【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は独立請求項の特徴によって実現される。本発明の有利な実施形態およびさらなる発展形態が従属請求項から導出される。
【0010】
最初に、非本質安全
発熱導体層を担持する本体を含む車両ヒータであって、その
発熱導体層に温度監視装置が配置される車両ヒータが提示される。この場合、この温度監視装置は、少なくとも次の3つの状態、すなわち、正常運転と、可逆的な機能不全と、非可逆的な機能不全とを識別して、それを信号として報告するように設計される。車両ヒータの正常運転は、例えば、150℃までの温度であると想定することができる。水または液体の加温装置の場合には、例えば、液体の欠乏または液体の停滞によって惹起される可能性がある可逆的な機能不全の場合には、温度は、一例として参照される150℃の値を超えて上昇するであろうが、例えば180℃の温度に達すると、
発熱導体層の一次的な遮断または少なくとも出力の低減を発動することができる。非可逆的な機能不全は、例えば、極端に稀有な場合として、くすぶり燃焼点またはアーク点火が生じた場合に想定することができる。このような稀有な事態は、一般的には局所的な過熱を生じるのみであろうが、この過熱はきわめて強く、例えば1000℃のレベルの温度に達する可能性がある。前記の3つの状態を識別することによって、例えば、作動の更新、すなわち車両ヒータの新しい運転サイクルに先立って、最後に報告された状態を回復して、非可逆的な機能不全の場合には、作動の更新を防止することが可能である。すなわち、そのような場合には、交換または修理が完了するまで車両ヒータを恒久的に遮断した状態のままにしておくことができる。これによって、安全性が大幅に改善される。上記のような状態で加熱装置を再度作動させると、特に非可逆的な不具合が、少なくとも局所的な新規のきわめて強力な過熱をもたらすことがあり得るからである。
【0011】
車両ヒータにおいて、温度監視装置は、可逆的な機能不全を検出するための、局所的な温度を検出するセンサー要素を含むことを想定することができる。このセンサー要素は、例えば、従来型のPTCまたはNTCセンサー要素とすることができる。このようなセンサー要素は、局所的な温度を、部分的には数℃の範囲内で非常に正確に検出する能力を有する。従って、これらは、例えば、上記において一例として参照した150℃から180℃への温度上昇検出用として特に適している。
【0012】
さらに、温度監視装置は、非可逆的な機能不全の検出用として、少なくとも部分的に
発熱導体層に配置されるセンサー層を含むことができる。この場合、このセンサー層は、少なくとも、例えば、前記のくすぶり燃焼点または電気アークの場合に生起するような、
発熱導体層の局所的でかつ非常に強い過熱を確実かつ急速に検出し得る能力を有することが望ましい。また、このセンサー層は、
発熱導体層の上部または下部に配置することが望ましい。例えば、このセンサー層は、ほぼ完全に
発熱導体層をカバーすることができる(必要な場合には、接続領域などを開放状態に残すことができる)。センサー層は、最も広義の意味において、常に、少なくとも部分的に平面型の層であるので、例えば、1つ以上の(場合によっては非常に狭い)帯材から構成されるセンサー層も考慮の対象になる。センサー層は、例えばこの場合、蛇行形状に配置される
発熱導体層の径路に従うことができるが、その場合、センサー層は
発熱導体層を完全にカバーすることが望ましい(上記のように、必要な場合には接続領域を開放状態に残すことができる)か、あるいは、本体の大きな面積をカバーすることができる。例えば、センサー層を、蛇行形状の
発熱導体層の上に、上面から見て長方形のセンサー層として配置することができる。この場合、2つの方式、すなわち、センサー層を
発熱導体層の直接上部に配置して、センサー層を少なくとも部分的に
発熱導体層に接触させる方式と、少なくとも1つの中間層を設ける方式とが任意選択の対象になる。センサー層を、局所的な過熱が生じた場合に、その抵抗またはインピーダンスがすでに大幅に変化するように調整することが特に有効であると判明している。このような平面型のセンサー層を用いることによって、例えば、上記のセンサー要素が、その装着位置において局所的な温度上昇を検出し得る前に、局所的な過熱を確実に検出することが可能になる。
【0013】
少なくともいくつかの場合には、センサー層を、熱溶射法を用いて形成することが有利であると考えられる。溶射法としては、特に熱溶射法が1つの選択肢である。熱溶射法を用いることによって、本体を焼き付け法において通常に用いられる温度に曝露することなく、センサー層を作製することが可能になる。このようなセンサー層の溶射は焼き付け法に比べて低コストで実施できるが、それにも拘らず、使用される本体の(あるいは本体がすでに担持する材料に対する)温度の許容範囲に関する要件が大幅に低く限定される。従って、本体に対して溶射法を用いることによって、焼き付け法における通常の温度では溶融したり、あるいは、意図される用途に関するその材料特性が何らかの態様で負の方向に変化したりする可能性ある材料も、本体用として想定できることになる。適切な溶射法を使用することによって、本体を、例えば、完全にまたは部分的にアルミニウムから構成することができる。もちろん、他の多数の材料も本体用として考えることができる。これらの材料は、多くの場合、良好な伝熱特性を有するものである。この点に関して、単なる例として、アルミニウム合金、ガラスおよびセラミックを挙げることができる。想定可能な熱溶射法の例としては、プラズマ溶射法、低温ガス溶射法またはフレーム溶射法を挙げるべきである。いくつかの場合には、車両ヒータの他の構成要素、例えば
発熱導体層をも、熱溶射法を用いて形成することが有利であり得る。現在のところ、低温ガスプラズマ溶射法および懸濁液フレーム溶射法が、特によく適した熱溶射法であると考えられる。低温ガス溶射は、高速度に加速されるガス、例えば窒素を含むが、その場合、ガスに同伴される粒子が、高速(例えば音速の何倍もの速度)で本体または本体が担持する基板上に衝突し、高い運動エネルギーによって、緊密に付着する高密度の層を形成する。懸濁液フレーム溶射法の場合には、最初に、被溶射粒子を含有する懸濁液を調製し、続いて、その懸濁液をフレームの中に噴射する。この過程で、液体は、少なくとも部分的に、しかし好ましくは完全に蒸発して、(理想的には)当該粒子のみが目標表面に衝突し、それによって高密度の層を作製できる。いずれにしても、この場合、センサー層の溶射用として想定可能な方法が有する共通点は、本体を、焼き付け法において標準的に用いられる高温に曝露する必要はないという点である。この点に関して、例えば、本体を、800℃未満、650℃未満、あるいは場合によっては500℃未満の温度にしか曝露しないことを想定することができる。本体(および/または本体上にすでに配置される任意の他の構成要素)用として利用可能な材料の数が、温度を低く維持できる程増大するであろうことは理解し易い。この点において、以上の理由から、「温度に曝露される(exposed to temperatures)」という表現は、本体全体がその温度になると想定される、あるいはならねばならないことを必ずしも意味しないことを明確にしておかなければならない。むしろ、当てはまる唯一のことは、本体が、部分的にも、それに損傷をもたらす可能性があるような温度には曝露されないということである。従って、いくつかの場合には、本体の特性(サイズ、熱伝導率など)に応じて、本体が、例えば、溶射法に直接曝露されない領域において、500℃より遥かに低い温度、例えば僅かに100℃以下の温度にしか耐え得ない構成要素(例えば電気的素子または他の構成要素)をすでに担持していることが可能になる。センサー層を、粉末を用いて作製することを想定することができる。この場合、粉末の粉末粒子は、集塊形態で存在するか、あるいは集塊形態の中に導入され、さらに、非集塊粉末粒子は、20μm未満、好ましくは10μm未満の平均粒径d50を有する。ここで言及する平均粒径d50の標準的な定義に関しては、この点に関する説明の必要性が生じた場合、該当するISO9276−2を参照できる。例えば、いくつかの場合に、センサー層の作製用として想定し得るチタン酸バリウムの粉末は、通常、10μm未満(例えば2μm〜8μmまたは4μm〜5μm)の結晶サイズを有する。この粒子サイズは、いくつかの熱溶射法(例えばプラズマ溶射法)用としては小さ過ぎる可能性がある。それは、この粒子サイズの場合、この方法に使用される溶射ガン(または使用溶射装置の他の任意の構成要素)の開口を閉塞させる可能性があるからである。しかし、複数の粉末粒子が集塊形態において存在すれば、例えば被包材料の中に埋め込まれていれば、溶射ガンの開口の閉塞は回避することができる。集塊内においては、複数の粉末粒子をそれぞれ被包材料に結合することができるが、この被包材料は、例えばポリビニルアルコールのようなプラスチック材料を構成要素として含むことができる。少なくとも圧倒的に多数の集塊は個々の粉末粒子より大きいので、溶射ガン(または使用溶射装置の他の任意の構成要素)の閉塞を、少なくとも多くの場合回避できる。集塊の作製および利用は、もちろんチタン酸バリウムの粉末に限定されない。むしろ、この技術は、本発明の範囲内において想定される、過度に微小な粉末粒子を有する任意の粉末に対して使用可能である。溶射されたセンサー層が全体として所要の電気的(または光学的または他の)特性を有するようにするため、集塊の形成に使用する被包材料を適切に調整することが合理的である。例えば、全体として、ある特定の比導電率を得るべきであるならば、集塊が溶射の間に破壊されず、または、被包材料が溶射されたセンサー層の構成要素として少なくとも部分的に残留する限り、被包材料は、基本的に、(車両ヒータの通常の運転温度において)粉末粒子の比導電率と少なくとも同程度の高さの比導電率を有するべきである。しかし、特定の場合には、センサー層の特性が(少なくとも大部分)粉末粒子の特性によって決定されるように、集塊の破壊、または、被包材料の少なくとも部分的な除去を支持することも可能である。これを実現するため、集塊が閉塞の傾向を有する部分を通過すると直ちに、適切な熱的、化学的および/または物理的プロセス、あるいは後処理ステップを実施することができる。最初に、複数の粉末粒を集塊形態の中に導入しなければならない場合は、例えば次の方法をこの目的にために実施することができる。すなわち、第1ステップにおいて、適切な材料をその当初のコンシステンシーにおいて用意することができる。続いて、第2ステップにおいて、固体材料への変換を、特に焼結法によって実施する。さらに続いて、この固体材料を破砕によって微粉化する。その後、粉末粒子を、結合剤系を用いて、さらに後続の乾燥と、結合剤の焼尽とによって集塊化することができる。粉末粒子を、粒状化法によって微粉化することも可能である。例えば、所定の平均粒径d50を有する粒状化されたペロブスカイト粉末を使用しなければならない場合には、次の方法を実施することができる。すなわち、第1プロセス段階において、塩を、計量、混合して、酸の中に溶解し、アルカリ液によって沈降させ、ろ過し、かつ、洗浄して、乾燥する。続いて第2プロセス段階において、相反応および/または変換のための熱処理を実施できる。さらに第3プロセス段階において、所要の粒径サイズへの湿式粉砕を行うことができ、第4プロセス段階において、スクリーニングまたは篩分けによる分画、完成粉末材料の調整および/または残留量の処理を遂行することができる。特に、本体と、場合によっては本体がすでに担持する構成要素とが十分な熱抵抗を有する場合には、もちろん、通常の焼き付け法を、センサー層(または他の層)の形成に代替案として適用することも可能である。
【0014】
センサー層が、少なくとも部分的に、正の温度係数を含む抵抗体またはインピーダンス特性を有することを想定することができる。この方法は、センサー層が2つの端部部分を含む細長い形状を有する場合に特に合理的である。この2つの端部部分は、その縦方向に出現する電流(または印加された電流)に関してセンサー層を監視するために、その間において測定信号がピックアップされる部分である。この場合、運転モードは、PTC抵抗導電体を使用する場合に類似する可能性がある。その理由は、このような細長い延長部の直列の接続特性によって、比較的短い長さ部分の加熱がすでに十分に行われて、全体としての抵抗(または全体としてのインピーダンス)が増大し、その結果、局所的な温度限界値の超過を確実に検出できるからである。より大きい長さ部分に沿って生起する温度限界値の超過は、あるいは全長にわたって生起する温度限界値の超過も、もちろんこの方法でより一層確実に検出できる。正の温度係数を有する抵抗特性を得るための一例は、前記のチタン酸バリウムの粉末の使用である。この場合、比較的安価なチタン酸バリウムに鉛をドープすることが望ましい。
【0015】
しかし、センサー層が、少なくとも部分的に、負の温度係数を有する抵抗またはインピーダンス特性を含むことも可能である。負の温度係数を想定することは、センサー層が、最も広義の意味において、少なくとも部分的に、その表面法線(場合によってはそれぞれの表面法線)の方向の電流について監視されるべき平面型の層である場合に、特に考えることができる。例えば、この場合、1つ以上の(場合によっては非常に狭い)帯材から構成されるセンサー層、例えば、帯材が円筒表面の回りに数回かつ異なる高さで巻き付けられ、その結果、多数の(差分)表面法線が生じるような帯材から構成される層も平面型のセンサー層であると理解されるべきである。通常、負の温度係数を有する層の上面側および底面側には、それぞれ、測定信号を取り出すための同様の平面型電極が装備されるであろう。このようなセンサー層は、複数の抵抗体またはインピーダンス(キャパシタンス)を並列に接続したものと見做すことができ、従って、局所的な温度限界値の超過によっても、全体としての抵抗(または全体としてのインピーダンス)の確実に検出可能な減少がもたらされる。より大きい表面部分に、または場合によっては全表面に影響する温度限界値の超過も、もちろんこの方法で確実に検出できる。同様に、例えば、電極間の局所的なフラッシュオーバまたは局所的なアークの形成も検出でき、あるいは理想的な場合には、これを予期して避けることが可能である。例えば、専らフラッシュオーバの検出のみが対象になっている場合には、センサー層が、その上面側および底面側に設けられる接触層を含む平面型の絶縁層によって形成される実施形態も考えることができる。その点で、負の温度係数という用語は、ここでは最も広義に理解されるべきである。古典的な意味における負の温度係数を有するセンサー層を形成するためには、例えば、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、または他のセラミック材料のような材料を使用することができる。例えば、セラミックガラスの場合には、それが、1つ以上のアルカリ金属を、例えば10重量%までの比率で含有することを想定することができる。セラミックガラスには、酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、水晶、酸化チタンおよび/または酸化亜鉛をドープすることも想定することができる。この場合、このドーピングの比率は、例えば3重量%までの量とすることができる。
【0016】
温度監視装置は、被加熱媒体の温度に依拠する第1温度限界値を超過しない限り、正常な運転の信号を発信することが有利であり得る。例えば、温水器または液体加温器の場合には、例えば媒体温度が−40℃である時には、車両ヒータの領域内において、例えば−40℃〜100℃の範囲の温度が特に前記のセンサー要素によって測定される限り、正常な運転が行われていると想定することができる。媒体温度が例えば75℃になると、例えば−40℃〜150℃の範囲の温度が測定される限り、正常な運転が行われているとすることができる。
【0017】
本発明による車両ヒータの少なくともいくつかの実施形態においては、温度監視装置が、ソフトウェアによってプログラム可能または操作可能な制御器と、ソフトウェアとは無関係に作動する切り換え要素であって、前記の機能不全の少なくとも1つが生じた場合に、ソフトウェアとは無関係に緊急手段を実行するように構成される切り換え要素とを含むことを想定することができる。緊急手段としては、特に、加熱出力の低減、場合によってはゼロへの低下が想定される。さらに、切り換え要素は、緊急手段を遂行する場合に、適切な信号を制御器に供給するように構成することができ、この信号に基づいて、制御器は、切り換え要素が機能不全を検出したことを確認する。また、制御器には、どのタイプの機能不全(可逆的または非可逆的)が生じたかを、この信号によって報告することが望ましい。このような解決策は安全上の理由から想定することができる。それは、この方法によって、少なくとも1つの安全上の選択肢(例えば、平面型のセンサーによって検出された非可逆的な不具合)が、ソフトウェアによって実行されるのではなく、あるいはソフトウェアによって完全には実行されず、ソフトウェアとは無関係のハードウェアによって完全にまたは部分的に実行されるからである。この方式によって、ソフトウェアからのある種の独立性が確立されるので、例えば、ソフトウェアの誤謬に起因する機能不全を避けることができる。この場合、切り換え要素は、本発明に従って識別されるべき1つ以上の状態を検出するように構成することができる。この場合、切り換え要素が、ソフトウェアによっても実行される機能と一緒に冗長的に設けられる解決策、あるいは、切り換え要素によって実行される機能はソフトウェアによって付加的に実行されることはない解決策も想定することが可能である。例えば、本発明に従って識別されるべきすべての状態を、関連する切り換え要素によってソフトウェアとは無関係に検出し得る場合には、本発明に従って、好ましい特定する機能のみ、すなわち、作動の更新の停止のみを、特定信号の存在に基づいて制御器および関連するソフトウェアによって実施することを想定できる。しかし、この目的のために、ソフトウェアとは無関係であるが、記憶能力を有する構成要素を用いることも想定可能である。この場合、「記憶能力を有する(memory−capable)」とは、電力供給が中断しても、生起した機能不全をその後に忘失してしまうことがないことを意味すると理解するべきである。この点に関して、切り換え要素は、センサー値を1つ以上のハードウェア組み込み値と比較して、その値を超過している場合には、例えば演算増幅器を組み入れて遮断するような機能(緊急手段)を遂行することができる。このような切り換え要素を設けることは、完全に排除することがほぼ不可能なソフトウェアの誤謬のために合理的であるだけでなく、例えば、ソフトウェアに支えられる制御器が他のタスクをも負わされており、その結果、制御器が、常に、あるいは常に時間内に利用可能であるとは限らない場合にも有用であり得る。
【0018】
さらに、次の状態、すなわち、正常運転、可逆的な機能不全、または非可逆的な機能不全を識別して報告する車両ヒータの監視方法が提示される。それによって、車両ヒータに関連して以上に述べた利点および特性が、類比的にまたは同様に浮かび上がってくる。従って、繰り返しを避けるために、ここでは、車両ヒータに関連する説明を参照する。たとえ、車両ヒータに関連付けて述べたすべての特徴が、これまでにその方法の範囲内において特許請求されていなくても、これらの特徴が、個別に、あるいは、いかなる組合せおよび類比においても、この方法に対しても重要であり得ることを明白に強調しておく。
【0019】
この方法の範囲内においても、車両ヒータに関連してすでに述べたように、可逆的な機能不全の状態を、局所的な温度を検出するセンサー要素によって特定すること想定することができる。
【0020】
同じことが、少なくとも部分的に
発熱導体層に装着されるセンサー層による非可逆的な機能不全の状態の検出に当てはまる。
【0021】
以上の記述から、本発明の基本的な発想が、局所的にのみ測定するが、他方では正確に測定するセンサー要素、例えば、PTCまたはNTCセンサーを、正常状態の検出用、および正常温度からの比較的小さい逸脱に関連する可逆的な機能不全の検出用として用いることにあることが明らかになる。同時に、平面型のセンサー層が
発熱導体層に配置される。この平面型のセンサー層は、必ずしも特に正確な測定値を供給する必要はないが、
発熱導体層内の任意の場所に生起する(例えばくすぶり燃焼点または電気アークに起因する)極端な過熱を、たとえ、そのような過熱がより正確なセンサー要素によっては(まだ)その装着点において検出され得ないとしても、急速かつ確実に検出する能力を有しなければならない。
【0022】
以下、本発明を、添付の図面を参照して、特に好ましい実施形態に基づいて例によって説明する。