(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の油圧ホースクランプでは、アタッチメントの回動動作に追従して油圧ホースが動いた場合に、油圧ホースを適切な位置に固定しておくことが困難であるという問題があった。
【0007】
具体的に、従来の油圧ホースクランプでは、グロメット部材を一対の挟持部材で挟持し、その挟持方向に締結ボルトで締め付けることでグロメット部材をクランプしている。そのため、グロメット部材に対しては、締結ボルトの締め付け方向にのみ拘束力が働いており、締め付け方向に直交する方向については、ほとんど拘束力が働いていない。つまり、アタッチメントの回動動作に追従して油圧ホースが動くと、クランプ部材の拘束力が働いていない方向にグロメット部材が変形又は移動してしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、アタッチメントの回動動作に追従してグロメット部材が変形又は移動しないように、グロメット部材を確実に固定できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、油圧ホースを保持するグロメット部材を所定の固定面に押し付けて固定するための油圧ホースクランプを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、第1の発明は、前記固定面を有するとともに、所定角度で傾斜したガイド面が形成されたガイド部が前記グロメット部材の外側に設けられた固定部材と、
前記グロメット部材を挟んで前記固定部材に対向するように配置された押圧部材と、
前記グロメット部材の外側に配置され、前記ガイド部のガイド面に対応して傾斜した当接面が形成された挟持部材と、
前記グロメット部材を前記押圧部材と前記固定部材とで締め付けて固定する締結部材とを備え、
前記挟持部材は、前記締結部材の締め付け動作に連動して、前記ガイド部のガイド面に沿って前記グロメット部材側に移動するように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
第1の発明では、グロメット部材は、締結部材によって押圧部材と固定部材とを締め付けることで固定される。固定部材は、グロメット部材を押し付ける固定面と、グロメット部材の外側に設けられたガイド部とを有する。ガイド部には、所定角度で傾斜したガイド面が形成される。また、グロメット部材の外側には、挟持部材が配置される。挟持部材には、ガイド部のガイド面に対応して傾斜した当接面が形成される。そして、挟持部材は、締結部材の締め付け動作に連動して、ガイド部のガイド面に沿ってグロメット部材側に移動する。
【0012】
このような構成とすれば、締結部材を締め付けるだけで、締め付け方向については押圧部材と固定部材とでグロメット部材が固定され、締め付け方向と直交する方向については挟持部材によってグロメット部材が固定されることとなり、グロメット部材を複数の方向から拘束して確実に固定することができる。
【0013】
また、第2の発明は、前記固定面を有するとともに、所定角度で傾斜したガイド面が形成されたガイド部が前記グロメット部材の外側に設けられた固定部材と、
前記グロメット部材を挟んで前記固定部材に対向するように配置された押圧部材と、
前記グロメット部材を前記押圧部材と前記固定部材とで締め付けて固定する締結部材とを備え、
前記グロメット部材は、幅方向に並ぶように複数配置されるとともに、外側に配置された該グロメット部材には、前記ガイド部のガイド面に対応して傾斜した当接面が形成され、
外側に配置された前記グロメット部材は、前記締結部材の締め付け動作に連動して、前記ガイド部のガイド面に沿って内側の該グロメット部材側に移動するように構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
第2の発明では、グロメット部材は、締結部材によって押圧部材と固定部材とを締め付けることで固定される。固定部材は、グロメット部材を押し付ける固定面と、グロメット部材の外側に設けられたガイド部とを有する。ガイド部には、所定角度で傾斜したガイド面が形成される。また、グロメット部材は、幅方向に並ぶように複数配置される。外側に配置されたグロメット部材には、ガイド部のガイド面に対応して傾斜した当接面が形成される。そして、外側に配置されたグロメット部材は、締結部材の締め付け動作に連動して、ガイド部のガイド面に沿って内側のグロメット部材側に移動する。
【0015】
このような構成とすれば、締結部材を締め付けるだけで、締め付け方向については押圧部材と固定部材とでグロメット部材が固定され、締め付け方向と直交する方向については外側に配置されたグロメット部材によって内側のグロメット部材が固定されることとなり、グロメット部材を複数の方向から拘束して確実に固定することができる。
【0016】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記ガイド面又は前記当接面のうち一方の面には、傾斜方向に延びるガイド突起が形成され、他方の面には、該ガイド突起に摺動自在に嵌合されるガイド溝が形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
第3の発明では、ガイド面又は当接面のうち一方の面に、傾斜方向に延びるガイド突起が形成される。また、他方の面に、ガイド突起に摺動自在に嵌合されるガイド溝が形成される。
【0018】
このような構成とすれば、締結部材の締め付け動作に連動して、ガイド部のガイド面に沿って挟持部材がグロメット部材側に移動する際に、ガイド突起及びガイド溝によって傾斜方向のみに移動するように規制されるため、位置ずれすることなくスムーズにグロメット部材側に移動させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、締結部材を締め付けるだけで、締め付け方向については押圧部材と固定部材とでグロメット部材が固定され、締め付け方向と直交する方向については挟持部材によってグロメット部材が固定されることとなり、グロメット部材を複数の方向から拘束して確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態1に係る建設機械の全体構成を示す側面図である。
【
図2】本実施形態1に係る油圧ホースクランプの取付位置を示す斜視図である。
【
図3】本実施形態1に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。
【
図4】(a)は締結ボルトの締め付け前の状態を示す平面断面図であり、(b)は締結ボルトの締め付け後の状態を示す平面断面図である。
【
図5】本実施形態2に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。
【
図6】(a)は締結ボルトの締め付け前の状態を示す平面断面図であり、(b)は締結ボルトの締め付け後の状態を示す平面断面図である。
【
図7】本実施形態3に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。
【
図8】(a)は締結ボルトの締め付け前の状態を示す平面断面図であり、(b)は締結ボルトの締め付け後の状態を示す平面断面図である。
【
図9】本実施形態4に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。
【
図10】(a)は締結ボルトの締め付け前の状態を示す平面断面図であり、(b)は締結ボルトの締め付け後の状態を示す平面断面図である。
【
図11】本実施形態5に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。
【
図13】(a)は締結ボルトの締め付け前の状態を示す平面断面図であり、(b)は締結ボルトの締め付け後の状態を示す平面断面図である。
【
図15】本実施形態6に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図であり、(a)はガイド突起とガイド溝とを嵌合させる前の状態を示す平面図であり、(b)はガイド突起とガイド溝とを嵌合させた後の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0022】
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る建設機械の構成を示す側面図である。
図1に示すように、この建設機械1は、いわゆる油圧ショベルであり、土木工事や建設工事を行う建設現場で土砂の掘削、砕石、建物の解体などを行うものである。建設機械1は、多数の板状部材を無端状に連結してなるクローラ2を備えた下部走行体3と、下部走行体3の上側に旋回装置4を介して取り付けられた上部旋回体5とを備えている。
【0023】
上部旋回体5の下部には基台10が設けられ、この基台10の上面における進行方向前側にはアタッチメント11が設けられている。このアタッチメント11は、基台10に対して上下方向に傾動可能に取り付けられたブーム12と、ブーム12の先端に揺動可能に取り付けられたアーム13と、アーム13の先端に連結されたバケット14とを備えている。
【0024】
基台10の上面におけるアタッチメント11の取付位置の隣りには、オペレータ用のキャビン15が配設されている。キャビン15内には、アタッチメント11を操作するための図示しない操作機器や空調機器が配設されている。基台10の上面におけるアタッチメント11の後方には、エンジンや油圧ポンプ等が配設されており、これらはカバー16により覆われている。さらに基台10の上面におけるカバー16後方にはカウンタウエイト17が装着されている。
【0025】
図2は、本実施形態1に係る油圧ホースクランプの取付位置を示す斜視図である。
図2に示すように、上部旋回体5の基台10上には、旋回モータ20と、油圧ポンプ25と、コントロールバルブ30とが配置されている。
【0026】
基台10には、装置前後方向に延びる一対のブームブラケット18が立設している。ブームブラケット18には、給排チューブ35を挿通させる挿通孔18aが形成されている。旋回モータ20は、一対のブームブラケット18の間に配置されている。油圧ポンプ25は、ブームブラケット18の外側後部に配置されている。コントロールバルブ30は、ブームブラケット18の外側前部に配置されている。
【0027】
旋回モータ20は、上部旋回体5を旋回させるためのモータである。旋回モータ20の上部には、給排ポートが設けられている。この給排ポートには、継手35aを介して給排チューブ35の一端が接続されている。給排チューブ35の他端は、挿通孔18aを通るように取り回され、継手35aを介してコントロールバルブ30の給排ポートに接続されている。
【0028】
油圧ポンプ25は、作動油を吐出してコントロールバルブ30に圧送するものである。油圧ポンプ25には、給排チューブ35の一端が接続されている。給排チューブ35の他端は、継手35aを介してコントロールバルブ30の給排ポートに接続されている。これにより、油圧ポンプ25から圧送された作動油が給排チューブ35を介してコントロールバルブ30内に供給されるようになっている。
【0029】
コントロールバルブ30は、油圧ポンプ25から吐出された作動油の供給制御を行うものである。このコントロールバルブ30は、略直方体状に形成されたブロック体で構成されている。
【0030】
コントロールバルブ30の側壁面には、旋回モータ20に接続される給排ポート、アーム13用の接続ポート、ブーム12用の接続ポート、及びバケット14用の接続ポートが設けられている。
【0031】
アーム13用の接続ポートには、継手36aを介してアーム13用の油圧ホース36の一端が接続されている。油圧ホース36の他端は、上方に向かって延びるように取り回されて、油圧ホースクランプ40により保持されている。なお、図示は省略するが、バケット14用の接続ポートと、バケット14用の接続ポートにも同様に油圧ホース36が接続され、油圧ホースクランプ40により保持される。
【0032】
図3は、本実施形態1に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。
図3に示すように、油圧ホースクランプ40は、油圧ホース36を保持するグロメット部材41と、ブームブラケット18(
図2参照)に取り付けられた固定部材42と、グロメット部材41を挟んで固定部材42に対向するように配置された押圧部材44と、グロメット部材41の外側に配置された一対の挟持部材46と、グロメット部材41を押圧部材44と固定部材42とで締め付けて固定する締結部材48とを備えている。
【0033】
グロメット部材41は、略直方体状に形成されたゴム材で構成され、油圧ホース36や配線等を挿通させる3つのホース孔41aが形成されている。また、長手方向の両端部には、嵌合凹部41bが形成され、この嵌合凹部41bを固定部材42及び押圧部材44に嵌合させることで、グロメット部材41が保持される。グロメット部材41は、幅方向に4つ並んで配置されている。
【0034】
固定部材42は、グロメット部材41を押し付けて固定するための固定面42aを有している。また、固定部材42におけるグロメット部材41の外側には、ガイド部43が設けられている。ガイド部43には、所定角度で傾斜したガイド面43aが形成され、台形状に形成されている。ガイド部43は、溶接等により固定部材42に接合されている。固定部材42には、ガイド部43を貫通して締結部材48を挿通させる貫通孔42bが形成されている(
図4参照)。
【0035】
押圧部材44は、グロメット部材41を挟んで固定部材42に対向するように配置され、固定部材42の固定面42aにグロメット部材41を押し付けて保持するものである。押圧部材44には、締結部材48を挿通させる貫通孔44aが形成されている。
【0036】
挟持部材46は、グロメット部材41の外側に配置されている。挟持部材46には、ガイド部43のガイド面43aに対応して傾斜した当接面46aが形成されている。また、挟持部材46には、締結部材48を挿通させる貫通孔46bが形成されている。この貫通孔46bは、締結部材48の軸部の軸径よりも大径に形成されている。これにより、締結部材48を締め付けたときに、挟持部材46がガイド面43aに沿ってグロメット部材41側に移動可能となっている。なお、挟持部材46の貫通孔46bは、ガイド面43aに沿う方向に延びる長孔に形成してもよい。
【0037】
締結部材48は、グロメット部材41を押圧部材44と固定部材42とで締め付けて固定するためのものであり、締結ボルトで構成されている。そして、締結部材48の軸部は、押圧部材44、挟持部材46、及び固定部材42の貫通孔44a,46b,42bに挿通され、固定部材42の外面に配置された締結ナット49に締結される。
【0038】
次に、グロメット部材41を固定する手順について
図4を参照しながら説明する。
図4(a)に示すように、固定部材42の固定面42aにグロメット部材41の嵌合凹部41bを嵌合させる。そして、締結部材48の軸部を、押圧部材44、挟持部材46、及び固定部材42の貫通孔44a,46b,42bに挿通させ、締結部材48の軸端部を締結ナット49に締結させる。締結部材48を締め付ける前の状態では、グロメット部材41と押圧部材44との間には隙間が設けられている。また、グロメット部材41と挟持部材46との間にも隙間が設けられている。
【0039】
そして、
図4(b)に示すように、締結部材48を締め付けていくと、グロメット部材41の嵌合凹部41bが押圧部材44に嵌合され、押圧部材44と固定部材42との間でグロメット部材41が挟持される。一方、挟持部材46は、締結部材48の締め付け動作に連動して、ガイド部43のガイド面43aに沿ってグロメット部材41側に移動する。これにより、一対の挟持部材46の間でグロメット部材41が挟持される。
【0040】
このような構成とすれば、締結部材48を締め付けるだけで、締め付け方向については押圧部材44と固定部材42とでグロメット部材41が固定され、締め付け方向と直交する方向については挟持部材46によってグロメット部材41が固定されることとなり、グロメット部材41を複数の方向から拘束して確実に固定することができる。
【0041】
《実施形態2》
図5は、本実施形態2に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。前記実施形態1との違いは、外側に配置されたグロメット部材41に当接面41cを形成するようにした点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0042】
図5に示すように、油圧ホースクランプ40は、グロメット部材41と、固定部材42と、押圧部材44と、締結部材48とを備えている。
【0043】
固定部材42におけるグロメット部材41の外側には、ガイド部43が設けられている。ガイド部43には、所定角度で傾斜したガイド面43aが形成され、台形状に形成されている。ガイド部43は、溶接等により固定部材42に接合されている。固定部材42には、ガイド部43を貫通して締結部材48を挿通させる貫通孔42bが形成されている(
図6参照)。
【0044】
グロメット部材41は、幅方向に4つ並んで配置されている。4つのグロメット部材41のうち外側に配置された2つのグロメット部材41には、ガイド部43のガイド面43aに対応して傾斜した当接面41cが形成されている。これにより、締結部材48を締め付けたときに、外側に配置されたグロメット部材41がガイド面43aに沿って内側のグロメット部材41側に移動可能となっている。
【0045】
締結部材48の軸部は、押圧部材44及び固定部材42の貫通孔44a,42bに挿通され、固定部材42の外面に配置された締結ナット49に締結される。
【0046】
次に、グロメット部材41を固定する手順について
図6を参照しながら説明する。
図6(a)に示すように、押圧部材44にグロメット部材41の嵌合凹部41bを嵌合させる。そして、締結部材48の軸部を、押圧部材44及び固定部材42の貫通孔44a,42bに挿通させ、締結部材48の軸端部を締結ナット49に締結させる。締結部材48を締め付ける前の状態では、グロメット部材41と固定部材42との間には隙間が設けられている。
【0047】
そして、
図6(b)に示すように、締結部材48を締め付けていくと、グロメット部材41の嵌合凹部41bが固定部材42に嵌合され、押圧部材44と固定部材42との間でグロメット部材41が挟持される。一方、外側に配置されたグロメット部材41は、締結部材48の締め付け動作に連動して、ガイド部43のガイド面43aに沿って内側のグロメット部材41側に移動する。これにより、外側のグロメット部材41の間で内側のグロメット部材41が挟持される。
【0048】
このような構成とすれば、締結部材48を締め付けるだけで、締め付け方向については押圧部材44と固定部材42とでグロメット部材41が固定され、締め付け方向と直交する方向については外側に配置されたグロメット部材41によって内側のグロメット部材41が固定されることとなり、グロメット部材41を複数の方向から拘束して確実に固定することができる。
【0049】
《実施形態3》
図7は、本実施形態3に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。前記実施形態1との違いは、ガイド部43の形状が異なっている点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0050】
図7に示すように、油圧ホースクランプ40は、グロメット部材41と、固定部材42と、押圧部材44と、挟持部材46と、締結部材48とを備えている。
【0051】
固定部材42におけるグロメット部材41の外側には、ガイド部43が設けられている。ガイド部43には、所定角度で傾斜したガイド面43aと、ガイド面43aの頂点部から反対側に傾斜した係合面43bとが形成されている。ガイド部43は、溶接等により固定部材42に接合されている。固定部材42には、ガイド部43を貫通して締結部材48を挿通させる貫通孔42bが形成されている(
図8参照)。
【0052】
挟持部材46は、グロメット部材41の外側に配置されている。挟持部材46には、ガイド部43のガイド面43aに対応して傾斜した当接面46aと、係合面43bに対応して傾斜した係合面46cとが形成されている。また、挟持部材46には、締結部材48を挿通させる貫通孔46bが形成されている。この貫通孔46bは、締結部材48の軸部の軸径よりも大径に形成されている。これにより、締結部材48を締め付けたときに、挟持部材46がガイド面43aに沿ってグロメット部材41側に移動可能となっている。
【0053】
次に、グロメット部材41を固定する手順について
図8を参照しながら説明する。
図8(a)に示すように、固定部材42の固定面42aにグロメット部材41の嵌合凹部41bを嵌合させる。そして、締結部材48の軸部を、押圧部材44、挟持部材46、及び固定部材42の貫通孔44a,46b,42bに挿通させ、締結部材48の軸端部を締結ナット49に締結させる。締結部材48を締め付ける前の状態では、グロメット部材41と押圧部材44との間には隙間が設けられている。また、グロメット部材41と挟持部材46との間にも隙間が設けられている。
【0054】
そして、
図4(b)に示すように、締結部材48を締め付けていくと、グロメット部材41の嵌合凹部41bが押圧部材44に嵌合され、押圧部材44と固定部材42との間でグロメット部材41が挟持される。一方、挟持部材46は、締結部材48の締め付け動作に連動して、ガイド部43のガイド面43aに沿ってグロメット部材41側に移動する。これにより、一対の挟持部材46の間でグロメット部材41が挟持される。そして、締め付け後の状態では、ガイド部43の係合面43bと、挟持部材46の係合面46cとが互いに当接して係合される。
【0055】
《実施形態4》
図9は、本実施形態4に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。前記実施形態1との違いは、ガイド部43の形状が異なっている点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0056】
図9に示すように、油圧ホースクランプ40は、グロメット部材41と、固定部材42と、押圧部材44と、挟持部材46と、締結部材48とを備えている。
【0057】
固定部材42におけるグロメット部材41の外側には、ガイド部43が設けられている。ガイド部43には、所定角度で傾斜したガイド面43aが形成され、三角形状に形成されている。ガイド部43は、溶接等により固定部材42に接合されている。固定部材42には、ガイド部43を貫通して締結部材48を挿通させる貫通孔42bが形成されている(
図10参照)。
【0058】
次に、グロメット部材41を固定する手順について
図10を参照しながら説明する。
図10(a)に示すように、固定部材42の固定面42aにグロメット部材41の嵌合凹部41bを嵌合させる。そして、締結部材48の軸部を、押圧部材44、挟持部材46、及び固定部材42の貫通孔44a,46b,42bに挿通させ、締結部材48の軸端部を締結ナット49に締結させる。締結部材48を締め付ける前の状態では、グロメット部材41と押圧部材44との間には隙間が設けられている。また、グロメット部材41と挟持部材46との間にも隙間が設けられている。
【0059】
そして、
図10(b)に示すように、締結部材48を締め付けていくと、グロメット部材41の嵌合凹部41bが押圧部材44に嵌合され、押圧部材44と固定部材42との間でグロメット部材41が挟持される。一方、挟持部材46は、締結部材48の締め付け動作に連動して、ガイド部43のガイド面43aに沿ってグロメット部材41側に移動する。これにより、一対の挟持部材46の間でグロメット部材41が挟持される。
【0060】
《実施形態5》
図11は、本実施形態5に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。前記実施形態1との違いは、挟持部材56の形状が異なっている点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0061】
図11に示すように、油圧ホースクランプ40は、グロメット部材41と、固定部材42と、押圧部材44と、挟持部材56と、締結部材48とを備えている。
【0062】
固定部材42におけるグロメット部材41の外側には、ガイド部43が設けられている。ガイド部43には、所定角度で傾斜したガイド面43aが形成され、台形状に形成されている。ガイド部43は、溶接等により固定部材42に接合されている。固定部材42には、ガイド部43を貫通して締結部材48を挿通させる貫通孔42bが形成されている(
図13参照)。
【0063】
図12にも示すように、挟持部材56は、押圧部材44側に切欠凹部56bが形成された板状体で構成されている。挟持部材56の切欠凹部56bは、押圧部材44に対して摺動自在に嵌合されている。挟持部材56は、グロメット部材41の外側に配置されている。挟持部材56には、ガイド部43のガイド面43aに対応して傾斜した当接面56aが形成されている。これにより、締結部材48を締め付けたときに、挟持部材56がガイド面43aに沿ってグロメット部材41側に移動可能となっている。
【0064】
締結部材48の軸部は、押圧部材44及び固定部材42の貫通孔44a,42bに挿通され、固定部材42の外面に配置された締結ナット49に締結される。
【0065】
次に、グロメット部材41を固定する手順について
図13を参照しながら説明する。
図13(a)に示すように、固定部材42の固定面42aにグロメット部材41の嵌合凹部41bを嵌合させる。そして、締結部材48の軸部を、押圧部材44及び固定部材42の貫通孔44a,42bに挿通させ、締結部材48の軸端部を締結ナット49に締結させる。締結部材48を締め付ける前の状態では、グロメット部材41と押圧部材44との間には隙間が設けられている。
【0066】
そして、
図13(b)に示すように、締結部材48を締め付けていくと、グロメット部材41の嵌合凹部41bが押圧部材44に嵌合され、押圧部材44と固定部材42との間でグロメット部材41が挟持される。一方、挟持部材56は、締結部材48の締め付け動作に連動して、ガイド部43のガイド面43aに沿ってグロメット部材41側に移動する。これにより、一対の挟持部材56の間でグロメット部材41が挟持される。
【0067】
なお、本実施形態では、挟持部材56の押圧部材44側に切欠凹部56bを形成した構成としたが、例えば、
図14に示すように、押圧部材44の断面形状に合わせて長方形状の切欠孔56cを形成し、この切欠孔56cに押圧部材44を摺動自在に嵌合させることで、挟持部材56を移動可能とした構成であってもよい。
【0068】
《実施形態6》
図15は、本実施形態6に係る油圧ホースクランプの構成を示す平面図である。前記実施形態1との違いは、ガイド突起51及びガイド溝52を設けた点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0069】
図15(a)に示すように、挟持部材46の当接面46aには、傾斜方向に延びるガイド突起51が形成されている。また、ガイド部43のガイド面43aには、ガイド突起51に摺動自在に嵌合されるガイド溝52が形成されている。
【0070】
そして、
図15(b)に示すように、ガイド突起51とガイド溝52とを嵌合させた状態で、締結部材48を締め付けていくと、挟持部材56は、締結部材48の締め付け動作に連動して、ガイド部43のガイド面43aに沿ってグロメット部材41側に移動する。このとき、挟持部材46は、ガイド突起51及びガイド溝52によって傾斜方向のみに移動するように規制されるため、位置ずれすることなくスムーズにグロメット部材41側に移動させることができる。
【0071】
なお、本実施形態では、挟持部材46の当接面46aにガイド突起51を形成し、ガイド部43のガイド面43aにガイド溝52を形成した構成について説明したが、挟持部材46の当接面46aにガイド溝52を形成し、ガイド部43のガイド面43aにガイド突起51を形成した構成としてもよい。