(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938779
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】電気アクチュエータから始まる握持または運動ツールを作動するための装置
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20160609BHJP
F16H 25/00 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
B25J15/08 C
F16H25/00 Z
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-87637(P2011-87637)
(22)【出願日】2011年4月11日
(65)【公開番号】特開2011-218554(P2011-218554A)
(43)【公開日】2011年11月4日
【審査請求日】2014年2月19日
(31)【優先権主張番号】BS2010A000074
(32)【優先日】2010年4月12日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】508337008
【氏名又は名称】ギマティック エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】マフェイス ジュゼッペ
【審査官】
木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭62−063207(JP,A)
【文献】
特開2002−224985(JP,A)
【文献】
特表2002−542950(JP,A)
【文献】
特開2003−103488(JP,A)
【文献】
実開昭61−005587(JP,U)
【文献】
特開平10−277983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
F16H 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(10)、可動性部材(16、17)、カーソル(18)、電気アクチュエータ(19)、運動の伝達手段(27)、牽引スライド(26)、および少なくとも一つの弾力性部材(28)を備えた、握持または運動ツールを作動するための装置であって、
前記可動性部材(16、17)は前記本体(10)と関連し、第1の位置と、間隔を置かれた第2の位置との間で往復運動をすることができ、
前記カーソル(18)は前記本体(10)の中で往復の直線運動をすることができ、前記可動性部材(16、17)の前記第1の位置と前記第2の位置の間の往復運動のために、前記可動性部材(16、17)に連結され、
前記電気アクチュエータ(19)は前記カーソル(18)と前記可動性部材(16,17)の往復運動を制御するように設計されており、
前記運動の伝達手段(27)は前記電気アクチュエータ(19)によって駆動される運動を伝達し、
前記牽引スライド(26)は前記カーソル(18)と関連し、前記電気アクチュエータ(19)によって前記運動の伝達手段(27)を通じて駆動されて前記本体(10)内部で往復運動することができ、
少なくとも一つの前記弾力性部材(28)は前記牽引スライド(26)と前記カーソル(18)の間に、前もって負荷をかけられた状態で配置され、少なくとも一つの前記弾力性部材(28)は、前記牽引スライド(26)と前記カーソル(18)の運動方向と平行であって、かつ前記可動性部材(16、17)の運動方向とも平行であることによって、少なくとも一つの前記弾力性部材(28)の負荷が変動しない限りは前記牽引スライド(26)と前記カーソル(18)は全く同じ動きをし、前記可動性部材(16、17)の動きに対する抵抗によって少なくとも一つの前記弾力性部材(28)に対する負荷が変動する場合は、前記負荷の変動に応じて、前記牽引スライド(26)と前記カーソル(18)が互いに異なる動きをし、
前記可動性部材(16、17)のうちの第1の可動性部材(16)は前記カーソル(18)にピン(20)によって固く固定され、前記可動性部材(16、17)のうちの第2の可動性部材(17)は前記カーソル(18)に振動伝達レバー(22)によって接続され、前記振動伝達レバー(22)が枢軸(22’)を軸に振動することによって、前記カーソル(18)の一方向への動きが前記第2の可動性部材(17)の反対方向への動きとなり、その結果、前記第1の可動性部材(16)と前記第2の可動性部材(17)は互いに方向が逆で大きさが同じ動きをすること、および
前記カーソル(18)の運動方向は前記可動部材(16,17)の運動方向と平行であり、前記弾力性部材(28)は前記可動性部材(16、17)を互いに近づける方向に力を作用していること、を特徴とする装置。
【請求項2】
前記牽引スライド(26)が運動方向において互いに所定の距離で配置された2つの肩部(29)を有し、前記カーソル(18)の長さは前記肩部(29)の間の距離よりも短くかつ前記カーソル(18)は前記肩部(29)の間に配置されて移動でき、前記牽引スライド(26)の前記肩部(29)と前記カーソル(18)の一端との間に、少なくとも一つの前記弾力性部材(28)が前もって負荷をかけられた状態で配置され、かつ圧縮可能であり、少なくとも一つの前記弾力性部材(28)が、関連する前記牽引スライド(26)および前記カーソル(18)の運動の方向に配置されかつ作動する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記牽引スライド(26)が運動方向において互いに所定の距離で配置された2つの肩部(29)を有し、前記カーソル(18)の長さは前記肩部(29)の間の距離より短くかつ前記カーソル(18)は前記肩部(29)の間に配置されて移動でき、前記牽引スライド(26)の前記肩部(29)の各々と該カーソル(18)の端部の各々との間に、前記弾力性の部材(28)が前もって負荷をかけられた状態で配置され、かつ圧縮可能であり、前記弾力性の部材(28)の各々が、関連する前記牽引スライド(26)および前記カーソル(18)の運動の方向に配置されかつ作動する、請求項1記載の装置。
【請求項4】
少なくとも一つの前記弾力性の部材(28)の各々が1つ以上のバネ(28a)を含む、請求項1、2または3記載の装置。
【請求項5】
前記電気アクチュエータ(19)がモーターであり、前記運動の伝達手段(27)は、前記モーターの出力軸に一方の側が連結され、前記牽引スライド(26)に他方の側が連結された連接棒アセンブリにより形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記電気アクチュエータ(19)がモーターであり、前記運動の伝達手段(27)は、前記モーターの出力軸に連結され、接触ローラ(31 a、31b)によって形成される機械的な手段により前記牽引スライド(26)と関連した回転カム(27)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記回転カム(27)が軸受(30)によって支持され、第1の半径(R)を有する第1の部分(27’)と、前記第1の部分(27’)に対して径方向で対向し、前記第1の部分(27’)よりも小さい半径(r)を有する第2のカム部(27”)とによって定められる輪郭を有し、前記第1の部分(27’)および前記第2のカム部(27”)の間の部分は中間の平面(27a)によって連結され、前記第1の部分(27’)と前記第2のカム部(27”)の半径の差は、前記可動性部材(16、17)のストロークの最大の長さに対応する、請求項6記載の装置。
【請求項8】
2つの端部間の往復運動の動作によって移動可能な単一の部材を有するツールを制御する、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
必要に応じてアイテムまたは物体をピックアップまたはリリースするため、たがいに反対方向に移動可能なグリッパー顎板の形で2つの可動性部材を有するツールを制御する、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気制御モーターのようなアクチュエータによって、グリッパー、スライドなどの握持または運動ツールを作動するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アイテムを握持するためのツールの分野において、それらの生産および/または操作および/または組立てのステップの間の目的または様々な内容で周知のものは、顎板を備えた握持手段の形の2つの機能的な部材を有し、それぞれ作動位置および静止位置、すなわち、閉じた位置および開いた位置の2つの最端の位置の間の反対方向に移動可能であるグリッパーである。それらが例えば代わりの前後の運動を備えたスライド・タイプの部材を有するので、運動システムもまた周知である。
【0003】
特に、前記ツールまたはグリッパーまたは運動システムは、空気式制御または電気式制御のタイプである可能性がある。空気式制御グリッパーの場合、顎板は適切に連結されて、あるいは圧力下で流体によって関係する室において移動可能であるピストンによって作動される。電気式制御グリッパーは、一方で、変換部材によって作動および静止位置間でグリッパー顎板を動かす電気またはソレノイド・モーターをアクチュエータとして含む。
【0004】
それにもかかわらず、周知の認識を守ると、電気式制御グリッパーは、アクチュエータと、静止位置および作動位置の両方の方へ決められたストロークをグリッパー顎板に伝えることができる運動学的な伝達とを有する。それらが生じる欠点は、ツールが握持されるように設計されるアイテムまたは物体の名目上の寸法の違いに関して、少なくとも作動ストロークとグリッパー力とを適応することができないことである。しかしながら、前記アイテムまたは物体が様々な理由により、少なくとも処理の誤差のために互いに異なる寸法が生じ、その場合には、最も小さなものは不十分な力によって握持され、最も大きいものは過剰な力によって握持される。それは、一方でアイテムまたは物体が正しく握持されず、他方でアクチュエータおよび動作の運動学的な伝達の不必要な誘導を起こす結果となる。
【0005】
不都合を防ぐため、現在、機械的なまたは電子的な管理は、制御された可動性の部材またはそれらの傾向によって、動作を細かく設定することができるように、高度で複雑かつ高価なプログラムおよび制御システムによって、電気アクチュエータ、つまりグリッパーの制御モーター・グループに適用される。言い換えると、グリッパー顎板のストロークは直接モーターの回転によって決まり、これが選択されない場合、正確に調整および制御されたツールの適切な握持動作は不正確になってしまう。さらに、作動位置においてグリッパーを維持するため、つまりアイテムなどを握持するために、モーターは、エネルギーの相対的な吸収によって連続的に作動中のままでなければならない。
【0006】
一方で、電流不足によりグリッパーが停止して、アイテムを放してしまう。
【0007】
類似した問題は、止め具によって定められる2つの最端の位置の間で移動可能な単一の部材を有するスライド運動システムにおいても確かめることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前述のタイプのグリッパー・ツールまたは電気式制御移動装置の衝撃の状態および精度を改良し、公知の技術に関する上記の問題を効果的に解決して、2つの最端の位置間の可動部材または複数の部材への電気アクチュエータによる動作の運動学的な伝達をさらに単純化し、要求される所で、それらが異なる名目上の寸法を有する時適切な力でアイテムおよび物体を握持するのを確実にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、本体と、少なくとも前記本体と関連している可動性の部材と、互いに距離をおいて第1の位置と第2の位置との間で交互に動くことができ、前記本体の他の直線運動に影響されやすく、前記位置の一方から他方への後者の運動のために少なくとも前記可動性の部材に連結されるスライドと、前記カーソルの交互の運動、および、後者を通じて前記少なくとも可動性の装置を制御するように設計されている好ましくは電気的なアクチュエータを含む、握持または運動システムを作動する装置で達成される。
【0010】
本発明によると、前記装置は基本的に、アクチュエータによって作動する運動の伝達手段と、前記カーソルと関連し、前記伝達手段を通じて前記アクチュエータにより生じる代わり運動を受ける牽引スライドと、それらの運動方向および少なくとも可動性の部材の運動方向の両方に並列である前記牽引スライドと前記カーソルとの間で予め搭載されて配置されて、カーソルおよび牽引しているスライドが、弾力的な手段の予圧が不変である限り一体となって両方とも一緒に、および、前記可動性の部材の運動に対する抵抗から導かれる弾力的な手段の予圧の変動に応じて独立して互いに動くことができる少なくとも弾力的な手段と、を含む。
【0011】
作動される装置は、2つのリミットストップ間の単一の代わり可動性部材を備えたスライドであってもよい。
【0012】
それ以外は、作動される装置は、時にアイテムまたは物体を握持または放すため、反対方向において移動可能な2つの握持顎板を可動性の部材として備えたグリッパーから構成されることができる。
【0013】
基本的に、伝達装置によってアクチュエータで駆動される牽引スライドは決められたストロークを常に受け、一方、カーソルはまた、牽引スライドに相対的に一直線で動くことができ、可動性の部材または複数の部材が満たすことができる運動への抵抗によって特定の限度内で可変のストロークを実行する。
【0014】
これによって、本発明の装置は、少なくとも次の利点を有する:電気アクチュエータの高度な電子的かつ機械的な処置に頼らなくてはならない必要性を取り除く;それらが呈する各々の2つの最端の位置において制御される部材または複数の部材を実行し正確に維持する機能を電気アクチュエータから除く;各々の可動性の部材の少なくとも1つの運動方向において、弾力的な手段によって供給され、アクチュエータによっては多くは供給されない陽の力で運動する;異なる寸法のアイテムでさえも顎板の部分上の適切な握持力で少なくともグリッパーの場合に制御する弾力的なストローク補正器の制御装置を提供する;少なくとも1つの方向で制御された可動性の部材またはその各々と同じレベルで及ぼされる力を弾力的な手段の予圧の選択によって調整することができる;電気アクチュエータの回転を可能にし、それによって伝達手段が常に同じ方向に回転する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明のさらなる詳細は、同封の図面、および、反対方向において移動可能な2つの対向した部材を有する線形のグリッパーの形における握持手段への衝撃装置の適用の例の説明に関して実行された記載の継続から明らかになる。しかしながら類似した応用の装置は適切であり、それらが例えばスライドなど単一の交互の可動要素の動作を有するので、制御するツールと関連して使用されると理解される。したがって図面において;
【
図1】
図1は、本発明の装置を組み込んでいる線形のグリッパーの構成要素の分解立体図を示す;
【
図2】
図2は、相対的に接近した顎板を有する組立てられたグリッパーの斜視図を示す;
【
図3】
図3は、
図1のグリッパーの正面図であり、点線により互いに相対的に離れた顎板を示す;
【
図4】
図4は、組立てられたグリッパー上面図を示す;
【
図5】
図5は、組立てられたグリッパー側面図を示す;
【
図6】
図6は、
図4の矢印A−Aによるグリッパーの拡大断面図を示す;
【
図7】
図7は、
図6の矢印B−Bによるグリッパーの拡大断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面において、ベースプレート12とその対向する端部の2つのヘッド13とが室14を区切るようにネジ12’によってそれぞれ13’に固定される基本的にUの逆さの形状の輪郭要素11で構成されるグリッパー本体10を基本的に含むグリッパーが表示して表される。その一方の側、ベースプレート12の反対側において、グリッパー10の本体はガイド溝15を備え、そこで握持顎板16、17の形をした2つの可動性の部材は導かれ、反対方向の運動あるいは接近する位置と互いに離れる位置との間の運動に影響されやすくなる。
【0017】
特に、ガイド溝15はTの逆さの形状を有することができ、握持顎板16、17は、対応して前記ガイドにおいて摺動するように構成され、それらの上面が、前記ガイド溝15の縦の孔に面するようになる。
【0018】
握持顎板16、17は時に、握持するアイテムまたは物体の形状によって構成される締結具−図示せず−に固定することができる。例えば、グリッパーは、作動中つまり2つの握持顎板の間が接近する場合前記締結具でアイテムまたは物体を握持することができ、顎板が互いに離れた時に静止中であり、反対に、顎板が接近した時に静止中で、離れた時に作動中であるように備えることができる。
【0019】
グリッパー本体10の上面に、保護プレート18は、ガイド溝15の中間の部分の上に位置し、横方向に面して取り付けられる。それらが面している端部で、顎板握持16、17の各々は、延長して常に前記保護プレート17a−
図6−の下でほこりの侵入を防ぐように保護されたままの部分と、それらの一方の位置から他方の位置への交互の運動中に顎板の間の外側にある要素とを有する。
【0020】
それらの運動のために、2つの握持顎板16、17は、グリッパー本体10によって区切られる室14において配置され、後述するように電気アクチュエータ19、好ましくは電気モーターによって制御される他の線状の運動に影響されやすいカーソル18に連結される。
【0021】
カーソル18への握持顎板16、17の連結は、前記カーソルの運動に応答してそれらが反対方向において同時に動く限り、いかなる適切な方法でも実行することができる。
【0022】
例えば第1の握持顎板16は、孔20’に挿入され、室14とガイド溝15との間でグリッパー本体10において作成されるスロット21を通過して動くピン20によって相互に合意した運動に続くために根本的にカーソル18にしっかりと連結されることができるように表される。第2の握持顎板17は、発振伝達レバー22によってカーソル18に連結されることができ、一方向への前記カーソルの運動は、反対方向であるが、第1の可動握持顎板16のそれとは反対方向で、その反対方向においてその逆も同じである第2の握持顎板17の運動に対応する。伝達レバー22は、横方向にグリッパー本体10に挿入され、カーソル18間で延長する中間の枢軸22’において振動し、第2の顎板17は、室14とガイド溝15との間でグリッパー本体において作成される孔23を交差する。
【0023】
さらに発振レバー22の端部は、好ましくは円柱形または球形の回転面を各々示し、それぞれ第2の顎板17の下部において、および、それぞれカーソル18の上部で得られる対応する座部25、25’において係合する。
【0024】
カーソル18は一方で、グリッパー本体10の室14において収容され、図面に示すように好ましくは回転カム27から構成される動作の伝達によって電気アクチュエータ19によって制御される代わりの運動に影響されやすい牽引スライド26と関連する。牽引スライド26は、その運動方向およびカーソル18のそれと平行して前記室14において導かれ、機械的な接触手段を通じて回転カム27と相互作用する。明らかに、運動を可能にするために、牽引スライド26は、それが導かれる室14よりも長さが短い。
【0025】
より正確に言うと、カーソル18および牽引スライド26はしっかりと対にされないが、配置される少なくとも弾力的な部材28の干渉を有し、これらの2つの関連する構成要素18、26の運動準線に作用する。
【0026】
牽引スライド26は、互いに与えられた距離分離れた運動方向の2つの肩部29を有する;カーソル18は、前記肩部29の間の距離よりも長さが短く、可動であるように後者の間に位置し;少なくとも弾力的な部材28は、
図6に示すように予圧によって配置され、牽引スライド26の1つの肩29とカーソル18の端部との間で圧縮可能である。
【0027】
示される例において、弾力的な部材28は平行または同軸一以上の螺旋形のバネ28aから構成され、カーソル18の一端のみに置かれる。しかしながらそれは他のタイプであってもよく、さらに弾力的な手段が、後者と牽引スライド26の各々の肩29との間のカーソル18の各々の端部に置かれてもよい。
【0028】
回転カム27はグリッパー本体のベースプレート12に隣接して配置され、そこで軸受30によって支持され、X軸上で回転し、電気アクチュエータ19の出力軸19aに連結する。周囲において、カム27は、第1の半径Rを有し、死角の機能を有するおよそ半円形であるカム27’の第1部分と、前記第1部分の半径の第2の小さい半径rを有する直径で対向する第2のカム部27”とによって定められる輪郭を有する。
【0029】
2つのカム部は、中間の平面27aにより互いに連結し、それらのRおよびr半径間の測定の違いは、最端の位置間の握持顎板のストロークの最大の長さに対応する。
【0030】
牽引スライド26と伝達カム27との間の機械的な接触手段は、それぞれのピン32a、32bによって、前記スライド26に取り付けられた2つの接触ローラ31a、31bにより設定され、これに対する対向する部分上で前記カムの輪郭に載置される。
図7に示すように、接触ローラ31a、31bは、グリッパー本体10のベースプレート12において提供される対応している凹部33と同一線上に配置され、前記カムの回転に伴う牽引スライド26の運動に続くことによって前記凹部において並進することができる
【0031】
しかしながら、全体的に、単一の弾力的な手段の存在と、対向する部分上の2つの弾力的な手段の存在との両方により、弾力的な手段が受ける圧縮および連続した膨張により弾力的な手段28/28aの負荷が互いに独立して不変のままであるまで、カーソル18および牽引スライド26は両方とも、全体として堅固に一緒に動くことができる。
【0032】
休止位置におけるグリッパーにより、弾力的な手段28/28aの動作または各々の動作が、相対的に牽引スライド26上の特定の静止位置にカーソル18を維持するために導かれ、またはさらによいのは、後者はそれらが備えている顎板によってアイテムのグリップの方向に垂直に握持顎板16、17を動かす傾向があることである。
【0033】
電気アクチュエータが作動している場合、それは伝達カム27の回転を生じ、その輪郭が接触ローラ31a、31bと相互に作用することによって牽引スライド26の並進を決定して、それにより、交互にそれを近づけるまたは遠ざけることによって顎板16、17の動作のためのカーソルを決定する。したがって、例えば、図面に示されるようにグリッパーが顎板が接近するときにアイテムまたは物体を握持するために予め設定されるとみなすと、伝達カム27の輪郭27’の第1の部分−より大きな半径Rを有する−場合、それ自身が接触ローラ31a−
図7の右にあるもの−に係合しなければならず、スライド26およびカーソル18は、顎板の接近方向に動かされる。これに反して、前記カムの第1の部分27’が他の接触ローラ31b−
図7の左にあるもの−と係合する場合、スライドおよびカーソルは反対方向に動かされ、顎板は広げられる。
【0034】
それは、したがって、開閉運動すなわち顎板の作動および静止したストロークを引き起こすため、カム27の輪郭の第1の部分27’が接触ローラ31a、31bのどちらか一方に向かって回転・係合するには十分である。それらの運動および顎板の運動に反する抵抗の損失があるまで、牽引スライド26およびカーソル18は、それらの間に配置される弾力的な手段28/28aのおかげで堅固に一緒に動く。
【0035】
その角度の延長または死角が上述のように半円形であるならば、電気アクチュエータの回転が必ずしもスライドのストロークに等しくない場合であっても、一方向または他の方向に握持顎板のストロークを決定するため、カム27’の前記部分が接触ローラ31a、31bの1つと係合するのに十分である。それから、顎板がアイテムまたは物体を握持するために、したがってそれらの運動に対して抵抗するために接触するとすぐに、弾力的な手段が動作に入り、一方でスライドと比較してカーソルの相対的な運動を可能にして、他方でそれらは、アクチュエータの力にもかかわらずアイテムの握持力を定める。
【0036】
スライドの代わり動作を備えたスライド要素のように駆動される部材が単一のときに同じことが生じ、前記部材はストロークを区切る手段に届く。
【0037】
上記の装置は、本発明の目的から逸脱することなく修正を受けることができることに留意するべきである。したがって、牽引スライドおよびこれによるカーソルの制御のための動力伝達装置として、カムの代わりに、連接棒アセンブリなどを制御する装置または複数の装置を採用することができる。さらに、本体10の一方の側に、直接または間接的にカーソルと関連する少なくとも磁気の装置35−
図1−を通じて、カーソルの位置および対応して制御された設備の作動および静止した位置を検出することに適している例えば磁気タイプの必要な溝、センサを適用することができる。