(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5938851
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】伸縮柱
(51)【国際特許分類】
B66F 3/28 20060101AFI20160609BHJP
F21S 8/08 20060101ALI20160609BHJP
F15B 15/14 20060101ALI20160609BHJP
F15B 15/16 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
B66F3/28
F21S8/08 440
F15B15/14 A
F15B15/16
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-96992(P2011-96992)
(22)【出願日】2011年4月25日
(65)【公開番号】特開2012-229069(P2012-229069A)
(43)【公開日】2012年11月22日
【審査請求日】2014年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】596006628
【氏名又は名称】株式会社湘南工作所
(72)【発明者】
【氏名】金子 幸一
(72)【発明者】
【氏名】浜島 英治
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 光浩
(72)【発明者】
【氏名】小林 永世
【審査官】
葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭57−157017(JP,U)
【文献】
実開昭60−117636(JP,U)
【文献】
実公昭45−016389(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 1/00−7/28
B66F 13/00−19/02
E04H 12/18
F15B 15/00−15/28
F21S 8/08
F21V 21/22
H01B 7/04−7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧された液体または気体によって伸縮する多段式の伸縮柱であって、
最上段に設置した照明装置に対して給電及び信号伝達を行う伸縮柱において、
外殻をなす複数の外筒と、
液体または気体を充填する複数の内筒と、
前記外筒と前記内筒との間に絶縁体を介して設置される2本以上の導電体とを有し、
前記導電体は導電棒および複数導電管から成り、
前記導電棒および前記導電管同士を電気的に導通せしめるブラシを有し、
前記導電体が前記内筒および前記外筒の伸縮動作と連動し、
導電状態を保持しながら伸縮することを特徴とする伸縮柱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置またはその他の装置を、多段式伸縮柱の最上部に設置して、任意の高さに昇降させる伸縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の油圧式伸縮柱は、実用新案第2546793号に記載されているように、各段には外殻となる外筒とその内部に内筒があり、内筒に圧油を供給・排出して伸縮柱を上昇・下降させる機構が知られている。
この機構を利用した非特許文献1に掲げる(株)湘南工作所製の車載照明装置(600W×4灯式)を従来例として
図1に示す。
【0003】
図1は、伸縮柱1の縦断面図で、この場合は最上段5aの上部に照明装置2が取付けられている。伸縮柱1には最上段5aと基部(最下段)5bを含む各段5の各々に、外筒3の内部中央に内筒4がある構造で、最上段5aから基部(最下段)5bの各段5の内筒4で形成される閉じられた空間に、最下段の固定された基部(最下段)5bより、圧油を供給口7から供給することで、その上にある最上段5aと各段5が上昇し、圧油を排出することで、最上段5aと各段5が下降する構造となっている。
【0004】
この場合に最上部に取付けられた照明装置2には、給電等のために電線6が設けられており、伸縮柱1の伸縮により照明装置2も昇降する、このため電線6も照明装置2から吊られた状態で引き回されていた。また、この照明装置2自体も旋回する構造なので、それらの動き全てを考慮して、伸縮時に電線6が円滑に引き回すことが出来るように設置されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2546793号
【非特許文献1】大牟田市、消防本部、車両紹介、救助工作車、救助工作車上[online]2010年7月22日、大牟田市、[2015年3月11日検索]、インターネット<URL:http://www.city.omuta.lg.jp/shoubou/hpKiji/pub/detail.aspx?c id=5&id=4329&class set id=4&class id=481>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの伸縮柱は、次のような改善すべき課題があった。
一般に伸縮柱においては、最上部に取付けられた照明装置またはその他の装置への給電・信号伝達などについて、全く考慮されていなかった。それらは伸縮柱とは無関係に、最上部の装置に電線が設けられ、伸縮柱による装置の昇降に対し、電線が吊られて動く状態であった。したがって、電線は、伸縮柱の最上昇時の長さ以上が必要であるとともに、最下降した状態で弛む分を、例えば伸縮柱を中心に弛めに巻いて置いておくために、十分で最小の範囲を確保して置かなくてはならない欠点があった。さらに、伸縮柱最上部の装置自体が旋回・ふ仰の駆動もするので、それも含めて、伸縮による電線の動きが円滑にできるよう、電線長さや引き回しに十分配慮しなければならない欠点もあった。
【0007】
このとき容易に考えられる方法として、伸縮柱内部に電線を通す方法があるが、最上昇した場合に最長となる電線長さに対して、最下降した場合に弛む分の電線長さの処置方法が問題となる欠点があり、例えばこの弛む分の電線を巻き取るには、別にそのための装置を設けなくてはならない欠点もあった。また油圧式の伸縮柱は中央に圧油が満たされる空間があり、これを避けて電線を伸縮時に弛んだり引っかかったりしないで円滑に動くよう配線することは、極めて困難であるという欠点もあった。
【0008】
本発明の目的は、最上部の照明装置またはその他の装置に対して、給電・信号伝達する手段を伸縮柱の内部に設け、円滑な昇降動作が可能な伸縮装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
伸縮柱内部の外筒と内筒との間の空間の最下段から最上段に亘り、導電体となる部品を設けることで達成する。導電体は、伸縮柱の上昇・下降の動きに連動して、伸縮可能な構造とすることで達成する。ただし、下降していくに従って弛んだり引っかかったりして、格納に困難が生じる電線等ではなく、導電体自体が伸縮柱と同様に、伸縮できる構造にすることで達成する。さらに、この導電体は、給電や信号の伝達のために、
2本以上設けることで達成できるのである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、伸縮柱自体で、最上部の照明装置またはその他の装置への給電及び信号の伝達を行えるので、伸縮柱の最上昇長さ以上必要となる電線を不要にできる効果があるとともに、最下降時の収納状態で伸縮柱を中心に弛めに電線を巻いて置いておくための範囲を確保しておく必要も無くなるので、伸縮装置の設置に必要な範囲を狭くできる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】本発明の伸縮柱の導電体4本の場合の最上部平面図
【
図4】本発明の伸縮柱の導電体8本の場合の最上部平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
伸縮柱内部に設ける導電体は、基部(最下段)から最上段に亘り、伸縮柱が伸縮した場合も設置できる空間として、加圧された液体または気体の充填された内筒の外側と、外殻を形成する外筒の内側との間に設けるのが望ましい。また、導電体の構造は、伸縮柱と連動して伸縮させるので、内筒と同様に、下となる部品の外側に上となる部品が勘合しあって、各々上下にスライドして伸縮する多重の筒状態とするのが望ましく、さらに、この導電体は
2本以上設けることが望ましい。
【実施例1】
【0013】
本発明の一実施例を
図2に示す。
伸縮柱1は、最上段5aから基部(最下段)5bまでの各段5とも、外殻となる外筒3とその内部に加圧された液体または気体が充填される内筒4とで成り、この外筒3と内筒4は一体となって伸縮柱1の中心軸方向にスライドする。さらに、最上段5aは照明装置2またはその他の装置2aを上部に取付けられる構造で、基部(最下段)5bは、伸縮柱1内部に加圧された液体または気体を供給する供給口7と、伸縮柱1自身を固定できる構造を有している。
【0014】
ここで、最上段5aから基部(最下段)5bまでの各段5とも、内筒4の外側と外筒3の内側との間に空間がある。そこで導電体8となる部品を最上段5aから基部(最下段)5bまで直線的に設け、電気的に連結させるとともに、伸縮柱1の伸縮動作と連動して伸縮できる構造にしてある。
【0015】
この導電体8が伸縮する構造は、例えば伸縮柱1の内筒4の伸縮構造と同様で、基部(最下段)5bに最下部絶縁体9bを介して導電棒8bが固定され、その上の段には、導電棒8bの外側に勘合する大きさの内径を有する導電管8a、さらにその上の段には下となる段の導電管8aの外側に勘合する大きさの内径を有する導電管8aを組み合せるといった具合にして、各段5に各々の絶縁体9を介して導電管8aを固定することで、伸縮柱1と連動して伸縮できるようにしてあるとともに、電気的に絶縁されている。ここで、これらの導電体8を形成する導電管8aと導電棒8b、あるいは、導電管8a同士を電気的に導通させるために、ブラシ11を介在させている。このブラシ11については、導電棒8bまたは導電管8aと上になる導電管8aとが容易に摺動できると同時に常に電気的に導通できる構造であれば、適意に決定できる。
【0016】
導電体8は、最上部の照明装置2またはその他の装置2aの給電及び信号伝達のため、最上段5aに最上部絶縁体9aを介して電極10を設けてある。これを本発明の伸縮柱の最上部平面図である
図3及び
図4に示す。
図3は導電体8の電極10を4本設けた場合で、
図4は8本設けた場合である。このように最上部に取り付けられる照明装置2またはその他の装置2aの給電及び信号伝達に必要となる本数の導電体8を設けることができるのである。そして、基部(最下段)5bに取付けられたレセプタクル12の各端子に全ての導電体8のそれぞれが割振られ結線されており、これで給電及び信号伝達を行うのである。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明によれば、伸縮柱の最上部に取付けられた照明装置またはその他の装置に対する給電・信号伝達機能を伸縮柱内部に有しているので、照明装置またはその他の装置からの電線で、伸縮時の引き回しや処置による多くの問題を皆無にできる。このため、円滑な昇降動作を可能とする伸縮柱を有する伸縮装置としての利用が期待される。
【符号の説明】
【0018】
1 伸縮柱
2 照明装置
2a その他の装置
3 外 筒
4 内 筒
5 各 段
5a 最上段
5b 基部(最下段)
6 電 線
7 供給口
8 導電体
8a 導電管
8b 導電棒
9 絶縁体
9a 最上部絶縁体
9b 最下部絶縁体
10 電 極
11 ブラシ
12 レセプタクル