特許第5938774号(P5938774)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938774
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】経皮アンテナ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20160609BHJP
   A61B 90/00 20160101ALI20160609BHJP
【FI】
   A61B17/00 320
   A61B19/00 502
【請求項の数】20
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-531552(P2012-531552)
(86)(22)【出願日】2010年10月3日
(65)【公表番号】特表2013-506491(P2013-506491A)
(43)【公表日】2013年2月28日
(86)【国際出願番号】IL2010000793
(87)【国際公開番号】WO2011039752
(87)【国際公開日】20110407
【審査請求日】2013年10月3日
(31)【優先権主張番号】61/248,421
(32)【優先日】2009年10月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】312012265
【氏名又は名称】ハダシット メディカル リサーチ サービシズ アンド デベロップメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】リヴネ,ノアム
(72)【発明者】
【氏名】ミンツ,ヨアヴ
(72)【発明者】
【氏名】バー−ブラチャ,ヴェレド
(72)【発明者】
【氏名】ブラチャ,アリク
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−514111(JP,A)
【文献】 特開2009−072368(JP,A)
【文献】 特開平06−070906(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0199755(US,A1)
【文献】 米国特許第06408202(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61B 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類の生体の腔内における使用のための器具であって、
前記腔内に位置し、データを備える無線信号を生成する構成の少なくとも1つの内部装置と;
哺乳類の組織を穿刺し、および前記腔の内側に位置する構成の第1の端、ならびに、前記第1の端が前記腔内に位置する時に、前記生体の外側に位置する第2の端を有する、管状体を備える中空導波管であって、前記第1の端は、開口しており、および前記無線信号を受信する構成であり、ならびに、前記管状体は、前記第2の端に前記無線信号を伝送する構成である、中空導波管と
を備える器具。
【請求項2】
前記伝送された無線信号を電気信号に変換するための前記導波管の前記第2の端に連結された探針、および前記探針内に前記電気信号を伝える前記探針に連結されたリレー機構を備える請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記リレー機構が前記生体の外側に無線信号としての前記探針内の前記電気信号を移送するアンテナを備える請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記リレー機構が前記探針内の前記電気信号がそれにより伝送される導電性線を備える請求項2又は請求項3に記載の器具。
【請求項5】
前記管状体の内面は金属を含む請求項1〜4のいずれかに記載の器具。
【請求項6】
前記管状体の内腔は空気または誘電体を含む請求項1〜5のいずれかに記載の器具。
【請求項7】
口部は直径が3mmであり、および前記導波管は60ギガヘルツ(GHz)の周波数を有する無線周波数信号を伝送する請求項1〜6のいずれかに記載の器具。
【請求項8】
前記導波管が前記生体の外側から前記少なくとも1つの内部装置にデータを運搬する及び前記生体の外側に前記少なくとも1つの内部装置によって生成された無線信号に含まれる前記データを運搬するための2方向データリンクを支持する構成である請求項1〜7のいずれかに記載の器具。
【請求項9】
前記少なくとも1つの内部装置が複数の内部装置を備える請求項1〜8のいずれかに記載の器具。
【請求項10】
前記複数の内部装置を備える無線ネットワークを備える請求項9に記載の器具。
【請求項11】
前記無線ネットワーク内の装置が同じ周波数で無線信号を生成し、無線信号が異なるタイムスロットで前記生体の外側に伝送されるデータを備える請求項10に記載の器具。
【請求項12】
無線ネットワーク内の装置が異なる周波数の無線信号を生成する請求項9〜11のいずれかに記載の器具。
【請求項13】
前記少なくとも1つの内部装置が前記腔に関する特長の画像を取得するカメラを備える請求項1〜12のいずれかに記載の器具。
【請求項14】
哺乳類の生体の内側の腔から生成された無線信号内に含まれるデータを前記生体の外側に伝送するための経皮アンテナであって、
哺乳類の組織を穿刺し、および前記腔の内側に位置する構成の第1の端、ならびに、前記第1の端が前記腔内に位置する時に、前記生体の外側に位置する第2の端を有する、管状体を備える中空導波管であって、前記第1の端は、開口しており、および前記無線信号を受信する構成であり、ならびに、前記管状体は、前記第2の端に前記無線信号を伝送する構成である、中空導波管と
を備える経皮アンテナ。
【請求項15】
前記伝送された無線信号を電気信号に変換するための前記導波管の前記第2の端に連結された探針、および前記探針内に前記電気信号を伝える前記探針に連結されたリレー機構を備える請求項14に記載の経皮アンテナ。
【請求項16】
前記リレー機構が前記生体の外側に無線信号としての前記探針内の前記電気信号を移送するアンテナを備える請求項15に記載の経皮アンテナ。
【請求項17】
前記リレー機構が前記探針内の前記電気信号がそれにより伝送される導電性線を備える請求項15に記載の経皮アンテナ。
【請求項18】
前記管状体の内面は金属を含む請求項14〜17のいずれかに記載の経皮アンテナ。
【請求項19】
前記管状体の内腔は空気または誘電体を含む請求項14〜18のいずれかに記載の経皮アンテナ。
【請求項20】
口部は直径が3mmであり、および前記導波管は60ギガヘルツ(GHz)の周波数を有する無線周波数信号を伝送する請求項14〜19のいずれかに記載の経皮アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にアンテナに関し、より具体的には患者の体腔内の装置と体の外の装置との間のデータの伝達及び制御コミュニケーションが可能な経皮アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
実施される腹腔鏡手術の数は増加している。腹腔鏡手術の実施の際に、外科医はより小さい皮膚切開を行い場合によって失血を削減し術後の回復を促進し術後の痛みを削減することがある特殊な機器及び技術を使用する。それゆえ、可能な場合、患者とその医師は開創手術より腹腔鏡手術を選ぶ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
腹腔鏡手術の成功は高機能なビデオカメラ技術、精密な手術装置及び経験のある外科医に依存する。腹腔鏡手術の間、カメラは外科医の目の役割を、機器は外科医の手と指の働きをする。それゆえ、腹腔鏡手術の間に用いられる装置の技術的利点はより成功する手術及びより良い術後の予後につながることがある。しかしながら、哺乳類の体は特定の技術の使用を制限することがある特異な環境を呈する。例えば、データ送信のための結線を用いる器具はケーブルによる動きの制限のために体腔内で外科医が自由に手術する能力を制限する。又、高周波信号は組織に吸収され体を通るデータの送信を制限又は妨害するので、高周波信号を用いるワイヤレス技術は制限されることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態のある経皮アンテナは患者の体内に位置する装置と生体の外側に位置する受信機又は制御装置との間のデータ及び制御通信を可能にする。様々な実施形態において、経皮アンテナは軸、軸の第1の端に位置する第1のアンテナ及び軸の第2の端に位置する第2のアンテナ又は送受信機を含んで良い。経皮アンテナの第1の端は第1のアンテナが体内に位置する装置からのデータ送信を受信できるように哺乳類の体内に挿入されて良い。第1のアンテナによって受信された高周波信号は軸を通じて同軸ケーブル、導波管又は同軸ケーブルと導波管との組み合わせ経由で第2に伝導されて良い。第2の端で、高周波信号は同軸ケーブルのようなケーブル経由で外部受信装置に伝導される、又は外部受信装置によって受信のために送受信機によって受信され再送信されてよい。
【0005】
本明細書に取り入れられると共にその一部を構成する添付の図面は本発明の本発明の典型的な実施形態を示し、上記の一般的な記述と下記の詳細な説明と共に本発明の特長を説明する役割をなす。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】様々な実施形態によるシステムコンポーネントを示す図である。
図2】実施形態による結線経由で外部受信装置に接続された経皮アンテナの断面図である。
図3】実施形態による経皮アンテナの基部の詳細な断面図である。
図4A-4C】実施形態による経皮アンテナの端部の詳細な断面図である。
図5】実施形態による外部受信装置に連結された送受信機付きの経皮アンテナの断面図である。
図6】実施形態による送受信機を含む経皮アンテナの端部の詳細な断面図である。
図7】実施形態による無線送受信機を含む経皮アンテナの断面図である。
図8】実施形態による無線送受信機を含む経皮アンテナの端部の詳細な断面図である。
図9】実施形態による外部アンテナを含む経皮アンテナの断面図である。
図10】実施形態による外部アンテナを含む経皮アンテナの端部の詳細な断面図である。
図11】別の実施形態による経皮アンテナの断面図である。
図12】実施形態による高周波信号を伝導するための同軸ケーブルと導波管との組み合わせを含む経皮アンテナの断面図である。
図13図12に示される経皮アンテナの基部の詳細な断面図である。
図14図12に示される経皮アンテナの端部の詳細な断面図である。
図15A】実施形態による手術手順内の1つの空洞内の複数の経皮アンテナを含む手術システムのシステムコンポーネントの図である。
図15B】実施形態による複数の空洞内の複数の経皮アンテナを含む手術システムのシステムコンポーネントの図である。
図16】実施形態によるトロカール内の経皮アンテナを含む手術システムのシステムコンポーネントの図である。
図17】実施形態による経皮アンテナ及び外部受信装置への結線を含むトロカールの断面図である。
図18】実施形態による経皮アンテナを含むトロカールの断面図である。
図19A-19B】導波管を含む代替実施形態の経皮アンテナの断面図である。
図20】実施形態による経皮アンテナを含むインフレーション針の断面図及び詳細図である。
図21】経皮アンテナの使用による患者の治療のための実施形態の方法のためのプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
様々な実施形態が添付の図面を参照して詳細に記載される。可能な限り、同一又は同様な部品を参照するのに図面を通じて同一の参照番号が用いられる。特定の実施例及び運用になされる参照は例示の目的のためであり、本発明の範囲又は特許請求の範囲を制限することを意図しない。
【0008】
「例示の」という用語は本明細書では「実施例、例又は図」の意味に用いられる。「例示」として本明細書に記載されるいかなる運用も必ずしも他の運用より好ましい又は有利であると解釈されるものではない。
【0009】
腹腔鏡手術の間、カメラは外科医の目の役割を、機器は外科医の手と指の働きをする。それゆえ、腹腔鏡手術の成功は高機能なビデオカメラ技術、精密な手術装置及び経験のある外科医に依存する。技術の進歩は外科医により高機能で精密な器具をもたらし外科手術の全体的な質を向上しうる。例えば、高度なカメラシステムは手術中に外科医に高品質の高画質映像を提供するように開発されうる。しかしながら、これらの高解像度カメラからのデータ送信は外科医に画像を示しうる外部受信装置へ画像データを供給するためのケーブル又は無線送信の使用に依存する。
【0010】
今日の最小侵襲手術に用いられる現在の高解像度ビデオカメラはケーブル経由で生体の外部の受信装置に接続される。各カメラ視野は制限され各カメラは専用トロカール又はロボットアームを必要とする。これは手術において非常に制限的でありうる。こうした制限を克服するために、外科医は手術のために膨らませられた空洞内のどこにでも配置されうるケーブルフリーの高解像度テレビカメラを思い描いている。
【0011】
ワイヤーが当たり不意にカメラが動くことなしに動く工具上のワイヤーによって課される不便及び制限によって、多くの理由でテレビカメラをケーブルで外部受信機に接続することは不利である。又、ケーブルは患者に対する電気ショックのもとになることがあるので、体腔内に位置する高性能装置を外部の装置に接続するケーブルは、特に電機故障状態で、安全性リスクをもたらすことがある。それゆえ、生体の外側に位置する受信装置にデータを送信するために無線カメラが開発されるであろうことが考えられる。
【0012】
体の内側から体の外側に位置する受信装置にデータを送信するための、無線高解像度カメラのような、無線技術の使用は限定的である。高解像度カメラは高解像度テレビデータを送るのに高帯域の使用の必要がある。しかしながら、体内組織は高帯域送波を吸収する。生体組織を透過可能な遥かにより低い搬送周波数を中心とする信号は高解像度テレビデータを送ることができないので、そうした信号を用いる無線データリンクもまた有益ではない。
【0013】
生体組織を通る高容量データ信号の送信を可能にするために、様々な実施形態は、本明細書で「経皮アンテナ」と称される、生体の皮層及び皮下層を通して無線周波数信号を伝導するアンテナを提供する。生体の内側に位置する装置から無線データ伝送を受け、生体組織境界を通りデータ伝送を行い、生体の外側に位置する受信装置にデータ伝送を伝えるために、体腔内に経皮アンテナが部分的に挿入されうる。
【0014】
「伝える」という言葉は本明細書ではそれによって経皮アンテナによって受信された無線周波数信号が外部受信装置に送られる機構を一般にさす。様々な実施形態において記載されるように、経皮アンテナによって受信される無線周波数信号は:経皮アンテナからの信号を受信し外部受信装置による受信のために外部アンテナから信号を無線で送信する送受信機経由の「再送信」によって;又は信号を増幅する又は改善することなく外部受信装置による受信のための外部アンテナからの「再放射」によって、外部受信装置に接続されるケーブル(例えば、同軸ケーブル)を通じる「伝導」によって伝えられて良い。参照を簡単にするために、経皮アンテナによって受信された無線周波数信号を外部受信装置に伝える機構を本明細書で一般に「リレー機構」と称する。様々な実施形態において記載されるように、リレー機構は送受信機、ケーブル、ケーブルへの接続、外部アンテナ、及びその組み合わせを含んで良い。
【0015】
様々な実施形態の経皮アンテナは腹腔鏡手術のために作られた膨らんだ体腔内の無線信号の低損失伝播を利用して良い。例えばトロカール又はNOTESロボットアームを用いて生体内に無線カメラが挿入されて良い。第1の端が膨らんだ腔内に位置し第2の端が生体の外側に位置するように経皮アンテナが体腔内に部分的に挿入されて良い。参照を簡単にするために、経皮アンテナの使用目的に一致して第1の端は又「内端」又は「近位端」(すなわち、患者の近位にある)と呼ばれることがあり、第2の端は「外端」又は「遠心端」と呼ばれることがある。腔内の部分は挿入されたカメラからデータ伝送を受信可能な第1のアンテナを含んで良い。第1の(内側の)アンテナは受信されたデータ伝送をリレー機構が低損失の信号強度で生体の外側の受信装置にデータ伝送を伝える第2の端に伝導する同軸ケーブル又は導波管に接続される。第1の実施形態において、リレー機構はデータ伝送が経皮アンテナに接続されたケーブル又は導波管によって経皮アンテナの第2の端から受信装置に伝導されるようにケーブル又はケーブル接続であってよい。この実施形態は経皮アンテナの第2の端上にケーブル接続及び任意選択でデータ伝送をケーブル又は導波管に結合するリレー回路を含んで良い。第2の実施形態において、外部受信装置による受信を可能にするように十分な出力で経皮アンテナの第2の端に連結された送受信機によってデータ伝送が無線で再送信されるようにリレー機構は無線送受信機であってよい。第3の実施形態において、データ伝送が外部アンテナから受動的に再放射されるようにリレー機構は外部アンテナであってよい。
【0016】
図1は実施形態の経皮アンテナ110を含む通信システムを示す。体腔108の内側に位置するカメラ106からデータ伝送を受け外側の受信装置119にデータ伝送を伝えるために体腔108内に経皮アンテナ110が部分的に挿入される。図1に示されるように、哺乳類の生体100は皮膚層101、脂肪層104、筋層102、及びインフレーション針(図示せず)経由で腔内に空気を注入することにより手術のために作られた生体内の膨らんだ腔108を含んで良い。腹腔鏡手術の間のような、いくつかの手術手順の間、患者の皮膚を通して大きな外科的切開を行う必要なしに外科医が手術を行う器官を見ることができるように体腔108の内側にカメラ106のような装置が配置されてよい。カメラ106は体腔108の内側からの画像を撮って良い。高性能カメラ106に必要とされるような大量のデータを送信するために、カメラ106は高周波無線通信リンクを通じて毎秒1.5Gbitのデータ流を出力して良い。
【0017】
体腔108の内側に配置された装置から送信されることがある高周波信号を受信するために、部分113が生体の外側に広がるように経皮アンテナ110が体腔108の内側に部分的に挿入されて良い。経皮アンテナ110はデータ伝送109を内部のカメラ106から内部アンテナ115経由で受信し無線周波エネルギーを外部送受信機112又はデータ伝送を生体100の外側の受信装置119に伝える結合回路に伝導して良い。経皮アンテナ110によって伝えられるデータ伝送は外部送受信機119において受信され外科医のためにカメラ画像を表示するディスプレイ122に供給されて良い。
【0018】
経皮アンテナ110は体腔108内に挿入される近位端111及び哺乳類の生体100の外側に留まる遠心端113を有する軸200を含んで良い。参照を簡単にするために、生体100内に挿入される経皮アンテナ110の端は本明細書で(患者に近位である)近位端と称されもう一方の端は(患者から遠心の)遠心端と称される。内部のアンテナ115によって受信されたデータ伝送は同軸ケーブル、導波管又は同軸ケーブルと導波管との組み合わせ経由で外部のアンテナ116に伝導されて良い。内部アンテナ115は内部カメラ106によって発せられる範囲の周波数の無線周波エネルギーの受信に適するいかなる形式のアンテナでも良い。例えば、図は全方向性アンテナとして機能して良い簡単なモノポールアンテナとしての内部アンテナ115を示す。しかしながら、図示のアンテナ構造は例示の目的のみで内部装置(例えば、内部カメラ106)によって発せられる周波数及び経皮アンテナ110の寸法及び構造にふさわしいいかなる既知のアンテナの種類又は構造が用いられて良い。
【0019】
受信されたデータ伝送は受信装置119に無線又は結線によって伝えられて良い。図1に示されるように、経皮アンテナ110は経皮アンテナ100の遠心端113を外部受信装置119に直接接続して良いケーブル118(例えば、同軸ケーブル)又は導波管を用いて受信されたデータ伝送を伝導して良い。いくつかの実施形態において送受信機112は受信装置119への伝導のために受信された無線周波エネルギーを受信し、増幅しケーブル118に伝導するための回路を含む経皮アンテナに連結されて良い。他の実施形態において、受信された無線周波エネルギーが外部受信機119への伝導のためにケーブル118に連結されるように単純な導体接続が提供される。
【0020】
内部アンテナ115付き経皮アンテナ110及び外部送受信機112も又体腔108内の無線カメラに外部カメラ制御パネルから制御信号を送信するために用いられて良い。こうした制御信号はズーム、フォーカス及びライティングのようなカメラパラメータを制御して良く、カメラ視角及び位置(例えば、磁気浮遊カメラの場合)も制御して良い。体腔内に入るデータのデータ率は一般的に出てくるビデオのデータ率よりずっと低い。
【0021】
ある代替の実施形態において、経皮アンテナ110は外部アンテナ116に連結された送受信機112を用いて無線で受信されたデータを再送信して良い。この実施形態において、送受信機112は無線周波エネルギーを経皮アンテナから受け外部受信機119によって受信のために十分な出力で信号を再送信する。軸200の遠心端に付けられた外部アンテナ116の使用は図9図11を参照して以下により詳細に記載される。
【0022】
経皮アンテナ110は経皮アンテナ114全体が何かの事情で体腔108内に落ちることを防ぐためにストッパー114を含んで良い。ストッパー114は又外科医による使用のために取っ手を提供して良い。
【0023】
経皮アンテナ110は違うやり方で設計されて良い。図2は外部ケーブル118によって伝導することでデータ信号を外部受信装置119に伝える経皮アンテナ110の断面図を示す、第1の実施形態を示す。図2に示されるように、経皮アンテナ110は内腔204、近位端111、及び遠心端113を有する軸200を含んで良い。上述のように、経皮アンテナ100は軸200の遠心端で結線によって外部受信装置119に接続されて良い。経皮アンテナ110は更に軸200の近位端111に先端部206を含んで良い。先端部206の遠心端は軸200の近位端111に固定的に取り付けられて良い。先端部206の近位端は経皮アンテナ110の生体100内への押しを促進するように点208まで先細にされてよい。先端部206は近位端111で軸200を先細にすることで形成されてよい。
【0024】
経皮アンテナ110は更に軸200の内腔204内に同軸ケーブル202を含んで良い。同軸ケーブル202は近位部から経皮アンテナ110の遠位部に伸びて良い。近位端で、同軸ケーブル202は軸200の近位端111を超えて先端部206内に伸びて良い内部アンテナ115を形成して良い。内部アンテナ115は体腔108内に位置する装置からデータ伝送を受信し内部同軸ケーブル202経由でデータ伝送を外部ケーブル118に伝導する構成であってよい。軸200の遠心端113で、同軸ケーブル202は生体100の外部に位置する受信装置にデータ信号を伝導する外部ケーブル118(例えば、同軸ケーブル)と接続して良い。図2に示される実施形態において、外部ケーブル118は経皮アンテナ110の遠心端113に(図4Bにより詳しく示されるような)コネクター経由で接続される又は外部ケーブル118及び経皮アンテナ110は外部ケーブル118に続く内部同軸ケーブル202付きのユニットとして構成されて良い。外部受信装置119は受信されたデータを処理し外科医のために画像を表示するディスプレイ122に画像データを供給して良い。
【0025】
図3は経皮アンテナ110のある実施形態の近位部の詳細な断面図である。軸200の内腔204内に位置する同軸ケーブル202は導体コア308、導体コア308を覆う内部絶縁体306、内部絶縁体306を覆う伝導性スクリーン304及び同軸ケーブル202の全体を覆う外部プラスチック被覆02を含むいくつかの層を備えて良い。同軸ケーブル202が先端部206に近づくにつれ、外部プラスチック被覆302、内部304及び伝導性スクリーン306は導体コア308の前で終わり、導体コア308は先端206内に続いて良い。同軸ケーブル202の導体コア308のこうした伸長は先端206内に内部アンテナ115を形成するために用いられて良い。上記のように、導体コア308の伸長により形成されるモノポールアンテナとしての内部アンテナ115の図は使用されて良い適切なアンテナ構成の1つの実施例に過ぎず、内部アンテナ115はいかなる既知のアンテナの形式又は構成であってよい。別の実施形態において、同軸ケーブル202は外部伝導性チューブ、内部導体コア及びその間のスペースを埋める誘電体を備えて良い。
【0026】
先端206は異なる設計を有して良い。例えば、先端206はその近位端206aにおいて先細であってよい。こうした構成は近位端206aにて鋭利な針端208を形成するための先端206を可能にする。鋭利な点208は体腔108内に経皮アンテナ110を挿入するために生体100の皮膚、脂肪及び筋肉に外科医が簡単に突き刺すことを可能にしてよい。代替方法として、先端は鈍くてもよく(図示せず)、その場合経皮アンテナ110を生体100内に挿入するのに切開が必要なことがある。
【0027】
先端206領域は軸200の一部であってもなくてもよい。先端206が軸200の一部である場合、軸200がプラスチックのような誘電体から成るのであれば軸200に用いられるものと同じ材料から作られて良い。先端206が軸200の付属品である場合、近位端111に固定的又は取り外し可能に付けられ軸200の材料とは異なる材料から構成されて良い。例えば、先端206は樹脂又はプラスチックのような、誘電体から構成されて良い。
【0028】
生体100の貫通を簡単にするために、先端206及び軸200の近位部はシリコンのような潤滑材料によって覆われて良い。潤滑被膜は針点208付き経皮アンテナ110が生体100を通りより簡単に突き刺さり手術をより効率的及び安全にするのを可能にしてよい。
【0029】
図4A図4Cは、同軸ケーブル又は導波管のような、経皮アンテナ110から受信装置119へのデータの伝導を可能にするいかなる既知の物理接続であってよい結線118によって受信装置119に接続する経皮アンテナ110の2つの実施形態の遠位(すなわち、外の)部の詳細を示す。
【0030】
図4Aに示されるように、経皮アンテナ110が外部ケーブル118に連結されることを可能にするために、内部同軸ケーブル202は経皮アンテナ110を超えて伸び外部ケーブル118を形成して良い。こうした構成において、外部ケーブル118は外部受信装置116への接続のために電気コネクタ202a内で終結してよい。電気コネクタ202aは従来型の同軸ケーブルコネクタを含むいかなる既知の電気コネクタであってよい。
【0031】
図4Bに示される更なる実施形態において、外部同軸ケーブル118は外部ケーブル118上のケーブルコネクタ118aに連結する内部同軸ケーブル上のケーブルコネクタ202b経由で経皮アンテナ110に接続されて良い。この実施形態において、遠心端ケーブルコネクタ202bに電気伝導接続を形成することにより内部同軸ケーブル202は軸200の遠心端113で終結してよい。同様に同軸ケーブル118の近位端は経皮アンテナ110ケーブルコネクタ202bに接続する構成のケーブルコネクタ118a内で終端する。2つのケーブルコネクタ202b、118aの間に接続が確立されると、内部アンテナ115によって受信され経皮アンテナ110の同軸ケーブル202を通じて伝導されるデータ伝送は外部受信装置119に伝導されうる。
【0032】
図4Cに示されるさらなる実施形態において、導波管は外部ケーブル118として使用されて良い。こうした実施形態において、導体コア308は同軸ケーブル202の終端を超えて伸びて良い。経皮アンテナ110の導体コア308は外部導波管ケーブル118内に伸びて良い。内部アンテナ115によって受信され同軸ケーブル202の長さに沿って伝導されるデータ伝送は延長導体コア308に連結されたケーブル対導波管遷移アンテナ309によって導波管118内に伝導される。別の実施形態設計は丸い導波管としての経皮軸全体を用いる。この実施形態において軸は空気又は誘電体で充填されてよい。軸の両端で信号を導波管から近位端のアンテナへ及び導波管から遠心端の同軸ケーブルに連結するようにアダプタが含まれて良い。
【0033】
図5及び図6はアンテナの外端上の中で送受信機112が受信した伝送信号を連結する外部ケーブル118に信号を伝える代替実施形態経皮アンテナ110の断面図を示す。
【0034】
図5は中で遠位部において経皮アンテナ110が送受信機112を含む実施形態経皮アンテナ110を示す。送受信機112は同軸ケーブル202から高データレート映像データ伝送を受け信号を受信装置122に伝導する結線118にこれらの信号を伝え及びコントロールパネルから同軸ケーブル202内により低いデータレート制御信号を伝送する構成である。この実施形態において、送受信機112は(例えば信号の増幅により)伝送信号を受け及び強め及び低損失での伝導のために効率的にこれらを外部ケーブルに印加する回路を含んで良い。
【0035】
図6図5を参照した上記の経皮アンテナ110実施形態の遠位部の詳細を示す。送受信機112は軸200の遠心端113に付けられ接続装置502経由で同軸ケーブル202に接続されて良い。患者の生体100内の装置から受信されたデータ伝送は内部同軸ケーブル202経由で伝導され送受信機112によって受信されて良い。送受信機112は外部ケーブル118に伝導することで外部受信装置にデータ伝送を伝えて良い。送受信機112は又、増幅回路に電力を供給するためのような、ケーブル118を通じて外部電源から出力を受信して良い。任意選択で、送受信機は出力を送受信機112内に格納された、電池のような、内部電源504から受信して良い。
【0036】
図7及び図8は外端上の中で外部アンテナ116から発せられた無線信号としての受信された伝送信号を送受信機112が再送信する代替実施形態経皮アンテナ110の断面図を示す。図7を参照して、内部同軸ケーブル202からデータ伝送を受信するために経皮アンテナ110の遠位部に送受信機112が接続されて良い。送受信機112は外部アンテナ116経由で無線で日付伝送を増幅し再送信して良い。送受信機112は既知の高データレート無線通信プロトコルを用いて外部受信装置119との無線データリンク接続を確立する構成であってよい。更に、送受信機112は外部無線データリンク接続経由の再送信を簡単にするために受信されたデータ伝送を再フォーマットまたはトンネルする構成であってよい。
【0037】
図8図7を参照した上記の経皮アンテナ110の遠位部の詳細を示す。軸200の遠心端113に位置する送受信機112は接続装置502経由で同軸ケーブル202に接続される。送受信機112は高いアップストリーム・データレート及びより低いダウンストリーム・レートをサポート可能ないかなる既知の電子受信及び送信回路であってよい。更に、送受信機112は、送受信機112内に格納された、電池のような、内部電源504から出力を受信して良い。
【0038】
図9図11は内部アンテナ115経由で伝送信号を再放射する構成の軸200の遠心端で同軸ケーブル202に連結された外部アンテナ116を含む代替の実施形態経皮アンテナ110を示す。伝送信号の伝えが外部アンテナ116からの再放射によって受動的に達成されるのでこの実施形態は単純な(及びかくしてより安価になりうる)経皮アンテナを提供する。この実施形態は送受信機112を含む実施形態と比較して生体の外のより小さい強さの無線信号を生じる。それゆえこの実施形態は外部受信装置119が、経皮アンテナ110の直接隣接又は覆う患者の皮膚上にとどまるような、経皮アンテナの近くに位置することが必要とされることがある。更に、十分な再放射された信号強度を提供するために、内部アンテナ115は高利得の構成を有する必要があることがある及び/又は患者の生体内に位置する無線装置がより高い信号強度でデータを伝送する必要があることがある。
【0039】
図10図9に示される経皮アンテナ110の遠位部の詳細を示す。この実施形態経皮アンテナ110は軸200の遠心端に固定的に付けられた外部アンテナ116を含む。外部アンテナ116を形成するのに、導体コア308は同軸ケーブル202の残りの終端を越えて尾部内に伸びて良い。生体100の内部の装置から受信され同軸ケーブル202を通じて伝導されるデータ伝送は外部アンテナ116から再放射される。受信装置アンテナ(図示せず)は再放射された信号を受信し外部受信装置119に伝達するように外部アンテナ116に近接して配置されてよい。受信装置119にデータ伝送を確実に再放射するために十分なリンクバジェットを供給するために、カメラ106のような、生体の内部に位置する装置は図2図8を参照して上述される実施形態の場合より高い出力信号を送る必要があることがある。又、経皮アンテナ110は高利得内部アンテナ115を含んで良い。更に、外部受信装置アンテナは全ての発せられた放射が受信アンテナによって受信されるようにアンテナを含むキャップ(図示せず)のような、経皮アンテナの頂上の上に合う構成でよい。こうしたキャップは又経皮アンテナによって形成される穿刺を覆うことにより衛生目的に役立って良い。
【0040】
再放射経皮アンテナの頂部は外部アンテナ116を損傷から防ぐために覆い900を含んで良い。覆い900は樹脂又はプラスチックのような、誘電体から構成されて良い。
【0041】
図11は中で内部アンテナ115及び外部アンテナ116が保護覆いによって覆われない実施形態経皮アンテナ110を示す。こうした実施形態において生体内に挿入中に内部アンテナ115を損傷から保護するために、経皮アンテナ110の近位部を生体100内に挿入する前に外科用メスを用いて切開が行われて良い。
【0042】
図12は遠心端上の送受信機112に近位端の開口1202経由で受信されたデータ伝送を伝導するための同軸ケーブル202及び導波管1200の組み合わせを含む実施形態経皮アンテナ110を示す。体腔108の内部の装置からのデータ伝送は無線周波放射が導波管1200内に入ることを可能にする構成の開口1202によって受信されて良い。経皮アンテナ110の近位端は生体内への挿入を簡単にするために尖端1204を形成する構成であってよい。導波管1200は受信した信号を内部同軸ケーブル202に伝導する導波管−同軸転移1206に受信したデータ伝送を伝導して良い。同軸ケーブル202は外部アンテナ116経由で受信され再伝送される又は外部受信装置116にケーブル118(図12に示されない)経由で伝導されてよい送受信機112にデータ伝送を伝導する。
【0043】
図13図12を参照した上記の経皮アンテナ110の近位部の詳細を示す。導波管1200は無線周波数放射が導波管1200内に入る構成の開口1213内で終結して良い。体腔108の内部の装置からのデータ伝送は無線周波エネルギーが導波管1200の遠心端に伝送されるように導波管開口1213経由で受信されて良い。上記のように、経皮アンテナ110の外部は又患者の生体内への挿入中に導波管開口1213の端が損傷することを防ぐ尖端1204内に作られて良い。
【0044】
図14図12を参照した上記の経皮アンテナ110の遠位部の詳細を示す。遠位部で導波管1200は送受信機112(又は外部同軸ケーブル118)への伝導のために導波管から無線周波数エネルギーを受信し信号を遠位の内部同軸ケーブル202に伝導する導波管−同軸ケーブル転移1206に連結される。導波管−同軸ケーブル転移1206は通信技術分野で周知であり、いかなる数の適する周知の転移が様々な実施形態において用いられて良い。一般的に、導波管−同軸ケーブル転移1206は無線周波数エネルギーを受信するために導波管経路内に延びる探針1222を含む導波管1200の端で室1220を含む。探針1222は同軸ケーブル202の中心導体1226に接続される。導波管−同軸ケーブル転移は更に導波管1200から無線周波数エネルギー高利得受信を達成するために適切な露出長さで探針1222を適位に保持する支持構造物1224を含んで良い。
【0045】
様々な実施形態の経皮アンテナ110は様々な仕組みで生体内に挿入されて良い。図1に示されるように、単一の経皮アンテナ110が用いられて良い。図15A及び15Bは生体100の内側の装置から外部受信装置119にデータ伝送を伝えるために複数の経皮アンテナ110が用いられる2つの代替の仕組みを示す。図15Aに示されるように、複数の経皮アンテナ110a、110b、110cは単一の体腔108内に部分的に挿入されてよい。こうした仕組みにおいて、体腔108内に位置するカメラ106による画像データ伝送109は外部アンテナ116経由で受信信号を再送信する又はケーブル118(図15Aに示されない)経由で受信信号を外部受信装置119に伝導する各々が受信した信号を送受信機112に伝導する内部アンテナ115の1つ以上によって受信されて良い。複数の経皮アンテナ110の使用は信号利得の利点を有し別のアンテナが組織によって遮られたときに1つのアンテナによって信号が伝導されることを可能にする。
【0046】
図15Bに示される第2の仕組みにおいて、複数の経皮アンテナ110a、110b、110cは異なる及び別個の体腔108a、108b、108c内に部分的に挿入されてよい。例えば、第1の経皮アンテナ110aは腹腔108a内に挿入されて良く、別の経皮アンテナ110bは胸腔108b内に挿入されて良く、及び第3の経皮アンテナ110cは心膜腔108c内に挿入されてよい。各体腔108a、108b、108c内で、経皮アンテナ110a、110b、110cは各体腔108a、108b、108c内に位置するカメラ106a、106b、106cから画像データ伝送を受信する。各経皮アンテナ110a、110b、110cは体腔108a、108b、108cの内側からカメラ106a、106b、106cからデータ伝送を外部受信装置119に無線送受信機112又は有線ケーブル118(図示せず)経由で伝導して良い。この構成内の複数の経皮アンテナ110a、110b、110cの使用は外科医が異なる腔内に位置するカメラからの画像を同時に見ることを可能にする。
【0047】
手術中に患者の体に入る器具の数を減らすために、経皮アンテナ110はいずれにせよ生体100の中に挿入されなければならない他の器具と組み合わされて良い。図16はトロカール1600に付けられた又は内に構成された実施形態経皮アンテナ110を示す。こうしたトロカール1600が体腔108内に部分的に挿入されるとき、統合された経皮アンテナ110はカメラ106のような、生体100内に位置する装置から外部受信装置119にデータ伝送が伝えられて良い。経皮アンテナ110によって受信されるデータ伝送はトロカール1600に直接接続されて良い送受信機112に伝導されてよい。送受信機112はデータ伝送を受信しデータ伝送を無線で再送信する、又はデータ伝送を結線118経由で、外部受信装置119に伝導して良い。
【0048】
図1及び図16は複数の位置から伝送する複数のカメラの実施形態を示す。伝送は異なる搬送周波数によって又は同じ周波数だが異なるタイムスロットによってであってよい。無線ネットワークは全てのカメラからの画像データの同時伝送を可能にする同期、協調及びリソース割り当てのために作られる。
【0049】
図17は結線118が経皮アンテナ110を外部受信装置に接続するトロカールに付いた又は内に構成される経皮アンテナ110の実施形態を示す。図18はリレー機構が送受信機112であるトロカール1600に付けられた又は内に構成された実施形態経皮アンテナ110を示す。この構成において、トロカール1600が体腔108内に挿入されるとき、内部アンテナ115によって受信された体腔108の内側の装置106からのデータ伝送は外部アンテナ116経由の再伝送のために送受信機112に伝導される。
【0050】
経皮アンテナ110実施形態は内部アンテナで受信された無線周波数信号をケーブルに又は内部導波管1900経由で遠心端で送受信機に伝導して良い。図19A及び19bは使用されて良い2つの実施例導波管1900を示す。導波管1900は600内腔602、波収集先端604及びストッパー610を含んで良い。軸600は軸600を通じて軸600の近位部から遠心端に無線周波エネルギーの伝送を可能にするように、金メッキのステンレス鋼又はアルミニウムのような、金属製であってよい。60GHzの 周波数範囲の無線周波数信号の送信のために、内腔602の内部は直径約3mmであってよい。ヒト組織のような、他の非誘電物質が内腔602に入ることを防ぐために、内腔602は中空又は誘電体物質で充填されて良い。軸600の近位端上に位置する波収集先端604は体腔108の内側に位置する装置からデータ伝送を受信するために用いられて良い。
【0051】
波収集先端604は様々な構成で形成されて良い。例えば、図示のように、波収集先端604の近位端で尖端が形成できるように波収集先端604は軸600の近位端を先細りにすることで形成されて良い。波収集先端604の近位端の尖端は体腔108内に導波管1900を挿入するときに皮膚、脂肪及び筋肉に外科医が簡単に突き刺すことを可能にしてよい。ストッパー610は導波管1900が何かの事情で患者の体100内に落ちることを防いで良い。
【0052】
導波管1900は様々な構成で形成されて良い。図19Aに示されるように、導波管1900aは受信し外部アンテナ116経由でデータ伝送を再伝送可能な送受信機112に信号を伝導する導波管−同軸ケーブル転移1206に連結して良い。上記のように、導波管−同軸ケーブル転移1206は無線周波エネルギーを受信するために導波管1900a内に伸びる探針1222を含む。任意選択で、送受信機112は外部受信装置119に外部同軸ケーブル118経由で接続されて良い。
【0053】
図19Bに示される更なる構成において、導波管1900bは同軸ケーブル118に接続される導波管−同軸ケーブル転移1206に終結してよい。例えば、導波管−同軸ケーブル転移1206は無線周波エネルギーを受信する探針を形成するために同軸ケーブル118の中心導体118aを導波管1900b内に伸ばすことで形成されて良い。探針118aによって受信されたデータ伝送はそれから同軸ケーブル118経由で外部受信装置119に伝導される。
【0054】
図20は実施形態による経皮アンテナ110を含むインフレーション針2000を示す。体腔108内に気体を導入するためにインフレーション針2000が患者の体内に挿入されてよい。気体の導入は組織を分離し外科医が中で解剖構造を確認できる膨らんだ腔を生じさせて良い。図示のように、単一の穿刺のみが腔を膨らませ皮層経由で無線信号を伝導することの両方のために必要であるように経皮アンテナ110はインフレーション針2000内に構成されて良い。経皮アンテナ110はインフレーション針2000に付けられる又はインフレーション針2002の内腔内で移動自由でよい。経皮アンテナ110がインフレーション針2000に付けられる場合、体内の経皮アンテナ110の深さはインフレーション針2000の深さを調整することで調整されて良い。経皮アンテナ110がインフレーション針2000の内腔内に自由に位置する場合、経皮アンテナ110の深さは経皮アンテナ110をインフレーション針2000の内側又は外側に移動することで調整されて良い。
【0055】
例えば、図20に示される経皮アンテナ110はインフレーション針の内側に自由に配置される同軸経皮アンテナ110である。インフレーション針2000が体内に挿入されると、外科医は経皮アンテナ110を体腔内で伸ばしたり縮めたりしてよい。
【0056】
様々な実施形態の経皮アンテナ110の軸200は様々な医学的に安全な材料からなって良い。経皮アンテナ110の軸を構成するのに用いられて良い材料の種類の選択にいくつかの基準が用いられて良い。例えば、経皮アンテナ110を構成するのに用いられる材料は非アレルギー性であるべきである。加えて、体腔108内に挿入されることがある経皮アンテナ110は手術中の組織に穿透する応力に耐えるために、ステンレス鋼のような、強い材料を必要とすることがある。軸の材料は金属でも非金属(例えばプラスチック)であってよい。導波管を備える経皮アンテナ110において、軸の材料は無線周波エネルギーの効果的な伝送を可能にするために、金属合金のような、伝導性の金属であるべきである。
【0057】
異なる外部アンテナ116もまた様々な実施形態において用いられて良い。例えば、外部アンテナ116はモノポール、無指向性又は指向性(高利得)アンテナであってよい。モノポールアンテナはダイポールアンテナの半分を残りの半分に直角なグランドプレーンと置換することで形成される無線アンテナの種類である。無指向性アンテナは垂直平面状で指向性パターン形状の1つの平面上の出力を均一に放射するアンテナシステムである。高利得アンテナは収束する、細い電波ビーム幅のアンテナである。
【0058】
表1は送受信機が直接遠心端に付けられた図5に示される場合の実施例のリンクバジェットである。表は経皮アンテナ110の実施形態のアンテナパラメータを含む。
【表1】
【0059】
図21は様々な実施形態の経皮アンテナ110を用いた患者の処置のための実施形態方法を示す。生体内に位置する装置106からデータが受信されなければならない状況で、経皮アンテナ110は体腔108内に部分的に挿入されてよい、ステップ800。体腔108内に位置し、経皮アンテナは体腔の内側に位置する装置106から生体の外側の受信装置119に無線周波数信号を伝導してよい。この伝導性経路を用いて、内部装置106及び外部受信装置119は双方向性データリンクを設定可能である、ステップ802。こうしたリンクは既知の通信プロトコルを用いて確立されて良い。外部受信装置119はデータ伝送を経皮アンテナ経由で受信可能である、ステップ804。外部受信装置119はデータを受信し受信されたデータに基づいて画像を表示してよいディスプレイ122にデータを供給可能である、ステップ806。
【0060】
様々な実施形態の先の記述は内部無線装置106から外部受信装置119に伝達されつつある無線周波数信号を言及するが、経皮アンテナ110は又制御信号を外部装置から内部無線装置106に伝達する。かくして、様々な実施形態の経皮アンテナ110が2方向(双方向)データを確立し通信リンクを制御するのに使用可能である。かくして、経皮アンテナ110は内部無線装置106に制御信号を伝達すること及びそうした装置からデータ伝送を伝えることが可能である。
【0061】
先の方法の記述及びプロセスフロー図は例示的実施例としてのみ提供され様々な実施形態のステップが示された順序で行われなければならないことを必要とする又は含意することを意図するものではない。当業者には理解いただけるであろうが先の実施形態のステップの順番はいかなる順序で行われて良い。「その後」、「それから」、「次に」等のような言葉はステップの順番の制限を意図するものではない;これらの言葉は方法の記述を通じて読者を案内するのに単に用いられるだけである。更に、単数の特許請求の範囲の要素の参照、例えば「ある」又は「その」の冠詞は要素を単数に制限して解釈されるべきではない。
【0062】
開示された実施形態の先の記述は当業者が本発明をする又は使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態の様々な変更形態は当業者にはすぐに分かるものであり、本明細書に定義される一般的原理は本発明の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用されて良い。かくして、本発明は本明細書に示される実施形態に制限されることを意図されるものではなく以下の特許請求の範囲及び本明細書で開示される原理及び新規特長に一致する最も広い範囲で認められるべきものである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21