【実施例】
【0044】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
[測定方法]
本実施例における各値は、以下の方法に従って求めた。
【0045】
(1)透気度評価
100×100mmの試験片を採取し、JISL8117に準拠して透気度を測定した。評価は、耐熱性多孔質層が積層されたポリオレフィン多孔質膜された透気度(秒/100cc)から、耐熱性多孔質層が積層されていないポリオレフィン多孔質膜(膜厚16μm、透気度200秒/100cc)の透気度を引いた値で表した。
【0046】
(2)剥離試験
耐熱性多孔質層に対してJISD0202−1988に準拠して碁盤目テープ剥離試験を行った。セロハンテープを指の腹で耐熱性多孔質層に密着させた後、テープをセパレータから剥離した。判定は100マスの内、耐熱性多孔質層が剥離しなかったマス目の数、すなわち、非剥離割合で表し、耐熱性多孔質層が1マス全てで剥離した場合を0、耐熱性多孔質層が100マス全部で剥離しなかった場合を100として表した。
【0047】
(3)分子量の測定
GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフ)法を用いて数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)を測定した。尚、Mn及びMzについては、例えば、「改訂高分子合成の化学」(発行所:株式会社化学同人、1981)第9頁〜第12頁に説明されており、通常、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)で測定される。具体的には、ポリアミドイミド樹脂にアセトンを添加し、生じた沈殿をろ過して得たろ過物を乾燥させる。得られた乾燥ろ過物を0.01g量り取り、DMF10gに溶解する。このようにして得られた溶液を、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)で測定し、示差屈折率計で検出した。主なGPC測定条件は、東ソー(株)製「HLC−82020」を用いた。また、リファレンス側のカラムとしては東ソー(株)製「TSKgel2500」と「TSKgel3000」を組み合わせて用い、サンプル側のカラムには東ソー(株)製「TSKgelGMHHR−M」を2本組み合わせて用い、流速は1ml/分、試料注入量は100μl、カラム温度は50℃とした。
【0048】
また、検量線作成試料としてはポリスチレンを用い、Mn、Mzは本装置を用いて算出される数値をもって測定結果とした。尚、Mn、及びMzは、単位体積中にMiなる分子量のポリマー分子がni個存在するものとすると、それぞれ以下の式(1)、式(2)で定義される。
Mn=ΣniMi/Σni ・・・(1)
Mz=Σni(Mi)
3/Σni(Mi)
2 ・・・(2)
すなわち、Mnは、高分子化合物に含まれる低分子量物の寄与を敏感に受ける。これに対して、Mzは、高分子量物の寄与を大いに受けることが式より推定できるため、Mzは高分子量体の存在を、より具体的に示す値となる。
【0049】
(4)膜状態の評価
膜状態の評価は以下の方法を用いた。
各実施例、比較例で使用したポリアミドイミドを用いて粘度が1000mPa・sになるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈し、バーコーターを用いて200mm角、厚さ16μm、ガーレ透気度値200秒/100ccのポリオレフィン多孔質膜上に2μmの厚みで塗布し、60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50中に約30秒静かに浸漬させた後、20℃の水浴に静かに移動させ、5分後に取り出すことでポリオレフィン多孔質膜上に積層された耐熱性多孔質層である多孔質ポリアミドイミド膜を得る工程内において、膜の剥がれ状況を目視で確認し、面積の半分以上に剥がれが見られた時を×、ほとんど剥がれが確認できなかったものを○とした。
【0050】
[実施例1]
窒素雰囲気下中の2Lセパラブルフラスコ中にトリメリット酸無水物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートをそれぞれ同モル量、フッ化カリウムをトリメリット酸無水物に対し0.01mol%、を加え固形分32重量%になるようにN−メチル−2−ピロリドン加えた後、180℃、7時間撹拌させることで、表1の実施例1に記載した分子量のポリアミドイミドを合成した。
このポリアミドイミドを用いて粘度が1000mPa・s,になるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈し、バーコーターを用いて16μmのポリオレフィン多孔質膜上に塗布し、60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50中に約30秒静かに浸漬させた後、20℃の水浴に静かに移動させ、5分後に取り出すことでポリオレフィン多孔質上に積層された耐熱性多孔質層である多孔質ポリアミドイミド膜を得た。
【0051】
[実施例2]
材料は実施例1と同様で、190℃、9.5時間撹拌させることにより表1の実施例2に記載した分子量のポリアミドイミドを合成した。このポリアミドイミドを用いた以外には実施例1と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド膜を得た。
【0052】
[実施例3]
材料は実施例1と同様で、200℃で10.5時間撹拌させることにより表1の実施例3に記載した分子量のポリアミドイミドを合成した。このポリアミドイミドを用いた以外には実施例1と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド膜を得た。
【0053】
[実施例4]
材料は実施例1と同様にして、120℃で4時間撹拌後、180℃、24時間撹拌させることで表1の実施例4に記載した分子量のポリアミドイミドを合成した。このポリアミドイミドを用いた以外には実施例1と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド膜を得た。
【0054】
[実施例5]
材料は実施例1と同様にして、120℃で4時間撹拌後180℃、31時間撹拌させ、その後室温で約2週間撹拌を行うことで表1の実施例5に記載した分子量のポリアミドイミドを合成した。このポリアミドイミドを用いた以外には実施例1と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド膜を得た。
【0055】
[比較例1]
材料は実施例1と同様に固形分15重量%、反応時間を160℃で2時間撹拌させることで表1の比較例1に記載した分子量のポリアミドイミドを合成した。このポリアミドイミドを用いた以外には実施例1と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド膜を得た。
【0056】
[比較例2]
材料は実施例1と同様に固形分15重量%、反応時間を180℃で2時間撹拌させることで表1の比較例2に記載した分子量のポリアミドイミドを合成した。このポリアミドイミドを用いた以外には実施例1と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド膜を得た。
【0057】
[比較例3]
材料は実施例1と同様に、固形分30w%、反応時間を100℃、1時間撹拌後、185℃で6時間撹拌させることで、表1の比較例3に記載した分子量のポリアミドイミドを合成した。
このポリアミドイミドを用いた以外には実施例1と同様の方法でポリオレフィン多孔質膜上に積層された多孔質ポリアミドイミド膜を得た。
【0058】
[比較例4]
材料は実施例1と同様に固形分25重量%、反応時間を170℃、7時間撹拌させることで表1の比較例4に記載した分子量のポリアミドイミドを合成した。このポリアミドイミドを用いた以外には実施例1と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド膜を得た。
【0059】
[実施例6]
実施例1で作製したポリアミドイミドに一般に市販されている二酸化ケイ素(粒径0.1μm)をポリアミドイミドに対して20w%の重量になるように加えたのち、粘度が1000mPa・sになるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈し、その後バーコーターを用いて16μmのポリオレフィン多孔質膜上に2μmの厚みで塗布し、60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50中に約30秒静かに浸漬させた後、20℃の水浴に静かに移動させ、5分後に取り出すことで、ポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−二酸化ケイ素混合膜を得た。
【0060】
[実施例7]
実施例6で使用したポリアミドイミドの代わりに実施例2で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例6と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−二酸化ケイ素混合膜を得た。
【0061】
[実施例8]
実施例6で使用したポリアミドイミドの代わりに実施例3で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例6と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−二酸化ケイ素混合膜を得た。
【0062】
[実施例9]
実施例6で使用したポリアミドイミドの代わりに実施例4で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例6と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−二酸化ケイ素混合膜を得た。
【0063】
[実施例10]
実施例6で使用したポリアミドイミドの代わりに実施例5で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例6と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−二酸化ケイ素混合膜を得た。
【0064】
[比較例5]
実施例6で使用したポリアミドイミドの代わりに比較例1で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例6と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−二酸化ケイ素混合膜を得た。
【0065】
[比較例6]
実施例6で使用したポリアミドイミドの代わりに比較例2で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例6と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−二酸化ケイ素混合膜を得た。
【0066】
[比較例7]
実施例6で使用したポリアミドイミドの代わりに比較例3で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例6と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−二酸化ケイ素混合膜を得た。
【0067】
[比較例8]
実施例6で使用したポリアミドイミドの代わりに比較例4で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例6と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−二酸化ケイ素混合膜を得た。
【0068】
[実施例11]
実施例1で作製したポリアミドイミドに一般に市販されている酸化アルミニウム(粒径0.1μm)をポリアミドイミドに対して20w%の重量になるように加えたのち、粘度が1000mPa・sになるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈し、その後バーコーターを用いて16μmのポリオレフィン多孔質膜上に2μmの厚みで塗布し、60℃の水/N−メチル―2−ピロリドン=50/50中に約30秒静かに浸漬させた後、20℃の水浴に静かに移動させ、5分後に取り出すことで、ポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−酸化アルミニウム混合膜を得た。
【0069】
[実施例12]
実施例11で使用したポリアミドイミドの代わりに実施例2で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例11と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−酸化アルミニウム混合膜を得た。
【0070】
[実施例13]
実施例11で使用したポリアミドイミドの代わりに実施例3で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例11と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−酸化アルミニウム混合膜を得た。
【0071】
[実施例14]
実施例11で使用したポリアミドイミドの代わりに実施例4で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例11と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド―酸化アルミニウム混合膜を得た。
【0072】
[実施例15]
実施例11で使用したポリアミドイミドの代わりに実施例5で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例11と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−酸化アルミニウム混合膜を得た。
【0073】
[比較例9]
実施例11で使用したポリアミドイミドの代わりに比較例1で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例11と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド―酸化アルミニウム混合膜を得た。
【0074】
[比較例10]
実施例11で使用したポリアミドイミドの代わりに比較例2で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例11と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−酸化アルミニウム混合膜を得た。
【0075】
[比較例11]
実施例11で使用したポリアミドイミドの代わりに比較例3で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例11と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−酸化アルミニウム混合膜を得た。
【0076】
[比較例12]
実施例11で使用したポリアミドイミドの代わりに比較例4で作製したポリアミドイミドを用いた以外には実施例11と同様の方法でポリオレフィン多孔質上に積層された多孔質ポリアミドイミド−酸化アルミニウム混合膜を得た。
【表1】
【表2】
【表3】
【0077】
表1、表2、表3に示すように、実施例1〜15においては目詰まり軽減による透気度の向上と密着性の向上が確認されたのに比べて、比較例1〜12においてはこれらの特性が低いことが判明した。