の前方を撮影可能な撮影装置を備え、
前記制御手段は、所定のタイミングで前記撮影装置により遊技機の前方の遊技者を撮影し、前記特定遊技状態終了時に前記表示装置に少なくとも前記所定の情報の合計値と共に前記撮影装置により撮影した遊技者の画像を表示するようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、所定の情報の合計値と共に遊技者の画像を表示するため、遊技者は遊技情報の合計値と自己の画像が表示されている表示画面を携帯電話機等の撮像機能を用いて取得し、画像によって自分の遊技結果を、確実な事実として他人に自慢することができる。
【0218】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、変動表示ゲームの開始条件を与える2つの始動口(36,37)とそれぞれの入賞に応じて変動表示ゲームを実行する特図表示器51,52を設け、さらに表示装置41では飾り特図変動表示ゲームを表示するようにしたものを説明したが、特図表示器51,52を設けずに表示装置41で本来の変動表示ゲームを実行するように構成しても良い。
さらに、前記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したものを説明したが、本発明はパチンコ遊技機に限定されず、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシンなどの遊技機にも適用可能である。