特許第5938788号(P5938788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5938788湿潤バイオマスを、熱化学的に炭化、およびガス化する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938788
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】湿潤バイオマスを、熱化学的に炭化、およびガス化する方法
(51)【国際特許分類】
   C10J 3/64 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   C10J3/64
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-552830(P2013-552830)
(86)(22)【出願日】2011年2月14日
(65)【公表番号】特表2014-505149(P2014-505149A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】DE2011075023
(87)【国際公開番号】WO2012110012
(87)【国際公開日】20120823
【審査請求日】2014年2月14日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512273484
【氏名又は名称】ゼットビービー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】デミール, エルハン
【審査官】 森 健一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/063206(WO,A1)
【文献】 特表平09−508663(JP,A)
【文献】 特表平07−502766(JP,A)
【文献】 特開2010−013583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10J 3/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿潤バイオマス、および乾燥したバイオマスを、エネルギー担体、および/または原料担体の生成のために、閉鎖可能な入口(13)を有する加熱可能な炭化反応器(1)の手段を用いて、熱化学的に炭化、およびガス化するための方法であって、前記炭化反応器(1)で前記バイオマスが固体状、流動性、またはガス状のエネルギー担体、および/または原料担体に変換され、閉鎖可能な出口(14)を介して、前記エネルギー担体、および/または原料担体の中間保存のために、前記エネルギー担体、および/または原料担体が前記炭化反応器(1)に接続された、冷却可能なベッセル(9)へ排出され、前記冷却可能なベッセル(9)は下流のガス化反応器(16)へ接続され、ガス化反応器(16)内でガス、および、灰などの廃棄物は前記バイオマスから分離され、
a)加熱ジャケットに内包された加熱素子(4)が前記炭化反応器(1)の周囲に隣接して設置され、前記加熱素子(4)へ外部から熱エネルギー(60)が供給され
前記加熱素子(4)へ前記ガス化反応器(16)から前記ガス化反応器(16)と前記炭化反応器とを接続する第1のライン(31)を介してさらなる熱エネルギーが供給され、
b)前記冷却可能なベッセル(9)の周囲に設置された第1の冷却ジャケット(51)からの冷却水が、前記ガス化反応器(16)と前記冷却可能なベッセル(9)とを接続する第2のライン(54)を介して、前記ガス化反応器の周囲に設置された第2の冷却ジャケット(52)に、供給され、
c)ほぼ連続プロセスを確実にするために、前記冷却可能なベッセル(9)へ前記第1の冷却ジャケット(51)を介して水分が供給され、
d)前記炭化反応器(1)と前記ガス保存タンク(21)とを接続する第3のライン(28)、および/または前記冷却可能なベッセル(9)と前記ガス保存タンク(21)とを接続する第4のライン(30)を介して、前記炭化反応器(1)および/または前記冷却可能なベッセル(9)からガス保存タンク(21)へ反応ガスが供給され、前記反応ガスが、前記ガス化反応器(16)と前記ガス保存タンク(21)とを接続する第5のライン(78)を介して前記ガス化反応器(16)へ供給されることを特徴とする、
湿潤バイオマスを、熱化学的に炭化、およびガス化する方法。
【請求項2】
前記炭化反応器(1)に受け入れられた前記水分を含んだバイオマスの水分が、5〜30barの圧力で、かつ200℃〜1200℃の温度で、蒸発し前記第4のライン(30)を介して、前記ガス化反応器(16)へ、ガス保存タンク(21)を介して供給される反応ガスが、形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガス化反応器(16)が、1200℃〜1800℃の、温度範囲で、運転され、作業プロセスの間に、前記ガス化反応器(16)と前記炭化反応器(1)とを接続する前記第1のライン(31)を介して前記ガス化反応器(16)から前記炭化反応器(1)へ熱エネルギーを放出することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
サイクロン分離器(18)、および/またはガス洗浄装置(20)が、第1のパイプライン(22)を介して前記ガス化反応器(16)へ接続され、ガスを40℃〜80℃、の前記熱交換器の作動温度まで下げる、熱交換器を、前記サイクロン分離器(18)、および/またはガス洗浄装置(20)の前に提供することができ、前記熱交換器で得られたエネルギーが加熱システム、および/またはプラントの作業プロセスへ供給され、前記熱交換器(40)から放出された前記熱エネルギーが第2のパイプライン(41)を介して加熱システムなどの消費者へ供給されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記炭化反応器(1)中、および/または前記冷却可能なベッセル(9)中に放出された有害物質、または不純物は、熱装置の手段により、破壊される、もしくは少なくとも部分的に破壊される、または導き出されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、さらに
e)前記ガス化反応器(16)内で得られたバイオ炭が、さらなる処理装置(36)へ供給されることと、
)前記ガス化反応器(16)内で生成されたエネルギー、または飽和蒸気は、加熱システム、および/または蒸気ピストンエンジンなどの1つ以上の消費者へ供給されることを特徴とする、湿潤バイオマスを、熱化学的に炭化、およびガス化する方法。
【請求項7】
プラント全体、または前記炭化反応器(1)内で生成された前記反応ガスは、
サイクロン分離器(18)、および/またはガス洗浄装置(20)へ、その後除湿器(56)へ、または直接的に、または間接的に、圧縮機(58)を介して消費者(48)へ供給される、ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー担体、および/または原料担体を生成するために、閉鎖可能な入口を有する加熱可能な炭化反応器の手段によって、湿潤バイオマス、特に水分を含んだバイオマス、および/または 乾燥したバイオマスを熱化学的に炭化、およびガス化するための装置であって、バイオマスが、固体状、流動性、またはガス状のエネルギー担体、および/または原料担体に変換され、閉鎖可能な出口を介して、エネルギー担体、および/または原料担体の中間保存のために、炭化反応器へ接続された冷却可能なベッセルへ排出され、このベッセルは下流のガス化反応器へ接続され、そこでガス、および灰などの廃棄物がバイオマスから分離される、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオマスのガス化は公知である。これは、バイオマスが部分的な燃焼によるガス化、または酸化剤(一般的に空気、酸素、二酸化炭素または水蒸気)の手段により製品ガス、または燃焼ガスに変換されるプロセスとして理解される。
【0003】
ガス化を通して、固体燃料の形態のバイオマスは、例えば、電力の生成、もしくは燃料、および推進剤(可燃性ガス)としてなどの、様々な用途の選択肢で、より効率的に使用することができるガス状の2次燃料へ、または化学的な合成のための合成ガスとして使用するために変換することができる。類似のプロセスが、他の固体燃料のため、特に石炭のガス化(石炭ガス化)のためにも存在する。
【0004】
バイオマスのガス化は、最初に約150℃の温度で、蒸気、および酸素を放出させるとともに、乾燥した後、開始される。バイオマスの固体構成物質は、より高い温度で燃焼される。このガスは、2次空気が供給されるとすぐに発火し、引火点は、230〜280℃である。
【0005】
産業的なバイオマスのガス化は、燃焼において二酸化炭素(CO)へは酸化されず、原則的に一酸化炭素(CO)へ酸化される、700〜900℃の温度における、発火を伴わないガス化剤、または酸化剤(通常、空気、酸素、二酸化炭素、または蒸気)の手段による部分的な燃焼である。さらに、結果として得られるガスの成分は、使用されたバイオマスにより、水素(H)、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、蒸気(HO)、およびいくつかの微量ガス、ならびに不純物である。固体残渣が残され(灰、およびコークス)、さらに、温度がより低くなるに従い、製品ガスの一部が凝縮して出る場合がある(タール、および水)。
【0006】
可燃性製品ガスは、下流プロセスで、燃焼(可燃性ガス)、または化学合成(合成ガス)により、エネルギーの放出(発熱プロセス)を伴なって、さらに酸化することができる。ガス化が空気により行われた場合、結果として得られる製品ガスは、窒素により希釈され、しばしばリーンガス(LCV、低発熱量ガス)と呼ばれる。
【0007】
水熱炭化(例えば、「高温での水性炭化」)は、褐炭、合成ガス、液体石油前駆体、および腐植をバイオマスから単純かつ高効率で生成するためのエネルギー放出を伴う化学プロセスである。このプロセスは、数時間のうちに、自然界で5万年〜5千万年かけて生じた褐炭の形成(「石炭化」)を技術的に再現する。
【0008】
現在知られている作業プロセスは、以下の通りである。バイオマス、特に植物素材(単純化のために、以下の反応式では、化学式がC12である砂糖として示す)は、圧力容器内にて、水とともに、等容プロセスで180℃まで加熱される。圧力は、2MPaまで上昇してもよい。反応中、pHをpH5以下に下げるオキソニウムイオンも形成される。このプロセスでは、炭素は、水相に入り込み、見えなくなる。このエネルギーは、作業プロセスにはもはや利用できない。このステップは、少量のクエン酸を加えることにより加速することができる。低いpHの値では、より多くの炭素が水相に入り込むことを心に留めておかなければならない。行われている反応は、発熱反応であり、すなわちエネルギーが放出される。12時間後、抽出物の炭素は完全に変換される。90〜99%の炭素は、細孔径が8〜20nmの、水性の多孔質褐炭小球(CO)のスラッジとしての固体相の形態となる。炭素の残りの1〜10%は、水相に溶解されるか、または二酸化炭素に変換されるかのいずれかである。褐炭の形成に対する反応式は、以下のとおりである。
12→CO+5 HO、ΔH=−1.105 kJ/mol
【0009】
反応は、不完全な水分解によりいくつかの段階で終了する可能性があり、異なる中間体が得られる。数分後の終了により、液体状の中間体、脂溶性の物質が形成されるが、その取扱いは、その高い反応性のために大変困難である。次に、これらの物質は重合し、約8時間後に中間体として利用可能になる泥炭様の構造が形成される。
【0010】
理論的には、反応は、ある特定の金属粒子により触媒される可能性があるが、これらは生成物の上に非常に素早く加わり、その作用を失う。
【0011】
水熱炭化の発熱反応のために、バイオマスの乾物量基準の発熱量の約3/8は、放出される(リグニン、樹脂、および/または油脂の割合が多い場合でも、少なくとも1/4)。熟練したプロセス制御によれば、この廃熱により、湿潤バイオマスから乾燥バイオコールを生成することができる可能があり、任意選択的に、変換されたエネルギーの一部を発電のために使用し得る。
【0012】
最も重要な態様は、大気中のCOを、バイオマスを介して間接的に、安定した無害な貯蔵形態、二酸化炭素吸収源に変換するための単純な方法が利用可能になることである。水熱炭化の方法を使用すると、他のバイオマスの炭化の方法と同様に、世界中の大量の炭素の分散した恒久的な貯蔵が、ひいては可能であることになる。これは、現在議論されている二酸化炭素の液体状、またはガス状の隔離よりもはるかにより安全であることになる。石炭の適切な化学安定性により、これは土壌改良のためにも大変良好に使用できる可能性がある。
【0013】
人口的に生成された腐植は、浸食された地域の緑化に利用できる可能性がある。この強化された植物の成長を通して、追加的な二酸化炭素を環境から固着できる可能性があり、これにより最終的な効果は、1を超える炭素効率、または負のCOバランスを達成することになる。結果として得られる石炭スラリは、燃焼、または現在ハーバード大学(Harvard University)で研究中の、効率が60%の新しいタイプの燃料電池の運転に使用できる可能性がある。従来の燃料の生成のためには、炭素/水混合物は、最初に強熱しなければならず、これにより、いわゆる合成ガス、すなわち一酸化炭素と水素のガス混合物が形成される。
O+5 HO→6 CO+6 H
【0014】
代替的に、バイオマスの不完全な反応の間に形成される液体状中間体は、燃料、およびプラスチックを生成するために使用できる可能性がある。
【0015】
加えて、結果として得られる石炭スラリは、豆炭状にして、環境に優しい(二酸化炭素の増加が無いので)「ナチュラルコール」として販売することができる可能性がある。これは、開始原料のバイオマスと比較して、分離/濾過/圧密の手段により、より少ないエネルギー消費によって乾燥することが可能なはずであり、そのより高い体積/質量あたりのエネルギー含有量のために、より低い輸送コストをもたらすことになり、かつより少ない貯蔵面積を必要とすることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
バイオマスから合成ガスを生成するときの主たる問題は、タールの形成であり、これは、水熱プロセスでは大体は回避することができる。しかしながら、バイオコールを介した間接的な経路がこれに続くはずであるため、これは明確ではない。400℃、および少なくとも221.2barの圧力における超臨界条件の下で(水の臨界温度は374℃)、 バイオマススラリをCO、およびHに分解することが可能であるはずであるが、これは高いエネルギー入力を要する。
【0017】
さらに解決すべき問題は、適切なプロセス制御であり、問題のバイオマスの収集、輸送、および貯蔵の問題である。これらの運転も、エネルギーを必要とし、これは水熱炭化により放出されるものより少ないはずである。
【0018】
終わりに、バイオマス自体は可燃物ではなく、基本的に、可燃物であるのは、バイオマスから生成されるガスのみなので、全てのバイオマス燃焼プロセスの前に、ガス化プロセスがある。
【0019】
現在の技術水準に対応する、水性、または蒸気環境内での水熱炭化HTCなどのバイオマスの炭化では、外部から追加的に水、または蒸気が反応器に供給される。これは、炭化プラントの建設、および運転のための相当な追加コストを意味する。水、または蒸気を提供するため、および水を加熱するために熱エネルギーが必要である。炭化の後のプロセス水の利用、または処分は、追加的な操作を示し、相当な技術的、および金銭的なコストが伴う。
【0020】
既知のプロセスでは、ガス、および蒸気が形成される。これらは、しばしば、技術的な方策により解決しなければならない、相当な追加コストを伴うという、追加的な問題を示す。
【0021】
本発明により解決すべき問題は、バイオマスから多かれ少なかれすべての炭素、およびガスを取得し、これらを単純、かつ経済的に生成することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この問題は、本発明に従って、
a)外部熱エネルギーを、加熱素子に作動的に接続された、具体的には加熱ジャケットによって包囲された、炭化反応器に供給すること、およびさらなる熱エネルギーを少なくとも一つのプラントから、特にガス化反応器から提供することと、
b)冷却エネルギーを第2のベッセル、すなわち冷却ベッセルからガス化反応器に供給することと、
c)ほぼ連続的なプロセスを確実にするために、水分、特に水を第2のベッセル、すなわち冷却ベッセルに供給することと、
d)炭化反応器、および/または第2のベッセル、すなわち冷却ベッセルから反応ガスをガス保存タンクに供給することであって、反応ガスはガス化反応器へ再循環される、供給することと、により解決される。
【0023】
このようにして、加熱のため、およびユニットを駆動するための炭素、特に石炭、ならびに、さらにガスも、バイオマスから、単純で、経済的で、省エネルギー様式で、設営が容易な機器により、ガスエンジン、ガスタービン、および加熱装備などの様々な消費者による使用のために得られる。
【0024】
本発明による方法は、好ましくは、主として都市ごみとして発生し、多くの場合多大な費用をかけて処分しなければならない、水を含むバイオマスを使用する。しかしながら、この方法では、残渣として処分しなくてもよい他のバイオマスも使用することが可能である。
【0025】
この方法を実施するために、少なくとも2つの反応器が使用される。一方は炭化反応器であり、もう一方はガス化反応器である。
【0026】
対照的に、本明細書に記述した方法では、蒸発のために必要なエネルギーは、生成された反応器ガスの冷却の間に放出された熱を利用することによって提供される。
【0027】
バイオマスの炭化が先行するガス化運転のために、本発明に従い、この方法により生成される反応器ガスは、ほぼ完全にタール、またはタール形成構成物質を含まない。これは、具体的には、プロセスが管理される様式が、バイオマスからの揮発分対不燃物の比を既存の80%から約30%に下げることができることを意味するので、達成される(表1、および2を参照)。先行技術の設置に対する値は、表1に与えられ、本発明による機器に対する値は、表2に与えられる。
【0028】
ガス化反応器を出た後、反応器ガスは、固体粒子、例えば微細な微粉を除去するために塵埃分離により清浄化され、その後電力、または熱を生成するために利用することができる。
【0029】
追加的な水、または加熱蒸気の割合が小さいということは、ごくわずかなプロセス水のみが生成されることを意味する。供給される水はプラント内で蒸発するので、排水処理、または排水の処分のいずれかのために追加的なコストが生じることが無い。
【0030】
このプラントは、集落の限られた地域に電力と熱を供給するため、および同時に適切な都市ごみを処分するために、熱利用を伴うガスエンジン発電機設備を使用して、小さい産業規模で使用することができる。
【0031】
本発明による方法では、ガスの汚染の問題、およびタールの形成の問題も解決される。すなわち、ガス化反応器内での燃焼を通して、ガス状または蒸気の形態の致命的な反応生成物のほぼ完全な内部処分がある。
【0032】
これにより、COを回避することとなりを導き、この場合、潜在的なエネルギーのわずかな部分のみが解放されることになる。
【0033】
水熱炭化の利点の1つは、使用可能な植物バイオマスが、水分含有率の低い植物に制限されず、かつ二酸化炭素の排出無しに得られるエネルギーが、必要とされる乾燥ステップにより減少せず、または、必要な場合、最終製品の乾燥に直接に使用可能であることである。従って、以前はほとんど使用可能ではなかった、市街地の庭園、および緑地からの刈り込み、および剪定によるものなどの、植物材料であっても、エネルギー生成に使用することができ、同時に、そうでなければ、バイオマスのバクテリアによる変換の間に、より一層気候に悪影響を与えるメタンとともに、形成されることになる、二酸化炭素を保留する。プラント全体の運転は、ほとんどすべての放出された熱エネルギーが、作業プロセスに再循環されるので、省エネルギーでもある。
【0034】
このため、5〜30barの圧力で、好ましくは15〜25barの圧力で、特に約20barの圧力で、かつ200℃〜1200℃の温度で、好ましくは400℃〜800℃の温度で、炭化反応器内に受け入れられた水分を含んだバイオマスが蒸発され、直接的に、または間接的に、ラインを介してガス化反応器に供給される反応ガスが形成されるのは有利である。
【0035】
ガス化反応器が1200℃〜1800℃、好ましくは1000℃〜1400℃の温度範囲で作動し、作業プロセスの間、ガス化反応器と炭化反応器とを接続するラインを介して熱エネルギーを放出するのも有利である。
【0036】
本発明の開発によると、サイクロン分離器、および/またはガス洗浄装置がラインを介してガス化反応器に接続される追加的な可能性があり、サイクロン分離器、および/またはガス洗浄装置の間に、ガスを40℃〜80℃、または50℃〜60℃の熱交換器の作動温度まで下げ、かつ結果として得られる理論的なエネルギーを加熱システム、および/またはプラントの作業プロセスへ再循環する、熱交換器を提供することができる。熱交換器から放出された熱エネルギーは、加熱システムなどの、消費者へのラインを介して供給される。
【0037】
さらに、炭化反応器、および/または第2のベッセル、すなわちバッファタンクで放出された有害物質、または不純物が、熱的装置の手段により破壊され、または少なくとも部分的に破壊され、あるいは除去されるのは有利である。
【0038】
閉鎖可能な入口を有する加熱可能な炭化反応器の手段による、エネルギー担体、および/または原料担体を生成するための、湿潤バイオマス、特に水を含んだバイオマス、および/または乾燥したバイオマスの熱化学的な炭化、およびガス化のための装置もまた有利であり、そこでバイオマスが固体状、流動性、またはガス状のエネルギー担体、および/または原料担体に変換され、エネルギー担体、および/または原料担体の中間保存のために、かつ閉鎖可能な出口を介して、炭化反応器に接続された冷却可能なベッセルへ排出され、ベッセルは下流のガス化反応器に接続され、そこでガス、および灰などの廃棄物がそこでバイオマスから分離され、以下の特徴により、特徴付けられる。
a)湿潤バイオマス、特に水を含むバイオマス、および/または乾燥したバイオマスの熱化学的な炭化、およびガス化装置、すなわち第1のベッセルは、閉鎖可能な接続を介して、第2のベッセル、すなわちバッファタンクへ接続され、
b)第1のベッセル、および/または第2のベッセル、すなわちバッファタンクは、各々の場合、ガス保存タンク、特に反応ガス保存タンクへ、ラインを介して接続され、
c)反応ガス保存タンクは、ガス化反応器へのラインを介して接続され、
d)ガス化反応器は、サイクロン分離器、および/またはガス洗浄装置などの、清浄化装置へ直接的に、または間接的に接続され、
e)得られた熱エネルギー、またはガス化反応器で放出されたエネルギーは、少なくとも1つのラインを介して、熱化学的な炭化のプロセス制御、およびガス化装置、すなわち第1のベッセルへ供給される。
【0039】
ガス化反応器が、ガス化反応器で得られた石炭の処理、および/またはさらなる処理のために、ラインを介して処理装置へ接続されるのは、有利である。
【0040】
本発明にとって、ベッセル、および/またはガス化反応器内で得られた石炭の処置、およびさらなる処理のために第2のベッセル、および/またはガス化反応器が処理装置へのラインを介して接続されていて、スパンボンドされた織物、またはリボン状の織物が搬送層として使用されることが特に重要である。
【0041】
飽和蒸気が、飽和蒸気を消費者、または加熱システム、および/または蒸気ピストンエンジンに搬送するラインを介して接続されたガス化反応器内で得られることも有利である。
【0042】
さらに、ガス化反応器が、少なくとも1つのラインを介して、消費者、または少なくともガス圧縮機、および/またはガスエンジンに接続されることも有利である。
【0043】
ガス化反応器、および/または第2のベッセルは、冷却装置により冷却される、またはそれぞれの場合に冷却ジャケットにより包囲され、かつ冷却装置には冷却水が供給される手段により冷却される可能性があることも有利であり、少なくとも第2のベッセルの冷却ジャケットからの冷却水は、ガス化反応器へのラインを介してもまた供給される。
【0044】
更に、この方法が以下の方法のステップにより特徴付けられることも有利である。
a)バイオマスは、炭化反応器内で、プラントから炭化反応器へ供給される外部熱エネルギー、およびさらなる熱エネルギーの手段により、固体状、流動性、またはガス状のエネルギー担体、および/または原料担体に変換されること、
b)炭化反応器内で形成されたガスは、反応ガス保存タンク内に受け入れられること、
c)第1のベッセル、および第2のベッセル内で得られる、またはこれらの中に存在する反応ガスは、ガス化反応器に直接的に、または間接的に直接供給されること、
d)湿潤したバイオマス、特に水を含んだバイオマス、および/または乾燥したバイオマスの熱化学的な炭化、およびガス化の方法で得られたエネルギーの少なくとも一部は、処理プロセス、特にベッセルに再循環されること、
e)ガス化反応器で得られた石炭は、さらなる処理装置に提供されること、
f)第2のベッセル内に供給された冷却エネルギーは、同時に、または引き続きガス化反応器の冷却ジャケットに供給されること、
g)ガス化反応器内で生成された、放出されたエネルギー、または飽和蒸気は、加熱システムなどの1つ以上の消費者、および/または蒸気ピストンエンジンに供給されること。
【0045】
本発明の発展形態によると、追加的な可能性の1つは、プラント全体、または第1のベッセルで生成した反応ガスが、直接的に、または間接的にサイクロン分離器へ、および/またはガス洗浄装置へ、その後除湿器へ、または直接的に、もしくは間接的に、圧縮機を介して消費者へ供給されることである。
【0046】
1つ以上のラインの中に、手動、または駆動装置によりオン・オフすることができ、駆動装置は、作業プロセスに関連してコンピュータを介して制御することができる、制御弁が提供されることも有利である。
【0047】
さらに、本発明のさらなる利点、および詳細が、特許請求の範囲、および記述に説明され、以下の図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】エネルギー担体、および/または原料担体を生成するために、湿潤バイオマス、特に水を含んだバイオマス、および/または乾燥したバイオマスを、閉鎖可能な入口を有する、バイオマスがその中で固体状、流動性、またはガス状のエネルギー担体、および/または原料担体に変換される、加熱可能な炭化反応器の手段により、熱化学的に炭化、およびガス化するための装置のためのフローシートである。
図2】湿潤バイオマス、特に水を含んだバイオマス、および/または乾燥したバイオマスを、エネルギー担体、および/または原料担体を生成するために、熱化学的な炭化、およびガス化するための装置の概略図である。
図3図1による装置の部分図である。
図4】ガス化器頭部、ガス化器中間部、およびガス化器底部を伴うガス化反応器の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、湿潤バイオマス、特に水を含んだバイオマス、および/または乾燥したバイオマスを、エネルギー担体、および/または原料担体を生成するために、熱化学的な炭化、およびガス化するための炭化反応器、すなわち第1のベッセル1を示す。炭化反応器、すなわち第1のベッセル1には、バイオマスが、入口弁、すなわち平滑り弁13、および平滑り弁、すなわち出口弁15が提供された受け入れタンク2を介して供給される。炭化反応器、すなわち第1のベッセル1には、攪拌機5が提供され、その中で、湿潤バイオマス、特に水を含んだバイオマス、および/または乾燥したバイオマスを含むバイオマスが混合される。これは、数ある中でも、食物残渣、生物学的廃棄物、および木材などの廃棄物を含むことができる。攪拌機5は、手動で、またはモータ3の手段により運転することができる。
【0050】
プラント全体の最初の起動時には、まず木材、または炭がガス化反応器16の中に入れられ、その後プラントが起動する。反応ガスがガス化反応器16内で得られ、ライン32を介して、炭化反応器、すなわち第1のベッセル1を包囲する加熱素子4へ供給される。結果として、炭化が開始する。加熱素子4で受け入れられたガスは、バイオマスの導入により、継続的に冷却される。エネルギーは、この作業プロセスの結果として節約される。生じるエネルギー損失は、外部エネルギーによってプラントに供給される。
【0051】
炭化反応器、すなわち第1のベッセル1は、特に、加熱ジャケット4によって包囲された、加熱素子に作動的に接続される。炭化反応器1は、少なくとも外部熱エネルギー60、および、有利な、省エネルギー様式で、少なくともプラント全体から、特にガス化反応器16からさらなる熱エネルギーを供給される。このため、このようにして、プラントは大変経済的に運転することができる。バイオマスは、ベッセル1へ連続的に、またはバッチ方式で供給することができる。ベッセル1の圧力を制御するために、ベッセル1の上部に大気放出弁7が提供される。バイオマスが、バッチ方式でベッセル1へ供給される場合、ベッセル1は、低温の、または暖められたバイオマスで充填され、加熱素子により加熱され、そのため、バイオマス中に存在する水は蒸発する。蒸気は、反応貯蔵タンク21に供給され、そのため、ガス化反応器16にも利用可能になるエネルギーを、完全に利用することができる。約180℃より高いさらなる熱供給により、化学反応が開始し、バイオマスから、石炭、およびガス状反応生成物が、大量に生成される。
【0052】
ベッセル1から導き出された反応ガスは、少なくとも300〜400℃の温度を有する。これは、少なくとも部分的にライン28を介して反応ガス保存タンク21内へと導かれ、そこからガス化反応器16内へと導かれる。ライン28には逆止弁80があり、これにより、反応ガス保存タンク21からの過剰圧力は、ベッセル1へと逃げることができない。
【0053】
反応ガス保存タンク21では、ガスは、ライン51および30を介してベッセル9へ接続される冷却装置49によって約80℃の温度まで冷却される。約2〜5barの圧力が、ベッセル9および反応ガス保存タンク21内にかかっている。冷却水は、反応ガス保存タンク21から、ライン78を介して、ガス化反応器16の冷却ジャケット52へ搬送される。結果として、より多くの飽和水蒸気を生成することができる。ライン78を介して、ガス化反応器16のための反応ガス保存タンク21を完全に空にすることができる。
【0054】
ベッセル16には、様々な測定点81が提供され、その支援により、ベッセル16内の温度を制御することができる。
【0055】
ガス保存タンク21は、調整機能を有し、ベッセル1および9から反応ガスを受け入れるために役立つ。反応ガス保存タンク21からの反応ガスは、ガス化反応器16内の石炭とともに燃やされる。
【0056】
反応ガス、および石炭のガス化反応器16内での燃焼の間、ガスエンジンなどの、1つ以上の消費者にその後供給される、合成ガスの形成がある。
【0057】
必要とされる反応温度に達した後、バイオマス、およびこれに加えてバイオコールで、化学反応が開始し、主としてCO、および蒸気である、ガスの形成もある。このガスと蒸気の混合物は、反応排ガスと呼ばれる。反応器内部の総圧力は、蒸気の沸点圧力とベッセル1内の不活性ガス部分の分圧との合計から見出される。反応は、熱の発生が伴う、すなわち発熱反応が、ベッセル内で行われる。圧力を制限するために、炭化反応器、または第1のベッセル1は、圧力調整された弁、または圧力制御された弁7を有する。反応の完結後、炭化反応器、すなわち第1のベッセル1は、弁7を安全に開くことができ、バイオコールを除去することができるまで、弁7を完全に開放することによって、圧力から解放される。
【0058】
継続的な運転では、バイオマスは、少ない量で、かつ短い時間間隔で、加圧されたエアロック、または受け入れタンク9を介して、上方から、炭化反応器、すなわち第1のベッセル1に供給される。炭化反応器1内には、常に、約16bar、および200℃の高い圧力、および高い温度がかかっている。供給されるバイオマスは、炭化反応器1内で加熱され、これが含む水は、処理時間に応じて、少なくとも部分的に、または完全にさえも蒸発する。反応するバイオマスは、連続的に撹拌されながら、反応器を上から下まで通過する。反応プロセスの後、石炭は、加圧されたエアロックとも呼ばれる、第2のベッセル、すなわちバッファタンク9から除去される。ベッセル内の圧力を制限するために、反応排ガスは、圧力制御弁7により炭化反応器から連続的に放出される。加圧されたエアロック9は、バッファタンクの形態とすることもできる。
【0059】
これにより、十分な水分を、作業プロセスの間、ベッセル9内のバイオコールは利用できるようになり、冷却装置49、およびライン51を介して新鮮な水がこれに供給される。さらに、ベッセル9は、バイオコールのより良好な水分の浸透を確実にするために、攪拌機を装備することができる。
【0060】
プラントは、炭化反応器1内で、約20barの圧力、および200℃の温度で、循環的に、または変動する圧力で運転することもできる。第2のベッセル、すなわちバッファタンク9内に存在するバイオコールは、冷却される。このために、ベッセル、すなわちバッファタンク9は、 冷却ジャケット51を有する。バッファタンク9内の圧力は、どのようにプロセスが運転されているかによって、圧力制御された弁12によっても制御される。
【0061】
どのようにプロセスが運転されているかによって、炭化反応器1で受け入れた水分を含んだバイオマスは、5〜30barの圧力、好ましくは15〜25barの圧力、特に約20barの圧力、および200℃〜1200℃の温度、好ましくは400℃から800℃で蒸発することができ、ガス化反応器16へ、ライン30を介して、直接的に、または間接的に、供給される反応ガスを形成することができる。
【0062】
図1または図4(部分的に示す)によるガス化反応器16は、大気圧で運転される。これは、ガス化器頭部61、ガス化器中間部62、およびガス化器底部63に細分される。ベッセル9で受け入れられたバイオコールは、供給孔64を介して、ガス化器頭部61内に供給される。そこで、ガス化器中間部62から供給される熱によって、石炭、またはバイオコールのさらなるガス化が開始する、最高約900℃の温度まで加熱される。
【0063】
この温度で、バイオコールは、ガス化反応器16の中間部62に達する。ここで、ガス化は、900℃を超える温度で行われる。バイオコールから放出された反応ガスは、最高1800℃の温度に達する。コンピュータの支援を伴う手動制御によって、反応プロセスを適切に制御することにより、ガス化反応器16内にまだある固体の温度は制限され、これにより灰は溶融しない。
【0064】
図4から見られるように、ガス化反応器16は、外部ケーシング66を備え、その中でガス化器部分67は、上部が中間部よりも大きい断面積を有する漏斗形状部分の形で収容される。ガス化反応器63の底部は、その排出終端部にむかってより広くなる。排出終端部は、反応器ガス、および灰の排出のために、ガス化反応器底部63内に提供される、いくつかの出口68を備える。
【0065】
反応器ガスは、穴のあいた、ガス化反応器底部63の部分的に円筒状、または円錐状に延在する内壁69における出口68を介して、ガス化反応器底部63の外壁71と内壁69との間に形成された環状の空隙70内へ導かれる。
【0066】
ガス化反応器16は、直接的に、または間接的にサイクロン分離器18、および/またはガス洗浄装置20などの、清浄化装置にも接続される。そこから、ガスは、ガス圧縮機44、および/またはガスエンジン48へ搬送される。
【0067】
ガス化反応器16は、ライン30を介して、反応ガス保存タンク21にも接続される(図1)。加えて、ガス化反応器16は、必要な場合に解放することができる保守開口82を有する。
【0068】
ガス化反応器16のケーシング66の上部には、1つ以上の出口72があり、円周を回るように配分された、ガス化反応器16から反応器ガスがここを通って抜き出される。ライン73はそこに接続され、例えば、サイクロン分離器18の形態の1つ以上のダスト分離器の中に開口し、そこから反応器ガスは、さらなる使用のために供給されるか、ガスエンジン48、またはガス圧縮機44などの消費者に供給される。灰は、ガス化反応器底部63の下の終端部において、出口65を介して排出され、そこからコンベアによって廃棄タンクへ移送される。
【0069】
ガス化器中間部62の外部表面の下部において、1つ以上のガスランス、すなわち熱的に接続された溶融ユニット74が提供される。これにより、炭化反応器1から、および所望される場合は第2のベッセル、すなわちバッファタンク、または加圧されたエアロック9からの反応排ガス75は、ガス化反応器16のガス化ゾーン内に注入することができる。結果として、高い温度により、硫黄、および塩素化合物などの、まだ存在している廃棄物は燃やされる。
【0070】
ガス化反応器16(図1、および図4)、および/または第2のベッセル9は、冷却装置49の手段によって冷却され、それぞれの場合に冷却ジャケット51、52によって包囲される。冷却装置49には、冷却水が供給され、少なくとも第2のベッセル9の冷却ジャケット51からの冷却水も、ライン54を介してガス化反応器16に供給することができる。
【0071】
冷却剤によって取り出された熱は、冷却水の蒸発のため、およびしたがって生成された高圧蒸気76を過熱するために使用することができる。
【0072】
ガス化反応器16は、連続的に運転することができる。バイオマスは、短い時間間隔で、または連続的に供給される。反応器ガス、および灰は、ガス化反応器16から体積流、または質量流として、連続的に排出される。
【0073】
記述される反応器1および16は、ほぼ同時に運転される。炭化反応器1、バッファタンク9、およびガス化反応器16を、図4に従って運転ユニットとして配設することにより、設置場所を節約する配設が達成される。上記したように、バイオマス供給は、1、9、16を備える装置全体の上方に位置する。バイオマスは、受け入れタンク2の入口の加圧されたエアロックを介して受け入れられ、ガス化反応器16内に供給される。バイオマスは、これを上から下まで通過し、炭化が完了するとバッファタンク9内へ排出される。炭化反応器1の連続的な運転では、バイオコールを炭化反応器1から受け入れるバッファタンク9は、間欠的に運転される。
【0074】
炭化反応器1内に受け入れた水分を含んだバイオマスは、5〜30barの圧力、好ましくは15〜25barの圧力、特に約20barの圧力で、かつ200℃〜1200℃の温度、好ましくは400℃〜800℃の温度で蒸発する。ガス化反応器16へ、ライン30を介して直接的に、または間接的に供給される反応ガスも形成される。
【0075】
ベッセル1、9、16を備える装置全体の構成の別の可能性が、図4に示される。これは、設置場所の理由により縦型の配設が可能でない場合に適切である。
【0076】
バッファタンク9から取り出されるバイオコールは、コンベアベルト、またはウォームコンベア77などの、機械的な搬送装置の手段により、隣接するガス化反応器16の充填ホッパの中に輸送され、後者を連続的に供給する。
【0077】
プラント全体のフローチャートが図3に示される。
【0078】
ガス化反応器16は、ライン34を介して、ガス化反応器16によって得られた石炭の処置、および/またはさらなる処理のために、さらなる処理装置36に接続される。
【0079】
ガス化反応器1で形成された飽和蒸気は、飽和蒸気ライン38を介して、消費者へ、または加熱システム、および/または蒸気ピストンエンジン42へ接続される。
【0080】
プラント全体、または第1のベッセル1で生成された反応ガスは、サイクロン分離器18、および/またはガス洗浄装置20へ直接的に、もしくは間接的に供給され、その後除湿器56へ、または直接的に、もしくは間接的に圧縮機44へ、または消費者48へ供給される。
【0081】
1つ以上のライン26〜34、38、50、53、54では、手動で、または駆動装置によりオン・オフすることができる制御弁を提供することができ、この駆動装置は、作業プロセスに関連してコンピュータを介して制御される。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
図2
図3
図4
図1