(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の本実施形態に係る投射システム1の概略構成図である。
投射システム1は、例えば液晶パネルに用いられるガラス基板、或いは各種の光学部品といった透光性材を検査対象物2とし、当該検査対象物2の表面のキズや塵等の付着、内部の気泡、脈理といった各種の欠陥の有無を検査する検査用投射システムである。
投射システム1は、
図1に示すように、照射装置10と、拡大投射光学ユニット12と、撮影装置14と、スクリーン15と、照射装置移動機構16と、光学ユニット移動機構18と、コンピュータ22とを備えている。照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12は、それぞれ同じ光軸Kの上に配置され、また照射装置10と拡大投射光学ユニット12の間に検査対象物2が挿入配置されている。検査対象物2は、照射装置10の照射光が検査箇所Rを透過するように支持台24により支持されており、検査対象物2の検査箇所Rを透過した照射光が拡大投射光学ユニット12を経てスクリーン15に投射され、スクリーン15に投射された像が撮影装置14により画像として取り込まれる。
【0019】
照射装置10は、光源の一例としての集光型放電ランプユニット26と、集光型放電ランプユニット26の放射光を集光して擬似的な点光源Sを形成する光学素子である点光源形成球レンズ28とを備え、この点光源Sから発散する発散光が後述するアパーチャ46を通って出射開口30から照射される。すなわち、この照射装置10は、検査対象物2に平行光では無く発散光を照射する。
【0020】
集光型放電ランプユニット26は、第1焦点f1、及び第2焦点f2を有する回転楕円反射鏡32と、放電ランプ34とを備えている。
本実施形態では、照射光が広範囲に拡がった場合でも十分な照度が確保されるように、光源に放電ランプ34を用いることとし、100W直流型の超高圧水銀ランプが用いられている。放電ランプ34は、電極間距離が1〜1.5mmに形成され、陰極側を回転楕円反射鏡32の開口端32Aに向け、陽極側を回転楕円反射鏡32の底部32Bの側に向けて取り付けられている。また、放電ランプ34の電極間に生ずるアークの発光点は、先端側、すなわち陰極先端部近傍が最も明るいことから、その部分が回転楕円反射鏡32の第1焦点f1に位置するように配されている。発光点が第1焦点f1に配されることで、放電ランプ34の光が回転楕円反射鏡32によって第2焦点f2で集光される。
回転楕円反射鏡32は、内表面に誘電体多層膜を蒸着して可視光を反射し赤外波長域の光を透過する、いわゆるコールドミラーとして構成されており、照射光に赤外波長域の光が含まれないようにしている。
【0021】
点光源形成球レンズ28は、光軸Kと同軸に照射装置10に設けられ出射端として構成された筒体36に設けられており、第2焦点f2で集光して筒体36に入射した光を再度集光して当該筒体36の中で点光源Sを形成するものであり、この点光源Sから発散する光が後述するアパーチャ46を通過して筒体36の先端部の端部開口である出射開口30から出射される。点光源形成球レンズ28は、光軸Kに沿って筒体36の中を移動自在なホルダ38に支持されている。ホルダ38が移動することで点光源形成球レンズ28が形成する点光源Sから出射開口30までの距離が可変し、出射開口30からの照射光の拡がり角が変わることから、検査対象物2の検査箇所Rの大きさに応じた照射範囲の調整が可能になる。
【0022】
ここで、光源に集光型放電ランプユニット26を用いることで、高強度の照射光が得られるものの、放電ランプ34のアークに幅があることに起因して、放射光には照度ムラが生じ、またスクリーン15に投射された像にボケが生じる。これらを解消すべく、筒体36の入射側には入射用遮蔽部材としての入射用絞り40が設けられている。入射用絞り40は、集光型放電ランプユニット26からの光のうち、照度ムラや像のボケの要因となる光成分を遮蔽して筒体36に入射する。すなわち、入射用絞り40の開口径は、回転楕円反射鏡32の第1焦点f1にのみ発光点が点で局在していると仮定したときに、第2焦点f2からの光の拡がり角、及び第2焦点f2から入射用絞り40までの距離に基づいて、例えばレイトレーシング等の光学的解析手法によって求められる入射用絞り40の位置での光線の径と同等の大きさに形成されている。これにより、発光点が大きさを有することにより第1焦点f1から外れた位置で光が発せられていても、当該光の成分を概ね入射用絞り40で遮蔽し、第1焦点f1で発光した光成分のみを筒体36に入射して取り込むことができる。
【0023】
筒体36に取り込まれた光は、入射用絞り40の開口径に応じた拡がり角を有する発散光であることから、当該発散光を効率良く点光源形成球レンズ28に入射するために、入射用絞り40と点光源形成球レンズ28の間に、点光源形成球レンズ28と同一球径の入射球レンズ42が配置されている。入射球レンズ42は、入射用絞り40を通過した光を光軸Kに近付く方向に屈折させて曲げることで当該光軸Kから離れる方向への発散を抑え、当該光軸Kに略平行な光に平行化して点光源形成球レンズ28に入射する。これにより、入射用絞り40を通過した光が効率良く点光源形成球レンズ28に入射される。
【0024】
上記筒体36の内側面は、光を効率良く反射する鏡面になっており、当該内側面での光の吸収を抑えることで、筒体36に取り込まれた光の取り出し効率の向上が図られている。ただし、筒体36には、内側面での反射によって乱反射も生じる。これにより、
図2に示すように、上記入射球レンズ42からの略平行な光、すなわち光軸Kと成す角度が小さな光成分に加え、光軸Kと成す角度が大きな拡散光成分43が発生する。この拡散光成分43が点光源形成球レンズ28に入射すると点光源Sの集光度が低下し、照度ムラや像のボケを生じさせる。
そこで、点光源形成球レンズ28の入射側には、上記内面反射に起因した光成分であって点光源Sの集光度を低下させる程に光軸Kと成す角度が大きな光成分である上記拡散光成分43の通過を遮蔽する拡散光成分遮蔽用絞り44を設け、点光源Sの集光度の低下を防止することとしている。
【0025】
また、
図2に示すように、筒体36の出射開口30の側でも内側面での反射によって迷光45が生じる。この迷光45が点光源Sの発散光と一緒に出射されてしまうと、スクリーン15に投射された欠陥Dの像が不鮮明になってしまう。
そこで、筒体36の出射開口30には、迷光45を遮蔽して出射する迷光成分遮蔽用のアパーチャ46を設け、投射された像が不鮮明になることを防止している。
【0026】
また、集光型放電ランプユニット26の光を、筒体36の中に同軸に設けた入射球レンズ42、及び点光源形成球レンズ28を通すことで、光軸Kに対して角度を有する光成分(すなわち筒体36の内面反射によって生じた非平行成分)と、光軸Kに平行な平行光成分とが入射球レンズ42、及び点光源形成球レンズ28を通過するごとに混合されて出射される。これにより、放電ランプ34の封じ部での光ロス等に起因して平行光成分の光束断面(光軸Kに垂直な面)の光強分布に、中央部で光量が低くなる中抜けのようなムラが生じていたとしても、筒体36の内面反射の光を利用して光量の増大を図りつつ光束断面の光強度分布を均一化することができる。
そして、上述のように入射用絞り40、拡散光成分遮蔽用絞り44、及びアパーチャ46が設けられることで、集光型放電ランプユニット26における第1焦点f1と発光点の位置ズレや、放電ランプ34の封じ部での光ロス、光学系の光軸ズレ等による照度ムラや投射像のボケが抑えられる光を検査対象物2に検査光として照射できる。
【0027】
前掲
図1に戻り、上記拡大投射光学ユニット12は、検査対象物2の検査箇所Rに焦点を有し、この検査対象物2からの透過光を拡大して検査箇所Rの像をスクリーン15に拡大投射する光学系を筐体48に収めてユニット化したものである。
本実施形態においては、拡大投射光学ユニット12は、検査箇所Rを拡大投射するための光学素子の他、ディストーション補正や他の収差を補正する光学素子を組合せて成る光学系を備えている。
なお、拡大投射光学ユニット12は、1枚の拡大投射用レンズを備えるだけの構成であっても良い。
撮影装置14は、拡大投射光学ユニット12によってスクリーン15に拡大投射された検査箇所Rの拡大像を撮影によって取り込み、コンピュータ22に出力する装置であり、例えばCCDカメラ等により構成されている。
【0028】
照射装置移動機構16、及び光学ユニット移動機構18は、それぞれ照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12を直交3軸方向に移動する機構である。すなわち、照射装置移動機構16は、照射装置10が載置され直交3軸の各軸方向に独立して移動可能な3軸ステージ50と、コンピュータ22の制御に基づき3軸ステージ50の各軸方向の移動を駆動するアクチュエータ51とを備えている。光学ユニット移動機構18も同様に、3軸ステージ52、及びアクチュエータ53を備えている。
照射装置移動機構16、及び光学ユニット移動機構18のそれぞれが照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12を移動するときには、照射装置10と拡大投射光学ユニット12が同一の光軸K上に常に位置するように移動される。
【0029】
コンピュータ22は、画像解析部60と、走査制御部62とを備えている。
画像解析部60は、撮影装置14によって撮影された画像に基づいて検査対象物2の検査箇所Rでの欠陥の有無を判別する。この判別は、例えば、撮影画像内の輝度分布に基づき、欠陥に起因する暗所を検出することで行われる。
走査制御部62は、検査箇所Rの範囲内で拡大投射光学ユニット12の焦点位置を移動し、各焦点位置の拡大像が撮影装置14に取り込まれるように照射装置移動機構16、光学ユニット移動機構18、及び撮影装置移動機構20のそれぞれを制御する。このとき、走査制御部62は、少なくとも拡大像の縁部がラップするように焦点位置を移動させることで、検査箇所Rの全範囲を漏れなく走査する。この走査制御部62の制御によって、検査箇所Rの焦点位置での拡大像が次々とコンピュータ22に出力され、拡大像のそれぞれについて画像解析部60によって欠陥の有無が判別される。
【0030】
この投射システム1を用いて検査対象物2の検査を行う際には、先ず、検査対象物2を照射装置10と拡大投射光学ユニット12との間に配置する。このとき検査対象物2の検査箇所Rに照射光が照射されるように照射装置10、或いは検査対象物2を移動する。そして、検査対象物2の検査箇所Rを透過した光が入射するように、拡大投射光学ユニット12、及び撮影装置14を照射装置10の光軸Kに合わせ、また拡大投射光学ユニット12の焦点が検査箇所Rに合うように拡大投射光学ユニット12を移動する。
これにより、検査箇所Rの焦点位置の像が撮影装置14に取り込まれ、コンピュータ22に撮影画像が出力される。コンピュータ22では、撮影装置14の撮影画像を画像解析して、撮影画像に写された範囲内での欠陥の有無を判別する。この撮影画像に写る範囲は、必ずしも検査箇所Rの全範囲を含むものではなく、あくまでも拡大投射光学ユニット12の焦点位置の像に対応する範囲に限られる。したがって、検査箇所Rの全範囲について欠陥の有無を判別すべく、コンピュータ22は、照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12を移動させることで検査箇所Rの範囲内で焦点位置を移動させ、順次撮影し、撮影画像に基づいて欠陥の有無を判別する。
【0031】
なお、照射装置10によって検査箇所Rの全範囲に照射光が一斉に照射されている場合には、照射装置10を固定したまま、拡大投射光学ユニット12を移動させても良い。
また、検査対象物2が有する曲面を検査箇所Rとして検査する場合には、検査箇所Rの面に垂直に照射光を入射させるべく、照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12を曲面に沿って移動させることが好ましい。
【0032】
図3は検査対象物2の透過光の様子を示す模式図であり、
図3(A)は検査対象物2に拡散面がない場合を示し、
図3(B)は検査対象物2が拡散面2Aを有する場合を示す。
また
図4は撮影装置14による撮影画像の一例を示す図であり、
図4(A)は拡大投射光学ユニット12を通して撮影した画像を示し、
図4(B)は拡大投射光学ユニット12を用いずに撮影した場合を示す。
【0033】
脈理等の欠陥Dを有する検査対象物2に照射光Eが入射した場合、
図3(A)に示すように、欠陥Dで照射光Eの進行方向が変わるため、透過光の光量分布にあっては、欠陥Dに対応する箇所で透過光の光量が低下する。したがって、透過光量の光量分布を検出し、暗所(他の箇所よりも透過光量が低い箇所)の有無を判別することで欠陥Dの有無を判別可能となる。
一方、
図3(B)に示すように、検査対象物2の透過光が拡散面2Aを通って出射する場合、この拡散面2Aで光の拡散が生じてしまうため、当該拡散によって欠陥Dでの光量変化が埋もれる。この結果、
図4(B)に示すように、欠陥Dを透過した透過光の像を撮影した撮影画像にあっては、画像内での光量変化が小さくなることから、欠陥Dが検出できない。
【0034】
これに対して、欠陥Dに焦点を合わせた拡大投射光学ユニット12を通った透過光の像を撮影した場合、欠陥Dを含む撮影範囲Gの像が撮影されるため、
図4(A)に示すように、撮影画像には、欠陥Dに起因した暗所が鮮明に写り出されることとなり、欠陥Dを検出できるようになる。
なお、
図3(B)の図例示では、拡散面2Aの下に欠陥Dが存在する場合を例示したが、拡散面2Aの表面に欠陥Dが存在する場合も同様である。
【0035】
このように、本実施形態によれば、検査対象物2の検査箇所Rに焦点を有し、検査対象物2からの透過光に基づき検査箇所Rの焦点の像を投射する拡大投射光学ユニット12を備える構成とした。この構成により、検査箇所Rの透過光が拡散面2Aを通る場合でも、検査箇所Rの焦点位置の撮影画像が撮影装置14に取り込まれることから、この撮影画像により検査箇所Rの欠陥を検査できる。
【0036】
また本実施形態によれば、照射装置10は、集光型放電ランプユニット26の光を集光して点光源Sを形成する点光源形成球レンズ28を備え、この点光源形成球レンズ28によって形成された点光源Sからの発散光を検査対象物2に照射する構成とした。
この構成によれば、発散光が検査対象物2に照射されることで、検査対象物2の欠陥(脈理、キズ等)が拡大して投射される。これにより、検査対象物2が拡散面2Aを有しない場合には、透過光を上記拡大投射光学ユニット12を通さずに、直接スクリーン15に投射しても、小さい欠陥を目視で十分に確認することができる。
点光源Sを形成するための光学系を、1つの点光源形成球レンズ28のみから構成したため、複数のレンズを用いて構成された光学系に比べて、レンズの軸合わせが容易となる。
【0037】
また本実施形態によれば、照射装置10は、集光型放電ランプユニット26の光を光軸Kに近付く方向に屈折させて曲げることで発散を抑えて点光源形成球レンズ28に入射する入射球レンズ42を備える構成とした。
この構成によれば、集光型放電ランプユニット26等の光源から発せられて拡散する光を効率良く点光源形成球レンズ28に入射し、点光源Sの光量を上げることができる。
特に本実施形態によれば、集光型放電ランプユニット26の光を光軸Kに近付く方向に屈折させて発散を抑えて点光源形成球レンズ28に入射する入射光学系と、集光型放電ランプユニット26の光から点光源6を形成する点光源形成光学系とを、同軸に設けた一対の球レンズたる入射球レンズ42、及び点光源形成球レンズ28で構成したため、これら入射光学系、及び点光源形成光学系をコンパクトに構成できる。
【0038】
また本実施形態によれば、筒体36の中に球レンズたる点光源形成球レンズ28を設けて点光源形成光学系を構成し、この点光源形成球レンズ28の入射側、及び筒体36の端部開口である出射開口30のそれぞれに、筒体36の内面反射によって生じた光成分を遮蔽する内面反射成分遮蔽部材としての拡散光成分遮蔽用絞り44とアパーチャ46を設ける構成とした。
これら拡散光成分遮蔽用絞り44とアパーチャ46により、筒体36の内面反射に起因して生じた上記拡散光成分43、及び迷光45が遮蔽されるため、照度ムラや投射像のボケを抑え、欠陥Dの像が不鮮明になることを防止できる。
【0039】
また本実施形態によれば、照射装置10は、第1焦点f1、及び第2焦点f2を有する回転楕円反射鏡32と、第1焦点f1に発光点を位置させた放電ランプ34と、第2焦点f2で集光し発散する光のうち、第1焦点f1と発光点のズレに起因する成分を遮蔽して入射球レンズ42に入射する入射用絞り40を備える構成とした。
この構成によれば、放電ランプ34が光源に用いられることで、強い光を照射することができる。さらに、放電ランプ34の発光点は有限の大きさを有しているものの、第1焦点f1から外れた箇所で発光し、照度ムラの要因と成る光成分が入射用絞り40で遮蔽されるため、照度ムラの無い照射光を得ることができる。特に、このような光で点光源Sを形成して照射することで、広い範囲を照度ムラ無く、なおかつ高い照度で照射することができる。
【0040】
特に本実施形態によれば、集光型放電ランプユニット26の光を、筒体36の中に同軸に設けた入射球レンズ42、及び点光源形成球レンズ28を通し、なおかつ、この筒体36の中に上述のように入射用絞り40、拡散光成分遮蔽用絞り44、及びアパーチャ46が設けられることで、筒体36の内面反射の光を有効に利用しつつ、集光型放電ランプユニット26における第1焦点f1と発光点の位置ズレや、放電ランプ34の封じ部での光ロス、光学系の光軸ズレ等による照度ムラや投射像のボケが抑えられる光を検査対象物2に検査光として照射できるから、拡大投射光学ユニット12で拡大した状態でも効果的に検査が可能となる。
【0041】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0042】
上述した実施形態では、拡大投射光学ユニット12を用いて検査箇所Rの焦点の像をスクリーン15の上に拡大して投射し、撮影装置14で撮影する構成を例示したが、撮影装置14を使用せずに、スクリーン15の上に投射された像を目視して欠陥Dの有無を検査することもできる。
また
図5に示すように、撮影装置14を光軸Kの軸上に設け、この撮影装置14のピントを撮影画像に合わせることで、スクリーン15に投射することなく、拡大投射光学ユニット12によって拡大投射された像を直接撮影して検査を行う投射システム100を構成しても良い。撮影装置14は、3軸ステージ54、及びアクチュエータ55を有する撮影装置移動機構20によって、照射装置10、及び拡大投射光学ユニット12の移動に合わせて光軸Kの軸上に位置するように移動可能に構成される。
【0043】
また検査対象物2の透過率によっては、透過光の強度が高すぎて、スクリーン15の上に投射された像が全体的に明るくなり、欠陥Dによる暗所が不明確になり、欠陥Dの判別に支障をきたす虞がある。
また、放電ランプ34の放射光に含まれる赤外波長域の光成分によって検査対象物2に熱的損傷を与えてしまう虞もある。
そこで
図6に示すように、照射光量を調整する手段としての調光板70と、照射光の波長を選択する波長選択手段としての波長選択フィルタ71とを照射装置110が備える構成にしても良い。
【0044】
調光板70は、集光型放電ランプユニット26の第2焦点f2よりも当該集光型放電ランプユニット26の側に配置され、筒体36に入射する光量を調整することで出射光量を可変する。具体的には、
図7に示すように、所定直径の円周70Aに沿って順次に開口幅が漸次に広がる調光スリット75(孔でも良い)が形成されている。この調光板70の円周70Aに光軸を合わせて配置し、当該調光板70を円周70Aの中心Oを軸に回転させることで、調光板70を透過する光量が可変される。この調光板70の回転は、ユーザの図示せぬ操作子に対する操作にしたがって図示せぬモータによって制御される。
調光板70が第2焦点f2よりも当該集光型放電ランプユニット26の側に配置されることで、調光板70によって進行方向に乱れたが生じた光成分を、上記入射用絞り40で遮蔽することができ、照度ムラの発生を抑制できる。
【0045】
波長選択フィルタ71は、赤外波長成分の光をカットする透過型フィルタであり、集光型放電ランプユニット26の第2焦点f2よりも当該集光型放電ランプユニット26の側であって、本変形例では、調光板70と集光型放電ランプユニット26との間に配置される。
波長選択フィルタ71は、光軸Kに対して入射面が垂直ではなく、傾斜角αで入射面が傾斜して配置されている。これにより入射面で反射した光、特に、波長選択フィルタ71で反射されて除去される光成分(本変形例では赤外波長成分の光)が放電ランプ34に戻り(例えば、放電ランプ34の先端部分)、熱的損傷を引き起こすといった事態を防止できる。
【0046】
また
図6に示すように、照射装置110の出射開口30の正面に反射ミラー72を配置し、照射光の進行方向を可変する構成としても良い。
【0047】
上述した実施形態では、検査対象物2を透過した透過光に基づいて欠陥Dの有無を判別する場合を例示したが、これに限らない。すなわち、検査対象物2の表面が金属面や鏡面等の光を反射する面であり、当該表面の検査箇所について傷や塵の付着を検査する場合には、この検査箇所に照射光を照射し、検査箇所からの反射光を、検査箇所に焦点を合わせた拡大投射光学ユニット12を通して検査箇所の焦点位置の像を投射し、この像に基づいて欠陥を判別しても良い。
【0048】
また上述した実施形態では、点光源Sを形成する点光源形成光学系の一例として、球レンズである点光源形成球レンズ28から成る光学系を例示したが、これに限らず、同様の光学的機能を有するものであれば、他の光学素子から成る光学系を用いることもできる。
【0049】
また集光型放電ランプユニット26の光を光軸Kの方向に屈折させて発散を抑えて点光源形成球レンズ28に入射する入射光学系の一例として、球レンズである入射球レンズ42から成る光学系を例示したが、これに限らず、同様の光学的機能を有するものであれば、他の光学素子から成る光学系を用いることもできる。
なお、照射装置が平行光を放射する場合には、照射装置の光を入射光学系を通さずに、点光源形成光学系に直接入射しても良い。
【0050】
また上述した実施形態では、光源の一例として放電ランプ34を備えた集光型放電ランプユニット26を例示したが、これに限らず、例えばLED等の発光素子といった任意の光源を用いることができる。
【0051】
また投射システムは、検査対象物の応力分布を可視化するための偏光器を備えていてもよい。以下、偏光器を備える投射システムを第2の実施形態及び第3の実施形態として説明する。
【0052】
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態に係る投射システムの概略構成図である。
投射システム200は、偏光器201を備え、光弾性の原理を用いて検査対象物2の歪み(応力)Sを検査する検査用投射システムである。
偏光器201は、検査対象物2の入射側及び出射側に設けられた入射側偏光板(偏光素子)202及び出射側偏光板(偏光素子)203を光軸Kと同軸に備えている。入射側偏光板202は、照射装置10の出射開口30の出射側に設けられ、図示しない保持手段によって筒体36に着脱可能な状態で支持されている。出射側偏光板203は、拡大投射光学ユニット12の光学系の入射側に設けられ、図示しない保持手段によって着脱可能な状態で筐体48に支持されている。偏光板202,203の少なくとも一方は回転自在に支持されており、偏光板202,203の相対角度を調節できるようになっている。
【0053】
本実施形態の偏光器201は、鋭敏色法を用いて検査対象物2の応力分布を色分布として可視化する偏光器であり、検査対象物2と出射側偏光板203との間に波長板204を光軸Kと同軸に備えている。この波長板204は、出射側偏光板203とともに筐体48に着脱可能な状態で支持されている。なお、偏光器201は、鋭敏色法を用いた偏光器に限定されるものではなく、各種の偏光器として構成可能である。
この投射システム200は、偏光器201を備える以外は、第1の実施形態で説明した投射システム1と略同様の構成を有するため、ここでは、投射システム1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
このように構成された投射システム200では、偏光板202,203の相対角度を調節し、偏光板202,203の透過軸を略直交させることで、検査対象物2には直線偏光された光が照射され、検査対象物2に生じた応力の大小によって検査対象物2を透過する光に位相差が生じる。位相差のある光が波長板204を透過すると、透過光の位相差が色の違いとして可視化された像がスクリーン15に投射され、スクリーン15に投射された像が撮影装置14により画像として取り込まれることとなる。
本実施形態の画像解析部60は、撮影装置14によって撮影された画像に基づいて検査対象物2の検査箇所Rでの応力の有無及びその分布を判別する。この判別は、例えば、撮影画像内の色の分布を検出することで行われる。
【0055】
なお、検査対象物2の表面のキズや塵等の付着、内部の気泡、脈理といった種類の欠陥Dを観察する場合、着脱可能な状態で支持されている偏光板202,203及び波長板204を取り外して撮影した方がより好適に欠陥Dを検出することができる場合がある。
したがって、本実施形態では、検出したい欠陥Dに応じて、偏光板202,203及び波長板204を配設するか否かを適宜選択することが可能である。
【0056】
図9及び
図10は、撮影装置14による撮影画像の一例を示す図であり、
図9(A)〜
図9(C)及び
図10(A)〜
図10(C)は拡大投射光学ユニット12及び偏光器201を通して撮影した画像を示し、
図9(D)〜
図9(F)及び
図10(D)〜
図10(F)は拡大投射光学ユニット12及び偏光器201を用いずに撮影した場合を示す。なお、検査対象物2として、
図9では発光管を、
図10ではスポイト、緩衝材及びプラスチック板を撮影している。また、
図9(A)〜
図9(C)及び
図10(A)〜
図10(C)は、偏光板202,203の透過軸を直交状態から適宜ずらして撮影した撮影画像である。
【0057】
拡大投射光学ユニット12及び偏光器201を通して検査対象物2を撮影すると、検査対象物2が発光管等の奥行きのある立体物であっても、発光管の検査箇所に拡大投射光学ユニット12の焦点位置を移動して撮影することで、
図9(A)〜
図9(C)及び
図10(A)〜
図10(C)に示すように、撮影画像には、検査対象物2に残留する応力(残留歪みS)の分布が色の違いとなって写し出されることとなり、応力の分布を検出できるようになる。
一方、拡大投射光学ユニット12を用いずに検査対象物2を撮影すると、検査対象物2が立体物であるため、検査対象物2を透過する光の量が検査箇所Rの全体で低下し、
図9(D)〜
図9(F)及び
図10(D)〜
図10(F)に示すように、撮影画像には、検査対象物2の影のみが写り出されることとなり、応力の分布が検出できない。
【0058】
このように、本実施形態によれば、検査対象物2の入射側と出射側にそれぞれ偏光板202,203を設けたため、検査対象物2の応力の分布が色分布として可視化された撮影画像が撮影装置14に取り込まれることから、この撮影画像の色の違いにより検査箇所Rの応力の分布を検査できる。
【0059】
また本実施形態によれば、入射側と出射側の偏光板202,203の少なくとも一方を回転自在に支持したため、偏光板202,203の相対角度が可変であり、検査対象物2に応じて見え方を適宜調整できる。
さらに、偏光板202,203及び波長板204は着脱可能な状態で支持されているため、一つの投射システム200において、応力分布観察のみならず、偏光板202,203及び波長板204を外した状態で各種欠陥の観察が可能となる。
【0060】
なお、本実施形態では、出射側偏光板203を、拡大投射光学ユニット12の光学系の入射側に設けたが、これに限らず、例えば、拡大投射光学ユニット12の光学系の出射側に設けてもよい。
また、出射側偏光板203と拡大投射光学ユニット12との間に、出射側偏光板203以外からの光を遮る遮光板を設けてもよい。これにより、出射側偏光板203以外からの光によって色が不明確になることによって応力分布の判別に支障をきたすことを防止できる。
【0061】
<第3の実施形態>
図11は、第3の実施形態に係る投射システム300の概略構成図である。
投射システム300は、検査対象物2及び偏光器201をチャンバ301に収めてユニット化し、検査対象物2を試験可能とした試験ユニット(試験手段)302を備えている。チャンバ301は、拡大投射光学ユニット12の焦点位置と外れた位置に一対の窓303,304を備えており、一方が入射窓303、他方が出射窓304となる。チャンバ301内において、検査対象物2は支持台24により支持されており、入射側偏光板202、出射側偏光板203及び波長板204はチャンバ301に支持されている。チャンバ301は、図示は省略するが、加熱手段や加圧手段によって、検査対象物2に熱的及び又は機械的外力を加えることができるように構成されている。
【0062】
試験ユニット302は、試験ユニット移動機構305によって直交3軸方向に移動可能に構成されている。試験ユニット移動機構305は、試験ユニット302が載置され直交3軸の各軸方向に独立して移動可能な3軸ステージ306と、コンピュータ22の制御に基づき3軸ステージ50の各軸方向の移動を駆動するアクチュエータ307とを備えている。照射装置移動機構16、光学ユニット移動機構18及び試験ユニット移動機構305のそれぞれが照射装置10、拡大投射光学ユニット12及び試験ユニット302を移動するときには、照射装置10と拡大投射光学ユニット12と試験ユニット302が同一の光軸K上に常に位置するように移動される。
【0063】
本実施形態のコンピュータ22は、画像解析部60及び走査制御部62に加え、試験操作部308を備えている。試験操作部308は、試験ユニット移動機構305を制御するとともに、加熱手段や加圧手段を制御して、検査対象物2に熱的及び又は機械的外力を加える。
したがって、投射システム300では、検査対象物2に熱的及び又は機械的外力を加えながら、外力によって検査対象物2に生じる応力を検査することができる。
なお、投射システム300は、チャンバ301、試験ユニット移動機構305及び試験操作部308を備える以外は、第2の実施形態で説明した投射システム200と略同様の構成を有するため、ここでは、投射システム200と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
図12は、撮影装置14による撮影画像の一例を示す図であり、
図12(A)は検査対象物2に外力を加えずに撮影した画像を示し、
図12(B)及び(C)は検査対象物2を加熱して撮影した画像を示し、
図12(D)及び
図12(E)は検査対象物2を冷却して撮影した場合を示す。
図13は、撮影装置14による撮影画像の一例を示す図であり、
図13(A)は検査対象物2に外力を加えずに撮影した画像を示し、
図13(B)は検査対象物2を加熱して撮影した画像を示す。
図14は、撮影装置14による撮影画像の一例を示す図であり、
図14(A)は検査対象物2に外力を加えずに撮影した画像を示し、
図14(B)は検査対象物2を加圧して撮影した画像を示す。なお、検査対象物2として、
図12ではプラスチックを、
図13ではアクリル板を、
図14では耐熱ガラス(テンパックス)を撮影している。
【0065】
検査対象物2に熱(温熱及び冷熱)を加えながら拡大投射光学ユニット12及び偏光器201を通して検査対象物2を撮影すると、
図12及び
図13に示すように、撮影画像には、検査対象物2に掛かる応力の分布が色の違いとなって写り出されることとなり、応力の分布を検出できるようになる。特に、
図12では、プラスチックに印字されたU字の周辺で特に色が変化しており、
図13では、全体的に色が変化している。なお、
図13における複数の線はアクリル板の表面の傷である。
また、検査対象物2に万力で圧力を加えながら拡大投射光学ユニット12及び偏光器201を通して検査対象物2を撮影すると、
図14に示すように、撮影画像には、検査対象物2と万力との接触部分で色が変化し、応力Sが生じることが写し出される。
【0066】
このように、本実施形態によれば、検査対象物2に熱的及び又は機械的外力を加える試験ユニット302を備えたため、検査対象物2に外力を加えながら、その外力によって生じる検査対象物2の応力分布を検査できる。
【0067】
なお、本実施形態では、偏光器201をチャンバ301に収めたが、これに限定されず、例えば、第2の実施形態のように、入射側偏光板202を照射装置10に設け、出射側偏光板203及び波長板204を拡大投射光学ユニット12に設けてもよい。