特許第5938825号(P5938825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5938825電池駆動の物体検出装置における逆接防止構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938825
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】電池駆動の物体検出装置における逆接防止構造
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   H01M2/10 N
   H01M2/10 B
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-70619(P2012-70619)
(22)【出願日】2012年3月27日
(65)【公開番号】特開2013-206533(P2013-206533A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2015年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103736
【氏名又は名称】オプテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(72)【発明者】
【氏名】西村 真哉
(72)【発明者】
【氏名】池田 祐幸
【審査官】 近藤 政克
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−153378(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/084558(WO,A1)
【文献】 特開2008−181855(JP,A)
【文献】 特開平10−134786(JP,A)
【文献】 実開昭62−012262(JP,U)
【文献】 特開平09−223489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池駆動の物体検出装置に用いられて、検出ユニットを駆動する電池の逆装着を防止する構造であって、
前記電池の保持部は、少なくとも回路配線をもつプリント基板と、このプリント基板に形成された正極接点端子であって電池の凸状に突出した正電極と接触する正極接点端子と、この電池の負電極と接触する負極接点端子とを有し、
前記プリント基板は、前記正極接点端子に対し、電池の正装着時に電池の凸状の正電極との接触を許容し、電池の逆装着時に負電極との接触を阻止するように、厚さ0.5mm未満の絶縁体が前記正極接点端子の周囲に設けられている、
電池駆動の物体検出装置における逆接防止構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記絶縁体は前記プリント基板に貼り付けられており、前記プリント基板の当該貼り付け部分には半田付着防止用のコーティングが除外されている、電池駆動の物体検出装置における逆接防止構造。
【請求項3】
請求項1において、
前記絶縁体は前記プリント基板に一体形成されている、電池駆動の物体検出装置における逆接防止構造。
【請求項4】
請求項1において、
前記絶縁体は前記プリント基板に転写または印刷により形成されている、電池駆動の物体検出装置における逆接防止構造。
【請求項5】
請求項1において、
前記電池がその側面および端面の外周縁を被覆する外皮体を有する場合に、前記絶縁体は、前記正極接点端子の周囲外側から、前記外皮体の外周縁被覆部の前記プリント基板における相対向部位の周囲内側までの環状エリア内で当該プリント基板に形成されている、電池駆動の物体検出装置における逆接防止構造。
【請求項6】
請求項5において、
前記絶縁体は、前記正極接点端子を中央孔部分として環状に形成されている、電池駆動の物体検出装置における逆接防止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を検出する検出ユニットが装置内の電池により駆動される、電池駆動の物体検出装置に関し、特にその逆接防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、赤外線(IR)のような検知線を用いて物体を検出する物体検出装置が知られている。この物体検出装置は、例えば物体検出用の検知線を投光する投光器、および投光器に相対向して配置され、この検知線を受光して検出信号を出力する受光器からなる検出ユニットを備え、物体の遮光による受光量(検出信号レベル)の変化により物体を検出する。
【0003】
近年、低消費電力化や配線工事の手間を少なくするなどのため、この物体検出装置を装置内に装着された電池により駆動させる場合が多くなっている。このような装置では、電池を保持する保持部に電池が誤って予め設定された極性と逆に装着されてしまう、いわゆる逆接が発生する場合があり、この場合、装置に正常に電力を供給して検出動作をさせることができず、またこれによって装置の電気回路を損傷することもある。
【0004】
この逆接防止のための装置の一例として、図7のように、電池10の保持部50の正極接点部51に、電池10の凸状の正電極11を孔56に入り込ませる樹脂製のリング状の絶縁体55を設けて、たとえ電池10の逆接により負電極12が正極接点部51に装填されても、その絶縁体55によって電池10の通電を阻止することにより、電池10の誤装填を防止する電池フォルダ(例えば、特許文献1)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−82450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、装置に使用される電池10としては、多種類の形状の電池が市場に流通しており、例えば図7の図示αのように、通常の正電極11における端面からの突出高さH0に比較してかなり低い突出高さHを有する、例えば0.5mmに満たないものも存在する。しかし、樹脂製の絶縁体55をプラスチック射出成形により作製する場合、樹脂の成形可能な肉厚は0.5〜0.6mmが限界であり、凸状の正電極11の高さが0.5mm未満のとき、絶縁体55の厚さがこれを超えることによって、電池10の正電極11が保持部50の正極接点端子51に接触できず、接触不良を起こしてしまう。このため、物体検出装置に使用可能な電池の種類が制限されて、電池の選択許容範囲が狭くなる場合が生じていた。
【0007】
また、正電極11の高さが0.5mm以上であっても、図8のように、電池10がその側面全体および端面の外周縁を被覆する外皮体15を有する場合に、この外皮体15の外周縁被覆部15aが電池10の軸方向に厚みhを有しているとき、電池10の正電極11の実質的な高さがより小さくなり、同様に接触不良を起こす場合もある。
【0008】
本発明は、前記の問題点を解決して、低コストかつ簡単な構成で、凸状の正電極の高さの低い電池であっても、逆接防止が可能な電池駆動の物体検出装置における逆接防止構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の一構成にかかる電池駆動の物体検出装置における逆接防止構造は、電池駆動の物体検出装置に用いられて、検出ユニットを駆動する電池の逆装着を防止する構造であって、前記電池の保持部は、少なくとも回路配線をもつプリント基板と、このプリント基板に形成されて、電池の凸状に突出した正電極と接触する正極接点端子と、電池の負電極と接触する負極接点端子とを有し、前記プリント基板は、前記正極接点端子に対し、電池の正装着時に前記電池の凸状の正電極との接触を許容し、電池の逆装着時に前記負電極との接触を阻止するように、厚さ0.5mm未満の絶縁体が前記正極接点端子の周囲に設けられている。
ここで、検出ユニットとは、例えば投光器と受光器を有し、投光器から投光された検知線を受光器で受光し、その受光量に基づいて物体を検出するユニットをいう。
【0010】
この構成によれば、プリント基板に、厚さ0.5mm未満の絶縁体が電池保持部の正極接点端子の周囲に設けられているので、電池の正装着時に、この正極接点端子と、電池における突出高さの低いものであって絶縁体の厚さよりは高い正電極との接触を許容して電池による電力供給が行われる一方、電池の逆装着時にはこの絶縁体によって正極接点端子と電池の負電極との接触を阻止して電池の通電を防止することができる。これにより、低コストかつ簡単な構成で、凸状の正電極の高さの低い電池であっても、逆接防止が可能となる。
【0011】
好ましくは、前記絶縁体は前記プリント基板に貼り付けられており、前記プリント基板の当該貼り付け部分には半田付着防止用のコーティングが除外されている。したがって、絶縁体が粘着剤や両面テープなどの接着部材でプリント基板に貼り付けられた場合に、剥がれにくくすることができる。
【0012】
好ましくは、前記絶縁体は前記プリント基板に一体形成されている。また好ましくは、前記絶縁体は前記プリント基板に転写または印刷により形成されている。したがって、装置の製造コストを低下させることができる。
【0013】
また、前記電池がその側面および端面の外周縁を被覆する外皮体を有する場合に、前記絶縁体は、前記正極接点端子の周囲外側から、前記外皮体の外周縁被覆部の前記プリント基板における相対向部位の周囲内側までの環状エリア内で当該プリント基板に形成されているのが好ましい。この場合、凸状の正電極の高さが低く、かつ外皮体の外周縁被覆部が軸方向に厚みを有している電池でも、絶縁体はこの外周縁被覆部にかからないので、凸状の正電極の実質的な高さが小さくならないから、逆接防止が可能となる。
【0014】
また好ましくは、前記絶縁体は、前記正極接点端子を中央孔部分として環状に形成されている。したがって、簡単な構造で確実に逆接防止を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、プリント基板に厚さ0.5mm未満の絶縁体が電池の保持部における正極接点端子の周囲に設けられているので、電池の正装着時に、この正極接点端子と、電池の凸状の正電極の高さが0.5mm以上で高さの低い正電極との接触を許容して電池による電力供給が行われる一方、電池の逆装着時にはこの絶縁体によって正極接点端子と電池の負電極との接触を阻止して電池の通電を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る電池駆動の物体検出装置を示す側面図である。
図2図1の物体検出装置の背面側から見たその逆接防止構造を示す斜視図である。
図3図2の逆接防止構造を示す分解図である。
図4図2の物体検出装置における逆接防止構造を示す模式図である。
図5】(A)はプリント基板を示す背面図、(B)はその平面図である。
図6】(A)〜(C)は絶縁体の各例を示す平面図である。
図7】従来の物体検出装置における逆接防止構造を示す模式図である。
図8】電池の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。図1は本発明の一実施形態に係る電池駆動の物体検出装置を示す斜視図である。図2は、図1の物体検出装置の背面側から見た逆接防止構造を示す斜視図であり、図3は、図2の逆接防止構造を示す分解図である。図1のように、この物体検出装置は、例えば投光器1と、この投光器1と相対向して配置されて、投光器1から投光された例えば2つの赤外線IRのような検知線をそれぞれ受光する上下に配置された受光器2とを有する検出ユニット9を備えたAIR型(能動型)のものである。投光器1および受光器2は、それぞれポール、壁等の装着部Kに装着される。
【0018】
投光器1および受光器2は、それぞれセンサカバー7とバックボックス部8とからなるケースを有する。投光器1における例えば上下一対の投光素子3および投光レンズ4と、受光器2における上下一対の受光素子5および受光レンズ6とが、それぞれセンサカバー7内に保持され、投光器1および受光器2をそれぞれ制御する図示しない制御部および駆動電源である電池10(図2)などがバックボックス部8内に保持されている。この物体検出装置は、例えば、物体検出信号として警報信号を出力する防犯装置に使用され、投光器1からの赤外線IRが物体により遮光されたとき、相対向する受光器2で受信された検出信号の信号レベル(受光量)の変化により物体を検出して、警報信号を出力する。
【0019】
図2の電池10を保持する保持部20は、上下一対に設けられて、少なくとも回路配線をもつ板状のプリント基板(PCB)30と、このプリント基板30に形成されて、電池10の凸状に突出した正電極11と接触する正極接点端子21と、電池10の略平坦状の負電極12と接触する負極接点端子22とを有している。この図では、下部の保持部20の構成のみを図示し、同様に構成される上部の図示を省略している。
【0020】
正極接点端子21は、例えば、プリント基板30に形成された金属蒸着膜や金属メッキなどの金属薄膜からなり、プリント基板30とほぼ同一面に形成されている。負極接点端子22は、電池10の負電極12と電気的に接続されるとともに、ばね材Sのばね力により電池10を軸方向に押圧して、電池10の正電極11と正極接点端子21を、負電極12と負極接点端子22を確実に接触させている。また、電池10はその側部が複数の湾曲状の側部支持具35により保持される。使用する電池の種類は特に限定されないが、例えばリチウム電池を用いた場合には、図2のように正電極11が上方となるように配置した方が電池10の寿命を長くできる。
【0021】
前記プリント基板30は、保持部20の正極接点端子21に対し、電池10の正装着時に電池10の凸状の正電極11との接触を許容し、電池10の逆装着時に電池10の負電極12との接触を阻止するように、厚さ0.5mm未満の絶縁体23が正極接点端子21の周囲に設けられている。絶縁体23は、例えば環状の形状を有し、ポリカーボネート(Polycarbonate)やポリエステル(Polyester)などの材料で作製された絶縁フィルムが好ましく用いられる。この例では、絶縁フィルム23はプリント基板30に貼り付けられている。
【0022】
図3のように、プリント基板30は、雄ねじ25およびワッシャー26からなる基板固定具24によって、ワッシャー26をプリント基板30に押し当てて、ワッシャー26に雄ねじ25をねじ孔36にねじ込んで、保持部20に固定される。ばねSからなる負極接点端子22は、雄ねじ28およびワッシャー29からなるばね固定具27によって、ワッシャー29を介して雄ねじ28をねじ孔37にねじ込んで、保持部20に固定される。この例では、2つの電池10が接続線Cにより直列に接続されており、ばねSの基端および接続線Cの端子とともにばね固定具27により固定されて、電気的に接続されている。投光器1および受光器2は、それぞれプリント基板30からの電源供給線34を介して給電される。
【0023】
図4は、電池10を保持する保持部20の模式図を示す。厚さ0.5mm未満の絶縁フィルム23が保持部20の正極接点端子21を中央孔部分として外周囲に環状に設けられている場合、絶縁フィルム23の厚さH1は、正極接点端子21に接触する電池10の凸状の正電極11における端面からの突出高さHよりも小さく、外皮体15の外周縁被覆部15aの厚さhよりも大きくなっている(外皮体の厚さh<絶縁フィルム厚さのH1<正電極の突出高さH)。この場合、絶縁フィルム厚さH1よりも高い、通常の電池10の正電極11の突出高さをもつものも当然に許容される。なお、プリント基板30が外皮体15の外周縁被覆部15aの後述する内接円Φ2よりも小さく形成されている場合には、絶縁フィルム23の厚さH1が外皮体15の外周縁被覆部15aの厚さhよりも小さくとも、電池10の凸状の正電極11は正極接点端子21に接触することができる。
【0024】
また、図8のように、電池10がその側面および端面の外周縁を被覆する外皮体15を有する場合に、図4のように、絶縁フィルム23は、正極接点端子21の周囲外側(外接する円よりも大きい)から、外皮体15の外周縁被覆部15aのプリント基板30における相対向部位の周囲内側(内接する円よりも小さい)までの環状エリア内で当該プリント基板30に形成されている。
【0025】
すなわち、図5のように、環状の絶縁フィルム23は、内環円の内径Φ3および外環円の外径Φ4を有するとともに、図4のように、正極接点端子21に接触する電池10の正電極11の外接円の径Φ1よりも、絶縁フィルム23の内環円の内径Φ3が大きく(Φ1<Φ3)、外皮体15の外周縁被覆部15aの内接円の径Φ2よりも、絶縁フィルム23の外環円の外径Φ4が小さく形成されている(Φ4<Φ2)。
【0026】
電池10を正しく装着した場合、正極接点端子21の周囲に厚さ0.5mm未満の絶縁フィルム23が介在しても、当該正極接点端子21と、電池10における突出高さの低いものであって、絶縁フィルム23の厚さよりは高い0.5mm以上である正電極11とが接触できるので、電池10からの電力供給が行われる。その一方、電池10を逆装着した場合にはこの厚さをもつ絶縁フィルム23の介在によって正極接点端子21と電池10の負電極12との接触が阻止されるので、電池10の通電が防止される。
【0027】
図5(A)はプリント基板30を示す背面図、(B)はその平面図である。図5(A)のように、プリント基板30は、上記した正極接点端子21のほかに、電池10の正電極11と接触する正極接点端子21と接続する正極外部端子38、負電極12と接続線C(図3)を介して接続する負極外部端子39を有している。電源供給線34は正極外部端子38に接続されている。また、図5(B)のように、プリント基板30は、正極接点端子21、正極外部端子38および負極外部端子39を接続する回路配線31を有している。
【0028】
通常、プリント基板の表裏面には、半田がプリント基板の不要な銅箔部に付着するのを防止するレジストやソルダーマスクなどのコーティングが形成されるが、仮にプリント基板のレジストの上に粘着材や両面テープなどの接着部材で絶縁フィルムが貼り付けられた場合、レジストにおける接着部材の接着力が弱いので、電池の横方向からの抜き差しによって、絶縁フィルムが電池の凸状の正電極に引っ掛けられて剥がれるおそれがある。
【0029】
このため、図5(A)において、プリント基板30の絶縁フィルム23の貼り付け部分には半田付着防止用のコーティング32が除外されている。すなわち、貼り付け面(除外部)33には、半田がプリント基板30の不要な銅箔部に付着するのを防止するレジストやソルダーマスクなどのコーティング32が形成されていない。したがって、プリント基板30上であっても接着部材の接着力が強くなり、絶縁フィルム23がプリント基板30に強固に貼り付けられるので、剥がれにくくすることができる。
【0030】
また、正極接点端子21と配線回路31を含むプリント基板30に、絶縁フィルム23が単に貼り付けられるだけの構成により、装置の低コスト化が可能となる。さらに、図5(B)のように、プリント基板30は回路配線31を有しているので、リード線の接続工数を減らすことができる。また、プリント基板30上にさらに制御などに使用されるIC等の電子部品を実装することにより、装置の小型化を図ることもできる。
【0031】
この例では、絶縁フィルム23は、図6(A)のように、プリント基板30の正極接点端子21を中央孔部分として環状に形成されているが、何ら環状に限定されるものではなく、(B)のように一部切り欠いたC型形状や、(C)のように所定長さの複数のフィルム片を周方向に離間させた形状も含まれる。
【0032】
このように、本逆接防止構造では、プリント基板30に、厚さ0.5mm未満の絶縁フィルム23が電池10の保持部20の正極接点端子21の周囲に設けられているので、電池10の正装着時に、この正極接点端子21と、電池10における突出高さの低いものであって絶縁フィルム体23の厚さよりは高い正電極11との接触を許容して電池10による電力供給が行われる一方、電池10の逆装着時にはこの絶縁フィルム23によって正極接点端子21と電池10の負電極12との接触を阻止して電池10の通電を防止することができる。これにより、低コストかつ簡単な構成で、凸状の正電極の高さの低い電池であっても、逆接防止が可能となる。
【0033】
なお、上記実施形態では、絶縁フィルム23はプリント基板30に貼り付けられているが、プリント基板30に一体形成されてもよい。または、絶縁フィルム23がプリント基板30に転写または印刷により形成されてもよい。この場合、絶縁フィルムがより剥がれにくくなり、製造コストを低下させることができる。
【0034】
なお、上記実施形態では、AIR型の物体検出装置に適用しているが、PIR型の物体検出装置に適用してもよい。また、検知線として赤外線を使用しているが、これに何ら限定されず、可視光線、マイクロウェーブ、レーザーなどを使用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1:投光器
2:受光器
9:検出ユニット
10:電池(バッテリー)
11:正電極
12:負電極
15:外皮体
15a:外周縁被覆部
20:保持部
21:正極接点端子
22:負極接点端子
23:絶縁体(絶縁フィルム)
30:プリント基板
31:回路配線


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8