特許第5938776号(P5938776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5938776連結具及び該連結具と支持部材との係止構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5938776
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】連結具及び該連結具と支持部材との係止構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/08 20060101AFI20160609BHJP
   B65D 63/12 20060101ALI20160609BHJP
   A01G 9/12 20060101ALI20160609BHJP
   H02G 3/30 20060101ALI20160609BHJP
   F16L 3/137 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   F16B2/08 M
   F16B2/08 S
   B65D63/12 A
   A01G9/12 D
   H02G3/30
   F16L3/137
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-231280(P2015-231280)
(22)【出願日】2015年11月27日
【審査請求日】2015年12月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515329746
【氏名又は名称】永田 三喜雄
(73)【特許権者】
【識別番号】516124454
【氏名又は名称】永田 美智子
(73)【特許権者】
【識別番号】516124306
【氏名又は名称】松山 喜代枝
(73)【特許権者】
【識別番号】516124317
【氏名又は名称】世古口 久美子
(73)【特許権者】
【識別番号】516124328
【氏名又は名称】一宮 タツ子
(74)【代理人】
【識別番号】100091834
【弁理士】
【氏名又は名称】室田 力雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】永田 三喜雄
【審査官】 鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−073387(JP,U)
【文献】 実開平04−048484(JP,U)
【文献】 米国特許第5488760(US,A)
【文献】 特開2002−271959(JP,A)
【文献】 実開平06−020906(JP,U)
【文献】 実開平04−086034(JP,U)
【文献】 特開昭50−071498(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0306967(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0162171(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/08
A01G 9/12
B65D 63/10 −63/18
F16L 3/137
H02G 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のバンド体を備えた連結具であって、該バンド体は、楔型頭部と、筒状挿通部とを少なくとも備え、前記楔型頭部は、先端に向けてその厚みを減ずるように構成すると共に、前記筒状挿通部は、前記楔型頭部を受け入れる挿通孔をその内孔が一対の開口の何れか一方向に減ずるように構成し、前記筒状挿通部に楔型頭部を挿通することで、前記バンド体を環状として被連結物を環内にて連結すると共に、前記筒状挿通部に挿通させた楔型頭部を折り返して再び前記筒状挿通部に進入させて係止することを特徴とする連結具。
【請求項2】
バンド体の厚みをA、楔型頭部の最大厚みをB1、楔型頭部の最小厚みをB2、挿通孔の最大高さをC1、挿通孔の最小高さをC2として、B1<C2、B2+A<C2、B1+A>C1の関係を満たすような構成としてあることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項3】
挿通孔内の下面に凹部若しくは凸部からなる第1係合部を備えると共に、挿通孔内にて前記下面と対向するバンド体の表面に、前記第1係合部と係合する凹部若しくは凸部からなる第2係合部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結具。
【請求項4】
楔型頭部の上面若しくは下面の少なくとも一面に、バンド体の長手方向に延びる凸状押圧部をバンド体の短手方向に少なくとも一対配置させてあることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の連結具。
【請求項5】
バンド体の所定領域に、幅広部からなるパット部を設けてあることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の連結具。
【請求項6】
生育中の野菜や果実を載置させるための載置皿を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の連結具。
【請求項7】
鳥獣の食害や害虫から野菜や果実を被覆して保護するための保護体を、バンド体に備えることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の連結具。
【請求項8】
支柱等の支持部材に係止するための係止部を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の連結具。
【請求項9】
係止部は、筒状挿通部の外周から延出される腕部と、該腕部の先端に設けられる引掛部とで構成されることを特徴とする請求項8に記載の連結具。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の連結具に備える係止部を、支柱等の支持部材に備える係止部に係止させてなる連結具と支持部材との係止構造。
【請求項11】
支持部材は支柱であり、支持部材に備える係止部は、前記支柱に設ける一乃至複数の突出部と、支柱に設ける一乃至複数の貫通孔との少なくとも何れか一方であることを特徴とする請求項10に記載の連結具と支持部材との係止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結具及び該連結具と支持部材とを係止させてなる係止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば苗と誘因紐や、複数の電話線コード等、物を結束、連結するための部材としては、可撓性のプラスチック材料で形成され、細長な帯状のバンド体を環状形状に湾曲させ、バンド体の一端側を他端側に設けた係止部に重ね合わせて係止させることで、環状形状に湾曲させたバンド体内にて被結束物の結束を行うものがあった。
また、このような従来の結束具においては、係止部にバンド体を挿通し得る挿通孔を設けると共に、該挿通孔と該挿通孔に挿通させるバンド体との対向面間に、環状形状が小さくなる方向への送りのみを許容するラチェット機構を設け、このラチェット機構において、バンド体を係止部に係止するようにしたものが一般的であった。
このような従来の結束具を示す従来技術として、下記特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−1229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の技術は、結束具に関する発明で、一端に設けた貫通孔23に他端45を挿通させると共に、バンド40に設けたラチェット歯43とバックル爪25とを係合させて結束を行う構成が開示されている。
しかし、このような従来の結束具は、ラチェット機構の構造上、バンド体を係合部に係合させると、それを解消することができず、バンド体を切断しなければ目的物を結束状態から開放することができないことから、結束具の再利用が不可能で、使い捨てにせざるを得ないという問題があった。
このような問題に対して、結束状態を解除可能な構成を備える結束具も開発されているものの、構造が複雑で製造コストを抑えることができないと共に、結束を解除する作業が煩雑であるという問題があった。
また従来の結束具は、文字通り、ばらばらになっている物を束ねることを目的として開発されたものであることから、用途が限定されており、多用途に用い難いという問題があった。
【0005】
そこで本発明は上記従来における問題点を解決し、連結作業と連結を解く作業との何れも容易に行うことができると共に、再利用可能であり、多用途に用いることができる連結具及び該連結具と支持部材との係止構造の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するため、本発明の連結具は、帯状のバンド体を備えた連結具であって、該バンド体は、楔型頭部と、筒状挿通部とを少なくとも備え、前記楔型頭部は、先端に向けてその厚みを減ずるように構成すると共に、前記筒状挿通部は、前記楔型頭部を受け入れる挿通孔をその内孔が一対の開口の何れか一方向に減ずるように構成し、前記筒状挿通部に楔型頭部を挿通することで、前記バンド体を環状として被連結物を環内にて連結すると共に、前記筒状挿通部に挿通させた楔型頭部を折り返して再び前記筒状挿通部に進入させて係止することを第1の特徴としている。
また本発明の連結具は、上記第1の特徴に加えて、バンド体の厚みをA、楔型頭部の最大厚みをB1、楔型頭部の最小厚みをB2、挿通孔の最大高さをC1、挿通孔の最小高さをC2として、B1<C2、B2+A<C2、B1+A>C1の関係を満たすような構成としてあることを第2の特徴としている。
また本発明の連結具は、上記第1又は第2の特徴に加えて、挿通孔内の下面に凹部若しくは凸部からなる第1係合部を備えると共に、挿通孔内にて前記下面と対向するバンド体の表面に、前記第1係合部と係合する凹部若しくは凸部からなる第2係合部を備えることを第3の特徴としている。
また本発明の連結具は、上記第1〜第3の何れか1つの特徴に加えて、楔型頭部の上面若しくは下面の少なくとも一面に、バンド体の長手方向に延びる凸状押圧部をバンド体の短手方向に少なくとも一対配置させてあることを第4の特徴としている。
また本発明の連結具は、上記第1〜第4の何れか1つの特徴に加えて、バンド体の所定領域に、幅広部からなるパット部を設けてあることを第5の特徴としている。
また本発明の連結具は、上記第1〜第5の何れか1つの特徴に加えて、生育中の野菜や果実を載置させるための載置皿を更に備えることを第6の特徴としている。
また本発明の連結具は、上記第1〜第6の何れか1つの特徴に加えて、鳥獣の食害や害虫から野菜や果実を被覆して保護するための保護体を、バンド体に備えることを第7の特徴としている。
また本発明の連結具は、上記第1〜第7の何れか1つの特徴に加えて、支柱等の支持部材に係止するための係止部を更に備えることを第8の特徴としている。
また本発明の連結具は、上記第8の特徴に加えて、係止部は、筒状挿通部の外周から延出される腕部と、該腕部の先端に設けられる引掛部とで構成されることを第9の特徴としている。
また本発明の連結具と支持部材との係止構造は、請求項8又は請求項9に記載の連結具に備える係止部を、支柱等の支持部材に備える係止部に係止させてなることを第10の特徴としている。
また本発明の連結具と支持部材との係止構造は、上記第10の特徴に加えて、支持部材は支柱であり、支持部材に備える係止部は、前記支柱に設ける一乃至複数の突出部と、支柱に設ける一乃至複数の貫通孔との少なくとも何れか一方であることを第11の特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
上記第1の特徴による連結具によれば、帯状のバンド体を備えた連結具であって、該バンド体は、楔型頭部と、筒状挿通部とを少なくとも備え、前記楔型頭部は、先端に向けてその厚みを減ずるように構成すると共に、前記筒状挿通部は、前記楔型頭部を受け入れる挿通孔をその内孔が一対の開口の何れか一方向に減ずるように構成し、前記筒状挿通部に楔型頭部を挿通することで、前記バンド体を環状として被連結物を環内にて連結すると共に、前記筒状挿通部に挿通させた楔型頭部を折り返して再び前記筒状挿通部に進入させて係止することから、筒状挿通部に一度挿通させたバンド体を折り返して、楔形頭部を再び筒状挿通部に差し込むだけで、容易に連結作業を行うことができる。また連結を解く場合には、楔型頭部を筒状挿通部から引き抜くことで、連結を容易に解くことができる。よって作業効率が良く、多用途に用いることができる連結具とすることができる。加えて、バンド体を切断することなく連結を解くことができることで、再利用可能な連結具とすることができる。
【0008】
また上記第2の特徴による連結具によれば、上記第1の特徴による作用効果に加えて、バンド体の厚みをA、楔型頭部の最大厚みをB1、楔型頭部の最小厚みをB2、挿通孔の最大高さをC1、挿通孔の最小高さをC2として、B1<C2、B2+A<C2、B1+A>C1の関係を満たすような構成としてあることから、楔型頭部20と筒状挿通部30とで楔作用を効率的に発現させて、楔型頭部20を筒状挿通部30に固定することができる。
【0009】
また上記第3の特徴による連結具によれば、上記第1又は第2の特徴による作用効果に加えて、挿通孔内の下面に凹部若しくは凸部からなる第1係合部を備えると共に、挿通孔内にて前記下面と対向するバンド体の表面に、前記第1係合部と係合する凹部若しくは凸部からなる第2係合部を備えることから、第1係合部と第2係合部とを、楔型頭部の押圧力で相互に係合させることができる。これによって、連結状態を一段と強固に保持することができる。
【0010】
また上記第4の特徴による連結具によれば、上記第1〜第3の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、楔型頭部の上面若しくは下面の少なくとも一面に、バンド体の長手方向に延びる凸状押圧部をバンド体の短手方向に少なくとも一対配置させてあることから、連結を解く作業時において、挿通孔の内面と楔型頭部の表面との間で発生する摩擦力を効果的に低減させることができる。よって連結を解く作業を一段と小さな労力で行うことができる。従って作業効率の良い連結具とすることができる。
【0011】
また上記第5の特徴による連結具によれば、上記第1〜第4の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、バンド体の所定領域に、幅広部からなるパット部を設けてあることから、被連結物とバンド体との接触面積を効果的に増大させることができる。よって被連結物が損傷することを効果的に防止することができる連結具とすることができる。
【0012】
また上記第6の特徴による連結具によれば、上記第1〜第5の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、生育中の野菜や果実を載置させるための載置皿を更に備えることから、野菜や果実の落下を効果的に防止することができる機能を付加した連結具とすることができる。
【0013】
また上記第7の特徴による連結具によれば、上記第1〜第6の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、鳥獣の食害や害虫から野菜や果実を被覆して保護するための保護体を、バンド体に備えることから、鳥獣の食害や害虫から野菜や果実を保護することができる機能を付加した連結具とすることができる。
【0014】
また上記第8の特徴による連結具によれば、上記第1〜第7の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、支柱等の支持部材に係止するための係止部を更に備えることから、支持部材に容易に係止可能な連結具とすることができる。
【0015】
また上記第9の特徴による連結具によれば、上記第8の特徴による作用効果に加えて、係止部は、筒状挿通部の外周から延出される腕部と、該腕部の先端に設けられる引掛部とで構成されることから、形成容易な係止部とすることができる。
【0016】
また上記第10の特徴による連結具と支持部材との係止構造によれば、請求項8又は請求項9に記載の連結具に備える係止部を、支柱等の支持部材に備える係止部に係止させてなることから、作業効率が良く、再利用可能な連結具と支持部材との係止構造とすることができる。
【0017】
また上記第11の特徴による連結具と支持部材との係止構造によれば、上記第10の特徴による作用効果に加えて、支持部材は支柱であり、支持部材に備える係止部は、前記支柱に設ける一乃至複数の突出部と、支柱に設ける一乃至複数の貫通孔との少なくとも何れか一方であることから、係止容易な連結具と支持部材との係止構造とすることができる。
【0018】
本発明の連結具によれば、作業効率が良く、多用途に用いることができる連結具とすることができる。また再利用可能な連結具とすることができる。
また本発明の連結具と支持部材との係止構造によれば、作業効率が良く、再利用可能な連結具と支持部材との係止構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係る連結具を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る連結具における使用状態の力の関係を模式的に示す断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る連結具の使用状態を示す斜視図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る連結具における楔型頭部の変形例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は先端部分を模式的に示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る連結具における係合部の変形例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る連結具におけるバンド体の変形例を示す図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る連結具及びその使用状態を示す図である。
図8】本発明の第3の実施形態に係る連結具及びその使用状態を示す斜視図である。
図9】本発明の第4の実施形態に係る連結具と、連結具と支持部材との係止構造を示す図で、(a)は連結具の要部を示す斜視図、(b)は連結具と支持部材との係止構造の要部を示す斜視図である。
図10】本発明の第4の実施形態に係る連結具と支持部材との係止構造の使用状態を示す斜視図である。
図11】本発明の第4の実施形態に係る連結具の変形例を示す図で、(a)は連結具の変形例1の要部を示す斜視図、(b)は連結具の変形例2の要部を示す斜視図である。
図12】本発明の第4の実施形態に係る連結具と支持部材との係止構造における支持部材の変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図13】本発明の第4の実施形態に係る連結具と支持部材との係止構造の変形例の使用状態を示す図である。
図14】本発明の第5の実施形態に係る連結具を示す斜視図である。
図15】本発明の第6の実施形態に係る連結具を示す斜視図である。
図16】本発明の第7の実施形態に係る連結具を示す斜視図である。
図17】本発明の第6の実施形態に係る連結具を用いて複数のパイプを連結させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、各図面を参照して、本発明の実施形態に係る連結具及び該連結具と支持部材との係止構造を説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものではない。
【0021】
先ず図1図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る連結具を説明する。
【0022】
本発明の第1の実施形態に係る連結具1は、帯状のバンド体に備える挿通孔にバンド体の一端を挿通させて環状部を構成し、該環状部内にて被連結物を連結する連結具である。
この連結具1は、図1に示すように、バンド体10と、楔型頭部20と、筒状挿通部30とから構成される。
【0023】
前記バンド体10は、連結具1の本体を構成するもので、細長い帯板状体で構成される。
また本実施形態においては、図1に示すように、後述する挿通孔31内にて下面31aと対向するバンド体10の表面に、第2係合部11を備える構成としてある。
より具体的には、本実施形態においては図1図2に簡略化して示すように、第2係合部11を凹部で形成する構成としてある。またバンド体10の短手方向の全長に渡って延びる溝で凹部を形成すると共に、この溝をバンド体10の長手方向に複数並列配置させる構成としてある。
【0024】
なお、第2係合部11を構成する凹部は、必ずしも複数必要なものではなく、1乃至複数備える構成であれば、設ける数は適宜変更可能である。またバンド体10に設ける位置も適宜変更可能である。なお第2係合部11は、必ずしも凹部で形成する構成に限るものではなく、後述する第1係合部32を凹部で形成する場合には、第2係合部11を凸部で形成することが必要である。つまり、第2係合部の構成は、係合対象である第1係合部32と係合可能な構成である事が必要である。
またバンド体10としては、可撓性のプラスチック材料等、連結具を構成するものとして、通常用いられるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
更にバンド体10の長さ、厚み等は、被連結物に合わせて適宜変更可能である。
【0025】
前記楔型頭部20は、挿通孔31に挿通させて被連結物の連結を行うための環状部Rを構成する起点となると共に、筒状挿通部30と協働して連結具1の固定手段を構成するものである。
本実施形態においては、図1に示すように、筒状挿通部30を設けたバンド体10の端部と反対側の端部に、先端に向けてその厚みを減ずるように構成する楔型頭部20を設ける構成としてある。言い換えれば、他端に向けて肉厚な楔型形状をなす楔型頭部20を設ける構成としてある。更に具体的には、バンド体10において、筒状挿通部30の裏面側に楔型頭部20を設ける構成としてある。
この楔型頭部20は、例えばバンド体10と一体成形により形成することができる。
【0026】
なお、図1(b)、図1(c)に示すように、この楔型頭部20は、挿通孔31に一方向から挿通されると共に、バンド体10の途中位置で折り返して折り返し湾曲部Fを形成した後、挿通孔31に他方向から再び挿通される(差し込まれる)。これによって、挿通孔31内において、楔型頭部20が楔作用によって筒状挿通部30に固定されると共に、連結作業が完了される。
また楔型頭部20の形状は本実施形態のものに限るものではなく、筒状挿通部30と協働して楔作用を発揮できる形状であれば、適宜変更可能である。
【0027】
前記筒状挿通部30は、バンド体10の一端に備える楔型頭部20を受け入れる(挿通させる)挿通孔31を備え、挿通孔31に楔型頭部20を挿通させて被連結物の連結を行う環状部Rを構成すると共に、楔型頭部20と協働して連結具1の固定手段を構成するものである。
本実施形態においては、図1に示すように、楔型頭部20を設けた端部とは反対側の端部に、外形が矩形状の筒状挿通部30を設ける構成としてある。
この筒状挿通部30は、例えばバンド体10と一体成形により形成することができる。
【0028】
また本実施形態においては、図2に簡略化して示すように、挿通孔31を、その内孔が挿通孔31に備える一対の開口の何れか一方向に減ずるように構成してある。
より具体的には、連結具1による連結作業を完了させる際に、挿通孔31の上面31bが楔型頭部20の上面20aの傾斜に沿う傾斜面となるように、挿通孔31の内孔を、挿通孔31に備える一対の開口の何れか一方向に減ずる構成としてある。(本実施形態においては、連結具1における筒状挿通部30を設ける端部側の開口に向けて減ずるように構成してある。)
つまり本実施形態においては、図2(a)に示すように、挿通孔31の上面31bを、楔型頭部20の上面20aの傾斜に沿う傾斜面とする構成としてある。
【0029】
また本実施形態においては、図1図2に示すように、挿通孔31の下面31a及びその近傍に、既述した第2係合部11と係合する第1係合部32を備える構成としてある。より具体的には、本実施形態においては、第1係合部32を凸部で形成する構成としてある。更に具体的には、図1図2に簡略化して示すように、バンド体10の短手方向の全長に延びると共に、第2係合部11と係合する形状からなる突片で凸部を形成すると共に、この突片をバンド体10の長手方向に複数並列配置させる構成としてある。
なお、第1係合部32を構成する凸部は、必ずしも複数必要なものではなく、1乃至複数備える構成であれば、設ける数は適宜変更可能である。また既述したように、この第1係合部32は、凹部で形成する構成としてもよい。
【0030】
また本実施形態においては、このような構成からなるバンド体10、楔型頭部20、筒状挿通部30において、図2に示すバンド体10の厚みをA、楔型頭部20の最大厚みをB1、楔型頭部20の最小厚みをB2、挿通孔31の最大高さをC1、挿通孔31の最小高さをC2として、B1<C2、B2+A<C2、B1+A>C1の関係を満たすような構成としてある。
なお、ここで「挿通孔31の最大高さ」とは、図2(b)に示すように、第1係合部32を構成する突片の先端から上面31bの最上部(図2(b)の左側端部)までの長さを意味するものであり、「挿通孔31の最小高さ」とは、図2(b)に示すように、第1係合部32を構成する突片の先端から上面31bの最下部(図2(b)の右側端部)までの長さを意味するものである。
【0031】
次に図1図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る連結具1を用いて被連結物を連結する際の動作と、力の作用を詳細に説明する。
なお説明の便宜上、図1図2においては、被連結物の図示を省略するものとする。
【0032】
まず図1(a)、図1(b)を参照して、挿通孔31に楔型頭部20を一方向から(本実施形態においては、挿通孔31の右側から)挿通させると共に、楔型頭部20を一方向へと所定量引っ張る。
この際、図2に示すバンド体10の厚みをA、楔型頭部20の最大厚みをB1、楔型頭部20の最小厚みをB2、挿通孔31の最大高さをC1、挿通孔31の最小高さをC2として、B1<C2、B2+A<C2、B1+A>C1の関係を満たすような構成としてあることから、図1(b)に示すように、挿通孔31に楔型頭部20を容易に挿通させることができる。
これによって、図1(b)に示すように、バンド体10で環状部Rが形成される。なお、環状部Rの大きさは、第2係合部11の設ける位置、数により、また楔型頭部20の引っ張り量によって所望の大きさに調整することができる。
【0033】
次に図1(c)を参照して、バンド体10をその途中位置で折り返すことで、折り返し湾曲部Fを形成する。
【0034】
その後、挿通孔31に楔型頭部20を他方向から進入させる(差し込む)。
この際、図2に示すバンド体10の厚みをA、楔型頭部20の最大厚みをB1、楔型頭部20の最小厚みをB2、挿通孔31の最大高さをC1、挿通孔31の最小高さをC2として、B1<C2、B2+A<C2、B1+A>C1の関係を満たすような構成としてあると共に、挿通孔31を、上面31bが楔型頭部20の上面20aの傾斜に沿う傾斜面となるように、挿通孔31の内孔を一対の開口の何れか一方向に減ずるような構成としてあることから、挿通孔31内において楔作用によって楔型頭部20が筒状挿通部30に(挿通孔31内で)固定される。
【0035】
より具体的には、挿通孔31の最小高さC2からバンド体10の厚みAを減じた残りの厚みよりも楔型頭部20の厚みが大きくなる位置(図2(b)に示す位置)で、楔型頭部20の差し込み方向への前進が停止される。これによって、楔型頭部20の先端部分が挿通孔31から突き出た状態で、挿通孔31内に楔型頭部20が固定される。
この際、図2(b)に示すように、楔作用により、黒塗り矢印で示す前進方向への力Jは、挿通孔31の下面31aを押す押圧力Kと、上面31bを押す押圧力Lとに分散される。この押圧力Kによって、挿通孔31内において第2係合部11が第1係合部32へと押圧され、第1係合部32と第2係合部11とが係合される。
【0036】
以上の動作により、連結具1による連結作業が完了する。
【0037】
なお、連結具1の連結を解く場合には、折り返し湾曲部Fに指をかけて、楔型頭部20を挿通孔31から引き抜くことで、連結状態を解除することができる。
【0038】
そして図3に示すように、このような構成からなる連結具1は、例えば植木鉢に差し込まれた支持部材70たる支柱71と、植木鉢に植えられた苗木80の茎81とを連結する際に利用することができる。
このように、本発明の第1の実施形態に係る連結具1は、その実施形態の一例として、例えば支柱71或いは誘引縄(図示しない。)を介した苗木80の誘引を行うための、いわゆる農業用連結具として用いることができる。
【0039】
このような構成からなる本発明の第1の実施形態に係る連結具1は、以下の効果を奏する。
【0040】
先端に向けてその厚みを減ずるように構成した楔型頭部20をバンド体10の一端に備えると共に、楔型頭部20を受け入れる挿通孔31を備える筒状挿通部30を他端に備え、また挿通孔31を、上面31bが楔型頭部20の上面20aの傾斜に沿う傾斜面となるように、内孔に備える一対の開口の何れか一方向に減ずるような構成とし、更に、挿通孔31に楔型頭部20を一方向から挿通させた後、バンド体10の途中位置で折り返して折り返し湾曲部Fを形成すると共に、挿通孔31に楔型頭部20を他方向から再度進入させて(差し込んで)係止する(連結を行う)構成とすることで、挿通孔31に一度挿通させたバンド体10を折り返して、楔形頭部20を同じ挿通孔31に再度差し込むだけで、容易に連結作業を行うことができる。
また連結を解く場合には、折り返し湾曲部Fに指をかけて楔型頭部20を挿通孔31から引き抜くことで、連結状態を容易に解くことができる。
従って、連結作業と連結を解く作業とのどちらの作業も、楽に且つ手早く行うことができる連結具1とすることができる。よって作業効率が良く、多用途に用いることができる連結具1とすることができる。加えて、バンド体10を切断することなく、連結を解除できることで、再利用可能な連結具1とすることができる。
【0041】
また挿通孔31の上面31bを、楔型頭部20の上面20aの傾斜に沿う傾斜面とすることで、挿通孔31の内面全面に渡って楔作用を発揮させることができる。よって第1係合部32と第2係合部11とに一段と効率的に楔型頭部20の押圧力を伝達可能な構造とすることができる。従って連結状態を一段と効率的且つ強固に保持できる連結具1とすることができる。
【0042】
またバンド体10の厚みをA、楔型頭部20の最大厚みをB1、楔型頭部20の最小厚みをB2、挿通孔31の最大高さをC1、挿通孔31の最小高さをC2として、B1<C2、B2+A<C2、B1+A>C1の関係を満たすような構成としてあることで、楔型頭部20と筒状挿通部30とで楔作用を一段と効率的に発現させて、楔型頭部20を筒状挿通部30に固定することができる。
【0043】
また挿通孔31の下面31aに凸部からなる第1係合部32を備えると共に、挿通孔31内にて下面31aと対向するバンド体10の表面に、第1係合部32と係合する凹部からなる第2係合部11を備える構成とすることで、楔作用により楔型頭部20を介して発生する押圧力によって、第2係合部11を第1係合部32に向けて押圧し、第2係合部11と第1係合部32とを相互に係合させることができる。これによって連結具1の連結状態を一段と強固に保持することができる。
【0044】
更に簡易な構造で連結具1を形成することができることから、製造効率が良いと共に、製造コストの省コスト化を実現可能な連結具とすることができる。また環境負荷の低い連結具1とすることができる。
【0045】
次に図4図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る連結具1の変形例1〜変形例3を説明する。なお、変形例1〜変形例3において、既述した本発明の第1の実施形態に係る連結具1と同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号、同一機能を付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
【0046】
図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る連結具1の変形例1は、既述した実施形態に対して、楔型頭部20の構成を変形させたものである。
具体的には、楔型頭部20の上面20aと下面20bとに、バンド体10の長手方向に延びる凸状押圧部21をバンド体10の短手方向に一対並列配置させる構成としてある。
更に図4(b)に示すように、凸状押圧部21の形状を三角形状とする構成としてある。
【0047】
このような構成とすることで、図4(b)に示すように、挿通孔31の下面31a及び上面31bと、楔型頭部20との接触部分を凸状押圧部21の頂点21aに限定することができる。よって挿通孔31の下面31a及び上面31bと、楔型頭部20との接触面積を効果的に低減させることができる。従って連結具1の連結を解く作業時において、挿通孔31の内面と楔型頭部20の表面との間で発生する摩擦力を効果的に低減させることができる。よって連結を解く作業を一段と小さな労力で行うことができ、作業効率の良い連結具1とすることができる。
【0048】
なお、凸状押圧部21の形状、数、長さ、配置位置等は本変形例1のものに限るものではなく、適宜変更可能である。例えば凸状押圧部21の形状として、半円形状(湾曲形状)とする構成としてもよい。但し、凸状押圧部21を設ける場合は、楔型頭部20の上面20a若しくは下面20bの少なくとも一面に、同一構成の凸状押圧部21をバンド体10の短手方向に少なくとも一対配置させることが必要である。
【0049】
次に図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る連結具1の変形例2は、既述した実施形態に対してバンド体10に設ける第1係合部及び第2係合部の構成を変形させたものである。
具体的には、本変形例においては、凸部で構成する第1係合部32aを、バンド体10の短手方向の一端から他端までの全長に渡って設けるのではなく、バンド体10の短手方向の両端に余白を残すような構成で、第1係合部32aをバンド体10の長手方向に複数並列配置させる構成としてある。同様に、凹部(溝)で構成する第2係合部11aを、バンド体10の短手方向の一端から他端までの全長に渡って設けるのではなく、バンド体10の短手方向の両端に余白を残すような構成で、第2係合部11aをバンド体10の長手方向に複数並列配置させる構成としてある。
【0050】
このような構成とすることで、凸部や凹部(溝)で形成される係合部が起点となって、バンド体10の短手方向に亀裂や破断が生じることを効果的に防止することができる。よって耐久性に優れた連結具とすることができる。
【0051】
次に図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る連結具1の変形例3は、既述した実施形態に対してバンド体10の構成を変形したものである。
具体的には、本変形例においては、環状部Rを構成するバンド体10の所定領域に、バンド体10の幅を短手方向に広げた幅広部からなるパッド部12を設ける構成としてある。
【0052】
このような構成とすることで、被連結物とバンド体10との接触面積を効果的に増大させることができる。よって被連結物が損傷することを効果的に防止することができる連結具とすることができる。
より具体的には、例えば茎や枝が複雑に枝分かれすると共に、収量が多く肉質が軟らかいトマトやピーマン、茄子等の誘因用の連結具として本発明に係る連結具を用いる場合、連結具の環状部R内に作物が入った状態で連結を行う場合がある。このような場合に、本変形例3の構成によれば、作物と接触するバンド体10の接触面積を効果的に増大させることができる。よって、肉質が柔らかい作物に対して連結具を用いる場合でも、作物に損傷が生じることを効果的に防止することができる連結具とすることができる。
【0053】
次に図7を参照して、本発明の第2の実施形態に係る連結具2を説明する。
本発明の第2の実施形態に係る連結具2は、既述した本発明の第1の実施形態に係る連結具1に対して、生育中の野菜や果実82を載置させるための載置皿43cを付加的に備える構成とするものである。その他の構成は、既述した本発明の第1の実施形態に係る連結具1と同様である。よって、同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号、同一符号を付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
【0054】
具体的には、図7(a)に示すように、筒状挿通部30の上部からバンド体10と同一部材で形成される腕部41を延出させると共に、腕部41の先端に備える連結部41aに、支持ユニット42を介して載置部43を着脱自在に取り付ける構成としてある。
前記支持ユニット42は、連結部41aに載置部43を回転自在に取り付けるためのもので、円板状の支持板42aと、支持板42aの上面から延出される軸42bとから構成されている。そして詳しくは図示していないが、軸42bの先端には雄ネジ加工が施されていると共に、連結部41aには雌ネジ加工が施されており、軸42bを連結部41aにねじ込むことで、支持ユニット42が連結部41aに固定される構成としてある。本実施形態においては、支持板42aと軸42bとを、腕部41と同一部材で形成する構成としてある。
また前記載置部43は、筒状部材で構成される回転体43aと、回転体43aの外周から斜め下方に向かって放射状に延出される3本の吊り紐43bと、吊り紐43bの先端に取り付けられる載置皿43cとから構成されている。本実施形態においては、回転体43aと吊り紐43bと載置皿43cとを、腕部41と同一部材で一体成形する構成としてある。そして回転体43aを軸42bに挿通させた状態で、支持ユニット42を連結部41aに固定することで、支持ユニット42を介して載置皿43cを腕部41に着脱自在で、且つ回転自在に取り付ける構成としてある。
【0055】
なお、支持ユニット42、載置部43を形成する部材は、既述した本発明の第2の実施形態に係る連結具2の構成に限るものではなく、適宜変更可能である。
また載置皿43cを腕部41に着脱自在で、且つ回転自在に取り付ける構成も既述した本発明の第2の実施形態に係る連結具2の構成に限るものではなく、載置皿43cを腕部41に着脱自在で、且つ回転自在に取り付けることができるものであれば、如何なる構成であってもよい。
【0056】
また吊り紐43bの本数も既述した本発明の第2の実施形態に係る連結具2の構成に限るものではなく、適宜変更可能である。
また筒状挿通部30に対する腕部41の形成位置も本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
【0057】
このような構成とすることで、生育中の野菜や果実82の落下を効果的に防止できる機能を連結具に付加することができる。また載置部43を腕部41に着脱自在に取り付ける構成とすることで、生育過程に合わせてサイズの異なる載置皿43cに交換可能な構成とすることができる。
更に載置皿43cを回転自在な構成とすることで、生育中の野菜や果実82を可動範囲内で自由に回転させることができる。よって野菜や果実82に日光を効率的に照射可能な構成とすることができる。
【0058】
次に図8を参照して、本発明の第3の実施形態に係る連結具3を説明する。
本発明の第3の実施形態に係る連結具3は、既述した本発明の第1の実施形態に係る連結具1に対して、鳥獣の食害や害虫から野菜や果実82を被覆して保護するための保護体50を、環状部Rを構成するバンド体10に備える構成とするものである。その他の構成は、既述した本発明の第1の実施形態に係る連結具1と同様である。よって、同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号、同一符号を付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
【0059】
より具体的には、図8(a)に示すように、バンド体10における、後に環状部Rを構成する領域R1部分の側縁13のうち、何れか一方に(本実施形態においては、連結具3の使用時に保護体50が垂下する側に)保護網51を取り付ける構成としてある。なお、ここで「側縁」とは、バンド体10の厚み部分に相当する面を意味するものである。
また保護網51の網目の大きさは、鳥獣の口ばしや手よりも小さいものであることが必要である。
更に瓜葉虫やだんご虫等の害虫予防や害虫対策に用いる場合は、保護網51の網目が害虫よりも小さいものであることが必要である。例えば害虫用の保護網51として、網目の細かい寒冷紗を用いることができる。
【0060】
また保護網51をバンド体10に取り付ける方法としては、接着剤等を用いて保護網51をバンド体10から取り外し不能に取り付ける方法や、バンド体10に保護網51を着脱自在に取り付ける方法等、保護網51をバンド体10に取り付けることができる方法であれば、如何なる方法を用いてもよい。
また本実施形態においては、保護網51の大きさを、1つの果実82を被覆できる大きさとしたが、保護網51の大きさは、本実施形態のものに限るものではない。例えば果樹類に対しては、大枝単位で複数の小枝や果実を丸ごと被覆できる大きさとするものであってもよい。また苗木81全体を一つの保護網51で被覆できる大きさとするものであってもよい。このような場合、保護網51の開口端部(網の端同士が接する部分)を締めることが可能な締め具を設ける構成とすることが望ましい。締め具としては、例えばファスナー等、保護網51の開口端部を締めることが可能なものであれば、如何なるものを用いてもよい。
また保護体50としては、本実施形態における保護網51に限るものではなく、野菜や果実を鳥獣の食害や害虫から保護できるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
【0061】
このように保護体50を備える構成とすることで、鳥獣の食害や害虫から野菜や果実を保護できる機能を連結具に付加することができる。従って、特に農業用の連結具として優れた機能を備える連結具とすることができる。
【0062】
次に図9図13を参照して、本発明の第4の実施形態に係る連結具4及び連結具4と支持部材70との係止構造を説明する。
本発明の第4の実施形態に係る連結具4は、図9に示すように、既述した本発明の第1の実施形態に係る連結具1に対して、連結具と支持部材とを係止させるための係止部60を連結具に設ける構成とするものである。その他の構成は、既述した本発明の第1の実施形態に係る連結具1と同様である。よって既述した本発明の第1の実施形態に係る連結具1及び支持部材70と同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号、同一符号を付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
【0063】
より具体的には、図9に示すように、筒状挿通部30の上部の外周からバンド体10と同一部材をバンド体10の長手方向に延出させて腕部61を設けると共に、腕部61の先端に楕円形状からなる引掛部62を設けることで、連結具4に係止部60を設ける構成としてある。
また本実施形態においては、図9(a)に簡略化して示すように、挿通孔31内の上面31bと引掛部62の楕円の形成面とが直交するような位置関係で引掛部62を設ける構成としてある。
【0064】
そして図9(b)、図10に示すように、支柱71の外周に設ける突出部からなる係止部72に、引掛部62を係止させる(引っ掛ける)ことで、本発明の実施形態に係る連結具4と支持部材70との係止構造100が形成される。
なお、図9に簡略化して示すように、係止部72の強度を勘案すれば、係止部72の支柱71側の根元は、支柱71に向かって厚肉となる構成とすることが望ましい。
【0065】
このような構成とすることで、例えば図10に示す苗木80の誘因用として連結具4を用いる場合、連結具4が落下することを効果的に防止することができる。加えて、図3に示すように茎81と葉83との分岐部分に連結具4を配置させる必要がなくなり、茎81や葉83が損傷することを効果的に防止することができる。
【0066】
また筒状挿通部30の上部の外周からバンド体10の長手方向に延出させて腕部61を設ける構成とすることで、挿通孔31の左右どちらの方向からでも楔型頭部20を挿通可能な連結具4とすることができる。
また挿通孔31の上面31bと引掛部62の楕円の形成面とが直交するような位置関係で引掛部62を設ける構成とすることで、図10に簡略化して示すように、引掛部62の楕円と環状部Rで形成される円とを同じ平面上に並列配置させることができる。よって、支柱71の任意の位置に係止部72を設けることで、その近傍に連結具4を配置することができる。従って利便性の高い連結具4と支持部材70との係止構造100とすることができる。
また従来の連結具にはなかった、保持部材との係止機能を連結具に持たせることで、新たな付加価値を備える連結具を提供することができると共に、連結具の適用範囲を多用途に広げることが可能となる。
【0067】
なお、腕部61の長さや太さは本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。また引掛部62の形状も、楕円形状に限るものではなく、貫通孔62aを備えるものであれば、四角形等、如何なる形状であってもよい。
また筒状挿通部30に対する腕部61の形成位置や延出方向、延出角度も本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。つまり、連結具の使用状態における被連結物に負荷される応力を軽減できる構成となるように、腕部61の形成位置や延出方向、延出角度を設計することがより望ましい。例えば筒状挿通部30の側部や下部から腕部61を延出させる構成としてもよいし、バンド体10の短手方向(長手方向に対して直交する方向)に腕部61を延出させる構成としてもよい。但し、使用時における利便性を考慮すれば、挿通孔31の左右どちらの方向からでも楔型頭部20を挿通可能な構成とすることが望ましい。
【0068】
次に図11を参照して、本発明の第4の実施形態に係る連結具4の変形例1、2を説明する。なお、変形例1、2において、既述した本発明の第4の実施形態に係る連結具4と同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号、同一機能を付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
【0069】
まず図11(a)を参照して、本発明の第4の実施形態に係る連結具4の変形例1は、既述した第4の実施形態に係る連結具4に対して、連結部の構成を変形させたものである。
具体的には、引掛部62における腕部61との合流部分に、引掛部62を側方に膨出させてなる膨出部62bを設ける構成としてある。なお、ここで「側方」とは、貫通孔62aの周方向を意味するものである。
【0070】
このような構成とすることで、引掛部62の強度を効果的に向上させることができ、耐久性の高い係止部とすることができる。
【0071】
次に図11(b)を参照して、本発明の第4の実施形態に係る連結具4の変形例2は、既述した第4の実施形態に係る連結具4に対して、係止部の構成を変形したものである。
具体的には、引掛部62にスリット62cを設ける構成としてある。
なお、スリット62cの大きさは本変形例2のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
【0072】
このような構成とすることで、引掛部62を係止部72に係止させる作業の効率化と製造コストの省コスト化とを実現することができる。
【0073】
次に図12図13を参照して、本発明の第4の実施形態に係る連結具4と支持部材70との係止構造における支持部材70の変形例を説明する。なお、本変形例において、既述した本発明の第4の実施形態に係る支持部材70と同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号、同一機能を付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
【0074】
図12を参照して、本変形例は、既述した本発明の第4の実施形態に係る連結具4と支持部材70との係止構造に対して、係止部の構成を変形したものである。
具体的には、支柱71の外周に設けるL字状の突出部73aと、突出部73aの屈曲部分に設ける貫通孔73bとで係止部73を形成する構成としてある。
また支柱71の周方向に等間隔(90度間隔)で係止部73を四つ設ける構成としてある。更に支柱71の軸方向に係止部73を複数段設ける構成としてある。
【0075】
このような構成とすることで、図13に示すように、支柱71の多方向で連結具を係止させることができる。また複数の連結具を支柱71に同時に係止させることが可能となる。更に連結具に設ける係止部60の引掛部62の形状が、図11(a)に示すような閉塞形状である場合と、図11(b)に示すようなスリットを備える形状である場合との何れの形状であっても、容易に係止可能な支持部材70とすることができる。特に、引掛部62がスリットを備える形状である場合には、引掛部62を貫通孔73bに差し込む構成となることから、連結具が支持部材70から外れ難い係止構造とすることができる。
なお、突出部73a及び貫通孔73bの形状や数、太さ等は本変形例のものに限るものではなく、適宜変更可能である。また突出部73a、貫通孔73bを複数設ける場合における配置位置も本変形例のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
【0076】
なお、本実施形態においては、連結時に挿通孔31内にて下面31aと対向するバンド体10の表面にだけ第2係合部11を設ける構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものでない。例えば第1係合部32と対向する側のバンド体10の長手方向の表面全面に第2係合部11を設ける構成としてもよい。このような構成とすることで、バンド体10の連結位置を所望の位置に調整可能な連結具とすることができる。従って、一段と多用途に使用可能な連結具とすることができる。
また、第1係合部、第2係合部は、必ずしも設ける必要はなく、連結具に第1係合部、第2係合部を設けない構成としてもよい。
【0077】
また本実施形態及び変形例においては、筒状挿通部30と楔型頭部20とをそれぞれ一つ備える連結具とする構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、一つの連結具に筒状挿通部30と楔型頭部20とを複数設ける構成としてもよい。
例えば図14図15に示す本発明の第5、第6の実施形態に係る連結具5、6のように、バンド体10の略中央に二つの筒状挿通部30を上下に積層するような構成で設けると共に、それぞれの筒状挿通部30に対応する楔型頭部20をバンド体10の端部に設ける構成とするものであってもよい。また図16に示す本発明の第7の実施形態に係る連結具7のように、複数の筒状挿通部30をバンド体10の長手方向に離間させて設ける構成としてもよい。なお、この場合、離間させて設ける複数の筒状挿通部30は、バンド体10の同一面に設ける構成と、互いに異なる面に設ける構成との何れであってもよい。
このような連結具5〜連結具7の構成とすることで、一つの連結具の複数位置で連結を行うことができ、一段と多用途に使用可能な連結具とすることができる。
【0078】
また第1係合部及び第2係合部の形状も本実施形態及び変形例のものに限るものではなく、第1係合部と第2係合部とを相互に係合できるものであれば、如何なる形状であってもよい。
【0079】
また本実施形態においては、連結具の利用形態として、農業用の連結具を示す構成としたが、連結具を使用する分野は必ずしもこのような分野に限るものではない。
例えば図17に示すように、複数本のパイプ90をその交差位置で連結させるための工業用の連結具として、例えば本発明の第6の実施形態に係る連結具6を用いることができる。
この際、図15に示すように、本発明の第6の実施形態に係る連結具6は、使用時に1対のバンド体10が交差する方向に1対の挿通孔31を設ける構成であることから、交差する複数本のパイプ90を一つの連結具で二方向から容易且つ効率的に連結固定させることができる。よって一段と強固に連結できると共に、作業効率の良い連結具とすることができる。
勿論、複数本のパイプ90を連結させるために用いる連結具は、本発明の第6の実施形態に係る連結具6に限るものではなく、本発明の第1の実施形態に係る連結具1を用いる構成としてもよい。
【0080】
このように、本発明の連結具によれば、例えば金属棒や、電話線等のケーブル、工事現場等の足場、住宅の垣根や柵類の組立て解体作業等、連結や結束が必要な如何なる対象物に対しても広範囲に用いることができる。更に一般家庭の日常生活でも、食料品等を袋に小分けして冷蔵庫に保存する用途や、園芸用の培養土や肥料袋の口を結び付けるたりする用途に用いることができ、様々な用途に利用可能な連結具とすることができる。
つまり本発明における「連結」とは、物を結び付ける行為や、物を束ねる行為のどちらも含む概念である。
【0081】
本発明は、極めて単純な発想に基づくものであるが、取扱い操作が容易で手早く、作業効率を高めると共に、製品価格が安く、繰り返し利用できるという特性を兼備するものである。よって、その特性を活用すれば、様々の生産現場のみならず、私生活の場でも多用途に用いることができる。これによって、世界規模の需要増大が図られて物づくり日本の新たな輸出産業を生み出す可能性があるものと期待される。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によれば、作業効率が良く、多用途に用いることができる連結具とすることができることから、連結具、結束具の分野における産業上の利用性が高い。
【符号の説明】
【0083】
1 連結具
2 連結具
3 連結具
4 連結具
5 連結具
6 連結具
7 連結具
10 バンド体
11 第2係合部
11a 第2係合部
12 パット部
13 側縁
20 楔型頭部
20a 上面
20b 下面
21 凸状押圧部
21a 頂点
30 筒状挿通部
31 挿通孔
31a 下面
31b 上面
32 第1係合部
32a 第1係合部
40 載置皿ユニット
41 腕部
41a 連結部
42 支持ユニット
42a 支持板
42b 軸
43 載置部
43a 回転体
43b 吊り紐
43c 載置皿
50 保護体
51 保護網
60 係止部
61 腕部
62 引掛部
62a 貫通孔
62b 膨出部
62c スリット
70 支持部材
71 支柱
72 係止部
73 係止部
73a 突出部
73b 貫通孔
80 苗木
81 茎
82 果実
83 葉
90 パイプ
100 係止構造
A 厚み
B1 最大厚み
B2 最小厚み
C1 最大高さ
C2 最小高さ
F 折り返し湾曲部
J 力
K 押圧力
L 押圧力
R 環状部
R1 領域
【要約】
【課題】連結作業と連結を解く作業との何れも容易に行うことができると共に、再利用可能であり、多用途に用いることができる連結具及び該連結具と支持部材との係止構造の提供を可能とする。
【解決手段】帯状のバンド体10を備えた連結具1であって、バンド体10は、楔型頭部20と、筒状挿通部30とを少なくとも備え、楔型頭部20は、先端に向けてその厚みを減ずるように構成すると共に、筒状挿通部30は、楔型頭部20を受け入れる挿通孔31をその内孔が一対の開口の何れか一方向に減ずるように構成し、筒状挿通部30に楔型頭部20を挿通することで、バンド体10を環状として被連結物を環内にて連結すると共に、筒状挿通部30に挿通させた楔型頭部20を折り返して再び筒状挿通部30に進入させて係止する連結具である。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17